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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1295485
審判番号 不服2012-22319  
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-12 
確定日 2014-12-10 
事件の表示 特願2007- 54169「選択的エストロゲン受容体モジュレーターと性ステロイド前駆体の組合せの医学的使用」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 8月 2日出願公開、特開2007-191484〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯、本願発明
本願は、平成11年(1999年)6月10日(パリ条約による優先権主張 平成10年(1998年)6月11日 米国)を国際出願日とする出願である特願2000-553043号の一部を、平成19年3月5日に新たな出願としたものであって、平成24年7月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年11月12日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成25年1月4日に手続補正書(方式)が提出された。

2.本願発明
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、平成23年12月7日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?19に記載された事項により特定されたとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
骨粗鬆症、高コレステロール血症、高脂血症、および乳癌からなる群から選択される症状の治療または該症状に罹患する危険性を減ずるための、
a)薬学上許容される賦形剤、希釈剤または担体、および、
b)デヒドロエピアンドロステロン、硫酸デヒドロエピアンドロステロン、アンドロスト-5-エン-3β,17β-ジオール、4-アンドロステン-3,17-ジオン、およびインビボでこれら性ステロイド前駆体のいずれかへと変換される化合物からなる群から選択される少なくとも1の性ステロイド前駆体の治療有効量を含有し、少なくとも一つの選択的エストロゲン受容体モジュレーターの治療有効量と組み合わせて投与されるものである医薬組成物であって、
該「インビボでこれら性ステロイド前駆体のいずれかへと変換される化合物」が、以下の式:



(式中、XはH-、ROC-、RCO_(2)CHRa-およびRbSO_(2)-(Rは水素、直鎖または分岐鎖(C_(1)-C_(18))アルキル、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルケニル、直鎖または分岐鎖(C_(2)-C_(18))アルキニル、アリール、フリル、直鎖または分岐鎖-(C_(1)-C_(18))アルコキシ、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルケニルオキシ、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルキニルオキシ、アリールオキシ、フリルオキシ、およびこれらのハロゲン化物またはカルボキシル化類縁体からなる群から選択される;Raは水素または(C_(1)-C_(6))アルキルである;およびRbはヒドロキシル(またはその塩)、メチル、フェニルおよびp-トルイルからなる群から選択される)からなる群から選択される;
Yはカルボニル酸素であるかまたはYはβ-OX(Xは上記と同意)およびα-Hを示す)
を有する化合物であり、
該選択的エストロゲン受容体モジュレーターが、以下の式:


を有するEM-1538である、
医薬組成物。 」

3.引用例
(1)引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物であるEndocrinology ,vol.138,No.10,p4435-4444,(1997)(平成23年6月3日付けの拒絶理由通知における引用文献1である。以下、「引用例A」という。)及び国際公開第96/26201号 (同引用文献3である。以下、「引用例B」という。)には、次の技術事項が記載されている。
なお、いずれも、英文で記載されているので、訳文で示す。引用例Bについては、対応する公表公報(特表平11-500133号公報)の記載を参考にして訳した。また、下線は当審で付した。

(1-1) 引用例Aの記載事項
a1 (4435頁、タイトル)
「ラットにおける骨量、血清脂質、及びジメチルベンズ(A)アントラセン誘発乳癌に対するデヒドロエピアンドロステロン及びEM-800の組み合わせ効果」

a2 (4435頁、要約)
「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)と抗エストロゲンであるEM800単独での治療は、DMBA投与の約9カ月後のジメチルベンズ(A)アントラセン(DMBA)誘発乳癌の発生率を、それぞれ95%から57%、38%にするが、DHEAとEM-800の併用を受けた動物群では、腫瘍は2つだけ成長し、実験終了前には消えた(P<0.01、対DHEAあるいはEM-800単独)。腫瘍を有する動物1匹あたりの平均腫瘍数は、平均腫瘍面積と同様、単独投与の場合と比較して、組み合わせ療法動物ではさらに減少した(P<0.01)。
DHEAは、全骨格、腰椎及び大腿骨の骨ミネラル密度を、それぞれ、6.9%(P<0.01)、10.6%(P<0.05)、8.2%(P<0.01)増加させた。DHEAへのEM-800の付加はDHEAの骨量増強効果に影響を与えなかった。2つの薬の併用は、尿のヒドロキシプロリン/クレアチニン比と同様、カルシウムとリンの尿中排泄に対する有意な阻害作用を有した。血清総アルカリホスファターゼ量はDHEAによって促進された。
EM-800による治療は血清トリグリセリド及びコレステロール値の両方を減少させた。一方、DHEAは血清トリグリセリド阻害作用のみがあった。
・・・
このデータは、ラットにおけるDMBA誘発乳癌の成長に対するDHEAとEM-800の付加的な抑制効果を示す。したがって、このことは、そのような組み合わせが、骨量を保存するか、あるいは増やしさえしつつ、かつ、好適な脂質プロファイルを維持しながら、女性たちの乳がんを予防するために役立つ可能性があることを示唆している。」

a3 (4436頁左欄18?42行)
「処置
動物は、対照群に40匹の動物をあてる以外は、無作為に、それぞれにラット20匹を含む群に分けた。動物は次のとおり282日間処置された。: 1)DHEA及びEM-800の両方のための対照ビヒクル; 2)EM-800[(+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピラン];図1;経口で毎日1回75μg、4%エタノール、4%ポリエチレングリコール-600、1%ゼラチン及び0.9%NaClの懸濁液0.5ml; 3)0.5mlの、50%のエタノール及び50%のプロピレングリコール中のDHEA;(経皮10mg、毎日一回)、及び、4)EM-800及びDHEAの両方。治療はDMBAの経口投与の3日前に始められた。EM-800は我々の研究所の医薬品化学部門にて合成された。また、DHEAはSteraloids(ウィルトン(NH))から購入された。
対照動物の多く及びEM-800またはDHEA処置動物の数匹は、腫瘍が大きすぎるためにDMBA投与の6ヵ月後にイソフルランによる麻酔下で頚部脱臼により屠殺された。屠殺時のこれらのラットの腫瘍の大きさおよび数を、生存している動物からの測定値と一緒にして、その後に行った腫瘍をもつラット1匹あたりの平均腫瘍数および平均腫瘍サイズの分析に用いた。DHEAおよびEM-800の単独または組合せの長期予防の可能性を決定するために残存動物(対照群からラット9匹および他の各群からラット13?19匹)をさらに3ヶ月間処置し続けた。DMBA投与の279日後にラットは屠殺された。」

a4 (4436頁右欄下から10行?4437頁右欄15行)
「結果
DMBAにより誘発された乳癌の発生に対する影響
図2に示すように、DMBA投与から279日後に対照動物の95%が触知できる乳癌を発生させた。DHEAまたはEM-800での治療はDMBAにより誘発される乳癌の発生を部分的に防止し、その発生率はそれぞれ57%(p<0.01)および38%(p<0.01)であった。興味深いことに、2種の化合物の組合せは、各化合物単独の場合よりも有意に高い抑制効果を導いた(DHEAまたはEM-800単独の場合に対してp<0.01)。実際、両方の化合物で治療された動物群において発生した2つだけの腫瘍は、実験終了前に消失した。
DHEAまたはEM-800での治療は、対照動物において、腫瘍保有動物1匹あたり平均腫瘍数を4.7±0.5個からそれぞれ3.4±0.7個(NS)および1.4±0.3個(p<0.01)に減少させたが、両方の薬剤を投与された動物では、実験終了時に腫瘍は発見されなかった(3つの他の群に対してp<0.01)(図3A)。後に消失した2個の腫瘍のうちの1つは、DMBA投与後79日?201日間存在していたが、他方の腫瘍は176日?257日の間触知可能であった。図3Bからわかるように、DHEAまたはEM-800は単独では、実験終了時の腫瘍保有動物1匹あたりの平均腫瘍面積は12.8±1.3cm^(2)からそれぞれ10.2±2.13cm^(2)(NS)および7.7±1.8cm^(2)(NS)に減少したが、組合せ治療ではゼロにまで減少した(他の3群に対してp<0.01)。DHEAおよびEM-800の両方で治療した動物群において発生した2個の腫瘍は1cm^(2)よりも大きくならなかった。腫瘍保有動物1匹あたりの平均腫瘍数と同様、腫瘍面積の真の値は図3に示す値よりも高いはずである。なぜなら、腫瘍サイズが過大であったために多くのラットを実験終了前に殺さなければならなかったからである。したがって、後でする計算においては、対照群におけるバイアスを最小にするために屠殺時の測定値を含めたが、いずれにせよこれらは他の群より有意に高いままであった。

図2. 279日間の観察期間を通じてのDHEA(毎日、経皮的、10ミリグラム)あるいはEM-800(毎日、経口、75μg)単独或いは併用での9カ月間の処理の、ラットでDMBA誘発乳癌の発生頻度に及ぼす効果。データは、各群の動物の合計の数に対する百分率として表す。


図3. 279日間の観察期間を通じての、DHEA(毎日、経皮的、10ミリグラムの)あるいはEM-800(毎日、経口、75μg)単独或いは併用での9カ月間の処理の、腫瘍保有動物数当たりの(A)平均腫瘍数及び(B)平均腫瘍サイズに及ぼす効果。」

a5 (4442頁左欄下から7行?下から1行)
「DHEAとEM-800の併用が骨形成に対するDHEAの刺激性効果を維持し、尿中のヒドロキシプロリンとカルシウムの排泄のさらなる減少によって示されるように、骨のターンオーバーと再吸収についてのEM-800単独での抑制効果を増強したことは興味深い。」

(1-2)引用例Bの記載事項
b1 (特許請求の範囲の請求項1-3,11,12)
「 1.(希釈剤または担体を有するまたは有しない)化合物またはその製薬的に許容される塩であって、前記化合物は以下の分子構造を有し:

式中、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ独立してヒドロキシルおよびインビボでヒドロキシルに変換できる部分からなるグループから選択され、
R^(3)は-CH_(2)-または-CH_(2)CH_(2)-であり、かつ
前記化合物または塩は、EM-652の番号2のキラル炭素でのEM-652の絶対配置と同一の絶対配置を、番号2のキラル炭素で有する立体異性体を50%(すべての立体異性体に対する重量比)より多く含む、化合物およびその製薬的に許容される塩。
2.



からなるグループから選択された請求項1に記載の光学活性化合物、
または上記のいずれかの製薬的に許容される塩。
3.以下の分子構造:

を有する請求項1に記載の光学活性化合物、
またはその製薬的に許容される塩。
・・・
11.エストロゲン感受性疾患を治療するための方法であって、このような治療を必要とする患者に、担体希釈剤を用いてまたは用いずに、請求項1から10のいずれかの化合物または塩を治療上有効量投与することからなる、方法。
12.前記エストロゲン感受性疾患は乳癌または子宮内膜癌である、請求項11に記載の方法。」

b2 (明細書の10頁1?19行)
「「インビボでヒドロキシルに変換される部分」とは、身体の化学的または酵素的プロセスによって開裂されかつヒドロキシル基または対応するアニオンに置換えられる部分である。多くのこのような基が当業者には公知である・・。このような基の限定的ではない例としては、(この発明の化合物において示しているように位置づけられたとき)ヒドロキシルに変換される、・・・アルキルカルボキシル・・・がある。
EM-343((±)-7-ヒドロキシ-3-(4′-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4″-(2″′-ピペリジノエトキシ)フェニル-2H-ベンゾピラン)のラセミ体および、特に、ここでは「EM-652」として示されるEM-343の右旋性鏡像異性体((+)-7-ヒドロキシ-3-(4′-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4″-(2″′-ピペリジノエトキシ)フェニル-2H-ベンゾピラン)のプロドラッグが好ましいが、この発明はこれらに限定されるものではない。
この発明は、ここに述べた化合物のプロドラッグ形および(錯塩を含む)塩を意図している。」

b3 (明細書の12頁2行?13頁17行)
「 図1は、ZR-75-1ヒト乳癌細胞のエストラジオール誘発型細胞増殖における下記のEM-343(当審注;構造式の記載は省略する。)およびその右旋性鏡像異性体EM-652の濃度増加に対する比較阻害活性を示す。それぞれのIC_(50)値は、EM-343に対しては2.4×10^(-10)Mと、EM-652に対しては1.1×10^(-10)Mと計算され、したがってEM-652の活性が2倍高いことを示す。ここで用いられるように、用語「EM-343」は(ラセミ混合物として具体的に説明される場合を除き)上に示された分子構造を有するいかなる鏡像異性体をも含み、ラセミ構造を含んだその混合物を含む。用語「EM-651」および「EM-652」は、それぞれ左旋性鏡像異性体または右旋性鏡像異性体の濃度が高められたEM-343の光学活性体を指す。
・・・
図3は、ZR-75-1ヒト乳癌細胞のエストラジオール誘導型細胞増殖において、(光学活性であり、EM-762の右旋性鏡像異性体が濃縮された)EM-800および(光学活性であり、EM-762の左旋性鏡像異性体が濃縮された)EM-776に対して、以下の構造を有するEM-343のジピバレート(当審注;構造式の記載は省略する。)である、EM-762のラセミ体の増加濃度における比較阻害活性を示す。
それぞれのIC_(50)値は、EM-762に対しては6.47×10^(-10)Mと、EM-800に対しては4.37×10^(-10)Mと、EM-776に対しては1.9×10^(-8)Mと計算され、したがって、左旋性鏡像異性体EM-776に比較して右旋性鏡像異性体EM-800の活性が43倍高いことを示す。」

b4 (明細書の41?42頁)
「例13
好ましい抗エストロゲン化合物の塩の合成の例。
以下に説明する方法により下記の構造を有する化合物が合成された。

下記のチャートを参照して、表示の溶媒中遊離アミン(1当量)と酸(1当量)の溶液を一晩室温で撹拌した。この反応混合物を蒸発させ再結晶化させて所望の塩を得た。


b5 (明細書の49頁1行?50頁22行)
「好ましい阻害剤の効能
好ましい化合物の抗エストロゲン活性は、以下においてより詳細に説明されるように、ZR-75-1ヒト乳癌細胞系を用いて測定された。

保存細胞培養物の維持
・・・
細胞増殖の測定
・・・細胞は・・・培養された。72時間後、培地は、X軸において示されるように、増大する濃度の阻害剤を含む(たとえば、図1において(ラセミ混合物として)EM-343およびEM-652;・・・ならびに図3においてEM-762、EM-800、およびEM-776)こと以外は、同じ組成である新鮮な培地によって置き換えられた。対照培養物はエタノール溶媒のみが与えられた。細胞は10日間37℃で成長させられたが、2日ごとに(同じ組成の)培地と取替えられた。0.1nMのエストラジオール(E_(2))含有培地において、阻害剤がなければ、ZR-75-1細胞は約48時間の倍加時間を有する。
・・・エストラジオール刺激細胞成長増強を50%減らすのに必要な抗エストロゲンの濃度であるIC_(50)の値が計算され、ここに報告する。こうして、より有効な抗エストロゲンはそのIC_(50)の値がより低い。図1からわかるように、EM-343の右旋性鏡像異性体、すなわちEM-652はヒトZR-75-1乳癌細胞の成長に対してラセミEM-343より高い有効性を持ち、EM-652のIC_(50)値はEM-343より2倍低い(2.4×10^(-10)M対1.1×10^(-10)M)。
図2からわかるように、右旋性鏡像異性体のEM-661はヒトZR-75-1乳癌細胞の成長に対してラセミEM-612より高い有効性を持つ。左旋性鏡像異性体EM-658の有効性は低く、EM-658のIC_(50)は69倍より高い。図3において、右旋性鏡像異性体EM-800はラセミEM-762より活性が高く、左旋性鏡像異性体EM-776は低い有効性しか持たない。」

(2)引用例Aに記載された発明
引用例Aにはラットにおける骨量、血清脂質、及びジメチルベンズ(A)アントラセン(DMBA)誘発乳癌に対するデヒドロエピアンドロステロン(以下、単に「DHEA」とのみ記載する場合がある。)及びEM-800の組み合わせ効果が記載され(記載事項a1)、デヒドロエピアンドロステロンを0.5mlの50%のエタノール及び50%のプロピレングリコール中に含んだ組成物(前記a3)を単独で投与した場合に、ラットDMBA誘発乳癌の発生率が95%から57%へ、平均腫瘍数が4.7±0.5個から3.4±0.7個(NS)に、平均腫瘍面積が12.8±1.3cm^(2)から10.2±2.13cm^(2)(NS)にそれぞれ減少したことが記載されている(同a2及びa4)。
また、引用例Aには、抗エストロゲンであるEM800;(+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピラン)単独でも、ラットにおけるDMBA誘発乳癌の発生率は、95%から38%に抑制され(p<0.01)、平均腫瘍数は、4.7±0.5個から1.4±0.3個(p<0.01)に、平均腫瘍面積は12.8±1.3cm^(2)からおよび7.7±1.8cm^(2)(NS)に減少したが、DHEAの投与を、抗エストロゲンであるEM800の投与と組み合わせた場合には、ラットにおけるDMBA誘発乳癌の発生率、平均腫瘍数及び平均腫瘍面積は、DHEAあるいはEM-800単独投与の場合と比較して、有意に減少し、平均腫瘍数及び平均腫瘍面積はゼロとなったこと(同a4)、DHEAとEM-800との組み合わせはラットにおけるDMBA誘発乳癌の成長に対して付加的な抑制効果を有することも記載されている(同a2)。

したがって、引用例Aには、
「ラットのDMBA誘発乳癌を抑制するための、エタノール及びプロピレングリコール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を含有する組成物であって、抗エストロゲンであるEM-800((+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピラン)の投与の組み合わせにより単独でのDMBA誘発乳癌の成長に対して付加的な抑制効果を有する組成物」 の発明(以下、「引用例A発明」という。)が記載されている。

4.対比・判断
(1)対比
そこで、本願発明と引用例A発明を対比する。
(i)まず、本願発明の「選択的エストロゲン受容体モジュレーター」については、本願明細書の【0029】に「本明細書において、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、直接またはその活性な代謝物が、エストロゲン受容体アンタゴニスト(抗エストロゲン)として乳房組織においては機能するが、エストロゲン作用のもしくはエストロゲン様作用を、骨組織および血清コレステロールレベル(即ち血清コレステロールの減少)においては示す化合物である。」と記載され、また、【0033】に、「エストロゲンは骨の再吸収を減少し」と記載されているとおり、乳房組織においては抗エストロゲンとして機能するが、骨組織での骨の再吸収を減少させ、血清コレステロールも減少させる、エストロゲン或いはエストロゲン様作用を作用を示す化合物であると認められる。
一方、乳癌抑制作用を有する抗エストロゲンである引用例A発明のEM-800((+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピラン)は、コレステロール値の両方を減少させ(前記記載事項a2)また、骨の再吸収を抑制する作用を有するもの(同a5)であるから、これは、本願発明の「選択的エストロゲン受容体モジュレーター」に相当するといえる。
(ii)引用例A発明の組成物は、デヒドロエピアンドロステロン誘発乳癌の成長の抑制効果を有する組成物であるから、これが本願発明の「乳癌症状の治療または該症状に罹患する危険性を減ずるための医薬組成物」に相当することは当業者に明らかであるし、組成物中のデヒドロエピアンドロステロン及び組み合わせて投与される(+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピランが治療有効量含まれていることは明らかである。
(iii)引用例A発明のDHEA含有組成物中の「エタノール及びプロピレングリコール」は、本願発明の「薬学上許容される希釈剤又は担体」に相当する。
したがって、本願発明と引用例A発明とを対比すると、両者は、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
骨粗鬆症、高コレステロール血症、高脂血症、および乳癌からなる群から選択される症状の治療または該症状に罹患する危険性を減ずるための、
a)薬学上許容される賦形剤、希釈剤又は担体、および、
b)デヒドロエピアンドロステロン、硫酸デヒドロエピアンドロステロン、アンドロスト-5-エン-3β,17β-ジオール、4-アンドロステン-3,17-ジオン、およびインビボでこれら性ステロイド前駆体のいずれかへと変換される化合物からなる群から選択される少なくとも1の性ステロイド前駆体の治療有効量を含有し、少なくとも一つの選択的エストロゲン受容体モジュレーターの治療有効量と組み合わせて投与されるものである医薬組成物であって、
該「インビボでこれら性ステロイド前駆体のいずれかへと変換される化合物」が、以下の式:
【化1】(当審注;一般式の記載は省略する。)
(式中、XはH-、ROC-、RCO_(2)CHRa-およびRbSO_(2)-(Rは水素、直鎖または分岐鎖(C_(1)-C_(18))アルキル、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルケニル、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルキニル、アリール、フリル、直鎖または分岐鎖-(C_(1)-C_(18))アルコキシ、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルケニルオキシ、直鎖または分岐鎖-(C_(2)-C_(18))アルキニルオキシ、アリールオキシ、フリルオキシ、およびこれらのハロゲン化物またはカルボキシル化類縁体からなる群から選択される;Raは水素または(C_(1)-C_(6))アルキルである;およびRbはヒドロキシル(またはその塩)、メチル、フェニルおよびp-トルイルからなる群から選択される)からなる群から選択される;
Yはカルボニル酸素であるかまたはYはβ-OX(Xは上記と同意)およびα-Hを示す)
を有する化合物である、
医薬組成物。

<相違点>
デヒドロエピアンドロステロンと組み合わせて投与される少なくとも一つの選択的エストロゲン受容体モジュレーターが、本願発明では「以下の式:(当審注;一般式の記載は省略する。)を有するEM-1538」であるのに対し、引用例A発明では、「EM-800((+)-7-ピバロイルオキシ-3-(4’-ピバロイルオキシフェニル)-4-メチル-2-(4”-(2’”-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-ベンゾピラン)」である点。

(2)相違点についての判断
本願発明のEM-1538は、本願明細書の【0096】に「EM-1538(EM-652 HCLとも称される)は、・・・抗エストロゲンEM-652の塩酸塩であり」と記載されるように、抗エストロゲンEM-652の塩酸塩に相当する化合物であるところ、引用例Bには、エストロゲン感受性疾患である乳癌を治療するために(抗エストロゲンである)請求項1の式Iで示される化合物またはその製薬的に許容される塩を使用することが記載されている。また、当該式Iに相当する好適なものとしては、EM-652またはその製薬的に許容される塩、及び、EM-800またはその製薬的に許容される塩が記載され(記載事項b1及びb2)、これらの化合物の乳癌の治療活性に関連して、ヒト乳癌細胞エストラジオール誘発型細胞増殖に対する阻害活性(IC_(50))が、EM-652では1.1×10^(-10)M、EM-800では4.37×10^(-10)Mであることも具体的に記載されており、乳癌細胞の増殖阻害活性が、EM-652はEM-800より約4倍強い値となっている(同b3及びb5)。
また、引用例Bには、塩の製造に関し、例13(記載事項b4)に、EM-652の塩であるCS-143及びEM-796の塩も含めた、各種抗エストロゲン化合物の塩を、溶媒中遊離アミン(1当量)と酸(1当量)の溶液を一晩室温で撹拌し、反応混合物を蒸発再結晶化させることで合成したことが記載されている。
さらに、医薬化合物の製薬的に許容される塩として、塩酸塩はもっとも代表的な塩形態である(必要なら、例えば、「経口投与製剤の設計と評価」、平成7年発行、株式会社薬業時報社、p76-77の「塩」の項目参照。)。

してみると、引用例A発明において乳癌を抑制するためにデヒドロエピアンドロステロンと組み合わせて投与されるEM-800に代えて、EM-800から体内で生成される化合物であり、EM-800に比べて乳癌細胞に対する増殖抑制効果(IC_(50))が、より強い引用例Bに記載されたEM-652を採用すること、その際に、引用例Bに示唆されている製薬的に許容される塩の形態であって、医薬品の塩形態として代表的な塩酸塩の形態としたものを採用することは、当業者が容易になし得ることに過ぎない。

次に、本願発明の効果について検討する。
本願の明細書(図面の簡単な説明)及び図面には、図9に、EM-1538を単独で経口投与した場合の卵巣嫡出ラットの血清コレステロールレベルに対する減少効果が、図10に、DHEAとEM-1538を組み合わせた場合の卵巣嫡出ラットの腰椎BMD(骨ミネラル密度)の増強効果が記載されている。また、具体的なデータは示されていないが、図11に、SERM(EM-652)およびDHEAが各種閉経パラメーターに及ぼす影響(効果)について記載されており、SERM(EM-652)は、乳癌、コレステロール、トリグリセリド、子宮内膜、骨損失を抑制すること、DHEAは、乳癌、インスリン、グルコース、脂肪組織を抑制し、膣上皮、骨形成、筋肉量、安寧を増加し、子宮内膜には影響がないことが記載されている。
上記の効果に関し、まず、本願発明のDHEAとEM-1538の組み合わせが、乳癌の抑制に有用である点は、既に相違点についての判断において指摘した引用例A及びBの記載から予測されることに過ぎない。
また、本願発明の乳癌の抑制以外の点の効果に関しては、引用例Aには、EM-800が単独及びDHEAとの併用で血清コレステロールレベルを減少させたこと(記載事項a2及び引用例Aの図4B)、DHEAは単独で通常の雌ラットの全骨格、腰椎及び大腿骨のBMDを増強し、DHEAとEM-800を組み合わせた場合には、全骨格及び大腿骨のBMDの増強、骨形成の促進、骨のターンオーバーと再吸収の抑制作用を有することが記載されている(記載事項a2及びa5、引用例Aの表1,2)。
更に、引用例Aには、EM-800が単独で、血清コレステロール、血清トリグリセリド、骨の再吸収を減少させたことが、引用例Bには、EM-652やEM-800やそれらの塩が抗エストロゲン化合物であることが記載されている(記載事項b4等)。
そして、引用例Aに記載のEM-800は、EM-1538を構成する活性成分であるEM-652のプロドラッグに相当する化合物であって、生体内で代謝されてEM-652を生ずるものであり、EM-652の塩酸塩であるEM-1538には、EM-800と同様の薬理効果が期待できるのであるから、本願の図9及び図11に記載されるEM-1538あるいはEM652単独での各種パラメータに対する減少作用や、図10に示されるDHEAとEM-1538を組み合わせた場合の卵巣嫡出ラットの腰椎BMDの増強効果は、これらEM-800についての引用例Aの記載から当業者が予測し得る範囲内のものである。なお、引用例Aの無傷の雌ラットの実験系でのBMDへの影響を示す表1では、腰椎については、DHEAとEM-1538の組み合わせ投与でのBMD増強の有意差までは確認されていないが、表1のデータから、改善傾向であることは理解できるし、全骨格BMDや大腿骨BMD、骨形成や骨吸収に関連したパラメーターでは、骨増強に対する有意差が確認されているのであるから、図10で卵巣嫡出ラットにおいて腰椎BMDの有意差が確認されたことが、当業者の予測を超えた程格別の効果であるとまではいえない。さらに、子宮内膜増殖の抑制作用は抗エストロゲン作用として一般に認識されているものに過ぎない。
図11に列記されるDHEAの効果については、引用例Aには、DHEAが骨形成の増強効果を有することが記載されているし(記載事項a2及びa5)、図11に列記される他の作用も、従来からDHEAの作用として既に知られているものである(例えば、原査定の拒絶の理由で引用文献2として指摘された特表平8-50629号公報の15?16頁には、DHEAが、肥満、糖尿病に対する有益な効果、抗血糖上昇薬としての有用性、体脂質の減少及び筋肉質量の増加作用を有することが記載され、17頁には、若さをたもち病気の発生を遅らせて寿命を延ばす作用があることが、図6には膣上皮の増殖作用を有することが記載されている。)。
したがって、本願明細書及び図面に記載の効果は、引用例A,Bの知見あるいは、優先日当時の技術常識に照らして、当業者が予測し得る範囲内のものにすぎない。

ところで、請求人は、審判請求書の請求の理由についての平成25年1月4日付け手続補正書(方式)等において、以下の旨主張している。
[主張1]
本願明細書段落【0096】には、本願請求項に記載のEM-1538が、EM-800に比較し、合成、単離、精製が容易で、結晶化可能で良好な固体状態安定性を示したと記載されており、本願明細書実施例6には、本願請求項に記載のEM-1538が反応液から直接結晶化されて製造できることが実験結果として記載されているのに対し、引用文献3(審決における引用例B)では、EM-800がカラムクロマトグラフィーにて単離され、再結晶化されて得られており、EM-1538はEM-800に比べ有利な効果を奏する。(前記手続補正書(方式)の(3))
[主張2]
EM-1538の活性体であるEM-652が立体特異性を有するものの、酸性溶媒中でラセミ化が生じ得ること(前記手続補正書(方式)に添付した参考資料1(US6,262,270)のカラム31参照)を考慮すれば、EM-652の塩酸塩であるEM-1538は尚更容易に想到されない。(同手続補正書(方式)の(3))
[主張3]
平成23年1月20日付けの意見書に添付した参考資料1(INVESTIGATOR’S BROCHURE,February2001:pages1,67,90-91)によれば、EM-800が惹起する血清中のカルニチンの減少という副作用はピバロイル基を有しないEM-1538を使用することにより回避され得る。この有利な効果は引用文献から予測され得ないし、本願明細書段落【0042】等の記載から参酌されるべき効果である。
(平成23年1月20日付けの意見書のIII.、同年12月7日付けの意見書のIII.(1)、及び、前記手続補正書(方式)の(3))

そこで、請求人の主張について検討する。
まず、主張1については、本願明細書の【0096】には、「EM-1538は、合成するのがより簡単かつ容易である。単離、精製が容易であり、結晶化可能であり、良好な固体状態安定性を示した。」と記載され、また、実施例6(【0158】)には、アルカリで遊離アミンの形態とした(S)-(+)-7-ヒドロキシ-3-(4’-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4’’-(2’’’-ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-1-ベンゾピランのエタノール溶液を塩酸で処理して得られた懸濁液を濾過、洗浄、乾燥させて、クリーミーな粉末を収率77%で得たこと、これは、微細なオフホワイトの粉末形態であったことが記載されている。
しかしながら、引用例Bには、EM-800の製造例のみならず、EM-1538とは対イオンとなる酸の種類が異なるだけの、EM-652の医薬化合物の製薬的に許容される塩の合成例が具体的に記載されている。そして、該合成法は、溶媒中で遊離アミン(1当量)と酸(1当量)の溶液を室温で混合して塩を生成させた後に溶媒を蒸発させ再結晶させるという方法であり、合成が簡単で単離・精製も容易である。具体例では、EM-652をアセトン溶媒中で(1S)-(+)-(10)-ショウノウスルホン酸と反応させ、得られた塩をエタノールで再結晶して収率66%でCS-143と名付けられた塩を製造した例、及び、EM-652をアセトン溶媒中でL-酒石酸と反応させて溶媒蒸発後に収率100%でEM-796と名付けられた塩を製造した例が記載されているが(記載事項b4)、引用例Bに記載の塩の合成方法の収率も高い。さらに、結晶自体が固体状態であり非結晶化物と比べて安定であることは周知の事項である。
してみると、引用例Bの示唆に従って、EM-652の塩形態を採用し、その際に医薬の塩として代表的な塩酸塩を合成する場合には、EM-800よりも合成が簡単で容易で、単離精製も容易であることは、引用例Bから予期し得る効果に過ぎないし、塩酸塩が結晶で得られたことが進歩性を推認し得るほどの格別の効果であるとも解されない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
なお、本願明細書の実施例6では、エタノール溶媒中で生成した塩が析出して懸濁液となったものを濾過洗浄して最終的に粉末形態の塩を得ているが、生成した塩が溶媒中で析出するかは使用する溶媒の種類等によっても異なる。

主張2については、参考資料1のカラム31の例10に、本願発明のEM-1538の活性体に相当するEM-652とは逆の立体配置構造である(R)体の(S)-(10)-カンファースルホン酸塩ジアステレオマーを含有する母液に、(S)-(10)-カンファースルホン酸を追加して、酸性溶媒中でラセミ化させて、(S)体であるEM-652の(S)-(10)-カンファースルホン酸塩を得ることが記載されている。しかしながら、当該工程では、ラセミ化を起こさせることを目的として酸性での還流条件を採用している。一方、引用例Bにおいては、塩を生成させることを目的としており、遊離アミンと酸は同じ当量で混合され、加熱条件ではなく室温で両成分を混合撹拌して反応させて塩を生成させており、その後反応混合物を蒸発させ、再結晶を行うものである(記載事項b4)。してみると、参考資料1の処理において、ラセミ化がおきているからといって、引用例Bに記載されているような一般的な塩の製造条件においてもラセミ化が起きることが示されているとまではいえないから、請求人の主張2は採用できない。
また、そもそも、参考資料1は、本願の優先日後に頒布された文献であって、加熱酸性溶媒中での処理によるEM-652のラセミ化自体が、本願の優先日当時の当業者に認識されていた事項であるとはいえない一方で、引用例Bには、EM-1538の活性体であるEM-652を酸の塩形態とすることが明確に示唆されているのであるから、その点でも、参考資料1に基づいて、EM-652を塩酸塩の形態とする動機付けが妨げられるとする請求人の主張2は、到底採用できるものではない。

主張3については、そもそも、請求人が主張するEM-1538によるカルニチン減少の効果について、本願明細書及び図面には何ら記載されていない。そして、請求人が、この効果は明細書の【0042】等の記載から参酌されるべきであると主張する【0042】には、単に、「ある好ましい態様において、DHEAはEM-1538と組み合わせて用いられる。」と記載されるのみで、この記載からカルニチン減少の効果を推認することはできないし、他にそのような効果を推認させる記載は見当たらない。しかも、参考資料1は、本願の優先日後のものであって、EM-800から生成されるピバル酸によるカルニチン減少の副作用を回避するという課題自体、本願優先日当時に存在したということはできない。
よって、請求人の主張3は、本願の明細書及び図面の記載に基づかないものであって採用することはできない。

以上述べたとおり、本願発明は、本願優先日前に頒布された刊行物である引用例A及び引用例Bに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
本願請求項1に係る発明は、以上述べたとおりの理由によって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-07-03 
結審通知日 2014-07-08 
審決日 2014-07-28 
出願番号 特願2007-54169(P2007-54169)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮坂 隆  
特許庁審判長 内田 淳子
特許庁審判官 増山 淳子
渕野 留香
発明の名称 選択的エストロゲン受容体モジュレーターと性ステロイド前駆体の組合せの医学的使用  
代理人 山田 卓二  
代理人 橋本 諭志  
代理人 松谷 道子  
代理人 青山 葆  

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