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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1296355
審判番号 訂正2014-390152  
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-10-17 
確定日 2014-12-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5263690号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5263690号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5263690号(以下「本件特許」という。)は、平成23年8月19日の出願であって、その請求項1ないし5に係る発明は、平成25年5月10日に特許権の設定登録がなされ、平成26年10月17日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件訂正審判の請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。
そして、本件特許の訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、、」とあるのを「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、」と訂正する。

2 訂正事項2
本件特許の明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0009】に「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、、」とあるのを「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、」と訂正する。

3 訂正事項3
本件特許明細書の段落【0384】に「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、、」とあるのを「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、」と訂正する。

4 訂正事項4
本件特許明細書の段落【0009】に「上記目的を解決する本発明の遊技台は、」とあるのを「上記目的を解決する本発明の第一の遊技台は、」と訂正する。

5 訂正事項5
本件特許明細書の段落【0009】に「また、本発明の第一の遊技台において、前記先読み予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後には、前記図柄変動表示の実行途中であっても前記他のアイコンを前記第一の表示態様で表示させることが可能なものであってもよい。」を付加する。

6 訂正事項6
本件特許明細書の段落【0009】に「また、上記目的を解決する本発明の第二の遊技台は、図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、複数種類の予告を少なくとも実行可能な予告手段と、先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、遊技者が少なくとも操作可能な操作手段と、を備えた遊技台であって、前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第一の予告であり、前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第二の予告であり、前記第一の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴う予告であり、前記第二の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴わない予告であり、前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものであり、前記予告手段は、前記先読み予告手段が前記アイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、前記第一の予告および前記第二の予告のうち該第二の予告のみを実行可能なものである、ことを特徴とする。」を付加する。

7 訂正事項7
本件特許明細書の段落【0009】に「また、本発明の第二の遊技台において、前記予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後に開始される前記図柄変動表示から前記第一の予告を少なくとも実行可能なものであってもよい。」を付加する。

8 訂正事項8
本件特許明細書の段落【0009】に「また、本発明の第一又は第二の遊技台において、前記先読み予告手段は、前記アイコンを前記第一の表示態様で一旦表示させることなく前記第二の表示態様で少なくとも表示させることが可能なものであってもよい。」を付加する。

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
(1)訂正事項1ないし3について
訂正前の請求項1、本件特許明細書の段落【0009】及び【0384】における「前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、、」は、読点が連続して二重に付されている明らかな誤記を含むものであり、二重読点のうちの一つの読点を削除する上記訂正事項1ないし3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

(2)訂正事項4について
訂正事項4は、本件特許明細書の段落【0009】における「上記目的を解決する本発明の遊技台は、」に序数を加えて「上記目的を解決する本発明の第一の遊技台は、」とすることで、独立請求項である本件特許の特許請求の範囲の請求項1に対応するものであることを明瞭にするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)訂正事項5ないし8について
訂正事項5ないし8は、いずれも、本件特許の特許請求の範囲の記載と本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

2 特許法第126条第5項に規定する要件について
訂正事項1ないし3は、いずれも、二重読点のうちの一つの読点を削除する誤記の訂正であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、当初明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
訂正事項4は、序数を加えることで独立請求項である請求項1に対応するものであることを明瞭にするものであるから、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
訂正事項5ないし8は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、訂正事項1ないし3は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、訂正事項4ないし8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項に規定する要件について
訂正事項1ないし8は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 特許法第126条第7項に規定する要件について
訂正事項1ないし3は、誤記の訂正を目的とするものであり、訂正事項1を含む訂正後の請求項は、請求項1と請求項1を引用する請求項2及び5であるが、訂正後の請求項1、2及び5に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を見いだせない。
したがって、訂正事項1ないし3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、訂正事項1ないし3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5ないし7項の規定に適合するものであり、また、訂正事項4ないし8は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5及び6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技台
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技台では、遊技盤の遊技領域に遊技球の落下の方向に変化を与える障害物や、遊技球が入賞可能な入賞口、始動口、可変入賞口などを設けているのが一般的である。これらに遊技球が入賞すると賞球を払い出すなど遊技者に特典が与えられるようになっている。
【0003】
また、こういった遊技台では、始動口への遊技球の一回の入賞に基づいて一回の当否判定を行い、当否判定の結果が特定の当否判定結果であった場合には、可変入賞口を所定時間開放させる等、遊技者に有利な遊技状態を発生させるようにしている(例えば、特許文献1、2等参照)。
【0004】
遊技台では、この遊技者に有利な遊技状態の発生の有無を制御することにより、遊技者が上述の特典を得る機会を増減させることで遊技台の興趣性を向上させるようにしている。
【0005】
このような遊技台では、所定条件が満たされるまで、入賞に基づく当否判定の開始が保留され、現在の保留数を表す表示を演出の一つとして液晶表示装置等の表示手段に始動保留表示として表示するものがあり、遊技の興趣を高めようとしている。また、当否判定の結果が特定の当否判定結果になる可能性があることを予告する先読み予告演出を行い、遊技の興趣を高めようとしているものもある(例えば、特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-254495号公報
【特許文献2】特許第4368929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、昨今の遊技台では、遊技の興趣をより一層高めることが望まれている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、先読み予告演出によって遊技の興趣をより一層高めることが可能な遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決する本発明の第一の遊技台は、
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が操作可能な位置に少なくとも設けられた操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、一のアイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、他のアイコンを該第一の表示態様で表示させないものであり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものである、
ことを特徴とする。
また、本発明の第一の遊技台において、
前記先読み予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後には、前記図柄変動表示の実行途中であっても前記他のアイコンを前記第一の表示態様で表示させることが可能なものであってもよい。
また、上記目的を解決する本発明の第二の遊技台は、
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
複数種類の予告を少なくとも実行可能な予告手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が少なくとも操作可能な操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第一の予告であり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第二の予告であり、
前記第一の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴う予告であり、
前記第二の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴わない予告であり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものであり、
前記予告手段は、前記先読み予告手段が前記アイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、前記第一の予告および前記第二の予告のうち該第二の予告のみを実行可能なものである、
ことを特徴とする。
また、本発明の第二の遊技台において、
前記予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後に開始される前記図柄変動表示から前記第一の予告を少なくとも実行可能なものであってもよい。
また、本発明の第一又は第二の遊技台において、
前記先読み予告手段は、前記アイコンを前記第一の表示態様で一旦表示させることなく前記第二の表示態様で少なくとも表示させることが可能なものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技台によれば、先読み予告演出によって遊技の興趣をより一層高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】パチンコ機100を裏側から見た外観斜視図である。
【図3】遊技盤200を正面側(遊技者側)から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものであり、(b)は装飾図柄の一例を示したものであり、(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図であり、(c)は、特図決定用テーブルを示す図である。
【図9】(a)は特図2変動時間決定用テーブルを示す図であり、(b)は特図1変動時間決定用テーブルを示す図である。
【図10】(a)は第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(c)は第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図11】特図先読み処理のうち特図2に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】特図先読み処理のうち特図1に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化予告抽選テーブル1を示す図であり、(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化予告抽選テーブル2を示す図であり、(c)は、保留表示の各種の表示態様を示す図であり、(d)は、ボタン保留表示136aの他の表示態様を示す図である。
【図15】変動開始時サブ側予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている通常予告抽選テーブル1を示す図であり、(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている通常予告抽選テーブル2を示す図であり、(c)は、通常予告演出で表示される各種の表示態様を示す図である。
【図17】フラグ解除処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】チャンスボタン136の操作を促すボタン保留表示136aが表示されていても遊技者がチャンスボタン136を操作しなかった場合の一例を示す図である。
【図19】ボタン保留表示136aが表示されている状態でチャンスボタン136が操作された場合の一例を示す図である。
【図20】図19に示す例の続きを示す図である。
【図21】チャンスボタン136の操作を促すボタン保留表示136aが表示されていても遊技者がチャンスボタン136を操作せずにいたら、保留Bの保留表示が出現した一例を示す図である。
【図22】図21に示す例の続きを示す図である。
【図23】ボタン予告表示136bが2回出現する例を示す図である。
【図24】図23に示す例の続きを示す図である。
【図25】図24に示す例で、同図(l)に示すボタン保留表示136aが表示されているにも関わらずチャンスボタン136が操作されなかった例を示す図である。
【図26】1回の図柄変動表示におけるボタン保留表示136aの規制前後の様子を示す図である。
【図27】ボタン保留表示136aが表示されている状態における第2特図始動口232への入賞に基づく保留表示の表示態様が、チャンスボタン136の操作前後で変化する本実施形態の変形例を示す図である。
【図28】ボタン予告表示136bが表示されている状態における第2特図始動口232への入賞に基づく保留表示の表示態様が、チャンスボタン136の操作前後で変化する上記変形例を示す図である。
【図29】先読み予告演出の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0013】
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
【0014】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0015】
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
【0016】
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
【0017】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。チャンスボタン136には、“PUSH”という文字が記されている。このチャンスボタン136は、本発明にいう操作手段の一例に相当する。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
【0018】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
【0019】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
【0020】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【0021】
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0022】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
【0023】
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
【0024】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
【0025】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
【0026】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【0027】
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
【0028】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
【0029】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
【0030】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0031】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段としてもよい。
【0032】
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
【0033】
第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(抽選処理等)の開始を保留することを意味する。
【0034】
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。この図柄制御状態については後述するが、ここでの図柄制御状態として、通常状態、時短状態(電サポ状態)、および確変状態のうちのいずれの状態としてもよいし、特図確変ありの状態および特図確変なしの状態のうちの一方の状態としてもよい。
【0035】
なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。
【0036】
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0037】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0038】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0039】
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第一の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
【0040】
第2特図始動口232は、本実施形態では普図始動口228の下側に1つだけ配設している。すなわち、第2特図始動口232は、遊技盤200の右側に設けられている。この第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0041】
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、可変入賞開口と、ソレノイドによってその可変入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。可変入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。扉部材2341は、所定の閉状態およびその閉状態よりも遊技球の、可変入賞開口への進入が容易な開状態のうちのいずれか一方の状態からいずれか他方の状態に状態変更する。閉状態および開状態はともに静止状態であり、閉状態は所定の第1の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における閉状態は、扉部材2341が遊技盤200の遊技者側の面と一致した静止状態である。一方、開状態は所定の第2の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における開状態は、扉部材2341が遊技盤200に対して略垂直になるまで遊技者側に回動した静止状態である。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。なお、閉状態には、完全に閉塞してしる状態の他、遊技球の進入が実質的に不可能な程度に少し開いている状態であってもよい。また、可変入賞口は、遊技球が通過したり入り込んだりすること等によって遊技球の入賞となるものであればよく、図3に示すものに限定されない。特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0042】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0043】
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0044】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
【0045】
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0046】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
【0047】
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0048】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0049】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0050】
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は演出表示手段の一例に相当する。
【0051】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0052】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
【0053】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0054】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよい。また、ROM306には所定情報等を表す各種のデータがアドレスごとに格納されており、以降の説明でテーブルというときには、ROM306内のいずれのアドレスを指定するかを決定するための条件を表形式にまとめたものをさす場合がある。これらの点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0055】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0?65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0056】
主制御部300は、遊技制御を行う遊技制御手段であって、後述する当否判定手段、始動情報先読手段、および事前判定手段を有する。
【0057】
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0?65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
【0058】
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
【0059】
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
【0060】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
【0061】
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
【0062】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
【0063】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0064】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0065】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
【0066】
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
【0067】
第1副制御部400と第2副制御部500を併せた副制御手段は、遊技制御手段である主制御部300からの指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、装飾図柄表示装置208等の演出手段を制御する。
【0068】
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
【0069】
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0070】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0071】
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0072】
<図柄の種類>
次に、図5(a)?(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
【0073】
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0074】
図5(a)には、図柄変動表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0075】
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A,C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
【0076】
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Eに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
【0077】
また、特図A?Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E,特図F)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
【0078】
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
【0079】
大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
【0080】
また、本実施形態では、ハズレ図柄も2種類用意されている。図5(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、本実施形態ではハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
【0081】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り制御状態(大当り制御状態および小当り制御状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ制御状態とが用意され、パチンコ機100は当り制御状態(第二の制御状態)とハズレ制御状態(第一の制御状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、特別遊技状態付与手段の一例にも相当する。なお、小当り制御状態は、可変入賞口234の扉部材2341が開閉動作を行うものの、可変入賞口234への入球はほとんど期待することができないため、小当り制御状態を上記第1の有利度の制御状態(第一の制御状態)ととらえることもできる。
【0082】
また、大当りには、遊技者に相対的に有利な大当りと相対的に不利な大当りがある。ラウンド数で見れば、15R特別大当り(特図A)および15R大当り(特図B)が有利な大当りに相当し、2R系の大当り(特図C?特図F)が不利な大当りに相当する。また、確変付きか否かで見れば、15R特別大当り(特図A)、突然確変(特図C)、隠れ確変(特図E)が有利な大当りに相当し、15R大当り(特図B)、突然時短(特図D)、突然通常(特図F)が不利な大当りに相当する。これらの遊技者に相対的に有利な大当りの当否判定結果は、特定の当否判定結果の一例に相当し、遊技者に相対的に有利な大当り制御状態が、特別遊技状態の一例に相当する。
【0083】
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
【0084】
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様(特図A?と特図J)を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段の一例に相当する。
【0085】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」?「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や2R特別大当りである「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾5-装飾5-装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2-装飾2-装飾2」や「装飾4-装飾4-装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに、「装飾1-装飾2-装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに、「装飾1-装飾3-装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a?208cに、“装飾図柄の組合せ1”?“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
【0086】
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a?cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
【0087】
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0088】
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
【0089】
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
図4に示す主制御部300のRAM308には、大当り用特図1乱数カウンタ、小当り用特図1乱数カウンタ、ハズレ用特図1乱数カウンタ、およびこれらのカウンタの特図2用のカウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図1の保留数、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数値や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値の5つの乱数値を1セットにしてこれら5つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
【0091】
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0092】
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0093】
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
【0094】
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0095】
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0096】
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
【0097】
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0098】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0099】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0100】
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、大当り用特図乱数値カウンタ、小当り用特図乱数値カウンタ、およびハズレ用特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための4つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0?20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0101】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0103】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0104】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0105】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0106】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0107】
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、普図タイマ乱数、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0?100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0?100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1に関する乱数値を取得するためのカウンタと特図2に関する乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
【0108】
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0109】
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0110】
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0111】
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値を取得する。ここで取得した特図1当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値は、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報を生成して導出するものであり、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段,第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
【0112】
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を始動情報である普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234の入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
【0113】
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば始動情報を取得せずに、ステップS219に進む。
【0114】
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4?5に暗号化のための今回加工種別(0?3)、およびビット0?3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0115】
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0116】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0117】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御を行う可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
【0118】
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0119】
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0120】
続いて、ステップS223では普図関連抽選処理を実行する。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0121】
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。この特図先読み処理については後述する。
【0122】
次に、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行い(ステップS225)、次いで、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
【0123】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0124】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、確変フラグ、および時短フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、2R特別大当たり図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(第二の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)に移行させる。
【0125】
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0126】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0127】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0128】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0129】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
【0130】
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
【0131】
また、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確変フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確変フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確変フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
【0132】
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0133】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
【0134】
特図2状態更新処理が終了すると、特図1状態更新処理を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0135】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。主制御部300は、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)を行う。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミングで、第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。すなわち、本実施形態のパチンコ機100は、特図2優先変動を行うものであり、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行う。言い換えれば、本実施形態のパチンコ機100では、第1の特別始動領域に遊技球が進入した場合に第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納し、第2の特別始動領域に遊技球が入賞した場合に第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、前記第1の乱数値記憶領域および前記第2の乱数値記憶領域の両方に乱数値が記憶されている場合に、前記第1の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期および前記第2の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期とは無関係に該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行うとともに、前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行い、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えている。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく当否判定の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく当否判定の結果報知よりも優先して行われ、当否判定が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残っている状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく当否判定の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも先に行われる。また、始動情報を取得する始動情報取得手段は、第1の始動情報記憶手段および第2の始動情報記憶手段のうちの両方に始動情報が記憶されている場合には、該第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、該第1の始動情報記憶手段および該第2の始動情報記憶手段のうちの一方に始動情報が記憶されている場合には、始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得するものである。なお、ステップS225の特図2状態更新処理に続いて先に特図2関連抽選処理を行い、それから、ステップS227の特図1状態更新処理を行い、その後、特図1関連抽選処理を行うようにしてもよい。
【0136】
特図2関連抽選処理では、特図2についての、当否判定(抽選)の実行、停止表示する特図の決定、ならびに変動時間の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。特図2関連抽選処理では、最初に、所定条件を充足したか否かを判定する。ここでの判定では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。すなわち、第2特図表示装置214が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割込処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割込処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。当否判定条件についての判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割込処理に戻る。反対に、保留数が1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図2当選乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値)を取得し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を特図2の保留記憶部から取り出し、さらに特図2の保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を特図2の保留記憶部におけるN-1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の特図2の保留記憶部から1セット分の乱数値(特図2当選乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値)を取得する処理を行う主制御部300のCPU304が、第2の始動情報取得手段の一例に相当する。
【0137】
図8(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、同図(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
【0138】
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から始動情報を取り出すと、確変フラグを参照し、確変フラグがオンであれば特図高確率状態であるため、特図2当選乱数値(取り得る数値範囲は0?65535)が同図(a)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。一方、確変フラグがオフであれば特図低確率状態であるため、特図2当選乱数値が同図(b)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが当否判定に相当する。
【0139】
次いで、特図2当否判定結果に基づいて特図2の図柄を決定する。
【0140】
図8(c)は、特図決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図の停止図柄態様(図5(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
【0141】
主制御部300のCPU304は、特図2当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0?99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図A」?「特図F」を決定する。また、特図2当否判定結果が小当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの小当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0?99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果が小当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図G」または「特図H」を決定する。さらに、特図2当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0?99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。ここで決定した特図2決定結果は、第2特図表示装置214によって停止表示されることになる特図2の図柄態様を表す情報である。
【0142】
続いて、特図2決定結果に基づいて特図2の図柄変動表示における図柄変動時間(特図2変動時間)を決定する。ここでの変動時間の決定には、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの特図2変動時間決定用乱数値(取り得る数値範囲は0?65535)が用いられる。
【0143】
図9(a)は、特図2変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図2変動時間決定用テーブルは、テーブル1?5で構成されており、テーブル1は特図2決定結果が15Rの大当り図柄(特図A,B)であったときに用いられるテーブルであり、テーブル2は特図2決定結果が2R大当り図柄(特図C?特図F)や小当り図柄(特図G,H)であった場合に用いられるテーブルであり、テーブル3?5は特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であったときに用いられるテーブルである。
【0144】
テーブル1?5の各テーブルは、変動時間と、特図2変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲との対応関係が規定されている。また、この図9(a)に示す各テーブルには、各変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を表す変動パターンの名称も参考までに示されている。本実施形態では、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられている。主制御部300が、特図の変動時間に対応した装飾図柄表示装置208の演出態様まで決定してもよいが、本実施形態では、ここで決定された変動時間を表す情報を、第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を決定する。本実施形態では、10種類の変動パターンが用意されている。これらの変動パターンには、リーチ演出を伴う変動パターンと、リーチ演出を伴わない変動パターンとがある。本実施形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、およびスーパーリーチBが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態(リーチ状態)のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。
【0145】
スーパーリーチA(以下、単に“リーチA”と称する場合がある)やスーパーリーチB(以下、単に“リーチB”と称する場合がある)は、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたリーチの一種である。
【0146】
なお、スーパーリーチとしては、ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等が知られており、さらには、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチも知られている。本明細書で単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動態様を意味する。このリーチは、特図の当否判定(抽選)の結果が当りの判定結果になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に予告する演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
【0147】
特図2決定結果が特図Aあるいは特図Bであった場合(テーブル1参照)には、ともに電サポ付きの15Rの大当り図柄であり、テーブル1に示すように、65秒の最長変動時間が最も選ばれやすく、15秒の変動時間が最も選ばれにくい。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチ演出が行われ、装飾図柄表示装置208で、スーパーリーチBに発展すると15R大当りの可能性が高くなり、スーパーリーチAに発展しても15R大当りの可能性があることになる。すなわち、スーパーリーチBやスーパーリーチAは15R大当りの信頼度が他のリーチ態様よりも高いリーチ態様である。
【0148】
特図2決定結果が2R大当り図柄(特図C?特図F)や、小当り図柄(特図G,H)であった場合(テーブル2参照)には、一律に12秒の変動時間が選ばれる。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチなしの変動後に停止表示された装飾図柄の組合せ(装飾図柄の組合せ3,装飾図柄の組合せ4)を一旦消灯させる、いわゆるチャンス目全消灯が行われる。
【0149】
特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であった場合には、電サポ状態であるか否かと、特図2の保留数とに応じて使用されるテーブルが異なる。主制御部300のCPU304は、時短フラグと、RAM308に記憶されている特図2の保留数を参照して、使用するテーブルを決定する。
【0150】
特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が1?3である場合には、テーブル3を使用する。この場合には、電サポ状態であり、特図2の消化を早めるため、1.5秒の最短変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、超短縮変動が行われることになる。
【0151】
特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が0である場合には、テーブル4を使用する。この場合には、特図2の保留を貯めるため、ある程度長めの8秒の変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われない。
【0152】
特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態である場合には、特図2の保留数に関わらず、テーブル5を使用する。非電サポ状態で第2特図始動口232への入賞があった場合は、普図低確率状態のもと普図変動遊技に当選したという稀なケースであり、特図2優先変動機では、特図1変動遊技が連続して行われている状態で特図2変動遊技が割り込んで優先消化されるケースになる。この場合には、特図2の変動時間を短縮したり超短縮することなく、テーブル5に示すように、8秒の変動時間(リーチなしのハズレ)が高確率で選択され、低確率ではあるが、10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択されることがある。10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択された場合には、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われる。
【0153】
以上説明したようにして、特図2変動時間を決定し、特図2関連抽選処理(ステップS229)は終了する。
【0154】
続いて、特図1関連抽選処理(ステップS231)を行う。この特図1関連抽選処理で行う各処理は、上述の特図2関連抽選処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一である。すなわち、特図1関連抽選処理では、RAM308の特図1の保留記憶部から1セット分の乱数値(特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値)を取得し、1セット分の乱数値(始動情報)に基づいて、特図1についての、当否判定(抽選)の実行、停止表示する特図の決定、ならびに変動時間の決定を行う。当否判定の実行では、図8(a)および同図(b)に示す当否判定用テーブルが用いられ、特図の決定には、同図(c)に示す特図決定用テーブルが用いられる。変動時間の決定には、図9(b)に示す変動時間決定用テーブルが用いられる。
【0155】
図9(b)は、特図1変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図1変動時間決定用テーブルは、テーブル6?9で構成されており、テーブル6は、特図1決定結果が15Rの大当り図柄(特図A,B)であったときに用いられるテーブルであり、図9(a)に示すテーブル1の内容と同じ内容である。テーブル7は、特図1決定結果が2R大当り図柄(特図C?特図F)や小当り図柄(特図G,H)であった場合に用いられるテーブルであり、図9(a)に示すテーブル2の内容と同じ内容である。
【0156】
テーブル8および9は、特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であったときに用いられるテーブルである。特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であった場合にも、電サポ状態であるか否かと、特図1の保留数とに応じて使用されるテーブルが異なる。
【0157】
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が3である場合には、テーブル8を使用する。この場合には、特図1の消化を早めるため、3秒の短い変動時間が選択される確率が高く、3秒の変動時間が選択されると、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、短縮変動が行われることになる。
【0158】
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が0?2である場合あるいは電サポ状態である場合(保留数は無関係)には、テーブル9を使用する。このテーブル9は、図9(a)に示すテーブル5の内容と同じ内容である。
【0159】
ステップS231の特図1関連抽選処理に続いて行われるステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11?14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0?10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0160】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、特図変動時間を表す情報などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0161】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、特図変動時間を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
【0162】
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。
【0163】
上述の一般コマンド入賞演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。入演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その入演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に入賞演出制御コマンドを送信する。入賞演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する画像を所定のオープニング演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が開始する。
【0164】
上述の一般コマンド終了演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を所定の終了演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が終了する。
【0165】
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
【0166】
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理は、先の入賞受付処理(ステップS217)で始動情報を取得した場合に、始動情報を取得した入賞受付処理のタイマ割込処理と同じタイマ割込処理におけるステップS215で実行される。一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の情報を設定する。
【0167】
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
【0168】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
【0169】
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4?5に暗号化のための今回加工種別(0?3)、およびビット0?3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0170】
次に、図7に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS235)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0171】
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップ205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して第1副制御部400に出力する。
【0172】
ステップS239では、電源の遮断(電断)を検出したか否かを判定するために、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進み、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進む。
【0173】
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0174】
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図10を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0175】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0176】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0177】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0178】
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。このコマンド処理では、復電時サブ側フラグ設定処理等が行われるが、詳細については後述する。
【0179】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理では、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理、変動開始時サブ側予告実行処理、および復電時サブ側フラグ設定処理も行われる。これらの各処理については詳しくは後述する。
【0180】
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0181】
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
【0182】
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0183】
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0184】
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
【0185】
次に、図10(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図10(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
【0186】
次に、図10(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図10(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0187】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0188】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
【0189】
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
【0190】
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0191】
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0192】
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
【0193】
また、第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、遮蔽装置246の制御も実行する。
【0194】
<特図先読み処理>
次いで、図7に示す主制御部タイマ割込処理における特図先読み処理(ステップS224)について詳述する。
【0195】
図11は、特図先読み処理のうち特図2に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0196】
主制御部300のCPU304は、RAM308の時短フラグを参照し、電サポ中か否かを判定する(ステップS224a)。時短フラグがオフ状態にあり非電サポ中であった場合には、特図1に関する処理のステップS224iに進み、時短フラグがオン状態にあり電サポ中であった場合には、ステップS224bに進む。ステップS224bでは、第2特図始動口232に入賞があったか否かを判定する。ここでの判定では、RAM308の特図2の保留記憶部における保留が増加したか否かを判定することによって実行される。すなわち、特図2の保留記憶の上限数(ここでは4個)以内になる第2特図始動口232への入賞があったか否かを判定する。ステップS224bにおける判定で入賞があった(特図2の保留数増加)と判定されればステップS224cへ進み、入賞がなかったと判定されれば特図先読み処理は終了になる。
【0197】
ステップS224cでは、まず、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を取得する。すなわち、第2特図始動口232への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報を先読みする。したがって、最も新しい始動情報が、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に先読みされる。この先読みを行う主制御部300のCPU304が始動情報先読手段の一例に相当する。ここでの先読みは、入賞分(保留増加分)だけを先読みしたが総てを先読みしてもよい。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の説明では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
【0198】
主制御部300のROM306には、図8(a)に示す当否判定用高確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用高確率テーブルや、同図(b)に示す当否判定用低確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用低確率テーブルが用意されている。ステップS224cでは、確変フラグを参照し、事前判定用高確率テーブルと事前判定用低確率テーブルのうちのいずれか一方のテーブルを選択し、選択したテーブルを用いて、先読みした始動情報のうちの特図2当選乱数値に基づいて当否判定の結果が大当りの当否判定結果(特定の当否判定結果)になるか否かを事前判定する。すなわち、第2特図始動口232への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報に基づく当否判定結果が大当りの当否判定結果になるか否かを事前判定する。したがって、この事前判定は、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、この事前判定を行う主制御部300のCPU304が事前判定手段の一例に相当し、ここで事前判定した結果は特図2当否事前判定結果として扱われる。
【0199】
事前判定の結果が大当りの当否判定結果であれば、ステップS224eに進む。一方、大当りの当否判定結果でなければ、選択したテーブルを用いて、今度は、当否判定の結果が小当りの当否判定結果になるか否かを事前判定し(ステップS224d)、ここでの事前判定の結果が小当りの当否判定結果であればステップS224fに進み、そうでなければステップS224gに進む。
【0200】
主制御部300のROM306には、図8(c)に示す特図決定用テーブルの内容と同じ内容の特図事前判定用テーブルも用意されている。その特図事前判定用テーブルを用いて、ステップS224eでは、先読みした始動情報のうちの大当り用特図2乱数値に基づいて大当り図柄の事前判定を行い、ステップS224fでは、小当り用特図2乱数値に基づいて小当り図柄の事前判定を行い、ステップS224gでは、ハズレ用特図2乱数値に基づいてハズレ図柄の事前判定を行う。ステップS224e?gにおける特図の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、ここで事前判定した結果は特図2事前判定結果として扱われる。なお、大当り図柄の事前判定は、複数種類用意された大当りの種類のうちいずれの種類の大当りかを事前判定していることに相当し、小当り図柄の事前判定やハズレ図柄の事前判定も同様である。
【0201】
ステップS224e?gに続いて、ステップS224hが実行される。主制御部300のROM306には、図9(a)に示す特図2変動時間決定用テーブルの内容と同じ内容の特図2変動時間事前判定用テーブルも用意されている。この特図2変動時間事前判定用テーブルを用いて、ステップS224hでは、先読みした始動情報のうちの特図2変動時間決定用乱数値に基づいて特図の変動時間の事前判定を行う。ステップS224hにおける変動時間の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、ここで事前判定した結果は特図2変動時間事前判定結果として扱われる。なお、変動時間に代えて、装飾図柄表示装置208における演出態様(変動パターン)を事前判定してもよい。また、演出態様をグループ分けしておき、例えば、「はずれ・ノーマルリーチハズレ」のグループか「リーチAはずれ・リーチBハズレ」のグループかのみを抽選するようにしてもよい。あるいは、「ノーマルリーチ当り、ノーマルリーチハズレ、リーチA当り、リーチB当り、リーチA当り、リーチB当り」のリーチ演出のグループに属するか、「超短縮ハズレ、短縮ハズレ、ハズレ、チャンス目全消灯」のリーチなしのグループに属するかを事前判定するにとどめてもよい。
【0202】
上述のごとく、本実施形態では、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられており、変動時間を選択しているということは変動パターンを選択していると見ることもできる。ステップS224hを実行する主制御部300のCPU304がパターン選択手段の一例に相当する。
【0203】
ステップS224hの実行が完了すると、特図2に関する処理は終了になり、特図1に関する処理へ進む。
【0204】
図12は、特図先読み処理のうち特図1に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0205】
特図1に関する処理(ステップS224i?ステップS224o)は、特図2に関する処理(ステップS224b?ステップS224h)と同じ処理であるため説明は省略するが、この特図1に関する処理では、特図1の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を先読みし、特図1当否事前判定結果、特図1事前判定結果、および特図1変動時間事前判定結果を得る。
【0206】
ここで得られた、特図1又は2当否事前判定結果(特図当否事前判定結果)、特図1又は2事前判定結果(特図事前判定結果)、および特図1又は2変動時間事前判定結果(特図変動時間事前判定結果)は、RAM308の所定領域に事前判定情報として特図1と特図2とに分けて上記所定の上限数だけ保留順に記憶される。そして、新たに記憶された事前判定情報(特図当否事前判定結果,特図事前判定結果,特図変動時間事前判定結果)は、事前判定した特図1あるいは特図2の情報として特図保留増加コマンドのコマンドデータに含められ、主制御部300から第1副制御部400に送信される。すなわち、事前判定情報が新たに記憶された特図先読み処理(ステップS224)のタイマ割込処理と同じタイマ割込処理におけるステップS215で、第1副制御部400に、新たに記憶された事前判定情報は送信される。
【0207】
主制御部300は、以上説明した特図先読み処理を実行した後、特図関連抽選処理を実行し、特図先読み処理で対象になった先読みした始動情報と同じ始動情報に基づいて、特図当否判定結果、特図決定結果、および特図の変動時間を改めて得る。
【0208】
なお、本実施形態では、主制御部300は特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果まで得ているが、主制御部300ではこれらの事前判定結果を得ずに、先読みした始動情報を特図保留増加コマンドのコマンドデータに含めて第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、必要に応じて、特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果を得る態様であってもよい。
【0209】
<始動入賞時サブ側先読み予告実行処理>
次いで、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される始動入賞時サブ側先読み予告実行処理について詳述する。
【0210】
図13は、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0211】
図13に示す始動入賞時サブ側先読み予告実行処理は、コマンド設定処理(ステップS307)において特図保留増加コマンドを受信したと判定された第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される。上述のごとく、特図保留増加コマンドには、特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の情報が含まれている。まず、ステップS3091aでは、第1副制御部400のCPU404は、先のコマンド処理(ステップS307)において受信したと判定した特図保留増加コマンドに含まれている制御状態を表す情報を参照し、現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを判定する。電サポ状態であれば、受信した特図保留増加コマンドに含まれている特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)を参照し、入賞(今回増加した特図)は特図2であるか否かを判定し(ステップS3091b)、特図1であれば、この始動入賞時サブ側先読み予告実行処理は終了になる。反対に特図2であれば、ステップS3091dに進む。一方、ステップS3091aにおける判定で、現在の制御状態が非電サポ状態であれば、入賞(今回増加した特図)は特図1であるか否かを判定し(ステップS3091c)、特図2であれば、この始動入賞時サブ側先読み予告実行処理は終了になり、特図1であれば、ステップS3091dに進む。すなわち、本実施形態の優先変動機では、ステップS3091a?ステップS3091cの処理により、電サポ中の特図1および非電サポ中の特図2についての先読み予告は実行されないことになる。
【0212】
上述のごとく、特図保留増加コマンドのコマンドデータには、事前判定した特図1あるいは特図2の情報として、特図当否事前判定結果、特図事前判定結果、および特図変動時間事前判定結果が含められている。ステップS3091dでは、先のコマンド処理(ステップS307)において受信したと判定した特図保留増加コマンドに含まれている特図変動時間事前判定結果が所定の変動時間か否かを判定し、所定の変動時間でなければステップS3091lへ進み、後述する保留表示は、デフォルトの表示態様で表示されること(変化なし)になる。一方、所定の変動時間であればステップS3091eに進む。特図保留増加コマンドに含まれていた特図変動時間事前判定結果は、RAM408に用意された事前判定結果記憶領域に事前判定情報として特図1と特図2とに分けて上記所定の上限数だけ保留順に記憶される。上述のごとく、本実施形態では、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられており、所定の変動時間か否かを判定しているということは所定の変動パターンか否かを判定していると見ることもできる。ステップS3091dを実行する第1副制御部400のCPU404がパターン判定手段の一例に相当する。
【0213】
図14(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化予告抽選テーブル1を示す図であり、同図(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化予告抽選テーブル2を示す図である。
【0214】
ステップS3091dにおける所定の変動時間は、これら図14(a)および同図(b)に示す抽選テーブルに規定されている変動時間であり、本実施形態では、装飾図柄表示装置208においてリーチ演出が行われることになる変動時間(10秒、40秒、60秒、15秒、45秒、65秒)が相当し、これらの変動時間が、所定のパターンの一例に相当する。なお、図14(a)および同図(b)に示すテーブルには装飾図柄表示装置208における演出態様も示されている。
【0215】
第1副制御部400のRAM408には、事前操作報知フラグと操作報知フラグが用意されている。図13に示すステップS3091eでは、事前操作報知フラグがオフであるか否かを判定する(ステップS3091e)。このステップS3091eは、後述するボタン保留表示136aが表示されている状態かを確認するステップになる。事前操作報知フラグが、オンであればステップS3091hへ進み、オフであれば今度は、操作報知フラグがオフであるか否かを判定する(ステップS3091f)。このステップS3091fは、後述する通常予告演出におけるボタン予告表示136bの有効期間(図1に示すチャンスボタン136の操作受付期間)か否かを確認するステップになる。操作報知フラグが、オンである場合にもステップS3091hへ進み、オフである場合にはステップS3091gに進む。
【0216】
ステップS3091gでは、図14(a)に示す保留変化予告抽選テーブル1を用いた保留変化の抽選を行い、ステップS3091hでは、同図(b)に示す保留変化予告抽選テーブル2を用いた保留変化の抽選を行う。
【0217】
本実施形態では、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左側には、特図1保留表示領域が用意されており、その右側には特図2保留表示領域が用意されている。特図1保留表示領域には、特図1の保留記憶部に記憶されている1セットの始動情報に対応する保留表示が、特図1の保留記憶部に始動情報が記憶された順(入賞順)に古いものから順番に左側から並べて表示される。特図2保留表示領域には、特図2の保留記憶部に記憶されている1セットの始動情報に対応する保留表示が、特図2の保留記憶部に始動情報が記憶された順(入賞順)に古いものから順番に左側から並べて表示される。保留表示の数は保留数に相当する。また、保留表示は、本発明にいう始動保留表示の一例に相当し、装飾図柄表示装置208が始動保留表示手段の一例に相当する。この保留表示におけるデフォルトの表示態様は、本実施形態では、丸い図形を無模様かつ一色で表示する態様になり、第三の態様の一例に相当する。第1副制御部400は、特図保留増加コマンドを受信する度に、第2副制御部500に、後述するステップS3091lにおいて保留増加コマンドを送信し、第2副制御部500は、その保留増加コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ増加させる。一方、第1副制御部400は、保留消化の合図となる図柄変動開始コマンドを受信する度に第2副制御部500に保留減少信号を送信し、第2副制御部500は、その保留減少信号に基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ減少させる。なお、第1副制御部400は、特図保留増加コマンドを受信する度に、RAM408に用意された事前判定結果記憶領域に記憶されている事前判定結果に対応した1又は複数の保留表示を、今回受信した特図保留増加コマンドに含まれている特図変動時間事前判定結果に基づく時間だけ表示させる表示指示信号を第2副制御部500に送信し、その時間が経過すると、当該保留表示が消えるようにしてもよい。
【0218】
本実施形態では、主制御部300の行った事前判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を変化させて先読み予告(保留変化予告)の演出を行う。この先読み予告の演出は、図7に示す特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で行われる当否判定の結果が大当りになる可能性があることを予告するための演出である。より具体的に説明すれば、本実施形態では、大当りにも、遊技者に相対的に有利な大当り(例えば、15R特別大当り:特図A、15R大当り:特図B)と相対的に不利な大当り(例えば、2R系の大当り:特図C?特図F)が用意されており、先読み予告演出は、有利な大当りになる可能性があることを予告するための演出である。なお、2R系の大当りでも確変付きの大当り(特図C,特図E)は有利な大当りとしてもよい。
【0219】
また、ここでの先読み予告演出には、事前判定結果が有利な大当りでなくても、有利な大当りになるかのように偽りで予告する偽の先読み予告演出も含まれる。すなわち、先読み予告演出は、当否判定の結果が有利な大当りになる可能性があることを表したり、遊技者に示唆する予告演出であったり、あるいは当否判定の結果が有利な大当りになることを遊技者に期待させる予告演出であるといえる。
【0220】
第1副制御部400と第2副制御部500を併せたものが先読み予告演出制御手段の一例に相当するとともに演出制御手段の一例にも相当する。
【0221】
図14(a)に示す抽選テーブル1および同図(b)に示す抽選テーブル2それぞれには、「変化なし」、「保留A」、「保留B」、「ボタン→A」、「ボタン→B」といった保留表示の表示態様ごとに乱数範囲が規定されている。本実施形態では、主制御部300の行った事前判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を使った先読み予告演出を行う。
【0222】
図14(c)は、保留表示の各種の表示態様を示す図である。
【0223】
図14(c)における一番左には、丸い図形を無模様かつ一色で表示するデフォルトの表示態様(第三の表示態様)が、「変化なし」として示されている。この「変化なし」とは、予告報知を実行しないことを表す。
【0224】
その右横には、特定のキャラクタを用いた表示態様(第二の表示態様)として、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)と、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)が示されている。
【0225】
また、図14(c)における右側には、操作手段の一例に相当するチャンスボタン136(図1参照)の操作を促す表示態様(第一の表示態様)からチャンスボタン136が操作されると、商人のキャラクタを用いた表示態様(第二の表示態様)へと表示態様が変化する先読み予告演出態様が、「ボタン→A」として示されるとともに、チャンスボタン136の操作を促す表示態様(第一の表示態様)からチャンスボタン136が操作されると、殿様のキャラクタを用いた表示態様(第二の表示態様)へと表示態様が変化する先読み予告演出態様が、「ボタン→B」としても示されている。以下、チャンスボタン136の操作を促す表示態様の保留表示をボタン保留表示136aと称する。図14(c)に示すボタン保留表示136aは、図1に示すチャンスボタン136を模した表示態様である。
【0226】
図14(d)は、ボタン保留表示136aの他の表示態様を示す図である。
【0227】
図14(d)に示すボタン保留表示136a’は、丸い図形を無模様かつ一色で表示するデフォルトの表示態様の上に“PUSH”という文字と下向きの矢印が追加された表示態様である。このように、デフォルトの表示態様のままであっても、保留表示に対してボタン操作を行うことが遊技者が容易に認識できる態様であればよい。また、保留表示とは別に表示を行い、所定の始動情報と関連があることを合わせて報知する態様であればよい。
【0228】
「保留A」、「保留B」、および「ボタン→A」、「ボタン→B」はいずれも、先読み予告の演出を兼ねた保留表示の表示態様であり、ボタン保留表示136aにおける表示態様は、第一の表示態様あるいは第一の予告態様の一例に相当する。また、先読み予告演出における特定のキャラクタを用いた表示態様は、第二の表示態様あるいは第二の予告態様の一例に相当する。なお、デフォルトの表示態様を第二の表示態様あるいは第二の予告態様にしてもよい。
【0229】
第1副制御部400のCPU404は、ステップS3091gを実行するタイミング、およびステップS3091hを実行するタイミングそれぞれで、RAM408から専用乱数(取り得る範囲は0?99)を取得し、取得した専用乱数に基づき保留変化の抽選を行う。ステップS3091gおよびステップS3091hにおける抽選は、特図始動口(230,232)への入賞を契機にした抽選であって、先読み予告演出の実行可否の抽選、および先読み予告演出を行う場合には複数種類の予告態様の中から1種類の予告態様を選択するための抽選になる。
【0230】
なお、本実施形態では入賞時の保留数を確認せずに保留変化を抽選しているが、さらに保留数を確認して振り分けを変えるようにしてもよい。こうすることで入賞時の保留記憶数によっても信頼度が変化し、遊技の興趣が向上する場合がある。
【0231】
図14(a)に示す抽選テーブル1および同図(b)に示す抽選テーブル2ではいずれも、変動時間が長くなるほど、保留表示の表示態様が変化する確率(先読み予告演出が実行される確率)が高くなる。また、保留表示の表示態様は、右にいくほど信頼度が上がる。図14(a)に示す抽選テーブル1では、ノーマルリーチハズレでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」は選択されないが、ノーマルリーチ当りでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択されることがある。したがって、ノーマルリーチで、ホタン保留表示136aが出現すると、大当りが確定になる。
【0232】
さらに、「ボタン→A」や「ボタン→B」は、図14(a)に示す抽選テーブル1を用いたステップS3091gにおける抽選では、偽の先読み予告演出でも真の先読み予告演出でも選択される可能性があるが、同図(b)に示す抽選テーブル2を用いたステップS3091hにおける抽選では真の先読み予告演出であっても選択される可能性はない。同図(b)に示す抽選テーブル2を用いたステップS3091hは、事前操作報知フラグがオンの場合、すなわち先読み予告演出のボタン保留表示136aが表示されている状態のとき、あるいは操作報知フラグがオンの場合、すなわち後述する通常予告演出におけるボタン予告表示136bが表示されている状態のときに実行される。その結果、装飾図柄表示装置208に、異なる始動情報に対応するボタン保留表示136aが表示されることも、ボタン保留表示136aと通常予告演出におけるボタン予告表示136bが一緒に表示されることもない。
【0233】
以上説明したように、先読み予告の演出を兼ねた保留表示の表示態様は、特図変動時間事前判定結果が所定の変動時間であった場合には、所定の表示確率で表示される。また、図14(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の先読み予告演出態様が選択される確率は、本発明にいう特定の表示確率の一例に相当する。
【0234】
図14(b)に示す抽選テーブル2を用いたステップS3091hにおける抽選が終了すると、ステップS3091lへ進み、同図(a)に示す抽選テーブル1を用いたステップS3091gにおける抽選が終了すると、ステップS3091iに進む。
【0235】
ステップS3091iでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する先読み予告演出態様(所定の先読み予告演出態様)が選択されたか否かを判定し、選択されていなければステップS3091lへ進み、選択されていれば、RAM408に用意された事前操作報知フラグをオンに設定し(ステップS3091j)、ステップS3091kに進む。「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する先読み予告演出態様による先読み予告演出は、操作対応先読み予告演出の一例に相当する。事前操作報知フラグは、ボタン保留表示136aが表示されている状態か否かを定めるフラグであり、この事前操作報知フラグがオンに設定された状態は、装飾図柄表示装置208にボタン保留表示136aが表示されている状態である。
【0236】
ステップS3091kでは、先読み予告演出の実行回数の設定を行い、ステップS3091lに進む。本実施形態では、1回の特図の図柄変動表示単位で先読み予告演出の実行回数を設定し、ここでは、RAM408に用意された実行回数設定領域に、保留数と同じ数を実行回数として設定する。より具体的には、電サポ状態であれば特図2の保留数が実行回数として設定され、非電サポ状態であれば特図1の保留数が実行回数として設定される。すなわち、このステップS3091kで、先読み予告の演出を兼ねた保留表示を表示する期間を特定する。本実施形態では、先読み予告の演出を兼ねた保留表示に対応する保留が消化されるまで、その保留表示を表示する。
【0237】
ステップS3091lでは、保留増加コマンドを第2副制御部500に出力し、この始動入賞時サブ側先読み予告実行処理は終了になる。ここでの保留増加コマンドは、図14(c)に示すいずれの表示態様かを指定して、指定した表示態様で保留表示を一つ増加させることを指示するコマンドであり、第2副制御部500は、その保留増加コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、装飾図柄表示装置208には、指定された表示態様の保留表示が一つ増加する。なお、本実施形態の優先変動機では、電サポ中の特図1および非電サポ中の特図2についての保留表示は、デフォルトの表示態様で表示される。
【0238】
以上説明した先読み予告演出は、図7に示す特図関連抽選処理(ステップS229,S231)で始動情報を取得するよりも先に特図先読み処理(ステップS224)で取得した始動情報に基づく予告である。言い換えれば、所定の始動情報に対応した図柄変動表示中及び当該図柄変動表示よりも先に実行される図柄変動表示中の少なくとも一方で、その所定の始動情報に基づく当否判定の結果が大当りになることを予告するための演出である。より詳細に説明すれば、保留が0の状態で入賞があった場合には、当該入賞に基づく当否判定はすぐに行われ、特図の図柄変動表示もすぐに開始されるため、当該入賞に基づく保留表示を行わないことも考えられるが、あえて、当該図柄変動表示を開始した直後の数秒間行うようにして、当該入賞に基づく当否判定が大当りであった場合には、当該図柄変動表示を開始した直後の数秒間、保留表示を先読み予告の表示態様で表示させてもよい。この場合には、所定の始動情報に対応した図柄変動表示中に先読み予告の演出が行われることになる。また、先読みした所定の始動情報に基づく先読み予告演出の実行可否(ステップS3091g,ステップS3091h)は、特図関連抽選処理(ステップS229,S231)におけるその所定の始動情報に基づく当否判定が行われるよりも前に決定される。また、先読みした所定の始動情報に基づく先読み予告演出は、RAM308の保留記憶部にその所定の始動情報が記憶されたことに基づいて実行されるものであって、より詳しくは、先読み予告演出の実行可否を決定する決定手段(ここではステップS3091gおよびステップS3091hを実行する第1福制御部400のCPU404)が、RAM308の保留記憶部にその所定の始動情報が記憶されたことを表す信号を受信したことに基づいて実行されるものである。
【0239】
また、本実施形態では、先読み予告演出を選択する保留変化予告抽選テーブルに、操作手段の一例であるチャンスボタン136の操作を要する先読み予告演出(「ボタン→A」「ボタン→B」)を含むグループとそうでないグループが含まれており、通常予告演出で操作手段の操作を促す演出が行われている場合には、操作手段の操作を要さないグループ(図14(b)に示す抽選テーブル2)から先読み予告演出の態様を決定し、通常予告演出で操作手段の操作を促す演出が行われていない場合には、すべての中(図14(a)に示す抽選テーブル1)から決定する。
【0240】
<変動開始時サブ側予告実行処理>
次いで、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される変動開始時サブ側予告実行処理について詳述する。
【0241】
図15は、変動開始時サブ側予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0242】
図15に示す変動開始時サブ側予告実行処理は、コマンド設定処理(ステップS307)において図柄変動開始コマンドを受信したと判定された第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される。上述のごとく、特図保留増加コマンドには、特図変動時間を表す情報が含まれている。
【0243】
まず、ステップS3092aでは、RAM408に用意された事前操作報知フラグがオンであるか否かを判定する。すなわち、ボタン保留表示136aが表示されている状態かを確認する。事前操作報知フラグが、オフであれば(ボタン保留表示136aが非表示であれば)ステップS3092eへ進み、オンであれば(ボタン保留表示136aが表示中であれば)ステップS3092bに進む。ステップS3092bでは、RAM408に用意された実行回数設定領域の値を1減算し、次いで、実行回数設定領域の値が0になったか否かを判定する(ステップS3092c)。実行回数設定領域の値が0になっていなければステップS3092fへ進み、0になっていればステップS3092dに進む。
【0244】
ステップS3092dでは、事前操作報知フラグをオフに設定し、ステップS3092eに進む。ここで事前操作報知フラグをオフにする場合としては、図1に示すチャンスボタン136の操作を促すボタン保留表示136aが表示されていたにも関わらず、チャンスボタン136が操作されなかった場合があげられる。
【0245】
図16(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている通常予告抽選テーブル1を示す図であり、同図(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている通常予告抽選テーブル2を示す図である。
【0246】
ステップS3092eでは、図16(a)に示す通常予告抽選テーブル1を用いた保留変化の抽選を行い、ステップS3092fでは、同図(b)に示す通常予告抽選テーブル2を用いた保留変化の抽選を行う。
【0247】
本実施形態のパチッコ機100では、上述の先読み予告演出とは別に、報知演出の一例に相当する通常予告演出が行われる。この通常予告演出には、例えば、装飾図柄表示装置208における図柄変動表示中に実行されるリーチ演出前に、特定のキャラクタやアイコンを登場させ、この後リーチ演出に発展することを予告する演出や、現在行われている図柄変動表示が大当り(例えば、有利な大当り)の図柄態様を停止表示する可能性があることを当該図柄変動表示中(当否判定後であって停止表示前)に予告する演出等が含まれる。本実施形態では、通常予告演出は、図柄変動表示が開始されてから所定時間経過後に開始されるが、通常予告演出の開始タイミングや実行タイミングは、当該図柄変動表示中であればいつでもよく、リーチ演出中であってもよい。また、通常予告演出は、先読み予告演出と同じ始動情報に基づく予告である場合もある。さらに、本実施形態では、通常予告演出は、装飾図柄表示装置208で行われるが、スピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプや演出可動体224で行うようにしてもよい。この通常予告演出は報知演出の一例に相当し、第1副制御部400と第2副制御部500と装飾図柄表示装置208を併せたものが報知演出手段の一例に相当する。
【0248】
また、ここでの通常予告演出にも、当否判定結果が有利な大当りでなくても、有利な大当りになるかのように偽りで予告する偽の通常予告演出が含まれる。すなわち、先読み予告演出と同じく、通常予告演出も、当否判定の結果が有利な大当りになる可能性があることを表したり、遊技者に示唆する予告演出であったり、あるいは当否判定の結果が有利な大当りになることを遊技者に期待させる予告演出であるといえる。
【0249】
図16(a)に示す抽選テーブル1および同図(b)に示す抽選テーブル2それぞれには、「予告なし」、「予告A」、「予告B」、「ボタン→A」、「ボタン→B」ごとに乱数範囲が規定されている。「予告なし」とは、通常予告演出が実行されないことを意味する。本実施形態では、主制御部300の行った当否判定結果に基づいて通常予告演出を行う。より厳密には、図柄変動開始コマンドに含まれていた特図変動時間に基づいて通常予告演出を行い、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられていることから、変動パターンに基づいて通常予告演出を行うともいえる。
【0250】
図16(c)は、通常予告演出で表示される各種の表示態様を示す図である。
【0251】
図16(c)における一番左には、パンダのキャラクタが「予告A」として示されている。本実施形態では、通常予告演出として予告Aが実行されると、装飾図柄表示装置208にはパンダのキャラクタが表示される。
【0252】
その右横には、サボテン型の埴輪のキャラクタが「予告B」として示されている。本実施形態では、通常予告演出として予告Bが実行されると、装飾図柄表示装置208にはサボテン型の埴輪のキャラクタが表示される。
【0253】
また、図16(c)における右側には、図1に示すチャンスボタン136の操作を促す表示態様からチャンスボタン136が操作されると、パンダのキャラクタを用いた表示態様へと表示態様が変化する通常予告演出態様が、「ボタン→A」として示されるとともに、チャンスボタン136の操作を促す表示態様からチャンスボタン136が操作されると、サボテン型の埴輪のキャラクタを用いた表示態様へと表示態様が変化する通常予告演出態様が、「ボタン→B」としても示されている。以下、チャンスボタン136の操作を促す表示態様の保留表示をボタン予告表示136bと称する。このボタン予告表示136bによる演出は、本発明にいう特定演出の一例に相当する。また、ボタン予告表示136bの報知態様は第一の報知態様の一例に相当し、通常予告演出における特定のキャラクタを用いた報知態様は第二の報知態様の一例に相当する。
【0254】
第1副制御部400のCPU404は、ステップS3092eを実行するタイミング、およびステップS3092fを実行するタイミングそれぞれで、RAM408から専用乱数(取り得る範囲は0?99)を取得し、取得した専用乱数に基づき通常予告の抽選を行う。ステップS3092eおよびステップS3092fにおける抽選は、当否判定結果の導出を契機にした抽選であって、通常予告演出の実行可否の抽選、および通常予告演出を行う場合には複数種類の演出態様(表示態様)の中から1種類の演出態様(表示態様)を選択するための抽選になる。
【0255】
図16(a)に示す抽選テーブル1および同図(b)に示す抽選テーブル2ではいずれも、所定の変動時間以下(ここでは15秒以下)では、通常予告演出が行われる確率よりも行われない確率の方が高いが、所定の変動時間を超えると、通常予告演出が行われない確率よりも行われる確率の方が高くなる。すなわち、ノーマルリーチに発展する図柄変動表示では、通常予告演出が行われる確率よりも行われない確率の方が高いが、スーパーリーチに発展する図柄変動表示では、通常予告演出が行われない確率よりも行われる確率の方が高くなる。また、通常予告演出の演出態様は、右にいくほど信頼度が上がる。図16(a)に示す抽選テーブル1では、ノーマルリーチハズレでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」は選択されないが、ノーマルリーチ当りでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択されることがある。したがって、ノーマルリーチで、ホタン予告表示136bが出現すると、大当りが確定になる。加えて、図16(a)に示す抽選テーブル1でも同図(b)に示す抽選テーブル2でも、スーパーリーチハズレ(リーチAハズレ,リーチBハズレ)では、通常予告演出が必ず行われるが、スーパーリーチ当り(リーチA当り,リーチB当り)では、通常予告演出が行われないことがある。したがって、通常予告演出が行われずにスーパーリーチに発展した場合には大当りが確定になる。
【0256】
さらに、「ボタン→A」や「ボタン→B」は、図16(a)に示す抽選テーブル1を用いたステップS3092eにおける抽選では、偽の通常予告演出でも真の通常告演出でも選択される可能性があるが、同図(b)に示す抽選テーブル2を用いたステップS3092fにおける抽選では真の先読み予告演出であっても選択される可能性はない。したがって、本実施形態では、ボタン保留表示136aが表示されていない状態(事前操作報知フラグがオフの状態)には、ステップS3092eで「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様が選択され、ボタン予告表示136bが表示されることがあるが、ボタン保留表示136aが表示されている状態(事前操作報知フラグがオンの状態)であって、かつ実行回数設定領域の値、すなわち先読み実行回数が1以上であれば、「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様は選択されず(ステップS3092f)、ボタン予告表示136bが表示されることはない。
【0257】
以上説明したように、通常予演演出の演出態様は、特図変動時間事前判定結果が所定の変動時間であった場合には、所定の表示確率で表示される。また、図16(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様が選択される確率は、本発明にいう特定の実行確率の一例に相当する。
【0258】
図16(b)に示す抽選テーブル2を用いたステップS3092fにおける抽選が終了すると、ステップS3092jへ進み、同図(a)に示す抽選テーブル1を用いたステップS3092eにおける抽選が終了すると、ステップS3092gに進む。
【0259】
ステップS3092gでは、「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する通常予告演出態様(所定の通常予告演出態様)が選択されたか否かを判定し、選択されていなければステップS3092jへ進み、選択されていればステップS3092hに進む。「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する通常予告演出態様による通常予告演出は、操作対応報知演出の一例に相当する。
【0260】
ステップS3092hでは、通常予告出現タイミングが到来したか否かを判定する。第1副制御部400では、図柄変動開始コマンドを受信すると、カウンタタイマ412に所定時間(例えば、2500ms)を表す値をセットし、カウントダウンを開始する。このステップS3092hでは、変動開始から所定時間(例えば、2500ms)経過したか否かをそのカウンタタイマ412の値が0になったか否かで判定し、所定時間が経過するまで(カウンタタイマ412の値が0になるまで)、ステップS3092hを繰り返し実行する。所定時間が経過すると(カウンタタイマ412の値が0になると)、ステップS3092iに進み、操作報知フラグをオンに設定し、ステップS3091jに進む。
【0261】
ステップS3092jでは、予告コマンドを第2副制御部500に出力し、この変動開始時サブ側予告実行処理は終了になる。ここでの予告コマンドは、通常予告演出を行わないか、あるいは行う場合には図16(c)に示すいずれの演出態様で行うかを指定するコマンドであり、第2副制御部500は、その予告コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、通常予告演出を行う場合には、装飾図柄表示装置208に、指定された演出態様の通常予告演出が表示される。
【0262】
上述のごとく、本実施形態では、装飾図柄表示装置208に、先読み予告演出のボタン保留表示136aと通常予告演出のボタン予告表示136bが同時に複数表示されたり、先読み予告演出のボタン保留表示136aと通常予告演出のボタン予告表示136bが同時に表示されないように制御している。図13に示す始動入賞時サブ側先読み予告実行処理では、特図始動口230,232への入賞タイミングによっては、先読み予告演出のボタン保留表示136aの表示期間と通常予告演出のボタン予告表示136bの表示期間が重複してしまうことが考えられる。例えば、通常予告演出のボタン予告表示136bが行われている状態で特図始動口230,232へ入賞し、「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する先読み予告演出態様が選択されるた場合が考えられる。そこで、図13に示す始動入賞時サブ側先読み予告実行処理では、事前操作報知フラグと操作報知フラグの両フラグを確認している(ステップS3091e,ステップS3091f)。一方、通常予告演出のボタン予告表示136bの有効期間(表示期間)は、1回の図柄変動表示の変動期間内に限られており(例えば、変動開始から5秒間)、複数の図柄変動表示を跨いで表示されることはない。図14に示す変動開始時サブ側予告実行処理では、図柄変動表示の開始直前であるため、通常予告演出のボタン予告表示136bが表示されていることはなく、事前操作報知フラグと操作報知フラグとのうちの事前操作報知フラグのみを確認している(ステップS3092a)。
【0263】
本実施形態によれば、当該図柄変動表示に関する通常予告演出は図柄変動表示の開始時に決定するので、通常予告演出のボタン予告表示136bの有効期間を1回の図柄変動表示の変動期間内に限っておくことで、通常予告演出がボタン予告表示136bとして出現した図柄変動表示中は、予告を兼ねたチャンスボタン136の操作を促す演出を規制し、次の図柄変動表示から、予告を兼ねたチャンスボタン136の操作を促す演出を実行可能とすることで、制御的な変更を抑制できる場合がある。
【0264】
また、操作手段の一例に相当するチャンスボタン136の操作を要する演出が重複しないことにより、操作手段を操作した場合に行われる演出を遊技者に対して分かりやすく報知することができる。さらに、所定の保留に対して第一の表示態様の一例に相当するボタン保留表示136aが実行されている場合には、チャンスボタン136の操作を要する他の演出(ここではボタン保留表示136aおよびボタン予告表示136b)を規制しているため、演出を堪能したい遊技者に対してチャンスボタン136を早い時期に操作させることが可能になり、チャンスボタン136の操作を要する他の演出が早い段階で出現して、遊技者を楽しませることができる場合がある。加えて、先読み予告演出の他の表示態様も早目に出現させることができ、これによっても遊技者を楽しませることができる場合がある。
【0265】
また、ボタン保留表示136aから特定のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(第二の表示態様)にかけての先読み予告演出は、複数の図柄変動表示に亘って行われる可能性のある演出であるため、なおのこと遊技者にチャンスボタン136の操作を早目に行わせて、チャンスボタン136の操作を要する演出の実行に興味を持たせることができる場合がある。
【0266】
さらに、本実施形態では、通常予告演出を選択する通常予告抽選テーブルにも、操作手段の一例であるチャンスボタン136の操作を要する通常予告演出(「ボタン→A」「ボタン→B」)を含むグループとそうでないグループが含まれており、先読み予告演出で操作手段の操作を促す演出が行われている場合には、操作手段の操作を要さないグループ(図16(b)に示す抽選テーブル2)から通常予告演出の態様を決定し、先読み予告演出で操作手段の操作を促す演出が行われていない場合には、すべての中(図16(a)に示す抽選テーブル1)から決定する。
【0267】
<フラグ解除処理>
図1に示すチャンスボタン136が操作されると、第1副制御部400のCPU404には、図4に示すチャンスボタン検出センサ426からの検出信号がセンサ回路428を介して送信される。先読み予告演出のボタン保留表示136aや通常予告演出のボタン予告表示136bにしたがって、チャンスボタン136が操作された場合にも、第1副制御部400のCPU404には検出信号が送信され、第1副制御部400のCPU404は、この検出信号を受けて、フラグ解除処理を実行する。
【0268】
図17は、フラグ解除処理の流れを示すフローチャートである。
【0269】
ステップS3093aでは、事前操作報知フラグがオンであるか否かを判定する。すなわち、ボタン保留表示136aが表示されている状態か否かを確認する。
【0270】
事前操作報知フラグがオンである場合には、ボタン保留表示136aが表示されている状態であることから、保留変化指示コマンドを第2副制御部500に出力する(ステップS3093b)。第2副制御部500は、この保留変化指示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、チャンスボタン136の操作を促す表示態様(第一の表示態様)のボタン保留表示136aから、特定のキャラクタを用いた表示態様(第二の表示態様)の保留表示(図14(c)に示す保留A,保留B)へと表示態様を変化させる。第2副制御部500には、図13に示すステップS3091lにおいて、「ボタン→A」あるいは「ボタン→B」の先読み予告演出態様(所定の先読み予告演出態様)を指定した保留増加コマンドが送信されており、第2副制御部500は、保留変化指示コマンドを受信したことに基づいて、ボタン保留表示136aを保留A又は保留Bに変化させる。なお、図13に示すステップS3091lでは、第2副制御部500に、ボタン保留表示136aのみを指定した保留増加コマンドを送信しておき、保留A又は保留Bに変化させることを指定した情報を含んだ保留変化指示コマンドを第2副制御部500に出力するようにしてもよい。
【0271】
ステップS3093bに続いて実行されるステップS3093cでは、事前操作報知フラグをオフしてステップS3093dに進む。なお、事前操作報知フラグのオフの契機としては、チャンスボタン136の操作を契機する他に、大当りの図柄態様が停止表示した時点あるいは大当りの図柄態様を停止表示する図柄変動表示中にボタン保留表示136aが表示されていた場合には、大当りを契機に事前操作報知フラグをオフしてもよい。ここにいう大当りを契機にとは、大当りの図柄態様の停止表示を契機にする他、大当りの図柄態様を停止表示する図柄変動表示が開始されたことを契機にしてもよいし、大当りの当否判定結果が導出されたことを契機にしてもよい。また、ボタン保留表示136aが表示された場合に、そのボタン保留表示136aに対応した所定の保留が消化されるまでの図柄変動表示の回数をセットしておき、その所定の保留に基づく図柄変動表示の開始を契機にしてもよい。
【0272】
ステップS3093dでは、RAM408に用意された実行回数設定領域の値、すなわち先読み実行回数をクリアして(0にして)、このフラグ解除処理は終了になる。チャンスボタン136の操作が行われた場合には、先のステップS3093cで事前操作報知フラグがオフされることから、図柄変動開始時の図15に示すステップS3092dにおける事前操作報知フラグのオフを待つ必要がないため、先読み実行回数をクリアする。
【0273】
一方、事前操作報知フラグがオフである場合には、ボタン保留表示136aが非表示の状態であり、この場合には、操作報知フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS3093e)。すなわち、ボタン予告表示136bが表示されている状態か否かを確認する。
【0274】
操作報知フラグがオンである場合には、ボタン予告表示136bが表示されている状態であることから、予告変化指示コマンドを第2副制御部500に出力する(ステップS3093f)。第2副制御部500は、この予告変化指示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、チャンスボタン136の操作を促す表示態様のボタン予告表示136bから、特定のキャラクタを用いた表示態様の通常予告演出(図16(c)に示す予告A,予告B)へと表示態様を変化させる。第2副制御部500には、図15に示すステップS3092jにおいて、「ボタン→A」あるいは「ボタン→B」の通常予告演出態様(所定の通常予告演出態様)を指定した予告コマンドが送信されており、第2副制御部500は、予告コマンドを受信したことに基づいて、ボタン予告表示136bを予告A又は予告Bに変化させる。なお、図15に示すステップS3092jでは、第2副制御部500に、ボタン予告表示136bのみを指定した予告コマンドを送信しておき、予告A又は予告Bに変化させることを指定した情報を含んだ予告変化指示コマンドを第2副制御部500に出力するようにしてもよい。
【0275】
ステップS3093fに続いて実行されるステップS3093gでは、操作報知フラグをオフし、このフラグ解除処理は終了になる。なお、ボタン予告表示136bの有効期間(図1に示すチャンスボタン136の操作受付期間)は、上述のごとく、1回の図柄変動表示の変動期間内に限られており(例えば、変動開始から5秒間)、その有効期間の間にチャンスボタン136が操作されなかった場合(タイムアウトした場合)にも、操作報知フラグはオフされる。
【0276】
以上説明したように、事前操作報知フラグのオン期間がボタン予告表示136bの規制期間(禁止期間)であり、操作報知フラグのオン期間がボタン保留表示136aの規制期間(禁止期間)であるが、チャンスボタン136の操作によりフラグがオフされ、規制期間(禁止期間)が短縮する。このように、本実施形態では、事前操作報知フラグや操作報知フラグといったフラグのオン/オフで演出の実行可否(表示可否)を管理しているが、これらのフラグのオン/オフは、操作手段の操作の有効期間としても管理可能である。すなわち、フラグのオン期間が操作手段の操作有効期間であり、操作手段が操作されてフラグがオフになることは操作有効期間が短縮されたことになり、操作有効期間が終了したことによって、第二の表示態様(ここでは特定のキャラクタを用いた表示態様)の演出が実行されると見ることもできる。
【0277】
なおここでは、ボタン保留表示136aが表示されている状態でチャンスボタン136が操作されると、その他の別保留表示(既に表示されている保留表示およびこの後表示される新たな保留表示)について、ボタン保留表示136aの表示態様による表示の規制が解除されるが、ボタン保留表示136aが表示されていた当該図柄変動表示中(停止図柄表示中も含む)では、別保留表示について、ボタン保留表示136aの表示態様による表示の規制を継続し、次回の図柄変動表示からその規制を解除してもよい。あるいは、当該図柄変動表示において図柄態様の停止表示が行われてから所定時間経過後からその規制を解除するようにしてもよい。
【0278】
さらには反対に、ボタン保留表示136aが表示されている状態でチャンスボタン136が操作されると、当該図柄変動表示中には、ボタン保留表示136aの表示態様による表示確率を高めて、別保留表示について、ボタン保留表示136aが出現しやすくするようにしてもよい。あるいは、当該図柄変動表示中には、ボタン保留表示136aの表示態様による表示確率を低下させて、別保留表示について、ボタン保留表示136aが出現しにくくするようにしてもよい。
【0279】
続いて、先読み予告演出のボタン保留表示136aの具体例について説明する。
【0280】
図18は、チャンスボタン136の操作を促すボタン保留表示136aが表示されていても遊技者がチャンスボタン136を操作しなかった場合の一例を示す図である。
【0281】
以降の具体例ではいずれも電サポ中の例を示すが、図面の煩雑さを避けるために、特図1の保留表示は図示省略し、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dのうち、本来、特図1の保留表示が示される特図1保留表示領域に、特図2の保留表示を示す。特図2の保留表示は、左に示されているものほど、始動情報が特図2の保留記憶部に記憶されたタイミングが古い保留を表す保留表示になる。また、以降の説明では、特に断らない限り、第1特図始動口230や第2特図始動口232への入賞はないものとする。
【0282】
図18(a)には、特図2の保留が2つある状態で特図2の図柄変動表示が行われている様子が示されている。図18(a)の装飾図柄表示装置208に表示された2つの保留表示はいずれも、丸い図形を無模様かつ一色で表示するデフォルトの表示態様である。この時点における入賞が古い方の保留を保留1と称し、その保留1を表す保留表示を保留1表示291と称する。また、入賞が新しい方の保留を保留2と称し、その保留2を表す保留表示を保留2表示292と称する。以下の他の図面を用いた説明においても、保留1表示291は保留1を表す表示とし、保留2表示292は保留2を表す表示として説明する。
【0283】
同図(b)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加した様子が示されている。ここでの第2特図始動口232への入賞に基づく保留表示は、チャンスボタン136の操作を促す表示態様のボタン保留表示136aとして入賞直後から表示され始める。
【0284】
同図(c)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には装飾図柄のハズレの組合せが停止表示されている。
【0285】
同図(d)では、保留1に基づく図柄変動表示が開始されている。保留1表示291は、その図柄変動表示の開始タイミングと同時に消え、保留1表示291が表示されていた位置に保留2表示292がシフトするとともに保留2表示292が表示されていた位置にボタン保留表示136aがシフトする。なお、保留1表示291は、図柄変動表示の開始タイミングから所定時間経過後に消え、保留2表示292やボタン保留表示136aのシフトも保留1表示291が消えたタイミングに併せて行われるようにしてもよい。同図(e)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には、保留1の始動情報に基づく当否判定の結果に対応した装飾図柄の組合せとしてハズレの組合せが停止表示されている。
【0286】
同図(f)では、保留2に基づく図柄変動表示が開始され、保留2表示292が消えると同時に、保留2表示292が表示されていた領域にボタン保留表示136aがシフトする。この結果、保留表示は、ボタン保留表示136aの一つだけになる。同図(g)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には、保留2の始動情報に基づく当否判定の結果に対応した装飾図柄の組合せとしてハズレの組合せが停止表示されている。この例では、結局ここまで、ボタン保留表示136aが表示され続けていたにも関わらず、チャンスボタン136が操作されなかった。その結果、保留2に基づく図柄変動表示が終了した時点でも、事前操作報知フラグはオンに設定されたままの状態にある。
【0287】
同図(h)では、ボタン保留表示136aに基づく図柄変動表示が開始され、ボタン保留表示136aが消え、保留表示が一つもなくなる。事前操作報知フラグは、図15に示すステップS3092dの処理によって、ここでオフに設定される。ボタン保留表示136aの有効期間(図1に示すチャンスボタン136の操作受付期間)は、そのボタン保留表示136aが表す保留に対応した図柄変動表示が開始されるまでになる。また、保留表示が、図柄変動表示の開始タイミングから所定時間経過後に消える態様である場合には、図柄変動表示の開始タイミングから所定時間経過するまでになる。すなわち、ボタン保留表示136aの有効期間は、ボタン保留表示136aが表示されている期間に相当し、チャンスボタン136操作されない場合は保留表示が消えるまでの期間になる。ただし、チャンスボタン136が操作されればボタン操作に基づいて有効期間は終了になる。このようなボタン保留表示136aの有効期間は、本発明にいう所定期間の一例にも相当する。
【0288】
同図(i)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチ演出に発展し、同図(j)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチAの登場キャラクタである起立した姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチAに発展する。しかしながら、同図(k)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されている。
【0289】
図19は、ボタン保留表示136aが表示されている状態でチャンスボタン136が操作された場合の一例を示す図であり、図20は、図19に示す例の続きを示す図である。
【0290】
図19(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、いずれもデフォルトの表示態様の保留1表示291と保留2表示292が表示されている。
【0291】
同図(b)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留(以下、保留3と称することがある)の保留表示として、ボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。
【0292】
同図(c)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には装飾図柄のハズレの組合せが停止表示されている。
【0293】
同図(d)では、保留1に基づく図柄変動表示が開始され、保留1表示291が消え、保留2表示292とボタン保留表示136aがシフト表示されている。そして、保留1に基づく図柄変動表示が行われている最中にチャンスボタン136が操作され(同図(e)参照)、ボタン保留表示136aが、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)293に変化する(同図(f)参照)。すなわち、ボタン保留表示136aが表示されている状態でチャンスボタン136が操作され、図17に示すステップS3093bにおいて保留変化指示コマンドが第2副制御部500に送信され、ステップS3093cにおいて事前操作報知フラグがオフされる。同図(g)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には、保留1の始動情報に基づく当否判定の結果に対応した装飾図柄の組合せとしてハズレの組合せが停止表示されている。
【0294】
同図(h)では、保留2に基づく図柄変動表示が開始され、保留2表示292が消えると同時に、保留Aの保留表示293がシフト表示される。この結果、保留表示は、保留Aのものだけになる。保留2に基づく図柄変動表示を開始してから2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、ボタン予告表示136bが出現する(同図(i)参照)。すなわち、保留Aの保留表示293が表示されている状態で、現在変動中の図柄変動表示(保留2に基づく図柄変動表示)が有利な大当りの図柄態様を停止表示する可能性があることを当該図柄変動表示中(保留2に基づく図柄変動表示中)に予告する通常予告演出が開始される。このように、本実施形態のパチンコ機100では、ボタン保留表示136aが表示されていた保留1に基づく図柄変動表示では、ボタン予告表示136bは表示されないが、保留1に基づく図柄変動表示の次に開始された図柄変動表示(保留2に基づく図柄変動表示)では、開始された保留2に基づく図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果を予告対象にした通常予告演出のボタン予告表示136bが、図16(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様が選択される確率で実行される。そして、保留2に基づく図柄変動表示が行われている最中にチャンスボタン136が操作され(同図(j)参照)、ボタン予告表示136bが、パンダのキャラクタの表示(予告A)208pに変化する(図20(f)参照)。すなわち、ボタン予告表示136bが表示されている状態でチャンスボタン136が操作され、図17に示すステップS3093fにおいて予告変化指示コマンドが第2副制御部500に送信され、ステップS3093gにおいて操作報知フラグがオフされる。
【0295】
やがて、保留2に基づく図柄変動表示ではリーチ演出に発展し(図20(l)参照)、同図(m)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチBの登場キャラクタである座った姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチBに発展する。スーパーリーチBの演出が開始されるまで、あるいはスーパーリーチBの演出が終了するまで、保留Aの保留表示293は表示され続けている。同図(n)に示す装飾図柄表示装置208には、有利な大当り(15R特別大当り)に対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7-装飾7-装飾7」)が停止表示されている。
【0296】
同図(o)では大当り遊技が開始される。先の同図(n)に示すように、大当りに対応した装飾図柄の組合せが停止表示された状態では、保留Aの保留表示293は表示されていないが、保留Aが表す保留3は残っており、その保留3は、大当り遊技終了まで持ち越される。なお、大当りに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されても保留Aの保留表示293を表示してもよいが、保留3は結局、大当り遊技終了まで持ち越される。大当り遊技では、15ラウンドまで消化されると、大当り遊技の終了が告知され(同図(p))、装飾図柄表示装置208は、大当り遊技開始直前の画面、あるいは特図の図柄変動表示が開始される前の画面に戻る。ここでは、同図(q)に示すように、「装飾7-装飾7-装飾7」が停止表示された画面に戻り、その画面には、持ち越した保留3を表す保留表示293がデフォルトの表示態様で表示されている。
【0297】
やがて、保留3に基づく図柄変動表示が開始され、保留3を表す保留表示293が消え(同図(r)参照)、保留3に基づく図柄変動表示を開始してから2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、ボタン予告表示136bが再び出現する(同図(s)参照)。ここで出現したボタン予告表示136bは、保留3に基づく図柄変動表示が有利な大当りの図柄態様を停止表示する可能性があることを当該図柄変動表示中に予告する通常予告演出に相当する。大当り遊技が開始されることで、保留3を表す保留表示の表示態様がデフォルトの表示態様に戻っているが、この保留3については大当り遊技前には先読み予告演出が行われていたことから大当りの可能があり、保留3に基づく図柄変動表示で通常予告演出が行われやすい。
【0298】
図21は、チャンスボタン136の操作を促すボタン保留表示136aが表示されていても遊技者がチャンスボタン136を操作せずにいたら、保留Bの保留表示が出現した一例を示す図であり、図22は、図21に示す例の続きを示す図である。
【0299】
図21(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、デフォルトの表示態様の保留1表示291が1つ表示されている。
【0300】
同図(b)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留の保留表示として、ボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。
【0301】
同図(c)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には装飾図柄のハズレの組合せが停止表示されている。
【0302】
同図(d)では、保留1に基づく図柄変動表示が開始され、保留1表示291が消え、保留2のボタン保留表示136aがシフト表示されている。
【0303】
同図(e)では、保留1に基づく図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留の保留表示として保留Bが表示される。すなわち、ボタン保留表示136aが表示されている状態で第2特図始動口232への入賞が1球あり、ボタン保留表示136aが表示されていることから(事前操作報知フラグがオンであることから)、図13に示すステップS3091hにおいて、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択されない図14(b)に示す抽選テーブル2を用いた保留変化抽選が行われ、保留Bの保留表示294が表示される。
【0304】
同図(f)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には、保留1の始動情報に基づく当否判定の結果に対応した装飾図柄の組合せとしてハズレの組合せが停止表示されている。
【0305】
同図(g)では、ボタン保留表示136aで表示されていた保留に基づく図柄変動表示が開始され、ボタン保留表示136aが消え、保留Bの保留表示294がシフト表示されている。この結果、保留表示は、保留Bの一つだけになる。同図(h)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチ演出に発展するが、同図(i)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されている。
【0306】
同図(j)では、保留Bの保留表示294で表示されていた保留に基づく図柄変動表示が開始され、保留Bの保留表示294が消え、保留表示がなくなる。しかしながら、その図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留(以下、新保留と称することがある)の保留表示としてボタン保留表示136aが入賞直後から再び表示され始める(図22(k)参照)。ここでは、保留Bの保留表示294で表示されていた保留に基づく図柄変動表示が行われている最中にチャンスボタン136が操作され(同図(l)参照)、ボタン保留表示136aが、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)295に変化する(同図(m)参照)。同図(n)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチ演出に発展し、同図(o)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチAの登場キャラクタである起立した姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチAに発展する。しかしながら、同図(p)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されている。
【0307】
同図(q)では、上記新保留に基づく図柄変動表示が開始され、保留Bの保留表示295が消える。新保留に基づく図柄変動表示を開始してから2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208では、サボテン型の埴輪のキャラクタの表示(予告B)208sによる通常予告演出が開始される。
【0308】
やがて、新保留に基づく図柄変動表示ではリーチ演出に発展し(同図(s)参照)、同図(t)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチBの登場キャラクタである座った姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチBに発展する。そして、同図(u)に示す装飾図柄表示装置208には、有利な大当り(15R特別大当り)に対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7-装飾7-装飾7」)が停止表示されている。
【0309】
図23は、ボタン予告表示136bが2回出現する例を示す図であり、図24は、図23に示す例の続きを示す図である。
【0310】
図23(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、デフォルトの表示態様の保留1表示291が1つ表示されている。この図柄変動表示を開始してから2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、ボタン予告表示136bが出現する(同図(b)参照)。しかしながら、チャンスボタン136はすぐには操作されず、このボタン予告表示136bが表示された状態で、第2特図始動口232への入賞が1球ある。ボタン予告表示136bが表示されていることから(操作報知フラグがオンであることから)、図13に示すステップS3091hにおいて、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択されない図14(b)に示す抽選テーブル2を用いた保留変化抽選が行われ、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)292が表示される。ここで増加した保留を以下、保留2と称することがある。
【0311】
やがて、上記図柄変動表示が行われている最中にチャンスボタン136が操作され(同図(d)参照)、ボタン予告表示136bが、パンダのキャラクタの表示(予告A)208pに変化する(同図(e)参照)。同図(f)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチ演出に発展するが、同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せが停止表示されている。
【0312】
同図(h)では、保留1に基づく図柄変動表示が開始され、保留1表示291が消え、保留Aの保留表示292がシフト表示されている。保留1に基づく図柄変動表示を開始してから2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、2回目のボタン予告表示136bが出現する(同図(i)参照)。ここでは、チャンスボタン136はすぐに操作され(同図(j)参照)、ボタン予告表示136bが、サボテン型の埴輪のキャラクタの表示(予告B)208sに変化する(図24(k)参照)。同図(l)に示す装飾図柄表示装置208では、リーチ演出に発展し、このタイミングで第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留(以下、新保留と称することがある)の保留表示としてボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。2回目のボタン予告表示136bはサボテン型の埴輪のキャラクタの表示(予告B)に既に変化した後であるため、ボタン保留表示136aの出現が許容されている。ここでも、チャンスボタン136がすぐに操作され(同図(m)参照)、ボタン保留表示136aが、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)295に変化するとともに、リーチBの登場キャラクタである座った姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチBに発展する(同図(n)参照)。同図(o)に示す装飾図柄表示装置208には、有利な大当り(15R特別大当り)に対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7-装飾7-装飾7」)が停止表示されている。この段階では、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)292の保留2と、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)295の新保留の2つの保留が残っており、これらの保留2と新保留は、大当り遊技終了まで持ち越される。
【0313】
同図(p)では大当り遊技が開始され、15ラウンドまで消化されると、大当り遊技の終了が告知され(同図(q))た後、装飾図柄表示装置208は、同図(r)に示すように、「装飾7-装飾7-装飾7」が停止表示された画面に戻り、その画面には、持ち越した保留2を表す保留表示296と、同じく持ち越した新保留を表す保留表示295とが、ともにデフォルトの表示態様で表示されている。
【0314】
やがて、入賞が古い方の保留2に基づく図柄変動表示が開始され、その保留2を表す保留表示296が消え、新保留を表す保留表示295のみが残る(同図(s)参照)。
【0315】
図25は、図24に示す例で、同図(l)に示すボタン保留表示136aが表示されているにも関わらずチャンスボタン136が操作されなかった例を示す図である。図25では、図24の各図のタイミングと同じタイミングの図には、図24で付した図番と同じ図番を付す。
【0316】
図25(k)に示すように、装飾図柄表示装置208にサボテン型の埴輪のキャラクタの表示(予告B)208sが表示された後、リーチ演出に発展し、このタイミングでボタン保留表示136aが出現する。この例では、チャンスボタン136は操作されず、ボタン保留表示136aは新保留の保留表示として表示され続ける。図25(m)は、チャンスボタン136が操作されなかったことを表す。同図(n)では、リーチBの登場キャラクタである座った姫が登場して装飾図柄の変動表示はスーパーリーチBに発展し、同図(o)に示す装飾図柄表示装置208には、有利な大当り(15R特別大当り)に対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7-装飾7-装飾7」)が停止表示されている。この段階では、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)292の保留2と、ボタン保留表示136aの新保留の2つの保留が残っており、これらの保留2と新保留は、大当り遊技終了まで持ち越される。
【0317】
大当り遊技終了後の同図(r)に示すように、「装飾7-装飾7-装飾7」が停止表示された画面には、持ち越した保留2を表す保留表示292と、同じく持ち越した新保留を表す保留表示295とが、ともにデフォルトの表示態様で表示されている。本実施形態では、大当り図柄が停止表示すること、あるいは大当り遊技の開始に基づいて、事前操作報知フラグはオフになる。
【0318】
図26は、1回の図柄変動表示におけるボタン保留表示136aの規制前後の様子を示す図である。
【0319】
図26(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、デフォルトの表示態様の保留1表示291が1つ表示されている。
【0320】
同図(b)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留の保留表示として、ボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。
【0321】
やがて、上記図柄変動表示の最中にチャンスボタン136が操作されると(同図(c)参照)、同図(d)に示すように、ボタン保留表示136aが、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)292に変化し、先読み予告演出は継続する。
【0322】
同図(e)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞がまた1球あり、同図(b)で増加した保留を表す保留表示の表示態様がボタン保留表示136aの表示態様から商人のキャラクタを用いた表示態様に変化していること基づき、すなわち、ボタン保留表示136aが消えていることに基づき、上記図柄変動表示の途中であっても、同図(e)で増加した保留(別始動情報に基づく保留に相当)についての保留表示として、ボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。なお、この後、チャンスボタン136が操作されると、同図(e)に示すボタン保留表示136aは、特定のキャラクタを用いた表示態様の保留表示に変化する。
【0323】
保留表示変化のような先読み予告演出は一般的に始動入賞時に行われる。つまり、既に実行中の先読み予告演出が、操作手段の操作を促す態様(ここでボタン保留表示136a)とは異なる態様(ここでは特定のキャラクタを用いた表示態様)に変化した後であれば、操作手段の操作を促す態様はすぐに実行可能であり、遊技者に早めの操作を促すことに寄与する場合がある。また、このようにボタン保留表示136aの出現を規制したり許可するとは、図13に示す始動入賞時サブ側先読み予告実行処理の制御タイミングの中で処理することができ、制御上、特に負担になることはないといった効果を奏する。
【0324】
図27は、ボタン保留表示136aが表示されている状態における第2特図始動口232への入賞に基づく保留表示の表示態様が、チャンスボタン136の操作前後で変化する本実施形態の変形例を示す図である。
【0325】
この変形例では、図13に示すステップS3091gにおいてもステップS3091hにおいても、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択され得る図14(a)に示す抽選テーブル1を用いた保留変化抽選が行われるが、ボタン保留表示136aが表示されている場合(事前操作報知フラグがオンである場合)に、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択されると、保留表示は、チャンスボタン136が操作されるまでデフォルトの表示態様で表示される。
【0326】
図27(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、デフォルトの表示態様の保留1表示291が1つ表示されている。
【0327】
同図(b)では、上記図柄変動表示の最中に、第2特図始動口232への入賞が1球あり、保留が1つ増加し、増加した保留の保留表示として、ボタン保留表示136aが入賞直後から表示され始める。
【0328】
同図(c)では、ボタン保留表示136aが表示されている状態で第2特図始動口232への入賞がまた1球あり、例えば、「ボタン→B」が選択されるが、ボタン保留表示136aが表示されているため(事前操作報知フラグがオンであるため)、ここで増加した保留(以下、保留3と称することがある)についての保留表示293は、ボタン保留表示136aの表示態様ではなくデフォルトの表示態様で表示される。
【0329】
やがて、チャンスボタン136が操作されると(同図(d)参照)、同図(e)に示すように、ボタン保留表示136aが、商人のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留A)292に変化する。さらに、この変形例では、保留3を表すデフォルトの表示態様の保留表示293が、ボタン保留表示136aに変化する。なお、この後、チャンスボタン136が操作されると、保留3を表すボタン保留表示136aは、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)に変化する。
【0330】
図28は、ボタン予告表示136bが表示されている状態における第2特図始動口232への入賞に基づく保留表示の表示態様が、チャンスボタン136の操作前後で変化する上記変形例を示す図である。
【0331】
上述のごとく、上記変形例では、ステップS3091hにおいても、「ボタン→A」や「ボタン→B」が選択され得る図14(a)に示す抽選テーブル1を用いた保留変化抽選が行われる。このため、ボタン予告表示136bが表示されている状態でオン状態にある操作報知フラグがオン状態にあっても、抽選テーブル1を用いた保留変化抽選が行われる。
【0332】
図28(a)では、特図の図柄変動表示が開始され、装飾図柄表示装置208には、デフォルトの表示態様の保留1表示291が1つ表示されている。この図28(a)で開始した図柄変動表示の開始から2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、ボタン予告表示136bが出現する(同図(b)参照)。
【0333】
同図(c)では、ボタン予告表示136bが表示されている状態で第2特図始動口232への入賞が1球あり、例えば、「ボタン→B」が選択されるが、ボタン予告表示136bが表示されているため(操作報知フラグがオンであるため)、ここで増加した保留(以下、保留2と称することがある)についての保留表示292は、ボタン保留表示136aの表示態様ではなくデフォルトの表示態様で表示される。
【0334】
やがて、チャンスボタン136が操作されると(同図(d)参照)、同図(e)に示すように、ボタン予告表示136bが、パンダのキャラクタの表示(予告A)208pに変化する。さらに、この変形例では、保留2を表すデフォルトの表示態様の保留表示292が、ボタン保留表示136aに変化する。なお、この後、チャンスボタン136が操作されると、保留2を表すボタン保留表示136aは、殿様のキャラクタを用いた表示態様の保留表示(保留B)に変化する。
【0335】
以上の説明では、先読み予告演出として保留表示を例にあげて説明したが、本発明は、保留表示に限られない。
【0336】
図29は、先読み予告演出の他の例を示す図である。
【0337】
図29(a)では、特図の図柄変動表示が行われており、装飾図柄表示装置208には、いずれもデフォルトの表示態様の保留1表示291と保留2表示292が表示されている。これら2つの保留のうち、保留2が先読み予告演出の対象になる。
【0338】
同図(b)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には装飾図柄のハズレの組合せが停止表示されている。
【0339】
同図(c)では、保留1に基づく図柄変動表示が開始され、保留1表示291が消え、保留2表示292がシフト表示されている。この図柄変動表示が開始されると、保留2に基づいて先読みモードに移行し、装飾図柄表示装置208には、「先読みモード突入」という文字表示がなされる。この文字表示によって、先読み予告演出が開始される。次いで、先読み予告演出の一環として、同図(d)に示すように、チャンスボタン136の操作を促すチャンスボタン画像2080の回りに、キャラクタの数に応じた星印が記された3つの選択画像2081?2083が表示される。チャンスボタン画像2080が表示されている間は、ボタン予告表示136bによる通常予告演出が規制される。
【0340】
チャンスボタン136が操作されると(同図(e)参照)、3つの選択画像2081?2083の中から一つの選択画像(以下、決定画像と称する)が選択される。星の数が多い決定画像ほど、大当りの可能性が高い画像になり、保留2の始動情報を先読みした結果に基づいて、第1副制御部400あるいは第2副制御部500は選択画像を決定する。選択画像の決定は、先読み予告演出の実行可否を決定する際であってもよいし、チャンスボタン136が操作された時点であってもよい。この例では、同図(f)に示すように、大当りの可能性が最も高い、星の数が3つの抽選画像2083が決定画像として選択され、チャンスボタン画像2080は消える。続いて、同図(g)に示すように、星の数が3つのモードであることが文字表示される。この文字表示が行われている間は、先読み予告演出が実行されていることになる。なお、同図(g)では、不図示の特図2表示装置214が停止表示を行い、装飾図柄表示装置208には装飾図柄のハズレの組合せが停止表示されている。
【0341】
同図(h)では、保留2に基づく図柄変動表示が開始される。先読み予告演出の対象になった保留2に基づく図柄変動表示が開始されても、先読み予告演出は継続し、星の数が3つのモードであることの文字表示は、保留2に基づく図柄変動表示で停止図柄が表示さるまで継続する。
【0342】
同図(h)で開始した図柄変動表示の開始から2、5秒が経過すると、装飾図柄表示装置208には、ボタン予告表示136bが出現し(同図(i)参照)、チャンスボタン136が操作されると(同図(j)参照)、同図(k)に示すように、ボタン予告表示136bが、パンダのキャラクタの表示(予告A)208pに変化する。チャンスボタン画像2080は既に消えているため、ボタン予告表示136bの出現が許容されている。やがて、保留2に基づく図柄変動表示ではリーチ演出(ここではノーマルリーチ)に発展し(同図(l)参照)、大当りが確定する。同図(m)に示す装飾図柄表示装置208には、有利な大当り(15R特別大当り)に対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7-装飾7-装飾7」)が停止表示され、大当り遊技に移行する(同図(n)参照)。
【0343】
図29を用いて説明したように、先読み予告演出は、保留表示でなくとも、信頼度の異なる先読み専用のモードを複数有し、モード選択を操作手段の操作により選択する構成であってもよい。すなわち、先読み予告演出は、保留表示のように遊技者が期待すべき図柄変動表示を認識可能に構成されているもののみならず、所定の先読みモードのように期待すべき図柄変動表示を認識困難な予告演出にも適用することができる。どちらのタイプの先読み予告の演出であっても、複数変動に亘って行われる可能性があることから、遊技者に操作手段を早く操作させることに寄与する場合がある。
【0344】
図29に示す変形例のように、先読み予告の演出と通常予告演出とが、装飾図柄表示装置208の同じ領域に表示される場合等には特に、操作手段の操作を促す両者の演出タイミングが重複してしまうと制御上問題になる。また、遊技者にしてみれば、先読み予告演出で操作が促されているのか、通常予告演出で操作が促されているのかがわからず、混乱してしまうことも考えられる。しかしながら、操作手段の操作を促す一方の演出が行われている場合には、他方の演出の実行を規制することで、制御上問題や遊技者の混乱を回避することができる。
【0345】
また、先読み予告演出を搭載した遊技台では、一般的に遊技者は先読み予告演出の出現を期待しており、その反面、先読み予告演出が行われなかった保留(始動情報)については期待を持ちにくい場合がある。本実施形態では、ボタン予告表示136bを行っている最中のボタン保留表示136aを規制しているので、ボタン予告表示136bを行っている最中に入賞があった場合には、ボタン保留表示136aが偶発的に行われないことになる。しかしながら、その入賞が大当りであれば、ボタン保留表示136aの先読み予告演出が行われなくても大当りするため、先読み予告演出が行われなかったからといって、遊技者は、その始動情報について一律に失望する必要はなく、ボタン予告表示136bが行われているときの入賞は、先読み予告演出が行われなくても期待する価値があるものとなり、遊技の興趣が向上する場合がある。
【0346】
なお、本実施形態では、操作手段の操作を要する演出が行われている間は、さらに同一の操作手段の操作を要する演出を選択することを規制しているが、総ての演出の中(例えば、図14(a)に示す抽選テーブル1や図16(a)に示す抽選テーブル2)から演出を決定し、決定した演出が操作手段の操作を要する演出であった場合には、操作手段の操作を要しない別の演出に強制的に変更するようにしてもよい。また、操作手段はチャンスボタン136の1種類に限られていたが、複数種類の操作手段を対象にして、操作を要する演出が行われている間は、操作を要する演出を選択することを規制するようにしてもよい。
【0347】
また、ボタン保留表示136aが表示されている状態の図柄変動表示で、例えばスーパーリーチ中やいわゆる再抽選中に一時的に保留表示が消える場合もある。そして、保留表示が消えている期間にチャンスボタン136の操作が行われた場合には、ボタン予告表示136の出現を許容したり、あるいは再抽選による確変図柄等の導出図柄の予告等を行うようにしてもよい。
【0348】
さらに、本実施形態では、装飾図柄表示装置208に、先読み予告演出のボタン保留表示136aと通常予告演出のボタン予告表示136bが同時に複数表示されたり、先読み予告演出のボタン保留表示136aと通常予告演出のボタン予告表示136bが同時に表示されないように制御しているが、ボタン保留表示136aが表示されている期間は、ボタン保留表示136aが非表示の期間よりも低確率(図16(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様が選択される確率よりも低い確率)でボタン予告表示136bを表示するようにしてもよいし、反対に、ボタン予告表示136bが表示されている期間は、ボタン予告表示136bが非表示の期間よりも低確率(図14(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の先読み予告演出態様が選択される確率よりも低い確率)でボタン保留表示136aを表示するようにしてもよい。
【0349】
また、以上説明した実施形態のパチンコ機100は、特図が2種類あるものであったが、特図が1種類のものであってもよい。この場合には、上述の説明において「特図2」を単なる「特図」と読み替えて、特図2に関する処理と同じ処理が行われる。さらに、上記実施形態では、特図2優先変動機を例にあげて説明したが、入賞順変動機や同時変動機であってもよい。また、特図1に関する処理を、特図2に関する処理と同様に行うようにしてもよい。さらに、入賞順変動の場合は、電サポ状態中であっても特図1の図柄変動が行われることを想定しなければならず、非電サポ状態中でも特図2の図柄変動が行われることを想定しなければならないため、特図1の保留表示と特図2の保留表示を分けずに合わせた形で表示してもよい。
【0350】
さらにここでは、本発明をパチンコ機に適用した例を説明したが、本発明は、回動遊技機(スロットマシン)にも適用することが可能である。
【0351】
以上の説明では『遊技球が始動領域(例えば、第1特図始動口230,第2特図始動口232)に進入したことに基づいて生成した始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けた特図1および特図2の保留記憶部)と、前記始動情報記憶手段に始動情報が記憶されていることを表す始動保留表示(例えば、保留表示)を該始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに表示する始動保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を取得し、取得した始動情報に基づいて当否判定を行って当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定手段による前記当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り制御状態)を付与する特別遊技状態付与手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、遊技者が操作自在な操作手段(例えば、チャンスボタン136)と、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告する先読み予告演出を実行させる先読み予告演出制御手段を含む演出制御手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500を併せたもの)と、を備えた遊技台であって、前記先読み予告演出制御手段は、前記始動保留表示手段に、前記所定の始動情報についての始動保留表示を第一の表示態様(例えば、ボタン保留表示136aにおける表示態様)で表示させることによって、前記始動保留表示を用いた前記先読み予告演出を実行させるものであり、前記演出制御手段は、前記始動保留表示が前記第一の表示態様で表示されている期間内での所定期間は、実行中の前記先読み予告演出以外の演出(例えば、通常予告演出)であって前記操作手段の操作を促す演出(例えば、ボタン予告表示136b)を、実行させないかあるいは該始動保留表示が該第一の表示態様で表示されていない場合の所定の実行確率よりも低い実行確率で実行させるものであることを特徴とする遊技台。』
なお、前記先読み予告演出制御手段は、前記操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示態様から第二の表示態様に変化させることで前記先読み予告演出を継続させるものであってもよい。すなわち、前記先読み予告演出制御手段は、前記始動保留表示手段に、前記所定の始動情報についての始動保留表示を前記第一の表示態様によって表示させることで前記先読み予告演出を開始し、該所定の表示態様が前記先読み予告演出の一部に相当する。
【0352】
また、前記始動保留表示手段は、前記第一の表示態様とも前記第二の表示態様とも異なる第三の表示態様で前記始動保留表示を表示することがあるものであってもよく、該第三の表示態様は、例えば、前記先読み予告演出とは無関係のデフォルトの表示態様であってもよい。この場合、第一の表示態様から第二の表示態様による始動保留表示が出現すれば、先読み予告演出が継続したことになり、第一の表示態様から第三の表示態様による始動保留表示が出現すれば、先読み予告演出は終了したことになる。
【0353】
さらに、前記第二の表示態様が、前記先読み予告演出とは無関係のデフォルトの表示態様であってもよい。
【0354】
また、前記所定の表示態様が前記先読み予告演出自体ではなく、前記先読み予告演出の前兆演出であってもよい。すなわち、前記始動保留表示手段は、前記所定の始動情報についての始動保留表示を、前記操作手段の操作を促す表示態様である第一の表示態様によって表示することがあるものであって、前記先読み予告演出制御手段は、前記始動保留表示手段が前記第一の表示態様によって表示している始動保留表示の表示態様を、前記操作手段の操作に基づいて、該第一の表示態様とは異なる第二の表示態様に変化させることで前記先読み予告演出を実行するものであり、前記演出制御手段は、前記始動保留表示手段が前記始動保留表示を前記第一の表示態様によって表示している期間は、前記所定の始動情報に基づく当否判定が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告するための先読み予告演出以外の演出であって前記操作手段の操作を促す演出を、実行させないかあるいは該始動保留表示手段が該始動保留表示を該第一の表示態様によって表示していない場合よりも低い実行確率で実行させるものであってもよい。この場合には、前記第一の表示態様から前記第二の表示態様による始動保留表示が出現すれば、先読み予告演出に発展したことになり、前記第一の表示態様から前記第三の表示態様による始動保留表示が出現すれば、先読み予告演出は実行されなかったことになる。
【0355】
前記先読み予告演出以外の演出であって前記操作手段の操作を促す演出は、上記図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを、当該当否判定を行った後であって当該図柄変動表示が停止表示する前に報知するための報知演出であってもよいし、そのような先読み予告演出や報知演出といった、当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性に関する演出とは、異なる演出や無関係な演出であってもよい。
【0356】
さらに、遊技球が始動領域(例えば、第1特図始動口230,第2特図始動口232)に進入したことに基づいて生成した始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を所定の複数の上限数(例えば、4個)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けた特図1および特図2の保留記憶部)と、前記始動情報記憶手段に始動情報が記憶されたことを表す始動保留表示(例えば、保留表示)を該始動情報記憶手段に記憶された始動情報ごとに表示する始動保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を取得し、取得した始動情報に基づいて当否判定を行って当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定手段による前記当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り制御状態)を付与する特別遊技状態付与手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、遊技者が操作自在な操作手段(例えば、チャンスボタン136)と、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告する先読み予告演出を、該当否判定手段が該所定の始動情報を取得するよりも先に取得した該所定の始動情報に基づいて実行する先読み予告演出制御手段を含む演出制御手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500を併せたもの)と、を備えた遊技台であって、前記先読み予告演出制御手段は、前記始動保留表示手段に、前記所定の始動情報についての始動保留表示を第一の表示態様(例えば、ボタン保留表示136aにおける表示態様)で表示させることによって前記先読み予告演出を実行するものであり、前記演出制御手段は、前記始動保留表示が前記第一の表示態様で表示されている所定期間は、前記所定の始動情報に基づく当否判定が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告する先読み予告演出以外の演出(例えば、通常予告演出)であって前記操作手段の操作を促す演出(例えば、ボタン予告表示136b)を、実行させないかあるいは該始動保留表示が該第一の表示態様で表示されていない場合の所定の実行確率よりも低い実行確率で実行させるものであることを特徴とする遊技台。であってもよい。
【0357】
また、前記先読み予告演出制御手段は、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告するための先読み予告演出を該当否判定手段が該所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に開始するものであってもよい。
【0358】
また、図柄変動を開始してから前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに行う図柄表示手段を備えた態様であれば、前記先読み予告演出制御手段は、所定の始動情報に対応した図柄変動表示中及び当該図柄変動表示よりも先に実行される図柄変動表示中の少なくとも一方で該所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを予告するための先読み予告演出を実行するものであってもよい。
【0359】
また、前記先読み予告演出制御手段は、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることの予告についての実行可否が該当否判定手段が該所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に決定される先読み予告演出を実行するものであってもよい。
【0360】
また、前記先読み予告演出制御手段は、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告するための先読み予告演出を、前記始動情報記憶手段に該所定の始動情報が記憶されたことに基づいて実行するものであってもよいし、あるいは前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告するための先読み予告演出を、前記始動情報記憶手段に該所定の始動情報が記憶されたことを表すコマンドを受信したことに基づいて実行するものであってもよい。
【0361】
また、これまでの説明においては『図柄の変動表示を行い該図柄の変動表示を終えると前記当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄変動表示を、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに行う図柄表示手段(例えば、特図表示装置212,214)を備え、前記演出制御手段は、実行中の前記先読み予告演出以外の演出として、当該実行中の該先読み予告演出の始動保留表示とは異なる別始動保留表示を用いた他の前記先読み予告演出、あるいは前記所定期間に実行されている図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを当該図柄変動表示中に報知するための特定演出を対象にするものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0362】
なお、前記先読み予告演出制御手段は、前記所定期間は、該第一の表示態様によって表示している始動保留表示(例えば、ボタン保留表示136a)の始動情報とは異なる別始動情報についての始動保留表示を、該第一の表示態様では表示させないかあるいは該第一の表示態様では一つも表示させていない場合における該第一の表示態様の特定の表示確率(例えば、図14(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の先読み予告演出態様が選択される確率)よりも低い表示確率に基づいて該第一の表示態様で表示させるものであって、前記演出制御手段は、前記所定期間は、該所定期間に実行されている図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを当該図柄変動表示中に報知するための演出であって前記操作手段の操作を促す特定演出(例えば、ボタン予告表示136bによる演出)を、実行させないかあるいは該始動保留表示が該第一の表示態様で表示されていない場合の特定の実行確率(例えば、図16(a)に示す抽選テーブル1における「ボタン→A」や「ボタン→B」の通常予告演出態様が選択される確率)よりも低い実行確率で実行させるものであってもよい。
【0363】
また、これまでの説明においては『前記先読み予告演出制御手段は、前記所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を、前記操作手段(例えば、チャンスボタン136)の操作を受けて前記第一の表示態様(例えば、ボタン保留表示136aにおける表示態様)から第二の表示態様(例えば、特定のキャラクタを用いた表示態様)に変化させることで前記先読み予告演出を継続させるものであって、前記演出制御手段は、前記始動保留表示の表示態様が前記第一の表示態様から第二の表示態様に変化したことに基づき、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示が終了するまで前記特定演出(例えば、ボタン予告表示136bによる演出)を、実行させないようにした後あるいは該始動保留表示手段が該始動保留表示を前記所定の実行確率よりも低い実行確率で実行させた後、次に開始される図柄変動表示からは、開始された当該図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを当該図柄変動表示中に報知するための演出であって前記操作手段の操作を促す演出を該所定の実行確率で実行させる(例えば、図19(i))ものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0364】
また、これまでの説明においては『前記先読み予告演出制御手段は、前記所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を、前記操作手段の操作を受けて前記第一の表示態様から第二の表示態様に変化させることで前記先読み予告演出を継続させ(例えば、図26(d))、該所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を該操作手段の操作を受けて該第一の表示態様から該第二の表示態様に変化させたことに基づき、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示の途中であっても、前記別始動保留表示(例えば、図26(e)のタイミングの入賞に基づく新たな始動情報の保留表示)を前記所定の実行確率で該第一の表示態様によって表示させる(例えば、図26(e))ものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0365】
なお、前記先読み予告演出制御手段は、前記別始動情報(例えば、図26(e)のタイミングの入賞に基づく新たな始動情報)についての始動保留表示を前記特定の表示確率で該第一の表示態様によって表示させる(例えば、図26(e))ものであってもよい。
【0366】
また、前記先読み予告演出制御手段は、前記所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を、前記操作手段の操作を受けて前記第一の表示態様から第二の表示態様に変化させることで前記先読み予告演出を継続させる一方、前記別始動保留表示については、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示が終了するまで、該第一の表示態様では実行させないようにした後あるいは前記第一の表示態様で前記所定の実行確率よりも低い実行確率で実行させた後、次に開始される図柄変動表示からは、開始された当該図柄変動表示中に、該別始動保留表示を、該第一の表示態様で該所定の実行確率によって実行させるものであってもよい。こうすることで、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示中には、上記別始動保留表示を前記第一の表示態様によって表示するか否かを判定する必要がなくなり、制御処理の簡素化が実現できる場合がある。
【0367】
さらに、前記先読み予告演出制御手段は、前記所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を、前記操作手段の操作を受けて前記第一の表示態様から第二の表示態様に変化させることで前記先読み予告演出を継続させ、該所定の始動情報についての始動保留表示の表示態様を該操作手段の操作を受けて該第一の表示態様から該第二の表示態様に変化させたことに基づき、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示の途中であっても、前記別始動保留表示を該第一の表示態様によって表示可能なものであってもよい。すなわち、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示の途中であっても、前記別始動保留表示を、前記所定の実行確率以下の実行確率で該第一の表示態様によって表示させるものであってもよいし、前記所定の実行確率よりも低い実行確率で該第一の表示態様によって表示させるものであってもよいし、前記別始動保留表示を前記所定の実行確率よりも高い実行確率で該第一の表示態様によって表示させるものであってもよい。あるいは、反対に、前記所定期間に実行されていた図柄変動表示では、前記別始動保留表示も実行させない態様であってもよい。
【0368】
また、これまでの説明においては『遊技球が始動領域(例えば、第1特図始動口230,第2特図始動口232)に進入したことに基づいて生成された始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取得し、取得した始動情報に基づいて当否判定を行って当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定手段による前記当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り制御状態)を付与する特別遊技状態付与手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、図柄の変動表示を行い該図柄の変動表示を終えると前記当否判定の結果を表す図柄態様を停止表示する図柄変動表示を行う図柄表示手段(例えば、特図表示装置212,214)と、前記図柄変動表示で停止表示される図柄態様が表す当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを、当該図柄変動表示中に報知するための報知演出(例えば、通常予告演出)を行う報知演出手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500と装飾図柄表示装置208を併せたもの)と、前記当否判定手段による所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になる可能性があることを予告する先読み予告演出を実行させる先読み予告演出制御手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500を併せたもの)と、遊技者が操作自在な操作手段(例えば、チャンスボタン136)と、を備えた遊技台であって、前記報知演出手段は、前記操作手段の操作を促す報知態様である第一の報知態様(例えば、ボタン予告表示136bにおける報知態様)から、該操作手段の操作に基づいて該第一の報知態様とは異なる報知態様である第二の報知態様(例えば、通常予告演出における特定のキャラクタを用いた報知態様)へと報知態様が変化する操作対応報知演出(例えば、「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する通常予告演出態様による通常予告演出)を実行可能なものであり、前記先読み予告演出制御手段は、前記操作手段の操作を促す予告態様である第一の予告態様(例えば、ボタン保留表示136aにおける予告態様)から、該操作手段の操作に基づいて該第一の予告態様とは異なる予告態様である第二の予告態様(先読み予告演出における特定のキャラクタを用いた予告態様)へと予告態様が変化する操作対応先読み予告演出(例えば、「ボタン→A」や「ボタン→B」といった遊技者の操作に応じて表示態様が変化する先読み予告演出態様による先読み予告演出)を実行させることが可能なものであって、前記報知演出手段が前記第一の報知態様による報知演出を実行中には、該第一の予告態様による先読み予告演出を、実行させないかあるいは該第一の報知態様による報知演出が実行されていない場合の実行確率よりも低い実行確率で実行させるものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0369】
ここで、先読み予告演出制御手段は、前記先読み予告演出を、前記当否判定手段が前記所定の始動情報を取得するよりも先に取得した該所定の始動情報に基づいて実行するものであってもよい。
【0370】
なお、これまで記載した「?実行させないかあるいは・・・低い実行確率で実行させる」ということは、実行を一部又は完全に規制するといった意味を含み、「?表示させないかあるいは・・・低い表示確率に基づいて・・・表示させる」ということは、表示を一部又は完全に規制するといった意味を含む。
【0371】
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
【0372】
(付記1)
先読み予告のボタン操作報知中は、他のボタン操作を伴う演出の実行を規制する。
遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から取得した始動情報に基づいて当否判定を行い、当否判定結果を導出する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を付与する特別遊技状態付与手段と、
図柄変動を開始してから前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段と、
前記当否判定手段が前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に、該所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になるかどうかを予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が該所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に開始する事前予告手段と、
を備えた遊技台であって、
前記始動情報記憶手段に記憶されている前記始動情報の数を始動保留数として表示する始動保留数表示手段と、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記事前予告手段は、所定の始動保留表示に対して前記操作手段の操作を促す第1の予告態様から前記操作手段の操作に基づいて、前記第1の予告態様と異なる第2の予告態様へと変化する事前予告報知を実行可能となっており、
前記事前予告手段が、前記予告を前記第1の予告態様で実行している期間は、当該実行中の事前予告報知以外の演出であって、前記操作手段の操作を要する演出の実行を規制することを特徴とする遊技台。
【0373】
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記実行中の事前予告報知以外の事前予告報知の実行、又は、現在実行されている図柄変動表示が前記特定の当否判定結果になるかどうかを予告する予告報知の実行を規制することを特徴とする遊技台。
【0374】
(付記3)
付記2に記載の遊技台であって、
前記操作手段の操作により前記事前予告報知が前記第2の予告態様へと変化したことに基づき、当該図柄変動表示終了まで前記予告報知を規制した後、次回の図柄変動表示から前記予告報知を実行可能に構成したことを特徴とする遊技台。
【0375】
(付記4)
付記2又は3に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記操作手段の操作により前記事前予告報知が前記第2の予告態様へと変化したことに基づき、図柄変動表示中であっても別の前記事前予告報知を実行可能に構成したことを特徴とする遊技台。
【0376】
(付記5)
遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から取得した始動情報に基づいて当否判定を行い、当否判定結果を導出する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を付与する特別遊技状態付与手段と、
図柄変動を開始してから前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段と、
前記図柄表示手段に前記特定の当否判定結果を停止表示することを予告する予告手段と、
前記当否判定手段が前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に、該所定の始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が該所定の始動情報に基づく当否判定を行うよりも前に開始する事前予告手段と、
を備えた遊技台であって、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記予告手段は、前記操作手段の操作を促す第1の予告態様から前記操作手段の操作に基づいて、前記第1の予告態様と異なる第2の予告態様へと変化する予告報知を実行可能となっており、
前記操作手段の操作を要する予告報知の実行期間は、前記操作手段の操作を要する事前予告報知の実行を規制することを特徴とする遊技台。
【0377】
(付記6)
前記事前予告手段は、前記始動領域に対して新たな遊技球が進入して新たな始動情報を生成し、当該始動情報に基づく前記始動保留表示を実行する際に、前記予告態様判定手段が前記事前予告報知を前記第1の予告態様で実行中でないと判定した場合に、前記新たな始動情報に基づく事前予告報知を実行可能に構成することを特徴とする遊技台。
【0378】
(付記7)
前記実行中の事前予告報知以外の事前予告報知として、前記所定の始動保留表示とは異なる始動保留表示に対して前記操作手段の操作を促す第1の予告態様から前記操作手段の操作に基づいて、前記第1の予告態様と異なる第2の予告態様へと変化する事前予告報知であることを特徴とする遊技台。
【0379】
(付記8)
前記所定の情報に基づく事前予告報知が前記第1の予告態様で実行中か否かを判定する予告態様判定手段と、
前記予告報知の実行を決定する予告決定手段と、
を備え、
前記予告決定手段は、前記図柄変動表示の開始時に前記予告態様判定手段が前記事前予告報知を前記第1の予告態様で実行中でないと判定した場合に、前記予告報知を実行可能に決定することを特徴とする遊技台。
【0380】
(付記9)
前記事前予告報知は、前記第1の予告態様の実行から前記所定の始動保留表示に対応する前記図柄変動表示の開始時に前記始動保留表示が消えるまでの期間を前記操作手段の有効期間に設定する一方、前記予告報知は前記図柄変動表示において予め定められた期間を前記操作手段の有効期間に設定したことを特徴とする遊技台。
【0381】
(付記10)
遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から取得した始動情報に基づいて当否判定を行い、当否判定結果を導出する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を付与する特別遊技状態付与手段と、
図柄変動を開始してから前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段と、
を備えた遊技台であって、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記図柄表示手段に前記特定の当否判定結果を停止表示することを予告する予告手段を備え、
前記予告手段は、前記操作手段の操作を促す第1の予告態様から前記操作手段の操作に基づいて、前記第1の予告態様と異なる第2の予告態様へと変化する第1の予告および第2の予告を実行可能となっており、
前記予告手段が、前記始動情報記憶手段が先に記憶した始動情報に対応する第1の予告を前記第1の予告態様で実行している期間は、該始動情報記憶手段が後に記憶した始動情報に対応する第2の予告を前記第1の予告態様で実行することを規制する予告規制手段を備えたことを特徴とする遊技台。
【0382】
なお、ここにいう予告には先読み予告も含まれる。
【0383】
(付記11)
前記事前予告手段が、前記予告を前記第1の予告態様で実行している期間は、当該実行中の事前予告報知以外の演出であって、前記操作手段の操作を必要としない演出については実行を許容することを特徴とする遊技台。
【0384】
操作手段の操作を要しない予告については実行可能とすることで事前予告報知中の変動についても興趣を持たせることができる場合がある。
(付記12)
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が操作可能な位置に少なくとも設けられた操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、一のアイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、他のアイコンを該第一の表示態様で表示させないものであり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
(付記13)
付記12に記載の遊技台であって、
前記先読み予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後には、前記図柄変動表示の実行途中であっても前記他のアイコンを前記第一の表示態様で表示させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
(付記14)
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
複数種類の予告を少なくとも実行可能な予告手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が少なくとも操作可能な操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第一の予告であり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第二の予告であり、
前記第一の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴う予告であり、
前記第二の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴わない予告であり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものであり、
前記予告手段は、前記先読み予告手段が前記アイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、前記第一の予告および前記第二の予告のうち該第二の予告のみを実行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
(付記15)
付記14に記載の遊技台であって、
前記予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後に開始される前記図柄変動表示から前記第一の予告を少なくとも実行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
(付記16)
付記12乃至15のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記先読み予告手段は、前記アイコンを前記第一の表示態様で一旦表示させることなく前記第二の表示態様で少なくとも表示させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【0385】
なお、以上説明した実施形態や付記の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や付記に適用してもよい。
【符号の説明】
【0386】
100 パチンコ機
136 チャンスボタン
208 装飾図柄表示装置
208d 演出領域
212 第1特図表示装置
214 第2特図表示装置
230 第1特図始動口
232 第2特図始動口
2321 羽根部材
234 可変入賞口
2341 扉部材
300 主制御部
304 CPU
306 ROM
308 RAM
400 第1副制御部
404 CPU
406 ROM
408 RAM
500 第2副制御部
600 払出制御部
136a ボタン保留表示
136b ボタン予告表示
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が操作可能な位置に少なくとも設けられた操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、一のアイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、他のアイコンを該第一の表示態様で表示させないものであり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記先読み予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後には、前記図柄変動表示の実行途中であっても前記他のアイコンを前記第一の表示態様で表示させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段と、
前記図柄変動表示の実行に関する保留数を少なくとも報知可能な保留表示手段と、
複数種類の予告を少なくとも実行可能な予告手段と、
先読み予告を少なくとも実行可能な先読み予告手段と、
遊技者が少なくとも操作可能な操作手段と、
を備えた遊技台であって、
前記保留表示手段は、表示するアイコンの数により前記保留数を少なくとも報知可能なものであり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第一の予告であり、
前記複数種類の予告のうちの少なくとも一の予告は、第二の予告であり、
前記第一の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴う予告であり、
前記第二の予告は、前記操作手段の操作を少なくとも伴わない予告であり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第一の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記先読み予告手段は、前記保留表示手段に前記アイコンを第二の表示態様で表示させることにより前記先読み予告を少なくとも実行可能なものであり、
前記第一の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含む表示態様であり、
前記第二の表示態様は、前記操作手段の操作を促す表示態様を少なくとも含まない表示態様であり、
前記先読み予告手段は、前記操作手段が操作された場合に、前記アイコンを前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に少なくとも変化させることが可能なものであり、
前記予告手段は、前記先読み予告手段が前記アイコンを前記第一の表示態様で表示させている状態では、前記第一の予告および前記第二の予告のうち該第二の予告のみを実行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技台であって、
前記予告手段は、前記アイコンが前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に変化した後に開始される前記図柄変動表示から前記第一の予告を少なくとも実行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記先読み予告手段は、前記アイコンを前記第一の表示態様で一旦表示させることなく前記第二の表示態様で少なくとも表示させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-12-02 
出願番号 特願2011-179990(P2011-179990)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 852- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石塚 良一  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 泉 卓也
長崎 洋一
登録日 2013-05-10 
登録番号 特許第5263690号(P5263690)
発明の名称 遊技台  
代理人 吉延 彰広  
代理人 吉延 彰広  
代理人 倉澤 直人  
代理人 倉澤 直人  

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