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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04W
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04W
管理番号 1296358
審判番号 訂正2014-390135  
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-09-09 
確定日 2014-12-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5119070号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5119070号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由
第1.訂正の概要

本件審判請求は、特許第5119070号の特許請求の範囲を、請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲のとおり、請求項16乃至28からなる一群の請求項ごとに訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は次のとおりである。

請求項16乃至28からなる一群の請求項における、請求項16において、

「複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる、第1セル内の複数の加入者装置と、
前記複数の加入者装置に対して、クラスタ内のOFDMAサブキャリアを割り当てることができる、前記第1セル内の第1基地局と、を備えており、
前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信するようになっており、
前記加入者装置は、前記加入者装置のセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。」(以下「訂正前発明」という)

とあるのを、

「複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる、第1セル内の複数の加入者装置と、
前記複数の加入者装置に対して、クラスタ内のOFDMAサブキャリアを割り当てることができる、前記第1セル内の第1基地局と、を備えており、
前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信するようになっており、
前記加入者装置は、前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。」(以下「訂正後発明」という)

と訂正する。


第2.当審の判断

1.訂正の目的について

本件訂正は、訂正前発明の第4段落の「前記加入者装置は、前記加入者装置のセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。」における「前記加入者装置のセットを割り当てられた後、」を「前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、」に訂正するもの、つまり、「割り当てられ」る対象を「前記加入者装置のセット」から「前記サブキャリアのセット」に訂正するものである。

そして、訂正前発明において、明細書の記載を参照しても「加入者装置のセット」を割り当てる記載は存在せず、「加入者装置のセットを割り当てられた後、」の記載は下記2.のとおり、「前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、」の明らかな誤記であるから、本件訂正は誤記の訂正である。

したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

2.特許法第126条第5項に適合するかどうか(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項どうか)について

明細書【0023】において、「クラスタは、図1Aに示すように、少なくとも1つの物理的サブキャリアを保有している論理ユニットとして定義される。」と記載されているから、クラスタは「サブキャリアのセット」である。

明細書【0024】から【0033】に記載されている「サブキャリア・クラスタリング」をみると、【0025】に、「各基地局は、そのセル(又はセクター)内の各加入者にパイロットOFDM記号を周期的に同報通信する」及び「パイロット記号は、複数の目的、即ち、時間及び周波数の同期化、クラスタ割当のためのチャネル評価及び信号対干渉/ノイズ(SINR)比測定などに使用される。」と記載され、【0026】に「各加入者は、相対的に性能が良好な(例えば、高SINR低トラフィックローディングの)1つ又は複数のクラスタを選択して、これらの候補クラスタに関する情報を所定のアップリンクアクセスチャネルを通して基地局にフィードバックする」と記載されている。
よって、明細書によれば、各加入者は基地局が同報通信するパイロット信号のSINRを測定して、候補クラスタを選択し、候補クラスタに関するフィードバック情報を基地局に送信している。

また、明細書【0029】に「加入者からフィードバックを受信すると、基地局は、次に、候補の中から加入者用に1つ又は複数のクラスタを選択する」と記載されているから、基地局が加入者からの候補クラスタから「1つ又は複数のクラスタ」を選択しており、明細書【0029】の「基地局は、この情報をサブキャリア割当に使用して、セル間干渉を低減する。」及び明細書【0030】の「クラスタ選択の後、基地局は、ダウンリンク共通制御チャネルを通して、又は加入者への接続が既に設定されている場合には専用のダウンリンクトラフィックチャネルを通して、クラスタ割当について加入者に通知する」と記載されている。
よって、基地局は、候補クラスタから「1つ又は複数のクラスタ」を選択し、「クラスタ割当について加入者に通知」している。

さらに、明細書【0033】に「場合によっては、処理論理は、上記プロセスを繰り返すことによって再教育を実行する(処理ブロック106)。再教育は周期的に行なわれる。この再教育は、加入者の移動及びあらゆる干渉の変化を補償する。或る実施形態では、各加入者は、基地局に、その更新されたクラスタの選択及び付帯するSINRを報告する。すると、基地局は、再度選択し直して、加入者に新しいクラスタ割当を通知する。」と記載されているように、加入者が「更新されたクラスタの選択及び付帯するSINRを報告する」ことにより、基地局が「新しいクラスタ割当」を通知している。
ここで、加入者が基地局に報告する「クラスタの選択及び付帯するSINRを報告」は「フィードバック情報」といえるので、加入者は更新されたフィードバック情報を報告し、基地局から「新しいクラスタ割当」を受信している。
そして、明細書の記載の順番、上記割当は「再教育」であること、「新しいクラスタ割当」という記載は「古いクラスタ割当」が行われていることが前提であること、を考慮すれば、「新しいクラスタ割当」は、「古いクラスタ」が加入者に対して割当られた後に行われている処理であるといえる。

上記によれば、サブキャリアのセットが加入者に対して割り当てられた後に、新しいサブキャリアのセットが基地局からの受信により割り当てられること、が明細書に記載されている。

したがって、本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項であるから、特許法第126条第5項に適合する。

3.特許法第126条第6項に適合するかどうか(実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するかどうか)について

上記1.に記載したように、請求項中の記載が誤りであることが明らかであり、2.に記載したように、「前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、」は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項であり、かつ、明細書のその他の記載を参照しても、「クラスタ割当」について異なる処理を行っている記載は存在しないから、「クラスタ割当」について、「更新されたサブキャリアのセットを受信」するのが「サブキャリアのセットが割り当てられた後」に行われることは、自明な事項である。
請求項中の記載が、それ自体で、又は特許がされた明細書の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい事項が自明な事項として定まる場合において、その誤りを正しい範囲にする訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項に適合する。

4.特許法第126条第7項に適合するかどうか(独立特許要件)について

4-1.特表平11-508417号公報との対比

(1)引用例

特表平11-508417号公報(以下「引用例1」という。下線部は当審が付与。)には、

「発明の要約
本発明により、直交周波数分割多重(OFDM)システムにおけるアダプティブチャネル割当て(ACA)方法およびシステムが提供される。」(13頁27行?29行)

「本発明の最初の局面において、OFDMシステムの別々の各リンクでの通信に利用可能なN副搬送波の大きな群からM副搬送波の初期サブセットが選択される。数Mは特定リンクのデータレートによって決まり、システムのリンク間で変動することがある。次に、M副搬送波のサブセットはリンクを介して通信を運ぶのに使用される。通信が行われると、M副搬送波のサブセット内の副搬送波の信号品質レベル(C/I)、および利用可能なN副搬送波の全ての干渉レベル(I)が周期的に測定される。これらのC/IおよびI測定結果はシステムへ報告される。リンクを介した通信中に、システムはMのセットの副搬送波よりも良好にリンク上の信号受信を行えるより好ましい未使用副搬送波を、リンクが存在するセル内で利用可能であるかどうかをC/IおよびI測定値から決定する。より好ましい副搬送波が存在すると決定されると、システムは未使用副搬送波を含むようにM副搬送波のサブセットを再構成する。」(14頁15行?26行)

「本発明のACAでは、移動局と基地局間の各上り/下りリンクに対して、システムはいくつか(N)の副搬送波のセットからいくつか(M)の副搬送波のサブセットを選択する。N副搬送波のセットは各リンクに対してシステム内で利用可能な副搬送波のセットであり、N>Mである。N副搬送波のセットは通信中は変動しない。N副搬送波のセットはシステムの全副搬送波を含むことができる。また、N副搬送波のセットは利用可能な副搬送波の総数よりは少ないがM副搬送波のサブセット内の搬送波数よりも多いセットとすることができる。
次に、図2を参照して、OFDMシステムにおける本発明に従った副搬送波の割当てを示す。基地局200は下りリンク206および上りリンク208を介して移動局202と通信する。基地局200は下りリンク210および上りリンク212を介して移動局204とも通信する。」(18頁14行?24行)

「ACA処理部360はシステムの基地局内に配置することもできる。」(21頁2行?3行)

「次に、図6Aを参照して、本発明の別の実施例のACAプロセス中にリンク受信機としての移動局により実行されるステップを示すフロー図を示す。ACAプロセスは移動局がステップ602において測定順メッセージを受信する時に開始される。次に、ステップ604において、リンクにとって利用可能なN副搬送波群の各々について干渉(I)が移動局で測定される。次に、プロセスはステップ606へ移り、そこで最少干渉M副搬送波が決定される。ステップ606から、プロセスはステップ608へ移り、サブセット要求メッセージが移動局によりシステムへ送られる。サブセット要求メッセージは、移動局が要求したサブセット内の各副搬送波の使用を要求することをシステムへ示す。次に、プロセスはステップ610へ移り、移動局はシステムからの返答を待機する。次に、図7を参照して、プロセスがステップ610において待機状態である時にとられるプロセスステップについて説明する。
図7を参照して、ACAプロセスに移動局が含まれる場合に本発明の別の実施例に従ったシステムのACA処理部内で実行されるプロセスステップを示す。ステップ702において、ACA処理部はサブセット要求メッセージを受信する。次に、ステップ704において、システムは移動機が要求したサブセット内のM副搬送波の全てを使用できるかどうかを確認する。例えば、他の移動局が使用中であったり、特殊用途のためにシステム内に保存されている場合、ある副搬送波はセル内で利用できないことがある。M副搬送波の可用性はその使用が近隣セルの通信に及ぼす影響として決定することもできる。ACAはシステムオペレータがこれらの判断を行う際に柔軟性を与えるように設計される。移動局が要求したサブセット内のM副搬送波を全て使用できることが確認されれば、システムはサブセット受諾メッセージをリンク受信機へ送信する。しかしながら、ステップ704において、提示されるサブセットの副搬送波は移動局により使用されないことが確認されると、プロセスはステップ720へ移りシステムは利用不能な副搬送波を拒絶する副搬送波拒絶メッセージをM副搬送波のサブセットの一部として送信する。次に、プロセスフローはステップ722へ移り移動局からの返答を待機する。
次に、図6Aを参照して、ステップ612において、移動局はシステムから送信されるサブセット受諾メッセージもしくは副搬送波拒絶メッセージを受信する。サブセット受諾メッセージが受信されると、プロセスはステップ620へ移りそこでリンク受信機は割り当てられたサブセットを使用して受信を開始する。しかしながら、ステップ614において、副搬送波拒絶メッセージが受信されていることが確認されると、プロセスはステップ616へ移る。ステップ616において、リンク受信機は拒絶された要求副搬送波と置換する次の候補を決定する。これらの候補はMの提示されたセット内には無い利用可能なN副搬送波のセットの次に干渉の少ない副搬送波である。
ステップ616から、プロセスはステップ618へ移りそこで次の候補副搬送波を要求する副搬送波要求メッセージがシステムへ送信される。次に、プロセスはステップ610へ移りリンク受信機は返答を待つ。M副搬送波の完全なサブセットが受諾されるまで、プロセスはステップ610,612,614,616,618,および706,708により形成されるループを継続する。次に、プロセスはステップ620へ移り、そこで移動局は受諾されたサブセットを使用してリンクを介した受信を開始する。次に、プロセスはステップ622の待機状態へ移る。ステップ622の待機状態において、プロセスは呼終了もしくは測定タイマメッセージを受信することができる。呼終了および測定タイマメッセージは本発明の前記実施例について説明した呼終了および測定メッセージと同等である。リンク受信機はステップ624において呼終了もしくは測定タイマメッセージを受信してステップ626へ移り、そこで呼終了が受信されているかどうかが確認される。呼終了が受信されておれば、プロセスは終了する。しかしながら、測定タイマメッセージが受信されておれば、プロセスはステップ628へ移る。ステップ628において、移動局は利用可能なN副搬送波の全てについてIを測定し、各副搬送波について結果を平均化する。次に、ステップ630において、リンク受信機はM副搬送波のサブセットについてC/Iを測定し、各副搬送波について結果を平均化する。次に、プロセスは図6Bのステップ632へ移る。
ステップ632において、リンク受信機は最低C/Iを有するMのサブセットの副搬送波を決定する。次に、ステップ634において、最低C/Iがしきい値よりも小さいかどうかが確認される。しきい値よりも小さくなければ、プロセスはステップ622へ戻りそこでリンク受信機は別の呼終了もしくは測定タイマメッセージを待機する。しかしながら、最低C/Iがしきい値C/Iよりも小さいことが確認されると、プロセスはステップ636へ移る。ステップ636において、Nのセットのより干渉の少ない副搬送波がMのセット内に存在しないかどうかが確認される。より干渉の少ない副搬送波が存在しなければ、プロセスはステップ622へ戻る。しかしながら、より干渉の少ない副搬送波が存在すれば、より好ましい副搬送波が存在しプロセスはステップ638へ移る。ステップ638において、移動局は副搬送波要求メッセージをシステムへ送信して、M副搬送波のサブセット内に無い最少干渉副搬送波を最低C/I副搬送波に置換する副搬送波として要求する。次に、移動局内のプロセスはステップ640の待機状態へ移りプロセスフローは図7のステップ708へ移る。システムのACA処理部はステップ710において要求した副搬送波メッセージを受信する。ステップ632-638で略述した手順は、サブセットの最低C/Iを有する複数の使用副搬送波を決定し、次に複数のより干渉の少ない未使用副搬送波を要求した置換副搬送波と決定して実行することもできる。副搬送波要求メッセージの受信後、ステップ716において、要求した副搬送波が別の移動局のあるリンクを介してセル内で使用されるかどうかが確認される。要求した副搬送波がセル内で使用される場合、システムはステップ718へ移って要求した副搬送波拒絶メッセージを移動局へ送信し、プロセスはステップ708へ戻る。しかしながら、提示された置換副搬送波がセル内で使用されない場合には、システムは要求した副搬送波受諾メッセージを移動局へ送信し、プロセスはステップ708へ戻る。要求した副搬送波がセルにより使用されるかどうかを確認する替わりに、他の基準を使用して可用性を決定することができる。例えば、要求した副搬送波が近隣セル内で使用される場合には、システムは副搬送波要求を拒絶することができる。次に、プロセスはステップ640の待機状態からステップ642へ移り、移動局は受諾もしくは拒絶メッセージを受信する。次に、ステップ644において、要求した副搬送波が受諾されたかどうかが確認される。要求した副搬送波が受諾されておれば、プロセスはステップ646へ移り移動局はそれを介して受信しているM副搬送波のサブセットを、要求した副搬送波を含み最低C/I副搬送波を削除するように再構成する。次に、プロセスはステップ622の待機状態へ移る。しかしながら、要求した副搬送波が受諾されなければ、プロセスはステップ648へ移る。ステップ648において、移動局は、この測定期間内で要求した副搬送波としてまだ拒絶されていない、最低C/IのM副搬送波の搬送波よりも干渉が少ない新しい副搬送波が存在するかどうかを確認する。新しい候補副搬送波が存在しなければ、プロセスはステップ622の待機状態へ移る。しかしながら、新しい候補副搬送波が存在すれば、プロセスはステップ638へ移りそこで移動局は副搬送波要求メッセージをシステムへ送信する。メッセージはステップ648で見つけた新しい候補副搬送波を新しい置換副搬送波として要求する。次に、プロセスはステップ640へ移りシステムからの返答を待つ。要求した副搬送波が受諾されるかあるいは新しい候補が存在しなくなるまで、プロセスはステップ642,644,648,650および638および710,712,714および716もしくは718により形成されるループを継続する。次に、プロセスはステップ622の待機状態へ移る。ACAプロセスは呼全体を通して継続され、測定タイマメッセージが受信される度に呼び出される。呼が終了すると、プロセスはステップ624および626を通って終了する。」(27頁11行?31頁3行)

の記載があるから、引用例1には、

「直交周波数分割多重(OFDM)システムにおいて、
最初の局面において、OFDMシステムの別々の各リンクでの通信に利用可能なN副搬送波の大きな群からM副搬送波の初期サブセットが選択され、
次に、M副搬送波のサブセットはリンクを介して通信を運ぶのに使用され、
通信が行われると、M副搬送波のサブセット内の副搬送波の信号品質レベル(C/I)、および利用可能なN副搬送波の全ての干渉レベル(I)が周期的に測定され、これらのC/IおよびI測定結果はシステムへ報告され、
システムはMのセットの副搬送波よりも良好にリンク上の信号受信を行えるより好ましい未使用副搬送波を、リンクが存在するセル内で利用可能であるかどうかをC/IおよびI測定値から決定し、より好ましい副搬送波が存在すると決定されると、システムは未使用副搬送波を含むようにM副搬送波のサブセットを再構成するシステムであって、
基地局は下りリンク206および上りリンク208を介して移動局202と通信し、下りリンク210および上りリンク212を介して移動局204とも通信し、
ACA処理部360はシステムの基地局内に配置することもでき、
リンクにとって利用可能なN副搬送波群の各々について干渉(I)が移動局で測定され、最少干渉M副搬送波が決定され、移動局が要求したサブセット内の各副搬送波の使用を要求することをシステムへ示すサブセット要求メッセージが移動局によりシステムへ送られ、
ACA処理部はサブセット要求メッセージを受信し、システムは移動機が要求したサブセット内のM副搬送波の全てを使用できるかどうかを確認し、
移動局が要求したサブセット内のM副搬送波を全て使用できることが確認されれば、システムはサブセット受諾メッセージをリンク受信機へ送信し、
提示されるサブセットの副搬送波は移動局により使用されないことが確認されると、システムは利用不能な副搬送波を拒絶する副搬送波拒絶メッセージをM副搬送波のサブセットの一部として送信し、
移動局はシステムから送信されるサブセット受諾メッセージもしくは副搬送波拒絶メッセージを受信し、
サブセット受諾メッセージが受信されると、リンク受信機は割り当てられたサブセットを使用して受信を開始し、
副搬送波拒絶メッセージが受信されていることが確認されると、リンク受信機は拒絶された要求副搬送波と置換する次の候補を決定し、次の候補副搬送波を要求する副搬送波要求メッセージがシステムへ送信され、M副搬送波の完全なサブセットが受諾されるまで、ループを継続し、
移動局は受諾されたサブセットを使用してリンクを介した受信を開始し、
測定タイマメッセージが受信されておれば、移動局は利用可能なN副搬送波の全てについてIを測定して結果を平均化し、リンク受信機はM副搬送波のサブセットについてC/Iを測定して結果を平均化し、
リンク受信機は最低C/Iを有するMのサブセットの副搬送波を決定して、最低C/Iがしきい値よりも小さいかどうかが確認され、
最低C/Iがしきい値C/Iよりも小さいことが確認されると、Nのセットのより干渉の少ない副搬送波がMのセット内に存在しないかどうかが確認され、
より干渉の少ない副搬送波が存在すれば、移動局は副搬送波要求メッセージをシステムへ送信して、M副搬送波のサブセット内に無い最少干渉副搬送波を最低C/I副搬送波に置換する副搬送波として要求し、
システムのACA処理部は要求した副搬送波メッセージを受信し、
副搬送波要求メッセージの受信後、要求した副搬送波が別の移動局のあるリンクを介してセル内で使用されるかどうかが確認され、
提示された置換副搬送波がセル内で使用されない場合には、システムは要求した副搬送波受諾メッセージを移動局へ送信し、
移動局は受諾もしくは拒絶メッセージを受信する。」

の発明が記載されている。(以下「引用発明1」という。)

(2)訂正後発明と引用発明1の対比

例えば、特開平11-346203号公報の【0004】には、

「OFDMAは、OFDMを使用して複数のユーザが多元接続を行う方式である。」

の記載があり、
また、電子情報通信学会技術研究報告 RCS99-231,松井保憲、三瓶政一、森永規彦著「OFDMを用いた上下非対象通信システムにおける上り回線アクセス方式に関する検討」(2000年2月18日)の100頁左欄45行?50行には、

「OFDMの全てのサブキャリアを全ての端末で共有するOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)は、キャリアホールの概念を導入することにより容易に可変伝送速度が実現できるという優れた特長を有しており、マルチメディア通信に適していると考えられる。」

の記載があるように、技術常識としてOFDMAとは、「OFDMを使用して複数の端末がサブキャリアを共有する多元接続を行う方式」と解される。

引用発明1の「副搬送波」は訂正後発明の「サブキャリア」に相当する。
引用発明1は、OFDMの副搬送波、すなわちサブキャリアを用いて、移動局202および移動局204と通信するシステムである。
つまり、「OFDM」を用いて「複数の端末がサブキャリアを共有する多元接続を行」っているから、OFDMAといえる。

引用発明1における「移動局」と「リンク受信機」は、いずれも訂正後発明の「加入者装置」に相当する。
基地局によりセルが構成されることは技術常識であり、引用発明1は基地局が移動局202と移動局204の両方と通信するから、「第1セル内の複数の加入者装置」を有している。

引用発明1の「M副搬送波」はNの副搬送波から選択されたセットであるから、訂正後発明の「候補サブキャリアのセット」に相当する。

訂正後発明第3段落の「前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信する」ことにより、加入者装置が「前記サブキャリアのセットを割り当てられ」るから、訂正後発明の「前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信する」と引用発明1における「初期サブセットが選択」は、いずれも「初期サブセット」を選択している点で一致している。

引用発明1における「I」は干渉情報であるから、訂正後発明の「チャネル及び干渉情報」とは「干渉に関する情報」である点で一致する。

引用発明1における「サブセット要求メッセージ」は、移動局がM副搬送波の使用をシステムに要求するものであるから、「候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報」であるといえ、割当てを行うACA処理部は「システムの基地局内に配置」されているから、引用発明1は、「少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を基地局に提供」しているといえる。

引用発明1は、移動局が「受諾されたサブセットを使用してリンクを介した受信を開始し」た後、「測定タイマメッセージ」を受信することにより「N副搬送波の全てについてIを測定」するとともに「M副搬送波のサブセットについてC/Iを測定」して「干渉の少ない副搬送波が存在すれば、移動局は副搬送波要求メッセージをシステムへ送信して、M副搬送波のサブセット内に無い最少干渉副搬送波を最低C/I副搬送波に置換する副搬送波として要求」しているから、移動局は「更新されたフィードバック情報を提出」しているといえる。
そして、システムが「提示された置換副搬送波がセル内で使用されない場合には、システムは要求した副搬送波受諾メッセージを移動局へ送信」するから、移動局の「副搬送波要求メッセージ」は「更新されたサブキャリアのセット」を受信するための要求であり、システムが移動局へ送信した「要求した副搬送波受諾メッセージ」は移動局が受信することは明らかである。
上記によれば、引用発明1は「サブキャリアのセットを割当てられた」後に、「更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信」しているといえる。

したがって、引用発明1と訂正後発明は、

「複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアを表示するフィードバック情報を生成することができる、第1セル内の複数の加入者装置と、
前記複数の加入者装置に対して、OFDMAサブキャリアを割り当てることができる、前記第1セル内の第1基地局と、を備えており、
前記複数の加入者装置は、初期サブセットが選択され、
前記加入者装置は、前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。」

で一致し、

相違点1

「初期サブセット」の選択に関し、訂正後発明は、「前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信する」のに対し、引用発明1は、「リンクにとって利用可能なN副搬送波群の各々について干渉(I)が移動局で測定され、最少干渉M副搬送波が決定され、移動局が要求したサブセット内の各副搬送波の使用を要求することをシステムへ示すサブセット要求メッセージが移動局によりシステムへ送られ、ACA処理部はサブセット要求メッセージを受信し、システムは移動機が要求したサブセット内のM副搬送波の全てを使用できるかどうかを確認し、移動局が要求したサブセット内のM副搬送波を全て使用できることが確認されれば、システムはサブセット受諾メッセージをリンク受信機へ送信し、提示されるサブセットの副搬送波は移動局により使用されないことが確認されると、システムは利用不能な副搬送波を拒絶する副搬送波拒絶メッセージをM副搬送波のサブセットの一部として送信し、移動局はシステムから送信されるサブセット受諾メッセージもしくは副搬送波拒絶メッセージを受信し、サブセット受諾メッセージが受信されると、リンク受信機は割り当てられたサブセットを使用して受信を開始し、副搬送波拒絶メッセージが受信されていることが確認されると、リンク受信機は拒絶された要求副搬送波と置換する次の候補を決定し、次の候補副搬送波を要求する副搬送波要求メッセージがシステムへ送信され、M副搬送波の完全なサブセットが受諾されるまで、ループを継続する」ことにより初期サブセットの選択をする点。

相違点2

訂正後発明は、サブキャリアでクラスタを構成することで、加入者が生成するフィードバック情報が「サブキャリアのクラスタ」を表示して、第1基地局が「クラスタ内のOFDMAサブキャリア」を割当てることができるのに対し、引用発明1は、クラスタについて記載が無い点。

で相違する。

(3)当審の判断

ア.相違点1について、

1999 IEEE Wireless Communications and Networking Conference (22 Sep.1999) p757-761, Justin Chuang and Nelson Sollenberger "WIDEBAND WIRELESS DATA ACCESS BASED ON OFDM AND DYNAMIC PACKET ASSIGNMENT"(以下「引用例2」という。下線部は当審が付与。)には、

「Interference avoidance or dynamic channel assignment (DCA) has been used in some systems, but generally as a means of automatic channel assignment or local capacity enhancement. Some of the reasons for not fully exploiting the large potential capacity gain of DCA are the difficulties introduced by rapid channel reassignment and intensive receiver measurements required by a high performance DCA algorithm. OFDM is promising in overcoming these challenging implementation issues. To achieve the potential of DCA gain, channel reassignments must take place at high-speed to avoid rapidly changing interference. Dynamic Packet Assignment (DPA) based on properties of an OFDM physical layer is proposed which reassigns transmission resources on a packet by packet basis using high-speed receiver measurements to overcome these problems.[8] Having orthogonal subchannels well defined in time-frequency grids, OFDM has a key advantage here with the ability to rapidly measure interference or path loss parameters in parallel on all candidate channels, either directly or based on pilot tones.」(758頁右欄37行?55行)
(当審訳:
干渉回避または動的チャネル割当て(DCA)はいくつかのシステム内で使用されていることもあるが、一般に、自動チャネル割当て又は局所的な容量増強の手段として使用されてきた。DCAの潜在的な大きい容量利得が十分に利用されていないいくつかの理由としては、高速のチャネル再割り当てによって導入された困難性や高性能DCAアルゴリズムによって集中的な受信機測定が要求されていることなどがある。OFDMはこれらの実施に当たっての難しい問題を克服するものとして有望である。DCA利得の潜在性を実現するためには、急激に変化する干渉を避けるためにチャネル再割当てが高速に行われなければならない。これらの問題を克服するために、高速受信機測定を使用して伝送リソースをパケット単位で再割当てする、OFDM物理層の特性に基づいた動的パケット割当て(DPA)が提案されている[8]。時間と周波数のグリッドとして直交するサブチャネルがしっかり規定されるので、OFDMはここで、直接的にまたはパイロットトーンに基づいて、全ての候補チャネルで並行して干渉または経路損失パラメータを迅速に測定する能力を含む重要な利点を有する。)

「3.2 Frame Structure for Dynamic Packet Assignment
The downlink structure is shown in Figure 3. The uplink structure is similar but the control functions are slightly different. At the beginning of each frame, the control channels for both the uplink and downlink jointly perform the four DPA procedures, described in Section 2.2, sequentially with a pre-determined staggered schedule among adjacent base stations. Some control-channel overhead is included to allow three sectors to perform DPA at different time periods, thus obtaining additional SIR (Signal to Interference Ratio) enhancement for the control information. For traffic channels, spectrum reuse is achieved by interference avoidance using DPA to avoid slots that can cause potential interference. This frame structure permits SIR estimation on all unused traffic slots. The desired signal is estimated by the received signal strength from the 2 OFDM blocks used for paging, while the interference can be estimated by measuring 3 blocks of received pilot signals. The pilot channels are generated by mapping all the radio resources currently in use onto corresponding pilot subchannels, thus providing an “interference map” without monitoring the actual traffic subchannels. The OFDM scheme can process many subchannels in parallel, which provides a mechanism for very fast SIR estimation. In addition, since a total of 528 subchannels are available to map 22 resources over 3 OFDM blocks, significant diversity effects are achieved to reduce measurement errors. The estimated SIR is compared against an admission threshold (e.g., 10 dB in our example), so channel occupancy can be controlled to achieve good QoS (quality of service) for the admitted users.」(760頁左欄1行?28行)
(当審訳:
3.2 動的パケット割当てのためのフレーム構造
下り回線の構造を図3に示してある。上り回線の構造もこれに類似しているが、制御機能が僅かに異なる。各フレームの最初で、上り回線および下り回線用の両方の制御チャネルが協働して、セクション2.2に記載した4つのDPA手順を、隣接する基地局間において所定の時差スケジュールで逐次的に実行する。3つのセクターが異なる時間にDPAを実施でき、それによって制御情報のためのさらなるSIR(信号対干渉比)向上を得るために含まれている制御チャネルオーバーヘッドもある。トラフィックチャネルに対して、DPAを用いて潜在的な干渉を招く可能性があるスロットを回避する干渉回避によって、スペクトル再使用が実現される。このフレーム構造は、すべての未使用のトラフィックスロットのSIR推定を可能にする。所望の信号は、ページングに使用される2つのOFDMブロックから受信した信号強度によって推定され、干渉は3ブロックの受信したパイロット信号を測定することによって推定され得る。現在使用中のすべての無線リソースを、対応するパイロットサブチャネルにマッピングすることによって、パイロットチャネルが生成され、したがって、実際のトラフィックサブチャネルを監視することなく「干渉マップ」がもたらされる。OFDM方式では、多くのサブチャネルを並行して処理することができ、これによって極めて速いSIR推定用の機構が実現される。加えて、3つのOFDMブロックに対して22のリソースをマッピングするのに、合計528のサブチャネルが利用可能であるため、測定誤りを減少させるために著しいダイバーシティ効果が実現される。推定SIRは承認の閾値(たとえば本論文の例では30dB)と比較され、それによって、チャネル占有率は承認されたユーザーへの良好なQoS(サービス品質)を実現するように制御され得る。)

の記載があるから、

「伝送リソースの再割当てに際し、直接的にまたはパイロットトーンに基づいて、全ての候補チャネルで並行して干渉または経路損失パラメータを迅速に測定」(以下「記載技術1」という)
「図3に示すフレーム構造により、すべての未使用のトラフィックスロットのSIR推定を可能にし、所望の信号は、ページングに使用される2つのOFDMブロックから受信した信号強度によって推定され、干渉は3ブロックの受信したパイロット信号を測定することによって推定され、実際のトラフィックサブチャネルを監視することなく、干渉マップがもたらされる」(以下「記載技術2」という)

が引用例2に記載されている。

(ア)記載技術1について、

「直接的に」とは「受信したデータに」を意味するから、「受信したデータまたはパイロット信号に基づいて干渉または経路損失パラメータを測定する」ものであり、記載技術1は、「伝送リソースの再割当て」において、「受信したデータまたはパイロット信号」に基づく「干渉または経路損失パラメータ」の測定は、「受信したデータ」の代わりに「パイロット信号」を用いても良いことを示している。
つまり記載技術1は、「データ信号」の存在、すなわち「伝送リソースが割当てられた状態」を前提として、「データ信号」の代わりに「パイロット信号」に基づいた測定を行うことが可能であることを示しているに留まり、伝送リソースが割当てられておらず「データ信号」が無い状態、すなわち「初期サブセット」の決定段階での測定において「パイロット信号」に基づく「干渉または経路損失パラメータ」の測定を行うことが可能であることを示している訳では無い。

したがって、引用発明1において「初期サブセット」を決定するにあたり、初期サブセットが決定された後のデータ信号の存在を前提とする記載技術1を適用することを当業者は想到しない。

なお、引用発明1は、移動局が「受諾されたサブセットを使用してリンクを介した受信を開始し」た後に、「利用可能なN副搬送波の全てについてIを測定」し、「M副搬送波のサブセットについてC/Iを測定」している。
これは、副搬送波の品質の測定としては、IよりもC/Iを測定することが望ましい(仮にC/IよりもIを測定することが望ましいのであれば、常にIを測定すれば良く、C/Iを測定する必要が無い)のであるが、データを受信している副搬送波については「キャリア」が存在することから「C/I」を測定するものの、「利用可能なN副搬送波の全て」を測定する場合は、データの存在しない副搬送波が存在、すなわち「キャリア」が存在しない副搬送波についても測定を行う必要があるため「C/I」でなく「I」を測定しているのである。
上記によれば、引用発明1においてキャリアが存在しない場合には「C/I」を測定するのでなく「I」を測定することからも、引用発明1において「I」を測定する代わりに「C/I」を測定することが想定し得なかったことを示している。

(イ)記載技術2について、

「フレーム構造を用いることにより全ての未使用のトラフィックスロットのSIR推定」を行う方法は、「S」をページングに使用される2つのOFDMブロックから受信した信号強度により推定すると共に、「I」を3ブロックの受信したパイロット信号を測定することによって推定することにより、実際のトラフィックサブチャネルを監視することなく「S」と「I」を推定して「SIR」を推定するものである。
ここで図3にはスーパーフレームの2番目のフレームの制御スロットの詳細として基地局2がページング情報を各セクターが3ブロックのうちの2ブロックで送信し、基地局1、3、4がパイロット信号を3ブロックで送信することが記載されている。2番目のフレームは基地局2が送信しているフレームであるから、「ページングに使用される2つのOFDMブロック」から受信される信号強度は、自局の信号強度であり、「3ブロックの受信したパイロット信号」は隣接局が送信するパイロット信号である。
つまり、記載技術2は、自エリアの基地局が送信するページング信号と隣接エリアの基地局が送信するパイロット信号によりSIRを測定しているといえる。

記載技術2は、実際のトラフィックサブチャネルを監視しないから「初期サブセット」において用いることは可能であるものの、「自エリアの基地局」は「第1基地局」に相当するから、引用発明1において「干渉に関する情報」を測定するにあたり記載技術2を用いたとしても、「チャネルおよび干渉情報」の測定を「第1基地局」から受信した「ページング信号」と「第1基地局以外の基地局」から受信した「パイロット信号」に基づいて測定することを想到するだけであって、「第1基地局」から受信した「パイロット信号」によってチャネルおよび干渉情報を測定することは想到できず、訂正後発明は、引用発明1より容易に発明をすることができたとすることはできない。

(ウ)引用発明1におけるサブセット再構成の方法の適用可能性について、

引用発明1は、移動局が「受諾されたサブセットを使用してリンクを介した受信を開始し」た後に、「利用可能なN副搬送波の全てについてIを測定」し、「M副搬送波のサブセットについてC/Iを測定」している。
これは、副搬送波の品質の測定としては、IよりもC/Iを測定することが望ましい(仮にC/IよりもIを測定することが望ましいのであれば、常にIを測定すれば良く、C/Iを測定する必要が無い)のであるが、データを受信している副搬送波については「キャリア」が存在することから「C/I」を測定するものの、「利用可能なN副搬送波の全て」を測定する場合は、データの存在しない副搬送波が存在、すなわち「キャリア」が存在しない副搬送波についても測定を行う必要があるため「C/I」でなく「I」を測定しているのである。
これは、M副搬送波が割り当てられる前の状態において「C/I」を測定することができないことを示しているから、引用発明1の「初期サブセット」の割り当てに適用することはできない。
また、第1基地局から受信したパイロット信号に基づいた測定を行うことも記載されていない。

(エ)まとめ

相違点1について、引用例1より容易に発明をすることができたとすることはできない。

イ.相違点2について

本件明細書【0023】に「クラスタ102のようなクラスタは、図1Aに示すように、少なくとも1つの物理的サブキャリアを保有している論理ユニットとして定義される。」と記載されているように、クラスタは「少なくとも1つの物理的サブキャリアを保有している論理ユニット」である。
そうすると、引用発明1の副搬送波のセットを「論理ユニット」として把握することは、なんら技術的な事項を必要としない論理的概念に過ぎない。

したがって、引用発明1において、副搬送波のセットでクラスタを構成することにより、「サブキャリアのクラスタ」を表示したり「クラスタ内のOFDMAサブキャリア」を割当てるようにすることは容易である。

(4)小括

訂正後発明は、引用発明1より容易に発明をすることができたとすることはできない。

4-2.引用例2との対比

(1)引用例

1999 IEEE Wireless Communications and Networking Conference (22 Sep.1999) p757-761, Justin Chuang and Nelson Sollenberger "WIDEBAND WIRELESS DATA ACCESS BASED ON OFDM AND DYNAMIC PACKET ASSIGNMENT"(下線部は当審が付与。)には、

「2.2 MAC-layer techniques
Very high spectrum efficiency will be required for wideband OFDM, particularly for macrocellular operation. First generation cellular systems used fixed channel assignment. Second generation cellular systems generally use fixed channel assignment or interference averaging with spread-spectrum. WCDMA will also use interference averaging. It was shown by Pottie [7] that interference averaging techniques can perform better than fixed channel assignment techniques, whereas interference avoidance techniques can outperform interference averaging techniques by a factor of 2 to 3 in spectrum efficiency.
Interference avoidance or dynamic channel assignment (DCA) has been used in some systems, but generally as a means of automatic channel assignment or local capacity enhancement. Some of the reasons for not fully exploiting the large potential capacity gain of DCA are the difficulties introduced by rapid channel reassignment and intensive receiver measurements required by a high performance DCA algorithm. OFDM is promising in overcoming these challenging implementation issues. To achieve the potential of DCA gain, channel reassignments must take place at high-speed to avoid rapidly changing interference. Dynamic Packet Assignment (DPA) based on properties of an OFDM physical layer is proposed which reassigns transmission resources on a packet by packet basis using high-speed receiver measurements to overcome these problems.[8] Having orthogonal subchannels well defined in time-frequency grids, OFDM has a key advantage here with the ability to rapidly measure interference or path loss parameters in parallel on all candidate channels, either directly or based on pilot tones.
The basic protocol for a downlink comprises four basic steps: (1) a packet page from a base station to a terminal; (2) rapid measurements of resource usage by a terminal using the parallelism of an OFDM receiver; (3) a short report from the terminal to the base station of the potential transmission quality associated with each radio resource; and (4) selection of resources by the base and transmission of the data. The frame structures of adjacent base stations are staggered in time, i.e., neighboring base stations sequentially perform the four different DPA functions outlined above with a pre-determined rotational schedule. This avoids collisions of channel assignments. In addition to achieving much of the potential gain of a rapid interference avoidance protocol, this protocol provides a good basis for admission control and bit-rate adaptation based on measured signal quality」(758頁右欄27行?759頁左欄12行)
(当審訳:
2.2 MAC層技術
広帯域OFDM、特にマクロセルの動作には、極めて高いスペクトル効率が要求される。第1世代セルラーシステムでは固定チャネル割当てを使用していた。第2世代セルラーシステムでは一般に、固定チャネル割当てまたは拡散スペクトルによる干渉平均化を利用している。WCDMAは干渉平均化も利用することになる。Pottie[7]らによれば、干渉平均化技法は固定チャネル割当て技法よりも良好に行えるが、干渉回避技法は干渉平均化技術よりも2?3倍優れたスペクトル効率で行える。
干渉回避または動的チャネル割当て(DCA)はいくつかのシステム内で使用されていることもあるが、一般に、自動チャネル割当て又は局所的な容量増強の手段として使用されてきた。DCAの潜在的な大きい容量利得が十分に利用されていないいくつかの理由としては、高速のチャネル再割り当てによって導入が困難になっていることや高性能DCAアルゴリズムによって集中的な受信機測定が要求されていることなどがある。OFDMはこれらの実施に当たっての難しい問題を克服するものとして有望である。DCA利得の潜在性を実現するためには、急激に変化する干渉を避けるためにチャネル再割当てが高速に行われなければならない。これらの問題を克服するために、高速受信機測定を使用して伝送リソースをパケット単位で再割当てする、OFDM物理層の特性に基づいた動的パケット割当て(DPA)が提案されている[8]。時間と周波数のグリッドとして直交するサブチャネルがしっかり規定されるので、OFDMはここで、直接的にまたはパイロットトーンに基づいて、全ての候補チャネルで並行して干渉または経路損失パラメータを迅速に測定する能力を含む重要な利点を有する。
下り回線用の基本プロトコルには、以下の4つの基本行程が含まれる。(1)基地局から端末へのパケットページング、(2)OFDM受信機の並列処理を用いた、端末によるリソース使用の迅速な測定、(3)各無線リソースに関する可能性のある伝送品質についての、端末から基地局への短い報告、(4)基地局によるリソースの選択およびデータの伝送。隣接基地局のフレーム構造は時間をずらしている。すなわち、隣接基地局は所定の回転スケジュールの4つの異なるDPA機能を順次実行する。これはチャネル割当ての衝突を避けることができる。高速干渉回避プロトコルの潜在的な大きな利得の達成に加え、このプロトコルは信号品質の測定に基づいて受付制御とビットレート適合の良い基礎を提供する。)

「3.2 Frame Structure for Dynamic Packet Assignment
The downlink structure is shown in Figure 3. The uplink structure is similar but the control functions are slightly different. At the beginning of each frame, the control channels for both the uplink and downlink jointly perform the four DPA procedures, described in Section 2.2, sequentially with a pre-determined staggered schedule among adjacent base stations. Some control-channel overhead is included to allow three sectors to perform DPA at different time periods, thus obtaining additional SIR (Signal to Interference Ratio) enhancement for the control information. For traffic channels, spectrum reuse is achieved by interference avoidance using DPA to avoid slots that can cause potential interference. This frame structure permits SIR estimation on all unused traffic slots. The desired signal is estimated by the received signal strength from the 2 OFDM blocks used for paging, while the interference can be estimated by measuring 3 blocks of received pilot signals. The pilot channels are generated by mapping all the radio resources currently in use onto corresponding pilot subchannels, thus providing an “interference map” without monitoring the actual traffic subchannels. The OFDM scheme can process many subchannels in parallel, which provides a mechanism for very fast SIR estimation. In addition, since a total of 528 subchannels are available to map 22 resources over 3 OFDM blocks, significant diversity effects are achieved to reduce measurement errors. The estimated SIR is compared against an admission threshold (e.g., 10 dB in our example), so channel occupancy can be controlled to achieve good QoS (quality of service) for the admitted users.」(760頁左欄1行?28行)
(当審訳:
3.2 動的パケット割当てのためのフレーム構造
下り回線の構造を図3に示してある。上り回線の構造もこれに類似しているが、制御機能が僅かに異なる。各フレームの最初で、上り回線および下り回線用の両方の制御チャネルが協働して、セクション2.2に記載した4つのDPA手順を、隣接する基地局間において所定の時差スケジュールで逐次的に実行する。3つのセクターが異なる時間にDPAを実施でき、それによって制御情報のためのさらなるSIR(信号対干渉比)向上を得るために含まれている制御チャネルオーバーヘッドもある。トラフィックチャネルに対して、DPAを用いて潜在的な干渉を招く可能性があるスロットを回避する干渉回避によって、スペクトル再使用が実現される。このフレーム構造は、すべての未使用のトラフィックスロットのSIR推定を可能にする。所望の信号は、ページングに使用される2つのOFDMブロックから受信した信号強度によって推定され、干渉は3ブロックの受信したパイロット信号を測定することによって推定され得る。現在使用中のすべての無線リソースを、対応するパイロットサブチャネルにマッピングすることによって、パイロットチャネルが生成され、したがって、実際のトラフィックサブチャネルを監視することなく「干渉マップ」がもたらされる。OFDM方式では、多くのサブチャネルを並行して処理することができ、これによって極めて速いSIR推定用の機構が実現される。加えて、3つのOFDMブロックに対して22のリソースをマッピングするのに、合計528のサブチャネルが利用可能であるため、測定誤りを減少させるために著しいダイバーシティ効果が実現される。推定SIRは承認の閾値(たとえば本論文の例では30dB)と比較され、それによって、チャネル占有率は承認されたユーザーへの良好なQoS(サービス品質)を実現するように制御され得る。)

の記載があるから、引用例2には、

「広帯域OFDMにおいて、
基地局から端末へのパケットページングを行い、端末によるリソース使用の迅速な測定を行い、各無線リソースに関する可能性のある伝送品質についての、端末から基地局への短い報告を行い、基地局によるリソースの選択およびデータの伝送を行い、
図3に示すフレーム構造により、すべての未使用のトラフィックスロットのSIR推定を可能にし、所望の信号は、ページングに使用される2つのOFDMブロックから受信した信号強度によって推定され、干渉は3ブロックの受信したパイロット信号を測定することによって推定される。」

の発明が記載されている。(以下「引用発明2」という)

(2)訂正後発明と引用発明2の対比と判断

引用発明2の「各無線リソースに関する可能性のある伝送品質についての、端末から基地局への短い報告」について、どのような伝送品質の報告であるのか記載が無く、「無線リソースに関する可能性のある伝送品質」が訂正後発明の「候補サブキャリアのセット」の伝送品質であると解することはできないから、訂正後発明は、引用発明2から容易に発明をすることができたとはいえない。

また、引用発明2の「チャネル及び干渉情報」の測定は「第1基地局から受信したページングと第1基地局以外の基地局から受信したパイロット信号」に基づいて測定しており、訂正後発明の「第1基地局から受信したパイロット信号」に基づいて複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定する記載は無いから、訂正後発明は、引用発明2から容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括

訂正後発明は、引用発明2より容易に発明をすることができたとすることはできない。

4-3.独国特許発明第19800953号明細書との対比

(1)引用例

独国特許発明第19800953号明細書には、(a,u,oのウムラウトを[a^][u^][o^]、エスツェットを[ss]で表記した。以下「引用例3」という。下線部は当審が付与。)

「Der Erfindung liegt die Aufgabe zugrunde, ein verbessertes Verfahren und Funk-Kommunikationssystem zur Zuteilung von Funkressourcen bei Anwendung des OFDMA-Multitra^gerverfahrens anzugeben. Diese Aufgabe wird gema^ss der Erfindung durch das Verfahren mit den Merkmalen des Patentanspruchs 1 und durch das Funk-Kommunikationssystem mit den Merkmalen des Patentanspruchs 12 gelo^st. Weiterbildungen der Erfindung sind den Unteranspru^chen zu entnehmen.
Das erfindungsgema^sse Verfahren geht aus von dem OFDMA-Multitra^gerverfahren und der Nutzung einer Anzahl von Subtra^gern, die fu^r die Kommunikationsverbindung zwischen Basisstation und Mobilstationen zugeteilt werden, und umfasst folgende Schritte:
- Messen der Qualita^t unterschiedlicher Segmente des Frequenzspektrums durch jede Mobilstation,
- Bestimmen zumindest eines fu^r die eigene Kommunikationsverbindung bevorzugt geeigneten Segments durch jede Mobilstation und Senden einer entsprechenden Information zur Basisstation,
- Auswerten der von den Mobilstationen empfangenen Informationen durch die Basisstation und Zuteilen eines Segments fu^r die jeweilige Kommunikationsverbindung an jede Mobilstation abha^ngig von der Auswertung,
- Senden einer Information u^ber das zugeteilte Segment zu jeder Mobilstation durch die Basisstation.
Das erfindungsgema^sse Funk-Kommunikationssystem geht ebenfalls aus von dem OFDMA-Multitra^gerverfahren und der Nutzung einer Anzahl von Subtra^gern, die fu^r die Kommunikationsverbindung zwischen Basisstation und Mobilstation zugeteilt werden, und umfasst folgende Mittel:
- Steuermittel in jeder Mobilstation zum Messen der Qualita^t unterschiedlicher Segmente des Frequenzspektrums und zum Bestimmen zumindest eines fu^r die eigene Kommunikationsverbindung bevorzugt geeigneten Segments,
- Sendemittel in jeder Mobilstation zum Senden einer entsprechenden Information zur Basisstation,
- Steuermittel in jeder Basisstation zum Auswerten der von den Mobilstationen empfangenen Informationen und zum Zuteilen eines Segments fu^r die jeweilige Kommunikationsverbindung an jede Mobilstation abha^ngig von der Auswertung, sowie
- Sendemittel in jeder Basisstation zum Senden einer Information u^ber das zugeteilte Segment zu jeder Mobilstation.」(1欄46行?2欄27行)
(当審訳:
本発明が基礎とする課題は、OFDMAマルチキャリア方式を使用して無線リソースを割当てるための改善された方法及び無線通信システムを提供することである。
この課題は、本発明によれば、請求項1の特長部分に記載されている構成を備えた方法によって、また請求項12の特長部分に記載されている構成を備えた無線通信システムによって解決される。本発明の発展形態は従属請求項に記載されている。
本発明による方法は、OFDMAマルチキャリア方式と、基地局と移動局との間の通信コネクションに対して割当てられている複数のサブキャリアの利用とを基礎とし、また以下のステップを備えている:
- 周波数帯域の、相異なるセグメントの品質を各移動局によって測定するステップ
- 各移動局によって、自身の通信コネクションにとって好適な少なくとも一つのセグメントを決定し、対応する情報を基地局に送信するステップ
- 基地局によって、移動局から受信した情報を評価し、その評価に応じて各通信コネクションのために1つのセグメントを各移動局に割当てるステップ
- 基地局によって、割当てられたセグメントに関する情報を各移動局に送信するステップ
同様に本発明による無線通信システムは、OFDMAマルチキャリア方式と、基地局と移動局との間の通信コネクションに対して割当てられる複数のサブキャリアの利用とを基礎とし、また以下の手段を備えている:
- 周波数帯域の、相異なるセグメントの品質を測定し、自身の通信コネクションにとって好適な少なくとも一つのセグメントを決定するための、各移動局における制御手段、
- 対応する情報を基地局に送信する為の、各移動局における送信手段
- 移動局から受信した情報を評価し、その評価に応じて各通信コネクションに対して1つのセグメントを各移動局に割当てるための、各基地局における制御手段、ならびに
- 割当てられたセグメントに関する情報を各移動局に送信する、各基地局における送信手段。)

「Gema^ss dem Erfindungsgegenstand misst jede Mobilstation MS die Qualita^t unterschiedlicher Segmente des Frequenzspektrums, wobei sie alle Subtra^ger in dem ihr zugewiesenen Zeitschlitz empfa^ngt, fu^r jeden individuellen Subtra^ger dessen Qualita^t u^berpru^ft und anschliessend die ermittelten Qualita^ten der Subtra^ger mittelt. Danach bestimmt jede Mobilstation zumindest ein fu^r die eigene Kommunikationsverbindung bevorzugt geeignetes Segment und sendet eine entsprechende Information zur Basisstation BS. Im vorliegenden Beispiel ermittelt die erste Mobilstation ein Segment Sx mit den Subtra^gern oc00... oc40 als das fu^r sie am besten geeignete Segment. Daru^ber hinaus bestimmt sie Segmente Sy, Sz als weitere, fu^r die eigene Kommunikationsverbindung bevorzugt geeignete Segmente. In eine Priorita^tenliste PL1 werden Informationen u^ber die Segmente Sx, Sy, Sz eingetragen, entsprechend ihrer Eignung fu^r die Kommunikationsverbindung numeriert und zur Basisstation BS gesendet.」(4欄54行?5欄3行)
(当審訳:
本発明では、各移動局MSがそれぞれ、周波数帯域の、相異なるセグメントの品質を測定する。その際には各移動局MSは、各移動局に割当てられたタイムスロット内で全てのサブキャリアを受信し、サブキャリア毎に個別にその品質を検査し、その後、各サブキャリアの決定された品質の平均を取る。その後、各移動局はそれぞれ、自身の通信コネクションに好適な少なくとも1つのセグメントを特定し、対応する情報を基地局BSへ送信する。この実施例では、第1の移動局は、サブキャリアoc00?oc40を有するセグメントSxが当該第1の移動局に最も適したセグメントであることを特定する。さらに、第1の移動局は、自身の通信コネクションに好適なほかのセグメントとして、セグメントSy,Szを特定する。優先リストPL1には、セグメントSx,Sy,Szに関する情報が登録され、これらの情報には、通信コネクションに対する各セグメントの適性に応じて番号が付与され、基地局BSへ送信される。)

「Die Basisstation BS wertet alle von den Mobilstationen MS empfangenen Informationen aus und teilt abha^ngig von der Auswertung jeder Mobilstation ein Segment fu^r die jeweilige Kommunikationsverbindung zu. Eine Information u^ber das jeweils zugeteilte Segment sendet die Basisstation zu jeder Mobilstation. Im vorliegenden Beispiel sei angenommen, dass jeder Mobilstation MS das von ihr gewu^nschte am besten geeignete Segment zugeteilt werden konnte. Dies ha^ngt auch von den U^bertragungsbedingungen und/oder der Auslastung der von der Basisstation BS versorgten Funkzelle nach Vorgaben des Operations- und Wartungszentrums OMC oder der Basisstationssteuerung BSC zum Funkressourcenmanagement ab. So erhalten die erste Mobilstation MS das Segment Sx, die zweite Mobilstation MS das Segment Sa und die dritte Mobilstation MS das Segment Sm, jeweils mit den entsprechenden OFDMA-Subtra^gern co..., von der Basisstation BS zugeteilt. Den individuellen Mobilstationen MS kann auch eine unterschiedliche Anzahl von Zeitschlitzen zur U^bertragung der Datensymbole in den zugeteilten Segmenten zugewiesen werden. Die Flexibilita^t des erfindungsgema^ssen Verfahrens wird besonders vorteilhaft ausgenutzt, wenn den Mobilstationen MS von der Basisstation BS Segmente des Frequenzspektrums zugeteilt sind, deren Bandbreiten sich unterscheiden, oder eine unterschiedliche Anzahl von Zeitschlitzen fu^r die U^bertragung der Datensymbole in den zugeteilten Segmenten vorgesehen ist. Damit ko^nnen fu^r individuelle Kommunikationsverbindungen, die sich voneinander unterscheiden, die am besten geeigneten Segmente zur Kommunikation jederzeit bestimmt und bei Bedarf gea^ndert werden.」(5欄26行?55行)
(当審訳:
基地局BSは、上記移動局MSから受信した全ての情報を評価し、各移動局の評価結果に応じて、各通信コネクションに対してセグメントを割当てる。それぞれ割当てたセグメントに関する情報は、基地局から各移動局へ送信される。この実施例では、各移動局MSに対し、各移動局MSが所望する最も適切なセグメントを割当てることができたと仮定する。このことは、無線リソースマネージメントに対するオペレーションメンテナンスセンタOMC又は基地局制御部BSCの設定に応じて基地局BSにより供給させる無線セルの稼働率及び/又は伝送条件にも既存する。このようにして、基地局BSにより、それぞれ対応するOFDMAサブキャリアco......を有する各セグメントについて、第1の移動局MSにはセグメントSxが割当てられ、第2の移動局MSにはセグメントSaが割当てられ、第3の移動局MSにはセグメントSmが割当てられる。それぞれ割当てられたセグメントでデータシンボルを伝送するために、移動局MSごとに個別に異なる数のタイムスロットを割当てることも可能である。
基地局BSが複数の移動局MSに対して割当てる周波数帯域のセグメントの帯域幅が相違する場合、又は、割当てられるセグメントでデータシンボルを伝送するためのタイムスロットのかずが相違する周波数帯域のセグメントを基地局BSが移動局MSに割当てる場合、本発明の方法のフレキシビリティを特に有利に活用することができる。このことにより、いつでも、異なる通信コネクションごとに個別に通信に最も適したセグメントを決定することができ、必要に応じて変更することができる。)

の記載があるから、引用例3には、

「OFDMAマルチキャリア方式を使用して無線リソースを割当てるための改善された方法であって、
各移動局に割当てられたタイムスロット内で全てのサブキャリアを受信し、サブキャリア毎に個別にその品質を検査して決定された品質の平均を取ることでセグメントの品質を測定し、自身の通信コネクションにとって好適な少なくとも一つのセグメントを決定し、対応する情報を基地局に送信し、
基地局によって、移動局から受信した情報を評価し、その評価に応じて各通信コネクションのために1つのセグメントを各移動局に割当て、割当てられたセグメントに関する情報を各移動局に送信し、
それぞれ割当てられたセグメントでデータシンボルを伝送するために、移動局MSごとに個別に異なる数のタイムスロットを割当てることも可能であり、
いつでも、異なる通信コネクションごとに個別に通信に最も適したセグメントを決定することができ、必要に応じて変更することができる。」

の発明が記載されている。(以下「引用発明3」という)

(2)訂正後発明と引用発明3の対比と判断

引用発明3の「品質の測定」はどのような信号に基づいてどのような項目の測定を行っているのか記載されておらず、訂正後発明の「第1基地局から受信したパイロット信号」に基づいて複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定する記載は無く、他の引用例にも「第1基地局から受信したパイロット信号」に基づいて複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定することは記載されていないから、訂正後発明は、引用発明3より容易に発明をすることができたとすることはできない。

したがって、訂正後発明は、引用発明3から容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括

訂正後発明は、引用発明3より容易に発明をすることができたとすることはできない。

4-4.小括

上記のとおり、訂正後発明は、引用例1乃至3から容易であるということは出来ない。
また、その他に特許を受けることができない理由を発見しない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7号に適合する。


5.特許法第126条第3項に適合するかどうか(一群の請求項かどうか)について、

請求項17乃至28は、請求項16を直接あるいは間接に引用するものであり、他に請求項16を引用する請求項はないから、本件訂正は一群の請求項ごとにされるものであり、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。


第3.むすび

以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、特許法第126条第3項、第5項、第6項、第7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
適応サブキャリア-クラスタ構成及び選択的ローディングを備えたOFDMA
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法において、
加入者装置が、基地局から受信したパイロット記号に基づいて、複数のサブキャリアについてチャネル及び干渉情報を測定する段階と、
前記加入者装置が、候補サブキャリアのセットを選択する段階と、
前記加入者装置が、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供する段階と、
前記加入者装置が、前記加入者装置用として前記基地局により選択された前記サブキャリアのセットのサブキャリアの表示を受信する段階と、から成り、
前記加入者装置は、割り当てられるべき前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受けるために、更新されたフィードバック情報を提出する段階と、その後、前記加入者装置が、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信する段階とを更に含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記加入者装置が前記表示を前記基地局に送信する段階を更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加入者装置用として前記基地局により選択された前記サブキャリアのセットの表示を送信する段階を更に含んでいることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局がセル間干渉回避に基づいて前記加入者装置にサブキャリアを選択する段階を更に含んでいることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記加入者装置が、チャネル及び干渉情報を測定するために、パイロット記号期間及びデータ期間からの情報を使用する段階を更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パイロット記号は、OFDM周波数帯域幅全体を占めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局から受信されたパイロット記号と同時に送信された異なるセルからの少なくとも1つの他のパイロット記号は、互いに衝突することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局が、前記基地局で入手可能な追加情報に基づいて、候補サブキャリアのセットからサブキャリアを選択する段階を更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記追加情報は、サブキャリアの各クラスタに関するトラフィックロード情報を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トラフィックロード情報は、前記基地局のデータバッファによって提供されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サブキャリアの表示は、ダウンリンク制御チャネルを介して受信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のサブキャリアは、基地局が割り当てることのできる全てのサブキャリアから成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記フィードバック情報を提供する段階は、候補サブキャリアのセットをサブキャリアのクラスタとして任意に順序付ける段階から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記任意順序の候補クラスタは、最も望ましい候補クラスタが最初に掲載される順序に並んだクラスタから成ることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フィードバック情報を提供する段階は、候補クラスタを順次並べる段階から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる、第1セル内の複数の加入者装置と、
前記複数の加入者装置に対して、クラスタ内のOFDMAサブキャリアを割り当てることができる、前記第1セル内の第1基地局と、を備えており、
前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し、前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは、前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し、前記少なくとも1つの加入者装置は、前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して、前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信するようになっており、
前記加入者装置は、前記サブキャリアのセットを割り当てられた後、更新されたサブキャリアのセットを受信するために、更新されたフィードバック情報を提出し、その後、前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。
【請求項17】
前記複数の加入者装置は、それぞれ、前記基地局及び前記複数の加入者装置にとって既知のパイロット記号の受信を継続的にモニターして、サブキャリアの各クラスタの信号対干渉+ノイズ比(signal-plus-interference-to-noise ratio)(SINR)を測定する
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の加入者装置は、それぞれ、セル間干渉を測定し、少なくとも1つの加入者装置は、前記セル間干渉に基づいて候補サブキャリアを選択することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記基地局は、セル間干渉回避に基づいて前記1つの加入者装置用のサブキャリアを選択することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの加入者装置は、チャネル及び干渉情報を測定するために、パイロット記号期間及びデータ期間からの情報を使用することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記基地局が、前記基地局で入手可能な追加情報に基づいて、候補サブキャリアのセットからサブキャリアを選択することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記追加情報は、サブキャリアの各クラスタに関するトラフィックロード情報から成ることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記トラフィックロード情報は、前記基地局のデータバッファにより提供されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記サブキャリアの表示は、前記基地局と前記少なくとも1つの加入者装置の間のダウンリンク制御チャネルを介して受信されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記複数のサブキャリアは、基地局が割り当てることのできる全てのサブキャリアから成ることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記複数の加入者装置は、サブキャリアのクラスタとして任意に順序付けられた候補サブキャリアのセットから成るフィードバック情報を提供することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項27】
前記任意順序の候補クラスタは、最も望ましい候補クラスタが最初に掲載される順序に並んだクラスタから成ることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記フィードバック情報を提供することは、候補クラスタを順次並べることから成ることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、より厳密には、本発明は、直交周波数分割多重化(OFDM)を使っている多重セル多重加入者無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多重化(OFDM)は、周波数選択性チャネルで信号送信する際の効率的な変調スキームである。OFDMでは、広い帯域幅が、多数の狭帯域サブキャリアに分割されるが、サブキャリアは互いに直交するように構成される。サブキャリア上で変調された信号は、並行して送信される。より詳しくは、Cimini,Jr.による「直交周波数分割多重化を使ったデジタル移動チャネルの分析とシミュレーション」IEEE Trans.Commun.COM-33巻、第7号、1985年7月、665-75頁;Chung及びSollenbergerによる「3Gを超えて:OFDM及び動的パケット割当に基づく広帯域無線データアクセス」IEEEコミュニケーションズマガジン、第38巻、第7号、78-87頁、2000年7月、を参照されたい。
【0003】
多数の加入者のための多重アクセスをサポートするためにOFDMを使用する1つのやり方として、各加入者が割り当てられたタイムスロット内の全てのサブキャリアを使用する時分割多重アクセス(TDMA)がある。直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)は、OFDMの基本的フォーマットを使用した多重アクセスの別の方法である。OFDMAでは、多数の加入者が、周波数分割多重アクセス(FDMA)に類似した様式で、異なるサブキャリアを同時に使用する。より詳しくは、Sari及びKaramによる「直交周波数分割多重アクセス及びCATVネットワークへのその適用」、テレコミュニケーションに関するヨーロピアントランザクション、第9巻(6)、507-516頁、1998年11月/12月、及びNogueroles、Bossert、Donder、及びZyablovによる「ランダムOFDMA移動通信システムの改善性能」IEEE VTC’98の会報、2502-2506頁、を参照されたい。
【0004】
多重経路は周波数選択性フェージングを引き起こす。チャネルゲインは、それぞれのサブキャリア毎に異なる。更に、チャネルは、通常、異なる加入者に対して相関付けられていない。ある加入者にとってはフェージングが大きいサブキャリアでも、別の加入者にとっては高いチャネルゲインを提供する場合もある。従って、OFDMAシステムでは、各加入者が高チャネルゲインを享受できるように、サブキャリアを加入者に適応させて割り当てれば好都合である。より詳しくは、Wong他による「適応型サブキャリア、ビット及びパワー割当を備えたマルチユーザーOFDM」IEEE J.Select.Areas Commun.第17巻(10)、1747-1758号、1999年10月、を参照されたい。
【0005】
1つのセルの中で、各加入者がOFDMA内の異なるサブキャリアを有するように調整することができる。各加入者用の信号は互いに直交させることができるので、セル内干渉は殆ど起きない。しかしながら、積極的な周波数再使用プラン、例えば同一スペクトルを多数の隣接するセルで使用する場合、セル間干渉の問題が発生する。OFDMAシステムにおけるセル間干渉も周波数選択性であるのは明らかで、サブキャリアの適応割り当てを行ってセル間干渉の影響を緩和するのは、有用なことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
OFDMAに関してサブキャリア割当を行うという1つのアプローチは、統合最適化オペレーションであるが、これは、全セル内の全加入者の行動とチャネルに関する知識が必要なばかりでなく、現在の加入者がネットワークを抜けたり新しい加入者がネットワークに加わったりした場合、その度毎に周波数の再調整が必要になる。これは、主に、加入者情報を更新するための帯域幅コストと統合最適化のための計算費用のせいで、実際の無線システムでは非実用的である場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
システムのためにサブキャリア選択を行う方法及び装置が記述されている。或る実施形態では、システムは、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用している。或る実施形態では、サブキャリア選択のための方法は、加入者が、基地局から受信したパイロット記号に基づいてサブキャリア毎にチャネル及び干渉情報を測定する段階と、加入者が候補サブキャリアのセットを選択する段階と、候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を基地局に提供する段階と、加入者が使用するように基地局が選択したサブキャリアのセットの内のサブキャリアの表示を受信する段階と、を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、本発明の各種実施形態に関する以下の詳細な説明及び添付図面から、より完全に理解頂けるであろうが、それらは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、その説明と理解を助けることだけを目的に提示するものである。
【0009】
サブキャリア割当のための、分散型で複雑性を低減したアプローチについて説明する。ここに開示する技法を、例としてOFDMA(クラスタ)を使って説明する。しかしながら、本技法は、OFDMAをベースとするシステムに限定されるわけではない。本技法は、一般的には多重キャリアシステムに適用することができ、例えは、キャリアは、OFDMAのクラスタ、CDMAの拡散コード、SDMA(空間分割多重アクセス)のアンテナビームなどとなる。或る実施形態では、サブキャリア割当は、各セル内で別々に行なわれる。各セル内では、個々の加入者(例えば、携帯電話など)に対する割当についても、割当毎にセル内の全加入者を考慮に入れて割当決定が行われる各セル内の加入者に対する統合割当とは反対に、新しい加入者がシステムに追加される度に漸進的に行なわれる。
【0010】
ダウンリンクチャネルに関しては、各加入者は最初に全てのサブキャリアについてチャネルと干渉の情報を測定し、性能の良い(例えば、信号対干渉+ノイズ比(signal-to-interferenceplusnoiseratio)(SINR)が高い)複数のサブキャリアを選択して、それら候補サブキャリアに関する情報を基地局にフィードバックする。このフィードバックには、全てのサブャリアについて又は一部のサブキャリアだけについてのチャネルと干渉の情報(例えば、信号対干渉+ノイズ比(signal-to-interference-plus-noise-ratio)情報)が含まれる。一部のサブキャリアだけについての情報を提供する場合、加入者は、通常は性能が良好であるか又は他のサブキャリアよりも良好であるとの理由で、使用したいサブキャリアから順番にサブキャリアのリストを提供する。
【0011】
加入者からこの情報を受信すると、基地局は、基地局で入手可能な追加情報、例えば各サブキャリアのトラフィックロード情報、周波数帯域毎の基地局で待機中のトラフィックリクエストの量、周波数帯域が過度に使用されていないか、及び/又は加入者がどれほどの間情報送信を待っているか等の情報を利用して、候補の中からサブキャリアを更に選択する。或る実施形態では、隣接するセルのサブキャリアローディング情報も、基地局間で交換される。基地局はこの情報をサブキャリア割当に使用してセル間干渉を低減する。
【0012】
或る実施形態では、フィードバックに基づいて基地局が割当チャネルを選択する結果として、符号化/変調速度の選択が行なわれる。このような符号化/変調速度は、使用に好ましいと分かったサブキャリアを特定する際、加入者が特定してもよい。例えば、SINRがある閾値(例えば12dB)より低い場合、直角位相変換打鍵(QPSK)変調が使用されるが、そうでない場合は16直交振幅変調(QAM)が使用される。次いで、基地局は、加入者にサブキャリア割当及び/又は使用される符号化/変調速度を通知する。
【0013】
或る実施形態では、ダウンリンクサブキャリア割当に関するフィードバック情報は、アップリンクアクセスチャネルを通して基地局に送信されるが、これは、送信タイムスロット毎に短い時間、例えば各10ミリ秒タイムスロット内の400マイクロ秒内に起きる。或る実施形態では、アクセスチャネルは、周波数帯域幅全体を占める。基地局は、各サブキャリアのアップリンクSINRをアクセスチャネルから直接収集することができる。アップリンクサブキャリアのSINR並びにトラフィックロード情報は、アップリンクサブキャリア割当に使用される。
【0014】
何れの方向についても、基地局は加入者毎にサブキャリア割当の最終決定を行なう。
【0015】
以下の説明の中では、チャネルと干渉の感知の方法、加入者から基地局への情報フィードバックの方法、及びサブキャリア選択のために基地局が使用するアルゴリズムを始めとして、選択的サブキャリア割当についても開示する。
【0016】
以下の説明では、本発明を全体的に理解してもらうために多くの詳細事項を説明している。しかしながら、当業者には自明であるように、本発明はこれら特定の詳細事項なしに実施することができる。別の例では、本発明をあいまいにするのを避けるために、周知の構造と装置を、詳細にではなくブロック図の形態で示している。
【0017】
以下の詳細な説明の或る部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに関するオペレーションのアルゴリズム及び記号表現の面から提示されている。これらアルゴリズム的記述及び表現は、データ処理技術に熟練した者によって、彼らの作業内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される手段である。あるアルゴリズムがここにある場合、一般的には、所望の結果に導く首尾一貫した順序のステップであると考えられる。ステップは、物理量を物理的に操作することを必要とするものである。必ずしもというわけではないが、通常は、これらの量は、記憶、送信、組合わせ、比較、その他のやり方で操作することのできる電気又は磁気信号の形態を取る。時には、主に共通に使用するという理由から、これら信号を、ビット、数値、要素、記号、文字、項、数などとして言及するのが好都合であると実証されている。
【0018】
しかし、上記及び類似の用語は、適当な物理量に対応付けられるもので、これらの量に用いられる便宜上のラベルに過ぎないことに留意頂きたい。以下の説明で明らかにする以外で特に明記しない限り、記述全般を通して、「処理する」又は「電算する」又は「計算する」又は「判定する」又は「表示する」などの用語を使った説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表現されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶装置、伝送又は表示装置内で物理量として同じように表現される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指すものと理解されたい。
【0019】
本発明は、このオペレーションを実行するための装置にも関係する。本装置は、必要な目的のために特別に構成してもよいし、コンピュータ内に記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータを備えていてもよい。このようなコンピュータプログラムは、限定するわけではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、及び磁気光ディスクを始めとするあらゆる種類のディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光学カード、電子命令を記憶するのに適した全ての種類の媒体など、それぞれにコンピュータシステムバスに連結されたコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶される。
【0020】
ここに提示するアルゴリズム及び表示は、特定のコンピュータ又は他の装置に本来的に関係しているわけではない。各種汎用システムをここに述べる教示に準じたプログラムを使って使用してもよいし、又、必要な方法のステップを実行するためにより特殊化した装置を構成するのも便利であることも分かっている。各種上記システムに必要な構造は、以下の説明から明らかとなるであろう。更に、本発明は、何れの特定のプログラム言語に関連付けて説明しているわけでもない。なお、ここに説明する本発明の教示を実施するために各種プログラム言語を使用してもよいと理解頂きたい。
【0021】
機械読み取り可能媒体には、機械(例えばコンピュータ)が読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するためのあらゆる機構が含まれている。例えば、機械読み取り可能媒体には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)等が含まれている。
【0022】
サブキャリア・クラスタリング
ここに説明する技術は、データトラフィックチャネル用のサブキャリア割当に着眼している。セルラーシステムには、通常、制御情報の交換及び他の目的のために事前に割り当てられた別のチャネルがある。これらのチャネルは、ダウンリンク及びアップリンク制御チャネル、アップリンクアクセスチャネル、及び時間・周波数同期チャネルを含んでいることが多い。
【0023】
図1Aは、サブキャリア101のような複数のサブキャリアとクラスタ102を示している。クラスタ102のようなクラスタは、図1Aに示すように、少なくとも1つの物理的サブキャリアを保有している論理ユニットとして定義される。クラスタは、連続した又はばらばらのサブキャリアを保有することができる。クラスタとそのサブキャリアの間のマッピングは、固定されていても再構成可能であってもよい。後者の場合、基地局は、加入者に何時クラスタが再定義されるかを通知する。或る実施形態では、周波数スペクトルは512個のサブキャリアを含んでいて、各クラスタは4個の連続したサブキャリアを含んでおり、結果的に128個のクラスタとなる。
【0024】
代表的サブキャリア/クラスタ割当手続き
図1Bは、加入者へのクラスタ割当のプロセスの或る実施形態を示すフロー図である。本プロセスは、ハードウェア(例えば、専用論理、回路など)、ソフトウェア(例えば、汎用コンピュータシステム又は専用機械などで稼動するもの)、又は両者の組み合わせから成る処理論理によって実行される。
【0025】
図1Bに示すように、各基地局は、そのセル(又はセクター)内の各加入者にパイロットOFDM記号を周期的に同報通信する(処理ブロック101)。サウンディングシーケンス又は信号とも呼ばれるパイロット記号は、基地局と加入者の双方に既知である。或る実施形態では、各パイロット記号はOFDM周波数帯域幅全体をカバーしている。パイロット記号は、それぞれのセル(又はセクター)毎に異なっていてもよい。パイロット記号は、複数の目的、即ち、時間及び周波数の同期化、クラスタ割当のためのチャネル評価及び信号対干渉/ノイズ(SINR)比測定などに使用される。
【0026】
次に、各加入者は、継続的にパイロット記号の受信をモニターし、セル間干渉及びセル内トラフィックを含め、各クラスタのSINR及び/又は他のパラメータを測定する(処理ブロック102)。この情報に基づいて、各加入者は、相対的に性能が良好な(例えば、高SINR低トラフィックローディングの)1つ又は複数のクラスタを選択して、これらの候補クラスタに関する情報を所定のアップリンクアクセスチャネルを通して基地局にフィードバックする(処理ブロック103)。例えば、10dBより高いSINR値は、性能が良好であることを表す。同様に、クラスタ利用率50%未満も、良好な性能を表している。各加入者は、他よりも相対的に性能が良好なクラスタを選択する。この選択により、各加入者は測定されたパラメータに基づいて使用が望ましいと思われるクラスタを選択することになる。
【0027】
或る実施形態では、各加入者は各サブキャリアクラスタのSINRを測定して、それらSINR測定値をアクセスチャネルを通して基地局に報告する。SINR値は、クラスタ内の各サブキャリアのSINR値の平均を含んでいる。代わりに、クラスタのSINR値は、クラスタ内のサブキャリアのSINR値中最悪のSINRであってもよい。更に別の実施形態では、クラスタ内のサブキャリアのSINR値の加重平均を使用して、クラスタに関するSINRを生成している。これは、サブキャリアに適用される重み付けが異なるダイバーシティクラスタで特に有用である。
【0028】
各加入者から基地局への情報のフィードバックは、各クラスタのSINR値を含んでおり、加入者が使用を望む符号化/変調速度も示している。フィードバック内の情報の順序を基地局が知っている限り、フィードバック内のどのSINR値がどのクラスタに対応しているかを示すためにクラスタインデクスが必要になることはない。別の実施形態では、フィードバック内の情報は、加入者にとってどのクラスタが相対的に最高の性能を有しているかに従って順序付けられている。このような場合は、付帯するSINR値がどのクラスタに対応しているかを示すために、インデクスが必要である。
【0029】
加入者からフィードバックを受信すると、基地局は、次に、候補の中から加入者用に1つ又は複数のクラスタを選択する(処理ブロック104)。基地局は、基地局で入手可能な追加情報、例えば、各サブキャリアに関するトラフィックロード情報、各周波数帯域について基地局で待機中のトラフィックリクエストの量、周波数帯域が過剰使用されていないか、情報送信のためにどれほどの間加入者が待っているか、等の情報を利用する。隣接するセルのサブキャリアローディング情報も、基地局間で交換することができる。基地局は、この情報をサブキャリア割当に使用して、セル間干渉を低減する。
【0030】
クラスタ選択の後、基地局は、ダウンリンク共通制御チャネルを通して、又は加入者への接続が既に設定されている場合には専用のダウンリンクトラフィックチャネルを通して、クラスタ割当について加入者に通知する(処理ブロック105)。或る実施形態では、基地局は、適切な変調/符号化速度についても加入者に通知する。
【0031】
一旦、基本的な通信リンクが設定されると、各加入者は、専用のトラフィックチャネル(例えば、1つ又は複数の所定のアップリンクアクセスチャネル)を使って、継続してフィードバックを基地局に送信することができる。
【0032】
或る実施形態では、基地局は、加入者が使用することになるクラスタを全て、一度に割り当てる。別の実施形態では、基地局は、最初に、ここでは基本クラスタと呼ぶ複数のクラスタを割り当て、基地局と加入者との間にデータリンクを設定する。基地局は、次に、ここでは補助クラスタと呼ぶ更に多くのクラスタを加入者に割り当て、通信帯域幅を広げる。基本クラスタの割当には高い優先順位が与えられ、補助クラスタの割当には低い優先順位が与えられる。例えば、基地局は、先ず、加入者に対して基本クラスタの割当を確実にした上で、次いで加入者からの補助クラスタに関する更なる要求を満たそうとする。代わりに、基地局は、基本クラスタを他の加入者に割り当てる前に、補助クラスタを1つ又は複数の加入者に割り当ててもよい。例えば、基地局は、何れかのクラスタを他の加入者に割り当てる前に、基本及び補助クラスタを1人の加入者に割り当ててもよい。或る実施形態では、基地局は、基本クラスタを新しい加入者に割り当てて、その後、クラスタを要求している他の加入者がいるかどうかを判定する。いなければ、基地局は、新しい加入者に補助クラスタを割り当てる。
【0033】
場合によっては、処理論理は、上記プロセスを繰り返すことによって再教育を実行する(処理ブロック106)。再教育は周期的に行なわれる。この再教育は、加入者の移動及びあらゆる干渉の変化を補償する。或る実施形態では、各加入者は、基地局に、その更新されたクラスタの選択及び付帯するSINRを報告する。すると、基地局は、再度選択し直して、加入者に新しいクラスタ割当を通知する。再教育は、基地局が開始することができ、その場合、基地局は、特定の加入者にその更新されたクラスタ選択を報告するように要求する。再教育は、チャネル劣化が見られた場合には加入者側からも開始できる。
【0034】
適応変調及び符号化
或る実施形態では、異なる変調及び符号化速度を使用して、異なるSINRを有するチャネルで信頼性の高い送信をサポートする。非常に低いSINRで信頼性を改善するために、複数のサブキャリアによる信号拡散を使用してもよい。
【0035】
符号化/変調表の一例を下表1に示す。
【表1】

【0036】
上記例では、1/8拡散は、1つのQPSK変調記号が8つのサブキャリアに亘って繰り返されることを示している。反復/拡散は、更に、タイムドメインにまで拡張される。例えば、1つのQPSK記号を2つのOFDM符号の4つのサブキャリアに亘って繰り返すことができ、結果的に1/8拡散となる。
【0037】
符号化/変調速度は、最初のクラスタ割当及び速度選択後に受信者側で観測されるチャネル状態に従って適応変更が行われる。
【0038】
パイロット記号及びSINR測定
或る実施形態では、各基地局は、パイロット記号を同時に送信し、各パイロット記号は図2A-Cに示すようにOFDM周波数帯域幅全体を占めている。図2A-Cに示すように、パイロット記号201は、セルA、B、及びCそれぞれに関してOFDM周波数帯域全体を横断して広がっていることが分かる。或る実施形態では、各パイロット記号は、128マイクロ秒の長さ又は持続時間にガードタイムが付いて、合計で凡そ152マイクロ秒となっている。各パイロット期間の後、所定数のデータ期間があって、その後にパイロット記号の別のセットが続いている。或る実施形態では、各パイロットの後にデータ送信に使用される4つのデータ期間があり、各データ期間は152マイクロ秒となっている。
【0039】
加入者は、パイロット記号からクラスタ毎のSINRを評価する。或る実施形態では、加入者は、最初に、干渉又はノイズが無いものとして、振幅及び位相を含め、チャネル応答を評価する。チャネルの評価が済むと、加入者は、受信信号から干渉/ノイズを計算する。
【0040】
評価されたSINR値は、大きいものから順に並べられ、SINR値の大きいクラスタが選択される。或る実施形態では、選択されたクラスタは、システムがサポートする(低速ではあるが)信頼性のある送信を可能にする最小SINRよりも大きいSINR値を有している。選択されるクラスタの数は、フィードバック帯域幅及びリクエスト送信速度によって異なる。或る実施形態では、加入者は、常にできるだけ多くのクラスタに関する情報を送ろうと務め、そこから基地局が選択する。
【0041】
評価されたSINR値は、上記のように各クラスタに対する適当な符号化/変調速度を選択するのにも使用される。適当なSINR指標付けスキームを使用すると、SINRインデクスは、加入者が使用を望む特定の符号化及び変調速度も表示することができる。なお、同一の加入者の場合でも、異なるクラスタは異なる変調/符号化速度を有することもある。
【0042】
パイロット記号は、セル間の干渉を判定するのに追加の目的を持っている。複数のセルのパイロットは同時に同報通信されるので、(それらが全周波数帯域を占めるため)互いに干渉し合う。パイロット記号のこの衝突を利用して、最悪の場合のシナリオとしての干渉の量を求めることができる。従って、或る実施形態では、本方法を使った上記SINR評価は、測定された干渉レベルが、全ての干渉源が稼働していると仮定している最悪の場合のシナリオであるという点で、慎重である。このように、パイロット記号の構造は、パケット送信システムにおける最悪時のSINRを検出するのに使用するために、周波数帯域全体を占め、異なるセル間の衝突を発生させるようになっている。
【0043】
データトラフィック期間の間、加入者は干渉のレベルを再度判定することができる。データトラフィック期間は、セル内トラフィック並びにセル間干渉レベルを評価するために使用される。具体的には、パイロット及びトラフィック期間中のパワー差を使用して、望ましいクラスタを選択するために、(セル内)トラフィックローディングとセル間干渉を感知する。
【0044】
或るクラスタでは、隣接するセル内で使用されていないために、干渉レベルが比較的低いことになる。例えば、セルAでは、クラスタAに関して、(セルCでは使用されているが)セルBでは使用されていないので干渉は殆ど無い。同様に、セルAでは、クラスタBは、セルCでは使用されていないがセルBでは使用されているので、セルBから僅かな干渉を被る。
【0045】
この評価に基づく変調/符号化速度は、爆発的なパケット送信に起因する頻繁な干渉変化に対して強い。それは、速度の予測が、全ての干渉源が送信中であるという最悪時のシナリオに基づいているためである。
【0046】
或る実施形態では、加入者はパイロット記号期間とデータトラフィク期間の双方から入手可能な情報を使って、セル内トラフィックロードとセル間干渉両方の存在を分析する。加入者の目的は、加入者が使用したいと思うクラスタについて基地局に表示を提供することである。理想的には、加入者による選択の結果は、チャネルゲインが高く、他のセルからの干渉が低く、利用可能性が高いクラスタということになる。加入者は、その結果を含んでいるフィードバック情報を提供し、所望のクラスタを、順番に又はここに記載していない方法でリスト表示する。
【0047】
図3は、加入者処理の或る実施形態を示している。処理は、ハードウェア(例えば、専用の論理、回路など)、ソフトウェア(例えば、汎用コンピュータシステム又は専用機械上で実行されるものなど)、又は両者の組み合わせを備えている処理論理により実行される。
【0048】
図3に示すように、チャネル/干渉評価処理ブロック301は、パイロット記号に応答してパイロット期間内に、チャネル及び干渉評価を実行する。トラフィック/干渉分析処理ブロック302は、信号情報及びチャネル/干渉評価ブロック301からの情報に応答して、データ期間内に、トラフィック及び干渉分析を実行する。
【0049】
クラスタの順序付け及び速度予測処理ブロック303は、チャネル/干渉評価処理ブロック301並びにトラフィック/干渉分析処理ブロック302の出力に連結され、速度予測と共にクラスタの順序付けと選択を行なう。
【0050】
クラスタ順序付け処理ブロック303の出力は、クラスタリクエスト処理ブロック304に入力されるが、これはクラスタと変調/符号化速度を要求する。これら選択の表示は基地局に送られる。或る実施形態では、各クラスタのSINRは、アクセスチャネルを通して基地局に報告される。クラスタ選択にこの情報を使って、クラスタが厳しいセル内トラフィックローディングに陥ったり、及び/又は他のセルからの激しい干渉を受けたりするのを回避する。即ち、新しい加入者は、厳しいセル内トラフィックローディングが或る特定のクラスタに関し既に存在する場合、当該クラスタの使用を割り当てられることはない。また、干渉が激しくてSINRが低く、低速送信しかできないか又は信頼性の高い送信が全くできないような場合には、そのクラスタは割り当てられない。
【0051】
処理ブロック301によるチャネル/干渉評価は、全帯域幅パイロット記号が複数のセル内で同時に同報通信されていることに起因して発生する干渉を監視することにより当該技術では周知である。干渉情報は、処理ブロック302に送られ、処理ブロック302はその情報を使用して以下の方程式を解く:
HiSi+Ii+ni=yi
ここに、Siはサブキャリア(freq.band)iの信号を表し、Iiはサブキャリアiの干渉であり、niはサブキャリアiに対応付けられたノイズであり、yiはサブキャリアiの観察である。512サブキャリアの場合、iは0から511の範囲にある。Ii及びniは、分離されておらず1つの量と考えてもよい。干渉/ノイズ及びチャネルゲインHiは分かっていない。パイロット期間中に、パイロット記号を表す信号Si及び観察yiが分かり、これにより干渉又はノイズがない場合についてのチャネルゲインHiを求めることができる。一旦これが分かると、Hi、Si、及びyiが全て分かっているので、方程式に当てはめて、データ期間中の干渉/ノイズを求めることができる。
【0052】
処理ブロック301と302からの干渉情報を使って、加入者は、望ましいクラスタを選択する。或る実施形態では、処理ブロック303を使って、加入者はクラスタを順序付けし、そのようなクラスタを使って利用可能となるはずのデータ速度を予測する。予測されたデータ速度情報は、事前に計算されたデータ速度値を載せたルックアップ表から入手することができる。このようなルックアップ表は、各SINRとそれに対応付けられた望ましい送信速度の対を記憶している。この情報に基づいて、加入者は、所定の性能基準に基づき使用を希望するクラスタを選択する。クラスタの順位リストを使って、加入者は、加入者が知っている符号化及び変調速度と共に所望のクラスタを要求して、所望のデータ速度を実現する。
【0053】
図4は、パワー差に基づいてクラスタを選択するための装置の或る実施形態である。このアプローチは、パイロット記号期間とデータトラフィック期間の両方の間に利用可能な情報を使用して、エネルギー検出を行なう。図4の処理は、ハードウェア(例えば、専用論理、回路など)、ソフトウェア(例えば、汎用コンピュータシステム又は専用機械上で実行されるものなど)、又は両者の組合わせで実施される。
【0054】
図4に示すように、加入者は、パイロット期間内に各クラスタ毎にSINR評価を行うためのSINR評価処理ブロック401、パイロット期間内に各クラスタ毎にパワー計算を行うためのパワー計算処理ブロック402、及びデータ期間内に各クラスタ毎にパワー計算を行なうためのパワー計算処理ブロック403を含んでいる。減算器404は、処理ブロック403からのデータ期間中のパワー計算を、処理ブロック402からのパイロット期間中のパワー計算から差し引く。減算器404の出力は、パワー差順序付け(及びグループ選択)処理ブロック405へ入力され、当該ブロックでは、SINRと、パイロット期間とデータ期間の間のパワー差とに基づいて、クラスタの順序付けと選択を行なう。一旦、クラスタが選択されると、加入者は、選択されたクラスタ及び符号化/変調速度を処理ブロック406で要求する。
【0055】
より具体的には、或る実施形態では、パイロット期間中の各クラスタの信号パワーは、トラフィック期間中のそれと、以下に基づいて比較される:
【0056】
【数1】

【0057】
ここに、PPはパイロット期間中に測定された各クラスタに対応するパワーであり、P0はトラフィック期間中に測定されたパワーであり、PSは信号パワーであり、PIは干渉パワーであり、PNはノイズパワーである。
或る実施形態では、加入者は、可能であれば、PP/(PP-PD)が比較的大きい(例えば、10dBのような閾値よりも大きい)クラスタを選択し、PP/(PP-PD)が比較的小さい(例えば、10dBのような閾値よりも小さい)クラスタを避ける。
代わりに、差は、以下のような、クラスタ内の各加入者毎に、パイロット期間中に観測されるサンプルとデータトラフィック期間中に観測されるサンプルの間のエネルギー差に基づいていてもよい。
【0058】
【数2】

【0059】
このように、加入者は全てのサブキャリアについて差を合算する。
【0060】
実際の実施形態にもよるが、加入者はクラスタを選択するために、以下の測度、即ちSINRとPP-PDの組み合わせ関数を使用する。
β=f(SINR,PP/(PP-PD)
ここに、fは2つの入力の関数である。fの1つの例は、加重平均(例えば、等重量)である。代わりに、加入者は、SINRに基づいてクラスタを選択し、同じようなSINRを有するクラスタを判別するのに、パワー差PP-PDだけを使用してもよい。差は、閾値(例えば、1dB)よりも小さくてもよい。
【0061】
ばらつきを小さくして精度を上げるために、SINRとPP-PD両者の測定値を時間について平均してもよい。或る実施形態では、移動平均時間ウインドウを使っており、これは統計的異常を平均するには十分に長く、且つチャネルと干渉の時間変化特性を捉えるには十分に短くなっており、例えば10ミリ秒である。
【0062】
ダウンリンククラスタ割当のためのフィードバックフォーマット
或る実施形態では、ダウンリンクの場合、フィードバックは、選択されたクラスタのインデクスとそのSINRの両方を保有している。任意のクラスタフィードバックの代表的なフォーマットを図5に示す。図5に示すように、加入者は、クラスタとその付帯するSINR値を示すため、クラスタインデクス(ID)を提供する。例えば、フィードバックでは、加入者は、クラスタID1(501)及び当該クラスタのSINRであるSINR1(502)、クラスタID2(503)及び当該クラスタのSINRであるSINR2(504)、及びクラスタID3(505)及び当該クラスタのSINRであるSINR3(506)などを提供する。クラスタのSINRは、サブキャリアのSINRの平均を使って作ることができる。こうして、複数の任意のクラスタを候補として選択することができる。上記のように、選択されたクラスタは、優先順位を示すためにフィードバック内で順序付けることもできる。或る実施形態では、加入者は、クラスタの優先順位リストを作成し、SINR情報を優先順位の降順で返信する。
【0063】
通常、SINR自身の代わりに、SINRレベルに対するインデクスを表示すれば、クラスタにとって適当な符号化/変調を示すのに十分である。例えば、適応符号化/変調の8つの異なる速度を示すために、3ビットフィールドをSINR指標付けに使用してもよい。
【0064】
代表的基地局
基地局は、リクエストを行っている加入者に望ましいクラスタを割り当てる。或る実施形態では、加入者に割り当てるクラスタの利用可能性は、クラスタ上の合計トラフィックロードに左右される。従って、基地局は、SINRが高いだけでなく、トラフィックロードが低いクラスタを選択する。
【0065】
図13は、基地局の或る実施形態のブロック図である。図13に示すように、クラスタ割当及びロードスケジューリング制御装置1301(クラスタアロケータ)は、各加入者に指定されたクラスタのダウンリンク/アップリンクSINR(例えば、OFDM受信機1305から受信するSINR/速度インデクス信号1313)と、ユーザーデータ、即ち待ち行列充満度/トラフィックロード(例えば、マルチユーザーデータバッファ1302からのユーザーデータバッファ情報1311を介して)とを含め、必要な全ての情報を収集する。この情報を使って、制御装置1301は、各ユーザー毎にクラスタ割当及びロードスケジューリングを決定し、決定情報をメモリ(図示せず)に記憶する。制御装置1301は、制御信号チャネル(例えばOFDM受信機1305を介した制御信号/クラスタ割当1312)を通して、決定について加入者に通知する。
【0066】
或る実施形態では、制御装置1301は、更に、システムのトラフィックロードを知っているので、ユーザーアクセスに対する進入制御を行なう。これは、進入制御信号1310を使ってユーザーデータバッファ1302を制御することにより行なわれる。
【0067】
ユーザー1-Nのパケットデータは、ユーザーデータバッファ1302に記憶される。ダウンリンクについては、制御装置1301の制御により、マルチプレクサ1301は、ユーザーデータを送信待ちの(クラスタ1-Mの)クラスタデータバッファにロードする。アップリンクについては、マルチプレクサ1303は、クラスタバッファのデータを対応するユーザーバッファに送信する。クラスタバッファ1304は、(ダウンリンクの)OFDM送受信器1305を通して送信されることになる信号と、送受信器1305から受信した信号を記憶する。或る実施形態では、各ユーザーは複数のクラスタを占有し、各クラスタは複数のユーザーによって共有される(時分割多重化式の場合)。
【0068】
グループベースのクラスタ割当
別の実施形態では、ダウンリンクの場合、クラスタはグループに分割される。各グループは、複数のクラスタを含んでいてもよい。図6は、代表的な分割例を示している。図6に示すように、グループ1-4は、グループ分けの結果として各グループに入れられたクラスタを指す矢印で示されている。或る実施形態では、各グループ内のクラスタは、帯域幅全体に亘って遠く離されている。或る実施形態では、各グループ内のクラスタは、チャネルコヒーレンス帯域幅、即ちその中のチャネル応答が概ね同じである帯域幅、よりも更に離されている。コヒーレント帯域幅の代表的な値は、多くのセルラーシステムについて100kHzである。これは、各グループ内の周波数ダイバーシティを改善し、グループ内のクラスタの少なくとも一部が高SINRを提供できる確率を上げることになる。クラスタは、グループに割り当てられる。グループベースのクラスタ割当の目的には、クラスタ指標付けのデータビットを減じ、これにより、クラスタ割当用のフィードバックチャネル(情報)と制御チャネル(情報)の帯域幅要件を緩和することである。グループベースのクラスタ割当は、セル間干渉を低減するためにも使用される。
【0069】
基地局からパイロット信号を受信した後、加入者は1つ又は複数のクラスタグループに関するチャネル情報を同時に又は順次返送する。或る実施形態では、グループの幾つかに関する情報しか基地局には返送されない。グループの選定及び順序付けには、チャネル情報、セル間干渉レベル、及び各クラスタでのセル内トラフィックロードに基づいて、多くの判定基準を使用することができる。
【0070】
或る実施形態では、加入者は、最初に、全体性能が最良のグループを選択し、そのグループのクラスタのSINR情報をフィードバックする。加入者は、グループを、SINRが事前に定義された閾値より高いクラスタの番号に基づいて順序付けする。グループ内の全てのクラスタのSINRを送信することにより、全てのクラスタインデクスではなく、グループのインデクスだけを送信すればよくなる。このように、各グループのフィードバックは、一般的には2種類の情報、即ち、グループインデクス及び当該グループ内の各クラスタのSINR値を保有している。図7に、グループベースのクラスタ割当を表示する代表的フォーマットを示す。図7に示すように、グループIDであるID1の後には、グループ内のクラスタそれぞれのSINR値が続く。これによりフィードバックのオーバーヘッドが大幅に低減できる。
【0071】
加入者からのフィードバック情報を受信すると、基地局のクラスタアロケータは、1つ又は複数のグループから、利用可能であれば、複数のクラスタを選択し、次いでそのクラスタを加入者に割り当てる。この選択は、基地局の媒体アクセス制御部での割当により行なわれる。
【0072】
更に、多重セル環境では、グループは、異なるセルに関係付けられた異なる優先順位を有していてもよい。或る実施形態では、加入者によるグループの選択には、グループの優先順位でバイアスが掛かっており、これは、ある加入者は、あるグループの使用権に関して他の加入者よりも高い優先順位を有していることを意味している。
【0073】
或る実施形態では、或る加入者と或るクラスタグループの間には何ら固定された関係はないが、別の実施形態では、そのような固定された関係が存在する。加入者と1つ又は複数のクラスタグループの間に固定された関係を有する実施形態では、フィードバック情報内のグループインデクスは、この情報が加入者及び基地局の双方にとってデフォルトにより既知であるため、省略することができる。
【0074】
別の実施形態では、基地局から加入者に送信されるパイロット信号は、各クラスタの利用可能性も示しており、例えば、パイロット信号は、どのクラスタが他の加入者に対して既に割り当てられているか、及びどのクラスタが新規割当に利用可能であるか、を示す。例えば、基地局は、クラスタのサブキャリアに関してパイロットシーケンス1111 1111を送信して、当該クラスタが利用可能である旨を表し、1111-1-1-1-1を送信して当該クラスタが利用可能でない旨を表す。受信機では、加入者は、先ず、当技術では周知の信号処理方法、例えば相関方法を使って2つのシーケンスを区別し、次いでチャネルと干渉レベルを評価する。
【0075】
本発明を加入者により入手されたチャネル特性と組み合わせることにより、加入者は、グループに優先順位を付け、高いSINRと良好なロードバランスの両方を実現することができる。
【0076】
或る実施形態では、加入者は、エラー修正コードを使用することによってフィードバック情報を保護する。或る実施形態では、フィードバック内のSINR情報は、先ず、ソース符号化技術、例えば差分エンコーディングを使って圧縮され、次いでチャネルコードによってエンコードされる。
【0077】
図8は、代表的なセルラーセットアップに関する周波数再使用パターンの或る実施形態を示している。各セルは、基地局で指向性アンテナを使用する6つのセクターを備えた六角形構造を有している。セル間では、周波数再使用係数は1である。各セル内では、周波数再使用係数は2であり、この場合、セクターは2つの周波数を交互に使用する。図8に示すように、影付きの各セクターは、利用可能なOFDMAクラスタの半分を使用しており、影無しの各セクターは、クラスタの残り半分を使用している。一般性を損なわずに、影付きセクターに使用されているクラスタをここでは奇数クラスタと呼び、影無しのセクターに使用されているものをここでは偶数クラスタと呼ぶ。
【0078】
加入者側での全方向アンテナによるダウンリンク信号送信を考察する。図8から、影付きセクターのダウンリンクに関して、セルAはセルBと干渉し、セルBはセルCと干渉し、セルCはセルAと干渉し、つまりA->B->C->Aであることが明らかである。影無しセクターに関しては、セルAはセルCと干渉し、セルCはセルBと干渉し、セルBはセルAと干渉し、即ちA->C->B->Aである。
【0079】
セクターA1は、セクターC1から干渉を受けるが、その送信は、セクターBと干渉する。つまり、その干渉源と、それが干渉する被害者は同じではない。これは、干渉回避を使った分散クラスタ-割当システムに安定性の問題を発生させ、つまりは、周波数クラスタがセクターC1ではなくセクターB1に割り当てられた場合、そのクラスタは、AIではクリーンに見えるためにA1に割り当てられる。しかしながら、このクラスタA1の割当により、B1の既存の割当に対する干渉問題が発生することになる。
【0080】
或る実施形態では、トラフィックロードが累進的にセクターに加えられるときに上記問題を緩和するため、異なるクラスタグループには、異なるセルでの使用に関して異なる優先順位が割り当てられる。この優先順位は、クラスタを選択的に割り当てその干渉源からの干渉を回避すると共に、他のセルの既存の割当に対する干渉問題を引き起こす可能性を低減し、できれば最小化するように、統合的に規定される。
【0081】
先に述べた例を使えば、奇数クラスタ(影付きセクターに使用される)は、3つのグループ、グループ1、2、3に分割される。優先順位を表2に示す。
【0082】
【表2】

【0083】
セクターA1について考察する。最初に、グループ1のクラスタは、選択的に割り当てられる。クラスタを要求している加入者がまだもっとある場合、グループ2のクラスタが、測定されたSINRによって、加入者に選択的に割り当てられる(セクターC1からの強い干渉を受けるクラスタを避ける)。なお、グループ2からセクターA1に新たに割り当てられたクラスタは、セクターB1のロードが非常に重くて、グループ3及び1双方のクラスタが使い果たされ、グループ2のクラスタも使用されている状態にならない限り、セクターB1で干渉問題を引き起こすことはない。表3は、全ての利用可能なクラスタの2/3より少ないクラスタがセクターA1、B1、及びC1で使用されている場合の、クラスタ使用を示している。
【0084】
【表3】

【0085】
図4は、影無しセクターの優先順位を示しているが、干渉関係が逆なので、影付きセクターの場合とは異なる。
【0086】
【表4】

【0087】
コヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタの間の知的切換
或る実施形態では、クラスタには2つのカテゴリ、即ち互いに接近している複数のサブキャリアを保有するコヒーレンスクラスタと、少なくとも一部がスペクトル全体に遙か離れて拡散しているサブキャリアを保有するダイバーシティクラスタがある。コヒーレンスクラスタ内の複数のサブキャリアの接近度は、チャネルコヒーレンス帯域幅内、即ち、チャネル応答が概ね同じ帯域幅内、具体的には、多くのセルラーシステムでは通常100kHz以内、であるのが望ましい。これに対し、ダイバーシティクラスタ内のサブキャリアの拡散は、多くのセルラーシステムでは通常100kHz以内であるチャネルコヒーレンス帯域幅よりも広いのが望ましい。従って、このような場合の一般的な目標は拡散を最大化することである。
【0088】
図9は、セルA-Cについてのコヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタの代表的クラスタフォーマットを示す。図9に示すように、セルA-Cに関し、周波数(サブキャリア)のラベリングは、周波数がコヒーレンスクラスタの一部であるかダイバーシティクラスタの一部であるかを示している。例えば、1-8のラベルが付いた周波数はダイバーシティクラスタであり、9-16のラベルが付いたクラスタはコヒーレンスクラスタである。例えば、セル内のラベル1が付いた全ての周波数は、或るダーバーシティクラスタの一部であり、セル内のラベル2が付いた全ての周波数は、別のダイバーシティクラスタの一部であるが、一方ラベル9が付いた周波数のグループは1つのコヒーレンスクラスタであり、ラベル10が付いた周波数のグループは別のコヒーレンスクラスタである、等となっている。ダイバーシティクラスタは、干渉平均化を介してセル間干渉の影響を低減するために、異なるセルに対し異なる構成とすることもできる。
【0089】
図9は、3つの隣接するセルの一例的クラスタ構成を示している。1つのセル内の特定クラスタからの干渉は、他のセルの多くのクラスタに分配され、例えば、セルA内のクラスタ1からの干渉はセルB内のクラスタ1、8、7、6に分配される。これにより、セルB内のどの特定のクラスタに対しても干渉パワーが著しく低減されることになる。同様に、或るセル内のどの特定のクラスタに対する干渉も他のセル内の多くの異なるクラスタから来る。全てのクラスタが強い干渉を及ぼすわけではないので、サブキャリア全体に亘ってチャネル符号化を行うダイバーシティクラスタは、干渉ダイバーシティゲインを提供する。従って、セル境界に近く(例えば、コヒーレント帯域幅内)、セル間干渉を被り易い加入者には、ダイバーシティクラスタを割り当てるのが有効である。
【0090】
コヒーレンスクラスタ内のサブキャリアは、互いに連続しているか接近している(例えば、コヒーレント帯域幅内)ので、チャネルフェージングのコヒーレント帯域幅内にある場合が多い。従って、コヒーレンスクラスタのチャネルゲインは、変動が大きく、クラスタ選択でその性能を大幅に改善することができる。一方、ダイバーシティクラスタの平均チャネルゲインは、スペクトルに亘って拡散する複数のサブキャリアの中でも本来的な周波数ダイバーシティの故に、バラツキの程度が小さい。クラスタ内のサブキャリア全体に亘ってチャネル符号化しているので、ダイバーシティクラスタは、(自身の多様化の性質上)クラスタの選択ミスに対しては強いが、クラスタ選択からのゲインは小さくなる。サブキャリア全体に亘るチャネル符号化とは、各コードワードが複数のサブキャリアから送信されたビットを含んでいることを意味し、より具体的には、コードワード間の差異ビット(エラーベクトル)が複数のサブキャリアの間に分配されることを意味している。
【0091】
時間経過と共にサブキャリアホッピングを通してより多くの周波数ダイバーシティを得ることができ、加入者は、或るタイムスロットで或るサブキャリアのセットを占め、別のタイムスロットでは別の異なるサブキャリアのセットを占めることになる。1つの符号化単位(フレーム)は、このようなタイムスロットを複数保有しており、送信されたビットは全フレームに亘ってエンコードされる。
【0092】
図10は、サブキャリアホッピングを備えたダイバーシティクラスタを示す。図10に示すように、図示のセルAとセルBには、それぞれ4つのダイバーシティクラスタがあり、個々のダイバーシティクラスタ内の各サブキャリアは、同一のラベル(1、2、3又は4)を有している。別個のタイムスロットを4つ示しているが、各タイムスロットの間に、各ダイバーシティクラスタ用のサブキャリアは変化する。例えば、セルAでは、サブキャリア1は、タイムスロット1の間はダイバーシティクラスタ1の一部であり、タイムスロット2の間はダイバーシティクラスタ2の一部であり、タイムスロット3の間はダイバーシティクラスタ3の一部であり、タイムスロット4の間はダイバーシティクラスタ4の一部である。この様に、時間経過に伴うサブキャリアホッピングを通して、より多くの干渉ダイバーシティを得ることができ、図10に示すように、異なるセルに対し異なるホッピングパターンを使用することにより、更に多くの干渉ダイバーシティが実現できる。
【0093】
加入者がサブキャリア(ホッピングシーケンス)を変更する方法は、符号化を通してより良好な干渉平均化を実現するために、セル毎に異なっていてもよい。
【0094】
固定無線アクセスのような静止している加入者の場合、時間経過と共にチャネルが変わることは殆どない。コヒーレンスクラスタを使った選択的クラスタ割当は、良好な性能を実現する。一方、移動する加入者の場合、チャネル時間変動(時間経過に伴うチャネルの変化による変動)は非常に大きいこともある。ある時間に高ゲインのクラスタでも、別の時間には激しいフェージングに陥ることもありうる。従って、クラスタ割当は高速で更新しなければならず、制御オーバーヘッドが膨大になってしまう。この場合、ダイバーシティクラスタを使用すれば、強さを補強し、頻繁なクラスタ再割当のオーバーヘッドを軽減することができる。或る実施形態では、クラスタ割当は、しばしばチャネルドップラー速度(Hz)で計測されるチャネル変更速度、即ち、チャネルが1サイクル後には完全に異なる場合、チャネルが毎秒何サイクルで変更されるか、よりも高速で行なわれる。なお、選択的クラスタ割当は、コヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタの両方について行なうことができる。
【0095】
或る実施形態では、移動する加入者と静止している加入者が入り混じっているセルの場合、加入者又は基地局、或いは両方に、チャネル/干渉変動検出器を実装することができる。検出結果を使って、加入者及び基地局は、セル境界線上の移動加入者又は静止加入者に対してはダイバーシティクラスタを、基地局に近い静止加入者に対してはコヒーレンスクラスタを、知的に選択する。チャネル/干渉変動検出器は、クラスタ毎に時々にチャネル(SINR)変動を測定する。例えば、或る実施形態では、チャネル/干渉検出器は、各クラスタのパイロット記号の間のパワー差を測定し、移動ウインドウに亘る差を平均する(例えば、4つのタイムスロット)。差が大きければ、チャネル/干渉が頻繁に変化し、サブキャリア割当は信頼性が低いことを示している。そのような場合、その加入者にはダイバーシティクラスタがより望ましいことになる。
【0096】
図11は、加入者の移動に基づいてダイバーシティクラスタとコヒーレンスクラスタの間で知的選択を行うためのプロセスの或る実施形態のフロー図である。プロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用論理など)、ソフトウェア(例えば、汎用コンピュータシステム又は専用機械上で実行されるものなど)、又はその組合わせから成る処理論理によって行なわれる。
【0097】
図11に示すように、基地局の処理論理は、チャネル/干渉変動検出を行う(処理ブロック1101)。処理論理は、次に、チャネル/干渉変動検出の結果が、ユーザーが移動しているか又はセルの縁に近い静止位置にあることを示しているか否かをテストする(処理ブロック1102)。ユーザーが、移動していないか、セルの縁に近い静止位置にもいない場合、プロセスは処理ブロック1103に移り、そこで基地局の論理はコヒーレンスクラスタを選択し、それ以外の場合は、プロセスは処理ブロック1104に移り、そこで基地局の処理論理はダイバーシティクラスタを選択する。
【0098】
選択は、再教育の間に更新し知的に切り替えることができる。
【0099】
セル内のコヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタの数の比率/割当は、移動加入者と静止加入者の人数の比によって異なる。システムの展開に伴い人数が変わると、コヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタの割当は、新しいシステムの必要性を受け入れるため構成し直される。図12は、図9よりも、もっと多くの移動する加入者をサポートできるクラスタ分類の再構成を示す。
【0100】
当業者には、上記説明を読めば、本発明に多様な変更、修正を加え得ることが疑いも無く自明のものとなるはずであり、従って、説明を目的に図示し説明してきた具体的な実施形態は、全て、限定を意図していない旨理解頂きたい。従って、各種実施形態の詳細に関することは、本発明に不可欠と見なされる特性を詳述している特許請求の範囲に限定を加えることを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】サブキャリアとクラスタを示す。
【図1B】サブキャリアを割り当てるプロセスの或る実施形態のフロー図である。
【図2】OFDM記号、パイロット、及びクラスタの時間と周波数グリッドを示す。
【図3】加入者の処理を示す。
【図4】図3の1例を示す。
【図5】任意クラスタフィードバック用のフォーマットの或る実施形態を示す。
【図6】クラスタをグループに分割する或る実施形態を示す。
【図7】グループベースのクラスタ割当のためのフィードバックフォーマットの或る 実施形態を示す。
【図8】多重セル多重セクターネットワークにおける周波数再利用と干渉を示す。
【図9】コヒーレンスクラスタとダイバーシティクラスタ用の別々のクラスタフォーマットを示す。
【図10】サブキャリアホッピングを有するダイバーシティクラスタを示す。
【図11】加入者の移動による、ダイバーシティクラスタとコヒーレンスクラスタの間の知的切り替えを示す。
【図12】クラスタ分類の再構成の或る実施形態を示す。
【図13】基地局の或る実施形態を示す。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-12-09 
出願番号 特願2008-182746(P2008-182746)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (H04W)
P 1 41・ 852- Y (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高野 洋望月 章俊  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 水野 恵雄
吉田 隆之
登録日 2012-10-26 
登録番号 特許第5119070号(P5119070)
発明の名称 適応サブキャリア-クラスタ構成及び選択的ローディングを備えたOFDMA  
代理人 北口 智英  
代理人 北口 智英  
代理人 隈部 泰正  
代理人 森山 航洋  
代理人 飯田 秀郷  
代理人 飯田 秀郷  
代理人 森山 航洋  
代理人 黒田 博道  
代理人 隈部 泰正  
代理人 黒田 博道  
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