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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1294651
審判番号 不服2004-20594  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-10-06 
確定日 2005-12-08 
事件の表示 平成 5年特許願第 23892号「情報伝送システム及び情報伝送方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 6年 8月23日出願公開、特開平 6-236316〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (手続の経緯、本件発明)
本願は、平成5年2月12日の出願であって、その請求項1乃至8に係る発明は、平成12年2月10日付け、平成15年8月11日付け、平成16年11月5日付けの各手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至8に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)は次のとおりのものである。
「それぞれ異なるフォーマットの情報データを処理する複数の情報処理装置と、第一の情報処理装置で取り扱われる第一のフォーマットの情報データを記憶するための半導体記憶素子を内部に有する記憶媒体とからなり、当該記憶媒体に記憶された第一のフォーマットの情報データを、当該第一のフォーマットの情報データと合わせて当該記憶媒体に記憶されたその第一のフォーマットの情報データのファイル管理情報と共に読み出し、第二のフォーマットの情報データを処理する第二の情報処理装置で処理することを特徴とする情報伝送システム。」
(刊行物記載の発明)
これに対し、原審において拒絶の理由に引用された特開平2-157987号公報(以下、刊行物1という。)には、ICカードシステムに関する発明が記載されており、次のように説明されている。
「このためICカ-ドの場合には、通常の情報処理装置と同様に、メモリ内に情報をたとえばファイル単位で蓄積し、外部装置などにより所定のファイルを指定することで、ファイル内の読み出しまたは書き込みなどのアクセス処理が行なわれる。」(第2頁左上欄第17行?右上欄第2行)、
「ICカ-ドによりメモリアクセス方式が異なるのは、それぞれのアクセス方式に一長一短があるためである。具体的には、可変容量ファイル方式はたとえばICカ-ドのマルチユ-ザのコモンデ-タなどの情報量の多いものに適しており、また可変/固定レコ-ド方式は数バイト程度で表わされるたとえば商品取引の詳細項目などの情報に適している。さらに可変/固定バイト方式は1バイトで表わされるたとえば電話の使用度数などの情報に適している。」(第2頁左下欄第7?16行)、
「第1図を参照すると、本発明によるICカ-ドシステムの一実施例を示す機能ブロツク図が示されている。ICカ-ドlは、たとえば単数または複数のユ-ザまたはアプリケ-シヨンで使用されるカ-ドであり、多目的な用途に柔軟に適用できるよう、3種類のアクセス方式に対応した記憶形式でデ-タをメモリに書き込んだり、また指定されたアクセス方式に変換してデ-タを読み出すことができるカ-ドである。」(第3頁左上欄第16行?右上欄第5行)、
「ICカ-ドlは、所定のリ-ダ・ライタ(図示せず)に着脱自在に装着可能であり、このリ-ダ・ライタを介し、同図に示すようにたとえばホストコンピュ-タなどの外部装置2に接続される。
外部装置2は、リ-ダ・ライタを介して接続されたICカ-ドlを通信制御する情報処理装置である。外部装置2においてとくに重要なことは、複数のアクセス方式によりICカ-ドlにアクセス可能な機能を有し、アクセスする情報の種別に適したアクセス方式でICカ-ドとの情報伝送を行なうことである。すなわち外部装置2は、カ-ドlのメモリ12に新規フアイルを作成し、ここに情報を格納する場合、出力200を介して新規フアイル名およびそのアクセスモ-ドを指定する。また外部装置2は、ICカ-ド1より情報を読み出す場合、たとえばフアイル名およびそのフアイル名を読み出すアクセスモ-ドを指定する。
ICカ-ドlのCPU10はカ-ドlの各構成要素を制御する内部メモリを有する制御回路である。この内部メモリには、CPU10の処理動作が固定プログラムとして格納されている。固定プログラムは、本実施例ではメモリ12のファイル管理を行なうファイル管理プログラム、CPU10の基本動作の処理が示された制御プログラム、および本実施例でとくに重要なモ-ド0?2の3種類のメモリアクセスプログラムを含んだソフトウエアである。モ-ド0?2のメモリアクセスプログラムはそれぞれ、外部装置2より指定されるアクセス方式に対応している。すなわちこれらプログラムによりCPUl0は、指定されたアクセス方式の記憶形式でメモリ12に情報を格納する。また、指定されたアクセス方式が格納されている記憶形式と異なるときは、CPU10はこれらプログラムにより格納デ-タを指定されたアクセス方式に変換して外部装置2に送る。」(第3頁右上欄第15行?右下欄第10行)、
「メモリ12は、複数のファイルを格納できる記憶部であり、この格納されたファイルの管理情報が示されているファイル管理ブロツク12Aを有する。第2図には本実施例におけるメモリ12のファイル格納例が示されている。ファイル1は可変容量ファイル方式が、ファイル2は可変レコ-ド方式が、ファイル3は可変バイト方式が外部装置2よりそれぞれ指定されたときのメモリ12に記憶される記憶形式が明示されている。外部装置2がデ-タ格納時に、格納デ-タとともにそのファイル名、ファイル方式およびファイル容量などの指定を含む情報をICカ-ドlに伝送することで、本実施例では3種類の中から指定されたアクセス方式により、デ-タを格納することができる。このため、ファイル管理ブロック12Aの各ファイル管理情報120には、格納デ-タのアクセス方式122が含まれる。
・・・(文章省略)
第3A図ないし第3E図は、本実施例におけるICカ-ドシステムの処理動作のフロ-が示されている。すなわち、第3A図には新規にファイルを作成するときのフロ-が、また第3B図にはすでに作成されているファイルの中のデ-タを読み出すときの処理が示されている。さらに第3C図?第3E図には、モ-ド0?モ-ド2のアクセスモ-ド、すなわちバイト方式、レコ-ド方式またはフアイル方式の動作フロ-がそれぞれ示されている。
ICカ-ド1がリ-ダ・ライタを介し外部装置に接続されると、外部装置2は、信号線200を介し接続されたICカ-ド1のファイル管理ブロツク12Aよりファイル状況を確認する(300)。このとき、外部装置2がたとえばこれから伝送するデ-タのファイルが存在しないことをファイル状況より確認した場合には、第3A図に示すように、伝送デ-タを格納する新規ファイル名およびそのアクセスモ-ドの指定情報をICカ-ドlに送る(302、304)。ICカ-ドlがこれら指定情報を外部装置2より受信すると、カ-ドlはアクセスモ-ドに応じてメモリ12のファイル状態を初期化する(306)。そして、先程指定されたアクセスモ-ドの処理モ-ドに移行する(308)。
すでにメモリ12に作成されたファイルのデ-タを外部装置2が読み出す場合には、第3B図に示されているように、ファイル状況を確認後(300)、読み出すデ-タが格納されているファイル名を指定する(310)。次に外部装置2は、指定したファイルの記憶形式をファイル状況より識別し、この記憶形式に対応するアクセスモ-ドで、格納されているデ-タを効率的に読み出せるかどうかを判断する(312)。外部装置2は、ファイルが格納されているモ-ドで効率的にデ-タを読み出せないと判断すると、最も効率的にデ-タを読み出せるアクセスモ-ドの一時指定を行なう(314)。また外部装置2は、格納されているモ-ドで効率的にデ-タを読み出せると判断したときには、その既存モ-ドを指定するかまたはモ-ド指定のパラメ-タを省略する(316)。そして、ファイル作成のときと同様に、読取りを指定したアクセスモ-ドの処理に移行する(308)。」(第4頁左上欄第10行?右下欄第13行。)、
「また、外部装置2がファイルの読出しを行なう場合には、外部装置2は、たとえば「READ」コマンドを用い、フアイル名、読取りモ-ド一時指定、アドレスおよび読み出すバイト数を指定する(404)。」(第5頁左上欄第9?13行)
(対比)
本件発明と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、
(i)上記刊行物1記載の発明のシステムにおいては、フアイル名、読取りモ-ド一時指定、アドレスおよび読み出すバイト数を指定して、アクセスモードが異なる複数の外部装置へのファイルの読み出しを行えるようにしており、本件発明において、情報データが複数の情報処理装置において取り扱われるとする点と実質的な差異はない。
(ii)上記刊行物1記載の発明のシステムにおいては、外部装置で取り扱われたデータを記憶するメモリを備えたICカードが用いられており、本件発明が、第一の情報処理装置で取り扱われる情報データを記憶するための半導体記憶素子を内部に有する記憶媒体を備えるとする点と実質的な差異はない。
(iii)上記刊行物1記載の発明のシステムにおいては、ICカードのメモリに記憶したデータ(例えば、外部装置Aで取り扱われたデータ)を他の外部装置(例えば、外部装置B)で読み出し、処理を行うようにしており、本件発明が、記憶媒体に記憶された情報データ(第一の情報処理装置で取り扱われたデータ)を、第二の情報処理装置で読み出し、処理を行うとする点と実質的な差異はない。
したがって、本件発明と上記刊行物1記載の発明とは次の点で相違し、その余では一致する。
複数の情報処理装置において扱われる情報データが、本件発明においては、それぞれ異なるフォーマットのものであるとし、第二の情報処理装置では、第一のフォーマットの情報データをファイル管理情報と共に読み出し、第二のフォーマットの情報データとして処理するとしているのに対し、上記刊行物1にはその点についての直接的な記載がない点
(相違点についての判断)
上記刊行物1には、ICカードのメモリに外部装置(例えば、外部装置A)からのデータを記憶するに際しては、データとともにファイル名、ファイル方式およびファイル容量などを指定した情報も記憶するようにし(第4頁左上欄第18行?右上欄第1行)、他の外部装置(例えば、外部装置B)は、ファイル名、読取りモードを指定して、指定したファイルの記憶形式に対応するアクセスモードで格納されたデータを読み出すようにしている(第4頁左下欄第16行?右下欄第13行、第5頁左上欄第9?13行)ところ、ファイルの読み出しを管理情報とともに読み出すといったことは本件出願前普通に行われていることである。
また、あるファイルフォーマット(ファイル形式ともいう。)を他のファイルフォーマットに変換するといったことも本件出願前普通に行われていることである。
したがって、上記刊行物1記載の発明において、外部装置Bがファイル管理情報を読み出し、外部装置Bが扱えるファイルフォーマットでないとわかった場合に、そのファイルフォーマットを外部装置Bで取り扱えるように変換するといったことは当業者が適宜なし得ることにすぎない。
(まとめ)
よって、本件発明は、上記刊行物1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-10-06 
結審通知日 2005-10-11 
審決日 2005-10-25 
出願番号 特願平5-23892
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 桜井 茂行  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 堀江 義隆
橋本 正弘
発明の名称 情報伝送システム及び情報伝送方法  
代理人 堀口 浩  

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