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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1294635
審判番号 不服2004-6304  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-03-30 
確定日 2005-12-05 
事件の表示 特願2000-235756「インターネット・ファクシミリ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 2月15日出願公開、特開2002- 51184〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年8月3日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成17年8月9日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】インターネット・ファクシミリ装置であって、
前記装置に備えられたスキャナで読み取られたファクシミリデータに付して発信元表示を行うためのファクシミリ発信元(TTI)データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されたファクシミリ発信元データが付された前記ファクシミリデータを電子メールでインターネット・ファクシミリ送信時に、前記電子メールの発信元電子メールアドレスに発信元表示を行うため、前記ファクシミリ発信元(TTI)データとは異なる電子メール発信元データを記憶する第2の記憶手段と、
を備えたことを特徴とするインターネット・ファクシミリ装置。」
2.引用例
これに対して、当審において平成17年5月25日付けで通知した拒絶の理由に引用した特開平10-40183号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。(摘記箇所は段落番号により特定する。)
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メール送信機能を有する通信端末装置、たとえばインターネット等のコンピュータ通信網に接続して電子メールの送信が可能なファクシミリ装置等に関する。」
イ 「【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して詳述する。但し、以下に説明する本発明の実施の形態では、本来はファクシミリ通信されるべきイメージデータを電子メールとして送信するように構成された通信端末装置に本発明を適用しており、またコンピュータ通信網としてはインターネットを使用するものとする。
【0016】まず最初に、本発明の通信端末装置Tのハードウェア構成を図1を参照して説明する。本発明の通信端末装置Tは従来のG3,G4のファクシミリ通信機能に加えてインターネットと通信(送受信)するための機能を備えている。
【0017】CPU1は、バス12を通じてハードウェア各部を制御する他、後述する符号化,復号化,画像(TIFF)変換,バイナリ・テキスト変換,メール編集,通信手順等のソフトウェア的機能を実行する。
【0018】読取部2は、CCD等を利用したスキャナで原稿を読み取り、白黒2値に変換したドットイメージデータを出力する。記録部3は電子写真方式等のプリンタを備え、他のG3,G4ファクシミリ装置からファクシミリ通信により受信したイメージデータ、またはインターネットから受信したイメージデータをハードコピーとして再生し、記録する。」
ウ 「【0021】ROM6は、本発明の通信端末装置Tの動作に必要な種々のソフトウェアのプログラムを予め格納している。RAM7は、SRAMまたはフラッシュメモリ等で構成され、ソフトウェアの実行時に発生する一時的なデータを記憶する他、各種のテーブル(後述)を記憶している。また、RAM7には後述するAフラグ7Aが適宜のアドレスに割り付けられている。なお、RAM7にフラッシュメモリを使用した場合には、停電,装置の移動等のために電源が遮断された場合にも各種のテーブルの内容が失われない。イメージメモリ8はDRAM等で構成され、送信すべきイメージデータまたは受信したイメージデータを記憶する。」
エ 「【0047】次に、CPU1はTTIに必要なデータを利用者テーブルT2等から読み出す(ステップS65)。具体的には、ユーザ名は利用者テーブルT2から読み出し、送信元の電話番号,日付等のデータはRAM7の所定の領域から読み出す。そして、CPU1は読み出したデータに対応するフォントデータをROM6から読み出す(ステップS66)。次に、CPU1はAフラグ7Aの状態を調べ(ステップS67)、セット(”1”)されていれば、イメージメモリ8に格納されている送信すべき原稿の全ページを順次的に読み出す(ステップS68)。Aフラグ7Aがリセットされていれば(”0”)、CPU1はイメージメモリ8に格納されている送信すべき原稿の第2ページ以降の各ページを順次的に読み出す(ステップS69)。そして、CPU1はイメージメモリ8から読み出した各ページのイメージデータの上端の部分に、先にROM6から読み出してあるフォントデータを合成し、再度イメージメモリ8に格納する(ステップS70)。
【0048】上述のステップS70の処理が終了した場合及び前述のステップS61においてユーザがTTIの付加を望まなかった場合には、次のステップS8へ処理が進められ、
電子メールの実際の送信が開始される。
【0049】ところで、インターネットでは、G3形式のイメージデータを直接送信することはできないため、以下のようにして電子メール形式に変換する(ステップS8)。まず画像変換部22は、G3形式のイメージデータの先頭にTIFF CLASS Fのヘッダ情報を付加し、TIFFイメージデータを作成する。このTIFFイメージデータはバイナリデータであるので、バイナリ・テキスト変換部23はこれをテキストデータに変換する(ステップS9)。
【0050】更に、メール編集部24は、テキストデータに変換されたTIFFイメージデータに電子メールのヘッダを付加する(ステップS10)。このヘッダには、図12に示すように、少なくとも”From:”,”To:”,”Subject:”,の項目が含まれる。”From:”には、ステップS3において利用者テーブルT2から選択された利用者のインターネットe-mailアドレスが、”To:”には、ステップS4において相手先テーブルT1から選択された相手先のインターネットe-mailアドレスが、”Subject:”には、TIFF形式のイメージデータを含む電子メールであることを示す”TIFF(G3)”がそれぞれ設定される。」
オ 【図4】には、「利用者(発信者)テーブルT2」として、「ユーザ名」及び「インターネットe-mailアドレス」欄を含みそれぞれの欄には異なるデータ「十条株式会社」、「Jujo@kyoto.or.jp」等が記載されている。
これら記載事項及び図1によれば、引用刊行物には、
「電子メール送信機能を有する通信端末装置、たとえばインターネット等のコンピュータ通信網に接続して電子メールの送信が可能なファクシミリ装置において、読取部2は、CCD等を利用したスキャナで原稿を読み取りイメージデータを出力する。TTIに必要なデータを利用者テーブルT2等から読み出す。具体的には、ユーザ名は利用者テーブルT2から読み出し、送信元の電話番号,日付等のデータはRAM7の所定の領域から読み出す。読み出したデータに対応するフォントデータをROM6から読み出し、イメージメモリ8から読み出した各ページのイメージデータの上端の部分に、先にROM6から読み出してあるフォントデータを合成し、再度イメージメモリ8に格納する。さらに電子メールのヘッダの項目”From:”には、ステップS3において利用者テーブルT2から選択された利用者のインターネットe-mailアドレスが設定される。」発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明はインターネットを通じて電子メールの送信が可能なファクシミリ装置であるから、インターネット・ファクシミリ装置である。
引用発明の「スキャナ」、「イメージデータ」及び「ユーザ名」は、それぞれ本願発明の「スキャナ」、「ファクシミリデータ」、「ファクシミリ発信元(TTI)データ」に相当する。
引用発明の「利用者テーブルT2」は、RAM7で成っているから(2.ウ参照)、「記憶手段」ということができる。
引用発明の電子メールのヘッダの項目”From:”は発信元表示を行うためのものであることは規格上明らかであり、ここに設定される利用者テーブルT2から選択された利用者の「インターネットe-mailアドレス」は本願発明の「電子メール発信元データ」に相当し、かつ「ユーザ名」とは異なるものである(2.オ参照)。
してみると、本願発明と引用発明は、
「インターネット・ファクシミリ装置であって、
前記装置に備えられたスキャナで読み取られたファクシミリデータに付して発信元表示を行うためのファクシミリ発信元(TTI)データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたファクシミリ発信元データが付された前記ファクシミリデータを電子メールでインターネット・ファクシミリ送信時に、前記電子メールの発信元電子メールアドレスに発信元表示を行うため、前記ファクシミリ発信元(TTI)データとは異なる電子メール発信元データを記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とするインターネット・ファクシミリ装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
相違点:「本願発明においては、ファクシミリ発信元(TTI)データは第1の記憶手段に、電子メール発信元データは第2の記憶手段にそれぞれ記憶されるのに対し、引用発明においては、「ユーザー名」も「インターネットe-mailアドレス」も利用者テーブルT2に記憶される点。」
4.判断
上記相違点について検討する。
一般的にみて複数のデータを一つの記憶手段に記憶させるか複数の記憶手段に記憶させるかは、メモリの価格や容量を考慮して当業者が適宜設計すべき事項にすぎないし、引用発明の「ユーザ名」及び「インターネットe-mailアドレス」は「利用者テーブルT2」の別々の欄に記憶されており(2.オ参照)、別々に読み出されるものであるから、これを別々の記憶手段に記憶させることは当業者が容易に思いつくことである。
一方、本願発明の奏する効果を検討してみても、引用発明及び技術常識から想定される範囲を越えるものではない。
5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本願は他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-08-23 
結審通知日 2005-09-13 
審決日 2005-09-28 
出願番号 特願2000-235756(P2000-235756)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 岡本 俊威
深沢 正志
発明の名称 インターネット・ファクシミリ装置  

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