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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  B23Q
管理番号 1297439
審判番号 無効2013-800210  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-11-06 
確定日 2015-01-19 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第5337323号発明「位置検出装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 請求のとおり訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
1 本件特許第5337323号の請求項1ないし7に係る発明は、平成23年10月7日に出願された特願2011-222846号の一部として平成25年7月5日に新たに出願され、平成25年8月9日にその発明について特許権の設定登録がなされた。
2 これに対して、請求人は、平成25年11月6日に、本件特許の請求項1ないし7に係る発明についての特許を無効にするとの審決を求める無効審判を請求し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(以下「甲1」ないし「甲6」という。)を提出した。
3 被請求人は、平成26年1月27日に答弁書を提出した。
4 当審は、平成26年3月27日付けで審理事項を通知した。
5 請求人は、平成26年4月23日に口頭審理陳述要領書を提出するとともに、証拠方法として甲第7号証ないし甲第11号証(以下「甲7」ないし「甲11」という。)を提出した。
6 被請求人は、平成26年4月24日に口頭審理陳述要領書を提出するとともに、証拠方法として乙第1号証(以下「乙1」という。)を提出した。
7 当審は、平成26年5月8日に口頭審理を行った。
8 当審は、平成26年5月30日付けで審決の予告を行った。
9 被請求人は、平成26年8月4日に訂正請求書及び上申書を提出した。
10 請求人は、平成26年9月17日に弁駁書を提出するとともに、証拠方法として甲第12号証ないし甲第16号証(以下「甲12」ないし「甲16」という。)を提出した。
11 請求人は、平成26年9月17日に、審判請求書の「請求の理由」の補正を行うための手続補正書を提出したが、当審は、当該手続補正のうち、「無効理由3」の追加に係る補正事項については許可しない旨の決定を行った。

第2 平成26年8月4日付け訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)について
1 訂正事項
請求項1ないし7からなる一群の請求項についての本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、「流体」という記載(8箇所)を全て「油」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2において、
「前記流体室に流体圧が供給された状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を開放する開弁状態を維持し、
前記流体室の流体圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。」を
「前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、
前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、
前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3において、「前記流体圧導入室」を「前記油圧導入室」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4において、
「前記開閉弁機構の流体圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。」を
「前記開閉弁機構の油圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。」と訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5ないし7において、「請求項1に記載の」を「請求項2に記載の」と訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0011】の記載において、「流体」という記載(8箇所)を全て「油」と訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0012】の記載において、「請求項2の位置検出装置は、請求項1の発明において、前記流体室に流体圧が供給された状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を開放する開弁状態を維持し、前記流体室の流体圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられることを特徴としている。」を
「請求項2の位置検出装置は、請求項1の発明において、前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させることを特徴としている。」と訂正する。

(8)訂正事項8
明細書の段落【0013】の記載において、「前記流体圧導入室が形成された」を「前記油圧導入室が形成された」と訂正する。

(9)訂正事項9
明細書の段落【0014】の記載において、「請求項1の発明において」を「請求項2の発明において」と訂正する。

(10)訂正事項10
明細書の段落【0015】ないし【0017】の記載において、「請求項1の発明において」を「請求項2の発明において」と訂正する。

(11)訂正事項11
明細書の段落【0018】、【0019】、【0021】及び【0022】の記載において、「流体圧」、「流体室」とあるのを、それぞれ「油圧」、「油室」と訂正する。

2 当審の判断
これら訂正事項1ないし11について検討する。

(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の「流体」という記載を全て「油」とすることで、訂正前の「流体圧」又は「流体室」を、それぞれ「油圧」又は「油室」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件特許明細書の【0026】には、「この実施例は、流体圧シリンダとしての油圧シリンダにより」という記載があり、同【0035】には、「シリンダ本体10内には、ピストン部4pの上側の環状のクランプ油室14と、ピストン部4pの下側のアンクランプ油室15とが設けられ」という記載があるから、上記訂正事項1は本件特許明細書又は図面に記載されたものである。
よって、訂正事項1が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の「前記流体室に流体圧が供給された状態」という記載を「前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態」と限定し、訂正前の「前記エア通路を開放する」という記載を「前記エア通路を外界に開放する」と限定し、訂正前の「前記流体室の流体圧がドレン圧に切り換えられ」という記載を「前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ」と限定し、さらに、「当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させる」という限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、「油室」及び「油圧」については、上記アで述べたように本件特許明細書の【0026】及び【0035】に記載されているし、「エア通路を外界に開放する」点については、本件特許明細書の段落【0040】に「第1,第2エア排出路21e,22eは外界に開放されている。」との記載がある。また、本件特許明細書の段落【0040】には「第1,第2圧力スイッチ21n,22nは、エア供給路21s,22sの加圧エアの圧力が設定圧以上に昇圧したときにoffからon(又はonからoff)に切換わる。」との記載があり、さらに、同段落【0049】ないし【0052】には、「油圧シリンダ3と第1位置検出装置30Pと第1開閉弁機構30の作用について説明する。」として、訂正事項2に係る出力部材の移動位置と開閉弁の切換え作動及びエア通路の圧力変化との関係、出力部材の位置検知について解説する記載があることから、上記訂正事項2は本件特許明細書又は図面に記載されたものである。
よって、訂正事項2が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の「前記流体圧導入室」を「前記油圧導入室」と限定しているから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、「油圧」については、上記アで述べたように、本件特許明細書の【0026】及び【0035】に記載されているから、上記訂正事項3は本件特許明細書又は図面に記載されたものである。
よって、訂正事項3が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の「流体圧導入路」を「油圧導入路」と限定するとともに、請求項4の従属先を、独立請求項1から当該独立請求項1に従属する請求項2に変更するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、「油圧」については、上記アで述べたように、本件特許明細書の【0026】及び【0035】に記載されており、上記訂正事項4は本件特許明細書又は図面に記載されたものである。
よって、訂正事項4が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、請求項5ないし7の従属先を、独立請求項1から当該独立請求項1に従属する請求項2に変更するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項4が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(6)訂正事項6ないし11について
訂正事項6ないし11は、上記訂正事項1ないし5で特許請求の範囲を訂正したことに伴い、明細書の記載の整合を図るために訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項6ないし11が願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内で行われたことは明らかであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(7)まとめ
したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。

第3 本件訂正発明
本件特許の特許請求の範囲は、上記のとおり訂正が認められるから、訂正後の本件特許の請求項1ないし7に係る発明(以下「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明7」という。)は、本件訂正請求により訂正した明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】
シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の油室とを有する油圧シリンダにおける前記出力部材の位置を検出する位置検出装置であって、
前記シリンダ本体内に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路と、このエア通路を開閉可能な開閉弁機構とを備え、
前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成した装着孔に進退可能に装着された弁体と、前記油室の油圧によって前記弁体を前記出力部材側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記油室と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路とを備え、
前記出力部材が所定の位置に達したときに、前記出力部材により前記弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え、前記エア通路のエア圧を介して前記出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能に構成したことを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、
前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、
前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成された前記装着孔に挿入螺合され且つ前記弁体が進退可能に挿入されたキャップ部材を備え、
前記キャップ部材に、前記エア通路の一部が形成され、前記キャップ部材と前記弁体との間に前記油圧導入室が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記開閉弁機構の油圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記弁体は、前記出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記弁体は、前記出力部材の進退方向に進退可能に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記所定の位置が、前記出力部材の上昇限界位置、下降限界位置のうちの何れかの位置であることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。」

第4 請求人の主張
請求人の主張する請求の趣旨は、本件訂正発明1ないし7についての特許を無効とする、との審決を求めるものである。
また、その請求の理由は、審判請求書、請求人提出の口頭審理陳述要領書、弁駁書及び手続補正書の記載内容からみて、概略本件訂正発明1ないし7は、甲1ないし甲3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである(無効理由1及び無効理由2)ので、本件特許は特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである、というものであり、詳細は以下のとおりである。
なお、請求人が、平成26年9月17日に提出した、審判請求書についての手続補正書に記載された補正事項のうち、「無効理由3」の追加に係る事項については、当該補正を許可しない旨の決定を行ったため、本審決では考慮していない。

1 無効理由1について(主引例:甲1+副引例甲2、甲3+参考資料)
(1)本件訂正発明1は、下記のとおり、甲1に記載された発明に、甲2に記載された技術事項を適用して、当業者が容易に発明をすることができたものである。

ア 甲1の「ピストン21」は、「低圧シリンダ20」内で往復移動するものであるから、本件訂正発明1の「(シリンダ本体に進退可能に装備された)出力部材」に該当する。また、甲1のシリンダ室22、23は、本件訂正発明1の「(出力部材を駆動する為の)油室」に該当する。さらに、甲1のパイロット弁100は、ピストン21の位置を検出する機構であり、本件訂正発明1の「位置検出装置」に該当する。(審判請求書第12ページ)

イ 甲1の「パイロット弁100」は、加圧流体が供給される管路93と無圧領域41に連通する「流路」を有し、加圧流体として「エア」が採用された場合、当該「流路」は本件訂正発明の「エア通路」に該当する。そして、パイロット弁100は、この流路(エア通路)を開閉可能な開閉弁機構である。また、エア圧を利用した場合には、当業者は、無圧領域41として「外界に連通させる構成」を当然認識する。(審判請求書第12ないし13ページ)

ウ 甲1のパイロット弁100において、FIG.3に示された差圧ピストンは、シリンダ室23側(右方向)に進出している場合には、管路93と無圧領域41との流路を閉状態とし、ピストン21(出力部材)により左方向に移動した位置では、管路93と無圧領域41との流路を開状態とするものである。そして、「弁体」が、「出力部材の進退方向に進退可能に設けられ」ていることは、FIG.1及びFIG.3から明らかである。また、シリンダ室23に流体圧が加えられると、差圧ピストンに設けられた「孔」を介して、油が供給され、差圧ピストンを右側(すなわち出力部材側)に進出させた状態に保持する。よって、本件訂正発明1の「油圧導入室」及び「油圧導入路」に該当する構造も、FIG.3から明らかである。(審判請求書第13ないし14ページ)

エ 本件訂正発明1では、シリンダ本体を駆動させる圧力流体を「油圧を生じさせる加圧油」に限定して、反転動作する装置(位置検出装置)において開閉される流路に流れる圧力流体である「加圧エア」とは異なるものとした。この点については、参考資料の甲12の図1、甲2の図3、甲13の図1?図3及び甲11の図9・25にも開示されている技術を勘案すれば、甲1に記載された発明において、シリンダ内のピストンを油圧駆動としたうえで、甲2に開示されたエア弁センサを利用したプランジャ型スイッチ100の構造とすることは、当業者が容易に想到する事項であり、阻害要因もない。(弁駁書第4ページの1(1)及び第5ないし6ページの1(2)イないしオ)

オ なお、甲2に記載された発明の「反転動作を行うよう構成した」装置における二方パイロット弁100、101は、当該技術分野において「位置検出装置」として認識されており(例えば参考資料の甲14ないし甲16参照)、実質的な相違点ではない。(弁駁書第7ないし9ページの1(3))

(2)本件訂正発明2は、甲1に記載された発明に、甲2に記載された技術事項及び甲3に記載された技術事項を適用して、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件訂正発明2において、常時開状態の弁機構が、ピストン等の可動体によって押動された時に、閉弁状態になる技術は、例えば、甲3の第1図ないし第3図、甲8の図1、甲4の図10に記載されており、これらの周知技術を甲2に記載された発明に適用することに格別困難性があるものではない。(弁駁書第11ページの2(2)及び2(3))

(3)本件訂正発明3ないし7は、甲1に記載された発明に、甲2に記載された技術事項並びに甲3または甲4に記載された技術事項を適用して、当業者が容易に発明をすることができたものである。

2 無効理由2について(主引例:甲2+副引例:甲1、甲3+参考資料)
(1)本件訂正発明1は、甲2に記載された発明に、甲1に記載された技術事項を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件訂正発明2ないし7は、甲2に記載された発明に、甲1に記載された技術事項を適用し、さらに甲3に記載された技術事項を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 証拠方法
請求人は、審判請求書において、証拠方法として以下の甲1ないし甲6を提出している。また、口頭審理陳述要領書において、証拠方法として以下の甲7ないし甲11を提出している。さらに、弁駁書において、証拠方法として以下の甲12ないし甲16を提出している。
甲1:米国特許第3540348号明細書
甲2:米国特許第4632018号明細書
甲3:特開昭60-129410号公報
甲4:特開2009-190137号公報
甲5:実願昭53-168062号(実開昭55-84301号)のマイクロフィルム
甲6:特公平2-2001号公報
甲7:特許第2676111号公報
甲8:米国特許第3530896号明細書
甲9:米国特許第3253515号明細書
甲10:米国特許第1641001号明細書
甲11:金子敏夫、「油圧機器と応用回路 新版」、株式会社日刊工業新聞社、昭和43年2月29日 3版発行、p.234-237、248-249
甲12:英国特許出願公開第1140216号明細書
甲13:米国特許第3555966号明細書
甲14:実公平1-42643号公報
甲15:実願昭58-108200号(実開昭60-16063号)のマイクロフィルム
甲16:特許第2554476号公報

第5 被請求人の主張
一方、被請求人の答弁の趣旨は、本件審判請求は成り立たない、との審決を求めるもので、詳細は以下のとおりである。

1 無効理由1について
(1)本件訂正発明1の「シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の油室とを有する油圧シリンダ」の構成は、甲1には記載も示唆もされていない。甲1のピストン21,26,27は閉じられたシリンダ空間内で往復運動するだけで、進出側と退入側とに移動する油圧シリンダの出力部材を開示するものではない。

(2)本件訂正発明1に係る位置検出装置では、出力部材の所定の位置を確実に検知可能としているが、甲1記載の発明は、出力部材の位置の検知を目的としていない。甲1記載の発明で、単にピストン21が所定の位置に達した時にパイロット弁100が作動することを以って、「位置に達したことを検知」しているとは認められない。乙1には、「検知」の用語の意味として、「機械などで検査して知ること」と示されており、本件明細書においても、この内容にしたがって「検知」の用語が使用され、本件訂正発明1では、「前記出力部材が前記所定の位置に達した」ということ自体が、有意な情報として検知されなければならないが、甲1記載の発明では、ピストン21がストロークエンド付近に達したという情報自体には何の意味もなく、単に、パイロット弁100,101によって三方弁37,38に圧力を与えてピストン21の停止を防止しているだけで、ピストン21の位置検知を行なっていない。

(3)本件訂正発明1において、シリンダ本体の油室の油は、「出力部材を駆動する」ためのもので、エア通路に供給される加圧エアは、「出力部材が所定の位置に達したことを検知する」ためのものであり、シリンダ本体の油室の油と、エア通路に供給される加圧エアとは、全く別の機能を生じさせるものである。これに対し、甲1の管路93,94は、シリンダ室22,23と連結されてシリンダ20内と同じ流体が流れるもので、シリンダ20内の流体と、管路93,94を流れる流体とは、ピストン21の駆動という同じ機能を生じさせるものである。そして、甲1の管路93,94にピストン21の駆動とは関係のない流体を導入すると、甲1記載の発明が成り立たなくなるため、そのような改変は不可能である。よって、甲1記載の発明に甲2記載の事項を組み合わせることには阻害要因が存在している。

(4)よって、本件訂正発明1は進歩性を有し、本件訂正発明1に従属する本件訂正発明2ないし7も進歩性を有する。

2 無効理由2について
(1)本件訂正発明1に係る位置検出装置では、開閉弁機構をクランプ本体内に組み込み、流体圧シリンダを小型化しているが、甲2記載の発明は、シリンダ本体の外部に突出する位置センサハウジングを必須の構成とするものであり、弁体がシリンダ本体に装着されることはない。

(2)甲2には、本件訂正発明1でいう「油圧導入室」及び「油圧導入路」は記載も示唆もなされていない。請求人は、かかる構成を補なうため、甲1及び甲5を引用している。しかし、甲2記載の発明(位置センサの取付構造)と甲1記載の事項(複動ブースタの圧力制御)とは全く異質のもので、基本的構造が全く異なる。さらに、甲2のエア通路130とシリンダ室22とは異なる流体が流れるのに対し、甲1の制御管路93,94はシリンダ室22,23と同じ流体が流れ、甲5は「エア通路」に相当し得る構成が存在しないため、甲2記載の発明に甲1及び甲5記載の事項を組み合わせる動機づけはない。

(3)甲2には、本件訂正発明1でいう「装着孔に装着された弁体」や「シリンダ本体に形成されたエア通路」は記載も示唆もされていない。請求人は、かかる構成を補なうため、甲1を引用している。しかし、甲2記載の発明で、シリンダ10に装着されるハウジング62,121は前提となる構成であるのに対し、甲2記載の発明で相違点に係る構成を得るためには、必須の構成であるハウジング62,121を取り除く必要があり、阻害要因が存在する。よって、相違点に係る構成を当業者が容易に想到し得たということはできない。

(4)このように、本件訂正発明1が進歩性を有するので、本件訂正発明1に従属する本件訂正発明2ないし7も進歩性を有する。

3 証拠方法
被請求人は、口頭審理陳述要領書において、証拠方法として以下の乙1を提出している。
乙1:新村出編、「広辞苑 第六版」、株式会社岩波書店、2008年1月11日 第六版発行、p.909 「検知」の項

第6 無効理由についての当審の判断
1 刊行物
(1)甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
甲1には、以下の事項が記載されている。なお、括弧書きで示した日本語訳は、請求人が甲1に添付した「米国特許第3,540,348の明細書の訳文」を参考とした。また、行数は空白行を含む。

ア 「This invention relates to a hydraulically or pneumatically actuated piston drive with a reciprocating movement, and more particularly to a double acting booster in which the movements of the low pressure piston influence in the end positions the control pressure for the reverse operation. Although the invention is not limited to pressure boosters but may be applied in a similar manner to most embodiments, for example also for hydraulically or pneumatically actuated motors; the following description will be limited to double acting pressure boosters.」(明細書第1欄第6-15行)
(本発明は、油圧または空圧で往復移動されるピストンドライブに関し、より詳しくいえば、低圧ピストンがエンドポジションへ移動することによって反転動作のための制御圧力を付与する複動ブースタに関する。本発明は、圧力ブースタに限定されるものではなく、大多数の形態に同様に適用でき、例えば、油圧または空圧で駆動される作動器にも適用できるが、以下の記述では複動式の圧力ブースタに限定して説明する。)

イ 「The continuous piston drive, shown in the embodiments, as hydraulic, double acting boosters, consists in a known manner according to FIG. 1 of a low pressure cylinder 20 in which the piston 21 divides the cylinder into two cylinder chambers 22 and 23, the high-pressure cylinders 24, 25 and the high-pressure pistons 26, 27 which represent the piston rods in a motor drive. The high pressure is introduced alternately through over check valves 28, 29 in the lines 30, 31 to the consumer station. Over check valves 32, 33 in the lines 34, 35 the high-pressure pistons 26, 27 may take up pressure medium during their return strokes. The lines 34, 35 may be connected by two three-way valves 37, 38 (FIGS. 1, 4, 5 and 7) alternately to the pressure line 39 and the return line 40 to the reservoir or pressure-free area 41. Through the branches 42, 43 the cylinder chambers 22 and 23 of the low pressure cylinder 20 are alternately impinged and connected to the return flow. In this respect all the circuits are the same.」(明細書第2欄第35-51行)
(実施例に示された連続ピストンドライブは、油圧複動力式ブースタであって、図1に基づく公知の手法により、次のように構成される。低圧シリンダ20内のピストン21が上記シリンダを2つのシリンダ室22及び23に分割し、高圧シリンダ24、25及びモータ駆動におけるピストンロッドの役割を果たす高圧ピストン26、27が設けられる。その高圧は、配管30,31内の逆止弁28,29を通って消費設備に交互に導入される。高圧ピストン26,27は、戻りストローク中に、配管34,35内の逆止弁32,33を介して圧力媒体を吸い込む。上記配管34,35は、2つの三方弁37,38(図1,4,5及び7)によって、圧力配管39と、液体容器または無圧領域41へ続く戻し配管40とに、交互に接続される。低圧シリンダ20の前記シリンダ室22及び23は、分岐42,43を通って戻し流れへ交互に接続される。この点は、全ての回路で同様である。)

ウ 「During the stroke of the piston 21 to the left the control chamber 96 of the three-way valve 38 and lines 94, 99, 43 are free of pressure while the control space 96 of the three-way valve 37 and the lines 93, 98, 42 are under the pressure p. As the two associated two-way pilot valves 100 and 101 remain closed during the stroke due to spring pressure the lines 98, 99 assure that the above pressure conditions are maintained in that they connect the control spaces with those branches 42, 43 to the low-pressure cylinder 20 which have an equal potential.」(明細書第3欄第55-64行)
(ピストン21が左方へストロークしているときには、三方弁38の制御室96及び管路94、99、43に圧力が無いのに対して、三方弁37の制御スペース96[翻訳注記:制御室96]及び管路93、98、42に圧力「p」が付与されている。連携された2つの二方パイロット弁100、101は、上記ストローク中にバネ[翻訳注記:図2に示されたバネ(参照数字なし)]の押す力で閉じられたままであり、管路98、99が前記の制御スペース[翻訳注記:制御室96]を、分岐路42、43を介して等ポテンシャルの低圧シリンダ20へ接続するので、上記の管路98、99によって上記の圧力状態を確実に保持する。)

エ 「The reversing operation in the left end position of the work piston 21 is obtained by mechanical actuation of the pilot valve 100 whereby the control chamber of the three-way valve 37 is relieved of pressure and the cylinder chamber 23 receives a pressure p. At the same time the control chamber of the three-way valve 38 is put under pressure through line 99 whereby this valve is reversed and the cylinder chamber 22 is relieved of pressure. After reversing the direction of movement the pilot valve 100 is returned by a spring pressure means into its rest position but the control line 98 provides that the control space of the three-way valve 37 receives no pressure until the next reversing operation. The two way pilot valves 100, 101 may be designed as shown in FIG. 2 wherein the spring pressure must in each case be larger than the pressure force acting against the opposite side of the piston. In place of the spring pressure a valve with return action by differential pistons according to FIG. 3 may be used.」(明細書第3欄第74行-第4欄第13行)
(上記の作動ピストン21の左端位置における反転動作は、前記パイロット弁100の機械的な動作によってなされ、それにより、前記三方弁37の制御室[翻訳注記:図8の制御室96]が圧抜きされると共にシリンダ室23が圧力pを受け入れる。これと同時に、前記三方弁38の制御室[翻訳注記:図9の制御室96]に管路99を介して圧力が付与され、それにより、この弁[翻訳注記:三方弁38]が切り換えられると共にシリンダ室22が圧抜きされる。上記の移動方向を反転させた後、前記パイロット弁100がバネ押し手段[翻訳注記:図2に示されたバネ(参照数字なし)]によって休止位置へ復帰されるが、制御管路98は、前記三方弁37の制御スペース[翻訳注記:前記図8の制御室96]が次の反転動作までは圧力を受けないようしている。前記の二方パイロット弁100、101は、図2に示すように、バネ[翻訳注記:図2に示されたバネ(参照数字なし)]の押し力が、ピストン[翻訳注記:図2のパイロット弁100のピストン(参照数字なし)]の反対側に作用する圧力に基づく力よりも大きくなるように設計すればよい。復帰動作を備えた弁は、上記バネの押し力に代えて、図3に基づく差圧ピストン[翻訳注記:図3のパイロット弁100のピストン(参照数字なし)]を使用してもよい。)

オ 図3から、二方パイロット弁100が低圧シリンダ20と一体になって形成されており、該低圧シリンダ20内に、一端部が圧力媒体が供給される制御管路93に接続され他端部が外界の無圧領域41に連通した流体通路が形成されている構造が看取される。
また、二方パイロット弁100の差圧ピストンが、低圧シリンダ20に形成した装着孔に進退可能に装着された構造が看取される。
さらに、二方パイロット弁100が、シリンダ室23の油圧によって差圧ピストンをピストン21側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記シリンダ室23と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路とを備えた構造及び当該油圧導入路が差圧ピストンの軸心近傍部に貫通状に且つ前記差圧ピストンの装着方向と平行に形成された構造も看取される。

カ 図2から、二方パイロット弁100の左端部に、制御管路93に接続されるエア通路が形成されたキャップ部材を設けた構造が看取される。

キ 甲1の上記摘記事項及び認定事項を、技術常識を踏まえ本件訂正発明1に照らして整理すると、甲1には下記の発明が記載されていると認められる。
「低圧シリンダ20と、この低圧シリンダ20に進退可能に装備されたピストン21及び高圧ピストン26、27と、このピストン21及び高圧ピストン26、27を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為のシリンダ室22、23とを有する連続ピストンドライブにおける反転動作する装置であって、
前記低圧シリンダ20内に形成され且つ一端部に圧力媒体が供給され他端部が無圧領域41に連通した流体通路と、この流体通路を開閉可能な二方パイロット弁100、101とを備え、
前記二方パイロット弁100、101は、前記低圧シリンダ20に形成した装着孔に進退可能に装着された差圧ピストンと、前記シリンダ室22、23の流体圧によって前記差圧ピストンを前記ピストン21側に進出させた状態に保持する流体圧導入室と、前記シリンダ室22、23と前記流体圧導入室とを連通させる流体圧導入路とを備え、
前記ピストン21が左端又は右端に達したときに、前記ピストン21により前記差圧ピストンを移動させて前記二方パイロット弁100、101の開閉状態を切り換え、前記流体通路の流体圧を介して反転動作する装置。」(以下「甲1発明」という。)

ク さらに、甲1の上記摘記事項及び認定事項を、技術常識を踏まえ整理すると、甲1には下記の技術事項が記載されていると認められる。
「シリンダ室23の油圧によって差圧ピストンをピストン21側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記シリンダ室23と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路を備えた二方パイロット弁100」(以下「甲1事項1」という。)
「低圧シリンダ20内に形成された流体通路」(以下「甲1事項2」という。)
「低圧シリンダ20に形成した差圧ピストンの装着孔」(以下「甲1事項3」という。)
「シリンダ室22又は23に流体圧が供給されピストン21が左端又は右端の位置にない状態において、二方パイロット弁101又は100は閉弁状態を維持し、前記シリンダ室22又は23が圧抜きされ且つ前記ピストン21が右端又は左端の位置に達した時に、前記二方パイロット弁101又は100は流体通路を外界の無圧領域41に連通する開弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記流体通路の圧力を低下させ、当該圧力が低下したことに基づいて前記ピストン21が反転され、前記ピストン21が左端又は右端の位置から移動開始したときに、前記二方パイロット弁101又は100は閉弁状態に切り換えられるが、当該切換えによっては前記流体通路の圧力は上昇しないピストンドライブ」(以下「甲1事項4」という。)

(2)甲2の記載事項及び甲2に記載された発明
甲2には、以下の事項が記載されている。なお、括弧書きで示した日本語訳は、請求人が甲2に添付した「米国特許第4,632,018の明細書の訳文」を参考とした。また、行数は空白行を含む。

ア 「The position sensor mounting apparatus of the present invention overcomes many of the problems associated with previously devised position sensor mounting arrangements. The position sensor mounting apparatus of the present invention provides a threaded, secure connection to the cylinder and, at the same time, enables the housing which receives and supports the position sensor to be freely rotatable with respect to the housing and threaded connection provided by the coupling member. In this manner, the housing may be rotated to any desired orientation with respect to the cylinder and coupling member such that the wiring or other connections exiting the housing for connecting the position sensor to remotely located control equipment may be positioned as desired depending upon the machine configuration. This simplifies the design of the overall machine since the wiring or other connections exiting the housing of the position sensor may be located in any available space without requiring special mounting arrangements.」(明細書第2欄第33-52行)
(本発明の位置センサ取付け装置は、従来発明の位置センサ取付け構造における多くの問題点を克服できる。本発明の位置センサ取付け装置は、シリンダへの確実なネジ接続を提供し、それと同時に、位置センサを収容すると共に支持するハウジングが、連結部材によって提供されたネジ接続に対して自由に回転される。このようにして、シリンダ及び連結部材に対して上記ハウジングが所望の方向へ回転され、そのため、離れて配置された制御装置へ位置センサを接続するための電気配線またはその他の連結部品が機械の形状に応じてハウジングから導出される。これにより、位置センサのハウジングから導出される電気配線またはその他の連結部品が、特殊な取付け構造の必要性なしで任意の有効スペースに配置されるので、機械全体のデザインを簡素化できる。)

イ 「Referring now to the drawing, and to FIG. 1 in particular, there is illustrated a fluid operated, expansible chamber cylinder 10 having a position sensor mounted in a mounting apparatus constructed in accordance with the teachings of the present invention. As is conventional, the fluid operated cylinder 10 includes a hollow cylindrical housing 12, typically having a circular cross section. First and second end plates 14 and 16, respectively, are mounted at opposite ends of the housing 12 and are interconnected by means of a plurality of tie rods, not shown. Recessed internal cavities 18 and 20 are respectively formed in the first and second end plates 14 and 16 and communicate with the interior of the cylinder housing 12 to form a sealed internal chamber 22.
A plurality of bores, such as bores 24 and 26, are formed in the end plates 14 and 16, respectively, and provide inlet and exhaust connections to the chamber 22 within the cylinder 10.
A piston 30 is slidingly disposed within the chamber 22 and is axially movable from one end to the other within the chamber 22. An enlarged cushion projection or plug 32 is mounted on the forward face 34 of the piston 30. An elongated piston rod 36 is connected at one of its ends to the cushion plug 32 and is axially movable with the piston 30. The opposite end of the piston rod 36 is slidingly disposed through an aperture 38 formed in the end plate 14 such that an external end 40 of the piston rod may movably extend outward from the cylinder 10. Any working component or part may be connected to the external end 40 of the piston rod 36 to perform any desired operation as the piston 30 moves from one end to the other within the cylinder 10.
In operation, as is well known, a pressurized fluid, such as compressed air or hydraulic oil, may be admitted through the inlet bore 26 into the chamber 22 of the cylinder 10 by means of control valves, not shown. 」(明細書第3欄第8-44行)
(図面・特には図1を参照すると、本発明の教示に従って構成された取付け装置に設置した位置センサを有する流体駆動・膨張室シリンダ10が示されている。従来と同様に、上記の流体駆動シリンダ10は、典型的には円形断面を有する中空円形状のハウジング12を含んでいる。第1と第2のエンドプレート14及び16は、それぞれ、上記ハウジング12の反対側の端部に取付けられると共に、図示しない複数の締結ロッドによって相互に連結される。凹形の内部空所18及び20は、それぞれ、上記の第1と第2のエンドプレート14及び16に形成されると共に、上記シリンダハウジング12の内部に連通されて、封止された内部室22を形成している。
孔24及び26のような複数の孔は、それぞれ、上記エンドプレート14及び16に形成され、上記シリンダ10内で上記の室22への入口および排出の接続を提供している。
ピストン30は、上記の室22内に滑動するように配置されると共に、その室22内で一端から他端へ軸方向に移動される。上記ピストン30の前面34に、拡大されたクッション突起またはプラグ32が取り付けられる。拡大されたピストンロッド36は、その一端が上記クッションプラグ32に連結されると共に、上記ピストン30と軸方向へ同行移動される。上記ピストンロッド36の反対側の端部は、前記エンドプレート14に形成された孔38を通って滑動するように配置され、そのピストンロッドの外端40が前記シリンダ10から外方へ移動可能に延びている。任意の作業部品または部分は、上記ピストンロッド36の外端40に連結されて、上記シリンダ10内でピストン30が一端から他方へ移動したときに所望の動作を行う。
作動においては、周知のとおり、圧縮空気または油圧のような加圧流体が図示しない制御弁によって前記シリンダ10の前記の入口孔26を通って前記の室22へ入れられる。)

ウ 「A piston position sensor is provided on the cylinder 10. The position sensor, as shown by way of example by reference number 50 in FIG. 1, is typically mounted in a bore 52 formed in the end plate 14. The position sensor is disposed in proximity with the piston rod plug 32 to detect the end point of travel of the piston 30 within the cylinder 10.
Any type of position sensor may be mounted on the cylinder 10. By way of example and not limitation, the position sensor 50 may comprise a pressure operated sensor which detects a buildup of pressure at the end of piston travel. Alternately, a proximity switch, such as that illustrated in FIG. 1, may be mounted within the bore 52 to detect the presence of the cushion plug 32 at the end of the chamber 22 of the cylinder 10. Finally, a plunger type switch, such as shown at 100 in FIG. 3, may be mounted within the bore 52 to detect by actual contact the presence of the cushion plug 32 at the end point of piston travel.」(明細書第3欄第52行-第4欄第2行)
(上記シリンダ10にピストン位置センサが設けられる。その位置センサは、図1に参照数字50で例示したように、典型的には、前記エンドプレート14に形成した孔52に取り付けられる。上記の位置センサは、ピストンロッドプラグ32に近接して配置されて、シリンダ10内のピストン30行程の行程端を検出する。
シリンダ10には、どのようなタイプの位置センサを取り付けてもよい。例示であって限定されるものではないが、前記の位置センサ50は、ピストン行程の行程端で強くなった圧力を検出する圧力動作センサで構成してもよい。それに代えて、図1に示されたような近接スイッチを、シリンダ10の室22の端部でクッションプラグ32を検出するために、前記孔52内に取付けてもよい。最後に、図3の100に示すようなプランジャ型スイッチを、ピストン行程の行程端で上記クッションプラグ32に実際に接触させて検出するために、前記孔52内に取付けてもよい。)

エ 「Referring now to FIG. 3, there is illustrated the plunger-type switch 100. Switch 100 is adapted to utilize an air valve sensor. The switch 100 includes a housing 121 having a step bore 125, the lower end of which is cylindrically shaped and adapted to extend into the cylinder bore 52 in the same manner as the sensor 62 described hereinbefore. The lower portion 127 of the housing 121 slidably supports a plunger 126 which is adapted to engage the cushion 32 and be moved upwardly against the bias of a spring 128 disposed within the interior of the housing 121. The upward movement of the plunger 126 permits communication between air ports, one of which is designated by the numeral 130, in the conventional manner to a suitable sensing device to establish that the piston 30 has moved to a desired position.」(明細書第5欄第11-26行)
(図3についていえば、プランジャ型スイッチ100が記載されている。そのスイッチ100は、エア弁センサを利用するように変更されている。そのスイッチ100は、段付き孔125を有するハウジング121を含み、そのハウジング121の下端が、円筒状に形成されると共に、前述したセンサ62[翻訳注記:センサ用ハウジング62の誤記と解される]と同様の方法で前記シリンダ孔52内へ延設される。上記ハウジング121の下部127はプランジャ126をスライド可能に支持し、そのプランジャ126は、前記クッション32[翻訳注記:クッションプラグ32]に係合されると共に、ハウジング121の内部に配置されたバネ128の付勢力に抗して上昇される。上記プランジャ126が上昇すると、その1つが参照数字130で示されている複数の空気ポートの間が連通され、従来の方法により、適切な検出装置が、ピストン30が所望の位置へ移動したことを確認する。)

オ 図3から、プランジャ126がハウジング121の下部127に設けられた孔によりスライド可能に支持されている構造が、看取される。

カ 甲2の上記摘記事項及び認定事項を、技術常識を踏まえ本件訂正発明1に照らして整理すると、甲2には下記の発明が記載されていると認められる。
「ハウジング12と、このハウジング12に進退可能に装備されたピストン30、クッションプラグ32及びピストンロッド36と、このピストン30、クッションプラグ32及びピストンロッド36を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の内部室22とを有する流体駆動シリンダ10におけるピストン30行程の行程端を検出する位置センサであって、
ハウジング121に形成され且つエア弁センサを構成する複数の空気ポート130と、この複数の空気ポート130を開閉可能なプランジャ型スイッチ100とを備え、
前記プランジャ型スイッチ100は、前記ハウジング121の下部127に設けられた孔にスライド可能に支持されたプランジャ126を備え、
ピストン行程の行程端で、上記クッションプラグ32により前記プランジャ126を上昇させて前記プランジャ型スイッチ100の開閉状態を切り換え、前記複数の空気ポート130の間が連通されることで前記ピストン30が所望の位置に移動したことを確認可能に構成した位置センサ。」(以下「甲2発明」という)

キ さらに、甲2の上記摘記事項及び認定事項を、位置センサの機能に着目して、技術常識を踏まえ整理すると、甲2には下記の技術事項が記載されていると認められる。
「ピストン30行程の行程端を検出する位置センサであって、ピストン30が所望の位置に移動したことを確認可能に構成した位置センサ」(以下「甲2事項」という。)

(3)甲3の記載事項
甲3には、以下の事項が記載されている。

ア 「ここで本発明によれば、該シリンダ本体(8)に前記リミットバルブ(2)の弁体(11)を収容する弁室(12)を形成し、該本体(8)の内壁面に該弁体(11)に連る出没自在の動作杆(13)を設け、前記ピストン(7)の該動作杆(13)への接離により該動作杆(13)を介して該リミットバルブ(2)を切換動作させるもので、図示のものでは該本体(8)の後端壁(8a)に、周囲一側の第1ポート(14)とその他側の第2ポート(15)と軸方向後端の第3ポート(16)とを有する弁室(12)を形成して、第1ポート(14)を信号圧のインレットポート、第2ポート(15)をそのアウトレットポート、第3ポート(16)をエキゾーストポートに構成し、該弁室(12)内に該第1ポート(14)と該第2ポート(15)との連通部を開閉する弁体(11)をばね(17)により前方の閉じ側に付勢して設けると共に、該弁体(11)と同軸上の前方にのびる動作杆(13)を該後端壁(8a)の内壁面からその前方に突出させてこれをばね(18)に抗して後方に没入自在とし、該動作杵(13)の没入によれば、該動作杵(13)上の段付部(13a)が該弁体(11)の前面に当接して該弁体(11)が後方の開き側に押動されるようにし、更に該動作杆(13)の後端部を該弁体(11)に貫通させて、該後端部に該第2ポート(15)と該第3ポート(16)とを連通する連通孔(19)を形成し、該動作杆(13)の突出位置では該連通孔(19)を介して該両ポート(15)(16)が連通されるが、その没入位置では該連通孔(19)の前端の開口部が該弁体(11)に挿入されて閉じられ、該両ポート(15)(16)の連通が断たれるようにした。次いでその作動を説明するに、シリンダ(1)のクランプ動作時は、動作杆(13)が第1図に示す如く突出位置に存し、リミットバルブ(2)は第1ポート(14)と第2ポート(15)との連通を断って第2ポート(15)を第3ポート(16)に連通する第3図で下方の閉位置に存し、信号スイッチ(4)はオフ状態に保持されるが、シリンダ(1)のアンクランプ動作によれば、該動作杆(13)が第2図示の如くピストン(7)に押されて没入され、リミットバルブ(2)は第2ポート(15)と第3ポート(16)との連通を断って第1ポート(14)と第2ポート(15)とを連通する第3図で上方の開位置に切換動作され、信号圧が切換シリンダ(5)に供給されて信号スイッチ(4)がオンされ、アンクランプ動作の完了を表すアンクランプ信号が発生される。」(第2ページ左上欄第15行-左下欄第17行)

イ 甲3の上記摘記事項を、特に、ポートと弁室の配置構造に着目して、技術常識を踏まえ整理すると、甲3には下記の技術事項が記載されている。
「シリンダ本体8内に形成された信号圧のインレットポート及びアウトレットポート」(以下「甲3事項1」という。)
「シリンダ本体8内に形成した弁体11及び動作杆13を収容する弁室12」(以下「甲3事項2」という。)

(4)甲4の記載事項
甲4には、以下の事項が記載されている。

ア 「本発明の目的は、ワークを着座面に着座させた状態におけるクランプ不良を確実に検出可能なクランプ装置を提供することである。」(段落【0007】)

イ 「円形凹部101aを形成したので、グリップ部材2が下限位置(クランプ方向限界位置)まで退入し、環状受圧部材5が下限位置まで下降したときには、環状受圧部材5の係止鍔62aが弁板102に当接して弁板102を下方にエア通路104を開ける位置に押動するようになっている(図6参照)。環状受圧部材5が下限位置まで下降しない状態では、エア通路104の下端が弁板102とOリング103を含む弁機構105によって閉じられているため、着座センサ80が正常に作動する。しかし、後述のようなクランプ不良により、環状受圧部材5が最大限下降して係止鍔62aが弁板102を下方へ押した場合には、弁機構105が開弁して、エア通路104の加圧エアが収容穴6へリークし、収容穴6から開口穴17へリークするため、エア通路82,104のエア圧が上昇しなくなる。」(段落【0049】)

ウ 「本実施例では前記クランプ装置Cと同様の構成に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。このクランプ装置CBには、前記クランプ不良検出機構100とは異なる構成のクランプ不良検出機構100Aを設けてある。図10に示すように、このクランプ装置CBにおいては、前記弁機構105が省略され、下部本体部材12の上端部には、環状受圧部材5の係止鍔62aに対向する部分に開口する加圧エア噴出孔120と、この加圧エア噴出孔120に接続されたエア通路121とが形成されている。」(段落【0069】)

エ 「クランプ不良により、環状受圧部材5が下限位置まで下降したとき、係止鍔62aにより加圧エア噴出孔120が閉じられるため、その加圧エアの圧力上昇を圧力スイッチ125によって検出し、クランプ不良を検知することができる。前記弁機構105を省略したため、簡単な構成のクランプ不良検出機構100Aとなる。」(段落【0071】)

(5)甲5の記載事項
甲5には、以下の事項が記載されている。

ア 「ピストン2を収容したシリンダ本体1の少なくとも一端側に副室7,8を設け、これら副室7,8内に、一端がシリンダ本体1の圧力室1_(1),1_(2)へ出没自在に突出し、他端はシリンダ本体1の端部側に設置したストローク端検出用リミットスイッチ9,10に作用するピストン杆7b,8bを有する検出用ピストン7a,8aを設けて、副室7,8内を室7_(1),7_(2)及び室8_(1),8_(2)に区割すると共に、上記ピストン杆7b,8b内に、一端側がシリンダ本体1の圧力室1_(1),1_(2)に開口し、他端側が副室7,8の一方の室7_(1),8_(1)に連通する連通路7c,8cを設けてなるシリンダストローク端の検出装置。」(実用新案登録請求の範囲第1項)

(6)甲6の記載事項
甲6には、以下の事項が記載されている。

ア 「本発明はクレーン等に用いられる多段伸縮ブームに関するものである。」(第1欄第24-25行)

イ 「次にこの3段ブームの場合の油圧回路図を第4図に示す。第1シリンダ装置4の伸長側油室4a及び縮少側油室4bは、それぞれ管路11,12を介して油給排装置(図示せず)に連通する。さらに第1シリンダ装置の伸長側油室4aと第2シリンダ装置5の伸長側油室5aを管路13で、第1シリンダ装置4の縮少側油室4bと第2シリンダ装置5の縮少側油室5bとを管路14でそれぞれ連通し、管路13中に油路切換弁7を設ける。この油路切換弁7は第4A,4B図に示すように、この切換弁内のスプール15が第1シリンダ装置4の縮少側油室4b内に常時スプリング20で付勢されて突出しており、該シリンダ装置の伸長作動の終端部で前記スプール15がピストンロッド16のピストン側に設けた斜面18及び段部19によりスプリング20に抗して押し上げられて、油室21,22を連通するよう構成する。23はスプール15が縮少側油室4bの圧油により影響されないよう設けた圧力バランスのための導孔である。なお24は前記曲路切換弁7と並列に設けたチェック弁で、第1シリンダ装置4の伸長側油室4aから第2シリンダ装置5の伸長側油室5aへの流れを阻止し、その逆流は許容するよう構成する。」(第4欄第5-28行)

(7)甲11の記載事項
甲11には、以下の事項が記載されている。

ア 「油圧シリンダのサイクリング速度を円滑にかつより速くさせるには,パイロット圧として空気圧を用いたパイロット操作油圧4方弁を用いるとよい.
図9・25において,油圧シリンダを自動的に往復させるにはリミットスイッチを用いて各行程の端にきたら,ソレノイド操作空気4方弁を作動させて逆向きの行程にさせればよい.」(第235ページ 「9・5・1 サイクリング速度」)

イ 図9・25(第235ページ)には、「サイクリング速度の増速回路」が示されている。

(8)甲12の記載事項
甲12には、以下の事項が記載されている。なお、括弧書きで示した日本語訳は、請求人が甲12に添付した「英国特許公開公報GB1140216 Aの明細書の訳文」を参考とした。また、行数は空白行を含む。

ア 「A continuously operating piston drive, which in the constructional examples are hydraulic double acting pressure boosters, consists according to Fig. 1 of a low pressure cylinder 20 with working or main cylinder spaces 22 and 23 separated by a reciprocatory main or work piston 21, high pressure cylinders 24, 25 as well as high pressure pistons 26, 27 which in the case of a drive motor represent the piston rods. High pressure fluid is supplied through non-return valves 28 and 29 into pipes 30, 31 alternately to the point of use.
The high pressure pistons 26, 27 can draw pressure medium during their return strokes through non-return valves 32, 33 in pipes 34, 35. The pipes 34, 35 are adapted to be connected through a four-way valve 36 (Figs. 1, 2, 4 and 5) or two three-way valves 37, 38 (Figs. 9, 12, 13, 15) alternately to a pressure fluid pipe 39 or to a return pipe 40 leading to a collecting container 41. The main cylinder spaces 22, 23 of the low pressure cylinder 20 are connected alternately to the pressure pipe 39 and to the return pipe 40 through branch or feed pipes 42 and 43.」(明細書第3ページ第26-51行)
(構造例に示された連続動作ピストンドライブは、油圧複動式の圧力ブースタであって、図1に示すように、次のように構成される。低圧シリンダ20は、往復するメイン又は作業ピストン21によって分割された作業空間またはメインシリンダ空間22及び23を備え、高圧シリンダ24,25が設けられると共に、この実施例ではモータ駆動におけるピストンロッドの役割を果たす高圧ピストン26,27が設けられる。高圧流体は、逆止弁28,29と配管30,31とを交互に通って消費ポイントに供給される。
高圧ピストン26,27は、戻りストローク中に、配管34,35内の逆止弁32,33を介して圧力媒体を吸い込む。上記配管34,35は1つの四方弁36(図1,2,4,5)又は二つの三方弁37,38(図9,12,13,15)によって圧力流体配管39と回収容器41へ延びる戻し配管とに、交互に接続される。低圧シリンダ20の前記メインシリンダ空間22,23は、分岐または供給管42,43を通って、圧力配管39と戻し配管40とに、交互に接続される。)

イ 「Reverting to Fig. 1, two two-way pilot 1:140,216 valves 63, 64 in control pipes 61, 62 are provided for applying the pressure pulse for reversing the four-way valve 36; they are held closed in the position of rest by spring force, and in the terminal positions they are mechanically opened by plungers 65, 66 engaged by the main or work piston 21, whereby the pressure release in the control chambers 50, 51 of the four-way valve is effected to a low pressure zone or to the collecting container 41.」(明細書第3ページ最終行-第4ページ第10行)
(図1に戻って説明すると、前記の四方弁36を切換えるための圧力パルスを供給するため、2つのパイロット弁63,64が制御管路61,62に設けられる。これらパイロット弁63,64は、バネの力によって休止位置で閉じ状態に保持されると共に、終端位置では、メイン又は作業ピストン21に係合されるプランジャ65,66によって機械的に開かれ、これにより、前記の四方弁の制御室50,51内が、低圧領域または回収容器41へ圧抜きされる。)

(9)甲13の記載事項
甲13には、以下の事項が記載されている。なお、括弧書きで示した日本語訳は、請求人が甲13に添付した「米国特許第3,555,966の明細書の訳文」を参考とした。また、行数は空白行を含む。

ア 「This invention relates generally to pneumatic control circuitry and more particularly to pneumatic control circuitry which incorporates a pneumatic or hydraulic cylinder jack and pneumatic pilot valve.」(明細書第1欄第6-9行)
(本発明は、一般的には空圧制御回路の構成部分に関し、より詳しくは、空圧または油圧のシリンダ往復機器と空圧パイロット弁とを結合させた空圧制御回路の構成部分に関する。)

イ 「At one extremity of its travel, piston 24 will forcibly engage the valve operator 44 to drive the same inwardly and against the compression spring 50. As the valve operator 44 moves inwardly, the necked-down region 70 moves from the position shown in FIG. 3 until its axial length spans the radial distance between the conduit 56 and the conduit 58. A fluid path will thus be formed permitting a pressurized fluid to flow, 」(明細書第2欄第68行-第3欄第1行)
(ピストン24は、その一つの行程端で弁操作具44に強力に係合し、圧縮バネ50に抗して上記の弁操作具44を内方[翻訳注記:図1と図3中の右方]へ駆動する。その弁操作具44が内方へ動くと、首領域70[翻訳注記:弁操作具44の長手方向の中央部の首領域70]は、図3の位置から、その首領域70の軸方向の長さが通孔56と通孔58との間の半径距離に架かるように移動する。これにより、圧力流体が流れるのを許容する流体通路が形成され、)

2 無効理由1について
(1)本件訂正発明1
ア 対比
本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「低圧シリンダ20」は本件訂正発明1の「シリンダ本体」に相当し、同様に、「二方パイロット弁100、101」は「開閉弁機構」に、「差圧ピストン」は「弁体」に、それぞれ相当する。
次に、甲1発明の「ピストン21」については、油圧又は空圧で駆動される作動器一般に適用できるものであるから、前後に設けられた高圧ピストン26、27とともに、本件訂正発明1でいう「出力部材」を構成し得るものというべきである。
また、甲1発明の連続ピストンドライブは、油圧又は空圧で用いられるものであり、「シリンダ室22、23」、「連続ピストンドライブ」、「圧力媒体」、「流体通路」、「流体通路の流体圧」、「シリンダ室22、23の流体圧」、「流体圧導入室」及び「流体圧導入路」と、本件訂正発明1の「油室」、「油圧シリンダ」、「加圧エア」、「エア通路」、「エア通路のエア圧」、「油室の油圧」、「油圧導入室」及び「油圧導入路」とは、それぞれ、「流体室」、「流体圧シリンダ」、「加圧流体」、「流体通路」、「流体通路の流体圧」、「流体室の流体圧」、「流体圧導入室」及び「流体圧導入路」という限りで共通するものである。
さらに、甲1発明の「無圧領域41」が、当然二方パイロット弁100、101に対して外界になることも、当業者には自明の事項である。
また、甲1発明において、「ピストン21が左端又は右端に達したときに、前記ピストン21により前記差圧ピストンを移動させて前記二方パイロット弁100、101の開閉状態を切り換え」る際に、「左端又は右端」を「所定の位置」と見なすことも可能である。そして、当該「所定の位置」で「開閉弁機構」の「流体通路の流体圧」を作動させる点で、甲1発明は本件訂正発明1と共通している。
そして、甲1発明の「反転動作する装置」については、ピストン21が右端又は左端の位置に達すると二方パイロット弁100、101が作動して前記ピストン21が反転動作するように構成されてはいるが、本件訂正発明1の「位置検出装置」のようにピストン21の右端又は左端の位置そのものを直接検知・検出しているものではないため、本件訂正発明1の「位置検出装置」に相当するとまではいえない。しかし、甲1発明の「反転動作する装置」は、ピストン21の所定の左端又は右端の位置で反転動作を行う機能を有し、本件訂正発明1の「位置検出装置」も、出力部材の所定の位置で位置検知動作を行う機能を有していることから、両者は、「出力部材の所定の位置で動作する装置」である点で共通するものとはいえる。

そうすると、本件訂正発明1と甲1発明とは、下記の点で一致している。
<一致点>
「シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の流体室とを有する流体圧シリンダにおける前記出力部材の所定の位置で動作する装置であって、
前記シリンダ本体内に形成され且つ一端部に加圧流体が供給され他端部が外界に連通した流体通路と、この流体通路を開閉可能な開閉弁機構とを備え、
前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成した装着孔に進退可能に装着された弁体と、前記流体室の流体圧によって前記弁体を前記出力部材側に進出させた状態に保持する流体圧導入室と、前記流体室と前記流体圧導入室とを連通させる流体圧導入路とを備え、
前記出力部材が所定の位置に達したときに、前記出力部材により前記弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え、前記流体通路の流体圧を介して前記出力部材の所定の位置で動作する装置。」

そして、両者は下記の点で相違する。
<相違点1>
本件訂正発明1では、出力部材の駆動を「油圧」で行い、開閉弁機構により「エア圧」を制御するものであるのに対し、甲1発明では、ピストン21の駆動及び二方パイロット弁100、101による圧力制御について、「油圧」又は「エア圧」のどちらかを共通して用いる点。
<相違点2>
「出力部材の所定の位置で動作する装置」が、本件訂正発明1では、「出力部材の位置を検出する位置検出装置」であって「出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能に構成した」ものであるのに対し、甲1発明では、「位置検出装置」ではなく「反転動作する装置」であって、「位置の検知」については不明である点。

イ 判断
(ア)<相違点1>について
甲1発明は、ピストン21を駆動する流体圧と、二方パイロット弁100、101及び三方弁37、38を流通し作動させる流体圧とを、「油圧」又は「エア圧」のどちらか共通の流体を用いて駆動制御するものである。そして、甲1発明においては、上記ピストン21の駆動動作、二方パイロット弁100、101の開閉動作及び圧力変化、三方弁の動作及び当該動作に伴う流体の圧力変化を、共通の流体を用いることで相互に関連して動作及び圧力変化を生じさせて、ピストン21の反転動作の制御を行うように構成されていることから、油とエアという異なる流体を同時に用いることは想定されておらず、当業者にとっても実行することが困難である。
一方、請求人は、シリンダ本体の駆動を油圧に限定し、反転動作する装置で用いるエア圧とは異なるものとした点は、甲2、甲11ないし甲13に記載された技術を勘案すれば、甲2発明から、当業者が容易に想到する旨主張(上記第4 1(1)エ)しているので、ここで検討する。
まず、甲2記載のプランジャ型スイッチ100については、油圧駆動するピストン30に対して当該プランジャ型スイッチ100にエア弁センサを利用することが示されている(甲2の上記摘記事項エを参照)。しかし、当該プランジャ型スイッチ100は、ピストン駆動の油圧回路とエア弁センサのエア圧回路とが、相互に関連せず独立して配置されたものであり、当該プランジャ型スイッチ100をその油圧及びエア圧回路構成とともに甲1発明に適用すると、甲1発明におけるピストン21の反転動作の制御回路が構成できなくなってしまう。よって、甲2記載のプランジャ型スイッチ100の構造を考慮しても、甲1発明において上記<相違点1>に係る発明特定事項を想到することは困難である。
また、甲11の図9・25に示された「サイクリング速度の増速回路」(甲11の上記摘記事項アを参照)や、甲13の図1?図3に示された「空圧または油圧のシリンダ往復機器と空圧パイロット弁とを結合させた空圧制御回路」(甲13の上記摘記事項アを参照)のように、「シリンダ内のピストンを油圧駆動としながら、ピストンを反転動作を行うよう構成した装置(位置検出装置)の流路に流れる圧力流体を『加圧エア』とする」ものについても、上記甲2のプランジャ型スイッチ100と同様に、油圧回路とエア圧回路とが相互関連せずに独立していることから、甲1発明において上記<相違点1>に係る発明特定事項を想到することは困難である。
さらに、甲12の図1に示された「油圧複動式の圧力ブースター」(甲12の上記摘記事項ア及びイを参照)において、「分岐または供給管42,43」の流路と「制御管路61,62」の流路とは、一見独立しているようにも見える。しかし、実際は当該両流路は四方弁36で接続しており、完全に独立しているものではない。そうすると、甲12の図1に記載されたものも、結局甲1発明のものと同様、油圧と空圧という異なる流体を同時に用いることは想定されておらず、甲1発明において上記<相違点1>に係る発明特定事項を想到することは困難である。
そして、他の甲3ないし甲6に記載された事項を検討しても、上記<相違点1>に係る発明特定事項を想到することが容易であるとはいえない。
よって、<相違点1>は、甲1ないし甲6に記載された事項及び周知技術から、当業者が容易に想到し得るものではない。

(イ)<相違点2>について
上記甲2事項を本件訂正発明1と対比すると、甲2事項の「ピストン30行程の行程端を検出する位置センサ」は、本件訂正発明1の「出力部材の位置を検出する位置検出装置」に相当し、同様に甲2事項の「ピストン30が所望の位置に移動したことを確認可能に構成した」点は、本件訂正発明1の「出力部材が所定の位置に達したことを検知可能に構成した」点に相当することも、当業者には自明の事項である。そうすると、甲2事項は、本件訂正発明1における上記<相違点2>に係る発明特定事項に相当するものである。
そこで、甲1発明への甲2事項の適用可能性を検討する。甲1発明の上記「反転動作する装置」は、ピストン21が右端又は左端の所定位置に来た際に差圧ピストンが押されて移動することで、二方パイロット弁100、101の開閉状態が切り替わり、制御管路93から供給される圧力媒体が無圧領域41に連通するか否かで作動するスイッチの機能を有するものである。一方、甲2事項の上記「位置センサ」も、ピストン30が行程端の所定位置に来た際にプランジャ126が押されて移動することで、プランジャ型スイッチ100の弁の開閉状態が切り替わり、複数の空気ポート130の間が連通するか否かで作動するスイッチの機能を有するものである。よって、両者ともピストンが端部の所定位置に達すると作動する開閉弁式スイッチを有する装置という点で、用途やスイッチの構造・機能も共通しているので、一見適用が可能なようにも見える。
しかし、上記(ア)の<相違点1>の検討でも言及したように、甲1発明では、ピストン21の駆動動作、二方パイロット弁100、101の開閉動作及び圧力変化、三方弁の動作及び当該動作に伴う流体の圧力変化を、共通の流体を用いることで相互に関連させて動作及び圧力変化を生じさせ、ピストン21の反転動作の制御を行うように構成されていることから、甲2事項の「位置センサ」として、エア弁センサを利用したプランジャ型スイッチ100を採用して、当該プランジャ型スイッチ100を、ピストン21を油圧駆動している甲1発明の二方パイロット弁100、101に代えて用いることはできないというべきである。
そうすると、甲1発明の「反転動作する装置」の二方パイロット弁100、101について甲2事項の「位置センサ」のプランジャ型スイッチ100を適用することは、当業者といえども容易に想到し得るものではない。
また、他の甲3ないし甲6に記載された事項を検討しても、上記<相違点2>に係る発明特定事項を想到することが容易であるとはいえない。
よって、<相違点2>は、甲1ないし甲6に記載された事項及び周知技術から、当業者が容易に想到し得るものではない。

ウ 本件訂正発明1についての結論
したがって、本件訂正発明1は、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件訂正発明2
ア 対比
本件訂正発明2と甲1発明とを対比すると、両者は、上記(1)における<相違点1>及び<相違点2>で相違する他に、下記の相違点を有するものである。

<相違点3>
本件訂正発明2が、「前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させる」よう構成されているのに対し、甲1発明では、ピストン21が左端又は右端に達したときに、前記ピストン21により差圧ピストンを移動させて二方パイロット弁100、101の開閉状態を切り換え、流体通路の流体圧を変化させる点。

イ 判断
(ア)<相違点1>及び<相違点2>について
<相違点1>及び<相違点2>については、上記(1)イで説示したのと同様に、甲1ないし甲6に記載された事項及び周知技術から、当業者が容易に想到し得るものではない。

(イ)<相違点3>について
甲1の上記摘記事項イないしエを参酌すると、甲1発明の反転動作する装置は、上記甲1事項4に記載されたような、二方パイロット弁100、101の開閉状態と、当該二方パイロット弁100、101の上流にある制御管路93、94での圧力の上昇・低下状態とを、本件訂正発明2の開閉弁機構やエア通路の圧力と逆の関係にした上で、二方パイロット弁が開状態から閉状態に切換えられても、制御管路93、94での圧力の上昇が生じない作動を行うピストンドライブを適用することで、ピストン21の反転動作の制御が適切に行われるようにしているものである。そして、その適用に際しては、上記甲1事項4の作動を行うように、2個の三方弁37、38の構造や、三方弁37、38、二方パイロット弁100、101及びシリンダ室22、23との相互接続構造が設定されている。してみれば、甲1発明の上記二方パイロット弁100、101の開閉状態及び制御管路93、94での圧力変化状態が、単に本件訂正発明2の開閉弁機構やエア通路の圧力と逆関係の状態でしかないからといって、甲1発明のものを<相違点3>に係る構成のように変更することは、当業者であっても容易に成し得るものとはいえない。
これに対して、請求人は、弁駁書で、「常時開状態の弁機構が、ピストン等の可動体によって押動された時に、閉弁状態になる技術は、例えば、甲3の第1図?第3図、甲8の図1、甲4の図10に記載されており、これらの周知技術を甲1発明に適用することに格別困難性があるものではない」と主張する(上記第4 1(2))。しかし、確かに、常時は開弁状態で押動されて閉弁状態になる弁機構の技術については周知技術であるかもしれないが、このような周知技術を甲1発明の二方パイロット弁100、101に単に適用しても、制御管路93、94の圧力の上昇・低下の変化状態が、三方弁37、38によるピストン21の反転制御を行う上で適切なものとはならないため、上記のような適用を行うための動機付けが乏しいものというべきである。
また、他の甲2ないし甲6に記載された事項を検討しても、上記<相違点3>に係る発明特定事項を想到することが容易であるとはいえない。
よって、<相違点3>は、甲1ないし甲6に記載された事項及び周知技術から、当業者が容易に想到し得るものではない。

ウ 本件訂正発明2についての結論
したがって、本件訂正発明2は、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件訂正発明3
本件訂正発明3は、本件訂正発明2について、「前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成された前記装着孔に挿入螺合され且つ前記弁体が進退可能に挿入されたキャップ部材を備え、前記キャップ部材に、前記エア通路の一部が形成され、前記キャップ部材と前記弁体との間に前記油圧導入室が形成されたこと」を特定したものである。
そして、開閉弁機構にキャップ部材を備えた点及び該キャップ部材にエア通路の一部を形成した点は、甲1の図2(甲1の上記認定事項カを参照)、甲3の第1図及び第2図(甲3の上記摘記事項アを参照)にも示されているし、二つの部材の固定手段として挿入螺合手段は慣用技術に過ぎず、上記キャップ部材を挿入螺合手段で固定することが格別な事項であるともいえない。
しかし、本件訂正発明2は、上記(2)で検討したように、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明3も、同様に、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(4)本件訂正発明4
本件訂正発明4は、本件訂正発明2について、「前記開閉弁機構の油圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたこと」を特定したものである。
そして、開閉弁機構の油圧導入路を弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成した点は、甲1の図3(甲1の上記認定事項オを参照)に示されている。
しかし、本件訂正発明2は、上記(2)で検討したように、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明4も、同様に、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(5)本件訂正発明5
本件訂正発明5は、本件訂正発明2について、「前記弁体は、前記出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けられたこと」を特定したものである。
そして、弁体を出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けた点は、甲2の図1(甲2の上記摘記事項ウにおける図1の説明の記載も参照)に記載されている。
しかし、本件訂正発明2は、上記(2)で検討したように、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明5も、同様に、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(6)本件訂正発明6
本件訂正発明6は、本件訂正発明2について、「前記弁体は、前記出力部材の進退方向に進退可能に設けられたこと」を特定したものである。
そして、弁体を出力部材の進退方向に進退可能に設けた点は、甲1の図3(甲1の上記摘記事項エを参照)に記載されている。
しかし、本件訂正発明2は、上記(2)で検討したように、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明6も、同様に、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(7)本件訂正発明7
本件訂正発明7は、本件訂正発明2について、「前記所定の位置が、前記出力部材の上昇限界位置、下降限界位置のうちの何れかの位置であること」を特定したものである。
そして、所定の位置として、出力部材の上昇限界位置及び下降限界位置を設定した点は、甲1(上記摘記事項エを参照)及び甲2(上記摘記事項ウを参照)に記載されている。
しかし、本件訂正発明2は、上記(2)で検討したように、甲1発明に甲2ないし甲6に記載された事項及び周知技術を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明7も、同様に、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。

(8)結論
したがって、本件訂正発明1ないし7については、請求人が主張する無効理由1は成り立たない。

3 無効理由2について
(1)本件訂正発明1
ア 対比
本件訂正発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「ハウジング12」は本件訂正発明1の「シリンダ本体」に相当し、同様に「プランジャ型スイッチ100」は「開閉弁機構」に、「プランジャ126」は「弁体」に、「位置センサ」は「位置検出装置」に、それぞれ相当する。そして、甲2発明の「ピストン30、クッションプラグ32及びピストンロッド36」は全体として本件訂正発明1の「出力部材」に相当するものである。また、甲2発明で加圧流体に油圧を選択した場合は、甲2発明の「内部室22」は「油室」となって、本件訂正発明1の「油室」と同様の構成となり、甲2発明の「流体駆動シリンダ10」は「油圧駆動シリンダ」となり、本件訂正発明1の「油圧シリンダ」と同様の構成となるものである。
次に、甲2発明の「エア弁センサを構成する複数の空気ポート130」が、空気ポート130の一端部から加圧エアを供給し、プランジャ126を経由して、空気ポート130の他端部から加圧エアをプランジャ型スイッチ100の外界に連通させる構造を有するものであることは、当業者にとって技術常識であって、本件訂正発明1の「一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路」に相当することも当然理解可能である。
また、甲2発明のプランジャ型スイッチ100のプランジャ126が、「ハウジング121の下部127に設けられた孔にスライド可能に支持され」ることは、本件訂正発明1の開閉弁機構の弁体が、「装着孔に進退可能に装着され」ることに相当し、甲2発明の「ピストン行程の行程端で、上記クッションプラグ32によりプランジャ126を上昇させてプランジャ型スイッチ100の開閉状態を切り換え」ることは、本件訂正発明1の「前記出力部材が所定の位置に達した時に、前記出力部材により弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え」ることに相当することも、当業者には自明である。
さらに、甲2発明において、「複数の空気ポート130の間が連通されることで前記ピストン30が所望の位置に移動したことを確認可能」な点が、本件訂正発明1の「前記エア通路のエア圧を介して前記出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能」な点に相当することも、当業者には自明である。また、甲2発明の「位置センサ」が「ピストン30行程の行程端を検出する」ことは、本件訂正発明1の「位置検出装置」が「出力部材の位置を検出する」ことに相当する。

そうすると、本件訂正発明1と甲2発明とは、下記の点で一致している。
<一致点>
「シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の油室とを有する油圧シリンダにおける前記出力部材の位置を検出する位置検出装置であって、
一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路と、このエア通路を開閉可能な開閉弁機構とを備え、
前記開閉弁機構は、装着孔に進退可能に装着された弁体を備え、
前記出力部材が所定の位置に達したときに、前記出力部材により前記弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え、前記エア通路のエア圧を介して前記出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能に構成した位置検出装置。」

そして、両者は下記の点で相違する。
<相違点1>
本件訂正発明1の開閉弁機構が、「前記油室の油圧によって前記弁体を前記出力部材側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記油室と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路」を備えているのに対し、甲2発明のプランジャ型スイッチ100は、「油圧導入室及び油圧導入路」を有しておらず、バネ128の付勢力によりプランジャ126をクッションプラグ32側に進出させている点。
<相違点2>
本件訂正発明1の「エア通路」及び弁体を装着する「装着孔」が、シリンダ本体に形成されているのに対し、甲2発明の「複数の空気ポート130」及びプランジャ126を支持する「孔」が、プランジャ型スイッチ100のハウジング121に形成されている点。

イ 判断
(ア)<相違点1>について
上記甲1事項1を、本件訂正発明1と対比する。
甲1事項1の「シリンダ室23」は、本件訂正発明1の「油室」に相当する。
また、甲1事項1の「差圧ピストン」は、制御管路93からの油圧を液体容器又は無圧領域41へ接続するか否かの切り替えを行うものであるから、本件訂正発明1の「弁体」に相当するものであり、そうすると、甲1事項1の「二方パイロット弁100」は、本件訂正発明1の「開閉弁機構」に相当することも、当業者には自明である。
さらに、甲1事項1の「ピストン21」は、作動器である油圧ブースターに用いられているから、前後に設けられた高圧ピストン26、27とともに、本件訂正発明1でいう「出力部材」を構成しているものである。
そうすると、甲1事項1は、「油室の油圧によって弁体を出力部材側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記油室と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路を備えた開閉弁機構」と言い改めることができる。
そして、上記甲1事項1の「開閉弁機構」は、シリンダ内のピストンに押されることで弁の開閉を切り換えて流体の流れを制御する構造である点で、甲2発明の「開閉弁機構」(プランジャ型スイッチ100)と同様の技術分野のものであり、当該甲2発明の「開閉弁機構」の構造に、上記甲1事項1の「開閉弁機構」の油圧導入室及び油圧導入路にかかる構造を適用することを妨げる特段の事情も存在しない。
そうすると、甲2発明の「開閉弁機構」について、甲1事項1の技術を適用し、上記<相違点1>に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものというべきである。

(イ)<相違点2>について
上記甲1事項2及び甲1事項3を、本件訂正発明1と対比する。
甲1事項2及び甲1事項3の「低圧シリンダ20」が、本件訂正発明1の「シリンダ本体」に相当する。また、甲1事項2の「流体通路」は、低圧シリンダ20の流体がエアである場合に「エア通路」といえるから、本件訂正発明1の「エア通路」と同様の構成となること、甲1事項3の「差圧ピストンの装着孔」が本件訂正発明1でいう「装着孔」に相当することも、当業者には自明である。
そうすると、甲1事項2及び甲1事項3は、それぞれ「シリンダ本体内に形成されたエア通路」及び「シリンダ本体に形成した装着孔」と言い改めることができる。
ここで、甲1事項2及び甲1事項3を、甲2発明に適用可能か否かを検討する。甲2の上記摘記事項アからみて、甲2に記載された技術は、流体駆動される膨張室シリンダのための位置センサ取付け装置に係るものである。そして、位置センサを収容すると共に支持するハウジングを有し、当該ハウジングを連結部材を介してシリンダに外付けする構造が前提となっていると認められる。そうすると、そもそもシリンダとは別体の位置センサ用ハウジングを持つことが前提となっている甲2発明に対して、シリンダ本体内に直接位置センサを組み込む構造を形成するという甲1事項2及び甲1事項3の技術を適用するための動機付けも乏しいものといわざるを得ないし、他に動機付けとなる証拠も見当たらない。さらに、甲1事項2の「流体通路」は、「低圧シリンダ20」の流体と同種のものとすべきところ、甲2発明に適用した場合は流体に「油圧」を用いているため、「エア通路」にはならず「油圧通路」となってしまうものと認められる。
よって、甲1事項2及び甲1事項3を甲2発明に適用し、上記<相違点2>に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。

次に、上記甲3事項1及び甲3事項2を、本件訂正発明1と対比すると、甲3事項1及び甲3事項2の「シリンダ本体8」が、本件訂正発明1の「シリンダ本体」に相当し、甲3事項2の「弁体11及び動作杆13を収容する弁室12」が、本件訂正発明1でいう「装着孔」に相当することが、当業者には自明である。また、甲3事項1の「信号圧のインレットポート及びアウトレットポート」について、流体にエアを用いて「エア通路」とすることも当然行い得るから、甲3事項1及び甲3事項2は、それぞれ「シリンダ本体内に形成されたエア通路」及び「シリンダ本体に形成した装着孔」と言い改めることができる。
しかし、上記甲1事項2及び甲1事項3と同様に、シリンダとは別体の位置センサ用ハウジングを持つことが前提となっている甲2発明に対して、シリンダ本体8内に直接、位置センサであるリミットバルブ2を組み込む構造とする甲3事項1及び甲3事項2の技術を適用することは、動機付けも乏しいものといわざるを得ないし、他に動機付けとなる証拠も見当たらないため、甲3事項1及び甲3事項2を甲1発明に適用し、上記<相違点2>に係る発明特定事項とすることも、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。

そして、甲5の上記摘記事項アからみて、甲5には、差圧ピストンである「検出用ピストン7a,8a」を装着する「副室7,8」が、「シリンダ本体1」の両端部に形成されているシリンダストローク端の検出装置が記載されているが、当該検出装置はリミットスイッチを利用しているため、エア通路を設けてエア圧の圧力変化を介して出力部材の位置を検出するものではないし、上記シリンダとは別体の位置センサ用ハウジングを持つことが前提となっている甲1発明に適用する動機付けについても、やはり乏しいものといわざるを得ない。よって、甲5に記載された事項を甲1発明に適用し、上記<相違点2>に係る発明特定事項とすることも、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。
また、甲6の上記摘記事項ア及びイからみて、甲6には、位置センサである油路切換弁7を第1シリンダ装置4に直接取付けた多段伸縮ブームが記載されているが、相違点2に係る「シリンダ本体内に形成されたエア通路」及び「シリンダ本体に形成した装着孔」についての記載はない。よって、甲6に記載された事項を甲1発明に適用し、上記<相違点2>に係る発明特定事項とすることも、当業者が容易に想到し得るものとはいえない
さらに、甲4にも、甲1発明に適用して上記<相違点2>に係る発明特定事項となし得る事項は見当たらない。

ウ 本件訂正発明1についての結論
したがって、本件訂正発明1は、甲2発明に甲1、甲3ないし甲6に記載された事項を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件訂正発明2ないし7
本件訂正発明2ないし7は、本件訂正発明1を全て含み、上記「2 無効理由1について」の(2)ないし(7)に示したように、さらなる限定を付加したものである。よって、本件訂正発明1と同様に、甲2発明に甲1、甲3ないし甲6に記載された事項を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)結論
したがって、本件訂正発明1ないし7については、請求人が主張する無効理由2は成立しない。

第7 むすび
以上のとおり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件訂正発明1ないし7に係る特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
位置検出装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に出力部材が前進限界位置や後退限界位置などの所定の位置に達した際に、出力部材の動作に連動させてシリンダ本体内のエア通路の連通状態を開閉弁機構により切換えエア圧の変化を介して前記出力部材の位置を検知可能にした流体圧シリンダにおける位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機械加工に供するワーク等のクランプ対象物をクランプするクランプ装置などに採用される流体圧シリンダは、シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退自在に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の流体室等を備えている。
【0003】
ところで、上記流体圧シリンダの出力部材の軸心方向の所定の位置(前進限界位置、後退限界位置、途中位置等)を検出する種々のロッド位置検知技術が実用化されている。
例えば、特許文献1のクランプ装置は、流体圧シリンダに供給した流体圧を検出する圧力センサと、流体圧シリンダのピストン部材から外部に突出させた操作ロッドの下端部の被検出部の上昇位置と下降位置を検出する2つの位置センサとで、ピストンロッドの位置を検出している。
【0004】
特許文献2のクランプ装置においては、流体圧シリンダの出力ロッドの昇降動作に連動してエア通路を開閉する機構を設け、出力ロッドの上昇位置と下降位置とを検出可能に構成してある。
【0005】
特許文献3のクランプ装置においては、クランプ対象物を受け止めるワーク受け台が独立に設けられている。ワーク受け台は、エア噴出口が形成されたパット部材と、このパット部材をクランプ対象物側に弾性支持する外筒部材とを備えている。パット部材が突出位置にある場合は、エア噴出口から加圧エアが噴出し、クランプ装置がクランプ駆動されてクランプ対象物によりパット部材が押圧されて退入すると、外筒部材にエア噴出口が塞がれて加圧エアの圧力が上昇してクランプ状態になったことを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-87991号公報
【特許文献2】特開2003-305626号公報
【特許文献3】特開2009-125821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のクランプ装置では、流体圧シリンダのピストン部材から操作ロッドを外部に突出させ、その操作ロッドの下端部に設けた被検出部の上昇位置と下降位置を2つの位置センサで検出するため、流体圧シリンダの下側に被検出部の移動と位置センサの設置のための検出スペースが必要となるため、クランプ装置(つまり、流体圧シリンダ)が大型化するという問題がある。
【0008】
特許文献2のクランプ装置においては、出力ロッドの上昇位置と下降位置とを検出する機構をクランプ本体の外側に構成する。そのため、特許文献1のクランプ装置と同様に、クランプ本体の外部に検出スペースが必要となるから、クランプ装置をコンパクトに構成することができない。しかも、エア通路を開閉する検出具を検出孔に対して摺動自在に移動させる構造であるため、長期間使用した場合にエア通路を閉止する性能が低下する虞がある。
【0009】
特許文献3のクランプ装置のワーク受け台のエア噴出口は、アンクランプ状態のとき、クランプ装置やクランプ対象物の近傍部に開口しているので、機械加工の切粉やクーラント(切削液)がエア噴出口に侵入して塞いでしまう虞がある。
【0010】
本発明の目的は、出力部材が所定の位置に達したことをシリンダ本体内のエア通路のエア圧の圧力変化を介して確実に検知可能な位置検出装置を提供すること、出力部材の所定の位置を検出する信頼性や耐久性を向上し得る位置検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の位置検出装置は、シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の油室とを有する油圧シリンダにおける前記出力部材の位置を検出する位置検出装置であって、前記シリンダ本体内に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路と、このエア通路を開閉可能な開閉弁機構とを備え、前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成した装着孔に進退可能に装着された弁体と、前記油室の油圧によって前記弁体を前記出力部材側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記油室と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路とを備え、
前記出力部材が所定の位置に達したときに、前記出力部材により前記弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え、前記エア通路のエア圧を介して前記出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能に構成したことを特徴とする位置検出装置。
【0012】
請求項2の位置検出装置は、請求項1の発明において、前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させることを特徴としている。
【0013】
請求項3の位置検出装置は、請求項2の発明において、前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成された前記装着孔に挿入螺合され且つ前記弁体が進退可能に挿入されたキャップ部材を備え、前記キャップ部材に、前記エア通路の一部が形成され、前記キャップ部材と前記弁体との間に前記油圧導入室が形成されたことを特徴としている。
【0014】
請求項4の位置検出装置は、請求項2の発明において、前記開閉弁機構の油圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたことを特徴としている。
【0015】
請求項5の位置検出装置は、請求項2の発明において、前記弁体は、前記出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けられたことを特徴としている。
【0016】
請求項6の位置検出装置は、請求項2の発明において、前記弁体は、前記出力部材の進退方向に進退可能に設けられたことを特徴としている。
【0017】
請求項7の位置検出装置は、請求項2の発明において、前記所定の位置が、前記出力部材の上昇限界位置、下降限界位置のうちの何れかの位置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の位置検出装置によれば、シリンダ本体内のエア通路を開閉する開閉弁機構を設け、この開閉弁機構は、弁体と油圧導入室と油圧導入路とを備え、弁体をシリンダ本体に形成した装着孔に組み込むことで、開閉弁機構をシリンダ本体内に組み込むことができるため、油圧シリンダを小型化することができる。
【0019】
前記油圧シリンダの油室の油圧を、開閉弁機構の油圧導入室に油圧導入路を介して導入可能に構成し、出力部材が所定の位置に達しない状態では、油室の油圧を利用して弁体を油室側に突出した状態に保持することができ、開閉弁機構の開閉状態を保持することができる。油室の油圧を利用して弁体を付勢するため、信頼性と耐久性の面で有利である。
【0020】
出力部材が所定の位置に達したとき、出力部材により弁体を移動させて開閉弁機構の開閉状態を確実に切り換えるため、前記エア通路のエア圧を介して出力部材の所定の位置を確実に検知可能である。
【0021】
請求項2の位置検出装置によれば、前記油室に油圧が供給された状態では前記開閉弁機構は開弁状態であり、前記出力部材が所定の位置に達したときに開閉弁機構は閉弁状態に切換えられるため、前記出力部材が所定の位置に達したことを、エア通路が連通した状態から遮断された状態に変化したエア圧を介して検知することができる。
【0022】
請求項3の位置検出装置によれば、開閉弁機構をシリンダ本体内にコンパクトに組み込むことができる。
請求項4の位置検出装置によれば、油圧導入路を弁体に形成するため油圧導入路をシリンダ本体に形成する必要がなく、開閉弁機構をコンパクトに構成することができる。
【0023】
請求項5の位置検出装置によれば、前記弁体を前記出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けることができる。
請求項6の位置検出装置によれば、前記弁体を前記出力部材の進退方向に進退可能に設けることができる。
【0024】
請求項7の位置検出装置によれば、出力部材が、上限位置、下限位置のうちの何れかの位置に達したことを確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図2】図1のa部の拡大図である。
【図3】図1のb部の拡大図である。
【図4】クランプ装置(上昇限界直前位置)の断面図である。
【図5】図4のV-V線断面図である
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】図4のc部の拡大図である。
【図8】実施例1のクランプ装置(クランプ状態)の要部断面図である。
【図9】図8のd部の拡大図である。
【図10】図8のe部の拡大図である。
【図11】実施例2の第2開閉弁機構(開弁状態)の断面図である。
【図12】図11の開閉弁機構(閉弁状態)の断面図である。
【図13】実施例3のシリンダ本体要部と第2開閉弁機構(開弁状態)の断面図である。
【図14】実施例3のシリンダ本体要部と開閉弁機構(閉弁状態)の断面図である。
【図15】実施例4のシリンダ本体要部と開閉弁機構(開弁状態)の断面図である。
【図16】実施例4のシリンダ本体要部と開閉弁機構(閉弁状態)の断面図である。
【図17】実施例5のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図18】図17のf部の拡大図である。
【図19】図17のg部の拡大図である。
【図20】実施例5のクランプ装置(上昇限界直前位置)の断面図である。
【図21】図20のh部の拡大図である。
【図22】実施例5のクランプ装置の(クランプ状態)の断面図である。
【図23】図22のi部の拡大図である。
【図24】図22のj部の拡大図である。
【図25】実施例6のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図26】図25のk部の拡大図である。
【図27】クランプ状態における図26相当図である。
【図28】実施例7のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図29】実施例7のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図30】図28のm部の拡大図である。
【図31】実施例7のクランプ装置(クランプ状態)の断面図である。
【図32】図31のn部の拡大図である。
【図33】実施例8のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。
【図34】図33のp部の拡大図である。
【図35】実施例8のクランプ装置(クランプ状態)の断面図である。
【図36】図35のq部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、実施例に基づいて説明する。
この実施例は、流体圧シリンダとしての油圧シリンダにより出力部材(クランプロッド)を駆動するように構成したクランプ装置に本発明を適用した場合の例である。
【実施例1】
【0027】
先ず、クランプ装置の全体構成について説明する。
図1?図10に示すように、クランプ装置1は、パレット等のベース部材2に上方へ突出状に組付けられている。クランプ装置1は、ベース部材2の固定面2aにワーク等のクランプ対象物を固定解除可能に固定するものである。以下、「油圧」(流体圧)は圧縮状態の油を意味する。
【0028】
クランプ装置1は、鉛直姿勢の油圧シリンダ3(流体圧シリンダ)と、出力部材4と、第1位置検出装置30Pと、第2位置検出装置50Pとを有する。
第1位置検出装置30Pは、油圧シリンダ3のシリンダ本体10に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通した第1エア通路21と、この第1エア通路21を開閉可能な第1開閉弁機構30とを備え、第1エア通路21のエア圧を介して、出力部材4が上昇限界位置にあることを検出する為のものである。
【0029】
第2位置検出装置50Pは、油圧シリンダ3のシリンダ本体10に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通した第2エア通路22と、この第2エア通路22を開閉可能な第2開閉弁機構50とを備え、第2エア通路22のエア圧を介して、出力部材4が下降限界位置にあることを検出する為のものである。
尚、出力部材4の上昇限界位置は、「出力部材の所定の位置」に相当する。同様に、出力部材4の下降限界位置は、「出力部材の別の所定の位置」に相当する。
【0030】
次に、シリンダ本体10について説明する。
図1,図4,図6,図8に示すように、シリンダ本体10は、シリンダ部材11と、シリンダ部材11の上端に固定された上端壁部材12と、シリンダ部材11の下端に固定された下端壁部材13などを備えている。ベース部材2には、上端開放状の取付穴2bが形成され、シリンダ本体10のシリンダ部材11と下端壁部材13が取付穴に内嵌されている。上端壁部材12の下端面の一部が固定面2aに当接し、上端壁部材12が複数のボルト孔12aに通す複数(例えば、4本)のボルトによりベース部材2に固定されている。
【0031】
上端壁部材12には、出力部材4が挿通する挿通孔が形成され、この挿通孔は下部の第1挿通孔12bと、上部の第2挿通孔12cとを有し、第2挿通孔12cは第1挿通孔12bよりも少し小径である。第2挿通孔12cの上端部分には環状のシール取付凹部12dが形成されている。シリンダ部材11には、第1挿通孔12bの下端に連なり且つ第1挿通孔12bよりも大径のシリンダ孔11aが形成されている。上端壁部材12の下端部の筒状部分12eがシリンダ孔11aの上端部に内嵌され、下端壁部材13の上端部の突出部分13aがシリンダ孔11aの下端部に内嵌され、上端壁部材12と下端壁部材13は、シリンダ部材11に複数(例えば、6本)のボルトにより夫々固定されている。
【0032】
次に、出力部材4について説明する。
図1,図4,図6,図8に示すように、出力部材4はクランプ装置1のクランプロッド(つまり、ピストンロッド部材4a)である。この出力部材4の上端部には水平姿勢のクランプアーム4bの一端部分が固定されている。ピストンロッド部材4aは、シリンダ本体10に軸心方向に進退可能に装備されている。ピストンロッド部材4aは、ピストンロッド部4cと、その下端部分に固定されたピストン部4pとを有する。
【0033】
ピストンロッド部4cは、第2挿通孔12cを油密に摺動自在に挿通する小径ロッド部4dと、この小径ロッド部4dの下端に連なり且つ第1挿通孔12bに小さな環状隙間を空けて挿通可能な大径ロッド部4eとを有する。ピストン部4pは、シリンダ孔11aに油密に摺動自在に装着されている。小径ロッド部4dの一部がシリンダ本体10から上方へ突出している。小径ロッド部4dの上端部にクランプアーム4bがボルトにより固定されている。尚、クランプアーム4bとしては、クランプ対象物の厚さに対応するサイズ(特に、上下方向の厚さ)のものが使用される。
【0034】
ピストンロッド部材4aが上昇限界位置(アンクランプ位置)(図1参照)に達したとき、ピストン部4pが上端壁部材12の下面に当接し、大径ロッド部4eが第1挿通孔12bに挿入状態になる。ピストンロッド部材4aが下降限界位置(クランプ位置)(図8参照)に達したとき、ピストン部4pが下端壁部材13の上面に当接状態になる。尚、シリンダ本体10には、油密に封止する為のシール部材10a?10cが設けられ、ピストン部4pの外周部にはシール部材4sが装着されている。シール取付凹部12dには、小径ロッド部4dの外周面に接触する環状のダストシール12fが装着されている。
【0035】
シリンダ本体10内には、ピストン部4pの上側の環状のクランプ油室14と、ピストン部4pの下側のアンクランプ油室15とが設けられ、クランプ油室14は第1挿通孔12b内に延びる筒状の油室部分である筒部14aを有する。
【0036】
これらクランプ用油室14とアンクランプ油室15とは、図示外の油路により油圧供給源5に接続されている。クランプ油室14に油圧を供給し、アンクランプ油室15から油圧を抜くと、ピストンロッド部材4aは下降方向へクランプ駆動され、下降限界位置においてクランプアーム4bがクランプ対象物をベース部材2の固定面2aに押圧するクランプ状態になる。反対に、アンクランプ油室15に油圧を供給し、クランプ油室14から油圧を抜くと、ピストンロッド部材4aは上昇方向へアンクランプ駆動される。
【0037】
次に、第1エア通路21について説明する。
図1,図4,図6,図8に示すように、第1エア通路21は、上流側エア通路21aと、この上流側エア通路21aに、後述する第1開閉弁機構30を介して接続された下流側エア通路21bとを備えている。上流側エア通路21aの上流端はベース部材2に形成された第1エア供給路21sに接続され、下流側エア通路21bの下流端はベース部材2に形成された第1エア排出路21eに接続されている。
【0038】
上流側エア通路21aは、シリンダ部材11と上端壁部材12の内部に形成された鉛直のエア通路と、上端壁部材12の内部に形成された水平なエア通路とを備えている。下流側エア通路21bは、シリンダ部材11と上端壁部材12の内部に形成されている。
【0039】
次に、第2エア通路22について説明する。
図1,図4,図6,図8に示すように、第2エア通路22の上流端はベース部材2に形成された第2エア供給通路22sに接続され、第2エア通路22の下流端は前記取付穴2bを介してベース部材2に形成された第2エア排出通路22eに接続されている。第2エア通路22の下流端部には、第2開閉弁機構50が接続されている。第2エア通路22は、シリンダ部材11と下端壁部材13の内部に形成された鉛直のエア通路と、下端壁部材13の内部に形成された水平なエア通路とを備えている。
【0040】
第1,第2エア供給路21s,22sは、加圧エア供給源21m,22mに夫々接続され、第1,第2エア供給路21s,22sの途中部に、第1,第2圧力スイッチ21n,22n又は圧力センサが接続されている。第1,第2圧力スイッチ21n,22nは、エア供給路21s,22sの加圧エアの圧力が設定圧以上に昇圧したときにoffからon(又はonからoff)に切換わる。第1,第2エア排出路21e,22eは外界に開放されている。
【0041】
次に、第1開閉弁機構30について説明する。
図2,図7,図9に示すように、第1開閉弁機構30は、第1挿通孔12bの上端部の外周側付近において上端壁部材12の壁部の内部に配設され、第1エア通路21の上流側エア通路21aの下流端部を開閉可能に設けられている。第1開閉弁機構30は、弁体31と、キャップ部材32と、弁座32aと、油圧導入室33(流体圧導入室)と、油圧導入路34(流体圧導入路)と、内部のエア通路35a?35fとを備え、上端壁部材12の装着孔36にキャップ部材32と環状部材37を介して組み込まれている。
【0042】
装着孔36は、上端壁部材12に水平に貫通状に形成されている。装着孔36の途中部に環状部材37が固定的に装着され、その外周側がシール部材37sによりシールされている。装着孔36の開放側部分を塞ぐキャップ部材32が螺合により固定され、シール部材32sによりシールされている。
環状部材37の円形壁部には装着孔36の小径孔36aと同径の貫通孔37aが形成されている。弁体31は、キャップ部材32と環状部材37の内部に形成される収容室と、貫通孔37aと、小径孔36aに水平方向へ移動可能に装着されている。
【0043】
弁体31は、先端部がクランプ用油室14の筒状部14aに部分的に突出可能な弁体本体38と、この弁体本体38に可動に外嵌された可動弁体39とで構成されている。弁体31は、装着孔36に対して水平方向に約1.0?2.0mm程度移動可能である。可動弁体39は、弁体本体38に対して水平方向に相対的に約1.0?2.0mm程度移動可能である。
【0044】
弁体本体38は、小径軸部38aと大径軸部38bとを一体形成したものである。小径軸部38aが小径孔36aと貫通孔37aに挿通され、大径軸部38bの基端側部分がキャップ部材32の凹穴32bに摺動自在に内嵌されている。可動弁体39は、環状部材37とキャップ部材32との間の収容室において大径軸部38bに外嵌されている。
小径軸部38aの外周側をシールするシール部材40と、大径軸部38bの外周側をシールするシール部材41と、弁体本体38と可動弁体39との間をシールするシール部材42も設けられている。
【0045】
環状部材37の外周部に上流側エア通路21aに連通した環状のエア通路35aが形成されている。このエア通路35aは環状部材37の壁部内のエア通路35bに連通されている。環状部材37と可動弁体39の間に、キャップ形状のエア通路35cが形成され、キャップ部材32には上記のエア通路35cに連通可能な水平向きのエア通路35dが形成されている。キャップ部材32の外周部には、エア通路35dに連通する環状のエア通路35eと、このエア通路35eに連通し且つ下流側エア通路21bの上流端部に連通するエア通路35fが形成されている。
【0046】
可動弁体39は小径筒部39aとテーパ筒部39bとを有する。テーパ筒部39bは、テーパ外周面を有する。キャップ部材32の端面には上記のエア通路35c,35d間を開閉する為の環状弁座32aが形成されている。可動弁体39のテーパ筒部39bの端面には、環状弁座32aに当接・離隔可能な環状弁面39vが形成されている。
【0047】
小径筒部39aの先端内周部には、弁体本体38側に僅かに突出した環状係合部39cが形成され、弁体本体38の大径軸部38bの先端に僅かに小径に形成された係合軸部38cに相対移動可能に外嵌されている。
【0048】
油圧導入室33が、前記凹穴32bのうちのキャップ部材32と弁体本体38との間に形成され、弁体本体38の軸心近傍部に貫通状に且つ弁体本体38の装着方向と平行に形成された油圧導入路34を介して、クランプ油室14の筒状部14aに接続されている。油圧導入路34の先端部分には複数の分岐油路34aが形成されている。クランプ油室14に油圧が供給されると、油圧導入路34から油圧導入室33に油圧が導入され、その油圧が弁体本体38を進出方向(ピストンロッド部4c側)へ付勢する。
【0049】
次に、油圧シリンダ3と第1位置検出装置30Pと第1開閉弁機構30の作用について説明する。クランプ油室14に油圧が供給され、ピストンロッド部材4aが下降途中又は下降限界位置(クランプ状態)のとき、小径ロッド部4dが第1開閉弁機構30に対向する。そのため、第1開閉弁機構30においては、図9に示すように、油圧導入室33に導入された油圧を弁体31が受圧して弁体本体38が進出状態になり、弁面39vが弁座32aから離隔して閉弁状態から開弁状態に切換わり、エア通路35a?35fが連通状態となる。このとき、係合軸部38cの段部により環状係合部39cが奥方へ押動されるため、確実に閉弁状態から開弁状態になる。尚、閉弁状態から開弁状態への切換えが、「開閉状態の切換え」に相当する。
【0050】
これに対して、クランプ装置1のクランプ用油室14の油圧がドレン圧に切換えられ、アンクランプ油室15に油圧が供給され、クランプ装置1がアンクランプ状態になったとき、図2に示すように、油圧導入室33の油圧がドレン圧になり、ピストンロッド部材4aの大径ロッド部4eにより弁体本体38がキャップ部材32側へ押動される。そして、弁体本体38と可動弁体39との間にはシール部材40の摩擦力が作用するため、弁体本体38と共に可動弁体39も移動し、弁面39vが弁座32aに当接して開弁状態から閉弁状態に切換わり、エア通路35cとエア通路35dの間が閉じられる。
【0051】
この閉弁状態では、可動弁体39に作用するエア圧によっても可動弁体39が閉弁側へ付勢される。この閉弁状態への切換えにより、第1開閉弁機構30よりも上流側において、上流側エア通路21a内のエア圧が上昇するので、圧力スイッチ21nによりピストンロッド部材4aが上昇限界位置に達したことを検出することができる。尚、開弁状態から閉弁状態に切換えも、「開閉状態の切換え」に相当する。
【0052】
図2の状態からピストンロッド部材4aが下降開始したとき、図7示すように、可動弁体39の位置は変化することなく、大径ロッド部4eの上端の環状テーパ面4tにより弁体本体38の僅かの進出移動が許容され、係合軸部38cの段部が環状係合部39cに係合し、その後閉弁状態から図9に示す開弁状態へ切換わる。
【0053】
次に、第2開閉弁機構50について説明する。
図1、図3,図8、図10に示すように、第2開閉弁機構50は、第1開閉弁機構30と同様の構造であるため、弁機構の構造については簡単に説明する。
第2開閉弁機構50は下端壁部材13の中央部分の装着孔56に鉛直姿勢に配設され、第2開閉弁機構50は、第2エア通路22の下流端部を開閉可能に設けられている。第2開閉弁機構50は、弁体51と、キャップ部材52と、弁座52aと、油圧導入室53(流体圧導入室)と、油圧導入路54(流体圧導入路)と、内部のエア通路55a?55dとを備え、下端壁部材13の鉛直の装着孔56にキャップ部材52と環状部材57を介して組み込まれている。
【0054】
キャップ部材52は、下端壁部材13に螺合にて固定され、シール部材52sでシールされている。環状部材57は装着孔56の途中部に固定されている。環状部材57の水平壁には、装着孔56の小径孔56aと同径の貫通孔57aが形成されている。
弁体51は、弁体本体58と可動弁体59とを備えている。弁体本体58は、小径軸部58aと、大径軸部58bとを一体形成したものであり、大径軸部58bがキャップ部材52と環状部材57とで形成された収容室52b内に収容され、小径軸部58aは小径孔56aと貫通孔57aを摺動自在に挿通して、下端壁部材13の上端面から上方へ部分的に突出可能になっている。
【0055】
大径軸部58bの上端部には少し小径の係合軸部58cが形成されている。可動弁体59は、小径筒部59aと、大径部59bとを有し、小径筒部59aの上端近傍部には、上記の係合軸部58cに外嵌された環状係合部59cが形成されている。
尚、小径軸部58aの外周側をシールするシール部材60と、大径軸部58bの外周側をシールシール部材61と、大径軸部58bと可動弁体59間をシールするシール部材62も設けられている。
【0056】
内部のエア通路として、環状部材57の外周部には第2エア通路22の下流端部に連通した環状エア通路55aが形成されている。環状部材57の壁部には環状エア通路55aに連通したエア通路55bが形成されている。環状部材57と可動弁体59の間には、上記のエア通路55bに連通したキャップ状のエア通路55cが形成されている。キャップ部材52には上記のエア通路55cに連通可能なエア通路55dが形成されている。キャップ部材52の上端面には環状弁座52aが形成され、可動弁体59の下面には環状弁座52aに当接・離隔可能な環状弁面59vが形成されている。
【0057】
次に、油圧シリンダ3と第2位置検出装置50Pと第2開閉弁機構50の作用について説明する。図1、図3に示すクランプ装置1がアンクランプ状態のとき、アンクランプ油室15に油圧が充填されているため、油圧導入孔54から油圧導入室53へ油圧が導入され、油圧導入室53の油圧により弁体51が上方へ付勢されて上方へ移動し、環状係合部59cと小径軸部58cの段部の係合を介して、可動弁体59も上方へ移動し、環状弁面59vが環状弁座52aから離隔して開弁状態を保持する。
【0058】
クランプ装置1のクランプ油室14に油圧を供給し且つアンクランプ油室15の油圧をドレン圧に切換えると、ピストンロッド部材4aが下降限界位置まで下降し、クランプ装置1がアンクランプ状態からクランプ状態に切換えられ、ピストン部4pが下端壁部材13の上面に当接状態になる。すると、図10に示すように、弁体本体58がピストン部4pにより下方へ押動され、シール部材62の摩擦力を介して可動弁体59も下方へ移動して、環状弁面59vが環状弁座52aに当接して開弁状態から閉弁状態に切換えられる。その結果、第2エア通路22のエア圧が上昇するため、圧力スイッチ22nによりピストンロッド部材4aが下降限界位置に移動してクランプ状態になったことを確実に検知することができる。
【0059】
この油圧シリンダ1によれば、クランプ本体10内のエア通路21,22を開閉する第1,第2開閉弁機構30,50を、シリンダ本体10に形成した装着孔36,56に組み込むことで、第1,第2開閉弁機構30,50をクランプ本体10内に組み込むことができるため、出力部材4の上昇限界位置と下降限界位置を検出可能な油圧シリンダ1を小型化することができる。
【0060】
第1開閉弁機構30では、クランプ油室14内の油圧を油圧導入室33に導入し、その油圧を弁体31に作用させて、弁体31を出力部材4側へ突出状態に保持できるため、信頼性と耐久性の面で有利である。第2開閉弁機構についても同様である。
出力部材4が所定の位置に達したときに、出力部材4により弁体31,51を移動させて第1,第2開閉弁機構30,50の開閉状態を切換えるため、エア通路21,22のエア圧を介して出力部材4の所定の位置を確実に検知することができる。
【実施例2】
【0061】
実施例1の第2開閉弁機構50を部分的に変更した第2開閉弁機構50Aについて説明する。但し、変更部分についてのみ説明し、同様の部材に同じ符号を付して説明を省略する。図11、図12に示すように、弁体本体58Aの下端部分に下端開放の凹穴58dであって油圧導入室53に開口した凹穴58dが形成され、この凹穴58dと油圧導入室53に圧縮コイルスプリング53aが装着された。弁体本体58Aは、油圧導入室53の油圧によって上方へ付勢されると共に、圧縮コイルスプリング53aによって上方へ付勢されている。
【0062】
圧縮コイルスプリング53aを設けたため、クランプ状態からアンクランプ状態へ切換える際に、アンクランプ油室15に充填される油圧の圧力が立ち上がるまでの過渡時における、弁体51の作動確実性を高めることができる。尚、第1開閉弁機構30にも、上記と同様に、圧縮スプリングを組み込んでもよい。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0063】
実施例1の第2開閉弁機構50を部分的に変更した第2開閉弁機構50Bについて説明する。但し、変更部分についてのみ説明し、同様の部材に同じ符号を付して説明を省略する。図13、図14に示すように、前記環状部材57は省略されている。弁体51Bが、弁体本体58と、この弁体本体58に可動に外嵌された可動弁体59Bとで構成されている。弁体本体58は、小径軸部58aと大径軸部58bとを一体形成したものである。
【0064】
内部のエア通路として、可動弁体59Bの外周側に形成され且つ第2エア通路22の下流端に連通した環状エア通路55gと、キャップ部材52に縦向きに貫通状に形成され且つ環状エア通路55gに連通可能なエア通路55hとが設けられている。キャップ部材52の上端面に環状弁座52aが形成され、可動弁体59Bの下端面に環状弁面59vが形成されている。図示のように、シール部材60?62が設けられている。
【0065】
図13に示すアンクランプ状態のとき、アンクランプ油室15に油圧が供給されるため、油圧導入室53に導入される油圧により、弁体本体58と可動弁体59Bとが上方へ付勢されて上昇限界位置になるため、環状弁面59vが環状弁座52aから離隔して開弁状態になる。
【0066】
上記とは反対に、図14に示すように、クランプ油室14に油圧が供給され、アンクランプ油室15の油圧が抜かれると、ピストンロッド部材4aが下降限界位置まで下降し、ピストン部4pが下端壁部材13の上面に当接する。その結果、弁体本体58が下降し、可動弁体59Bがシール部材62の摩擦力を介して弁体本体58と一体的に下降し、環状弁面59vが環状弁座52aに当接して閉弁状態になる。そのため、第2エア通路22のエア圧が上昇するので、圧力スイッチ22nによりピストンロッド部材4aが下降限界位置になったことを検出することができる。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例4】
【0067】
実施例3の第2開閉弁機構50Bを部分的に変更した第2開閉弁機構50Cについて説明する。但し、変更部分についてのみ説明し、同様の部材に同じ符号を付して説明を省略する。図15、図16に示すように、前記環状部材57は省略されている。
弁体51Cは、弁体本体58と可動弁体59Bとを備えている。キャップ部材52Cの内部にカップ状のカップ部材52cが固定され、弁体本体58の大径軸部58bがカップ部材52cの収容穴に摺動自在に装着されている。
【0068】
キャップ部材52Cとカップ部材52cの上端面に環状弁座52aが形成され、可動弁体59Bの下端に環状弁面59vが形成されている。内部のエア通路として、可動弁体59Bの外周側の環状エア通路55gと、カップ部材52cとキャップ部材52Cの間の環状エア通路55iと、キャップ部材52Cの底壁に形成され且つ環状エア通路55iに連通したエア通路55jとが形成されている。尚、エア通路55jは第2エア排出路22eを介して外界に開放されいる。
【0069】
図15に示すように、アンクランプ状態のときは、アンクランプ油室15の油圧が油圧導入室53に導入されるため、第2開閉弁機構50Bと同様に、環状弁面59vが環状弁座52aから離隔して開弁状態となる。クランプ状態のときには、第2開閉弁機構50Bと同様に、環状弁面59vが環状弁座52aに当接して閉弁状態になる。この第2開閉弁機構50Cでは、部品の精度要求が緩和されるため、製作面で有利である。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0070】
このクランプ装置1Dにおいては、図17?図24に示すように、実施例1の第1開閉弁機構30の代わりに、第1開閉弁機構30Dが設けられ、実施例1の第2開閉弁機構50の代わりに、第2開閉弁機構50Dが設けられ、その他の構成は、実施例と同様であるので、同様の部材に同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
前記第1開閉弁機構30は、出力部材4が上昇限界位置のとき閉弁状態になり、出力部材4が下降限界位置のとき開弁状態になる。しかし、この第1開閉弁機構30Dは、出力部材4が上昇限界位置のとき開弁状態になり、出力部材4が下降限界位置のとき閉弁状態になる。
【0072】
図17?図24に示すように、第1開閉弁機構30Dは、キャップ部材32と、環状部材37Dと、弁体31Dと、油圧導入室33と、油圧導入路34と、内部のエア通路35a、35b、35g、35hとを備え、上端壁部材12に形成した水平向きの装着孔36に装着したものである。弁体31Dは弁体本体38のみで構成され、弁体本体38は、小径軸部38aと大径軸部38bとを一体形成したものである。
大径軸部38bはキャップ部材32と環状部材37Dで形成された収容室32bに可動に収容され、小径軸部38aは、環状部材37の貫通孔37aと、装着孔36の小径孔36aとに摺動自在に挿通している。シール部材32s、40、41も設けられている。
【0073】
内部のエア通路として、上流側エア通路21aに連通し且つ環状部材37の外周部に形成されたエア通路35aと、環状部材37Dの壁部に形成されたエア通路35bと、このエア通路35bに連通するように環状部材37Dの内周部に形成された環状のエア通路35gと、キャップ部材32と環状部材37の間に形成され且つ下流側エア通路21bの上流端に連通したエア通路35hとが形成されている。弁体本体38の大径軸部38bの端面には環状弁面38cが形成され、環状部材37Dの端面には環状弁面38cに当接・離隔可能な環状弁座37bが形成されている。
【0074】
図18に示すように、クランプ装置1がアンクランプ状態で、ピストンロッド部材4aが上昇限界位置のとき、ピストンロッド部材4aの大径ロッド部4eで弁体本体38がキャップ部材32側へ押動され、環状部材37Dが移動しないため、環状弁面38cが環状弁座37bから離隔して開弁状態になる。その結果、第1エア通路21の上流側エア通路21a内のエア圧が低下するため、出力部材4が上昇限界位置に達したことを圧力スイッチ21nにより検出することができる。出力部材4が僅かに下降した際にも、図21に示すように、閉弁状態が維持される。
【0075】
上記とは反対に、クランプ状態になり、クランプ油圧14に油圧が供給されると、図23に示すように、油圧導入路34から油圧導入室33に油圧が導入され、弁体本体38が出力部材4(小径ロッド部4d)側へ進出するため、環状弁面38cが環状弁座37bに当接して閉弁状態になる。その結果、上流側エア通路21aのエア圧が上昇するため、出力部材4が圧力スイッチ21nにより上昇限界位置から下降したことを検出することができる。
【0076】
次に、第2開閉弁機構50Dについて説明する。
図19に示すように、第2開閉弁機構50Dは、キャップ部材52と、環状部材57Dと、弁体51と、油圧導入室53と、油圧導入路54と、内部のエア通路55a、55b、55g、55hとを備え、下端壁部材13に形成した鉛直きの装着孔56に装着されている。弁体51は弁体本体58のみで構成され、弁体本体58は、小径軸部58aと大径軸部58bとを一体形成したものである。大径軸部58bはキャップ部材52と環状部材57Dで形成された収容室52bに可動に収容され、小径軸部58aは、環状部材57Dの貫通孔57aと、装着孔56の小径孔56aとに摺動自在に挿通している。シール部材52s、60、61も設けられている。
【0077】
内部のエア通路として、第2エア通路22に連通するように環状部材57Dの外周部に形成されたエア通路55aと、このエア通路55aに連通するように環状部材57Dの壁部に形成されたエア通路55bと、このエア通路55bに連通するように環状部材57Dの内周部に形成された環状のエア通路55gと、キャップ部材52と環状部材57D間に形成され且つ前記第2エア排出路22eに連通したエア通路55hとが形成されている。弁体本体58の大径軸部58bの端面には環状弁面58cが形成され、環状部材57Dの端面には環状弁面58cに当接・離隔可能な環状弁座57bが形成されている。
【0078】
図19に示すように、クランプ装置1Dがアンクランプ状態で、アンクランプ油室15に油圧が供給された状態で、ピストンロッド部材4aが下昇限界位置でないとき、油圧導入路54から油圧導入室53に油圧が導入され、弁体本体58が上方へ僅かに進出移動するため、環状弁面58cが環状弁座57bに当接して閉弁状態になる。その結果、第2エア通路22のエア圧が上昇するため、出力部材4が下降限界位置から上昇したことを圧力スイッチ22nにより検出する検出することができる。
【0079】
一方、図22、図24に示すように、クランプ油室14に油圧が供給されてクランプ状態になると、ピストンロッド部材4aが下降限界位置まで下降し、ピストン部4pが下端壁部材13の上面に当接し、弁体本体58がキャップ部材52側へ押動され、環状部材57Dが移動しないため、環状弁面58cが環状弁座57bから離隔し、開弁状態になる。その結果、第2エア通路22の内のエア圧が低下するため、出力部材4が下降限界位置に達したことを圧力スイッチ22nにより検出することができる。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例6】
【0080】
クランプ装置に適用される油圧シリンダ3Eに本発明を適用した場合の例である。
図25?図27に示すように、クランプ装置1Eの油圧シリンダ3Eは、シリンダ本体70と、出力部材73と、クランプ油室74、アンクランプ油室75と、位置検出装置76Pとを有する。
【0081】
位置検出装置76Pは、油圧シリンダ3Eのシリンダ本体70内に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路25と、このエア通路25を開閉する開閉弁機構76を備えている。エア通路25は、加圧エアが供給されるエア通路85sと、加圧エアが排出されるエア通路77とを有する。この位置検出装置76Pは、エア通路25のエア圧を介して出力部材73が上昇限界位置に達したことを検出する為のものである。
【0082】
尚、図25はクランプ装置がクランプ状態のときの油圧シリンダ3Eを示す。この油圧シリンダ3Eは、ワークパレット等のベース部材78の凹穴78aに嵌入した状態で使用される。クランプ油室74とアンクランプ油室75は、油圧供給源に接続されている。エア通路85sは、エア供給通路(図示外)を介して加圧エア供給源に接続され、エア供給通路には、圧力スイッチ又は圧力センサが接続されている。エア通路77は外界に開放されている。
【0083】
出力部材73は、ロッド部73aと、ピストン部73bとを一体形成したものである。シリンダ本体70は、シリンダ部材71と上端壁部材72とを有する。開閉弁機構76は、前記の開閉弁機構50Dと類似の構造のものであるので簡単に説明する。開閉弁機構76は、ピストン部73bに対向するように上端壁部材72の鉛直向きの装着孔72aに装着されている。開閉弁機構76は、キャップ部材79と、弁体80と、環状部材81と、油圧導入室82と、油圧導入路83と、内部のエア通路85a,85b,85cなどを備えている。
【0084】
弁体80は、小径軸部80aと大径軸部80bとを一体形成したものである。大径軸部80bは上端壁部材72に形成した穴に可動に挿入されてシール部材84でシールされている。小径軸部80aは、環状部材81の貫通孔81aとキャップ部材79の挿通孔79aとに摺動自在に挿通され、上端壁部材72の下面から突出可能である。小径軸部80aとキャップ部材79間をシールするシール部材85も設けられている。
【0085】
内部のエア通路として、エア通路85sに連通した環状のエア通路85aと、このエア通路85aに連通可能で且つ環状部材81の内周部に形成された環状のエア通路85bと、このエア通路85bに連通し且つ環状部材81の壁部に形成されたエア通路85cであって排出用のエア通路77に連通したエア通路85cとが形成されている。環状部材81の上面には環状弁座81aが形成され、大径軸部80bの下端には環状弁座81aに当接・離隔可能な環状弁面80vが形成されている。
【0086】
アンクランプ油室75に油圧を供給し、クランプ油室74の油圧を抜いたアンクランプ状態においては、図26に示すように、油圧が油圧導入路83から油圧導入室82に導入され、その油圧を受圧する弁体80が下方へ移動し、環状弁面80vが環状弁座81aに当接して閉弁状態になる。その結果、エア通路85s内のエア圧が高くなるから、圧力スイッチ又は圧力センサにより、上昇限界位置から下降したことを検出することができる。
【0087】
上記とは反対に、クランプ油室74に油圧を供給し、アンクランプ油室75から油圧を抜いたクランプ状態においては、図27に示すように、出力部材73が上昇限界位置に達し、ピストン部73bで弁体80が上方へ押動されるため、環状弁面80vが環状弁座81aから離隔して開弁状態となり、エア通路76のエア圧が低下するため、圧力スイッチ又は圧力センサにより、クランプ状態になったことを検出することができる。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例7】
【0088】
この実施例に係るクランプ装置1Fについて、図28?図32に基づいて説明する。
このクランプ装置1Fにおいては、出力部材4Fが上昇限界位置から下降する下降前期に、出力部材4Fが軸心回りに90°ツイストし、その後ツイストすることなく下降限界位置に移動してクランプ状態となる。また、クランプ状態から出力部材4Fが上昇する上昇前期には出力部材がツイストすることなく上昇し、その後上昇の後期に出力部材4Fが軸心回りに90°ツイストしアンクランプ状態になる。
【0089】
このクランプ装置1Fは、油圧シリンダ3Fと、出力部材4Fと、位置検出装置50PFとを有する。この位置検出装置50PFは、シリンダ本体92に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路26と、このエア通路26を開閉可能な開閉弁機構50Fとを備えている。
【0090】
油圧シリンダ3Fは、出力部材4F(クランプロッド、つまり、ピストンロッド部材90)を有し、出力部材4Fの上端部にクランプアーム91が固定されている。シリンダ本体92は、シリンダ孔93を有し、シリンダ本体92の下端壁部材94には、ロッド挿入穴94aが形成されている。
ピストンロッド部材90の中段部にはシリンダ孔93内を摺動するピストン部90aが形成され、シリンダ孔93内において、ピストン部90aの上側にはクランプ油室95が形成され、ピストン部90aの下側にはアンクランプ油室96が形成されている。
【0091】
ピストンロッド部材90をツイストさせるツイスト機構100は、アンクランプ油室96内においてピストンロッド部材90の外周部に形成した複数のカム溝101と、下端壁部材94に保持されて複数のカム溝101に夫々係合した複数の鋼球103とを備えている。カム溝101は、その上半部の鉛直向きの直線溝101aと、この直線溝101aの下端に連なる螺旋溝101bとを有する。
【0092】
前記開閉弁機構50Fは、ピストンロッド部材90がアンクランプ状態からクランプ状態に移行する(ピストンロッド部材90が下降する)際に、ピストンロッド部材90がツイスト動作を完了したことを検出する為のものである。この開閉弁機構50Fは、前記実施例1の第2開閉弁機構50とほぼ同様の構造であるので、同様の部材に同じ符号を付して簡単に説明する。
【0093】
この開閉弁機構50Fは、下端壁部材94に水平方向に向けて形成された装着孔56と、弁体51と、キャップ部材52と、環状部材57と、油圧導入室53と、油圧導入路54とを備えている。弁体51は、弁体本体58と可動弁体59とで構成され、可動弁体59は環状係合部を有し、弁体本体58は小径軸部を有する。
【0094】
前記エア通路26は、シリンダ本体92に形成されたエア通路23,23aと、シリンダ本体92の下端壁部材94に形成された排出用のエア通路24とを有する。エア通路23,23aはベース部材97に形成されたエア通路23bと、エア通路23cを介してエア供給源22mに接続され、エア供給路23cには圧力スイッチ22n又は圧力センサが接続されている。エア通路24は外界に開放されている。
【0095】
開閉弁機構50Fの内部のエア通路として、エア通路23に連通するように環状部材57の外周部に形成された環状エア通路55aと、環状部材57に形成されたエア通路55bと、環状部材57と可動弁体59との間に形成されたキャップ状のエア通路55cと、このエア通路55cに連通可能にキャップ部材52に形成され且つ排出用エア通路24に連通されたエア通路55dとが形成されている。キャップ部材52の端面には環状弁座52aが形成され、可動弁体59には環状弁座52aに当接・離隔可能な環状弁面59vが形成されている。
【0096】
アンクランプ油室96内において、ピストンロッド部材90の外周部には、前記カム溝101と同様の検出用溝102であって、開閉弁機構50Fの弁体本体58の半球状の先端部が係合する検出用溝102が形成されている。検出用溝102はその上半部の直線溝102aと、この直線溝102aの下端に連なる螺旋溝102bとを有する。螺旋溝102bは深く形成され、直線溝102aは螺旋溝102bの約1/2程度の深さに形成されている。
【0097】
アンクランプ状態のとき、アンクランプ油室96の油圧が油圧導入路54から油圧導入室53に導入されて、弁体本体58の先端部が螺旋溝102bへ突出する。そのため、図29、図30に示すように、環状弁面59vが環状弁座52aから離隔して開弁状態となる。その結果、エア通路23のエア圧が低下する。
【0098】
アンクランプ油室96の油圧を抜きつつ、クランプ油室95に油圧を供給していくと、ピストンロッド部材90が下降し、図31、図32に示すように、弁体本体58の先端が直線溝102aに係合した状態になる。すると、弁体本体58がピストンロッド部材90でキャップ部材52側へ押動されるため、環状弁面59vが環状弁座52aに当接して閉弁状態になる。その結果、エア通路23の上流側のエア供給通路のエア圧が上昇するため、圧力スイッチ又は圧力センサで検出することができる。つまり、ピストンロッド部材90のツイスト動作完了位置を圧力スイッチの信号に基づいて確実に検知することができる。尚、ピストンロッド部材90のツイスト動作完了位置が、「出力部材の所定の位置」に相当する。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【実施例8】
【0099】
この実施例8に係るクランプ装置1Gについて、図33?図36に基づいて説明する。このクランプ装置1G及び位置検出装置30PGは、実施例7のクランプ装置1F及び位置検出装置50PFと同様のものであるが、開閉弁機構30Gの構造が相違している。そこで、実施例7のクランプ装置1Fと同様の部材に同じ符号を付して説明を省略し、開閉弁機構30Gについて説明する。
【0100】
この開閉弁機構30Gは、実施例5の第1開閉弁機構30Dと同様のものであるので同様の部材に同じ符号を付して簡単に説明する。前記実施例7の開閉弁機構50Fは、出力部材4Fがツイスト動作中にはのとき開弁状態になり、出力部材4Fがツイスト動作完了時以降に閉弁状態になる。しかし、この開閉弁機構30Gは、出力部材4Fがツイスト動作中には閉弁状態になり、出力部材4Fがツイスト動作完了時以降に開弁状態になる。
【0101】
開閉弁機構30Gは、キャップ部材32と、環状部材37Dと、弁体31Dと、油圧導入室33と、油圧導入路34と、内部のエア通路35i、35j、35k、35m,35nとを備え、下端壁部材94に形成した水平向きの装着孔36に装着したものである。弁体31Dは弁体本体38のみで構成され、弁体本体38は、小径軸部38aと大径軸部38bとを一体形成したものである。
大径軸部38bはキャップ部材32と環状部材37Dで形成された収容室に可動に収容され、小径軸部38aは、環状部材37Dの貫通孔37aと、装着孔36の小径孔36aとに摺動自在に挿通している。
【0102】
内部のエア通路として、エア通路23に連通し且つ環状部材37Dの外周部に形成されたエア通路35iと、環状部材37Dの壁部に形成されたエア通路35jと、このエア通路35jに連通するように環状部材37Dの内周部に形成された環状のエア通路35kと、このエア通路35kに連通可能な環状エア通路35mと、このエア通路35mに連通するようにキャップ部材32内に形成されたエア通路35nであってエア通路24に連通したエア通路35nとが形成されている。弁体本体38の大径軸部38bの端面には環状弁座38cが形成され、環状部材37Dの端面には環状弁面38cに当接・離隔可能な環状弁座37bが形成されている。
【0103】
図34に示すように、アンクランプ状態からクランプ状態に切換える為、ピストンロッド部材90が下降するとき、ピストンロッド部材90がツイスト動作中には、弁体本体38の先端部が螺旋溝102b内へ突出するため、環状弁面38cと環状弁座37bとが当接して閉弁状態になり、エア通路23に加圧エアを供給するエア供給通路のエア圧が高い圧力に維持される。
【0104】
これに対して、図36に示すように、ピストンロッド部材90がツイスト動作完了以降は、弁体本体38の先端部が直線溝102aに係合した状態になる。すると、弁体本体38がキャップ部材32側へ押動されるため、環状弁面38cが環状弁座37bから離隔した状態になって開弁状態となるため、エア通路23に加圧エアを供給するエア供給通路のエア圧が低下する。そのため、圧力スイッチからの信号に基づいて、ピストンロッド部材90のツイスト動作完了位置を確実に検知することができる。その他、実施例1の油圧シリンダと同様の効果が得られる。
【0105】
前記実施例を部分的に変更する例について説明する
1)複数の開閉弁機構に複数のエア通路に加圧エアを供給する複数のエア供給通路に共通の1つの圧力スイッチ又は圧力センサを設けることも可能である。
【0106】
2)前記実施例においては、流体圧シリンダとして油圧シリンダを例にして説明したが、流体圧シリンダとしてのエアシリンダに本発明を同様に適用することができる。
【0107】
3)前記シリンダ本体の構造、前記ピストンロッド部材の構造等は、一例を示すものであり、これらの構造に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して実施可能である。
4)前記の種々の開閉弁機構の構造も例示であって、これらの開閉弁機構に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の開閉弁機構を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明に係る流体圧シリンダは、クランプ装置やその他の機械装置等に適用する油圧シリンダやエアシリンダに採用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1,1D,1F,1G クランプ装置
10,70,92 シリンダ本体
3,3E,3F,3G 油圧シリンダ
4,4F,4G,73 出力部材
14,74,95 クランプ油室
15,75,96 アンクランプ油室
21,22,23,24 エア通路
30,30D,30G,50,50A 開閉弁機構
30P,30PG 位置検出装置
50B,50C,50D,50F,76 開閉弁機構
50P,76P,50PF 位置検出装置
31,31D,51,51B,51C,80 弁体
32a,37b,52a,57b,81a 弁座
33,53,82 油圧導入室
34,54,83 油圧導入路
36,72a,56 装着孔
32,52,52C,79 キャップ部材
42,62 シール部材
53a 圧縮コイルスプリング
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ本体と、このシリンダ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の油室とを有する油圧シリンダにおける前記出力部材の位置を検出する位置検出装置であって、
前記シリンダ本体内に形成され且つ一端部に加圧エアが供給され他端部が外界に連通したエア通路と、このエア通路を開閉可能な開閉弁機構とを備え、
前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成した装着孔に進退可能に装着された弁体と、前記油室の油圧によって前記弁体を前記出力部材側に進出させた状態に保持する油圧導入室と、前記油室と前記油圧導入室とを連通させる油圧導入路とを備え、
前記出力部材が所定の位置に達したときに、前記出力部材により前記弁体を移動させて前記開閉弁機構の開閉状態を切り換え、前記エア通路のエア圧を介して前記出力部材が前記所定の位置に達したことを検知可能に構成したことを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記油室に油圧が供給され前記出力部材が所定の位置にない状態において、前記開閉弁機構は前記エア通路を外界に開放する開弁状態を維持し、
前記油室の油圧がドレン圧に切り換えられ且つ前記出力部材が前記所定位置に達した時に、前記開閉弁機構は、前記エア通路を閉じる閉弁状態に切り換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を上昇させ、当該圧力が設定圧以上に上昇したことに基づいて前記出力部材が所定の位置にあることが検知され、
前記出力部材が前記所定の位置から移動開始したときに、前記開閉弁機構は、前記エア通路を外界に開放する開弁状態に切換えられ、当該切換えにより前記開閉弁機構に対して前記一端部側に位置する前記エア通路の圧力を低下させることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記開閉弁機構は、前記シリンダ本体に形成された前記装着孔に挿入螺合され且つ前記弁体が進退可能に挿入されたキャップ部材を備え、
前記キャップ部材に、前記エア通路の一部が形成され、前記キャップ部材と前記弁体との間に前記油圧導入室が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記開閉弁機構の油圧導入路は、前記弁体の軸心近傍部に貫通状に且つ前記弁体の装着方向と平行に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記弁体は、前記出力部材の進退方向と直交する方向に進退可能に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記弁体は、前記出力部材の進退方向に進退可能に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記所定の位置が、前記出力部材の上昇限界位置、下降限界位置のうちの何れかの位置であることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2014-11-20 
結審通知日 2014-11-25 
審決日 2014-12-08 
出願番号 特願2013-141658(P2013-141658)
審決分類 P 1 113・ 121- YAA (B23Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 五十嵐 康弘  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 石川 好文
長屋 陽二郎
登録日 2013-08-09 
登録番号 特許第5337323号(P5337323)
発明の名称 位置検出装置  
代理人 井上 裕史  
代理人 吉田 昌司  
代理人 高橋 智洋  
代理人 佐々木 眞人  
代理人 別城 信太郎  
代理人 佐合 俊彦  
代理人 森田 俊雄  
代理人 吉田 昌司  
代理人 村林 ▲隆▼一  
代理人 深見 久郎  
代理人 深見 久郎  
代理人 高橋 智洋  
代理人 佐々木 眞人  
代理人 森田 俊雄  
代理人 別城 信太郎  
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