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審決分類 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A61B
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61B
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A61B
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61B
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A61B
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A61B
審判 訂正 判示事項別分類コード:857 訂正する A61B
管理番号 1296354
審判番号 訂正2014-390151  
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-10-17 
確定日 2014-12-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4336750号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4336750号に係る明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由
第1 手続きの経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第4336750号(以下、「本件特許」という。)は、平成14年11月21日(優先権主張:平成13年11月21日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年7月10日に特許権の設定登録がなされ、その後、本件特許に対して、平成26年3月12日に請求項ごとに訂正することを求める旨の訂正審判の請求がなされ(訂正2014-390049号)、同年5月16日に訂正を認める旨の審決がされ、同年6月3日に確定登録がなされたものであり、その後、同年10月17日に本件審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された明細書、訂正特許請求の範囲のとおり請求項ごとにまたは一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
平成26年10月17日付けの本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりのものである(下線は訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、医療または診断機器とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記医療または診断機器から排出されたガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具。」

「【請求項1】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、底部、上部、後壁及び前壁を有すると共に、リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含む排出物リザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から排出された二酸化炭素ガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具。」
と訂正する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6
「【請求項6】
診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と吹込み装置から個人の肛門へのガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記吹き込み装置との接続に適合し、前記吹込み装置から排出されたガスが、前記吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記吹き込み装置からのガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具。」

「【請求項6】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具であり、
前記排出物集積器具は、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と前記二酸化炭素ガス自動吹込み装置から個人の肛門への二酸化炭素ガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置との接続に適合し、前記二酸化炭素ガス自動吹込み装置から排出された二酸化炭素ガスが、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置からの二酸化炭素ガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具。」
と訂正する。

7 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項14
「【請求項14】
体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有するリザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。」

「【請求項14】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、
前記排出物集積器具は、体腔への二酸化炭素ガス媒体の投与を含むCT撮影の間または後に、個人の内部体腔から体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、底部、上部、後壁および前壁を有する排出物リザーバを備え、
前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、二酸化炭素ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与される二酸化炭素ガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。」
と訂正する。

8 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8
「【請求項25】
医療または診断機器として連動して使用するための器具において、
近端と末端を有する第1導管と、前部と後部を有する単一ルーメン挿入可能部材とを備え、
前記挿入可能部材の後部は、前記第1導管の近端に配置され、前記前部は、体腔開口部に挿入可能であり、前記挿入可能部材の前記後部の近くに配置されたクランプと、前記体腔からの排出物を集めるための排出物リザーバと、近端および末端を有し、その面に配置される少なくとも1つの疎水性のバリアを有する第2導管と、ガスを投与するのに適した医療または診断機器に前記第2導管の前記末端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント、および前記リザーバに前記第2導管の前記近端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネントとを備え、
前記挿入可能部材、前記第1導管、前記リザーバおよび前記第2導管は、前記体腔から排出される排出物が前記挿入可能部材、第1導管を通じて前記リザーバに入り、接続された前記吹き込み装置から排出されたガスは、前記吹き込み装置から、第2導管、前記リザーバの内部、第1導管、前記挿入可能部材を通じて前記体腔に入る構成であることを特徴とする器具。」

「【請求項25】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と連動して使用するための器具であり、
前記排出物集積器具は、体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、
近端と末端を有する第1導管と、
前部と後部を有する単一ルーメン挿入可能部材
とを備え、
ここで、前記挿入可能部材の後部は、前記第1導管の近端に配置され、前記前部は、体腔開口部に挿入可能であり、
前記排出物集積器具は、
前記挿入可能部材の前記後部の近くに配置されたクランプと、
前記体腔からの排出物を集めるための排出物リザーバと、
近端および末端を有し、その面に配置される少なくとも1つの疎水性のバリアを有する第2導管と、
二酸化炭素ガスを投与するのに適した前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に前記第2導管の前記末端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント、および、
前記リザーバに前記第2導管の前記近端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント
とを備え、
前記挿入可能部材、前記第1導管、前記リザーバおよび前記第2導管は、前記体腔から排出される排出物が前記挿入可能部材、第1導管を通じて前記リザーバに入り、接続された前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から排出された前記二酸化炭素ガスは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から、第2導管、前記リザーバの内部、第1導管、前記挿入可能部材を通じて前記体腔に入る構成であることを特徴とする器具。」
と訂正する。

9 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項33
「【請求項33】
自動または手動吹き込みユニットと共に使用するためのキットにおいて、
約8フィートのビニールチュービングと、エラストマー風船を膨張させるための1つまたは複数の風船膨張器と、1つまたは複数のプラスチックチュービングクランプと、1つまたは複数の浣腸先端を備える単一ルーメン挿入可能部材と、1つまたは複数のシリコーンエラストマー風船と、1つまたは複数の0.1マクロメートル疎水性フィルタと、少なくとも1つの排出物リザーバと、接続された際に、体腔から排出された排出物が、前記挿入可能部材を通り、次にビニールチュービングの第1区域を通って前記リザーバに入り、前記吹き込みユニットから排出されたガスが前記体腔に入る前に、前記リザーバの内部を通過するように前記ビニールチュービングを自動吹き込みユニットに接続するための1つまたは複数のチュービングコネクタとを含むことを特徴とするキット。」

「【請求項33】
CT撮影用の排出物集積のためのキットであって、
前記キットは、二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットと共に使用するためのキットであり、
約8フィートのビニールチュービングと、エラストマー風船を膨張させるための1つまたは複数の風船膨張器と、1つまたは複数のプラスチックチュービングクランプと、1つまたは複数の浣腸先端を備える単一ルーメン挿入可能部材と、1つまたは複数のシリコーンエラストマー風船と、1つまたは複数の0.1マイクロメートル疎水性フィルタと、少なくとも1つの排出物リザーバと、接続された際に、体腔から排出された排出物が、前記挿入可能部材を通り、次にビニールチュービングの第1区域を通って前記リザーバに入り、前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットから排出された二酸化炭素ガスが前記体腔に入る前に、前記リザーバの内部を通過するように前記ビニールチュービングを前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットに接続するための1つまたは複数のチュービングコネクタとを含むことを特徴とするキット。」
と訂正する。

10 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項34
「【請求項34】
意図されない前記器具の操作、あるいは前記リザーバの前記挿入可能部材または吹き込み装置への不適切な接続を検出し得るようにした圧力センサをさらに備えることを特徴とする以下のいずれかの器具;
(1)請求項1に記載の器具;
(2)請求項6に記載の器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)請求項14に記載の器具。 」

「【請求項34】
意図されない前記器具の操作、あるいは前記リザーバの前記挿入可能部材または吹き込み装置への不適切な接続を検出し得るようにした圧力センサをさらに備えることを特徴とする以下のいずれかの器具;
(1)個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、 底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、医療または診断機器とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記医療または診断機器から排出されたガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具;
(2)診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と吹込み装置から個人の肛門へのガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記吹き込み装置との接続に適合し、前記吹込み装置から排出されたガスが、前記吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記吹き込み装置からのガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、底部、上部、後壁および前壁を有するリザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。 」
と訂正する。

11 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項35
「【請求項35】
前記吹き込み装置と前記1つまたは複数のバリアとの間に位置するセンサをさらに備え、前記センサは、流体を検出し得るように適合されることを特徴とする以下のいずれかの器具;
(1)請求項1に記載の器具;
(2)請求項6に記載の器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを 膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)請求項14に記載の器具。」

「【請求項35】
前記吹き込み装置と前記1つまたは複数のバリアとの間に位置するセンサをさらに備え、前記センサは、流体を検出し得るように適合されることを特徴とする以下のいずれかの器具;
(1)個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、医療または診断機器とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記医療または診断機器から排出されたガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具;
(2)診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と吹込み装置から個人の肛門へのガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記吹き込み装置との接続に適合し、前記吹込み装置から排出されたガスが、前記吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記吹き込み装置からのガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有するリザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。」
と訂正する。

第4 当審の判断

1 特許法施行規則に基づく一群の請求項について

(1)訂正事項6について
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項6は独立請求項であり、請求項7ないし12、23、24、31は、その請求項6を引用するものであるから、請求項6ないし12、23、24、31は、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、請求項6を訂正する訂正事項6は、一群の請求項である請求項6ないし12、23、24、31に係る請求であり、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項7について
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項14は独立請求項であり、請求項15ないし22、28ないし30、32は、訂正事項7を含む請求項14を引用するものであるから、請求項14ないし22、28ないし30、32は、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、請求項14を訂正する訂正事項7は、一群の請求項である請求項14ないし22、28ないし30、32に係る請求であり、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項8について
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項25は独立請求項であり、請求項26及び27は、訂正事項8を含む請求項25を引用するものであるから、請求項25ないし27は、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、請求項25を訂正する訂正事項8は、一群の請求項である請求項25ないし27に係る請求であり、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

2 本件訂正の目的の適否,新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について

(1)訂正事項1について

ア 訂正の目的の適否について

(ア)訂正前の「個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、」を、「CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具であり、」と訂正することは、「排出物を集めるのに適した器具」が「CT撮影用の排出物集積器具」であることに限定し、さらに、「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」たものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(イ)「ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、」という記載を挿入することは、「体腔の開口部」を「肛門括約筋」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(ウ)訂正前の「底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、」の前に「前記排出物集積器具は、」との記載を挿入することは、「リザーバを備え」るものが「排出物集積器具」であることを明確にするものであり、明瞭ではない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

(エ)訂正前の「医療または診断機器とのみ」及び「前記医療または診断機器」を「前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置とのみ」及び「前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正することは、「医療または診断機器」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(オ)訂正前の「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正することは、「ガス」の種類を「二酸化炭素ガス」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(カ)訂正前の「リザーバを備え」を「排出物リザーバを備え」と訂正することは、「リザーバ」が「排出物リザーバ」であることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(キ)訂正前の「前記リザーバの内部に通じる」における「前記」を削除する補正は、独立型式の請求項である請求項1において、当該記載以前に「リザーバ」は存在しないため、「前記」を削除して文章を整えるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

(ア)本件特許明細書の【0012】段には、「本発明は、所望の解剖学的部位の医療または診断処置の実施に関連する使用に適合された排出物リザーバを含」み、その様な処置の一例として「CT撮影」が記載されている。また、本件特許明細書の【0065】段には、「本発明の吹込みシステム」は、「CT結腸検査」を目的としており、「100mL排出物集積容器」を含むことが記載されている。
以上のことから、本件特許明細書には、「排出物集積器具」が「CT撮影用」であることが記載されているといえる。

(イ)本件特許明細書の【0057】段には、「排出物リザーバ(33)がチュービング(52)を通る吹込みガス流れの直接ライン上にある」こと、さらに、【0061】段には、「チュービング(52)は、自動CO_(2)ガス吹込み器に接続される」ことが記載されている。また、本件特許明細書の【0054】段?【0057】段及び【図14】?【図17】には、本発明の「器具50」が「自動吹き込みユニット(51)」に接続され、自動吹き込みユニットとして、「PROTOCO_(2)L^(TM) Colon Insufflator」が使用できることが記載されており、【0065】段には、「本発明の吹込みシステム」が、「E-Z-EM PROTOCO_(2)L^(TM) ADMINISTRATION SET、または類似のシステムであり、CT結腸検査、あるいは結腸膨張を必要とする他のいずれかの診断処置を目的として、膨張媒体としてのCO_(2)を患者の結腸に送り込み、その調整を行うために使用され」、「PROTOCO_(2)L^(TM) ADMINISTRATION SET」は、「8フィートのビニールチュービングと、2つの風船膨張器と、プラスチックチュービングクランプと、Flexi-Cuffシリコーンエラストマーリテンションカフ付きのFlexi-Tipと、0.1マイクロメータ非疎水性フィルタと、100mL排出物集積容器と、PROTOCO_(2)L Colon Insufflatorへのコネクタとを含む」ことが記載されている。
以上のことから、本件特許明細書には、「排出物集積器具」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」ることが記載されているといえる。

(ウ)本件特許明細書の【0031】段には、「挿入可能部材は、特に、個人の腔の開口部への挿入に適して」おり、「個人の体腔は、」「括約筋」を含んだ個人の身体の開口部を含むことができることが記載されている。また、【0044】段には、「挿入可能部材」の「制限手段」が「個人の体腔への開口部(例えば、肛門括約筋)の内部または近くに配置可能であ」ることが記載されている。
以上のことから、本件特許明細書には、「体腔の開口部」が「肛門括約筋」であることが記載されているといえる。

(エ)本件特許明細書の【0013】段には、「排出物集積器具」は、「体腔の内部を検査するための、例えば内視鏡などの器具を含みかつこれに限定されない、医療または診断処置にて使用される装置と接続する1つまたは複数の手段を備え」ており、「このような装置は、」「吹込み器」、「を含んでもよい。」ことが記載されている。さらに、【0061】段、【0064】段、【0065】段、【0067】段には、吹き込み装置が二酸化炭素ガス自動吹き込み装置であることが記載されている。
以上のことから、本件特許明細書には、「医療または診断処置」が「吹き込み器」であってよく、「吹き込み装置」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」であり、体腔に導入されるガスが「二酸化炭素ガス」であることが記載されているといえる。

(オ)本件特許明細書の【0015】段?【0023】段には、「排出物リザーバ」の説明が記載されており、上記(ア)、(イ)において示したように、【0012】段や【0057】段には、本発明が「排出物リザーバ」を含むことが記載されている。
以上のことから、本件特許明細書には、「リザーバ」が「排出物リザーバ」であることが記載されているといえる。

したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭ではない記載の釈明を目的とするものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2ないし5について

ア 訂正の目的の適否について

訂正事項2ないし5は、何れも請求項を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

訂正事項2ないし5は、何れも請求項を削除に伴う特許請求の範囲の減縮であるから、特許法第126条第5項に適合することは明らかである。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項2ないし5は、何れも請求項を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許法第126条第6項の規定に適合することは明らかである。

(3)訂正事項6について

ア 訂正の目的の適否について

(ア)訂正前の「診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、」を、「CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具であり、」と訂正することは、「個人の結腸を膨らませる使用に適した器具」が「CT撮影用の排出物集積器具」であることを限定し、さらに、「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」たものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(イ)訂正前の「(i)近端と末端を有する第1導管と、・・・(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具。」の前に「前記排出物集積器具は、」との記載を挿入することは、「(i)近端と末端を有する第1導管と、・・・(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備える」ものが「排出物集積器具」であることを明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

(ウ)訂正前の「吹込み装置」及び「前記吹込み装置」を、「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」及び「前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正することは、「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(エ)訂正前の「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正することは、「ガス」の種類を「二酸化炭素ガス」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

したがって、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

(ア)「CT撮影用の排出物集積器具」と訂正する点については、(1)イ(ア)に示したとおりである。

(イ)「排出物集積器具」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」る点については、(1)イ(イ)に示したとおりである。

(ウ)「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正する点、及び、「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正する点については、(1)イ(エ)に示したとおりである。

したがって、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項7について

ア 訂正の目的の適否について

(ア)訂正前の「体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、」を、「CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、
前記排出物集積器具は、体腔への二酸化炭素ガス媒体の投与を含むCT撮影の間または後に、個人の内部体腔から体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、」と訂正することは、「個人の内部体腔から排出物を集めるための器具」が「CT撮影用の排出物集積器具」であることを限定し、さらに、「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」たものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(イ)「ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、」という記載を挿入することは、「体腔の開口部」を「肛門括約筋」にさらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(ウ)訂正前の「リザーバ」を、「搬出物リザーバ」に訂正することは、「リザーバ」が「排出物リザーバ」であることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(エ)「底部、上部、後壁および前壁を有する搬出物リザーバを備え、」の前に「前記排出物集積器具は、」を挿入する訂正は、「排出物リザーバを備え」るのが「排出物集積器具」であることを明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

(オ)訂正前の「前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、」の前で改行する訂正は、長い文章を改行することにより文章を整えるものであり、明瞭ではない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

(カ)訂正前の「吹込み装置」及び「前記吹込み装置」を、「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」及び「前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正することは、「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(キ)訂正前の「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正することは、「ガス」の種類を「二酸化炭素ガス」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(ク)訂正前の「投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、」を「投与される二酸化炭素ガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、」に訂正することは、体腔に入る前のガスが「投与される」ものであることを明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

したがって、訂正事項7は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

(ア)「CT撮影用の排出物集積器具」と訂正する点については、(1)イ(ア)に示したとおりである。

(イ)「排出物集積器具」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され」る点については、(1)イ(イ)に示したとおりである。

(ウ)「体腔の開口部」を「肛門括約筋」と訂正する点については、(1)イ(ウ)に示したとおりである。

(エ)「リザーバ」を「排出物リザーバ」と訂正する点については、(1)イ(オ)に示したとおりである。

(オ)「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正する点、及び、「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正する点については、(1)イ(エ)に示したとおりである。

(カ)「投与されたガス」を「投与される二酸化炭素ガス」と訂正する点について、本件特許明細書の【0057】段には、「排出物リザーバ(33)がチュービング(52)を通る吹込みガス流れの直接ライン上にあ」って、「排出された大便が排出物リザーバ(33)内にある状態で、空電空式吹込み器または手動吹込み器からのガスが、チュービング(52)を通って自由に患者に移動することができ」ることが記載されており、吹込み器からのガスが、排出物リザーバがある吹込みガス流れの直接ラインを通って患者に投与されることが記載されているものと認められる。

したがって、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項7は、特許請求の範囲の減縮、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(5)訂正事項8について

ア 訂正の目的の適否について

(ア)訂正前の「医療または診断機器として連動して使用するための器具において、」を、「CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と連動して使用するための器具であり、
前記排出物集積器具は、体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、」と訂正することは、「器具」が「CT撮影用の排出物集積器具」であり、「医療または診断機器」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」であることを限定し、さらに、「排出物集積器具」が「体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集める」ことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(イ)「ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、」という記載を挿入することは、「体腔の開口部」を「肛門括約筋」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(ウ)訂正前の「近端と末端を有する第1導管と、前部と後部を有する単一ルーメン挿入可能部材とを備え、」及び「前記挿入可能部材の後部は、前記第1導管の近端に配置され、前記前部は、体腔開口部に挿入可能であり、前記挿入可能部材の前記後部の近くに配置されたクランプと、前記体腔からの排出物を集めるための排出物リザーバと、近端および末端を有し、その面に配置される少なくとも1つの疎水性のバリアを有する第2導管と、ガスを投与するのに適した医療または診断機器に前記第2導管の前記末端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント、および前記リザーバに前記第2導管の前記近端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネントとを備え、」の前に「前記排出物集積器具は、」との記載を挿入することは、「単一ルーメン挿入可能部材」及び「接続コンポーネント」を備えているものが「排出物集積器具」であることを明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的する訂正に該当する。

(エ)「前部と後部を有する単一ルーメン挿入可能部材とを備え、」と「前記挿入可能部材の後部は、」の間に「ここで、」を挿入する訂正、「および前記リザーバに前記第2導管の前記近端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネントとを備え、」の「および」と「前記リザーバ」の間に読点を挿入する訂正は、それぞれ、文章の区切り、つながりを明瞭にするものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(オ)訂正前の「前記吹込み装置」を、「前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正することは、「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(カ)訂正前の「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正することは、「ガス」の種類を「二酸化炭素ガス」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

したがって、訂正事項8は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

(ア)「CT撮影用の排出物集積器具」と訂正する点については、(1)イ(ア)に示したとおりである。

(イ)「排出物集積器具」が「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と連動して使用するための器具」である点については、(1)イ(イ)に示したとおりである。

(ウ)「排出物集積器具」が「体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集め」、「前記体腔の開口部」が「肛門括約筋」である点については、(1)イ(ウ)に示したとおりである。

(エ)「医療または診断機器として連動して」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と連動して」とする訂正について、本件特許明細書の【0009】段には、「吹込み機構と連動して使用するための、」と記載されている。

(オ)「吹込み装置」を「二酸化炭素ガス自動吹き込み装置」に訂正する点、及び、「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正する点については、(1)イ(エ)に示したとおりである。

したがって、訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項8は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、及び、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(6)訂正事項9について

ア 訂正の目的の適否について

(ア)「自動または手動吹き込みユニットと共に使用するためのキットにおいて、」を「CT撮影用の排出物集積のためのキットであって、前記キットは、二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットと共に使用するためのキットであり、」と訂正することは、「キット」が「CT撮影用の排出物集積のためのキット」であり、さらに、「自動または手動吹き込みユニット」が「二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」であることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(イ)「前記吹き込みユニット」を「前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」に訂正することは、「吹き込みユニット」を「二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(ウ)「自動吹き込みユニット」を「前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」に訂正することは、「自動吹き込みユニット」を「二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。

(エ)「0.1マクロメートル疎水性フィルタ」を「0.1マイクロメートル疎水性フィルタ」とする訂正は、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

したがって、訂正事項9は、特許請求の範囲の減縮、及び、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

(ア)「CT撮影用の排出物集積のためのキット」と訂正する点については、(1)イ(ア)に示したとおりである。

(イ)「吹き込みユニット」及び「自動吹き込みユニット」を「二酸化炭素ガス自動吹き込みユニット」に訂正する点、及び、「ガス」を「二酸化炭素ガス」に訂正する点については、(1)イ(エ)に示したとおりである。

(ウ)「0.1マクロメートル疎水性フィルタ」を「0.1マイクロメートル疎水性フィルタ」とする訂正は誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許明細書に記載した範囲内でするものであることは明らかである。

したがって、訂正事項9は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、訂正事項9は、特許請求の範囲の減縮、及び、誤記の訂正を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(7)訂正事項10について

ア 訂正の目的の適否について

訂正前の請求項34が請求項1、請求項6及び請求項14を引用するものであったところ、請求項間の引用関係を解消し、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

訂正事項10は、請求項34を、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正である。
したがって、訂正事項10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、請求項34を、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(7)訂正事項11について

ア 訂正の目的の適否について

訂正前の請求項35が請求項1、請求項6及び請求項14を引用するものであったところ、請求項間の引用関係を解消し、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正に該当する。

新規事項の追加の有無について

訂正事項11は、請求項35を、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正である。
したがって、訂正事項11は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について

上記アにおいて示したとおり、請求項35を、請求項1、請求項6及び請求項14を引用しない形式に改めるための訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

3 独立特許要件について

特許請求の範囲の減縮、及び、誤記の訂正を目的とした訂正事項1ないし9に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし12及び請求項14ないし33に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明を減縮、誤記の訂正、及び、不明瞭な記載の釈明を行ったものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかであり、特許法126条第7項の規定に適合するものである。

第5 むすび

以上のとおり、本件訂正審判請求の訂正事項1ないし11は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項及び第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
個人からの排出物を集めるための器具、システムおよびキット
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年11月21日に出願された米国仮出願第60/330,072号の優先権を主張し、その全体を参考のために本明細書に引用する。本発明は、医療または診断処置の間または後に個人からの排出物を集めるための器具、システムおよびキットに関する。本明細書において、「排出物」という用語は、個人の身体の内部からの固体、半固体、液体、または気体のいずれかを含み、かつこれらに限定されない。代替の実施形態では、本発明は、媒体および排出物の双方向の流れを提供する。これにより、医療または診断処置を受ける個人の体腔に、および体腔から、所望の媒体が通過することができ、同時に、排出物を体腔からリザーバに流れさせ、排出物が媒体の流れを妨げたり、医療または診断処置の実施に用いられる機器に接触したりすることを防止する。本発明は、媒体および排出物が、意図される目的位置に達することができるような、媒体および排出物の双方向の流れを可能にする。本明細書では、「媒体」という用語は、有益な医療または診断処置を実施するために個人に対し投与される、固体、半固体、液体または気体のいずれかを含み、かつこれらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
医療または診断処置の間に個人からの排出物を集めるための現在の処置は、特に、様々な衛生上の問題を提起する。多くの場合、個人は、処置の間に排出物を集めるための適切な容器に繋がれておらず、処置を行う間またはその後に、体液およびガスの漏れ、汚染、雑音および悪臭を起こし、これらを漏出してしまう。また、診断を目的として、個人の排出物を観察し、処置の間に排出された排出物のすべてまたは一部を集めることも必要であろう。これは、現在知られている以下の技術の場合、しばしば不都合または困難である。
【0003】
例えば、CT撮影その他を含みかつこれに限定されない胃腸撮影による診断の実施は、処置の前および間に、所望の身体部位を膨張させることで促進される。理想的には、処置の間に膨張を維持して、最も正確な画像を得る。現在、個人の直腸に挿入された直腸カテーテルの近端に吹込み器を直接接続して、検査の前および間に個人の結腸または他の身体部位を膨張させることが知られている。この装置により、例えば空気またはCO_(2)が結腸に導入される。しかしながら、コスト的な制限により、吹込み機器は複数の個人に対し使用される。この点で、他の患者への使用により機器が汚染されないようにすることが重要である。吹込み処置の間に、大便などの排出物が頻繁に患者から排出され、しばしば吹込み機器に接触し、これを汚染する。
【発明の開示】
【0004】
上述した先行技術の不利な点は、本発明によって部分的に軽減される。例えば、代替の一実施形態においては、本発明は、医療または診断処置の間あるいは後に、個人の体腔内への媒体の投与に用いられる導管に接続された、排出物集積リザーバを提供する。これにより、処置の開始と共に排出される排出物はいずれも、このリザーバ内に移動して集められ、排出物が媒体の投与を妨げることを防ぐ。排出された排出物がリザーバ内にある状態で、所望の媒体が、導管を通って、個人の腔内に自由に移動できる。代替の一実施形態においては、本発明は、効率的な使い捨て器具を提供するので、吹込み装置との使用に適している。この使い捨て器具により、吹込み器の清潔および/または無菌状態を維持しながら、媒体を患者に通すことができ、これにより吹込み器を複数の個人に対し使用することができる。他の実施形態においては、膨張ガスが双方向に自由に流れることができ、これにより電空式吹込み器の圧力感知特性を活用することを可能にする。これは、例えば一定のユーザ設定圧力による腔(例えば結腸)の自動的な膨張に用いられる。
【0005】
また、本発明の他の実施形態においては、本発明と医療または診断処置の実施に用いられる機器との間の接続位置の前に、バリアが配置される。これにより、処置の間にリザーバから漏れ出る排出物が機器に接触できないようになっている。排出物リザーバへの各開口部の前に配置されたバリアにより、排出された大便/排出物を容易に収容することができ、散乱を最小化し、処置の終わりに、排出物の処分を容易にする。
【0006】
したがって、本発明の目的は、個人からの排出物を集める器具、システム、およびキットを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、胃腸撮影または内視鏡検査を含みかつこれらに限定されない医療または診断処置の間あるいは後の、個人からの排出物の集積における改善を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、媒体および排出物の双方向の流れを提供することである。これにより、医療または診断処置を受ける個人の内腔に、および内腔から、媒体が通過することができ、同時に、排出物を内腔からリザーバに流れさせ、個人からの排出物が医療または診断処置に関連して用いられる機器に接触することを防止する。
【0009】
本発明のさらなる目的は、医療または診断処置の準備において個人の解剖学的部分を膨張するために、吹込み機構と連動して使用するための、使い捨て可能なチュービング器具を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、胃腸撮影処置または内視鏡検査処置の準備において個人の結腸を膨張させるためのCO_(2)吹込み装置と共に使用することができる、使い捨て可能なチュービング器具を提供することである。
【0011】
以下の発明の詳細な説明および図面に鑑みて、本発明の他の目的、機能および利点が、当業者に明白となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の器具、システム、キットは、排出物リザーバを含む。更に詳細には、本発明は、所望の解剖学的部位の医療または診断処置の実施に関連する使用に適合された排出物リザーバを含む。このような処置は、胃腸撮影を含んでもよく、かつこれに限定されない。胃腸撮影は、例えば、X線撮影または仮想の胃腸撮影を含み、かつこれらに限定されない。仮想の胃腸撮影は、コンピュータソフトウェアを使用して胃腸管のいずれかの部分の内部を見るいずれかの技術を含み、CT撮影、MR撮影、PET撮影等を含む。このような医療または診断処置は、光ファイバー内視鏡検査、光学式結腸鏡検査、S状結腸鏡検査などを含んでもよい。
【0013】
排出物集積器具は、体腔の内部を検査するための、例えば内視鏡などの器具を含みかつこれに限定されない、医療または診断処置にて使用される装置と接続する1つまたは複数の手段を備える。このような装置は、また、吹込み器、あるいは粉末、気体、液体または蒸気を体腔内に投与するための他の任意の器具を含んでもよい。このような装置は、さらに、吸引器、あるいは部分または完全真空を体腔内に作り出すために使用される他の任意の器具、もしくは空間から液体、固体または気体を吸引により除去する器具、特に医療または診断処置の間あるいは後に体腔を空にするために医薬的に用いられる器具を含んでもよい。
【0014】
排出物リザーバは、個人の体腔に関わる医療的および/または診断的に有益な処置の実施が可能となるように、また同時に、前記腔の開口部を通過する排出物が、処置または処置の成果を妨げ、あるいはこれに悪影響を与えることを防止するように、医療または診断装置に接続される。排出物リザーバは、また、医療または診断処置の間あるいは後に、排出物が医療または診断装置に接触して、これを汚染することがないように、前記装置に接続することができる。
【0015】
排出物リザーバ
【0016】
代替の一実施形態においては、排出物リザーバは、例えば診断または医療処置の間あるいは後に、個人の内腔の開口部を通過する排出物を受けて集めることが可能な中空の内部を備えることができる。排出物リザーバは、特に、個人の体腔から排出物を集めるためのリザーバとして有用であり、排出物が体腔に再度入ったり、医療または診断処置に関連して使用されるコンポーネント、装置または機器を汚染したりすることを防ぐ。
【0017】
一実施形態においては、排出物リザーバは、閉じられた底部と、外周が互いに固定された前壁および後壁とを有する内部領域を備える。リザーバは、また、排出物リザーバの内部に排出物を入れ、または取り除くための1つまたは複数のポートまたは開口部を備えることができる。リザーバは、さらに、排出物リザーバの内部を介した所望の媒体の運搬に使用するための、1つまたは複数のポートまたは開口部を含むこともできる。リザーバは、約10cc?1000ccの流体、または10cc?500ccの流体、好ましくは約10cc?100cc、より好ましくは約60cc?100ccを保持することができる。代替の一実施形態においては、排出物リザーバは、ほぼ60ccまたは100ccの流体を、それぞれ保持することができる。
【0018】
本発明の代替の一実施形態においては、本発明の排出物リザーバは、袋状の形状を有する。あるいは、例えばボトル状、トレイ状、箱状、または管状の形状を有してもよい。他の実施形態においては、排出物リザーバは、硬質の容器またはジャーを含むことができ、あるいは折りたたみ可能な容器の形を取ることができる。折りたたみ可能な容器の1つの利点は、その実質体積が小さいことであり、これは、製造、保管、運送、使用および処分の間の取扱いを容易にする。
【0019】
排出物リザーバの少なくとも1つの開口部が、接続手段を備える。このような接続手段は、1つまたは複数の他のコンポーネントへの接続を形成するための手段を含み、かつこれに限定されない。代替の一実施形態においては、接続手段は、ルーアー接続、コルダー接続、有刺接続、オス/メス型接続、または任意の均等物を形成するための手段を含み、かつこれらに限定されない。代替の一実施形態においては、接続手段は、少なくとも1つの排出物開口部と医療または診断処置に関連して使用される1つまたは複数の導管、挿入可能部材または機器との間に流体型シールを形成するための手段を提供する。
【0020】
本発明の排出物リザーバは、強靭で、軽量で、信頼性がありかつ経済的な容器を提供する適切なプラスチック材料で作ることができる。例えば、本発明の排出物リザーバは、オレフィン系の材料などの、任意の適切な弾性材料で作製することができる。オレフィン系の材料は、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリルエステル共重合体、アイオノノマー、およびこれらの組み合わせを含み、かつこれらに限定されない。さらに、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの遮断特性を有する重合体の膜層、ならびにポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンなどの重合体の膜層を使用することもできる。
【0021】
排出物リザーバは、特に、ポリエチレン膜、軟質ポリ塩化ビニル膜、軟質ポリ塩化ビニリデン膜、ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体の積層、エチレン酢酸ビニル共重合体/ポリ塩化ビニリデン/エチレン酢酸ビニル共重合体の積層、およびポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体/塩化ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体/ポリエチレンの積層を含む、任意の柔軟な材料を含んでもよい。また、排出物リザーバは、水洗トイレでの処分に適した材料を含んでもよい。このような材料は、例えば、生物分解性重合体を含む。
【0022】
導管
【0023】
本発明においては、排出物リザーバは、医療または診断処置の実施に使用される1つまたは複数の機器に接続することができる。この接続は、例えば、排出物リザーバと機器の間に1つまたは複数の導管を配置することによって達成することができる。導管は、1つの場所から他へと媒体または排出物を運ぶことが可能な何らかの中空領域を含むことができる。例えば、本発明では、導管は、1つまたは複数の中空領域を備える構造を含むことができ、媒体または排出物を運ぶことが可能であり、他方では、これらの物質のための通路として機能する。導管は、チューブ、チャネル、またはパイプなどの中空の円筒を含むことができ、かつこれらに限定されない。導管は、また、単一のルーメンまたは複数のルーメンを備えることができる。
【0024】
導管の少なくとも一部分が、接続手段を備えることができる。このような接続手段は、1つまたは複数のコンポーネントへの接続を形成するための手段を含み、かつこれに限定されない。代替の一実施形態においては、接続手段は、ルーアー接続、コルダー接続、有刺接続、オス/メス接続、または任意の均等物を含む。代替の一実施形態においては、接続手段は、導管の1つまたは複数の部分と、挿入可能部材、排出物リザーバの開口部あるいは医療または診断処置において使用される1つまたは複数の機器との間に流体型シールを形成するための手段を提供する。
【0025】
本発明の導管は、オレフィン系の材料などの、任意の適切な弾性材料によって作製することができる。オレフィン系の材料は、ポリエチレン、エチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリルエステル共重合体、ロノマー、およびこれらの組み合わせを含み、かつこれらに限定されない。また、導管は、塩化プロイビルダーまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体、およびポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、またはポリウレタン、シリコーン、ゴム、ナイロン、PTFEで作製してもよい。
【0026】
排出物または媒体の流れを制御するためのバリア
【0027】
本発明は、1つの場所から他へと排出物または媒体が移動することを防ぐ1つまたは複数のバリアを備えることもできる。1つまたは複数のバリアは、1つまたは複数の位置に配置することができ、この位置は、排出物リザーバと、個人の排出物への接触から保護する領域との間のいずれかの位置を含み、かつこれに限定されない。例えば、1つまたは複数のバリアは、医療または診断処置に関連して使用されるコンポーネント、装置または機器に排出物が接触し、これを汚染することを防ぐように配置することができる。また、バリアは、媒体または排出された排出物が、腔開口部を通って個人の内腔に移動することを防ぐために、様々な位置に配置することができる。代替の一実施形態において、バリアは、固体材料、液体、気体、または、微生物(バクテリアやウイルス)などの、気体でない浮遊粒子の通過に対して不透過性の材料の1つまたは複数の層を備えることができる。このようなバリアは、ウイルスおよびバクテリア、粘液および流体などの病原体の移動を著しく減少させることができる。代替の一実施形態においては、排出物バリアは、0.1ミクロンの疎水性膜を含みかつこれに限定されない疎水性膜を備えることができ、抗ウイルスかつ抗菌のバリアを提供する。
【0028】
排出物バリアは、生体物質に対して不透過性の、他のいずれかの周知の市販濾過媒体システムを備えることもできる。濾過媒体の性能は、濾過媒体の側部に、ライン上の逆止め弁または一方向の弁を配置することにより、高めることができる。その上、排出物バリアは、独立または単独の構造である必要はない。排出物バリアは、本発明のいずれかのコンポーネントの一体部分を形成することができる。例えば、適切な疎水性膜により、排出物リザーバの1つまたは複数の開口部の一体部分を形成してもよい。バリアは、また、導管または挿入可能部材の内部の一体部分を形成してもよい。
【0029】
他の実施形態において、本発明は、また、医療または診断処置の間あるいは後に、排出物または媒体が1つの場所から他へと移動することを制限あるいは防止するための、調整可能なバリアを持つことができる。調整可能なバリアは、クランプ、弁、止め栓、スライドクランプまたはピンチクランプを含むことができ、またこれらに限定されない。代替の一実施形態においては、挿入可能部材は、ロッキングピンチクランプを支持することができる。
【0030】
挿入可能部材
【0031】
挿入可能部材は、特に、個人の腔の開口部への挿入に適している。挿入可能部材は、例えば複数ルーメンのチューブなどの、1つまたは複数の中空領域を有することができる。個人の体腔は、口、膣、尿道、耳、鼻孔、子宮、虫垂、盲腸、上行結腸、右結腸曲、左結腸曲、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸、括約筋、または他の何らかの身体の穴、チャネル、あるいは個人の身体への切開を含んだ個人の身体の開口部を含むことができる。挿入可能部材は、例えばトロカール、内視鏡、浣腸先端、フォーリーカテーテル、エントリー針などの、個人の腔の内部を検査するための器具を含むことができ、またこれらに限定されない。挿入可能部材は、また、粉体、気体、液体または蒸気を体腔内に投与するための、自動または手動の吹込み器などの器具を含むことができる。挿入可能部材は、さらに、個人の腔の内部から液体、気体または固体を除去するための器具を含むことができる。
【0032】
挿入可能部材は、前部および後部を有し、後部は1つまたは複数の接続手段を有する。このような接続手段は、1つまたは複数の他のコンポーネントとの接続を形成するための手段を含み、かつこれに限定されない。代替の一実施形態においては、接続手段は、ルーアー接続、コルダー接続、有刺接続、オス/メス型接続、または任意の均等物を形成するための手段を含み、かつこれらに限定されない。代替の一実施形態においては、接続手段は、挿入可能部材の中空領域と排出物リザーバの1つまたは複数の導管または開口部との間に流体型シールを形成するための手段を提供する。
【0033】
前部は、これに支持される先端構造を備える。先端構造は、個人の体腔の開口部への挿入可能部材の進入を開始するために適合されている。挿入可能部材は、前記部材の一部または実質的全体が、個人の腔の開口部を通して挿入されるように構成することができる。代替の一実施形態においては、挿入可能部材は、内部に配置された中空部分を持つことができる。中空部分は、挿入可能部材の前端から後端に伸びている。これにより、一度挿入されると、挿入可能部材は、腔への開口部を維持することができる。体腔内に挿入するには、先端を潤滑にして、腔の中に丁寧に通すことができる。先端は、丁寧に引き出すことにより、いつでも腔から取り外すことができる。
【0034】
先端構造の形状は、様々な形状および形態を含むことができる。例えば、先端構造は、円筒形あるいは非円筒形とすることができる。先端構造の周辺の長さは、挿入可能部材の他の部分と、実質的に同一かそれ以上とすることができる。先端構造は、頂点を含むこともできる。先端構造の1つまたは複数の部分の形状または形態は、環状、平面、円形、丸いくぼみ、凸状、円錐形、楕円形、楕円体、コニディアル、三日月状、螺旋形、長方形、長円形、放物線形、丸形、正弦波形、球状、半球形、テーパー状、管状、三角形、くさび状、頭状、または、個人の体腔の開口部に挿入可能な他のいずれかの構成を含み、かつこれらに限定されない。
【0035】
代替の他の実施形態においては、挿入可能部材は、末端および近端を有する軸を備えることができる。先端構造は、軸の近端付近に配置することができる。末端は、排出物リザーバに接続することができる。軸の内部は、軸の長さの一部または少なくとも実質的な全体に沿って伸びる、1つまたは複数の中空領域を備えることができる。軸の中空領域は、完全にあるいは部分的に、挿入可能部材の先端構造の中空領域と直線にすることができ、これにより、挿入可能部材の前部から後部まで伸びる導管を形成する。先端と軸は、個別の識別可能なコンポーネントを表わしてもよく、あるいは挿入可能部材の1つの単一コンポーネントを表わしてもよい。
【0036】
一実施形態においては、挿入可能部材は、固体で実質的に硬質の材料を含むことができる。また、このような材料は、例えばPVCまたはポリエチレンを含むことがきる。この材料は、ゴムなどの実質的に弾力のある材料、あるいは軟質プラスチック、ポリウレタン、ラテックス、ナイロン、PTFE、シリコーンまたはこれらの混合物などの弾性重合体を含んでもよい。
【0037】
制限手段
【0038】
本発明は、また、挿入部材を、個人の体腔の開口部を通して一度挿入した所望の位置に維持する、1つまたは複数の制限手段を備えることができる。また、制限手段は、挿入可能部材の先端が、個人の体腔に挿入された後にずれることを防止する。さらに、制限手段は、前記部材が腔の開口部をいったん通過すると、さらなる貫通の防止、および/または、挿入可能部材と腔の外周との間の適切なシールの維持を可能とする。制限手段は、挿入可能部材の挿入深さまたはその回転方向を変更して、異なる大きさの生体構造に適合できるように、選択的に調整可能とすることができる。
【0039】
代替の一実施形態においては、制限手段は、個人の腔への挿入可能部材の配置を容易にするよう適合された拡張可能部材を備えることができる。拡張可能部材は、全体的または部分的に、挿入可能部材の外面上または内部に配置することができる。他の実施形態においては、軸または先端構造に、拡張可能部材を設けることができる。さらに他の代替の実施形態においては、拡張可能部材を移動可能にすることができる。例えば、拡張可能構造を、軸または先端構造に沿ってスライド可能とすることができる。拡張可能構造は、挿入可能部材の軸または先端構造に固定、またはこれに沿って選択的に調整することができる。
【0040】
代替の一実施形態においては、拡張可能構造は、挿入可能部材の軸または先端構造に支持された膨張可能な風船状の構造の形を取ることができる。膨張可能な構造は、挿入可能部材の内部に伸びる膨張導管に結合することができ、膨張導管は、排出物リザーバに通じる挿入可能部材の内部ルーメンからは分離または独立していることが好ましい。ここで、膨張導管に、膨張ポンプに接続可能な止め栓または他のいずれかのバルブを設けることができる。一実施形態においては、導管は、膨張制御止め栓と、注射器または他のポンプを含みかつこれらに限定されない適切な空気ポンプのノズルに導管を取り付けるための接続とを備えることができる。
【0041】
挿入可能部材が、体腔の開口部を通して挿入されると、軸または先端構造に支持された拡張可能部材を、通常の平らな状態から、膨らんだ風船状のドーナツに膨張させて、挿入可能部材の外向きの移動を防止することができる。挿入可能部材を、軸に沿い長手方向に調整して、挿入可能な部材が体腔に挿入される深さを調整することができる。挿入の適切な深さおよび向きが達成されると、体腔内で拡張可能構造を膨張させることで、挿入可能部材の位置を、好ましくは体腔の開口部の近傍に維持することができる。拡張可能部材は、膨張すると、内腔、特に腔の入口部分の輪郭を適合させるのに適切なドーナツ形に膨らむ。
【0042】
他の実施形態においては、本発明は、個人の体腔から、前記腔の開口部を通して排出物を集めるための器具である。このような器具は、挿入可能部材の上端に上開口部を定める手段と、挿入可能部材の下端に下開口部を定める手段とを有する、固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材を備える。挿入可能部材は、上開口部から下開口部への、排出物の通過に十分な断面の中空領域を有する。挿入可能部材の上部は、丸められ、腔開口部に挿入可能となっている。管状の拡張可能部材が、上開口部に近接した上部に固定され、これを囲んでいる。拡張可能部材は、放射状に外向きに拡張し、挿入可能部材の周囲を上開口部の近傍で囲み、腔開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して腔から外へ出るように構成することができる。器具は、拡張可能部材が腔開口部内に配置された後にこれを膨張させるための手段を含む。挿入可能部材の外部に沿った、拡張可能部材と挿入可能部材の下端との間の空間は、挿入可能部材の上部が腔開口部内に挿入され、拡張可能部材が拡張した後、腔開口部が、環状の拡張可能部材と挿入可能部材の表面との間で圧迫され、挿入可能部材の外側で密封されて、排出物質が挿入可能部材のみを通して流れ出すようになっている。中空の挿入可能部材は、排出物リザーバを挿入可能部材の下端に固定して、下端から出る排出物をリザーバに通過させるための手段を、挿入可能部材の下端に含む。
【0043】
当接部
【0044】
制限手段は、また、挿入可能部材に配置される当接部を含むことができる。例えば、制限手段は、個人の体腔への開口部(例えば、肛門括約筋)の内部または近くに配置可能であり、そこで1つまたは複数の当接面により支持される挿入可能部材を備えることができる。一実施形態においては、挿入可能部材の先端構造は、ほぼ円錐形の形状を有している。円錐の基部は、第1放射当接面を形成する。円錐の頂点は、個人の体腔の開口部への挿入可能部材の進入を開始するために用いられる。先端構造は、また、末端および近端を有する中央部分を含む。中央部分の近端が、円錐の基部に隣接して配置される。中央部分の近端は、円錐の基部の直径よりも小さい直径を有する。中央部分の末端は、その近端の直径よりも大きい直径を有し、第2放射当接面を形成する。一度挿入されると、腔の開口部は、第1および第2放射当接面の間に配置される。
【0045】
制限手段は、また、軸に沿った第1円周を有する円筒ヘッドを備えることができる。挿入可能部材は、また、円筒ヘッドの基部の近くまたは隣の中央部分を含む。中央部分は、近端と末端を有する。前記末端部は、ほぼ円錐形の形状を有し、これによりほぼ平面の放射第1当接面を提供している。また、中央第1部分の近端に隣接して、第2当接面も存在する。
【0046】
図面に、本発明の代替の実施形態、特に、個人からの排出物を受けるための器具、方法、システムおよびキットが示されている。さらに詳しくは、本発明は、排出物リザーバ(33)を備えることができる。リザーバ(33)の内部には、例えば診断または医療処置の間あるいは後に、個人の内腔から挿入可能部材(1)を通過してくる排出物を受けて集めることができる中空領域(34)を備えることができる。
【0047】
図7Aは、排出物リザーバ(33)の正面図を示し、図7Bは、背面図を示す。一実施形態においては、排出物リザーバ(33)は、閉じられた底部(35)を有する中空領域(34)と、外周(38)が互いに固定された前壁および後壁(36,37)とを備えている。リザーバ(33)は、また、排出物リザーバの内部に排出物を入れ、または取り出すための1つまたは複数のポート(39)を備えることができる。リザーバ(33)は、さらに、排出物リザーバ(33)の内部(34)への、または内部からの媒体の運搬に使用するための1つまたは複数のポート(39)を含むことができる。代替の一実施形態においては、排出物リザーバ(33)は、折りたたみ可能な容器の形を取ることができる。他の実施形態においては、排出物リザーバは、硬質の容器を含むことができ、あるいは、折りたたみ可能な容器の形を取ることができる。
【0048】
本発明は、また、1つまたは複数のバリア(41)を備えることができる。1つまたは複数のバリア(41)は、1つまたは複数の位置に配置することができ、この位置は、排出物リザーバ(33)と、個人の排出物への接触から保護する領域との間のいずれかの導管とを含み、かつこれに限定されない。例えば、1つまたは複数のバリア(41)は、医療または診断処置に関連して使用されるコンポーネント、装置または機器に排出物が接触し、これを汚染することを防ぐために配置することができる。代替の一実施形態において、バリア(41)は、液体、固体、および気体でない粒子の通過に対して不透過性の材料の1つまたは複数の層を備えることができる。このようなバリアは、ウイルスおよびバクテリア、粘液および流体などの病原体の移動を著しく減少させることができる。代替の一実施形態においては、排出物バリア(41)は、0.1ミクロンの疎水性膜を含みかつこれに限定されない疎水性膜を備えることができ、抗ウイルスかつ抗菌のバリアを提供する。他の実施形態においては、調整可能なバリアは、クランプ、弁、止め栓、またはロッキングピンチクランプを含むことができる。
【0049】
本発明においては、排出物リザーバ(33)または所望の医療機器を、1つまたは複数の導管(43)に結合することができる。導管は、いずれかの媒体または排出物を1つの場所から他へと運搬することが可能な中空領域(45)を含むことができる。本発明は、また、挿入可能部材を備えることができる。本発明の代替の一実施形態においては、挿入可能部材(1)は、前部(2)と後部(3)を有することができる。前部は、挿入可能部材(1)に支持された先端構造(4)を有する。先端構造は、個人の体腔の開口部への挿入可能部材(1)の進入を開始するために適合されている。先端構造(6)の頂点は、1つまたは複数の開口部(7)を有する。1つまたは複数の開口部は、頂点(6)の内部に配置された少なくとも1つの中空領域(5)に接続することができる。中空領域(5)は、先端構造(4)の長さに沿って伸ばすことができる。先端構造(4)は、先端構造(4)内に配置された中空領域(5)にそれぞれ接続された複数の開口部(7)を備えることができる。挿入可能部材(1)は、末端(9)と近端(10)を有する軸(8)を備えることができる。先端構造(4)は、軸(10)の近端またはその近くに配置することができる。軸(8)の内部は、1つまたは複数の中空領域(11)を備えることができる。1つまたは複数の中空領域は、軸(8)の長さに沿って伸ばすことができる。軸(8)の中空領域(11)は、先端構造(4)の中空領域(5)と直線にすることができ、これにより、挿入可能部材(2)の前部から後部(3)に伸びるチャネルを形成する。挿入可能部材(1)は、前記部材を、排出物リザーバ(33)あるいは医療機器またはそのいずれかのコンポーネントに通じる1つまたは複数の導管(43)に固定するための手段を備えることができる。
【0050】
本発明の挿入可能部材は、また、1つまたは複数の制限手段(12)を備えることができる。制限手段は、拡張可能構造(13)を備えることができる。一実施形態においては、軸(8)または先端構造(4)に、拡張可能構造(13)を設けることができる。代替の一実施形態においては、拡張可能構造(13)は、挿入可能部材(1)の軸(8)または先端構造(4)に支持された膨張可能な風船状の構造(14)の形を取ることができる。風船状の構造(14)は、挿入可能部材(1)の内部または外部に配置することができる膨張導管(15)に接続することができる。膨張導管(15)は、風船状構造内に導管(15)を通して気体または液体を注入することができるように、膨張ポンプ(16)に接続することができる。また、膨張導管(15)は、膨張導管(15)からの気体または液体の流れの漏れまたは通過を防止あるいは許可するための止め栓、バルブ、クランプまたは他のいずれかの手段に接続することができる。一実施形態においては、導管(15)は、膨張制御止め栓(17)と、膨張導管(15)を膨張ポンプ(16)のノズルに取り付けるための手段と、を備えることができる。一実施形態においては、拡張可能構造(13)は、E-Z-EM Flexi-Cuff(登録商標)シリコーンエラストマーリテンションカフ、または類似の器具である。この製品は、ニューヨーク州ウェストベリーのE-Z-EM,Inc.によって販売されている。
【0051】
挿入可能部材(1)が、体腔の開口部を通して挿入されると、軸(8)または先端構造(4)に支持された風船状の構造(14)を、通常の平らな状態(19)から膨らんだ風船状のドーナツ(20)に膨張させて、望ましくない挿入可能部材(1)の動きを防止することができる。
【0052】
制限手段(12)は、また、挿入可能部材(1)またはその近傍に配置された当接部を備えることができる。例えば、制限手段(12)は、ほぼ円錐状の形状(22)を有することができる。円錐(22)の基部は、第1放射当接面(24)を形成する。挿入可能部材(1)は、また、末端(26)と近端(27)を有する中央部分(25)を備える。中央部分(25)の近端(27)は、先端構造(4)の基部に隣接して配置される。中央部分(25)の近端(27)は、先端構造(4)の基部の直径よりも小さい直径を有する。中央部分(25)の末端は(26)は、その近端(27)の直径よりも大きな直径を持つことができ、これにより第2放射当接面を形成する。一度挿入されると、腔の入口またはその周囲が、第1および第2放射当接面(24,28)の間に位置し、挿入可能部材(1)を個人の体腔の内部に固定する。
【0053】
制限手段(12)は、また、軸に沿った第1円周を有する円筒ヘッド(29)を備えることができる。挿入可能部材(1)は、また、末端部(26)を有する中央部分(25)を備える。挿入可能部材(1)は、また、ほぼ円錐状の形状(32)を有する近端部(27)も含み、これにより、近端部(27)またはその近くにほぼ平面の放射第1当接面(24)を提供している。また、中央部分(25)の末端(26)に隣接した第2当接面(28)も存在する。
【0054】
図14?図17を参照すると、吹込み機器またはユニットと共に使用する使い捨て器具が示されている。器具(50)は、自動吹込みユニット(51)と共に使用するためのものである。本発明のチュービング器具との使用に適した吹込みユニットは、E-Z-EM PROTOCO_(2)L^(TM) Colon Insufflatorまたは類似の装置を含み、かつこれに限定されない。この製品は、ニューヨーク州ウェストベリーのE-Z-EM,Inc.によって販売されている。このような器具(50)は、吹込みユニット(51)と共に使用すると、個人から直腸を通して排出されるいかなる排出物によるユニットの汚染も防ぐ。もう一つの実施形態においては、器具(50)は、無菌の形態で供給される。他の実施形態においては、本発明の1つまたは複数のコンポーネントが、ラテックスを含まない形態で提供される。器具(50)は、単一の患者への使用に適している。
【0055】
器具(50)は、チューブ(52)を提供する。チューブ(52)は、ビニールまたは類似のプラスチックを含むフレキシブルチューブを含むことができ、またこれに限定されない。器具(50)は、また、チューブ(52)の末端に位置する単一ルーメンの挿入可能部材(1)を含む。挿入可能部材(1)は、個人の直腸に挿入可能である。一実施形態においては、単一ルーメンの挿入可能部材は、E-Z-EMカタログNo.8816,E-Z-EM Flexi-Tip(登録商標)、または任意の均等物である。この製品も、ニューヨーク州ウェストベリーのE-Z-EMによって販売されている。他の実施形態においては、先端構造(4)は、ディップ成形されたビニル先端である。成形ビニル先端は、ロッキングピンチクランプ(49)に一体的に接続することができる。
【0056】
クランプ(49)は、挿入可能部材(1)の近くのチュービング(52)に取り付けられている。一実施形態においては、クランプ(49)は、チュービング(52)に取り付けられたスライドクランプである。クランプ(49)は、単独で、または排出物リザーバ(33)に連動させて使用することができ、処置の期間の間または後に個人から排出されるいかなる大便/排出物も集める。処置の終わりに、クランプ(49)を作動させることにより、排出された大便/排出物は排出物リザーバ(33)の中に収容され、散乱を最小化し、排出物の処分を容易にする。
【0057】
排出物リザーバ(33)は、吹込み処置の間に患者から排出される大便/排出物の保持に使用される。排出物リザーバ(33)は、クランプ(49)の近くに配置することができる。一実施形態においては、排出物リザーバ(33)は柔軟な容器であり、好ましくは折りたたみ可能なポリビニール袋である。排出物リザーバ(33)は、チュービング(52)を通るCO_(2)ガス流れの直接ライン上にある。排出物リザーバ(33)がチュービング(52)を通る吹込みガス流れの直接ライン上にあるので、処置の開始と共に排出される残りの大便はいずれも、このリザーバ(33)に移動して集まり、これにより、処置の間に排出物の大きな柱が吹込みガスの通路を塞ぐことを防止する。排出された大便が排出物リザーバ(33)内にある状態で、空電空式吹込み器または手動吹込み器からのガスが、チュービング(52)を通って自由に患者に移動することができる。また、膨張ガスは、自由に双方向に流れることができ、これにより電空式吹込み器の圧力感知特性を活用することを可能にする。これは、直腸を一定のユーザ設定圧力で自動的に膨張させることを可能にする。
【0058】
一実施形態においては、袋が柔軟で折りたためるように、排出物リザーバ(33)は、軟質のプラスチック(例えばビニール)を含む。排出物リザーバ(33)は、約20cc?約150cc、または80cc、60cc、あるいは120ccもしくは140ccを含みかつこれらに限定されない容積を有する。排出物リザーバ(33)は、また、その上面に一体化された2つのチュービング接続ポート(39)を含む。一実施形態においては、接続ポート(39)は、市販のコルダーロッキング医療チュービング接続、または類似の器具である。代替の実施形態においては、排出物リザーバ(33)は、プラスチックバイアルなどの硬質の容器を含む。硬質の容器に対する柔軟な袋の主な利点は、しかしながら、製造、保管、運送、使用および続く処置後の処理の間に取り扱いを必要とする袋の実質体積が小さいことである。
【0059】
一実施形態においては、排出物リザーバ(33)は、診断処置の間、患者の高さより下に保持される。あるいは、排出物リザーバ(33)は、患者が器具に繋がれたままで、患者の高さよりも高く上げることもできる。これらの状況下では、スライドクランプ(49)を完全に閉じて、挿入可能部材を通じた排出物/大便の個人の腔への再入を防ぐことが有益であろう。
【0060】
バリア(41)は、チュービング(52)のライン上に位置する。バリア(41)は、排出物リザーバ(33)の隣、または近くに配置することができる。一実施形態においては、バリアをフィルタとすることができる。ここで、使用が適切なフィルタは、吹込み機器の汚染を防ぐ抗菌かつ抗ウイルスのバリアの提供に適した任意のフィルタを含み、かつこれに限定されない。一実施形態においては、バリア(41)は疎水性フィルタであり、特に0.1ミクロンの疎水性膜である。排出物リザーバ(33)に近い疎水性フィルタを利用することにより、処置の間に患者から排出されるウイルス性および/またはバクテリア性の物質はいずれも、排出物リザーバ(33)に収容される。
【0061】
チュービングセット(52)は、接続(55)において吹込み器に取り付けられる。一実施形態においては、接続(55)は市販のコルダーロッキング医療チュービング接続、または類似の器具である。一実施形態においては、チュービング(52)は、自動CO_(2)ガス吹込み器に接続される。
【0062】
挿入可能部材(1)は、診断処置の間に結腸膨張のレベルを維持するための拡張可能構造(13)を含む。拡張可能構造(13)は、膨張すると、診断処置の間のガスの漏れを防止する。これは、現在使われているハンドバルブ膨張方法からの改善を表わしている。ガスが診断処置の間に直腸腔から漏れる可能性があるためである。ここで、使用に適した風船は、EZ-EM Balloon Inflators Cat.No.9529[REF 9529EU]を含み、かつこれに限定されない。一実施形態においては、拡張可能構造(13)は、約1cc?約100ccの空気で膨張される。
【0063】
一実施形態においては、カート(60)が、本発明が用いられる環境に関わる人的要因に適合するように設計されている。主要な機能は、CTまたは結腸内視鏡室内の移動式プラットフォーム上に、吹込みユニットおよびCO_(2)供給シリンダを支持することである。その上、カート(60)は、処置の間に本発明の排出物トラップを垂直に維持するための取付け具を提供する。これは、トラップの底にある排出されたいずれの液体排出物/大便も、ガスルーメンから離して局所的に制限することにより、その効果を最大化する。また、排出物リザーバの縦の高さを、吹込み器および検査台より低く維持する。排出物リザーバを、吹込み器および個人の両方より低い位置に固定することで、リザーバへの排出物の集積を重力によって促進する。
【0064】
一実施形態においては、吹込み器(51)は、自動吹込みユニットである。ここでの使用に適した自動吹込みユニットは、気体を結腸内に送り込むための任意の電子装置を含み、かつこれに限定されない。一実施形態においては、ユニットは、電空式二酸化炭素吹込み器であり、制御インターフェイスで以下のパラメータを指定することにより、CO_(2)を患者の結腸に送って膨張させるようになっている。患者内にセットされた使い捨てチューブの浣腸先端を直腸に挿入する場合、適切なCO_(2)の膨張圧は、0?25mmHgを含むことができる。CO_(2)の設定流れ速度は、約1?20L/mmを含むことができ、設定圧は約10mmHg?約50mmHgとし、好ましくは、それぞれ約3?6L/mmおよび20?30mmHgとする。
【0065】
一実施形態においては、本発明の吹込みシステムは、E-Z-EM PROTOCO_(2)L^(TM) ADMINISTRATION SET、または類似のシステムであり、CT結腸検査、あるいは結腸膨張を必要とする他のいずれかの診断処置を目的として、膨張媒体としてのCO_(2)を患者の結腸に送り込み、その調整を行うために使用される。PROTOCO_(2)L吹込み器ユニットは、現在市場に出ている腹腔鏡吹込み技術に基づいている。この吹込みユニットは、ソフトウェア制御された電気機械システムであり、供給シリンダから患者へのCO2の流れを正確に圧力調整し測定する。PROTOCO_(2)L ADMINISTRATION SETは、8フィートのビニールチュービングと、2つの風船膨張器と、プラスチックチュービングクランプと、Flexi-Cuffシリコーンエラストマーリテンションカフ付きのFlexi-Tipと、0.1マイクロメータ非疎水性フィルタと、100mL排出物集積容器と、PROTOCO_(2)L Colon Insufflatorへのコネクタとを含む。システムは、患者のアレルギー反応を防ぐために、ラテックスを含まない形態で好適に提供される。あるいは、上記のシステムは、ニューヨーク州ウェストベリーのE-Z-EM,Inc.により販売されているE-Z-EMハードバルブまたはE-Z-EME-Z-Flat器具を含む、いずれかの空気式手動吹込み器と共に用いることもできる。
【0066】
本発明は、さらに、医療または診断処置の前または間に媒体を投与している、個人の体腔の開口部から排出される排出物を集める方法に関する。この方法は、1つまたは複数の以下のステップを含む。(1)排出物リザーバを挿入可能部材あるいは医療または診断処置の実行に必要な他の機器に接続し、(2)挿入可能部材を、個人の体腔の開口部を通して挿入し、(3)挿入可能部材が個人の腔に挿入されている間に医療または診断処置を行い、(4)処置の間または後に個人の腔の開口部を通過する排出物を、排出物リザーバに集め、(4)必要に応じて、排出物リザーバの高さを調整して、排出物リザーバへの排出物の通過を促進し、(5)排出物リザーバを挿入可能部材または機器から取り外し、(6)取扱いの際に排出物が排出物リザーバから漏れることを防止するために、1つまたは複数のクランプを結合する。
【0067】
図15は、排出物トラップがアクセサリーカートでなく自動吹込み器(68)に取り付けられた本発明の実施形態を示している。この図は、角度を付けて上部に取り付けられ、患者より下の縦位置に配置されている場合でも作業者が制御できるようにした制御パネル(70)を示している。このような配置の利点は、患者へのCO_(2)の投与の前に、排出物トラップの存在を検出し得るようにした、超音波または電子光学センサを含みかつこれに限定されないセンサ手段(71)が設けられていることである。一実施形態においては、センサは、排出物リザーバの外面に配置することができる。このようなセンサの目的は、2つある。第1に、意図されない器具の操作を防止することである。第2に、感知のための構成を使用して、排出物リザーバの吹込み機器への接続が正しいことを確認できることである。
【0068】
図16は、排出物トラップがアクセサリーカートでなく自動吹込み器(68)に取り付けられた本発明の実施形態を再び示している。この図では、センサ(71)および(72)は、1つまたは複数のセンサ手段を含むことができる。これらのセンサは、排出物トラップおよび非疎水性フィルタの存在をそれぞれ検出するために使用される。これらのセンサは、図15に示した排出物トラップに用いられたセンサの目的と同一の目的を持っている。その上、医療用非疎水性フィルタが、通常、硬質のプラスチックのハウジングに取り付けられているため、ここで排出物トラップを支持している吹込み器の前面は、非疎水性フィルタの形状を受け入れるための形状的機能を含むことができる。このフィルタの取り付け構成は、センサ(電子光学式)との関連において、固有の形状特性を有するフィルタを収容するように設計することができる。同様に、図16のフィルタ電子光学センサ(72)の配置は、膜の上流/末端側に置くことができる。投与セットの材質特性と共に、電子光学センサの特性は、センサが、故障、すなわちフィルタ膜を横切る液体のブリーチも感知できるように調整することができる。この同一の目的を果たす代替の感知技術は、超音波である。
【0069】
図17は、多孔フィルタ媒体が、電空式吹込み器のベントポートに取り付けられた本発明の実施形態を示している。このような媒体は、患者を元とする悪臭ガスが、処置の過程で周りの病室の空気に漏れ出すことを無くす、あるいは最小化するために用いることができる活性炭または他の洗浄媒体を含むことができる。
【0070】
本明細書の図面および添付物は、図解のみを目的として提示されている。これらは、本発明の範囲の限定を意図するものではない。さらに、当業者には、本明細書に記載された実施形態の様々な変更および修正が明らかとなることが理解されるべきである。このような変更および修正は、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、また、本発明に伴う利点を減少させることなく行うことができる。したがって、このような変更および修正を、添付の特許請求の範囲に含むことが意図される。また、本発明は、本明細書に記載される要素を適切に包含することができ、または、本明細書に記載される要素で構成され、あるいは、本質的に構成される。さらに、本明細書に例示的に開示される本発明は、本明細書に詳細に記載されている、または、記載されていないいずれの要素が無くとも、適切に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】挿入可能部材を含まない本発明の代替の実施形態を示す。
【図2】本発明の代替の挿入可能部材の斜視図である。
【図3】本発明の代替の挿入可能部材の斜視図である。
【図4】本発明の代替の挿入可能部材の斜視図である。
【図5】本発明の代替の挿入可能部材の斜視図である。
【図6】本発明の代替の排出物バリアの側面図である。
【図7】本発明の代替の排出物リザーバの斜視図である。
【図8】本発明の代替の排出物リザーバの斜視図である。
【図9】本発明の排出物リザーバの斜視図である。
【図10】本発明の代替のバリアの側面図である。
【図11】本発明にて使用される代替のクランプの斜視図である。
【図12】本発明にて使用される代替のクランプの斜視図である。
【図13】挿入可能部材が接続された本発明の代替の実施形態の斜視図である。
【図14】吹込みユニットに接続して使用される本発明の代替の実施形態を示す。
【図15】リザーバ内の廃液を集積/検出するための様々な手段を有する本発明の代替の実施形態を示す。いくつかの図の観点を通じて一致する参照文字は、一致する部分を表わしている。
【図16】リザーバ内の廃液を集積/検出するための様々な手段を有する本発明の代替の実施形態を示す。いくつかの図の観点を通じて一致する参照文字は、一致する部分を表わしている。
【図17】リザーバ内の廃液を集積/検出するための様々な手段を有する本発明の代替の実施形態を示す。いくつかの図の観点を通じて一致する参照文字は、一致する部分を表わしている。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含む排出物リザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から排出された二酸化炭素ガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする
器具。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
【請求項6】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具であり、
前記排出物集積器具は、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と前記二酸化炭素ガス自動吹込み装置から個人の肛門への二酸化炭素ガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置との接続に適合し、前記二酸化炭素ガス自動吹込み装置から排出された二酸化炭素ガスが、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置からの二酸化炭素ガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具。
【請求項7】
1つまたは複数の前記バリアは、抗ウイルスまたは抗菌バリアを含むことを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項8】
1つまたは複数の前記バリアは、疎水性フィルタであることを特徴とする請求項7に記載の器具。
【請求項9】
1つまたは複数の前記バリアは、0.1マイクロメートルの疎水性膜を含むことを特徴とする請求項7に記載の器具。
【請求項10】
1つまたは複数の前記バリアは、締め付けクランプ、クリップ、スナップロック、ピンチクランプを含むことを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項11】
前記第1または第2導管を前記リザーバに取り付けるための少なくとも1つの接続手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項12】
前記リザーバは、上部、底部、前壁および後壁を有し、前記排出物リザーバは、前記リザーバの上部に配置された第1および第2ポートをさらに備え、前記第1および第2導管は、それぞれ前記第1および第2ポートに結合されていることを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項13】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、
(1)上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置からの二酸化炭素ガスの導入に十分な断面の中空領域を有する単一のチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
(2)前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
(3)排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じてリザーバに入り、診断の前あるいは診断中に前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置からの二酸化炭素ガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具。
【請求項14】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に接続され、
前記排出物集積器具は、体腔への二酸化炭素ガス媒体の投与を含むCT撮影の間または後に、個人の内部体腔から体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、底部、上部、後壁および前壁を有する排出物リザーバを備え、
前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、二酸化炭素ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与される二酸化炭素ガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。
【請求項15】
挿入可能部材をさらに備え、前記挿入可能部材は、前部と後部を有し、前記前部は、これに支持される先端構造を有し、前記挿入可能部材は、前記挿入可能部材の前記前部から前記後部に伸びる中空領域を有し、前記リザーバは、前記挿入可能部材の前記後部に、少なくとも1つの前記接続コンポーネントを介して接続されており、排出物が、前記体腔から前記挿入可能部材の前記中空領域を通って前記排出物リザーバに排出される、ことを特徴とする請求項14に記載の器具。
【請求項16】
前記挿入可能部材は、内面および外面を有する軸を有し、膨張可能な風船が、前記軸の前記外面に配置され、前記軸の周りで実質的に平らな形状から膨張した形状に膨張することを特徴とする請求項15に記載の器具。
【請求項17】
近端および末端を有する第1導管をさらに備え、前記近端は、前記挿入可能部材に固定され、前記末端は、前記挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを介して、前記リザーバに固定されることを特徴とする請求項16に記載の器具。
【請求項18】
近端および末端を有する第2導管をさらに備え、前記末端は、前記吹き込み装置に固定され、前記近端は、前記吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを介して、前記リザーバに固定されることを特徴とする請求項17に記載の器具。
【請求項19】
排出物が望ましくない場所に置かれることを防ぐための1つまたは複数のバリアをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の器具。
【請求項20】
1つまたは複数の前記バリアは、抗ウイルスまたは抗菌バリアを含むことを特徴とする請求項19に記載の器具。
【請求項21】
前記バリアは、疎水性フィルタであることを特徴とする請求項19に記載の器具。
【請求項22】
前記疎水性フィルタは、0.1マイクロメートルの疎水性膜を含むことを特徴とする請求項21に記載の器具。
【請求項23】
前記リザーバは、柔軟で折りたたみが可能な袋であることを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項24】
前記リザーバは、実質的に硬質の容器であることを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項25】
CT撮影用の排出物集積器具であって、
前記排出物集積器具は、二酸化炭素ガス自動吹き込み装置と連動して使用するための器具であり、
前記排出物集積器具は、体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具であり、ここで、前記体腔の開口部は、肛門括約筋であり、
前記排出物集積器具は、
近端と末端を有する第1導管と、
前部と後部を有する単一ルーメン挿入可能部材
とを備え、
ここで、前記挿入可能部材の後部は、前記第1導管の近端に配置され、前記前部は、体腔開口部に挿入可能であり、
前記排出物集積器具は、
前記挿入可能部材の前記後部の近くに配置されたクランプと、
前記体腔からの排出物を集めるための排出物リザーバと、
近端および末端を有し、その面に配置される少なくとも1つの疎水性のバリアを有する第2導管と、
二酸化炭素ガスを投与するのに適した前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置に前記第2導管の前記末端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント、および、
前記リザーバに前記第2導管の前記近端を接続するための少なくとも1つの接続コンポーネント
とを備え、
前記挿入可能部材、前記第1導管、前記リザーバおよび前記第2導管は、前記体腔から排出される排出物が前記挿入可能部材、第1導管を通じて前記リザーバに入り、接続された前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から排出された前記二酸化炭素ガスは、前記二酸化炭素ガス自動吹き込み装置から、第2導管、前記リザーバの内部、第1導管、前記挿入可能部材を通じて前記体腔に入る構成であることを特徴とする器具。
【請求項26】
前記挿入可能部材は、内面および外面を有する軸を有し、膨張可能な風船が、前記軸の前記外面に配置され、前記軸の周りで実質的に平らな形状から膨張した形状に膨張することを特徴とする請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記クランプは、スライドクランプであることを特徴とする請求項25に記載の器具。
【請求項28】
前記リザーバは、底面および上面を有する容器であり、前記容器は、前記上面に一体化される少なくとも2つの接続コンポーネントを備えることを特徴とする請求項18に記載の器具。
【請求項29】
前記容器は、柔軟で折りたたみが可能な、約1cc?約120ccの容積を有するビニール袋であることを特徴とする請求項28に記載の器具。
【請求項30】
前記容器は、約10cc?約120ccの容積を有する硬質の容器であることを特徴とする請求項28に記載の器具。
【請求項31】
前記接続コンポーネントに固定された1つまたは複数の無菌のチュービングのセグメントをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の器具。
【請求項32】
前記第1導管および前記第2導管の1つまたは複数のラテックスを含まないチュービングの部分を備えることを特徴とする請求項18に記載の器具。
【請求項33】
CT撮影用の排出物集積のためのキットであって、
前記キットは、二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットと共に使用するためのキットであり、
約8フィートのビニールチュービングと、エラストマー風船を膨張させるための1つまたは複数の風船膨張器と、1つまたは複数のプラスチックチュービングクランプと、1つまたは複数の浣腸先端を備える単一ルーメン挿入可能部材と、1つまたは複数のシリコーンエラストマー風船と、1つまたは複数の0.1マイクロメートル疎水性フィルタと、少なくとも1つの排出物リザーバと、接続された際に、体腔から排出された排出物が、前記挿入可能部材を通り、次にビニールチュービングの第1区域を通って前記リザーバに入り、前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットから排出された二酸化炭素ガスが前記体腔に入る前に、前記リザーバの内部を通過するように前記ビニールチュービングを前記二酸化炭素ガス自動吹き込みユニットに接続するための1つまたは複数のチュービングコネクタとを含むことを特徴とするキット。
【請求項34】
意図されない前記器具の操作、あるいは前記リザーバの前記挿入可能部材または吹き込み装置への不適切な接続を検出し得るようにした圧力センサをさらに備えることを特徴とする以下のいずれかの器具:
(1)個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、医療または診断機器とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記医療または診断機器から排出されたガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具;
(2)診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と吹込み装置から個人の肛門へのガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記吹き込み装置との接続に適合し、前記吹込み装置から排出されたガスが、前記吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記吹き込み装置からのガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有するリザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。
【請求項35】
前記吹き込み装置と前記1つまたは複数のバリアとの間に位置するセンサをさらに備え、前記センサは、流体を検出し得るように適合されることを特徴とする以下のいずれかの器具:
(1)個人の体腔の開口部から排出物を集めるのに適した器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有すると共に、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を含むリザーバを備え、
少なくとも1つの前記開口部は、医療または診断機器とのみ接続すると共に、少なくとも1つの前記開口部は、前記体腔とのみ接続し、前記体腔から排出された排出物は、リザーバの中に入り、接続された前記医療または診断機器から排出されたガスは、前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、排出物と反対方向に通過することを特徴とする器具;
(2)診断前あるいは診断中に個人の結腸を膨らませる使用に適した器具において、
(i)近端と末端を有する第1導管と、
(ii)診断前あるいは診断中に個人の結腸から排出物を集めるのに適したリザーバであって、前記リザーバの内部は、前記第1導管の前記末端と接続され、前記個人の肛門を通過する排出物を、前記リザーバ内に集められるようにしたリザーバと、
(iii)個人の肛門からの排出物の排出と吹込み装置から個人の肛門へのガスの導入の両方を許容する、個人の肛門への挿入に適した挿入可能部材であって、その挿入可能部材は前部と後部を有し、その前部から後部に伸びる単一のチャネルを有し、その後部は、前記第1導管の前記近端と接続される挿入可能部材と、
(iv)近端および末端を有する第2導管であって、前記近端は、前記リザーバの内部に接続され、前記末端は、前記吹き込み装置との接続に適合し、前記吹込み装置から排出されたガスが、前記吹き込み装置から前記第2導管へと通り、前記リザーバの内部と、前記第1導管と、前記挿入可能部材とを通過して前記個人の肛門に入るようになっていて、個人の肛門から排出される排出物が前記挿入可能部材および第1導管を通じて前記リザーバに入り、前記吹き込み装置からのガスが診断前あるいは診断中に前記リザーバを経由して通過する第2導管と、
(v)前記第2の導管に配置された1以上のバリアであって、診断前あるいは診断中に排出物が前記吹き込み装置に接触するのを防ぐのに適したバリアと、を備えることを特徴とする器具;
(3)体腔から前記体腔の開口部を通して排出物を集めるための器具において、
上端および下端を有する固体で膨張しない構造の、伸びた中空の挿入可能部材であって、前記上端は、上開口部を含み、前記下端は、下開口部を有し、前記上開口部および下開口部は、前記上開口部から前記下開口部への排出物の通過および前記下開口部から前記上開口部への吹き込み装置からのガスの導入に十分な断面の中空領域を有するチャネル(流路)を介して動作可能に結合されている挿入可能部材と、
前記上開口部に近接した前記挿入可能部材の前記上端に固定され、これを囲んだ環状の拡張可能部材であって、前記拡張可能部材は、外向きに拡張し、前記挿入可能部材の周囲を前記上開口部に近接して囲み、前記体腔の開口部を密閉して、排出物が中空の挿入可能部材のみを通して前記体腔から外へ出るように構成され、前記拡張可能部材が前記体腔の開口部内に配置された後にこれを膨張させるための膨張導管を含む拡張可能部材と、
排出物が前記体腔から前記挿入可能部材を通じて前記リザーバに入り、診断の前あるいは診断中に吹き込み装置からのガスが前記リザーバを経由して通り前記体腔に入るように前記挿入可能部材の下端および吹き込み装置の両方に固定されると共に前記挿入可能部材と前記吹き込み装置の間に配置された排出物リザーバと、を含むことを特徴とする器具;または
(4)体腔へのガス媒体の投与を含む医療または診断手続きの間または後に、個人の内部体腔から排出物を集めるための器具において、
底部、上部、後壁および前壁を有するリザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバの内部に通じる2以上の開口部を有し、
前記リザーバは、吹き込み装置との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントおよび挿入可能部材との接続を形成するための少なくとも1つの接続コンポーネントを有し、ガスが前記体腔へ投与可能な構造となり、同時に、前記リザーバ内の排出物を収集し、投与されたガスが前記体腔に入る前に前記リザーバの内部を経由して、前記リザーバの中に収集されている排出物とは反対方向に向かって通過するように、前記リザーバは、前記吹き込み装置と前記体腔との間に位置する構成となることを特徴とする器具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-12-01 
出願番号 特願2003-546808(P2003-546808)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A61B)
P 1 41・ 857- Y (A61B)
P 1 41・ 853- Y (A61B)
P 1 41・ 856- Y (A61B)
P 1 41・ 851- Y (A61B)
P 1 41・ 854- Y (A61B)
P 1 41・ 855- Y (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小田倉 直人安田 明央  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 信田 昌男
平田 佳規
登録日 2009-07-10 
登録番号 特許第4336750号(P4336750)
発明の名称 個人からの排出物を集めるための器具、システムおよびキット  
代理人 瀬田 あや子  
代理人 伊波 興一朗  
代理人 南条 雅裕  
代理人 南条 雅裕  
代理人 伊波 興一朗  
代理人 瀬田 あや子  

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