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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1297118
審判番号 不服2013-23248  
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-27 
確定日 2015-02-05 
事件の表示 特願2010-191412「入力装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 3月10日出願公開、特開2011- 48832〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【第1】経緯

[1]手続の経緯
本願は、平成21年8月27日に出願した特願2009-197347号(以下、「原出願」という)の一部を、平成22年8月27日に新たな特許出願(特願2010-191412号)としたものであり、手続きの概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :平成25年 2月 1日(起案日)
意見書 :平成25年 4月 8日
手続補正 :平成25年 4月 8日
拒絶査定 :平成25年 8月22日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成25年11月27日
手続補正 :平成25年11月27日
前置審査報告 :平成26年 2月14日

[2]査定
原審での査定の理由は、平成25年2月1日付け拒絶理由通知書に記載した理由とするものであり,概略,以下のとおりである。

〈査定の理由の概略〉
本願の請求項1?5に係る発明は,下記の刊行物1に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
記(刊行物一覧)
刊行物1:特開平11-212725号公報

【第2】補正の却下の決定(当審の判断)

平成25年11月27日付けの補正(以下「本件補正」という。)について次のとおり決定する。

《結論》
平成25年11月27日付けの補正を却下する。

《理由》

【第2-1】本件補正の内容

本件補正は特許請求の範囲についてする補正であり、補正前請求項1の記載を補正後請求項1とする補正を含んでおり、本件補正前および本件補正後の請求項1の記載は下記のとおりである。

記(補正前、平成25年4月8日補正によるもの)
【請求項1】
入力を受け付けるタッチセンサと、
前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、
スライドバーを表示する表示部と、
前記タッチ面を振動させる触感呈示部と、
前記荷重検出部が検出する押圧荷重が所定の荷重基準を満たした後、当該所定の荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じて、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記触感呈示部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。

記(補正後、補正部分をアンダーラインで示す。)
【請求項1】
入力を受け付けるタッチセンサと、
前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、
スライドバーを表示する表示部と、
前記タッチ面を振動させる触感呈示部と、
前記荷重検出部が検出する押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たした後、当該触感を呈示する荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じて、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記触感呈示部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。

【第2-2】本件補正の適否1(範囲、目的)

〈補正の範囲(第17条の2第3項)〉
本件補正は、請求人の主張するとおり、当初明細書の段落【0050】-【0054】,【0122】等の記載を根拠とするものと認められ、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正であるといえ、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

〈補正の目的(第17条の2第5項)、シフト(第17条の2第4項)〉
本件補正は、補正前請求項1に記載のあった「所定の荷重基準」を「触感を呈示する荷重基準」とするものであって、「荷重基準」を限定するものであり、また、補正の前後において、産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号で規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定にも適合する。

【第2-3】本件補正の適否2 独立特許要件(第17条の2第6項)

そこで、独立特許要件について検討するに、補正後請求項1に記載される発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、上記本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「補正後発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由の詳細は、以下のとおりである。

《理由:独立特許要件に適合しない理由の詳細》

[1]補正後発明
補正後発明は、前記【第2-1】の補正後の【請求項1】のとおりである。

[2]引用刊行物の記載
刊行物1:特開平11-212725号公報
原査定の拒絶の理由で引用された原出願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-212725号公報(上記刊行物1)には、以下の記載(下線は、注目箇所を示すために当審で施したものである。)が認められる。

〈特許請求の範囲〉
【請求項1】 情報表示装置であって、
(a) 情報表示面と、
(b) 所定の操作面を有し、前記情報表示面上に配置された透明または半透明の操作部と、
(c) 前記操作部と結合し、力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な双方向機能手段と、
(d) 前記操作面に与えられた操作力によって前記双方向機能手段から発生する電気信号を操作信号として取出す操作信号取出し手段と、
(e) 前記操作信号に応答して前記双方向機能手段に電気的な駆動信号を送出する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動信号によって前記双方向機能手段で生ずる力学的反応が前記操作面に伝達されて操作者の触感として感得されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】 請求項1の情報表示装置であって、
前記駆動制御手段は、
(e-1) 前記操作信号と所定の閾値とを比較し、前記操作信号が前記閾値を越えるときに前記駆動信号を前記双方向機能手段に送出する操作信号判定手段、を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】略
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかの情報表示装置であって、
前記双方向機能手段は、
(c-1) 空間的に相互に離れて配置され、それぞれが力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な複数の単位機能手段、を有するとともに、
前記情報表示装置が、さらに、
(f) 前記操作部に与えられた操作力によって前記複数の単位機能手段から発生する複数の電気信号に基づいて、前記操作面上の操作位置を表現した位置信号を生成する位置信号発生手段、を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】,【請求項6】略
【請求項7】 請求項1ないし請求項3のいずれかの情報表示装置であって、
前記操作手段は、
(b-1) 前記操作面上の操作位置に応じた位置信号を生成するタッチパネル、を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】略
【請求項9】 請求項4ないし請求項7のいずれかの情報表示装置であって、
前記駆動制御手段は、前記位置信号に応じて前記駆動信号のモードを変更することを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】 請求項2ないし請求項9のいずれかの情報表示装置であって、
(g) 前記操作信号が前記閾値を越えるときに前記位置信号の発生を所定の情報処理手段に伝達する論理ゲート手段、をさらに備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項11】 請求項1ないし請求項10のいずれかの情報表示装置であって、
前記双方向機能手段は、圧電素子を含むことを特徴とする情報表示装置。

〈技術分野、従来の技術、課題、目的〉
【技術分野】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえばFA(ファクトリーオートメーション)機器、自動販売機、自動券売機、現金自動出納機、家庭電化製品、医療用の操作機器、情報機器、携帯情報端末、ゲーム機などに用いられる情報表示装置および操作入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操作入力機能を有する情報表示装置のひとつとして、ディスプレイ上にタッチパネルを配置したものが広く使用されている。タッチパネルは極めて薄型であり、また、スイッチとして使用できる領域の選択の自由度が高いという利点を有する。
【0003】ところが、その反面で、タッチパネルはその押し込みストロークがほぼゼロであるために操作入力を行ったという感触(操作感)に欠けており、操作者としても実際に操作入力が装置側で受け付けられたかどうかについて不安感を持つ場合が多い。
【0004】このような事情に対応して、操作入力が実際に受け付けられた際には操作箇所の表示色を変化させたりフラッシュさせるなどの視覚的反応や、電子音を発生するなどの聴覚的反応を生じさせるような工夫もなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しなしながら、視覚的反応を利用した装置では、操作者の指に隠れて表示色の変化が見にくくなるという問題がある。また、表示色の変化が微妙である場合には、弱視などの視覚障害者には認識が困難である。
【0006】また、聴覚的反応を利用した装置では、周囲の騒音に紛れて電子音を聞き逃す場合もある。これを防止するには電子音を大きくすることもできるが、そのようにすると、たとえば複数の自動券売機を配列してあるような場所では、どの自動券売機からの電子音であるかがわからなくなる。さらに、携帯電話のような場合には電子音を過大にすると周辺の迷惑になる。また、聴覚障害者には電子音による反応を聞き取ることができない。

【0008】
【発明の目的】この発明は上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、操作部が実質的な押し込みストロークを持たなくても確実な操作感を与えることができる情報表示装置を提供することを第1の目的とする。
【0009】この発明の第2の目的は、表示面や操作面の付近の部品点数を減少させたシンプルな情報表示装置を実現することである。
【0010】また、この発明の第3の目的は、指を表示画面上ですべらせつつ目的の操作領域に到達させる操作方法(なぞり操作)を許容し、そのようななぞり操作においては目的の操作領域で実際に押圧操作を行うまでは装置側が誤った反応を示さないようにすることである。

〈基本原理〉
【0014】
【発明の基本的原理】上記の第1の目的に対応して、この発明では、操作入力に対する装置側からの応答として、操作面の振動や微少変位などの力学的反応を利用する。たとえば、圧電素子(すなわち圧電振動子ないしはピエゾ素子)などを利用することによって操作面を振動させ、それによって操作者に確実な操作感を与えることができる。
【0015】ところで、操作入力機能を有する情報表示装置の基本的要請として、操作面への操作入力を検知することが必要である。したがって、操作面に振動などの力学的反応を生じさせるように構成した装置においては、操作入力を検知する機能と、力学的反応を生成する機能との双方を持たせなければならない。
【0016】ここにおいて、この発明の発明者は、圧電素子などが、力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な機能手段(以下、「双方向機能手段」)であることに着目する。すなわち、このような双方向機能手段においては、電気信号を印加すれば振動などの力学的反応を生じる一方、この双方向機能手段に押圧力を加えると電圧などの電気的反応を生じる。
【0017】そこで、このような双方向機能手段の特性を積極的に利用して、操作検知機能と力学的反応発生機能とをひとつ(ないしは1組)の双方向機能手段によって兼用的に実現させることが、この発明の基本原理である。
【0018】ずなわち、この発明では双方向機能手段の諸機能のうち、「力学的圧力から電圧(または電流)への変換機能」によって操作入力の検知が行われ、「電圧(または電流)から力学的反応への変換機能」によって、操作面への力学的反応を生じさせる。
【0019】これによって、部品点数を増やすことなく、確実な操作感を与えることができる。

〈発明の実施形態〉

〈第1実施形態〉(図1?図14)
【0040】
【発明の実施の形態】<1. 第1実施形態>
<1-1. 装置の概要>図1は、この発明の第1実施形態の情報表示装置100を組み込んだシステム例としての、現金自動出納機(ATM)1の斜視図である。この現金自動出納機1は筐体2の前面に、現金出納部3と、カードおよび通帳挿入部4とを備えている。また、情報入出力部5が配置されており、情報表示装置100はこの情報入出力部5に使用されている。
【0041】図2は、情報表示装置100の外観図である。図1で示した利用例では情報表示装置100は主面を略上方に向けて配置してあるが、図2においてはこの情報表示装置100を立てて図示している。
【0042】図2において、この情報表示装置100は略箱状のハウジング101を備えており、このハウジング101に収容された部分は、操作者側に面した表示操作部DPと、その裏側の制御回路部CTとに大別されている。

【0044】図3は、図2のIII-III断面のうち表示操作部DPに相当する部分を示す一部省略断面図である。また、図4は図3のIV方向から見た透視平面図である。図3において、この表示操作部DPは窓41を有するケース40内に液晶表示パネル20を収容しており、この液晶表示パネル20の主面が情報表示面21となっている。
【0045】図4に示すように、液晶表示パネル20の四隅にそれぞれ隣接して、4個の圧電素子E1?E4が配置されている。圧電素子E1?E4は、力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な双方向機能手段30の要素としての単位機能手段である。 これらの圧電素子E1?E4は図3のケース40の底面に固定されており、それらの頂部によって透明または半透明の操作パネル10の四隅付近が支持されている。この操作パネル10はたとえばガラス板、アクリル板などであり、略矩形の平面形状を有している。

【0047】そして、この第1実施形態の装置では、銀行利用者が操作領域R1?R7のいずれを押圧したかを検知するための検知手段と、その押圧に応じて操作パネル10を細かく振動させるための駆動手段との双方を兼ねた要素として、図3の圧電素子E1?E4が利用されている。
【0048】<1-2. 操作位置の検知原理>この装置における残余の構成を説明する前に、操作領域R1?R7のいずれが押圧されたかを圧電素子E1?E4を用いて検知する原理について説明しておく。
【0080】<1-3. 制御回路部CTの構成と動作>次に、以上の原理を踏まえつつ、情報表示装置100の制御回路部CT(図7)の構成と動作とを説明する。なお、ここでは制御回路部CTをハード回路で構成した場合の例を示すが、マイクロコンピュータを使用してソフトウエアで実現してもよい。その場合には以下の各回路部分はマイクロコンピュータのMPUおよびメモリによって機能的に実現される。

【0081】<1-4. 圧電素子E1?E4による押圧力検知>図7において、操作パネル10に結合されている圧電素子E1?E4のそれぞれの端子電圧ek(k=1?4)は演算部51に並列的に与えられる。
【0082】図8はこの演算部51の内部構成を示している。演算部51内の信号変換部51aには、圧電素子E1?E4に加わる力と端子電圧との数値関係があらかじめ設定されている。圧電素子E1?E4のそれぞれの端子電圧ekは、この信号変換部51aによって圧電素子E1?E4に加わっている力fk(k=1?4)を表現する信号Sfkに変換され、これらの信号Sfkは位置演算部51bと操作力検出部51cとに並列的に与えられる。
【0083】位置演算部51bにはまた、定数記憶部51cにあらかじめ記憶させておいた距離定数a、b(図6参照)も与えられており、位置演算部51bは既述した数16,数17によって操作点の位置座標(x,y)を算出する。・・・(以下略)
【0084】一方、操作力検出部51dでは、力fk(k=1?4)の総和Σfkを求める。・・・(以下略)
【0085】これらの結果、演算部51からは、操作位置P(x,y)を示す操作位置信号SPと、操作力Fを示す操作力信号SFとが出力される。操作位置信号SPは(x,y)の2成分を有する。

【0086】<1-5. 操作位置(操作領域)の判定>図7に戻って、演算部51で得られた操作位置信号SPは領域判定部52へ与えられる。・・・(以下略)
【0087】領域判定部52は、比較判定部52a(図10)において、操作点Pの座標値(x,y)を、上記のようにして得られている操作領域R1?R7の各頂点座標と比較し、操作点Pがこれらの操作領域R1?R7および領域R0のいずれにあるかを判定する。
【0088】略
【0089】また、操作点Pの座標値(x,y)が、液晶表示画面中の操作領域R1?R7以外の領域(非操作領域)R0にあるかどうかも判定される。
【0090】したがって、図10の比較判定部52aからは、操作領域R1?R7または非操作領域R0のいずれかを指示するかを表現する操作領域R1?R6区分信号SRが出力される。なお、操作者が操作面11のいずれにも触れていないときには操作位置信号SPは非活性レベルとされ、それに応じて領域判定信号SRも非活性レベルとされる。複数の領域R1?R0および非活性レベルを区別するために、領域判定信号SRは複数ビットを持つ多値信号とされる。

【0091】<1-6. 操作力の判定>一方、図7において、操作力Fを示す操作力信号SFは操作力判定部54へ与えられる。この操作力判定部54には、操作力区分記憶部55から、図11の操作力区分F0?F4を規定する複数の閾値Fh1?Fh4が入力される。これらの閾値Fh1?Fh4の情報も、後述する情報処理部60から、その時点での表示内容に応じてロードされている。また、ここでの例では4つの操作力区分F0?F4が規定されているが、その時点での表示内容に応じて力の区分数を変化させることもできる。
【0092】さらに、領域判定部52からの領域判定信号SRもまた領域区分記憶部55に入力されている。そして、その時点での操作位置Pが属する領域(以下、「操作中領域R」)がいずれであるかに応じて閾値Fh1?Fh4の値を変更可能になっている。したがって、たとえば、操作領域R1?R6については閾値Fh1?Fh4の値を小さくし、操作領域R7については閾値Fh1?Fh4の値を大きくすることができる。これらの対応関係は図7の情報処理部60中にあらかじめテーブル形式で記憶しておくが、これらの閾値の具体的変更方法については後述する。
【0093】ただし、いずれの場合でも、閾値Fh1?Fh4のうちの最小閾値Fh1は、それより小さい操作力Fでの押圧はメニューの選択操作とはみなさないための閾値であり、なぞり操作を可能とするためのものである。すなわち、なぞり操作のばあいに単に指をそれぞれ操作面11上で移動させているときにはほとんど操作力は加わっていないため、最小閾値Fh1によって操作力を弁別することによりなぞり中の誤動作を防止可能である。最小閾値Fh1はこのような意味を有しているため、この最小閾値Fh1については操作領域や表示内容にかかわらずに一定値としておくことが好ましい。
【0094】最小閾値Fh1以上の範囲の4つの操作力区分F1?F4を「有効操作力区分」と呼ぶとき、操作力判定部54は、その中の比較判定部54a(図12)において、操作力信号SFで指示されているその時点での操作力Fを操作力閾値Fh1?Fh4をそれぞれ比較し、その時点での操作力Fが有効操作力区分F1?F4のいずれにあるかを判定する。たとえば、
【0095】?【0096】略
【0097】また、操作力Fが操作力区分F1?F4のいずれにもないとき、換言すれば、
【0098】
【数21】F<Fh1
であるときには、操作力区分F0での押圧(「実質的な押圧操作はない」)と判定する。
【0099】そして、有効操作力区分F1?F4については、その時点での操作力Fがそれらの区分に属するときに活性化するような信号を生成する。有効操作力区分F1?F4のいずれからの信号も非活性であるときには、操作力Fが最小閾値Fh1より小さいことを意味する。
【0100】これらの有効操作力区分F1?F4の判定部54aからの各信号は論理和回路54bに与えられ、それらの論理和信号としての操作有効信号FCが生成される。したがって、その時点での操作力Fが最小判定閾値Fh1以上であって、それによって操作者が実質的に操作面11を押圧操作していると判定されるときには、この操作有効信号FCが活性化することになる。逆に言えば、操作者が全く操作面11を押圧していない場合や、操作面11に触れてはいるがまだ最終的な選択操作を行っていない場合(なぞり操作中の場合など)には、この操作有効信号FCは非活性レベルのままである。
【0101】また、有効操作力区分F1?F4の各判定部からの信号は操作力判定信号FBとして図7の駆動モード選択部72に出力される。これは、操作力Fがどの区分にあるかによって、圧電素子E1?E4による操作面11の駆動モードを選択させるための情報として使用される。

【0102】ところで、図7に示すように、領域判定部52からの領域判定信号SRもまた操作力区分記憶部55に入力されている。これは、既述したように操作中領域Rに応じて閾値Fh1?Fh4の値を変更可能とするためである。具体的には、その時点で表示されている画面に応じて閾値Fh1?Fh4の複数の組が情報処理部60から操作力区分記憶55に入力されて記憶されており、その中から1組の閾値を領域区分信号Rに応じて選択する。このため、このように操作中領域R(ないしはその時点での操作位置)ごとに操作力Fの閾値を変更する場合には、操作力判定部54での操作力判定を領域判定部52から領域判定信号SRが生成されてから行うようにする。これは、たとえば図12の比較判定部54aの動作タイミングを領域判定部52の動作時間より微少時間だけ遅延させるか、あるいはこの比較判定部54aの前に遅延回路を挿入することによって達成可能である。
【0103】<1-7. 領域判定信号Rのゲート>図7において、領域判定部52から出力された領域判定信号SRは、情報処理部60と、ゲート回路56と、論理積回路57とに出力される。またこの論理積回路57には操作有効信号FCも入力されている。
【0104】論理積回路57は領域判定信号SRと操作有効信号FCとの論理積を求め、その論理積の値をゲート制御信号Gとしてゲート回路56に与える。ゲート回路56では、ゲート制御信号Gが活性のとき、すなわち、最小閾値Fh1より大きな力で操作面11のいずれかの部分が操作されているときのみ、領域判定信号SRを通過させる。
【0105】このゲート回路56を通過した領域判定信号SRは、情報処理部60内の第1処理部61に入力される。この第1処理部61は、この領域判定信号SRによって操作者が選択操作したメニュー項目に応じた情報処理および装置各部への制御信号を発生するとともに、必要に応じて外部機器(たとえばホストコンピュータ)にその旨を伝える。たとえば、図3の領域R2に相当する「お引き出し」が選択されたときには、ディスプレイドライバ71を介して液晶表示パネル20を駆動することにより、引き出し金額の入力操作画面に切り換える。

【0107】<1-8. 駆動モード選択>一方、領域判定信号SRと操作力判定信号FBとを入力した図7の振動モード選択部72は、操作中領域および操作力Fの区分に応じた駆動モードを選択する。この駆動モードは、操作面11をどのような態様で振動させるかを規定するものである。
【0108】具体的には、図13に示すように、領域判定信号SRが領域R1?R0のいずれに属するかを第1の指標とし、操作力判定信号FBが表現している区分が操作力区分F1?F4のいずれに属するかを第2の指標として、それら第1と第2の指標の組合せに対してどの駆動モードを選択すべきかが、テーブル72aにあらかじめ格納されている。図13中の記号S11,S12、…は、たとえば図14のような各種の駆動モードのいずれかを選択して指定するためのコードである。
【0109】図14は駆動モード記憶部73に記憶されている種々の駆動モードを模式的に示したものである。たとえば、図14(a)は小振幅で継続的振動を行うモードを示し、図14(b)は大振幅の振動モードである。図14(c)は図14(a)、(b)とは周波数が異なる振動モードを示し、・・・(以下略)
【0110】これらの駆動モードは所定のパラメータコードで識別可能となっており、図14(d)の例では、振動周波数VF、振動振幅VDおよび振動持続時間VTなどがそれらのパラメータである。
【0111】図13に戻って、テーブル72aの記憶内容を変更することにより、操作面11の駆動にバリエーションを与えることができる。たとえば、操作領域R1?R6については弱い振動を与えたいときには図14(a)の振動モードを指定するようにS11?S64の範囲のコードを決めればよい。また、操作力Fが大きいほど振動の強さを大きくしたいときには、図13の操作力区分F1、F2では図14(a)の振動モードを、操作力区分F3,F4では図14(b)の振動モードをそれぞれ指定しておけばよい。非操作領域R0についてのコードS01?S04は、「駆動なし」を指定することが好ましいが、弱い振動を与えてもかまわない。
【0112】このようにして領域判定信号SRと操作力判定信号FBとによってひとつの駆動モードが選択されると、その駆動モードを規定するパラメータ値が図14の駆動モード記憶部73から読出され、図7の圧電素子駆動部75に与えられる。それに応じて圧電素子E1?E4に振動電圧が与えられて圧電素子E1?E4が振動または微少変形するとともに、その振動または微少変位が操作面11に伝播する。これは、操作者が操作領域R1?R7のいずれかを所定以上の力で押下したときに、操作面11を振動ないしは微少にスライドさせることにより、その操作が受け付けられたことを操作者に触覚的に知らせるという作用を生じさせる。
【0113】ところで、図13のテーブル72aには、操作力Fが最小閾値Fh1以下である場合について駆動モードを指定している列がない。これは、そのような場合には操作面11を駆動させず、それゆえに駆動モードを選択を行う必要がないことに起因する。
【0114】このような構成により、操作力判定信号FBが活性であるときには、テーブル72aの対応箇所で指定されている駆動モードのパラメータ信号Vが図7の圧電素子駆動部75に出力されるが、操作力判定信号FBが非活性であるときには、何らの駆動モードの情報も圧電素子駆動部75に出力されない。このため、最小閾値Fh1以上の操作力Fが操作面11に加わったときのみ、操作面11が振動または微少変位するようになる。
【0115】なお、非操作領域R0について操作力Fの大きさかかわらず「振動なし」と設定しているときには、最小閾値Fh1以上の操作力Fが操作面11に加わってもそれが非操作領域R0であれば振動などは起こらない。
【0116】また、図13および図14の例では各種の振動モードも、それからの選択規則もテーブル形式で準備されているが、操作領域判定信号SRと操作力判定信号FBとを2つの入力変数とした関数としてこの選択規則を保持しておいてもよい。
【0117】ところで、これらの駆動モード選択動作において、最小閾値Fh1以上の操作力Fが操作面11に加わったときのみ圧電素子E1?E4を駆動させるには、他の構成をとることもできる。すなわち、図7および図13に破線74で示したように、論理積回路57の出力である論理積信号Gを、図13の駆動モード選択部72内に追加して設けたゲート回路72bにゲート制御信号として入力させる。このゲート回路72bは、テーブル72aからの選択出力の駆動モード記憶部73への伝達または、駆動モード記憶部73への駆動モードのパラメータ信号Vの伝達を制御するものである。すなわち、操作力Fが最小閾値Fh1より小さければ論理積信号Gは必ず非活性であるから、これを用いて駆動モードの伝達を禁止することができる。このような変形は、テーブル72aが領域判定信号SRに関してのみ規定されており、操作力Fの大きさによっては駆動モードを変化させないような装置として構成した場合に特に有効である。
【0118】すなわち、このような場合には、操作力Fはそれが最小閾値Fh1より大きいかどうかだけが問題であり、それ以上の範囲でどの操作力区間F1?F4に属しているかは判定する必要はない。このため、図7の操作力判定部54では操作力判定信号FBを生成する必要がなく、この操作力判定部54から駆動モード選択部72への操作力判定信号FBの伝達も省略できる。このため、このような場合に、操作力Fが最小閾値Fh1より大きいときだけ操作面11の振動の発生を許容させるには、追加のゲート回路72bを使用して、論理積回路57の出力である論理積信号Gを利用する実益が高くなるのである。

〈第2実施形態〉(図15,図16)
【0132】<2. 第2実施形態>図15はこの発明の第2実施形態である情報表示装置の表示操作部DPに相当する部分を示す一部省略断面図であり、図3の構造と置換して使用される。この第2実施形態の情報の利用態様例および外観は、図1および図2と同様である。
【0133】図15において、この第2実施形態の表示操作部DPは操作者による操作位置の特定をタッチパネル10Tによって行う。このタッチパネル10Tは、たとえば抵抗膜式のものであり、透明基板上にXY面内でM行N列の直行マトリクス状に配置された透明電極を有している。それらの各交点がスイッチ部となっており、マトリクスの各セルを単位としてXY方向の操作位置信号を出力する。
【0134】このタッチパネル10Tは、抵抗膜式のものに限らず、(1) 発光素子からデータ光が受光素子に入射するのを指などで遮断または減衰させてその操作位置を検出する光電式のタッチパネル、(2) 超音波発振素子から出た超音波が受振素子に入るのを指などで遮断または減衰させてその操作位置を検出する超音波式のタッチパネル、(3) 静電容量の変化によって指などが触れた位置を検出する静電容量式のタッチパネル、などであってもよい。
【0135】タッチパネル支持板42はタッチパネル10Tの補強のためのものであり、図示例のようにタッチパネル10Tに対応する部分をくり抜いて枠体形状にする場合には不透明部材であってもよい。枠体形状にせずに平板状にする場合には透明または半透明部材で形成することが好ましい。また、タッチパネル10T自身が押し込み操作によっても変形しない程度の強度を有している場合には、このタッチパネル支持板42を設けなくてもよい。
【0136】図15の表示操作部DPの残余の構成は図3のものと同様であるが、この図15の表示操作部DPでは操作位置の検出はタッチパネル10Tが行い、圧電素子E1?E4は操作面11への操作力の検出と、操作面11への力学的駆動との目的で使用される。
【0137】図16は、図15の表示操作部DPを利用する場合の制御回路部CTの構成図であり、図7と同様にハード回路として記載されているが、それらの機能はソフト的に実現することもできる。この図16の制御回路部CTの多くの要素は図7の場合と同じ構成と機能を有しており、以下では図16と図7とを比較しつつ図7と異なる部分について説明する。
【0138】図16において、タッチパネル10Tの操作位置が操作位置特定部51Tで特定される。ただし、タッチパネル10TがM行N列のマトリクス配列であることから、この操作位置を示す操作位置信号SPはタッチパネル10Tの各セルのサイズを単位とした値となる。
【0139】この操作位置信号SPが操作領域R1?R7のいずれに相当するかは領域判定部52によって判定されるが、この領域判定部52の構成と動作は図7のものと基本的に同一である。
【0140】一方、圧電素子E1?E4のそれぞれの端子電圧ek(k=1?4)は演算部51Fに並列的に与えられるが、この演算部51Fは図8の構成から位置演算部51bを省略したものに相当する。すなわち、この第2実施形態における操作位置の特定はタッチパネル10Tを使用して行うため、圧電素子E1?E4の出力電圧からはトータルな操作力Fだけを演算すればよい。
【0141】演算部51Fの出力である操作力信号SFは操作力判定部54に出力されて、その操作力Fがいずれの操作力区分F0?F4(図11)のうちのいずれに属するかが判定される。
【0142】以後の構成および動作は第1実施形態と同様である。・・・(以下略)

〈第3実施形態〉(図17?図19)
【0144】<3. 第3実施形態>図17はこの発明の第3実施形態にかかる情報表示装置200の外観斜視図であり、図18はその正面図である。この情報表示装置200は可搬型の情報表示装置の1例としての液晶表示型のゲーム機となっている。この情報表示装置200は箱形のハウジング201の主面MSに操作面11が露出している。この操作面は図3の操作パネル10または図15のタッチパネル10Tの表面に相当する。この操作面11から奥の表示操作部や制御回路部は、第1実施形態または第2実施形態の表示操作部DPと同様に構成されている。
【0145】図17の操作面11には、液晶表示パネルで表示した操作領域R1?R4が透過して見えている。これらの操作領域R1?R4は、典型的には両側部に沿って表示される。操作者はハウジング201の両側を図17に破線で示すように両手で握り、親指によってこれらの操作領域R1?R4を押圧して操作する。この押圧操作の位置が検知されるとともに、所定の閾値より大きな押圧力であればその操作入力が受け付けられて画面中の表示対象物210(図18)が変化するとともに、操作面11が所定のモードで振動または微少変位する。このあたりの動作は第1および第2実施形態と同様である。

〈他の実施形態〉(図20?図22)
【0152】<4. 他の実施形態>図20はこの発明の情報表示装置として利用可能な他の例を示す図であり、情報表示面21およびその上に重なった操作面11の一部を示している。この例ではオーディオ機器のボリュームコントロールつまみ部分を液晶表示パネルに表示し、それを操作者の指で操作させるように構成されている。具体的には、音域ごとのスライド型ボリュームつまみ301を表示し、その上に指303を置いて押圧力を加えつつ、ボリューム調整ライン302に沿って「H」または「L」の方向に指303を移動させると、このボリュームつまみ301の表示がそれにつれて移動しつつ実際の音量が変化する。それとともに、操作面11が振動することにより操作中であることを操作者に伝える。
【0153】また、その振動振幅は、その時点において操作しているボリュームつまみ301の位置によって変化するようになっている。たとえば、そのボリュームつまみ301が区間YL内にあるときには小振幅で、区間YM内にあるときには中振幅で、区間YH内にあるときには大振幅で操作面11を振動させる。これによって、操作者は現在の音量に応じた触感を得ることができる。また、ボリュームつまみ301のY座標に応じて連続的に振幅を増大させるようにすることもできる。
【0154】図22はこのような機能を実現するための具体的構成例を示している。この図22は、第1実施形態の図7あるいは第2実施形態の図16の一部の変形部分を示しており、情報処理部60からは、その時点での操作中のボリュームつまみ301について表示中のY座標が区間YL、YM、およびYHのいずれに属するかを示す情報yDが駆動モード選択部72に伝達されてくる。この駆動モード選択部72内のテーブル72aは、このY座標識別値yDに応じて駆動モードを選択するような関係がテーブル形式で記憶されており、Y座標識別値yDが大きければ大振幅の振動モードが、小さければ小振幅の振動モードが駆動モード記憶部73から選択されるようになっている。駆動モード記憶部73には大振幅、中振幅、小振幅のそれぞれの振動モードが記憶されている。
【0155】また、連続的に振幅を変化させたいときには、ボリュームつまみ301について表示中のY座標の値そのものをY座標識別情報yDとして駆動モード選択部72に与え、このY座標識別情報yDの増加関数を使用して振動振幅を決めるようにしてもよい。
【0156】いずれの場合も、臨場感あふれるつまみ操作を実現できる。
【0157】図21は図20と類似の使用例を示す図である。この図21の例では指303は低音量側の押しボタン表示304Lと、高音量側の押しボタン表示304Hとを押圧操作できるようになっている。たとえば、高音量側の押しボタン表示304Hを押圧操作するとスライド表示305がボリューム調整ライン302に沿って移動して音量が大きくなるとともに、操作面11の振動振幅も増大する。この場合には、図22の情報yDとして、その時点での操作中のボリュームつまみ303につき、スライド表示301のY座標そのものか、あるいは、そのY座標が区間YL、YM、およびYHのいずれに属するかを示す情報を使用する。
【0158】その他の構成と動作とは第1実施形態や第2実施形態の装置と同様である。

[3]刊行物1に記載された発明(以下、「引用発明」という。)

ア 刊行物1概要、引用発明認定の対象
刊行物1は、押し込みストロークを持たなくても確実な操作感を与えることができること、操作検知機能と力学的反応発生機能とを兼用し部品点数を減少させたシンプルな情報表示装置とすること、指を表示画面上ですべらせつつ目的の操作領域に到達させる操作方法(なぞり操作)を許容し、そのようななぞり操作においては目的の操作領域で実際に押圧操作を行うまでは装置側が誤った反応を示さないようにすること(【0008】?【0010】,【0015】?【0019】)を目的とし、
「力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な」「双方向機能手段」(【0016】)を用いることによって、
上記両機能を、「ひとつ(ないしは1組)の双方向機能手段によって兼用的に実現させる」(【0017】?【0019】)ようにするもので、
概要を、前掲【請求項1】、すなわち、
「情報表示装置であって、
(a) 情報表示面と、
(b) 所定の操作面を有し、前記情報表示面上に配置された透明または半透明の操作部と、
(c) 前記操作部と結合し、力学的作用と電気信号とを双方向で変換可能な双方向機能手段と、
(d) 前記操作面に与えられた操作力によって前記双方向機能手段から発生する電気信号を操作信号として取出す操作信号取出し手段と、
(e) 前記操作信号に応答して前記双方向機能手段に電気的な駆動信号を送出する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動信号によって前記双方向機能手段で生ずる力学的反応が前記操作面に伝達されて操作者の触感として感得されることを特徴とする情報表示装置。」とするものが示され、
その実施の形態として、前掲「第1実施形態」,「第2実施形態」、「第3実施形態」、「他の実施形態」が示される

(i)「第1実施形態」(【0040】?【0118】、図1?図14)は、最初に記載される実施形態であって、
操作位置の検出、操作力の検出、操作面への力学的駆動を圧電素子E1?E4を用いて行う、図3の「操作表示部DP」を備える実施形態であって、
【請求項4】に対応する(位置信号を「操作部に与えられた操作力によって」「双方向機能手段」により発生するようにしたものに対応する)ものであり、
図3の圧電素子E1?E4(「双方向機能手段」としての)を用いて、操作位置(【0048】)と押圧力が検知される(【0081】)。

さらに、「第1実施形態」は、
「なぞり操作においては目的の操作領域で実際に押圧操作を行うまでは装置側が誤った反応を示さないようにする」(【0010】)ために採る前掲【請求項2】の構成、すなわち、
「請求項1の情報表示装置であって、
前記駆動制御手段は、
(e-1) 前記操作信号と所定の閾値とを比較し、前記操作信号が前記閾値を越えるときに前記駆動信号を前記双方向機能手段に送出する操作信号判定手段、を有する」情報表示装置に対応する実施形態でもあり、
「操作力Fが最小判定閾値Fh1以上であって、それによって操作者が実質的に操作面11を押圧操作していると判定されるときには、この操作有効信号FCが活性化」され、「操作面11に触れてはいるがまだ最終的な選択操作を行っていない場合(なぞり操作中の場合など)には、この操作有効信号FCは非活性レベルのまま」とされ(【0100】)、
【0114】?【0118】によれば、「操作力Fが最小閾値Fh1より大きいときだけ操作面11の振動の発生」(【0118】)するようにされるものである。

(ii)「第2実施形態」(図15,図16)は、「操作位置の検出はタッチパネル10Tが行い、圧電素子E1?E4は操作面11への操作力の検出と、操作面11への力学的駆動」に「使用される」(【0136】)とした、図15に示される、「液晶表示パネル(20)」「タッチパネル(10T)」、「圧電素子(E1?E4)」を有する「操作表示部DP」を備える実施形態であり、上記「第1実施形態」とは、段落【0132】?【0140】の点が異なり、他の構成および動作は「第1実施形態」と同様である(【0142】)とするものであって、
【請求項7】に対応する(「(b-1) 前記操作面上の操作位置に応じた位置信号を生成するタッチパネル、を有する」ものに対応する)ものである。

(iii)「他の実施形態」(図20?図22)は、「第1実施形態」、「第2実施形態」の装置とは、特記される段落【0152】?【157】の点が異なり、他の構成および動作は「第1実施形態」、「第2実施形態」の装置と同様(【0158】)とするものが示されている。

補正後発明と対比する刊行物1記載の発明(引用発明)として、
これら実施形態のうち、上記(iii)の「他の実施形態」であって、タッチパネルを有するもの、すなわち、「第2実施形態」の装置とは、特記される段落【0152】?【157】の点が異なり、他の構成および動作は「第2実施形態」の装置と同様であるもの、及びこれに対応する特許請求の範囲記載のものを基礎として、引用発明を認定する。

イ 「他の実施形態」のもの(第2実施形態と同じ図15の「操作表示部DP」を備えるもの)

イ-1 情報表示装置、操作表示部、動作
「図20はこの発明の情報表示装置として利用可能な他の例を示す図であり、情報表示面21およびその上に重なった操作面11の一部を示している。」(【0152】)とあり、上記ア(ii)から、
液晶表示パネル(20)及びその上に重なった操作面(11)を有するタッチパネル(10T)、圧電素子(E1?E4)を有し、「操作位置の検出はタッチパネル10Tが行い、圧電素子E1?E4は操作面11への操作力の検出と、操作面11への力学的駆動」に「使用される」ようにした、図15に示される「操作表示部DP」を備える「情報表示装置」を認めることができる。 (→引用発明のp)
そして、「オーディオ機器のボリュームコントロールつまみ部分を液晶表示パネルに表示し、それを操作者の指で操作させるように構成されて」おり、「音域ごとのスライド型ボリュームつまみ301を表示し、その上に指303を置いて押圧力を加えつつ、ボリューム調整ライン302に沿って「H」または「L」の方向に指303を移動させると、このボリュームつまみ301の表示がそれにつれて移動しつつ実際の音量が変化」し「それとともに、操作面11が振動することにより操作中であることを操作者に伝え」(【00152】)、「その振動振幅は、その時点において操作しているボリュームつまみ301の位置によって変化するようになっている。」(【0153】)ものであり、
ここに、「音域ごとのスライド型ボリュームつまみ301」(図20)は、「液晶表示パネル(20)」が表示すること、
圧電素子(E1?E4)が「操作面11」を振動させることにより操作中であることを操作者に伝え」ること、以上は明らかである。
(→引用発明のq、r)
なお、後記するように、この「他の実施形態」は、【請求項9】「請求項4ないし請求項7のいずれかの情報表示装置であって、前記駆動制御手段は、前記位置信号に応じて前記駆動信号のモードを変更することを特徴とする情報表示装置。」に対応するものである。

イ-2 具体的構成例
また、そのように動作させるための具体的構成例として、
「図22はこのような機能を実現するための具体的構成例を示している。この図22は、第1実施形態の図7あるいは第2実施形態の図16の一部の変形部分を示しており、情報処理部60からは、その時点での操作中のボリュームつまみ301について表示中のY座標が区間YL、YM、およびYHのいずれに属するかを示す情報yDが駆動モード選択部72に伝達されてくる。この駆動モード選択部72内のテーブル72aは、このY座標識別値yDに応じて駆動モードを選択するような関係がテーブル形式で記憶されており、Y座標識別値yDが大きければ大振幅の振動モードが、小さければ小振幅の振動モードが駆動モード記憶部73から選択されるようになっている。駆動モード記憶部73には大振幅、中振幅、小振幅のそれぞれの振動モードが記憶されている。」(【0154】)、
「また、連続的に振幅を変化させたいときには、ボリュームつまみ301について表示中のY座標の値そのものをY座標識別情報yDとして駆動モード選択部72に与え、このY座標識別情報yDの増加関数を使用して振動振幅を決めるようにしてもよい。」(【0155】)、とされ、
「その他の構成と動作とは」「第2実施形態の装置と同様である」(【0158】)とされている。

イ-3 押圧力、閾値
【0152】の「その上に指303を置いて押圧力を加えつつ、ボリューム調整ライン302に沿って「H」または「L」の方向に指303を移動させると」、「それとともに、操作面11が振動する」からすれば、圧電素子は「押圧力を加えつつ指を移動させると振動する」ことは明らかであるが、
振動が発生するときの「押圧力」についてみるに、以下の(i)?(v)からすれば、振動が発生するのは、第1実施形態?第3実施形態と同じく、加える押圧力(操作力)が最小閾値Fh1より大きいときだけ操作面が振動するようになっている、と普通に想定されることである。 (→引用発明のr2)

(i)「押圧力を加えつつ」と明記していることから、押圧力を加えない、なぞり操作等は、実効的な操作とはしないと普通に理解されること。
(ii)第1実施形態も第2実施形態も、加える押圧力(操作力)が最小閾値Fh1より大きいときだけ操作面を振動させるものであるところ、この点について、「他の実施形態」が第1・第2実施形態と異なるとする【0152】?【0157】には記載されていないこと。
(iii)前掲【0010】、【0093】、【0098】、【0100】、【0103】,【0145】の特に下線を施した記載からすれば、一貫して、押圧力が所定の閾値を越えるときのみ、実質的に有効な「押圧操作」があるとしていること。
(iv)「他の実施形態」は、上記イ-1,2からすれば、
【請求項9】「請求項4ないし請求項7のいずれかの情報表示装置であって、
前記駆動制御手段は、前記位置信号に応じて前記駆動信号のモードを変更することを特徴とする情報表示装置」に対応する実施形態であることは明らかであるところ、
同請求項9は、「前記操作信号が前記閾値を越えるときに前記駆動信号」を発生することを規定する請求項2を引用する請求項7(タッチパネルを有する)を引用している発明(を含む発明)であること。
(v)また、【請求項9】の従属項であって、「(g) 前記操作信号が前記閾値を越えるときに前記位置信号の発生を所定の情報処理手段に伝達する論理ゲート手段、をさらに備える」ことを規定する【請求項10】が存在するとともに、これに対応する段落【0104】,【0105】やその変形例【0117】,【0118】の記載もあり、
加えて、「他の実施形態」を示す上述した図22の「駆動モード選択部72」には、「操作有効信号FC」が入力されていること、同図22の「情報処理部60」に、「→」で示される左側から入力される信号として、図16のゲート56からの出力信号(すなわち操作有効信号FCと操作領域信号SRの論理積信号)が入力されていると想定されること。
{・「ゲート制御信号Gが活性のとき、すなわち、最小閾値Fh1より大きな力で操作面11のいずれかの部分が操作されているときのみ、領域判定信号SRを通過させる。」(【0104】)、
・「このゲート回路56を通過した領域判定信号SRは、情報処理部60内の第1処理部61に入力される。」(【0105】)、
・「ところで、これらの駆動モード選択動作において、最小閾値Fh1以上の操作力Fが操作面11に加わったときのみ圧電素子E1?E4を駆動させるには、他の構成をとることもできる。すなわち、・・・すなわち、操作力Fが最小閾値Fh1より小さければ論理積信号Gは必ず非活性であるから、これを用いて駆動モードの伝達を禁止することができる。このような変形は、テーブル72aが領域判定信号SRに関してのみ規定されており、操作力Fの大きさによっては駆動モードを変化させないような装置として構成した場合に特に有効である。」(【0117】)
・「すなわち、このような場合には、操作力Fはそれが最小閾値Fh1より大きいかどうかだけが問題であり、それ以上の範囲でどの操作力区間F1?F4に属しているかは判定する必要はない。このため、図7の操作力判定部54では操作力判定信号FBを生成する必要がなく、この操作力判定部54から駆動モード選択部72への操作力判定信号FBの伝達も省略できる。このため、このような場合に、操作力Fが最小閾値Fh1より大きいときだけ操作面11の振動の発生を許容させるには、追加のゲート回路72bを使用して、論理積回路57の出力である論理積信号Gを利用する実益が高くなるのである。」(【0118】)}

ウ 引用発明
以上を総合すれば、引用発明として、下記の発明を認定することができる(便宜上、p?r2に分説しておく)。

記(引用発明)
p :液晶表示パネル及びその上に重なった操作面を有するタッチパネル、圧電素子を有し、操作位置の検出はタッチパネルが行い、圧電素子は操作面への操作力の検出と、操作面への力学的駆動に使用されるようにした、図15に示される操作表示部DPを備える情報表示装置であって、
q :液晶表示パネルは音域ごとのスライド型ボリュームつまみ301(図20)を表示し、その上に指を置いて押圧力を加えつつ、ボリューム調整ライン302に沿って「H」または「L」の方向に指303を移動させると、このボリュームつまみ301の表示がそれにつれて移動しつつ実際の音量が変化しそれとともに、
r :圧電素子は、操作面を振動させることにより操作中であることを操作者に伝え、その振動振幅は、その時点において操作しているボリュームつまみ301の位置によって変化するようになっており、
r2:圧電素子による振動は、加える押圧力(操作力)が最小閾値より大きいときだけ操作面が振動するようになっている、
p :情報表示装置。

[4]補正後発明と引用発明との対比(対応関係)

(1) 補正後発明(構成要件の分説)
補正後発明は,以下のように要件A?Eに分説することができる。

記(補正後発明,分説)
A :入力を受け付けるタッチセンサと、
B :前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、
C :スライドバーを表示する表示部と、
D :前記タッチ面を振動させる触感呈示部と、
E :前記荷重検出部が検出する押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たした後、当該触感を呈示する荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じて、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記触感呈示部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする
F :入力装置。

(2)対比
ア 要件A「入力を受け付けるタッチセンサと、」(を備える)について
引用発明のpの(液晶表示パネルの上に重なった)「タッチパネル」は、「入力を受け付けるタッチセンサ」ということができ、
要件Aにおいて、補正後発明と引用発明は相違しない。

イ 要件C「スライドバーを表示する表示部と、」(を備える)について
引用発明のqの「ボリューム調整ライン302」又はこれと「スライド型ボリュームつまみ301(図20)」を合わせたものは、補正後発明でいう「スライドバー」といえると共に、「液晶表示パネル」が表示するものといえ、従って、引用発明も要件Cを備えているということができ、
要件Cにおいて、補正後発明と引用発明は相違しない。

ウ 要件B,Dについて
B「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、」
D「前記タッチ面を振動させる触感呈示部と、」(を備える)

引用発明のpの「圧電素子」は「操作面への操作力の検出と、操作面への力学的駆動に使用されるように」されるものであるから、
「操作面への操作力の検出」を行う機能を担う部分といえるところ、「操作面」は「タッチ面」といえ、「操作力の検出」は「押圧荷重の検出」ともいえるから、「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分」といえる。
対して、補正後発明の要件Bの「荷重検出部」も「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分」といえるから、、この点では、補正後発明と引用発明は相違しない。

また、引用発明のp、rの「圧電素子」は、上記のとおり、「操作面への操作力の検出」を行う機能を担うものであるとともに、「操作面(補正後発明の「タッチ面」)を振動させる」機能も担うものであって「操作面を振動させることにより操作中であることを操作者に伝え」るものでもあるから、「前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分」ということができる。
対して、補正後発明の要件Dの「触感呈示部」も「前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分」といえるから、この点でも、補正後発明と引用発明は相違しない。

もっとも、「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分」、「前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分」が、
補正後発明では、それぞれ、「前記タッチセンサの・・・荷重検出部」、「前記タッチ面を振動させる触感呈示部」であるとするのに対して、
引用発明では、同じ共通の「圧電素子」である点で相違が認められる。

エ 要件Eについて
E「前記荷重検出部が検出する押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たした後、当該触感を呈示する荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じて、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記触感呈示部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする」

上記要件Eは、
E1:「触感を呈示すること」、
E2:「触感を呈示すること」が、「前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して」であること、
E3:「触感を呈示すること」が、「前記荷重検出部が検出する押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たした後、当該触感を呈示する荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、」あることを条件とすること
E4:「触感を呈示すること」における触感が、「前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じ」たものであること
E5:「触感を呈示すること」がE2?E4であるように「前記触感呈示部を制御する制御部」を備えること
を要求する要件である。

エ-1 E1、E2について
引用発明の「圧電素子」は、r「操作面を振動させることにより操作中であることを操作者に伝え」るから、引用発明が上記E1,E2を満たすことは明らかである。

エ-2 E3について
引用発明においても、r2「圧電素子による振動は、加える押圧力(操作力)が最小閾値より大きいときだけ操作面が振動するようになっている」から、
「触感(振動)を呈示すること」が、「前記荷重検出部(圧電素子)が検出する押圧荷重が」「最小閾値より大きいとき」という「荷重基準を満たしたとき」「だけ操作面が振動するようになっている」ものである。
また、その「最小閾値より大きいとき」という「荷重基準」は、「操作面を振動させる荷重基準を満たしたとき」、すなわち、「触感を呈示する荷重基準を満たしたとき」ともいい得ることは明らかである。
そして、「最小閾値より大きいときだけ操作面が振動する」、すなわち、「操作面を振動させる荷重基準を満たしたときだけ操作面が振動する」ことが、
「操作面を振動させる荷重基準(「触感を呈示する荷重基準」)を満たす前には振動せず満たした後振動すること、同基準を満たしていない状態では振動せず、同基準を満たしている状態のときだけ振動するようになっていること、を意味することも明らかである。
したがって、引用発明は、上記E3も満たしている。

エ-3 上記E4について
引用発明は、r「圧電素子は、操作面を振動させることにより操作中であることを操作者に伝え、その振動振幅は、その時点において操作しているボリュームつまみ301の位置によって変化するようになって」いるから、
「触感を呈示すること」における触感が、「前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じ」たものである」といえ、上記E4も満たしている。

エ-4 上記E5について
引用発明は、q、r、r2のように圧電素子を振動動作するようにするものであるところ、圧電素子をそのように振動動作するように制御する制御部を備えていることは明らかである。

エ-5 まとめ
引用発明も要件Eを備えているといえ、要件Eにおいて、補正後発明と引用発明は相違しない。

オ 要件F「入力装置」について
引用発明のp?r2の「情報表示装置」は、「タッチパネル」を備えているから、(情報表示機能付き)「操作入力装置」ともいえ、要件Fにおいて、補正後発明と引用発明は相違しない。

カ 一致点・相違点
そうすると、補正後発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。

[一致点]
A 入力を受け付けるタッチセンサと、
B’前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分
C スライドバーを表示する表示部と、
D’前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分
E 前記荷重検出部が検出する押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たした後、当該触感を呈示する荷重基準を満たす押圧荷重を検出している状態で、前記タッチセンサからの位置情報に基づいて移動する前記スライドバーのノブの位置に応じて、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記触感呈示部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする
F 入力装置。

[相違点]
B’「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分」、D’「前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分」が、
補正後発明では、それぞれ、B「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部」、D「前記タッチ面を振動させる触感呈示部」であるとするのに対して、
引用発明では、同じ共通の「圧電素子」である点。

[5]相違点等の判断

(1)[相違点の克服]
引用発明を出発点とし、
引用発明の、「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出機能を担う部分」、「前記タッチ面を振動させて触感を呈示する機能を担う部分」が同じ共通の「圧電素子」である構成を、
それぞれ、同じ共通のものではない、B「前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重検出部」とD「前記タッチ面を振動させる触感呈示部」とで構成するようにすること(以下、[相違点の克服]という)で、上記[相違点]は克服され、補正後発明に到達する。

(2)[相違点の克服]の容易想到性の判断
刊行物1は、操作検知機能と力学的反応発生機能とを兼用し部品点数を減少させたシンプルな情報表示装置とすることを目的の1つとするものである(【0009】)ところ、これに接した当業者は、その従来技術又は前提技術となる後退的技術として、それらが兼用されていない別々の部品で構成される情報表示装置をごく普通に想定するというべきである。
すなわち、刊行物1に接した当業者にとって、上記[相違点の克服]は容易になし得ることである。

(3)まとめ
以上、引用発明を出発点として、上記[相違点の克服]をして補正後発明に到達することは、当業者が容易に想到し得たことである。

[6]小活
以上によれば、補正後の請求項1に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

【第3】査定の当否(当審の判断)

[1]本願発明
平成25年11月27日付けの補正は上記のとおり却下する。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、【第2-1】に補正前請求項1(補正前、平成25年4月8日補正によるもの)として記載したとおりのものである。

[2]引用刊行物の記載、引用発明、対比
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開平11-212725号公報(上記刊行物1に同じ)には、前記「【第2-3】[3]」で認定したとおりの引用発明が認められ、
本願発明と引用発明との対応については、前記「【第2-3】[4]補正後発明と引用発明との対応」を援用する。

[3]一致点、相違点、相違点等の判断(容易想到性の判断)
本願発明は、前記補正後発明における「触感を呈示する荷重基準」が、「所定の荷重基準」であるものである。
したがって、[本願発明と引用発明との一致点]は、前記【第2-3】[4]で示した[一致点]において、「触感を呈示する荷重基準」を「所定の荷重基準」と置き換えたものと同じであり、
[本願発明と引用発明との相違点]は、前記【第2-3】[4]で示した[相違点](補正後発明と引用発明との相違点)と同じである。

そして、本願発明と引用発明の上記相違点についての判断は、相違点が同じであるから、前記「【第2-3】[5]」でした補正後発明と引用発明との相違点等の判断と同じである。

[4]まとめ(本願発明)
本願発明は、上記刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

【第4】むずび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項について特に検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-11-25 
結審通知日 2014-12-02 
審決日 2014-12-15 
出願番号 特願2010-191412(P2010-191412)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中田 剛史  
特許庁審判長 和田 志郎
特許庁審判官 山田 正文
乾 雅浩
発明の名称 入力装置  
代理人 杉村 憲司  
代理人 大倉 昭人  

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