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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1294736
審判番号 不服2013-13557  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-07-12 
確定日 2014-12-03 
事件の表示 特願2009- 98599「無線通信システムにおける伝送フレーミングのための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 9月24日出願公開、特開2009-219127〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成14年3月28日(パリ条約に基づく優先権主張 2001年3月28日 米国、 2001年8月20日 米国)を国際出願した特願2002-577369号の一部を平成21年4月15日に新たな特許出願としたものであって、平成25年3月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月12日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。



第2.平成25年7月12日付けの手続補正書による補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成25年7月12日付けの手続補正書による補正(以下、「本件補正」と呼ぶ。)を却下する。

[理由]
1.本件補正の内容について
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1において、
「ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングする方法」を「一方向ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングする方法」なる事項に特定し、「伝送のためのフレーム」を「一方向伝送のためのフレーム」に特定する補正を含んでおり、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりのものである(下線は、請求人が付与した。)。

「【請求項1】
一方向ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングする方法であって、該方法は
伝送のためのインターネットプロトコル(IP)パケットの部分を発生し、
該IPパケットの該部分にフレームインジケータの開始部を付加し、
ペイロード形式を識別するプロトコルフィールドを含まない該IPパケットの該部分に
誤り検出機構を適用し、
フレームインジケータの該開始部、該IPパケットの該部分、および該誤り検出機構を有する一方向伝送のためのフレームを準備し、そして
該プロトコルフィールドなしに該フレームを伝送する、
ことを含む方法。」


2.補正の目的
上記請求項1は、補正前の請求項1における「ブロードキャスト伝送」に関して、「一方向ブロードキャスト伝送」であることを限定し、同「伝送するためのフレーム」に関して、「一方向伝送するためのフレーム」であることを限定するものであるから、この補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定の違反)について以下に検討する。


3.本件補正発明
本件補正発明は、平成25年7月12日付けの手続補正書の請求項1に記載された事項により特定された、上記「1.本件補正の内容」に記載したとおりのものである。


4.引用文献の記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本願の優先日前に国際公開された文献である国際公開第00/41364号(以下、「引用文献」という)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(a)第2頁第25行-第3頁第15行
「 図14には第2層の処理を経たパケットであるPPPフレームの構成が示されている。なお、図中の括弧内の数値の単位はバイトである。このPPPフレームは、PPPヘッダ(5バイト)と、データと、PPPフッタ(3または5バイト)とで構成される。ここで、PPPヘッダは、フラグ、アドレス、制御、パケット・プロトコル識別(LCP(リンク制御プロトコル;Link Control Protocol)、IPCP(Internet Protocol Control Protocol)、IP、IPX(Internetwork Packet Exchange)など)の各情報からなる。また、データはネットワーク層以上の上位に位置する層の処理により付加されたヘッダ(上記TCPヘッダおよびIPヘッダを含む)と実データとからなる。そして、PPPフッタはFCS(Frame Check Sequence)およびフラグからなる。なお、図中のMTUは最大転送単位である。
以上のように、送信側では、送信すべき実データに対し、OSI階層モデルの各層に対応した処理が上位に位置する層から下位に位置する層に向けて順に施され、各層の処理に対応したヘッダが実データに順次付加されていく。
図7の7Aは、このような送信側でのすべての処理を経て最終的に送信されたパケットであり、この図に示すように、パケット7Aは、オプションヘッダがないものとすると、5バイトのPPPヘッダ、20バイトのIPヘッダ、20バイトのTCPヘッダの合計45バイトからなるヘッダがアプリケーションデータの先頭に付加され、さらに3または5バイトのフッタがデータの末尾に付加されたものとなる。なお、アプリケーションデータのサイズは例えば500バイトであり、最大1460バイトまで拡張可能である。」

(b)第21頁第2-21行
「 図1において、BS2は、地上を例えば半径500mのエリアに分割した無線ゾーンごとに配置されており、この無線ゾーンに在圏したMS1との間で無線通信を行う。
PPM3は、複数のBS2を収容するパケット加入者交換局に備えられたコンピュータシステムであり、MS1からのパケット交換要求を受け付けるとともに、移動パケット通信網10内におけるパケット交換を中継する。
GWS5は、移動パケット通信網10とインターネット6等の他のネットワークとを相互接続するために移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムである。このGWS5は、後述するようにMS1から自装置までの無線系区間と、自装置からCPS8までの有線系区間とを接続するためのもので、無線系区間において用いられる簡易プロトコル(以後、TL;第1の通信プロトコル)と、有線系区間におけるプロトコルであるTCPとの差異を吸収して、MS1とCPS8との間でパケット通信が可能となるように種々の制御を行う。
また、GWS5は複数台配置されてサーバ群を形成し、このサーバ群の中にはプロキシサーバ(Proxy Server)も含まれる。
CPS8は、コンテンツ提供事業者が運用するサーバシステムであり、ユーザに提供すべき情報をHTMLデータの形式でインターネット6または専用線7を介してゲートウェイサーバ5へ供給する。
また、GWS5の内部にも、移動パケット通信網10の事業者自身がコンテンツを提供するためのサーバが設けられている。」

(c)第29頁第2-12行
「 続いて、GWS5に供給されたCPS8内のホームページのデータを含むパケット(TL-DATAパケット)は、PPM3に転送される(S217)。
図10ではこのパケットがパケット10Aとされ、その構成が示されている。このパケット10Aにおいて、メッセージ種別を示すフィールドには、メッセージ種別が「Data」メッセージであることを示す情報が格納されるとともに、データフィールド内にはCPサーバ8内のホームページのデータが格納されている。
このパケットを受信した旨のTCP確認応答パケットがPPM3からGWサーバ5に返送される(S218)。そして、PPM3に転送されたTL-DATAパケットが移動機1に転送される(S219)。これにより、ユーザが指定したURLのホームページのデータがMS1に転送され、情報表示部1aには、ユーザが初期画面から選択した番号に対応する内容が表示される。」

(d)第30頁第22行-第31頁第1行
「(2)また、図7に示したように、本実施形態において転送されるパケット7Bの構成は大幅に簡素化される。つまり、簡易プロトコルTLによる通信では、各パケットは約10バイトのヘッダ(TLヘッダという)と、アプリケーションデータ(例えば500バイトであり、最大1400バイトまで拡張可能)で構成されることになる。したがって、従来のTCP/IPによるパケット7Aと比べて、大幅にヘッダサイズが小さくなっている(約1/5に削減されている)。これにより、転送データ量が削減され、通信コストも削減される。」

(e)図10には、TLヘッダ9バイトのフィールドとして、チェックサム、メッセージ種別、論理番号、論理状態、受信セグメント情報、送信セグメント情報、データ長、データが図示されている。

したがって、引用文献には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 PPPフレームのPPPヘッダは、フラグ、アドレス、制御、パケット・プロトコル識別(LCP(リンク制御プロトコル;Link Control Protocol)、IPCP(Internet Protocol Control Protocol)、IP、IPX(Internetwork Packet Exchange)など)の各情報からなっており、
BS2は、地上を例えば半径500mのエリアに分割した無線ゾーンごとに配置されており、この無線ゾーンに在圏したMS1との間で無線通信を行い、
GWS5は、移動パケット通信網10とインターネット6等の他のネットワークとを相互接続するために移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムであって、このGWS5は、MS1から自装置までの無線系区間と、自装置からCPS8までの有線系区間とを接続するためのもので、無線系区間において用いられる簡易プロトコル(以後、TL;第1の通信プロトコル)と、有線系区間におけるプロトコルであるTCPとの差異を吸収して、MS1とCPS8との間でパケット通信が可能となるように種々の制御を行うものであり、
GWS5に供給されたCPS8内のホームページのデータを含むパケット(TL-DATAパケット)は、MS1に転送され、
TL-DATAパケットのメッセージ種別を示すフィールドには、メッセージ種別が「Data」メッセージであることを示す情報が格納されるとともに、データフィールド内にはCPサーバ8内のホームページのデータが格納されており、
TLヘッダ9バイトのフィールドは、チェックサム、メッセージ種別、論理番号、論理状態、受信セグメント情報、送信セグメント情報、データ長、データであり、
簡易プロトコルTLによる通信では、各パケットは約10バイトのヘッダ(TLヘッダという)と、アプリケーションデータ(例えば500バイトであり、最大1400バイトまで拡張可能)で構成されることになり、したがって、従来のTCP/IPによるパケット7Aと比べて、大幅にヘッダサイズが小さくなっている(約1/5に削減されている)通信方法。」


5.対比
引用発明では、MS1からGWS5までの無線系区間でTL-DATAパケットを送信しているから、本件補正発明と引用発明とは、「無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングするための方法」である点で一致している。

引用発明のTL-DATAパケットは、GWS5に供給されたCPS8内のホームページのデータを含むパケットであって、OSI階層モデルの各層に対応した処理が上位に位置する層から下位に位置する層に向けて順に施され、各層の処理に対応したヘッダが順次付加されていく処理において、IPヘッダが付加される対象となるTCPパケットの実データ部分であるから、引用発明のTL-DATAパケットのアプリケーションデータは、IPパケットのペイロード部分、即ち、本件補正発明の「伝送のためのインターネットプロトコル(IP)パケットの部分」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「伝送のためのインターネットプロトコル(IP)パケットの部分を発生し」ている点で一致している。

本願の発明の詳細な説明の段落番号【0050】に「図10において続いて、プロトコルフィールド708(図9)の目的は、LCP制御パケット、ROHCパケット、IPパケット等のようなペイロード形式を識別することであるために、ブロードキャストチャネルにおいてはすべてのパケットが同じ形式に属するので、このディスクリミネータはブロードキャスト動作のためには必要とされない。」と記載されているから、本件補正発明の「ペイロード形式を識別するプロトコルフィールド」は、どのようなプロトコルを採用しているかを表すフィールドであると解され、引用発明のPPPフレームのPPPヘッダのパケット・プロトコル識別(LCP(リンク制御プロトコル;Link Control Protocol)、IPCP(Internet Protocol Control Protocol)、IP、IPX(Internetwork Packet Exchange)など)が、本件補正発明の「ペイロード形式を識別するプロトコルフィールド」に対応する。
そして、引用発明におけるヘッダの簡素化にともない、PPPヘッダが有するパケット・プロトコル識別を、TLヘッダは有していない。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「ペイロード形式を識別するプロトコルフィールドを含まない該IPパケットの該部分」を用いる点、及び、「該プロトコルフィールドなしに該フレームを伝送する」点で一致している。

引用発明のチェックサムは、誤りを検出するためのものであるから、本件補正発明の「誤り検出機構」に相当する。
そして、引用発明のチェックサムを有するTLヘッダが付加される対象はTL-DATAパケットのアプリケーションデータであることから、引用発明のチェックサムによる誤りの検出対象はTL-DATAパケットのアプリケーションデータであると、当業者であれば理解するのが当然である。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「ペイロード形式を識別するプロトコルフィールドを含まない該IPパケットの該部分に誤り検出機構を適用し」ている点で一致している。

引用発明のTL-DATAパケットは、ネットワークのGWS5からMS1へ転送されるパケットであるから、一方向伝送のためのフレームといえる。
また、引用発明は、TL-DATAパケットのアプリケーションデータ、及び、チェックサムを含むTL-DATAパケットを準備しているといえる。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「該IPパケットの該部分、および誤り検出機構を有する一方向伝送のためのフレームを準備し」ている点で一致している。

よって、本件補正発明と引用発明の一致点・相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「 無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングするための方法であって、該方法は
伝送のためのインターネットプロトコル(IP)パケットの部分を発生し、
ペイロード形式を識別するプロトコルフィールドを含まない該IPパケットの該部分に誤り検出機構を適用し、
該IPパケットの該部分、および該誤り検出機構を有する一方向伝送のためのフレームを準備し、そして
該プロトコルフィールドなしに該フレームを伝送する、
ことを含む方法。」である点。

[相違点1]
本件補正発明は、一方向ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおける方法であるのに対して、引用発明は、無線伝送システムにおける方法ではあるが、一方向ブロードキャスト伝送をサポートしているとは記載されていない点。

[相違点2]
本件補正発明では、IPパケットの部分にフレームインジケータの開始部を付加しているのに対して、引用発明では、TLヘッダはフレームインジケータの開始部を有していない、即ち、TL-DATAパケットのアプリケーションデータにフレームインジケータの開始部を付加することが記載されていない点。


6.当審の判断

[相違点1について]
無線伝送システムにおいて、下り方向のブロードキャスト伝送、即ち、一方向ブロードキャスト伝送をサポートすることは、本願出願前に周知である。必要ならば、特開2001-16179号公報(平成13年1月19日公開)の段落番号【0014】の「この実施形態では、基地局11は、データストリームおよびそのデータストリームに付随する表示を、全ての受信機13、14、15にブロードキャストする。」及び段落番号【0018】の「手段22で受信されるデータ型情報は、パケット、例えばインターネットプロトコル(IP)パケットやATMセルなどの形で構成することができる。」、あるいは国際公開第00/76234号(特表2003-50192号公報)の第13頁第17-19行の「However, due to the connection established to the GGSN/FA2, the MN is now able to receive the agent advertisement messages broadcasted by the FA2 in accordance with the Mobile IP protocol.」(当審訳:しかしながら、GGSN/FA2へ確立される接続により、MNは、ここで、移動IPプロトコルに基づいてFA2によりブロードキャストされたエージェント広告メッセージを受信することができる。)の記載参照。
したがって、引用発明の無線伝送システムを、一方向ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムとすることは、容易に想到できたことである。

[相違点2について]
HDLC( Hight-level Data Link Control )は無線伝送システムにおいて広く採用されているISO規格であって、無線伝送システムにおけるデータリンク層のフレーミング処理として、HDLC( Hight-level Data Link Control )プロトコルによるフレーミング処理、即ち、HDLCフレームへのフレーミング処理を行うことは常套的に行われている事項である。
また、HDLCフレームがフレームの先頭部分にフレームの開始を示す開始フラグを有し、HDLCフレームの受信側で該開始フラグを用いてフレームの開始を判断を行うことは、当業者にとって周知な事項である。
そして、HDLCフレームが伝送されることを前提とし、該フラグを用いてフレームの開始を判断するシステムにおいて、該フラグが省くことのできない情報であることは、当業者にとって明らかな事項である。
例えば、特開2000-224261号公報の段落【0053】には、「HDLC様のフレーム化を使用して、ペイロード内の「ビット・スタッフィング」処理の手段、および開始および終了フラグによるカプセル化の手段により、個々のシーケンス・フレームを分離する。16ビットのフレーム・チェック・シーケンス(Frame Check Sequence;FCS)がエラー検出のために含まれ、ARQプロトコルで使用される。ここで適用されるHDLC様のフレーム化は、一般的なHDLCフレームのアドレス・フィールドおよび制御フィールドは使用しない。HDLC様のフレームは、図4に示すように、LACプロトコルのデータユニット(LAC-PDU)すなわちLACフレームとして動作する。LACフレーム77の最大サイズは、PPPについてのものと同じになるようにデフォルトに設定され、これは1500バイトである。この最大値は、調整可能である。」の事項参照。
このため、引用発明にHDLCプロトコルを適用し、伝送するTL-DATAパケットがフレームの開始を示すフラグ、即ち、「フレームインジケータの開始部」を有するようにすることは、当業者が容易に想到できた事項である。

そして、本件補正発明のように構成したことによる作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


7.むすび
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3.本願発明について
1.本願発明
平成25年7月12日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?22に係る発明は、平成24年2月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?22に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングする方法であって、該方法は
伝送のためのインターネットプロトコル(IP)パケットの部分を発生し、
該IPパケットの該部分にフレームインジケータの開始部を付加し、
ペイロード形式を識別するプロトコルフィールドを含まない該IPパケットの該部分に
誤り検出機構を適用し、
フレームインジケータの該開始部、該IPパケットの該部分、および該誤り検出機構を有する伝送のためのフレームを準備し、そして
該プロトコルフィールドなしに該フレームを伝送する、
ことを含む方法。」


2.引用文献の記載事項
引用文献及び引用発明は、前記「第2.平成25年7月12日付けの手続補正書による補正についての補正却下の決定」の「4.引用文献の記載事項」に記載したとおりである。


3.対比・判断
本願発明は、前記「第2.平成25年7月12日付けの手続補正書による補正についての補正却下の決定」の「3.本件補正発明」で検討した本件補正発明における「一方向ブロードキャスト伝送をサポートする無線伝送システムにおいてパケットをフレーミングする方法」における「ブロードキャスト伝送」及び「一方向伝送のためのフレーム」における「伝送」が、「一方向」であることを省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が前記「第2.平成25年7月12日付けの手続補正書による補正についての補正却下の決定」の「6.当審の判断」に記載したとおり、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知な事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。



第4.まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-07-03 
結審通知日 2014-07-08 
審決日 2014-07-22 
出願番号 特願2009-98599(P2009-98599)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 桑原 聡一  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 近藤 聡
佐藤 聡史
発明の名称 無線通信システムにおける伝送フレーミングのための方法および装置  
代理人 佐藤 立志  
代理人 峰 隆司  
代理人 堀内 美保子  
代理人 福原 淑弘  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 中村 誠  
代理人 砂川 克  
代理人 赤穂 隆雄  
代理人 井関 守三  
代理人 河野 直樹  
代理人 井上 正  
代理人 野河 信久  
代理人 岡田 貴志  

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