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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1297156 |
審判番号 | 不服2013-13452 |
総通号数 | 183 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-07-12 |
確定日 | 2015-02-04 |
事件の表示 | 特願2011-253348「クローズド・キャプション・タグ付システム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月12日出願公開、特開2012- 75161〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 経緯 1 経緯 本件出願は、2000年9月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1999年9月20日、米国)を国際出願日とする出願である特願2001-525965号の一部を平成23年11月18日に新たな特許出願としたものであって、平成24年8月22日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成25年1月28日付けで手続補正がなされたが、平成25年3月5日付けで拒絶査定がなされた。 本件は、上記拒絶査定を不服として平成25年7月12日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、平成25年7月12日付けで手続補正(明細書、特許請求の範囲又は図面について請求と同時にする補正)がなされた。 2 査定の概要 原査定の理由は、概略、次のとおりである。 (理由A)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1?15には、動作の記載が存在するが、それらの動作を実行する主体が不明であり、請求項1?15の記載は明確でない。 (理由B)この出願の請求項1?15に係る発明は、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。 記 請求項1?15には、動作の記載が存在するが、主体が不明である。 (理由C)この出願の請求項1?10、16?25に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開平7-154350号公報 2.国際公開第99/11065号 3.特開平5-284437号公報 4.国際公開第99/29109号 第2 補正却下の決定 平成25年7月12日付けの手続補正について次のとおり決定する。 [補正却下の決定の結論] 平成25年7月12日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 平成25年7月12日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正である。その詳細は以下のとおりである。 特許請求の範囲 「 【請求項1】 受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法であって、 前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の新規な番組セグメントにより、代替するステップとを 備える、方法。 【請求項2】 当該検出するステップが、番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを示す当該放送ストリームに挿入されたタグを検索する、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 当該タグが、当該放送ストリームのクローズド・キャプション領域内に配置されている、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 当該新規な番組セグメントが、当該受信機の格納デバイスに格納されている、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記受信機が、当該放送ストリームを介して新規な番組セグメントを受信するステップと、 前記受信機が、当該新規な番組セグメントを当該格納デバイスに格納するステップとを、 更に備える、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 当該新規な番組セグメントが、遠隔操作でアクセス可能な位置に格納されている、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 再生される当該新規な番組セグメントが、地域、時刻、番組マテリアル、前記視聴者の表示習慣、前記視聴者の番組嗜好、または前記視聴者の個人情報の何れかを含む基準に基づいて選択される、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 当該基準が、前記第一の番組セグメントが代替されないという結果をもたらす、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 当該新規な番組セグメントが、最もマッチする新規な番組セグメントを選択するために使用される、当該番組セグメントの特徴を記述している番組オブジェクトを有する、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 新規な番組セグメントが、広告見疲れを避けるために回転ベースで選択される、請求項1に記載の方法。 【請求項11】 前記放送ストリームを前記終了ポイントを越えて巻き戻すと、前記受信機が、前記開始ポイントに対応する開始タグを越えて巻き戻すことなく、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するステップを、さらに、備える、請求項1に記載の方法。 【請求項12】 前記受信機が、前記新規な番組セグメントが第一の番組セグメントを代替した前記放送ストリームを1個以上の格納デバイスに格納するステップを、さらに、備え、 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記受信機が、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、前記1個以上の格納デバイスから、前記第一の番組セグメントが前記新規な番組によりすでに代替されている前記放送ストリームを読み出すステップを備える、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記受信機が、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、 前記放送ストリームを巻き戻す間に、前記受信機が、前記終了タグを見出すステップと、 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替するステップとを、 備える、請求項11に記載の方法。 【請求項14】 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替する前記ステップは、 前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記終了タグからの長さを読み込むステップ を備える、請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替する前記ステップは、 前記受信機が、前記終了タグから固有の識別子を読み込むステップと、 前記受信機が、マッチする固有の識別子を有する他のタグを探すために前記放送ストリームを検索するステップと を備える、請求項13に記載の方法。 【請求項16】 受信機でのマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換するための装置であって、 当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するためのモジュールと、 当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するためのモジュールであって、前記検出するためのモジュールが、前記放送ストリーム内で、少なくとも1個のタグを検出し、前記タグが、少なくとも、前記タグを識別する固有の識別子と前記タグのコンテンツ内に配置されているタグ・タイプとを備える、モジュールと、 当該放送ストリームを視聴者に再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規の番組セグメントの内の新規の番組セグメントにより、代替するためのモジュールとを 備える、装置。 【請求項17】 当該検出するためのモジュールが、番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを示す当該放送ストリームに挿入されたタグを検索する、請求項16に記載の装置。 【請求項18】 当該タグが、当該放送ストリームのクローズド・キャプション領域内に配置されている、請求項17に記載の装置。 【請求項19】 当該新規な番組セグメントを格納する、当該受信機の格納デバイスを、更に、備える、請求項16に記載の装置。 【請求項20】 当該放送ストリームを介して新規な番組セグメントを受信するためのモジュールと、 当該格納デバイスに当該新規な番組セグメントを格納するためのモジュールとを、 更に備える、請求項19に記載の装置。 【請求項21】 当該新規な番組セグメントが、遠隔操作でアクセス可能な位置に格納される、請求項16に記載の装置。 【請求項22】 再生される当該新規の番組セグメントが、地域、時刻、番組マテリアル、前記視聴者の表示習慣、前記視聴者の番組選好、または前記視聴者の個人情報の何れかを含む基準に基づいて選択される、請求項16に記載の装置。 【請求項23】 当該基準が、前記第一の番組セグメントが代替されないという結果をもたらす、請求項22に記載の装置。 【請求項24】 当該新規な番組セグメントが、最もマッチする新規な番組セグメントを選択するために使用される、当該番組セグメントの特徴を記述している番組オブジェクトを有する、請求項22に記載の装置。 【請求項25】 新規な番組セグメントが、広告見疲れを避けるために、回転ベースで選択される、請求項16に記載の装置。 【請求項26】 前記終了ポイントを越えて前記放送ストリームを巻き戻すと、前記開始ポイントに対応する開始タグを越えて巻き戻すことなく、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するように構成されているモジュールを、さらに、備える、請求項16に記載の装置。 【請求項27】 前記新規な番組セグメントが第一の番組セグメントを代替した前記放送ストリームを1個以上の格納デバイスに格納するように構成されているモジュールを、さらに、備え、 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、前記新規な番組がすでに代替した前記放送ストリームを前記1個以上の格納デバイスから読み出すステップを備える、請求項26に記載の装置。 【請求項28】 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するモジュールが、 前記放送ストリームを巻き戻す間に、前記終了タグを検出するモジュールと、 前記終了タグに基づいて、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替するモジュールとを、 備える、請求項26に記載の装置。」 を、特許請求の範囲 「 【請求項1】 受信機がマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法であって、 前記受信機が、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグに基づいて前記開始ポイントと前記終了ポイントを検出する、ステップと、 複数の新規な番組セグメントから、前記第一の番組セグメントを代替する新規な番組セグメントを選択する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを前記新規な番組セグメントにより、代替するステップとを 備える、方法。 【請求項2】 当該検出するステップが、番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを示す当該放送ストリームに挿入されたタグを検索する、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 当該タグが、当該放送ストリームのクローズド・キャプション領域内に配置されている、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 当該新規な番組セグメントの少なくともいくつかを当該受信機の格納デバイスに格納するステップを、さらに、備える、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記受信機が、オフモードの間、特定の放送ストリームから1個以上の前記新規な番組セグメントを記録するステップと、 前記受信機が、前記1個以上の前記新規な番組セグメントをローカル格納デバイスに格納するステップとを、 更に備える、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記新規な番組が選択される、前記複数の新規な番組セグメントが、遠隔からサーバに格納されている、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記受信機が、再生されるべき前記新規の番組セグメントを、前記視聴者の表示習慣、または前記視聴者の番組選好の何れかを含む基準に基づいて選択する、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 当該基準が、前記第一の番組セグメントが代替されないという結果をもたらす、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 当該新規な番組セグメントが、最もマッチする新規な番組セグメントを選択するために使用される、当該番組セグメントの特徴を記述している番組オブジェクトを有する、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 新規な番組セグメントが、広告見疲れを避けるために回転ベースで選択される、請求項1に記載の方法。 【請求項11】 前記放送ストリームを前記終了ポイントを越えて巻き戻すと、前記受信機が、前記開始ポイントに対応する開始タグを越えて巻き戻すことなく、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するステップを、さらに、備える、請求項1に記載の方法。 【請求項12】 前記受信機が、前記新規な番組セグメントが第一の番組セグメントを代替した前記放送ストリームを1個以上の格納デバイスに格納するステップを、さらに、備え、 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記受信機が、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、前記1個以上の格納デバイスから、前記第一の番組セグメントが前記新規な番組によりすでに代替されている前記放送ストリームを読み出すステップを備える、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記受信機が、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、 前記放送ストリームを巻き戻す間に、前記受信機が、前記終了タグを見出すステップと、 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替するステップとを、 備える、請求項11に記載の方法。 【請求項14】 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替する前記ステップは、 前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記終了タグからの長さを読み込むステップ を備える、請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記終了タグに基づいて、前記受信機が、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替する前記ステップは、 前記受信機が、前記終了タグから固有の識別子を読み込むステップと、 前記受信機が、マッチする固有の識別子を有する他のタグを探すために前記放送ストリームを検索するステップと を備える、請求項13に記載の方法。 【請求項16】 受信機がマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する装置であって、 当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するためのモジュールと、 当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するためのモジュールであって、前記検出するためのモジュールが、前記放送ストリーム内で、少なくとも1個のタグを検出し、前記タグが、少なくとも、前記タグを識別する固有の識別子と前記タグのコンテンツ内に配置されているタグ・タイプとを備える、モジュールと、 サーバに遠隔から格納されている新規な番組セグメントの内の少なくとも第一のセットを含む、複数の新規な番組セグメントから、前記第一の番組セグメントを代替する新規な番組セグメントを選択するモジュールと、 当該放送ストリームを視聴者に再生する間に、当該第一の番組セグメントを前記新規な番組セグメントにより、代替するモジュールとを 備える、装置。 【請求項17】 当該検出するためのモジュールが、番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを示す当該放送ストリームに挿入されたタグを検索する、請求項16に記載の装置。 【請求項18】 当該タグが、当該放送ストリームのクローズド・キャプション領域内に配置されている、請求項17に記載の装置。 【請求項19】 前記新規な番組セグメントの少なくともいくつかを格納する、当該受信機の格納デバイスを、更に、備える、請求項16に記載の装置。 【請求項20】 前記受信機がオフモードである間に、特定の放送ストリームから前記新規な番組セグメントの第二のセットを記録するためのモジュールと、 前記新規な番組セグメントの当該第二のセットを当該格納デバイスに格納するためのモジュールとを、 更に備える、請求項19に記載の装置。 【請求項21】 前記新規な番組が選択される、前記複数の新規な番組セグメントが、遠隔からサーバに格納される、請求項16に記載の装置。 【請求項22】 前記受信機が、再生されるべき前記新規の番組セグメントを、前記視聴者の表示習慣、または前記視聴者の番組選好の何れかを含む基準に基づいて選択する、請求項16に記載の装置。 【請求項23】 当該基準が、前記第一の番組セグメントが代替されないという結果をもたらす、請求項22に記載の装置。 【請求項24】 当該新規な番組セグメントが、最もマッチする新規な番組セグメントを選択するために使用される、当該番組セグメントの特徴を記述している番組オブジェクトを有する、請求項22に記載の装置。 【請求項25】 新規な番組セグメントが、広告見疲れを避けるために、回転ベースで選択される、請求項16に記載の装置。 【請求項26】 前記終了ポイントを越えて前記放送ストリームを巻き戻すと、前記開始ポイントに対応する開始タグを越えて巻き戻すことなく、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するように構成されているモジュールを、さらに、備える、請求項16に記載の装置。 【請求項27】 前記新規な番組セグメントが第一の番組セグメントを代替した前記放送ストリームを1個以上の格納デバイスに格納するように構成されているモジュールを、さらに、備え、 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示する前記ステップが、前記新規な番組がすでに代替した前記放送ストリームを前記1個以上の格納デバイスから読み出すステップを備える、請求項26に記載の装置。 【請求項28】 前記放送ストリームを巻き戻すと、前記第一の番組セグメントに代えて、前記新規な番組セグメントの一部を表示するステップが、 前記放送ストリームを巻き戻す間に、前記終了タグを検出するステップと、 前記終了タグに基づいて、前記第一の番組セグメントの前記一部を前記新規な番組セグメントにより代替するステップとを、 備える、請求項26に記載の装置。」 に補正するものである。 2 補正の適合性 (1)新規事項 補正後の請求項6における「新規な番組セグメントが、遠隔からサーバに格納されている」、補正後の請求項16における「サーバに遠隔から格納されている新規な番組セグメント」は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものとは認められない。 詳細は、以下のとおりである。 願書に最初に添付した明細書の段落【0014】、【0079】、【0089】には次の記載がある。 「【0014】 コマーシャルのような番組セグメントは、受信機によって、新規の番組セグメントへ自動的に置き換えられる。新規の番組セグメントは、その地域、時刻、番組マテリアル、視聴者の視聴習慣、視聴者の番組嗜好またはその視聴者の個人情報のような様々な基準に基づいて選択される。新規の番組セグメントは、その受信機に遠隔からまたは局所的に格納される。」 「【0079】 図15に示されるように、TVTAGシステムの他の好適な実施例の場合、ソフトウェア・プログラムは、オペレータ1505に表示した標準インターネット・プロトコル・ウェブ・ページという形をとる。ウェブ・ページは、TiVoタグ・オブジェクトを、リモート・サーバ1504上のスクリプト実行によって発生させる。サーバ1504は、VBI挿入装置1502、ビデオ・ソース1501、およびレコーディング装置1503を制御する。遠隔オペレータ1505は、サーバ1504から、タグ挿入のためのリファレンスとして使用されるビデオ・ストリームの狭帯域または広帯域のバージョンを受信することが出来る。一旦必要なタグ・データ・オブジェクト情報が発生しかつ送信されると、これは、サーバ1504によって後でバッチ処理することが出来る。」 「【0089】 再生される番組セグメントは、例えば、地域、時刻、番組マテリアルに基づいて、または(出願人によって所有される出願番号第09/422121号に記載される)嗜好エンジンに基づいて選択される。嗜好エンジンを使用して、局所的記憶またはサーバ記憶1906からの適切な番組セグメントが、視聴者のプロファイルによって選択される。プロファイルは、視聴者の視聴習慣、番組嗜好、およびその他個人情報を含む。格納された番組セグメント1906は、嗜好ベクトルに最もマッチするように検索されるそれらの特徴を記載している番組オブジェクトも有する。」 これらの記載には、番組セグメントがサーバに遠隔から格納されていることは記載されていない。 また、明細書の他の記載、特許請求の範囲、図面をみても、番組セグメントがサーバに遠隔から格納されていることが記載されているとは、認められない。 さらに、番組セグメントがサーバに遠隔から格納されていることが自明であるとは認められない。 したがって、請求項6、請求項16に係る補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものとは認められず、特許法第17条の2第3項の規定に違反している。 (2)目的 請求項1に係る補正は、 「受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法であって、 前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の新規な番組セグメントにより、代替するステップとを 備える、方法。」を 「受信機がマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法であって、 前記受信機が、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグに基づいて前記開始ポイントと前記終了ポイントを検出する、ステップと、 複数の新規な番組セグメントから、前記第一の番組セグメントを代替する新規な番組セグメントを選択する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを前記新規な番組セグメントにより、代替するステップとを 備える、方法。」 にする補正である。 この補正は、「代替するステップ」に関し、補正前の「前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の新規な番組セグメントにより、代替するステップ」における「格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の」を削除し、また、「複数の新規な番組セグメントから、前記第一の番組セグメントを代替する新規な番組セグメントを選択する、ステップ」を追加し、また、「新規な番組セグメント」の前に「前記」を付加するものである。 ここで、補正後の請求項1に係る発明では、「格納デバイスに格納されている」という事項が削除されているから、請求項1に係る補正が特許請求の範囲を減縮することを目的にしたものとは認められない。 また、請求項1に係る補正は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものとも認められない。 したがって、本件補正における請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件を満たしていない。 3 まとめ 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項、第5項に規定する要件を満たしていないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成25年7月12日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?28に係る発明は、平成25年1月28日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?28に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。 「受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法であって、 前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の新規な番組セグメントにより、代替するステップとを 備える、方法。」 2 刊行物の記載 原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-154350号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の揚げる事項が記載されている。 「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、例えば、文字多重放送などのように所定の副放送情報を主放送情報に多重化して放送を行う多重放送方法およびその放送装置ないし受信装置に関する。」 「【0024】[地域限定CMの放送]放送局側では、CMを放送するタイミングの、例えば充分余裕を見て、数十秒前に、文字多重CM放送の準備信号(合図)を文字多重データとして放送し、続いて、上述のような地域コードが付与された複数の文字多重CMデータを、複数フレームに繰り返し挿入(多重)して放送する。 【0025】次に、CMを放送するタイミングで、CM表示開始の信号(合図)を文字多重データとして放送する。この開始信号には、準備信号と対応する識別番号が付与される。 【0026】そして、CMの放送時間が終わると、CM表示終了の信号(合図)を文字多重データとして放送する。この終了信号にも、準備信号と対応する識別番号が付与される。 【0027】連続してCMを放送する場合は、上述のような準備信号の送出から開始信号の送出までが複数回繰り返され、受信機側では、各回に放送されるうちの一つが表示されることになる。なお、受信機側での信号の取りこぼしの可能性を考慮して、合図の各信号は複数回にわたって放送される。特に、終了信号は暫時続けて放送される。 【0028】[受信装置の構成]次に、図1、図3?図5を参照しながら、この発明による多重放送の受信装置の一実施例について説明する。図1において、10は文字多重放送対応の受信装置であって、チューナ11が搭載され、チューナ11からの映像信号Sv11及び音声信号Sa11が、それぞれ映像信号処理回路12及び音声信号処理回路13を通じて、外部機器として接続される受像機1に供給される。」 「【0042】[地域限定CMの受信]次に、図5をも参照しながら、図1の実施例の地域限定CM受信について説明する。 【0043】前述のようにして、地域コードが登録された受信装置10では、文字多重データ抽出回路14が常時機能して、CPU21により、文字多重データが監視される。 【0044】そして、地域限定CMの受信では、図5に示すように、CMデータに先行して放送される準備信号を待ち(ステップS11)、この準備信号が受信されると、続いて受信したCMデータをDRAM23に取り込む(ステップS12)。 【0045】次のステップS13においては、取り込んだCMデータが準備信号に対応し、かつ、CMデータの地域コードがSRAM24に保存されている地域コードと一致しているか否かが判断される。一致しない場合はステップS12、S13が繰り返され、図示は省略するが、適宜の回数でタイムアウトなどの処理がされて、無限ループが回避される。 【0046】CMデータの地域コードが設定地域コードと一致した場合は、文字多重データからの表示イメージや付加音データを、文字列、静止画、アニメーションなどによる表示や付加音として出力できるデータの形に変えてDRAM23上に準備しておき(ステップS14)、準備信号と同じ識別番号が付与された表示開始信号を待つ(ステップS15)。 【0047】図示は省略するが、ここでも、無限ループを回避するためのタイムアウト処理や、表示開始信号を取りこぼした場合の終了処理が必要である。 【0048】準備信号と同じ識別番号の表示開始信号が受信されると、ステップS14においてDRAM23上に準備したデータを用い、文字多重放送と同様にして、受像機1の画面のほぼ全域ないしは一部分に、通常はラスタを背景とするモードで、アニメーションなどによるCM画像が表示されると共に、付加音声が出力される(ステップS16)。 【0049】連続してCMが放送される場合は、前述のような準備信号、開始信号の順で、繰り返し放送されるので、受信側では、上述のステップS11?S16の処理が連続して行なわれることになる。 【0050】そして、準備信号と同じ識別番号の表示終了信号が受信されると(ステップS17)、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る(ステップS18)。 【0051】また、ステップS17で終了信号が受信されない場合は最初のステップS11に戻り、ステップS16の表示開始から所定時間内に終了信号が受信されない場合は、強制的にCM表示を終了する。」 「【0053】また、CMデータとしては、動画情報をデータ圧縮したものを多重化することもできる。」 3 刊行物に記載された発明 (1)「受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る方法」 刊行物1には、受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る動作が記載され(段落【0048】、【0050】)、この動作は方法の発明といえる。 (2)「受信装置が放送を受信する」 刊行物1には、受信装置が放送を受信することが記載されている(段落【0028】、【0043】) (3)「受信装置が、文字多重データにおける表示開始信号、表示終了信号を受信する」 刊行物1には、受信装置が文字多重データにおける表示開始信号、表示終了信号を受信することが記載されている(段落【0025】、【0026】、【0046】、【0050】)。 以上(1)?(3)をまとめると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。 (刊行物1発明) 「受信装置が放送を受信し、 受信装置が、文字多重データにおける表示開始信号、表示終了信号を受信し、 受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る方法。」 4 対比 (1)本願発明における「受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に置換する方法」について 刊行物1発明は「受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る方法」である。 「表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る」から、「表示開始信号が受信される」前は通常の放送の映像が表示されているものであり、通常の放送は、マルチメディアのテレビ放送ストリームといえる。 そして、刊行物1発明は「受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され」るものであり、通常の放送の映像から「自動的に」CM画像になるものである。 ここで、通常の放送は番組を放送するものであり、CM画像になっている間の通常の放送の映像は番組の映像の断片、部分といえるから、番組セグメントといえる。 また、通常の放送の映像から「自動的に」CM画像になることは、番組セグメントを自動的に変えるといえる。 しかしながら、CM画像は「画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで」表示されるものであり、画面の全域に表示されるものでないから、番組セグメントがCM画像に置換するものとはいえず、本願発明と相違する。 刊行物1発明の「受信装置」は本願発明の「受信機」に相当する。 以上より、刊行物1発明は、本願発明と「受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に変える方法」で共通しているといえる。 しかしながら、「変える」方法が、本願発明においては、「置換する」方法であるのに対し、刊行物1発明においては、「画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで」表示しているから、置換する方法ではない点で相違する。 (2)本願発明における「前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップ」について 刊行物1発明は、「受信装置が放送を受信」するものであり、この動作はステップといえ、刊行物1発明の「受信装置」、「放送」は、それぞれ、本願発明の「受信機」「マルチメディアのテレビ放送ストリーム」に相当するから、刊行物1発明は、本願発明の「前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップ」に相当する構成を備えている。 (3)本願発明における「前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップ」について 刊行物1発明は、「受信装置が、文字多重データにおける表示開始信号、表示終了信号を受信」するものであり、この動作はステップといえる。 表示開始信号は、CMを放送するタイミングを示す信号であり(段落【0025】)、表示終了信号は、CMの放送時間の終わりを示す信号であり(段落【0026】)、CMは通常の放送で放送されるものであり、通常の放送は番組を放送するものであり、CMは番組の断片、部分といえるから「当該放送ストリーム内の番組セグメント」といえ、その「番組セグメント」は、「第1の番組セグメント」ともいい得るから、「表示開始信号、表示終了信号を受信」することは、「当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出」することといえる。 したがって、刊行物1発明は、「前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップ」を備えている。 さらに、表示開始信号及び表示終了信号は、文字多重データにあり、表示開始、表示終了を示しているから、タグといえ、刊行物1発明は、「前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップ」を備えているといえる。 以上より、刊行物1発明は、本願発明の「前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップ」に相当する構成を備えているといえる。 (4)本願発明における「前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている複数の新規な番組セグメントの内の新規な番組セグメントにより、代替するステップ」について 刊行物1発明は、「受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る」ものであり、この動作はステップといえる。 「表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る」のであるから、「表示開始信号が受信される」前は、通常の放送の映像が表示されており、このことは、「前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する」といえる。 そして、刊行物1発明は、「受信装置において表示開始信号が受信されると、DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域にラスタを背景とするモードでCM画像が表示され、表示終了信号が受信されると、文字多重によるCMの表示を消して、通常の放送の映像に戻る」から、通常の放送の映像をCM画像にするといえる。ここでの通常の放送の映像は、表示開始信号が受信されてから表示終了信号が受信されるまでのものであり、上記(3)の「第一の番組セグメント」であるから、「当該第一の番組セグメント」といえる。また、ここでのCM画像は「DRAM上に準備したデータを用い、画面のほぼ全域にラスタを背景とするモードで」表示されるから、格納デバイスに格納されているといえ、「第一の番組セグメント」とは異なるものであるから、「新規の番組セグメント」といえる。 そうすると、刊行物1発明は、本願発明と「前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている新規な番組セグメントにするステップ」を備える点で共通しているといえる。 しかしながら、刊行物1発明は、「新規な番組セグメント」が、「複数の新規な番組セグメントの内の」新規な番組セグメントでない点で、本願発明と相違し、さらに、「新規な番組セグメントにする」ことが、刊行物1発明においては「画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像」を表示していることであり、「新規な番組セグメントにより代替」していることではない点で、発明と相違する。 (5)本願発明における「備える、方法」について 上記(2)?(4)のとおり、刊行物1発明は、各ステップを備えているから、「備える、方法」といえる。 5 一致点、相違点 上記4(1)の相違点と、上記4(4)における後者の相違点は、刊行物1発明における「画面のほぼ全域に、ラスタを背景とするモードで、CM画像」を表示していることが起因となる相違点であるので、1つの相違点とすることができる。 以上より、一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 受信機でマルチメディアのテレビ放送ストリーム内の番組セグメントを自動的に変える方法であって、 前記受信機で、当該マルチメディアのテレビ放送ストリームを受信するステップと、 前記受信機が、当該放送ストリーム内の第一の番組セグメントの開始ポイントと終了ポイントを検出するステップであって、前記検出するステップが、前記放送ストリーム内の少なくとも1個のタグを検出する、ステップと、 前記受信機が、視聴者に当該放送ストリームを再生する間に、当該第一の番組セグメントを、格納デバイスに格納されている新規な番組セグメントにするステップとを 備える、方法。 (相違点1) 「格納デバイスに格納されている新規な番組セグメント」が、 本願発明においては、「複数の新規な番組セグメントの内の」新規な番組セグメントであるのに対し、 刊行物1発明においては、そうではない点。 (相違点2) 番組セグメントを自動的に「変える」方法に関し、 本願発明においては、番組セグメントを自動的に「置換する」方法であり、「当該第一のセグメントを・・・新規な番組セグメントにする」ことで、新規な番組セグメントにより代替しているのに対し、 刊行物1発明においては、CM画像を画面のほぼ全域で、ラスタを背景とするモードで、表示しているから、置換する方法ではなく、画面のほぼ全域で、ラスタを背景とするモードで、表示しているから、新規な番組セグメントにより代替しているものではない点。 6 判断 (1)相違点1について 刊行物1発明において、CM画像は、DRAM上に準備されたデータを用いて表示されるものであり、記憶されるものといえる。 一方、通常のテレビ放送において、CMは異なるCM期間でも放送されるものであるから、刊行物1発明において、CM画像を記憶し、何度も使おうとするようにすることは、当業者が容易に着想することである。 CM画像を記憶して使おうとする場合に、異なるCMも表示するために記憶することは当然に想定され、この場合複数のCM画像が記憶されることになるから、CM画像を表示するときに、複数のCM画像の内のCM画像にすることは当業者が容易に想到し得ることである。そして、CM画像が「新規な番組セグメント」といえることは上記4(4)のとおりである。 したがって、刊行物1発明において、「格納デバイスに格納されている新規な番組セグメント」における「新規な番組セグメント」を「複数の新規な番組セグメントの内の」新規な番組セグメントにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (2)相違点2について 原査定の拒絶の理由で引用した特開平5-284437号公報(以下「刊行物3という。」)の段落【0019】には、「広告の形態は任意の好適な形態とすることができる。特に例えば、・・・所定期間全スクリーンに広告を表示することができる。」と記載され、広告を全画面に表示することが示されている。 したがって、刊行物1発明において、刊行物3の技術を適用して、刊行物1発明において、CM画像を全画面に表示するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、CM画像を全画面に表示することにより、新規な番組セグメントで代替することになり、番組セグメントを置換することになる。 そして、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 7 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1及び刊行物3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-08-28 |
結審通知日 | 2014-09-02 |
審決日 | 2014-09-25 |
出願番号 | 特願2011-253348(P2011-253348) |
審決分類 |
P
1
8・
57-
Z
(H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N) P 1 8・ 561- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保 光宏 |
特許庁審判長 |
藤井 浩 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 渡邊 聡 |
発明の名称 | クローズド・キャプション・タグ付システム |
代理人 | 沢田 雅男 |