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審決分類 審判 一部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04W
審判 一部無効 2項進歩性  H04W
審判 一部無効 1項3号刊行物記載  H04W
管理番号 1295852
審判番号 無効2013-800141  
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-07-31 
確定日 2015-01-05 
事件の表示 上記当事者間の特許第3980478号発明「直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)セルラー・ネットワークの媒体アクセス制御」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許第3980478号(以下「本件特許」という。)は,2001年(平成13年)10月10日(優先権主張 2000年(平成12年)10月10日 米国)を国際出願日とする特願2002-535271号に係るものであって,平成19年7月6日に特許権の設定登録(平成19年9月26日特許掲載公報発行)がされ,平成25年7月31日に無効審判の請求が「華為技術有限公司」(以下「請求人」という。)によってなされ,同年11月18日付けで答弁書が「アダプティックス インコーポレイテッド」(以下「被請求人」という。)によって提出され,平成26年1月29日付けで弁駁書(甲10ないし甲15を含む)が請求人によって提出され,同年3月7日付けで手続補正書(甲10,甲11,及び甲13ないし甲15の抄訳)が請求人によって提出され,同年4月21日付けで請求人及び被請求人それぞれに対し審理事項通知をし,同年6月2日付けで口頭審理陳述要領書が請求人及び被請求人それぞれによって提出され,同月10日付けで上申書が請求人によって提出され,同月16日に口頭審理を行ったものである。

なお,本件特許に係る出願は,「ブロードストーム テレコミュニケイションズ インコーポレイテッド」によって出願され,平成16年10月6日付けで承継人を「ケイオン システムズ インコーポレイテッド」とする出願人名義変更届の提出がされ,平成16年11月12日付けで出願人名を「アダプティックス インコーポレイテッド」とする変更がされたものである。

第2 本件特許の無効についての当事者の主張の趣旨及び証拠方法

1.請求人の主張の趣旨及び証拠方法
(1) 無効理由1
本件請求項1に係る特許(以下「本件特許第1発明」という。)は,特許法第29条第1項又は同条第2項の規定に該当し,同法第123条第1項第2号の規定により無効にされるべきである。
(2) 無効理由2
本件請求項7に係る特許(以下「本件特許第7発明」という。)は,特許法第29条第2項の規定に該当し,同法第123条第1項第2号の規定により無効にされるべきである。
(3) 無効理由3
本件特許第1発明は,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件の満たしていないので,同法第123条第1項第4号の規定により無効にされるべきである。
(4) 無効理由4
本件特許第7発明は,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないので,同法第123条第1項第4号の規定により無効にされるべきである。
(5) 証拠方法
請求人の証拠方法は,審判請求書における「8.証拠の表示」及び弁駁書における「6.証拠の表示」に記載された次のとおりである。

甲第1号証:特許第3980478号公報(当審注 本件特許に係る特許掲載公報)
甲第2号証:特表平11-508417号公報
甲第3号証:米国特許第5726978号明細書(当審注 審判請求書における記載は「米国特許公報第5,726,978号公報」)
甲第4号証:特表平11-504169号公報
甲第5号証:国際公開第96/2262号(当審注 審判請求書における記載は「国際公開公報WO96/22662号公報」)
甲第6号証:服部武編著「OFDM/OFDMA教科書」2008年9月21日,株式会社インプレスR&D発行
甲第7号証:特開平7-222232号公報
甲第8号証:特開平8-9456号公報
甲第9号証:特開平7-250368号公報
甲第10号証:PERFORMANCE COMPARISON OF DIFFERENT MUTIPLE ACCESS SCHEMES FOR THE COWNLINK OF AN OFEM COMMUNICATION SYSTEM
甲第11号証:Clustered OFDM With Channel Estimation for High Rate Wireless Data
甲第12号証:OFDM/OFDMA教科書(抜粋(当審注 甲第6号証の別ページ))
甲第13号証:IEEE Xplore検索結果(甲第10号証の発行年月日)
甲第14号証:AN ANLYSIS OF ORTHOGONAL FREQUENCY-DISIONAL MULTIPLE ACCESS
甲第15号証:IEEE Xplore検索結果(甲第11号証の発行年月日)
甲第16号証:特開2013-55677号公報

(当審注 甲第10号証「証拠の内容」の記載「PERFORMANCE COMPARISON OF DIFFERENT MUTIPLE ACCESS SCHEMES FOR THE COWNLINK OF AN OFEM COMMUNICATION SYSTEM」は,正しくは「PERFORMANCE COMPARISON OF DIFFERENT MULTIPLE ACCESS SCHEMES FOR THE DOWNLINK OF AN OFDM COMMUNICATION SYSTEM」とする明らかな誤記である。)

2.被請求人の主張の趣旨及び証拠方法
(1) 本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める。
請求項1は,無効理由1によって特許法第29条第1項又は同条第2項に該当しない。
請求項7は,無効理由2によって特許法第29条第1項又は同条第2項に該当しない。
請求項1は,無効理由3によって特許法第36条第6項第1号及び第2号に該当しない。.
請求項7は,無効理由4によって特許法第36条第6項第1号及び第2号に該当しない。
本件審判の請求は成り立たない。

(2) 証拠方法
乙第1号証:3G Evolutionのすべて,服部武/諸橋知雄/藤岡雅宣 監訳,丸善,平成21年12月25日発行

第3 本件特許の無効についての当事者の主張の概要

1.請求人の主張の概要
無効理由1ないし4に関する請求人の主張の概要は次のとおりのものと解される。

請求人は,甲第2号証の記載を基にして,次のように「引用発明1」を特定した。

直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して,それぞれが複数の基地局のうちの一つの基地局と通信する複数の移動局を含んでおり,
前記基地局は、基地局と複数の移動局との間での多重アクセスと情報交換とを調整するためのACA処理部を有し,
該ACA処理部は、複数の移動局から収集されたフィードバックOFDMA副搬送波I測定結果及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMA副搬送波I測定結果に基づいて、N個の副搬送波候補から一組のM個の副搬送波を選択し,
そして,前記少なくとも一つの他の基地局と協働して、複数の移動局のうちの複数に対して,近隣セルで使用されないOFDMA副搬送波を用いるようにして,自基地局と通信する複数の加入者に対してチャネル組をそれぞれ割り当てるようにして,かつ,自基地局と通信する加入者のアップリンク及びダウンリンクに対して異なるチャネルの組を割り当てるようにして,OFDMA副搬送波サブセット割り当てを提供する
ことを特徴とするセルラー・ネットワーク及びアダプティブチャネル割当て(ACA)方法。

(1) 無効理由1(本件特許第1発明に対する29条1項又は同条2項)
請求人は,審判請求書(33ページ)において,甲第2号証には,「引用発明1」が開示されていると主張し,本件特許における請求項1に係る特許発明と引用発明1との相違点については,(1)相違点は存在しない,(2)仮に、甲第2号証はOFDMを開示しているが「直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム」を明示していないとの判断がなされたとしても、「直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム」は甲第2号証に開示されているOFDMシステムから当業者に容易想到である。仮に,この点以外において相違点が存在するとの判断がなされたとしても,いずれの相違点も単なる設計上の微差であり,引用発明1から容易に想到できる範囲のものである。

以上のように,本件特許第1発明は甲第2号証に開示された引用発明1と同一発明であり新規性がないから,請求項1に係る本件特許は法第29条第1項の規定により無効にすべきであり,あるいは,本件特許第1発明は引用発明1,甲各号証の記載事項及び周知事項に基づいて出願前に当業者が容易に発明することができたものであるから,請求項1に係る本件特許は法第29条第2項の規定により無効にすべきである。
(審判請求書50ページ)

(2) 無効理由2(本件特許第7発明に対する29条2項)
以下の「段階」が,引用発明1中に明示されていないという点において,本件特許における請求項7に係る特許発明と引用発明1は相違する。
(審判請求書54ページ)

相違点1
複数の基地局(BS1,BS2,600)から複数の加入者にサウンディング信号(図4,図7)を送る段階

相違点2
複数の加入者に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得に基づいて,チャネルを割り当てる段階(605)

しかし,次の甲第4号証に開示される技術的事項を,引用発明1に適用することにより,本件特許第7発明は当業者にとって容易想到である。

甲第4号証における「訓練用シーケンス」も,「基地局及び加入者に既知の情報を含み,加入者にフィードバック情報を送信させる信号」である「サウンディング信号」に相当し,甲第4号証には、相違点1に係る技術的事項が記載されている。(審判請求書55ページ?56ページ)
甲第4号証には,「複数の加入者に関する,空間処理を伴うアップリンク送信とダウンリンク送信に共通の信号対干渉雑音比(SINR)に基づいて,チャネルを割り当てる」こと,すなわち,相違点2「複数の加入者に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得に基づいて,チャネルを割り当てる」という技術的事項が記載されている。(審判請求書62ページ)

引用発明1に触れた当業者が引用発明1に対して甲第4号証記載の技術的事項であるSINRを組み合わせて本件特許第7発明に到達することの十分な動機づけがあるといえる。(審判請求書65ページ)

以上のように,本件特許第7発明は甲第2号証に開示された引用発明1に甲第4号証に記載の技術的事項を適用することにより,容易に発明をすることができたものであるから,本件特許第7発明は法第29条第2項の規定により無効にすべきである。

(3) 無効理由3(本件特許第1発明に対する36条6項1号及び同項2号)(審判請求書66ページ)
ア 本件請求項1に記載されている「結合OFDMAチャネル割り当て」なる用語は,本件明細書中において記載も定義もされておらず,当業界で用いられている技術用語でもなく,その意味内容が著しく不明確である。
したがって,本件特許第1発明は,明細書に記載されておらず,また不明確である。よって,本件特許第1発明は特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に該当し,無効にすべきである。

イ 本件請求項1においては「OFDMAチャネル情報」という用語が用いられ,本件請求項7においては「チャネル状態情報」及び「OFDMAチャネル状態情報」という用語が用いられている。このように用語が統一されていない結果,本件特許第1発明の内容が不明確である。
したがって,本件特許第1発明は,特許法第36条第6項第2号に該当し,無効にすべきである。

(4) 無効理由4(本件特許第7発明に対する36条6項1号及び同項2号)(審判請求書66ページ?68ページ)
ア 本件請求項7に記載されている「結合OFDMAチャネル割り当て」なる用語は,本件明細書中において記載も定義もされておらず,当業界で用いられている技術用語でもなく,その意味内容が著しく不明確である。
したがって,本件特許第7発明は,明細書に記載されておらず,また不明確である。よって,本件特許第7発明は,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に該当し,無効にすべきである。

イ 本件請求項1においては「OFDMAチャネル情報」という用語が用いられ,本件請求項7においては「チャネル状態情報」及び「OFDMAチャネル状態情報」という用語が用いられている。このように用語が統一されていない結果,本件特許第7発明の内容が不明確である。
したがって,本件特許第7発明は,特許法第36条第6項第2号に該当し,無効にすべきである。

ウ 本件特許第7発明における「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」の「推定空間利得」なる用語は,一般に使用されていない用語であり,極めて不明確である。明細書を参酌してもその技術的意義を特定することができない。また,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の」についてもその技術的意義が不明確である。
したがって,本件特許第7発明は,明細書に記載されておらず,また不明確である。よって,本件特許第7発明は,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に該当し,無効にすべきである。

2.被請求人の主張の概要
無効理由1ないし4に対する被請求人の主張の概要は次のとおりのものと解される。
(下線は当審が付与。)

(1) 無効理由1について
引用発明1(甲第2号証記載の発明)がその技術的課題とするACAをOFDMに適用するための技術的困難性は,本件特許第1発明のようにOFDMAにACAを適用しようとすると,OFDMに適用する場合以上の技術的困難性が生じる。すなわち,多数の加入者との通信のための全帯域を用いたサブキャリアの多重・多元がなされるOFDMAにおいてACAを行うためには,その全帯域に関するトラフィックチャネルの品質情報が必要であるからである。
また,引用発明1の解決手段である,各リンクでの通信に利用可能なN副搬送波の大きな群からM副搬送波の初期サブセットを選択することにより,移動局からのC/I及びI測定結果のシステムへの報告データ量を削減するとともに,システムがこれを集中管理する構成では、本件特許第1発明のように基地局が全OFDMAサプキャリアについて適合的割り当てをすることはできない。
引用発明1と本件特許第1発明との相違点は,次のように認定されるべきである。
【相違点1】
通信方式について,本件特許第1発明は,直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用するのに対し,引用発明1は,直交周波数分割多重(OFDM)であって,その多元接続はOFDM/TDMAであるかもしれないが,OFDMAではない点。

そして,セルラーシステムにおけるOFDMは,送信機と受信機の1対1(point-to-point)の変調方式である。これを,周波数軸上で,複数のユーザの通信のために多元化することが容易想到であるとの請求人主張は論拠がない。

【相違点2】
基地局と複数の加入者との間での多重アクセスと情報交換とを調整するためのロジックについて,本件特許第1発明は,基地局がこれを有しているのに対し,引用発明1はシステムまたはシステムの制御下に置かれたACA処理部がこれを有している点。

そして,甲第7号証ないし甲第9号証に相違点2が開示されているとすることはできず,請求人の主張は成り立たない。

【相違点3】
複数の加入者のうちの複数に対するOFDMAチャネル割り当てについて,本件特許第1発明は,基地局が複数の加入者から収集されたフィードパックOFDMAチャネル情報及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMAチャネル情報に基づいて,複数のOFDMAトラフィックチャネル候補から一組のOFDMAトラフィックチャネルを選択し,そして,前記少なくとも一つの他の基地局と協働して前記複数の加入者のうちの複数に対して結合OFDMAチャネル割り当てを提供するのに対し,引用発明1は,基地局がチャネル割り当てをすることはなく,移動局からのC/I測定値及びI測定値は基地局を介してMSCに転送されるものであり,基地局が他の基地局からチャネル情報を収集することはなく,複数の移動局のうちの複数に対する割り当てのために複数のOFDMAトラフィックチャネル候補から一組のOFDMAトラフィックチャネルを選択し,そして,前記少なくとも一つの他の基地局と協働して前記複数の移動局のうちの複数に対して結合OFDMAチャネル(複数の加入者に対する周波数軸上における同時多元接続)割り当てを提供することもない点。

そして,請求人の主張は,相違点3は存在せず,いずれも甲第2号証に記載されているとするものであり,上記のとおり誤りである。この相違点3に関する他の証拠もないから,請求人の主張は成り立たない。

以上の次第であるから,本件特許第1発明と引用発明1を同一であるとすることはできないし,これら相違点について甲第3号証ないし甲第9号証から容易想到であるとすることもできない。従って,無効理由1は成り立たない。

(2) 無効理由2について
本件特許第7発明のサウンディング信号は,OFDMA通信システムで利用できる全帯域にまたがるものであり,基地局がOFDMAトラフィックチャネル割り当てをするためのチャネル品質情報,空間チャネルの特性及び空間利得等を得るために送信されるものである。
そして,引用発明1の発明におけるACA処理のために移動局からシステムに対して報告されるのは,システムが基地局と当該移動局間との上り/下りリンクのために割り当てたM副搬送波のサブセットのC/I測定値およびこのM副搬送波のサブセットが属するN副搬送波のセットのI測定値である。従って,基地局から送信されるのは,システムが割り当てたM副搬送波のサブセットであって,これによりC/I測定などがなされてシステムに報告されてACA処理が行うものであるから,発明7のサウンディングを不要とするものである。

引用発明1と本件特許第7発明の相違点は,次のように認定されるべきである。
【相違点1】
チャネル品質情報,空間チャネルの特性及び空間利得等を得るための手段について,本件特許第7発明は,複数の基地局から複数の加入者にサウンディング信号を送る段階を備えこれに基づきチャネル品質情報を得,また空間チャネルの特性及び空間利得等を得る手段を備えるのに対し,引用発明1は,サウンディング信号を送る段階を備えず,空間チャネルの特性及び空間利得等を得るための手段を備えない点。

そして,本件特許第7発明におけるサウンディング信号は,OFDMA通信システムで利用できる全帯域にまたがるものであり,基地局がOFDMAトラフィックチャネル割り当てをするためのチャネル品質情報(マルチキャリアの各サプキャリアの品質情報),空間チャネルの特性及び空間利得等を得るために送信されるものである。
これに対し,甲第4号証においては,較正信号に基づき遠隔端末が,チャネル品質情報を測定したり,これを基地局にフィードバックすることは記載もなく,またその示唆もないから,仮に,基地局が送信する較正信号が送信空間シグネチャを決定するために使用されることが,空間チャネルの特性及び空間利得等を得るためのものであったとしても,本件特許第7発明におけるサウンディング信号に相当するとすることはできない。技術分野が通信であると広く認識して,両者を組み合わせることが当然であるかの如き請求人の主張は成り立たない。そして,仮に組み合わせたとしても,本件特許第7発明におけるサウンディング信号にはなり得ないのである。

【相違点2】
複数のOFDMAチャネル状態情報について,本件特許第7発明は,各基地局が少なくとも一つの加入者及び少なくとも一つの他の基地局からこれらを受け取るのに対し,引用発明1は,OFDM/TDMAであるかもしれないがOFDMAではなく,移動局からのC/I測定値及びI測定値はOFDMAチャネル状態情報ではなく,また,これらは各基地局を介してMSCに転送されるものであり,また,いずれの基地局も他の基地局からのOFDMAチャネル状態情報を受け取ることはない点。

請求人は,相違点2の存在自体を否定するものであり,いずれも甲第2号証に記載されているとしている。しかし,前記のとおりであるから,請求人の主張は誤りであり,相違点2を開示する引例も存在しない。
従って,請求人の主張は成り立たない。

【相違点3】
OFDMAマルチユーザトラフィックチャネル割り当てについて,本件特許第7発明は,基地局が複数の加入者のうちの複数に対して結合OFDMAチャネルを割り当てるに際し,少なくとも一つの加入者及び少なくとも一つの他の基地局から受け取ったOFDMAチャネル状態情報と,複数の加入者に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得とに基づいて,複数のOFDMAトラフィックチャネルからOFDMAトラフィックチャネルを割り当てるのに対し,引用発明1は,システムがOFDM/TDMAによるマルチユーザトラフィックチャネル割り当てをしているかもしれないが,基地局が複数の移動局のうちの複数に対して結合OFDMAチャネル(複数の加入者に対する周波数軸上における同時多元接続)を割り当てることはなく,移動局に対するチャネル割り当てはシステムが行うものであり,基地局は少なくとも一つの移動局及び少なくとも一つの他の基地局から受け取ったOFDMAチャネル状態情報と,複数の移動局に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得とに基づいて,複数のOFDMAトラフィックチャネルからOFDMAトラフィックチャネルを割り当てることもない点。

そして,甲第4号証は,上記のようなシングルキャリアの通信方式における空間多重技術を開示しているにすぎず,OFDMAチャネルの空間多重を開示していないことに加え,この空間多重の点を除き前記相違点3の全般について何ら開示していないから,甲第4号証によって相違点3を容易想到であるとすることはできない。
また,本件特許第7発明が規定する「複数の加入者に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」は,請求人が主張する「甲第3号証記載の発明の空間処理を伴う信号の信号品質レベル(SINR)」とは異なるものであり,この点においても請求人の主張は誤りであることを付言する。

以上の次第であるから,本件特許第7発明と引用発明1を同一であるとすることはできないし,これら相違点について甲第4号証ないし甲第9号証から容易想到であるとすることもできない。従って,無効理由2は成り立たない。

(3) 無効理由3及び無効理由4について
ア 結合OFDMAチャネル割り当て(答弁書42ページ?43ページ)
トラフィックチャネルの割り当てにおいて,基地局は,加入者からのチャネル品質情報を収集統括し,複数のトラフィックチャネルの候補(チャネル1?6)から,ユーザ1に対してはチャネル1,2及び6という組み合わせのものを,ユーザ2に対してはチャネル3,4及び5の組み合わせのものを選択する。このようにして,基地局のトラフィックチャネル割り当ては,ユーザ1及びユーザ2に対して,それぞれ異なるトラフィックチャネルを同時に一括して割り当て,ユーザ1及びユーザ2に対する各ダウンリンクデータ・ストリームに基づきOFDM変調して,アンテナから一括して出力する。このように,複数ユーザに対する伝送データは,同時に複数のサブキャリアにOFDM変調され,各変調後のサブキャリアが合成(結合)されてその全体が時間軸上の合成波として出力される。従って,結合OFDMAトラフィックチャネルとは,複数加入者に対する多元接続をするために供される全帯域のOFDMAトラフイックチャネルをいう。そしてこれを各加入者に割り当てることを結合OFDMAトラフィックチャネルの割り当てと称していることは明らかである。

イ OFDMAチャネル情報、チャネル状態情報、OFDMAチャネル状態情報(答弁書43ページ?44ページ)
本件特許第1発明のOFDMAチャネル情報は、加入者及び他の基地局から収集されるものであり、加入者からのOFDMAチャネル情報は、トラフィックチャネルのチャネル利得及び加入者が測定する雑音及び干渉情報を意味する(甲第1号証【0016】、【0017】)ことは明らかである。他の基地局からのOFDMAチャネル情報は、例えばアップリンク及びダウンリンクのトラフィックチャネル推定の情報などである(甲第1号証【0052】)。つまり、他の基地局からのOFDMAチャネル情報は、他の基地局が得た加入者からのOFDMAチャネル情報及びこれにより当該基地局が推定したアップリンク及びダウンリンクのチャネル推定情報であるところ、いずれも、OFDMAを使用する通信のチャネルに関する情報であるから、これをOFDMAチャネル情報と称しているものである。その内容が不明瞭であるということはない。
本件特許第7発明のチャネル状態情報は、複数のOFDMAチャネルに関するチャネル状態情報であって、加入者及び基地局から受け取るものであるから、本件特許第1発明のOFDMAチャネル情報と異なるところはない。それ故に、本件特許第7発明において、前記の複数のOFDMAチャネルに関するチャネル状態情報を指称するものとして「前記OFDMAチャネル状態情報」と規定しているのである。
いずれにしても、その内容は明確であって、これを不明瞭であるとすることはできない。

ウ アップリンク及びダウンリンクの推定空間利得(答弁書44ページ?46ページ)
(ア) 空間利得
送信機に複数の送信/受信アンテナを用意し、異なる送信アンテナから同時に異なる送信情報系列(レイヤ)を送信することにより、空間分割多重(SDM:Spatial Division Multiplexing)を実現することができる(送信機と受信機に、複数のアンテナを設け、それぞれのアンテナ間でフェージング変動が独立であることを利用して、複数のデータ系列を同じ時間と周波数を用いて同時送信するのが空間分割多重である)。空間分割多重は、複数のアンテナにそれぞれ異なるプリコーディングと呼ばれる送信位相/振幅制御、すなわち、受信機側で同位相になるように制御して(各アンテナから送信される信号の位相と振幅の両方を調整するためにプリコーディングウエイト行列と呼ばれるものを適用する)全ての送信アンテナから複数のデータ系列を送信する。
このプリコーディング行列を得るためには、複数アンテナ問の空間チャネル特性が推定される必要がある。
1つの伝送経路の特性はある特定のアンテナから受信側の特定のアンテナに至る伝送状態(振幅の変化及び位相の変化)の集合と考えられ(この集合の行列表現をチャネル・マトリクスと呼ぶ)、この伝送路の特性を空間利得と称することは、この分野の技術常識である。この空間利得の測定のために、例えば、基地局から予め定められた信号としてサウンディング信号を複数アンテナから送出すると、加入者は複数アンテナでこれを受信して、各複数アンテナ間の伝送経路がもたらす影響を空間チャネル行列として測定する。この測定により、空間チャネルの空間利得が得られるのである。この測定された空間利得(チャネル・マトリクス)に基づき、空間多重をするチャネルについての空間利得を推定し(測定後この空間チャネルを使用するのであるから、過去の測定値に基づく推定をすることになる)、当該推定空間利得に対して数学的処理を施してプリコーディング行列を得るのである。

(イ) アップリンク及びダワンリンクの推定空間利得
例えば、加入者が既知の信号としてサウンディング信号を複数アンテナから送出すると、基地局はこれを複数アンテナで受信してアップリンクの空間利得を推定することができる。また、前記のように、加入者がダウンリンクの空間利得を測定し、これを基地局にフィードパックすれば、基地局はダウンリンクの空間利得を推定することができる。従って、アップリンク及びダウンリンクの推定空間利得が不明瞭であるとすることはできない。

以上の次第であるから,無効理由3及び無効理由4は成り立たない。

第4 当審の判断

はじめに
請求人から提出された甲第11号証はその上部に「IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS VOL.49, NO.12, DECEMBER 2001」との記載がある。該記載は,甲第11号証が2001(平成13)年12月に頒布若しくは公開されたことを示している。また,同じく甲16号証は平成23年3月21日に頒布若しくは公開されたことを示す記載がある。
これらの日付は,いずれも本件特許に係る出願の優先権主張日の後に,甲第11号証及び甲第16号証が頒布若しくは公開されたことを示している。
よって,本件無効審判において,甲第11号証及び甲第16号証は,証拠として採用することはできない。
なお,請求人は,甲第11号証について口頭審理において,次のことを述べた。
(i) 本来提出すべき甲号証と錯誤し提出したこと,
(ii) 甲第11号証として本来提出すべき甲号証と,甲第10号証及び甲第14号証とにより,「OFDMA」技術が上記優先権主張日の前に周知であったこと示すことを趣旨としていたこと。

1.無効理由3(本件特許第1発明に対する36条6項1号及び同項2号)及び無効理由4(本件特許第7発明に対する36条6項1号及び同項2号)について

まず,本件特許における請求項1及び請求項7の記載を確認する。
願書に添付された明細書の特許請求の範囲の請求項1及び7には,次のように記載(下線は当審が付与。)されている。

【請求項1】
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して、それぞれが複数の基地局のうちの一つの基地局と通信する複数の加入者を含んでおり、
前記基地局は、基地局と複数の加入者との間での多重アクセスと情報交換とを調整するためのロジックを有し、該ロジックは、複数の加入者から収集されたフィードバックOFDMAチャネル情報及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMAチャネル情報に基づいて、複数のOFDMAトラフィックチャネル候補から一組のOFDMAトラフィックチャネルを選択し、そして、前記少なくとも一つの他の基地局と協働して前記複数の加入者のうちの複数に対して結合OFDMAチャネル割り当てを提供する
ことを特徴とするセルラー・ネットワーク。

【請求項7】
複数の基地局から複数の加入者にサウンディング信号を送る段階と、
各基地局において、少なくとも一つの加入者及び少なくとも一つの他の基地局から、複数のOFDMAトラフィックチャネルに関するチャネル状態情報を受け取る段階と、
少なくとも一つの加入者及び少なくとも一つの他の基地局から受け取った前記OFDMAチャネル状態情報と、複数の加入者に関するアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得とに基づいて、前記複数の加入者に対して前記複数のOFDMAトラフィックチャネルからOFDMAトラフィックチャネルを割り当て、そして、前記少なくとも一つの他の基地局と協働して前記複数の加入者のうちの複数に対して結合OFDMAチャネル割り当てを提供する、OFDMAマルチユーザトラフィックチャネル割り当てを行う段階と、
を含むことを特徴とする方法。

(1) 請求人は,「本件請求項1においては「OFDMAチャネル情報」という用語が用いられ,本件請求項7においては「チャネル状態情報」及び「OFDMAチャネル状態情報」という用語が用いられ,用語が統一されていないために本件特許第1発明の内容が不明確である」(無効理由3 イ),また,「本件請求項1においては「OFDMAチャネル情報」という用語が用いられ,本件請求項7においては「チャネル状態情報」及び「OFDMAチャネル状態情報」という用語が用いられている。このように用語が統一されていない結果,本件特許第7発明の内容が不明確である。」(無効理由4 イ)と主張する。
しかし,本件請求項1又は本件請求項7が互いに,直接的にも間接的にも引用されるものでないことは明白である。そして,このような関係にある本件請求項1及び7における用語が統一されなければならないという格別な理由も発見しない。
このことは,本件請求項1における「OFDMAチャネル情報」という用語と,本件請求項7における「チャネル状態情報」及び「OFDMAチャネル状態情報」という用語とが必ずしも統一される必要のないことを示している。
つまり,本件請求項1及び本件請求項7それぞれにおける用語が統一されていないことを理由に,本件特許第1発明の内容が不明確であるとも,また,本件特許第7発明の内容が不明確であるともいえないことを示している。

よって,本件請求項1及び本件請求項7それぞれにおける用語が統一されていないことを理由にして,本件請求項1における記載及び本件請求項7における記載が,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないということはできない。

(2) 請求人は,「本件請求項1及び本件請求項7に記載されている「結合OFDMAチャネル割り当て」なる用語は,本件明細書中において記載も定義もされておらず,当業界で用いられている技術用語でもなく,その意味内容が著しく不明確である」と主張する。
これに対し,被請求人は,本件明細書【0014】,【0031】及び図3の記載を引用し,要するに「結合OFDMAトラフィックチャネルとは,複数加入者に対する多元接続をするために供される全帯域のOFDMAトラフイックチャネルをいう。そしてこれを各加入者に割り当てることを結合OFDMAトラフィックチャネルの割り当てと称している」と主張する。

ア 両者の上記主張について検討する。
(ア) 「結合OFDMAチャネル割り当て」のうち「OFDMAチャネル割り当て」が「OFDMAチャネル」の「割り当て」を意味していることは明らかである。そして,本件請求項1及び7の記載を技術常識に照らすならば,該「OFDMAチャネル」は「OFDMAトラフィックチャネル」を含むものであると解することができる。
そうすると,本件請求項1及び7記載の「OFDMAチャネル」の「割り当て」が,「前記複数の加入者」のうちの「複数」に対して,「一組のOFDMAトラフィックチャネル」つまり「一組のOFDMAチャネル」を「割り当て」ること示しているといえる。
そして,OFDMAが「複数のOFDMAチャネル」を利用し,基地局と移動局の通信を行うものであることは技術常識である。このことは,上記「一組のOFDMAチャネル」が「複数のOFDMAチャネル」より構成されていることを示している。

以上から,当業者ならば,本件請求項1及び7の記載を基に,「結合OFDMAチャネル割り当て」における「結合」が,「複数の加入者」各々に割り当てられるべき「複数のOFDMAチャネル」を「一組」にすることを意味していると解することに格別な困難はないというべきである。

(イ) 本件明細書の発明の詳細な説明には,次の記載がある。

【0014】
概要
広帯域チャネル特性及び空間的に分散された加入者で測定された雑音及び干渉情報を集中化して、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)ネットワークにトラフィックチャネルを割り当てる媒体アクセス制御プロトコルについて説明する。一実施形態において、この割り当ては、空間的多重化(ビームフォーミング)を利用して行われる。

【0031】
図2は、異なるチャネルのチャネル利得が、検証されたサブキャリアに基づいて変動することを示している。例えば、チャネル1及び2は特定のサブキャリアで良好な利得を有するが、他のサブキャリアでは低い利得を有する。本発明は、各特定の加入者に対してどのチャネルが望ましい特性(例えば、より高い利得、より低い干渉など)を有するかに基づいて、多数のチャネルが多数の加入者に結合的に割り当てられるように、マルチユーザのためのチャネル割り当てに関する高度な決定を行う。図3は、2人のユーザ、即ちユーザ1及びユーザ2の多数のサブキャリア(チャネル)の性能、及び少なくとも部分的にチャネル状態に基づく、これらのユーザに対する結果的として生じた割り当てを示す。

上記【0031】及び本件図3における記載によれば,「ユーザ1」に割り当てられる「OFDMAチャネル1,2,及び6」と「ユーザ2」に割り当てられる「OFDMAチャネル3ないし5」とを「一組」として「ユーザ1」及び「ユーザ2」に「割り当て」ることが記載されていると解することができる。
このことは,上記(ア)において述べた事項とも整合することは明らかである。つまり,「結合OFDMAチャネル割り当て」は,本件明細書に記載された事項であるといえる。

(ウ) 上記(ア)及び(イ)のとおりであるから,本件請求項1及び2記載の「結合OFDMAチャネル割り当て」は,その意味内容が不明確であるとも,本件明細書の発明の詳細な説明に記載されていない事項であるともいうことはできない。
よって,本件請求項1及び2記載の「結合OFDMAチャネル割り当て」は,その意味内容が不明確であることを理由に,本件請求項1における記載及び本件請求項7における記載が,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないということはできない。

(3) 請求人は,「本件特許第7発明における「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」の「推定空間利得」なる用語は,一般に使用されていない用語であり,極めて不明確である。明細書を参酌してもその技術的意義を特定することができない。また,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の」についてもその技術的意義が不明確である。」(無効理由4 ウ)と主張する。
ア 該主張に関して,請求人は次のような解釈A,Bを主張した(弁駁書)。
・ 解釈A
本件明細書【0024】等によれば,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」は,「空間処理を伴うアップリンク送信及びダウンリンク送信の信号対干渉雑音比(SINR)」に相当するものである。
そうすると,「アップリンク送信及びダウンリンク送信の信号対干渉雑音比(SINR)」は,「アップリンク送信及びダウンリンク送信に共通の信号対干渉雑音比(SINR)」と解することができる。
・ 解釈B
本件明細書【0046】及び【0047】等の記載によれば,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」における「推定空間利得」は,【0047】において「予測される空間利得」すなわち「G_i」と解される。
そうすると,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」における「アップリンク信号及びダウンリンク信号の」とは,「推定空間利得」が,アップリンク信号の推定空間利得でもあり,ダウンリンク信号の推定空間利得でもある,すなわち,アップリンク信号とダウンリンク信号に共通の「推定空間利得」であると解される。

イ これに対し,被請求人は,要するに「1つの伝送経路の特性はある特定のアンテナから受信側の特定のアンテナに至る伝送状態(振幅の変化及び位相の変化)の集合と考えられ(この集合の行列表現をチャネル・マトリクスと呼ぶ)、この伝送路の特性を空間利得と称することは、この分野の技術常識」であって,「測定された空間利得(チャネル・マトリクス)に基づき、空間多重をするチャネルについての空間利得を推定し(測定後この空間チャネルを使用するのであるから、過去の測定値に基づく推定をすることになる)」と主張するとともに,「例えば、加入者が既知の信号としてサウンディング信号を複数アンテナから送出すると、基地局はこれを複数アンテナで受信してアップリンクの空間利得を推定することができる。また、前記のように、加入者がダウンリンクの空間利得を測定し、これを基地局にフィードパックすれば、基地局はダウンリンクの空間利得を推定することができる。従って、アップリンク及びダウンリンクの推定空間利得が不明瞭であるとすることはできない」と主張する。

ウ 両者の主張を検討するに,「推定空間利得」について,
(ア)「空間利得」は,「伝送路(チャネル)」としての「空間」の特性の中で「利得」に着目したものであることを意味し,
(イ)「推定」は,該「利得」を直接測定されたものではないこと,つまり「利得」ではない測定値から計算等により間接的に得られたものであることを意味していると解される。
(ウ) また,本件明細書【0021】,【0024】,【0046】,及び【0047】には,次の事項が記載されている。

【0021】
また、OFDMAプロトコルを使用して多数の加入者と通信する基地局を説明する。一実施形態において、基地局は、1つ又はそれ以上の空間的に分離されたトランシーバ、アクセス信号検出器及び復調器、広帯域空間チャネル及び空間利得推定器、アップリンク及びダウンリンク信号対干渉雑音計算器、マルチユーザトラフィックチャネル割り当て器、及びOFDMAモデムを含む。アクセス信号検出器及び復調器は、加入者から送信されたアクセス信号を検出して、加入者にて測定されたフィードバックチャネル利得及び雑音及び干渉情報を復調する。受信したアクセス信号に基づいて、空間チャネル及び空間利得推定器は、基地局とアクセス中の加入者の各々との間の広帯域空間チャネル、即ちトラフィックチャネルの全て又はサブセットの空間特性を推定する。広帯域空間チャネルは、アクセス中の加入者からフィードバックされた、測定されたチャネル割り当て及び雑音及び干渉情報と共に、マルチ・ユーザ・トラフィック・チャネル割り当て器によって使用されて、アクセス中の加入者の各々について、トラフィックチャネル割り当てと符号及び変調組み合わせとを決定する。

【0024】
空間チャネル及び空間利得推定器については、加入者からフィードバックされたチャネル情報と雑音及び干渉情報とに関連して、アクセス信号からのアップリンク及びダウンリンクの空間利得を推定する方法を説明する。該方法は、ハードウェア(例えば、専用ロジック)、ソフトウェア(汎用コンピュータ又は専用マシンで実行されるものなど)、又は両方の組み合わせを含むロジックを処理することによって実行することができる。一実施形態において、本方法は、最初に、受信されたアクセスチャネルに基づいて、アクセス中の各加入者に関する全ての組の又は所定の組のOFDMAトラフィックチャネルにわたって広帯域空間チャネルを推定するロジックを処理することを含む。その結果によって、OFDMAトラフィックチャネルの各々でアップリンク及びダウンリンクの「空間処理」利得が決定される。処理ロジックによって、空間処理利得が、加入者からフィードバックされるダウンリンク強度(例えば、チャネル情報と雑音及び干渉情報)に追加され、利用可能なOFDMAトラフィックチャネルの各々にわたって、空間処理(例えば、ビームフォーミング)を伴うアップリンク及びダウンリンク送信のための信号対干渉雑音率(SINR)を予測する。利用可能なOFDMAトラフィックチャネルは、全てのトラフィックチャネルを含むことができ、又は使用されないトラフィックチャネルの全て又は一部を含むことができる。全てのアクティブな加入者及びアクセス中の加入者のSINR値を使用して、処理ロジックは、トラフィックチャネル割り当てを決定する。一実施形態において、このようなトラフィックチャネル割り当ては、最適なトラフィックチャネルを割り当てることができる。

【0046】
呼び出し時、又は待機加入者が送信するパケットを有すると、加入者は、測定されたSINR情報をアクセスチャネルの1つを介して基地局に返信する。基地局の広帯域空間チャネル推定器は、アップリンク空間チャネルを推定する。
即ち、
(a_1i,a_2i,...,a_Mi),i=1,...,K
上式で、a_miは、m番目アンテナからのi番目トラフィックチャネルのアンテナ応答であり、Mはアンテナ素子の総数である。

【0047】
推定された空間チャネルに基づいて、基地局は、例えば、以下のような全方向性送信にわたるビームフォーミングの「付加的な」空間利得を予測する。
即ち、
G_i=10log10(|a_1i|^2+|a_2i|^2+...+|a_Mi|^2)/|a_1i+a_2i+...+a_Mi|^2[dB],i=1,...,K.

上記記載によれば,次の事項(i)ないし(iii)が記載されているといえる。
(i) 基地局は空間利得推定器を含むこと,
(ii) 該空間利得推定器は,基地局とアクセス中の加入者の各々との間の広帯域空間チャネル,即ちトラフィックチャネルの全て又はサブセットの空間特性を推定すること,
(iii) 該空間利得推定器については加入者からフィードバックされたチャネル情報と雑音及び干渉情報とに関連して、アクセス信号からのアップリンク及びダウンリンクの空間利得を推定すること。

そうすると,本件明細書の発明の詳細な説明にも,上記(ア)及び(イ)に述べた事項が記載されているといえる。
また,上記(iii)記載のとおり「推定空間利得」は「アップリンク及びダウンリンク」のものであることは明白である。

以上から,本件特許第7発明における「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」の「推定空間利得」なる用語が不明確であるということはできず,また,「アップリンク信号及びダウンリンク信号の」についてもその技術的意義が不明確であるということもできない。

エ よって,本件特許第7発明における「アップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」の「推定空間利得」なる用語が不明確であるということ,及び「アップリンク信号及びダウンリンク信号の」についてもその技術的意義が不明確であるということを理由として,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないということはできない。

(4) 無効理由3及び4に関するまとめ
以上のとおりであるから,請求人の主張する理由によって,本件請求項1及び7の記載は,特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないということはできない。

したがって,同法第123条第1項第4号の規定によって,本件特許第1発明及び本件特許第7発明を,請求人の主張する理由により無効とすることはできない。

2.無効理由1(本件特許第1発明に対する29条1項3号又は同条2項)について

請求人の主張する引用発明1について
(1) 甲第2号証には,図面とともに次の事項が記載されている。

「発明の分野
本発明はセルラー電気通信システムに関し、特に、周波数分割多重システムにおけるアダプティブチャネル割当てに関する。」(9ページ)


「これらのOFDMセルラーシステムでは、セル内で作動している基地局から移動局(下り)および移動局から基地局(上り)への伝送のために作り出される各通信リンクに1組の副搬送波周波数が割り当てられる。各通信リンクに割り当てられる副搬送波セットはシステムに利用可能な全副搬送波周波数から選択される。セル内では、2つ以上の通信リンクに同じ副搬送波周波数を割り当てることはできない。したがって、同じセル内の副搬送波間で同一チャネル干渉は生じない。しかしながら、このようなOFDMシステムでは、システムのセル内の通信リンクに、システム内の他のセル内に設定された通信リンクにも割り当てられる1つ以上の副搬送波を含む1組の副搬送波が割り当てられることがある。このような共通に割当てられる各副搬送波周波数は、同じ副搬送波周波数を他のセルで使用することにより生じる同一チャネル干渉を受けることがある。これらのOFDMシステムには、異なるセル内に作り出される通信リンクへの副搬送波周波数の割当てを調整する方法およびシステムは何も存在しない。このようなシステムでは、近隣セルで使用する副搬送波より生じる通信リンク内の同一チャネル干渉は非常に大きくなることがある。
非OFDMシステム内のセル間でチャネル周波数を割り当てる方法が開発され、それにより同一チャネル干渉は低減されたり最小限に抑えられている。アダブティブチャネル割当て(ACA)はそのような方法である。ACAでは、セルラーシステムに割り当てられた任意のチャネル周波数を使用して、ある干渉基準が満たされる限りシステム内のどこかでその周波数が使用されるかどうかに無関係に、システムの任意のセル内でリンクを設定することができる。また、干渉基準が満たされる限り、チャネル周波数はシステム全体を通して自由に再利用することができる。」(11ページ26行?12ページ20行)


「したがって、OFDMシステムに使用するアダプティブチャネル割当て方法およびシステムを使用すれば利点が得られる。この方法およびシステムは、システムのセル間の同一チャネル干渉を低減するようなOFDM内の副搬送波の割り当てを行わなければならない。この方法およびシステムは、また、チャネル割当て時にシステム資源を有効に利用するためにOFDMシステムのユニークな特徴を考慮するように設計しなければならない。本発明によりこのような方法およびシステムが提供される。
発明の要約
本発明により、直交周波数分割多重(OFDM)システムにおけるアダプティブチャネル割当て(ACA)方法およびシステムが提供される。この方法およびシステムにより、システムのセル間の同一チャネル干渉を緩和するようにOFDMシステムの各リンクヘの副搬送波の割当てが行われる。」(13ページ20行?14ページ2行)


「本発明の最初の局面において、OFDMシステムの別々の各リンクでの通信に利用可能なN副搬送波の大きな群からM副搬送波の初期サブセットが選択される。数Mは特定リンクのデークレートによって決まり、システムのリンク間で変動することがある。次に、M副搬送波のサブセットはリンクを介して通信を運ぶのに使用される。通信が行われると、M副搬送波のサブセット内の副搬送波の信号品質レベル(C/I)、および利用可能なN副搬送波の全ての干渉レベル(I)が周期的に測定される。これらのC/IおよびI測定結果はシステムヘ報告される。リンクを介した通信中に、システムはMのセットの副搬送波よりも良好にリンク上の信号受信を行えるより好ましい未使用副搬送波を、リンクが存在するセル内で利用可能であるかどうかをC/IおよびI測定値から決定する。より好ましい副搬送波が存在すると決定されると、システムは未使用副搬送波を含むようにM副搬送波のサブセットを再構成する。」(14ページ15?26行)


「図1は本発明を実施することができるセルラー電気通信ネットワークを示す図。」(15ページ14?15行)


「図1を参照して、本発明が一般的に関連する周波数分割多重(FDM)セルラー電気通信システムを示す。図1において、任意の地理的エリアは複数の隣接無線カバレッジェリア、すなわちセルC1-C10、へ分割することができる。図1のシステムには10セルしか図示されていないが、セル数は遥かに多くすることができる。
各セルC1-C10内にそれに関連して基地局があり、複数の基地局B1-B10の対応する1つとして示されている。各基地局B1-B10は、従来技術で周知のように、送信機、受信機および基地局コントローラを含んでいる。図1では、基地局B1-B10はそれぞれ各セルC1-C10の中心に配置されており、全指向性アンテナを備えている。しかしながら、別の構成のセルラー無線システムでは、基地局B1-B10は周辺付近、すなわちセルC1-C10の中心から離れて配置することができ、セルC1-C10に全指向性もしくは指向性で無線信号を照射することができる。したがって、図1に示すセルラー無線システムは単なる説明用にすぎず、本発明が実施されるセルラー電気通信システムの考えられる実施例を制限するものではない。」
引き続き図1を参照して、セルC1-C10内には複数の移動局M1-M10がある。ここでも、図1には10基の移動局しか図示されていないが、実際上移動局の実際の数は遥かに多く常に基地局の数を大きく上回ることをお解り願いたい。さらに、いくつかのセルC1-C10では移動局M1-M10が見つからないが、セルC1-C10の中の任意特定の1つに移動局M1-M10が存在するか否かは、実際上セル内の1つの位置から別の位置へ、もしくは1つのセルから隣接セルや近隣セルヘ、さらには特定のMSCが受け持つ1つのセルラー無線システムからこのような別のシステムヘローミングすることがある移動局M1-M10のユーザの個別の要望によって決まることをお解り願いたい。
各移動局M1-M10は1つもしくはいくつかの基地局B1-B10および移動局交換局MSCを介して電話呼を開始もしくは受信することができる。移動局交換局MSCは通信リンク、例えば、ケーブルを介して図示する各基地局B1-B10および、図示せぬ、固定公衆交換電話網PSTNもしくは統合システムデジクルネットワーク(ISDN)施設を含むことができる同様な固定網に接続することができる。移動局交換局MSCと基地局B1-B10間、もしくは移動局交換局MSCとPSTNもしくはISDN間の関連する接続は図1に完全には図示されていないが当業者ならば周知である。さらに、セルラー無線システムに2つ以上の移動局交換局を含め、各付加移動局交換局をケーブルや無線リンクを介して異なる基地局群および他の移動局交換局に接続することも知られている。」(16ページ1行?17ページ6行)


「本発明には、図1に示すようにアダプティブチャネル割当(ACA)方法およびシステムをFDMセルラーシステムに実施することが含まれる。本発明の代表的な実施例では、5MHzの総システム帯域幅および5kHzの副搬送波で作動するOFDMシステムにACAが実施される。このシステムに利用可能な総副搬送波数はおよそ5MHz/5kHz=1000となる。副搬送波は2GHzの周波数でシステムRF搬送波へ変調されてシステムRFチャネルを介して伝送され、
送信信号の周波数スペクトルはRF搬送波を中心としている。全ての搬送波を各セル内で使用することができるが、副搬送波はセル内の2つ以上のリンクで同時に使用することはできない。周波数分割二重化(FDD)が上りおよび下り副搬送波の分離に使用される。」(17ページ26行?18ページ8行)


「本発明のACAでは、移動局と基地局間の各上り/下りリンクに対して、システムはいくつか(N)の副搬送波のセットからいくつか(M)の副搬送波のサブセットを選択する。N副搬送波のセットは各リンクに対してシステム内で利用可能な副搬送波のセットであり、N>Mである。N副搬送波のセットは通信中は変動しない。N副搬送波のセットはシステムの全副搬送波を含むことができる。また、N副搬送波のセットは利用可能な副搬送波の総数よりは少ないがM副搬送波のサブセット内の搬送波数よりも多いセットとすることができる。
次に、図2を参照して、OFDMシステムにおける本発明に従った副搬送波の割当てを示す。基地局200は下りリンク206および上りリンク208を介して移動局202と通信する。基地局200は下りリンク210および上りリンク212を介して移動局204とも通信する。リンク206、208、210および212を介した伝送はシステムRFチャネルにより行われる。各リンクを介して伝送される音声およびデー夕はいくつか(M)の副搬送波により変調される。次に、M副搬送波はシステムRFチャネルにより変調されてシステムRFチャネルにより伝送される。セル内の各リンク206、208、210および212はM副搬送波の別々のサブセットを使用する。副搬送波はセル内で1回しか使用できない。
次に、図3Aを参照して、本発明に従ったシステムのブロック図を示す。本システムはリンク送信機300、リンク受信機330、ACA処理部360およびRFチャネル380により構成される。特定リンクの受信機330および送信機300はリンクの両端に配置されている。下りリンクでは、受信機330は移動局内に配置され送信機300は基地局内に配置されている。上りリンクでは、受信機330は基地局内に配置され送信機300は移動局内に配置されている。RFチャネルは利用可能なN副搬送波のセットを有している。リンク受信機330およびリンク送信機は、利用可能なM副搬送波のサブセットを使用してRFチャネル380により通信する。」(18ページ14行?19ページ11行)


「各リンクに対するアダプティブチャネル割当ては、リンク受信機内で実行される測定の結果を演算する図3AのACA処理部360により実行される。図示する実施例では、プロセッサ346は干渉測定手段344からの干渉測定値および信号品質測定手段342からの信号品質測定結果を受信する。プロセッサ346は測定結果を演算してシステムのACA処理部360へ入力するデータを発生する。次に、プロセッサ346から発生されたデータはインターフェイス362を介してACA処理部360へ転送される。図示する実施例では、ACA処理部360はMSC内に配置されている。ACA処理部360はシステムの基地局内に配置することもできる。ACA処理部により実行される機能を移動局、基地局およびMSC間に分散することも考えられる。必要なデータを格納するメモリの構成方法、およびこの種の機能を実行するマイクロプロセッサおよびソフトウェアの構成方法は当業者ならば周知である。
移動局がリンク受信機として機能する場合には、プロセッサ346はACAデータを移動局送信機へ転送し、適切な制御チャネルの上りリンクを含むインターフェイス362を介してシステムヘ伝送する。リンク受信機としての基地局において、プロセッサ346はランドラインおよび他の接続を含むインターフェイス362を介してMSCへACAデータを転送する。ACA処理部360はデータを演算し、基地局がリンク受信機である場合にはランドラインもしくは他の接続を含み、移動局がリンク受信機である場合には適切な制御チャネルの下りリンクを含む、インターフェイス364を介してリンク受信機330へ適切な副搬送波割当てコマンドを戻す。リンク受信機330のプロセッサ346はコマンドを受信し、次に、リンクに正しい副搬送波が受信されるように受信機に正しい入力パラメータを発生する。また、ACA処理部360はインターフェイス366を介してリンク送信機300に関連するMAP回路304ヘコマンドを送る。次に、MAP回路304はMシンボルをMAP回路304の適切な出力ヘマップして、M副搬送波の正しいサブセットが伝送されるようにする。」(20ページ23行?21ページ25行)


「ACAプロセスは、上りリンクもしくは下りリンクのいずれかにより一対の移動局および基地局間にシステムが通信リンクを作り出す必要がある時に開始される。再び図4Aを参照して、ステップ402においてリンク受信機はシステムから測定順メッセージを受信して、リンクに利用可能な一群のN副搬送波の各々の干渉(I)を測定する。N副搬送波はシステム内で利用可能な全ての副搬送波もしくはシステム内で利用可能な全ての副搬送波から選択される小さな一群の副搬送波とすることができる。次に、ステップ404において、Iが実行される。次に、ステップ404からプロセスはステップ406へ移り、そこでI測定結果がシステムヘ送られる。移動局がリンク受信機であれば、I測定結果はDCCHもしくはPCCHチャネルを介して基地局へ送信され、次に、MSCへ転送される。基地局がリンク受信機であれば、I測定結果は適切なオーバランド手段を介してMSCへ転送される。I測定結果を送信した後で、プロセスはステップ408へ移り、そこでリンク受信機はシステムからの応答を待つ。次に、図5を参照して、リンク受信機がステップ408において待機状態である時にとられるステップについて説明する。
図5を参照して、ACAプロセス中にシステムのACA処理部内で実行されるプロセスステップを示す。ステップ502において、リンク受信機がN副搬送波により実行するI測定の結果がACAプロセッサにより受信される。次に、ステップ504において、ACAプロセッサはN副搬送波によるI測定の結果から最小干渉未使用M副搬送波を決定する。ステップ505からプロセスはステップ506へ移り、そこで、最小干渉M副搬送波のサブセットをリンクヘ割り当てる副搬送波割当てメッセージがリンク受信機およびリンク送信機の両方へ送られる。
ここで、ACAプロセッサはステップ508へ移り、リンク受信機からの入力をさらに待機する。次に、プロセスフローは図4Aのステップ408へ戻る。副搬送波割当てメッセージのM副搬送波を決定する別の方法をステップ506の替わりに使用することができる。例えば、副搬送波は、それらの使用が近隣セルの送信にどのような影響を及ぼすかに基づいて割り当てることができた。最小干渉M副搬送波の1つが近隣セルで使用される場合には、副搬送波は使用されないことがある。この場合、M副搬送波は最小干渉M副搬送波ではないことがある。」(22ページ6行?23ページ6行)


「例えば、リンクのセル内で、サブセットを使用することが近隣セル内で生じる通信へ及ぼす影響に基づいてMのサブセットを再構成することができる。セル内で使用されるいくつかのM副搬送波が近隣セルでも使用される場合には、それらは近隣セルでも使用されないセル内で未使用の副搬送波と置換することができる。」(26ページ17?20行)


「次に、ステップ704において、システムは移動機が要求したサブセット内のM副搬送波の全てを使用できるかどうかを確認する。例えば、他の移動局が使用中であったり、特殊用途のためにシステム内に保存されている場合、ある副搬送波はセル内で利用できないことがある。M副搬送波の可用性はその使用が近隣セルの通信に及ぼす影響として決定することもできる。ACAはシステムオペレータがこれらの判断を行う際に柔軟性を与えるように設計される。移動局が要求したサブセット内のM副搬送波を全て使用できることが確認されれば、システムはサブセット受諾メッセージをリンク受信機へ送信する。しかしながら、ステップ704において、提示されるサブセットの副搬送波は移動局により使用されないことが確認されると、プロセスはステップ720へ移りシステムは利用不能な副搬送波を拒絶する副搬送波拒絶メッセージをM副搬送波のサブセットの一部として送信する。次に、プロセスフローはステップ722へ移り移動局からの返答を待機する。」(27ページ26行?28ページ10行)

上記記載等を基に,請求人は,次のように「引用発明1」を特定した(上記「第3 1.請求人の主張の概要」に記載したものを再掲。)。

直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して,それぞれが複数の基地局のうちの一つの基地局と通信する複数の移動局を含んでおり,
前記基地局は、基地局と複数の移動局との間での多重アクセスと情報交換とを調整するためのACA処理部を有し,
該ACA処理部は、複数の移動局から収集されたフィードバックOFDMA副搬送波I測定結果及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMA副搬送波I測定結果に基づいて、N個の副搬送波候補から一組のM個の副搬送波を選択し,
そして,前記少なくとも一つの他の基地局と協働して、複数の移動局のうちの複数に対して,近隣セルで使用されないOFDMA副搬送波を用いるようにして,自基地局と通信する複数の加入者に対してチャネル組をそれぞれ割り当てるようにして,かつ,自基地局と通信する加入者のアップリンク及びダウンリンクに対して異なるチャネルの組を割り当てるようにして,OFDMA副搬送波サブセット割り当てを提供する
ことを特徴とするセルラー・ネットワーク及びアダプティブチャネル割当て(ACA)方法。

(2) 請求人は,無効理由3及び4において不明確であると主張した「結合OFDMAチャネル割り当て」について,請求人自らの解釈を基に,甲第2号証に開示されていると主張する。
一方,被請求人は,甲第2号証記載の発明に対し,次のように主張していると解される(答弁書「7-6-3-2.甲第2号証記載の発明」)。
(i)「OFDM」技術の開示はあるが,本件特許第1発明及び本件特許第7発明における「OFDMA」技術の開示も示唆もないこと,
(ii)(ii-a)セル内の複数の移動局の複数と残余の移動局とでその割り当ての方式を変えるような構成になっていないこと,(ii-b)C/I測定結果やI測定結果は,移動局から基地局を介してMSCに報告されるのであって,M副搬送波の割り当てはシステムが行うから,M副搬送波の割り当てに関し,基地局が,「複数の加入者から収集されたフィードパックOFDMAチャネル情報」に基づいて割り当てることもないこと,(ii-c)基地局が、「複数のOFDMAトラフィックチャネル候補から一組のOFDMAトラフィックチャネルを選択」することもないこと,(ii-d)基地局は他の基地局からOFDMAチャネル情報を収集することもないこと。
ここで,上記(ii-a)ないし(ii-d)における被請求人の主張は,要するに,本件特許第1発明及び本件特許第2発明における「結合OFDMAチャネル割り当て」と甲第2号証記載の発明のものとでは,「割り当て」をどのように提供するのか,割り当ての仕組みが異なる旨主張していると解される。

そこで,上記(i)及び(ii)それぞれについて検討する。

(i) 甲第2号証は「OFDMA」技術を開示しているか否かについて
ア 被請求人は,答弁書「7-5-5-2.多元接続の方式は記載されていないこと」において,甲第2号証の開示する技術に関し,次のように主張していると解される。

「甲第2号証の図2には、2つの移動局と1つの基地局との副搬送波の割り当てを示しているが、その2つの移動局との間でどのように多元接続するのかについては一切記載されていない。引用発明1が出願された当時(1995年)は、セルラーシステムにおける多元接続は、TDMA(時分割多元接続)が一般的であり、その後、CDMAが利用されるようになり、その後OFDMA(OFDM/(FDMA+TDMA):周波数領域で多元接続し、また、時間領域でも多元接続する^(*2))が利用されるようになったものである。
請求人が引用する甲第6号証の図1-5は、「座席」が時間帯であると説明している。
また、上記のとおり、図3Aのそれぞれ送信機300および受信機330の機能ブロック図を示す図3B及び図3Cが示すように、送信機と受信機は1対1のOFDM伝送を行っていることを示している。つまり、引用発明1における多元接続は、OFDM/TDMAであるかもしれないが、OFDMAではない。」,
「2* 甲第6号証には、「図1-4に示すように、これらの複数のサプ、キャリアを1人のユーザーで全て占有して使用するのではなく、サブキャリアを何人か(複数のユーザー)で分けて(例:ユーザー端末Aにはサプキャリア1、4、8、・・・を、ユーザー端末Bにはサブキャリア3、6、9・・・をというように分けて)、割り当てて使用することも可能です。このように、サブキャリアなどの情報を運ぶ手段[サブキャリアのように周波数であったり、特定タイミングの時間(タイムスロット)だったりする]を複数のユーザーに、物理的に割り当てることを「多元接続」と言います。」との説明がある。」

つまり,被請求人は,甲第2号証に,「OFDM/TDMA」技術つまり「OFDM」技術の開示はあるが,「OFDMA」技術の開示も示唆もない旨を主張していると解される。

イ これに対し,請求人は,弁駁書において,甲第2号証における「次に、図2を参照して、OFDMシステムにおける本発明に従った副搬送波の割当てを示す。基地局200は下りリンク206および上りリンク208を介して移動局202と通信する。基地局200は下りリンク210および上りリンク212を介して移動局204とも通信する。リンク206、208、210および212を介した伝送はシステムRFチャネルにより行われる。各リンクを介して伝送される音声およびデー夕はいくつか(M)の副搬送波により変調される。次に、M副搬送波はシステムRFチャネルにより変調されてシステムRFチャネルにより伝送される。セル内の各リンク206、208、210および212はM副搬送波の別々のサブセットを使用する。副搬送波はセル内で1回しか使用できない。」(上記(1) ク参照。)とある記載を基に,「1つの移動局がOFDM信号のN個の副搬送波(全サブキャリア)を占有するのではなく,N個のうちM個の周波数の異なる副搬送波(周波数軸上のサブキャリアセット)を複数の移動局(複数の端末)に割り当てることによって,複数の移動局が副搬送波(サブキャリア)を分け合って使用する方法を開示するものである。」と主張している。

ウ 上記イにおいて引用した「リンク206、208、210および212を介した伝送はシステムRFチャネルにより行われる。各リンクを介して伝送される音声およびデー夕はいくつか(M)の副搬送波により変調される。次に、M副搬送波はシステムRFチャネルにより変調されてシステムRFチャネルにより伝送される。セル内の各リンク206、208、210および212はM副搬送波の別々のサブセットを使用する。」との記載によれば,該記載が,「N個の副搬送波(全サブキャリア)」から「M個の副搬送波のサブセット」を4個,すなわち「4個のサブセット」を設定し,該「4個のサブセット」の各々に対して,リンク206,208,210,212各々を割り当て使用することを示しているといえる。
つまり,該記載を甲第6号証の図1-5に照らすと,図1-5の「座席」の各々は「M副搬送波のサブセット」を示しているといえる。
このことは,甲第2号証に「OFDMA」技術が開示されていることを示しているといえる。

エ 一方で,甲第2号証における図3Aないし図3C記載の構成が,「OFDMA」技術を実現する構成であるとは直ちにはいえない。
しかし,このことは,次の事項を勘案すると,上記ウにおいて述べた「甲第2号証に「OFDMA」技術が開示されていること示している」との判断に影響するものではないというべきである。

甲第2号証における「図3Aを参照して、本発明に従ったシステムのブロック図を示す。本システムはリンク送信機300、リンク受信機330、ACA処理部360およびRFチャネル380により構成される。特定リンクの受信機330および送信機300はリンクの両端に配置されている。下りリンクでは、受信機330は移動局内に配置され送信機300は基地局内に配置されている。上りリンクでは、受信機330は基地局内に配置され送信機300は移動局内に配置されている。RFチャネルは利用可能なN副搬送波のセットを有している。リンク受信機330およびリンク送信機は、利用可能なM副搬送波のサブセットを使用してRFチャネル380により通信する。」(上記(1) ク参照。)との記載をみると,リンクごとにリンク受信機とリンク送信機の対が設定されると解することができる。
そうすると,被請求人が口頭審理陳述要領書における「1 甲第2号証とOFDMAの開示(無効理由1の相違点1,弁駁書「第1」1について)」で主張するような「OFDMAのブロック図」が,「リンク送信機(300)」及び「リンク受信機(330)」と異なること,若しくは示されていないことを理由にして,甲第2号証には「OFDMA」技術が開示されていないということはできない。

オ 以上のとおりであるから,甲第2号証には「OFDMA」技術が開示若しくは示唆されているといえる。

(ii) 甲第2号証における「チャネル割り当て」について
ア 上記「(i) 甲第2号証は「OFDMA」技術を開示しているか否かについて」に述べたとおり甲第2号証には「OFDMA」技術が示されている。そうすると,甲第2号証における「OFDMAの副搬送波割り当て」つまり「OFDMAチャネル割り当て」は次のようになされることが甲第2号証に記載(上記(1)摘記コ参照。)されているといえる。
a 一対の移動局及び基地局間にシステムが作り出す必要がある時に,ACAプロセスは開始され,b リンクに利用可能な一群のN副搬送波の各々の干渉(I)を測定し,
N副搬送波は,「システム内で利用可能な全ての副搬送波」若しくは「その副搬送から選択される小さな一群の副搬送波」,c I測定結果をシステムに送る,d 移動局がリンク受信機であれば,I測定結果は基地局へ送信され,次にMSCへ転送される,e I測定結果をACAプロセッサが受信する,f I測定結果からACAプロセッサは最小干渉未使用M副搬送波を決定する,g 最小干渉未使用M副搬送波のサブセットをリンクへ割り当てる副搬送波割り当てメッセージがリンク受信機及びリンク送信機の両方へ送られる。
また,甲第2号証の記載(上記(1)摘記ケ参照。)によれば,h「ACA処理部」は,システムの基地局内に配置することもできるものである。
そして,甲第2号証の記載(上記「(1) エ」参照。)によれば,i「OFDMシステムの別々の各リンクでの通信に利用可能なN副搬送波の大きな群からM副搬送波(数Mは特定リンクのデークレートによって決定。)の初期サブセットを選択し,
M副搬送波のサブセット内の副搬送波の信号品質レベル(C/I),及び利用可能なN副搬送波の全ての干渉レベル(I)が周期的に測定され,
これらのC/IおよびI測定結果はシステムヘ報告され」ること,そして,
「リンクを介した通信中に,システムはMのセットの副搬送波よりも良好にリンク上の信号受信を行えるより好ましい未使用副搬送波を,リンクが存在するセル内で利用可能であるかどうかをC/IおよびI測定値から決定し,
より好ましい副搬送波が存在すると決定されると,システムは未使用副搬送波を含むようにM副搬送波のサブセットを再構成する」ことが記載されている。

上記事項aないしiを基に検討すると,甲第2号証の記載に関して次のことがいえる。

(A) 移動局に割り当てられる「最小干渉未使用M副搬送波」が,「M副搬送波」のうち「未使用」の「副搬送波」であり,かつ,「干渉(I)」が「最小」の「副搬送波」であることを意味することは明らかであること。
そして,該「最小干渉未使用M副搬送波」を「サブセット」つまり「一組」として「割り当て」を提供していること。
(B) ACA処理部は,「副搬送波割り当てメッセージ」をリンク受信機及びリンク送信機の両方へ送信すること。

ここで,上記(B)において,「副搬送波割り当てメッセージ」の送信される「リンク受信機及びリンク送信機」が「一対の移動局及び基地局」を意味していることは,上記aによって明らかである。
このことからは,「ACA処理部」から「移動局」と対をなす「基地局」に送信される「副搬送波」が,該「基地局」以外の基地局つまり「他の基地局」に送信されることを示しているとはいえない。
また,システムの基地局内にACA処理部が配置された場合において,「副搬送波割り当てメッセージ」を上記の如き「他の基地局」に送信することを開示又は示唆する記載も発見しない。

よって,甲第2号証には,システムの基地局内にACA処理部が配置された場合において,「副搬送波割り当てメッセージ」を「他の基地局」に送信することを開示又は示唆しているということはできない。

イ 上記の検討より,請求人の特定した「引用発明1」を確認する。

(ア) 引用発明1における「複数の移動局から収集されたフィードバックOFDMA副搬送波I測定結果及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMA副搬送波I測定結果に基づいて、N個の副搬送波候補から一組のM個の副搬送波」に関する「ACA処理部」の「選択」は,「基地局と複数の移動局との間での多重アクセスと情報交換とを調整するためのACA処理部」を「基地局」が有すること前提としてなされるものであることは明らかである。
しかし,上記ア(B)に述べたとおりであるので,甲第2号証の記載からは,「N個の副搬送波候補から一組のM個の副搬送波」の「選択」が,「複数の移動局から収集されたフィードバックOFDMA副搬送波I測定結果」に基づくものであるとはいえても,「少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMA副搬送波I測定結果」にも基づくものでもあるということはできない。
つまり,請求人が引用発明1において特定するように「ACA処理部」が「一組のM個の副搬送波」に関してする「選択」が,「複数の移動局から収集されたフィードバックOFDMA副搬送波I測定結果及び少なくとも一つの他の基地局から収集されたOFDMA副搬送波I測定結果」に基づいてするものであるということはできないといわざるをえない。
(イ) 引用発明1における「前記少なくとも一つの他の基地局と協働して、複数の移動局のうちの複数に対して,近隣セルで使用されないOFDMA副搬送波を用いるようにして,自基地局と通信する複数の加入者に対してチャネル組をそれぞれ割り当てるようにして,かつ,自基地局と通信する加入者のアップリンク及びダウンリンクに対して異なるチャネルの組を割り当てるようにして,OFDMA副搬送波サブセット割り当てを提供する」ことについてみるに,「少なくとも一の他の基地局」との「協働」について,本件特許第1発明及び本件特許第7発明では,「一の基地局」と「他の基地局」とが「OFDMAチャネル割り当て」のため,これら基地局間で「OFDMAチャネル情報」,あるいは「OFDMAチャネル状態情報,及びアップリンク信号及びダウンリンク信号の推定空間利得」を提供し合い,これら基地局が「OFDMAチャネル割り当て」を同時に行うものであると解される。
しかし,上記(ア)に述べたとおり,甲第2号証には,「一の基地局」と「他の基地局」との間で「OFDMAチャネル割り当て」のため,情報等を提供し合うことの開示又は示唆がない。
つまり,甲第第2号証の記載を基に,引用発明1のようにして「OFDMA副搬送波サブセット割り当て」の提供を「少なくとも一つの他の基地局」と「協働」して行うことは記載されていないといわざるをえない。
(iii) 上記(ii)より,引用発明1は,甲第2号証に記載されていない事項を特定事項として含むものである。
そして,請求人が提出した甲第3号証ないし甲第10号証,及び甲第12号証ないし甲第15号証についてみると,「甲第3号証」は甲2号証に相当する米国特許明細書であり,「甲第4号証」は引用発明1と本件特許第7発明との対応によってのみ生じる相違点に関し,容易想到であることを示すものであり,「甲第5号証」は甲第4号証に相当する国際公開であり,「甲第6号証」は「OFDMA」における「多元接続」についての説明が記載されたものであり,「甲第7号証ないし甲第9号証」は「無線基地局に割り当て機能を持たせること」の周知性を示すものであり,「甲第10号証,及び甲第12号証ないし甲第15号証」は「OFDMA」技術が本件特許の優先権主張日の前に周知であったことを示すものである。

つまり,甲第3号証ないし甲第10号証,及び甲第12号証ないし甲第15号証のいずれも,上記(ii)において述べた甲第2号証に記載されていないとした事項について,開示するものでも,示唆するものでもない。

このことは,本件特許第1発明が,甲第2号証に記載されたものであるとも,又は,甲第2号証ないし甲第10号証,及び甲第12号証ないし甲第15号証の記載を基にした発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるともいうことはできないことを示している。

(3) 無効理由1に関するまとめ
以上のとおりであるから,本件特許第1発明が,特許法第29条第1項第3号又は同条第2項の規定に該当するものということはできない。

したがって,請求人の主張する理由により,同法第123条第2項の規定に違反するものとして,本件特許第1発明を無効とすることはできない。

3.無効理由2(本件特許第7発明に対する29条2項)について

(1) 本件特許第7発明も,上記「2.(2) (ii)甲第2号証における「チャネル割り当て」について」で検討した引用発明1を特定する事項を含むものである。

そうすると,上記「2.(1)ないし(3)」においてした検討と同様にして,本件特許第7発明が,甲第2号証ないし甲第10号証,及び甲第12号証ないし甲第15号証の記載を基にした発明によって,当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(2) 無効理由2に関するまとめ
以上のとおりであるから,本件特許第7発明が,特許法第29条第2項の規定に該当するものということはできない。

したがって,請求人の主張する理由により,同法第123条第2項に規定に違反するものとして,本件特許第7発明を無効とすることはできない。

第5 むすび

以上のとおり,無効理由1ないし4によって,特許第3980478号の請求項1及び請求項7に係る特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-08-07 
結審通知日 2014-08-11 
審決日 2014-08-25 
出願番号 特願2002-535271(P2002-535271)
審決分類 P 1 123・ 537- Y (H04W)
P 1 123・ 121- Y (H04W)
P 1 123・ 113- Y (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 佐藤 聡史
近藤 聡
登録日 2007-07-06 
登録番号 特許第3980478号(P3980478)
発明の名称 直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)セルラー・ネットワークの媒体アクセス制御  
代理人 北口 智英  
代理人 山口 正博  
代理人 隈部 泰正  
代理人 増田 雅史  
代理人 桑原 秀明  
代理人 飯田 秀郷  
代理人 大貫 進介  
代理人 小野寺 良文  
代理人 森山 航洋  
代理人 三好 豊  
代理人 石原 隆治  
代理人 黒田 博道  
代理人 伊東 忠重  
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