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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A41B
管理番号 1297760
審判番号 不服2014-5759  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-03-28 
確定日 2015-02-19 
事件の表示 特願2009-130887「使い捨てパンツ型おむつ」拒絶査定不服審判事件〔平成22年12月9日出願公開、特開2010-273961〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成21年5月29日の出願であって、その請求項1ないし6に係る発明は、平成25年6月11日付けで補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
《本願発明》
前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とから構成され、前腹部と後背部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成された外装パンツ部材と、
外装パンツ部材の股部の肌面側に備えられ、トップシートとバックシートとこれらの間に挟まれた吸収性コアとを有する吸収性本体と、
外装パンツ部材の前腹部および/または後背部に、吸収性本体の前後端部を覆い、ホットメルト接着剤により外装パンツ部材と吸収性本体とに接合されたエンド押さえシートとを有する使い捨てパンツ型おむつであって、
前記外装パンツ部材は、外側シートと、外側シートの肌面側に積層された内側シートとを有し、
前記外装パンツ部材の前腹部および/または後背部には、内側シートと外側シートの間に胴周り用弾性部材がおむつ幅方向に設けられ、
前記エンド押さえシートは、メルトブロー不織布層の少なくとも肌面側にスパンボンド不織布層が積層された複合不織布を有し、前記スパンボンド不織布層を構成する繊維がおむつ幅方向に配向していることを特徴とする使い捨てパンツ型おむつ。

2.刊行物1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-295838号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「パンツ型の紙おむつ」の発明に関して以下の事項が図面とともに記載されている。

ア.「【請求項2】表面シートと防漏シートと間に吸収体が介在された吸収性本体と、
この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた、外装シート、この外装シートに幅方向に伸長した状態で固定された弾性伸縮部材、及び、この弾性伸縮部材の少なくとも一部を覆うように前記外装シートに積層された積層シート、が備わる外装体と、
前記吸収性本体の表面上から前記外装体の表面上に延出し、これら吸収性本体及び外装体に固定された固定シートと、を有し、
前記外装シートの前後方向両端部によってウエスト開口部が構成され、当該両端部の少なくとも一方は表面側に折り返されて折返し片が形成されている、パンツ型の紙おむつであって、
前記固定シートは、前記外装体の表面上から前記折返し片の表面上まで更に延出し、当該折返し片の表面に固定されている、
ことを特徴とするパンツ型の紙おむつ。」

イ.「【0010】……図4は、通常使い捨てされる実施形態のパンツ型の紙おむつ1の製品状態外観図であり、図5は展開状態での組み立て図である。このパンツ型の紙おむつ(以下、単に紙おむつともいう。)1は、不織布などからなる透液性の表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に一体的設けられた外装体20とから主になるものである。製造に際しては、外装体20の上面(表面)側に吸収性本体10がホットメルト等の接着剤によって接着固定されて一体化された後に、吸収性本体10及び外装体20が前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型の紙おむつ1となる。」

ウ.「【0011】……吸収性本体10は、図8及び図9に示すように、不織布などからなる透液性の表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた構造とされ、体液を吸収保持するものである。」

エ.「【0020】……外装体20は、図5及び図6に示されるように、積層シート20A及び外装シート20Bからなる2層構造の不織布等からなるシートとされ、積層シート20Aと外装シート20Bとの間に各種弾性部材が配設され、伸縮性が付与されている。」

オ.「【0021】……図示形態の外装体20においては、弾性伸縮部材として、図6に示される展開形状において……前身頃F及び後身頃Bに、上下方向(前後方向)に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材25,25…とを有する……」

カ.「【0024】後身頃Bにおいて……背側湾曲弾性部材26,26…は、一方側の脇部接合縁22からほぼ脚回りカットライン29に沿うように股下部に延び、」

キ.「【0040】本紙おむつ1は、図10に模式的に示すように、吸収性本体10の表面、図示例では表面シート11の表面上から外装体20、図示例では積層シート20Aの表面上に延出し、これら表面シート11及び積層シート20Aにホットメルト接着剤等によって固定された固定シート40を、従来の紙おむつと同様に、有する。この固定シート40によって、吸収性本体10の、特に前後方向端部が、外装体20から剥がれてしまうのが防止される。したがって、固定シート40は、吸収性本体10の前後方向端部にのみ存在し、固定されていれば足り、」

ク.「【0042】……固定シート40は、積層シート20Aの表面上から当該折返し片27と積層シート20Aの間(折返し片27の裏面側)ではなく、折返し片27の表面上まで更に延出し、この折返し片27の表面に固定されている。前述したように、外装体20の、吸収性本体10の前方(腹側)や後方(背側)に位置する部位は、紙おむつ1の装着に際して、上方に引っ張られる。そこで、ある程度の強度が必要とされるところ、固定シート40が折返し片27と重なる位置まで延出すると、強度が向上し、外装体20の裂け等が防止される。」

ケ.「【0045】……固定シート40の素材としては……スパンボンド、メルトブロー、SMSの撥水性不繊布等を例示することができる。」

コ.図4?6から外装体20において、前身頃Fと後身頃Bとの間に股下部が位置し、該股下部の肌面側に吸収性本体10が配置され、前身頃Fと後身頃Bとの両側部が接合されてウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されることが看取される。また、図10から、外装体20の積層シート20Aは、外装シート20Bの肌面側に積層されることが看取され、図6及び図10から、前身頃Fと後身頃Bには、積層シート20Aと外装シート20Bの間に、腰回り弾性伸縮部材25,25…がおむつの幅方向に設けられていることが看取される。

3.引用発明
刊行物1の上記記載事項を本願発明に照らして整理すると、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
《引用発明》
前身頃Fと後身頃Bとこれらの間に位置する股下部とから構成され、前身頃Fと後身頃Bが接合されることによりウエスト開口部と左右一対のレッグ開口部が形成された外装体20と、
外装体20の股下部の上面に備えられ、透液性の表面シート11と防漏シート12とこれらの間に挟まれた吸収体13とを有する吸収性本体10と、
外装体20の前身頃F及び後身頃Bに、吸収性本体10の前後方向端部と、折返し片27の表面とを覆い、ホットメルト接着剤により(外装体20の)積層シート20Aと(吸収性本体の)表面シート11とに接合された固定シート40と
を有するパンツ型の紙おむつであって、
前記外装体20は、外装シート20Bと外装シート20Bの肌面側に積層された積層シート20Aとを有し、
前記外装体20の前身頃F及び後身頃Bには、積層シート20Aと外装シート20Bの間に、腰回り弾性伸縮部材25,25…がおむつ幅方向に設けられ、
前記固定シート40はSMSの撥水不織布からなるパンツ型の紙おむつ。

4.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「パンツ型の紙おむつ」は、本願発明の「使い捨てパンツ型おむつ」に相当し、同様に、
「前身頃F」は、「前腹部」に、
「後身頃B」は、「後背部」に、
「股下部」は、「股部」に、
「ウエスト開口部」は、「ウェスト開口部」に、
「左右一対のレッグ開口部」は、「一対の脚開口部」に、
「外装体20」は、「外装パンツ部材」に、
「透液性の表面シート11」は、「トップシート」に、
「防漏シート12」は、「バックシート」に、
「吸収体13」は、「吸収性コア」に、
「吸収性本体10」は、「吸収性本体」に、
「外装体20の前身頃F及び後身頃Bに」は、「外装パンツ部材の前腹部および/または後背部に」に、
「吸収性本体10の前後方向端部を覆い」は、「吸収性本体の前後端部を覆い」に、
「ホットメルト接着剤により(外装体20の)積層シート20Aと(吸収性本体の)表面シート11とに接合された固定シート40」は、「ホットメルト接着剤により外装パンツ部材と吸収性本体とに接合されたエンド押さえシート」に、
外装体20の「外装シート20B」は、外装パンツ部材の「外側シート」に、
外装体20の「積層シート20A」は、外装パンツ部材の「内側シート」に、
「積層シート20Aと外装シート20Bの間に」は、「内側シートと外側シートの間に」に、
「腰回り弾性伸縮部材25,25…」は、「胴周り用弾性部材」に、
「SMSの撥水不織布」は、メルトブロー不織布(M)の両面にスパンボンド不織布(S)が配置されている構成の不織布を意味するから、「メルトブロー不織布層の少なくとも肌面側にスパンボンド不織布層が積層された複合不織布」に、
それぞれ相当する。

5.一致点及び相違点
してみれば、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は次のとおりである。
《一致点》
前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とから構成され、
前腹部と後背部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成された外装パンツ部材と、
外装パンツ部材の股部の肌面側に備えられ、トップシートとバックシートとこれらの間に挟まれた吸収性コアとを有する吸収性本体と、
外装パンツ部材の前腹部および後背部に、吸収性本体の前後端部を覆い、ホットメルト接着剤により外装パンツ部材と吸収性本体とに接合されたエンド押さえシートとを有する
使い捨てパンツ型おむつであって、
前記外装パンツ部材は、外側シートと、外側シートの肌面側に積層された内側シートとを有し、
前記外装パンツ部材の前腹部および後背部には、内側シートと外側シートの間に胴周り用弾性部材がおむつ幅方向に設けられ、
前記エンド押さえシートは、メルトブロー不織布層の少なくとも肌面側にスパンボンド不織布層が積層された複合不織布を有している
使い捨てパンツ型おむつ。

《相違点》
本願発明は、「エンド押さえシート」の「スパンボンド不織布層を構成する繊維」が「おむつ幅方向に配向している」のに対し、引用発明は、固定シート40(エンド押さえシート)を構成するSMSの撥水不織布について、スパンボンド不織布(S)の繊維の配向を特定していない点。

6.当審の判断
(1)相違点の検討
ア.本願明細書段落0036には、「外装パンツ部材に胴周り用弾性部材が設けられる場合、エンド押さえシートがおむつ幅方向の伸張と収縮に耐えられるようエンド押さえシートは、スパンボンド不織布層を構成する繊維がおむつ幅方向に配向していることが好ましい。前記説明したように、エンド押さえシートを構成する複合不織布の厚みは薄い方が好ましいが、複合不織布のスパンボンド不織布層を構成する繊維がおむつ幅方向に配向していれば、複合不織布の目付を増やさなくても、エンド押さえシートのおむつ幅方向の強度を高めることができる。その結果、外装パンツ部材に胴周り用弾性部材が設けられても、エンド押さえシートは、厚みが薄く維持され、破断しにくいものとなる。特に、おむつの着脱時、ウェスト開口部を広げるためにおむつを幅方向に引っ張っても、エンド押さえシートが破断しにくくなる。」と記載されている。この記載からみて、本願発明が「スパンボンド不織布層を構成する繊維がおむつ幅方向に配向している」と特定した技術的意義は、「エンド押さえシートがおむつ幅方向の伸張と収縮に耐えられる」ようにすることである。
ところで、不織布は構成繊維の配向している方向の引っ張り強度が大きいこと、胴回り部に伸縮部材を設けたパンツ型のおむつでは、伸縮時に加わる力に耐えるようにするため、該部位を構成する不織布ウェブの構成繊維の配向方向を、該部位の伸縮方向と一致させることが好ましいことは、例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-142342号公報の段落0060?0064に記載されており、周知の技術的事項である。また、パンツ型のおむつでは、胴回り部に設けた伸縮部材の伸縮方向は、「おむつ幅方向」であることが、当業者に明らかである。
そうすると、引用発明において、パンツ型のおむつの胴回り部に用いる不織布である固定シート(エンド押さえシート)について、その構成繊維の配向方向を胴回り部の伸縮方向であるおむつの幅方法に配向させることは、当業者が当然考慮すべき事項であり、当業者が適宜なし得る単なる設計的事項である。

イ.また、使い捨てパンツ型おむつでは、連続製造を容易にする等の理由により、おむつの幅方向を不織布のMD方向に合わせて製造することが一般的であること(例えば、前記特開2008-142342号公報の図14や特開2005-279077号公報の図1、5、10参照)、不織布は、製造時の機械方向(MD方向)に繊維が配向するものであること(例えば、特開2001-32120号公報の段落0013参照)が周知である。
そうすると、引用発明の使い捨てパンツ型おむつの製造に当たり、連続製造を容易にすること等を考慮して、おむつの幅方向を不織布のMD方向に合わせて製造する方法を採用し、その外装シート20B(外側シート)、積層シート20A(内側シート)及び固定シート40(エンド押さえシート)用の各不織布のMD方向が、おむつの幅方向となるようにすることは、当業者が適宜採用し得た単なる設計的事項であり、このような製造方法を採用すれば、通常(すなわち、機械交差方向(CD方向)に繊維が配向するような特別な不織布を用いる等の特別な構成を採用したのではない場合)、エンド押さえシート用の不織布を構成する繊維が、おむつ幅方向に配向している構成になることは、当業者に自明である。したがって、引用発明において、固定シート(エンド押さえシート)の構成繊維の配向方向を胴回り部の伸縮方向であるおむつの幅方法に配向させることは、連続製造を容易にすること等を考慮することにより、当業者が容易に推考し得たことである。

ウ.そして、本願発明が奏する作用効果も、引用発明及び周知の技術的事項から予測しうる範囲内のものであり、格別顕著なものではない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)請求人の主張について
ア.請求人は、審判請求書において、次の(ア)(イ)に示す旨の主張をしている。
(ア)刊行物1の段落0042に「外装体20の、吸収性本体10の前方(腹側)や後方(背側)に位置する部位は、紙おむつ1の装着に際して、上方に引っ張られる。そこで、ある程度の強度が必要とされるところ、固定シート40が折返し片27と重なる位置まで延出すると、強度が向上し、外装体20の裂け等が防止される。・・・したがって、折返し片27の剥がれや、これによる外装体20の裂け等が防止され、紙おむつ1の円滑な装着が妨げられるおそれがない。」と記載されていることなどからみて、引用発明では、外装体20や固定シート40はおむつの幅方向よりも上下方向の強度を確保することが、おむつの円滑な装着の点から重要であると理解できる。したがって、引用発明において固定シート40のSMSの撥水性不織布のスパンボンド不織布層を構成する繊維をいずれかの方向に配向させようとした場合、「おむつの幅方向よりは上下方向に配向させる」との発想に至るものである(審判請求書6頁15行?7頁23行)。

(イ)前記特開2008-142342号公報には、外層シートにSMS不織布を用いる例が、実施例ではなく比較例として示されているから、好ましくない構成であることを示している、よって、引用発明に外層シートとして不適当と示された「SMS不織布」をあえて採用したり、あるいはそのうちの繊維の配向方向に関する構成のみを組み入れたりするとの発想には容易に至るものではない(審判請求書9頁下から5行?10頁12行)。

イ.請求人の上記主張について検討する。
(ア)主張(ア)について
「紙おむつ1の装着に際して、上方に引っ張られる」ことに対する「外装体20の、吸収性本体10の前方(腹側)や後方(背側)に位置する部位」の「強度の向上」は、引用発明の固定シートが「折返し片27の表面を覆っている」ことで、引用発明において既に達成されている作用効果である。すると、引用発明において「固定シート40のSMSの撥水性不織布のスパンボンド不織布層を構成する繊維」を「おむつの上下方向に配向させる」構成とする必然性はないし、該繊維を「おむつの幅方向に配向させる」ことを阻害する要因があるともいえない。
そして、上記(1)で述べたとおり「胴回り部に伸縮部材を設けたパンツ型のおむつでは、伸縮時に加わる力に耐えるようにするため、該部位を構成する不織布ウェブの構成繊維の配向方向を、該部位の伸縮方向と一致させることが好ましい」こと、及び「使い捨てパンツ型おむつの製造に当たり、連続製造を容易にすること等を考慮して、おむつの幅方向を不織布のMD方向に合わせて製造する」ことは、いずれも周知の技術的事項であることを踏まえると、これら周知の技術的事項に従って「固定シート40のSMSの撥水性不織布のスパンボンド不織布層を構成する繊維」を「おむつの幅方向に配向させる」構成とすることは、上記(1)で述べたとおり当業者が容易に推考し得たことである。
よって、請求人の上記主張(ア)は、採用することができない。

(イ)主張(イ)について
エンド押さえシートにSMS不織布を用いることは引用発明の構成である。
そして、上記(1)で述べたとおり「胴回り部に伸縮部材を設けたパンツ型のおむつでは、伸縮時に加わる力に耐えるようにするため、該部位を構成する不織布ウェブの構成繊維の配向方向を、該部位の伸縮方向と一致させることが好ましい」こと、及び「使い捨てパンツ型おむつの製造に当たり、連続製造を容易にすること等を考慮して、おむつの幅方向を不織布のMD方向に合わせて製造する」ことは、いずれも周知の技術的事項であることを踏まえると、これら周知の技術的事項に従って「固定シート40のSMSの撥水性不織布のスパンボンド不織布層を構成する繊維」を「おむつの幅方向に配向させる」構成とすることは、上記(1)で述べたとおり当業者が容易に推考し得たことである。
よって、請求人の上記主張(イ)は、採用することができない。

7.むすび
以上のとおりであって、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基づいて業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。よって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
原査定は妥当であるので、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-12-16 
結審通知日 2014-12-24 
審決日 2015-01-06 
出願番号 特願2009-130887(P2009-130887)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A41B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 一ノ瀬 薫  
特許庁審判長 渡邊 豊英
特許庁審判官 栗林 敏彦
熊倉 強
発明の名称 使い捨てパンツ型おむつ  
代理人 植木 久彦  
代理人 伊藤 浩彰  
代理人 菅河 忠志  
代理人 植木 久一  

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