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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1297771
審判番号 不服2012-26122  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-28 
確定日 2015-03-04 
事件の表示 特願2007-330214「入金端末、入金端末の制御方法、及び入金端末のプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 7月 9日出願公開、特開2009-151639〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成19年12月21日の出願であって,平成24年4月23日付けで拒絶理由通知がなされ,同年6月26日に手続補正がなされたが,同年9月21日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年12月28日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ,当審において平成25年5月24日付けで審尋がなされ,同年7月17日に回答書が提出されたものである。

第2 平成24年12月28日の手続補正の却下について

[補正却下の決定の結論]

平成24年12月28日の手続補正を却下する。

[理由]

平成24月12月28日の手続補正(以下,「本件補正」という。)により,特許請求の範囲は,次のとおりに補正された(下線は、当該手続補正において、審判請求人が付与したものである。)

<本件補正後の特許請求の範囲>
「【請求項1】
実店舗に設置された入金端末であって、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能且つ当該決済端末が前記割引内容を特定可能な形式で出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする入金端末。

【請求項2】
前記記憶装置は、前記実店舗に設置されており、 前記出力手段が出力する前記形式は、前記決済端末が特定する割引内容に関連づけられた前記割引内容識別情報であることを特徴とする請求項1に記載の入金端末。

【請求項3】
前記複数の割引内容識別情報のいずれかは、前記増額要求により指定される金額に基づいて前記記憶装置から取得されるか否かが決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入金端末。

【請求項4】
前記実店舗に設置された決済端末と同一の端末であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の入金端末。

【請求項5】
前記増額要求により指定される金額は、当該入金端末に投入される現金に対応することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の入金端末。

【請求項6】
実店舗に設置された入金端末の制御方法であって、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信ステップと、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能且つ当該決済端末が前記割引内容を特定可能な形式で出力する出力ステップと、
を具備したことを特徴とする制御方法。

【請求項7】
実店舗に設置された入金端末に用いられるコンピュータに、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信機能、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能且つ当該決済端末が前記割引内容を特定可能な形式で出力する出力機能、
を実現させるためのプログラム。」

本件補正前の特許請求の範囲は,次のとおりである。

<本件補正前の特許請求の範囲>
「【請求項1】
実店舗に設置された入金端末であって、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする入金端末。

【請求項2】
前記複数の割引内容識別情報のいずれかは、前記増額要求により指定される金額に基づいて前記記憶装置から取得されるか否かが決定されることを特徴とする請求項1に記載の入金端末。

【請求項3】
前記実店舗に設置された決済端末と同一の端末であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入金端末。

【請求項4】
前記増額要求により指定される金額は、当該入金端末に投入される現金に対応することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の入金端末。

【請求項5】
実店舗に設置された入金端末の制御方法であって、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信ステップと、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力ステップと、
を具備したことを特徴とする制御方法。

【請求項6】
実店舗に設置された入金端末に用いられるコンピュータに、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信機能、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力機能、
を実現させるためのプログラム。」

本件補正は,次の補正をするものである。
(1)請求項2を新たに追加し,それに伴って,本件補正前の請求項2?6の項番を1つ繰下げて請求項3?7とし,さらに,本件補正後の請求項3?5の引用請求項に,請求項2を追加する補正。

(2)本件補正前の請求項1,5,6において,「入力可能な形式」を「入力可能且つ当該決済端末が前記割引内容を特定可能な形式」に限定する補正。

本件補正のうち,上記(1)の請求項2を新たに追加する補正は,特許法第17条の2第5項に規定される,請求項の削除,特許請求の範囲の減縮,誤記の訂正,明りょうでない記載の釈明のいずれも目的とするものではない。したがって,本件補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明

平成24年12月28日の手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成24年6月26日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

<本願発明>

「実店舗に設置された入金端末であって、
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて、前記貨幣端末に対して、当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と、
前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする入金端末。」

第4 引用文献

(1)特開2007-233740号公報

原査定の拒絶の理由において引用された特開2007-233740号公報(平成19年9月13日出願公開。以下,「引用文献」という。)には,次の事項が記載されている。

ア.「【0001】
本発明は、電子マネー管理サーバ、および、電子マネーシステムに関する。」

イ.「【0021】
さらに、電子マネーシステム10は、運用機関が管理する電子マネー管理サーバ200を介してユーザの携帯電話100にバリューがチャージされることに伴ない、運用機関と提携した店舗からのお知らせ,クーポン等に関連するコンテンツを特定するための情報を配信するコンテンツ配信サービスを提供するシステムである。」

ウ.「【0037】
電子マネー管理サーバ200、リモート発行サーバ400、および、金融機関サーバ500は、携帯電話インターネット網910を介して、携帯電話100と通信することが可能である。」

エ.「【0046】
店舗30bに設置されるPOS端末装置600bは、特定取引として、携帯電話に記憶されたバリューを使用して代金の決済を行なう。」

オ.「【0064】
図3は、本発明に係る電子マネー管理サーバ200の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、電子マネー管理サーバ200は、データ処理部210と、記憶部220と、データ入力部230と、表示部240と、通信部260とを含む。
・・・(中略)・・・
【0066】
本実施の形態においては、初期登録時AP211、バリュー購入時AP212、バリュー発行時AP213、および残高管理AP214が記憶部220に記憶される。また、前述した利用者情報DB221、発行情報DB222、店舗特定情報DB271、および、コンテンツ特定情報DB272も、記憶部220に記憶される。」

カ.「【0100】
図7は、本実施の形態における電子マネー管理サーバ200がコンテンツ配信サービスを提供する際に用いるコンテンツ特定情報DB272を説明するための図である。
【0101】
本実施の形態におけるコンテンツ特定情報DBは、コンテンツ配信サービスに加盟した店舗各々に関連する情報を特定可能に構成されている。店舗に関連する情報としては、電子マネー管理サーバ200がユーザの携帯電話100に配信するための配信用情報と、電子マネー管理サーバ200において管理するためのサーバ管理用情報とが含まれる。配信用情報には、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータが含まれる。・・・(中略)・・・
【0107】
コンテンツデータとは、コンテンツ自体の内容を示すデータである。コンテンツデータは、店舗IDおよび期限IDから一のコンテンツデータが特定される。・・・(中略)・・・本実施の形態におけるコンテンツとしては、前述したように店舗からのお知らせに関連するコンテンツと、店舗において使用できるクーポン券に関連するコンテンツとを含む。」

キ.「【0320】
図16は、本実施の形態における携帯電話100により実行される電子マネーアプリ111のサブルーチンであるバリュー発行時処理の流れを示すフローチャートである。図16を参照して、まず、ステップS152で、データ処理部110は、バリューのチャージを要求するための情報であって会員IDおよび携帯端末情報を含むバリュー発行要求情報を、電子マネー管理サーバ200に送信する。
【0321】
図17は、本実施の形態における電子マネー管理サーバ200により実行されるバリュー発行時アプリケーションプログラム213の処理の流れを示すフローチャートである。
【0322】
図17を参照して、まず、ステップS271で、データ処理部210は、携帯電話100からバリュー発行要求情報を受信したことによって、バリュー発行要求があったか否かを判断する。
・・・(中略)・・・
【0325】
・・・(中略)・・・ステップS273bで、データ処理部210は、当該「1」を示す対象コンテンツの状態情報と対応付けて利用者情報DB221に記憶されている店舗IDおよび期限IDに対応付けてコンテンツ特定情報DB272に記憶されているコンテンツデータを抽出する。そして、ステップS273cで、データ処理部210は、抽出したコンテンツを特定するための店舗ID、期限IDおよびコンテンツデータを携帯電話100に送信する。
・・・(中略)・・・
【0329】
そして、書込済に設定されていないバリュー購入記録が記憶されている場合(ステップS276aでYESの場合)、当該バリュー購入記録をバリュー書込済に設定する。一方、書込済に設定されていないバリュー購入記録がない場合(ステップS276aでNOの場合)、データ処理部210は、ステップS277で、携帯電話100にリモート発行サーバ400からステップS276で書込済に設定したバリュー購入記録から特定される額のバリューを書込ませるためのバリュー発行情報を携帯電話100に送信する。」

ク.「【0333】
図16に戻って、ステップS153で、データ処理部110は、電子マネー管理サーバ200からバリュー発行情報を受信したか否かを判断する。バリュー発行情報を受信していないと判断した場合(ステップS153でNOの場合)、ステップS153aで、データ処理部110は、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信したか否かを判断する。・・・(中略)・・・
【0334】
一方、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信したと判断した場合(ステップS153aでYESの場合)、ステップS153bで、データ処理部110は、受信した店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを携帯電話100の記憶部120に記憶し、実行する処理をステップS153に進める。
【0335】
ステップS153に戻り、バリュー発行情報を受信したと判断した場合(ステップS153でYESの場合)、ステップS154で、データ処理部110は、非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域にバリュー発行情報から特定されるバリューを記憶させる書込処理を開始させるための情報であって、バリュー発行情報から特定されるバリューの額を示すバリュー発行額情報および携帯端末情報を含む書込処理開始要求情報をリモート発行サーバ400へ送信する。」

ケ.「【0336】
図1に戻って、リモート発行サーバ400は、バリュー書込実行情報を、書込処理開始要求情報に含まれる携帯端末情報で示される携帯電話100に送信する。バリュー書込実行情報は、携帯電話100の非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域に、書込み処理開始要求情報に含まれるバリュー発行額情報で示される額のバリューを記憶させるための情報である。
【0337】
図16に進んで、データ処理部110は、ステップS155で、リモート発行サーバ400からバリュー書込実行情報を受信したか否かを判断する。バリュー書込実行情報を受信したと判断した場合(ステップS155でYESの場合)、ステップS156で、データ処理部110は、リモート発行サーバ400から受信したバリュー書込実行情報で示される書込処理を実行する。書込処理は、バリュー書込実行情報で示されるバリューを非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域に書込む処理である。書込処理が開始される際に、非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域にバリューが記憶されている場合には、記憶されているバリューに新たに書込むバリューを加算するための処理が行なわれる。すなわち、書込処理が行なわれると、書込み前に記憶されていたバリューの額と新たに書込むバリューの額との合計額のバリューが記憶部192に書込まれる。」

コ.「【0393】
図34は、本実施の形態における券売機、カードユニット、およびPOS端末装置等の特定取引装置で実行される決済時処理のサブルーチンである特典付与処理の流れを示すフローチャートである。なお、図34では、券売機で実行される特典付与処理として説明するが、カードユニットやPOS端末装置等の他の特定取引装置においても同様の特典付与処理が実行される。
【0394】
図34を参照して、ステップS715で、データ処理部310は、携帯電話100に対してコンテンツを特定するための店舗IDおよび期限IDを要求する要求情報を携帯電話100に送信させるように、チップリーダライタ390を制御する。
【0395】
携帯電話100の制御部191は、図34のステップS715からの要求情報に対して、記憶部192に構築されたサービス享受用の記憶領域に記憶される店舗IDおよび期限IDを読出して、非接触通信部193を介し要求元の特定取引装置に送信する処理を行なう。
【0396】
図34に戻り、ステップS716においては、ステップS715における要求に起因して受信した店舗IDおよび期限IDから、有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツが携帯電話100の記憶部192に構築されたサービス享受用の記憶領域に記憶されているか否かを判断する。
【0397】
有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツが記憶されていると判断された場合(ステップS716でYESの場合)、データ処理部310は、ステップS717において、当該コンテンツに対応する特典を付与するための特典対応処理を行なう。特典対応処理としては、具体的に、特定取引に用いるバリューの値引き・割引を行なうコンテンツである場合には、値引き・割引を行なう旨を特定するための状態(たとえば、値引き・割引する値を特定可能な情報を記憶させた状態)に更新する処理が行なわれる。
【0398】
なお、POS端末装置600bの特定取引装置における特典付与処理のステップS716では、有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツであって、当該POS端末装置600bのバーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品等に対応するクーポン券等のコンテンツ(たとえば、コンビニエンスストア等において、バーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品がお茶である場合、当該お茶に対応する50円引きのクーポン券等のコンテンツ)が記憶されているか否かを判断するようにしてもよい。」

前記ア.?コ.によれば,引用文献には,次の事項が記載されているといえる。

・前記ア.の「 本発明は、電子マネー管理サーバ、および、電子マネーシステムに関する。」の記載,
前記イ.の「電子マネーシステム10は、運用機関が管理する電子マネー管理サーバ200を介してユーザの携帯電話100にバリューがチャージされることに伴ない、運用機関と提携した店舗からのお知らせ,クーポン等に関連するコンテンツを特定するための情報を配信するコンテンツ配信サービスを提供するシステムである。」の記載によれば,
引用文献には,「電子マネー管理サーバ200を介してユーザの携帯電話100にバリューがチャージされることに伴ない、クーポン等に関連するコンテンツを特定するための情報を配信する電子マネーシステム10」が記載されているといえる。

・前記オ.の「電子マネー管理サーバ200は、データ処理部210と、記憶部220と、データ入力部230と、表示部240と、通信部260とを含む。」及び「コンテンツ特定情報DB272も、記憶部220に記憶される。」の記載,
前記カ.の「コンテンツ特定情報DBは、コンテンツ配信サービスに加盟した店舗各々に関連する情報を特定可能に構成されている。店舗に関連する情報としては、電子マネー管理サーバ200がユーザの携帯電話100に配信するための配信用情報と、電子マネー管理サーバ200において管理するためのサーバ管理用情報とが含まれる。配信用情報には、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータが含まれる。」の記載,
前記カ.の「コンテンツデータとは、コンテンツ自体の内容を示すデータである。コンテンツデータは、店舗IDおよび期限IDから一のコンテンツデータが特定される。・・・(中略)・・・本実施の形態におけるコンテンツとしては、前述したように店舗からのお知らせに関連するコンテンツと、店舗において使用できるクーポン券に関連するコンテンツとを含む。」の記載によれば,
引用文献には,「電子マネー管理サーバ200は,コンテンツ特定情報DB272を記憶する記憶部220を有し,当該コンテンツ特定情報DB272は,クーポン券の内容を示すコンテンツデータと,一のコンテンツデータを特定する店舗IDおよび期限IDを記憶し」が記載されているといえる。

・前記ウ.の「 電子マネー管理サーバ200、リモート発行サーバ400、および、金融機関サーバ500は、携帯電話インターネット網910を介して、携帯電話100と通信することが可能である。」の記載によれば,
引用文献には,「電子マネー管理サーバ200、リモート発行サーバ400は,携帯電話インターネット網910を介して、携帯電話100と通信」することが記載されているといえる。

・前記キ.の「【0320】
図16は、本実施の形態における携帯電話100により実行される電子マネーアプリ111のサブルーチンであるバリュー発行時処理の流れを示すフローチャートである。図16を参照して、まず、ステップS152で、データ処理部110は、バリューのチャージを要求するための情報であって会員IDおよび携帯端末情報を含むバリュー発行要求情報を、電子マネー管理サーバ200に送信する。」の記載によれば,
引用発明には,「携帯電話100は,バリューのチャージを要求するためのバリュー発行要求情報を電子マネー管理サーバ200に送信し」が記載されているといえる。

・前記オ.の「電子マネー管理サーバ200は、データ処理部210と、記憶部220と、データ入力部230と、表示部240と、通信部260とを含む。」の記載,
前記オ.の「コンテンツ特定情報DB272も、記憶部220に記憶される。」の記載,
前記キ.の「【0321】
図17は、本実施の形態における電子マネー管理サーバ200により実行されるバリュー発行時アプリケーションプログラム213の処理の流れを示すフローチャートである。
【0322】
図17を参照して、まず、ステップS271で、データ処理部210は、携帯電話100からバリュー発行要求情報を受信したことによって、バリュー発行要求があったか否かを判断する。
・・・(中略)・・・
【0325】
・・・(中略)・・・ステップS273bで、データ処理部210は、当該「1」を示す対象コンテンツの状態情報と対応付けて利用者情報DB221に記憶されている店舗IDおよび期限IDに対応付けてコンテンツ特定情報DB272に記憶されているコンテンツデータを抽出する。そして、ステップS273cで、データ処理部210は、抽出したコンテンツを特定するための店舗ID、期限IDおよびコンテンツデータを携帯電話100に送信する。
・・・(中略)・・・
【0329】
・・・(中略)・・・データ処理部210は、ステップS277で、携帯電話100にリモート発行サーバ400からステップS276で書込済に設定したバリュー購入記録から特定される額のバリューを書込ませるためのバリュー発行情報を携帯電話100に送信する。」の記載によれば,
引用文献には,「電子マネー管理サーバ200は,バリュー発行要求情報を受信すると,コンテンツ特定情報DB272から店舗ID、期限IDおよびコンテンツデータを抽出して携帯電話100に送信するとともに,バリューを書込ませるためのバリュー発行情報を携帯電話100に送信し」が記載されているといえる。

・前記キ.の「 図16は、本実施の形態における携帯電話100により実行される電子マネーアプリ111のサブルーチンであるバリュー発行時処理の流れを示すフローチャートである。」の記載,
前記ク.の「【0333】
図16に戻って、ステップS153で、データ処理部110は、電子マネー管理サーバ200からバリュー発行情報を受信したか否かを判断する。バリュー発行情報を受信していないと判断した場合(ステップS153でNOの場合)、ステップS153aで、データ処理部110は、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信したか否かを判断する。・・・(中略)・・・
【0334】
一方、店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信したと判断した場合(ステップS153aでYESの場合)、ステップS153bで、データ処理部110は、受信した店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを携帯電話100の記憶部120に記憶し、実行する処理をステップS153に進める。
【0335】
ステップS153に戻り、バリュー発行情報を受信したと判断した場合(ステップS153でYESの場合)、ステップS154で、データ処理部110は、非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域にバリュー発行情報から特定されるバリューを記憶させる書込処理を開始させるための情報であって、バリュー発行情報から特定されるバリューの額を示すバリュー発行額情報および携帯端末情報を含む書込処理開始要求情報をリモート発行サーバ400へ送信する。」の記載によれば,
引用文献には,「携帯電話100は,店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信すると,店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを携帯電話100の記憶部120に記憶し,バリュー発行情報を受信すると,バリュー発行情報から特定されるバリューの額を示すバリュー発行額情報および書込処理開始要求情報をリモート発行サーバ400へ送信し」が記載されているといえる。

・前記ケ.の「【0336】
図1に戻って、リモート発行サーバ400は、バリュー書込実行情報を、書込処理開始要求情報に含まれる携帯端末情報で示される携帯電話100に送信する。バリュー書込実行情報は、携帯電話100の非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域に、書込み処理開始要求情報に含まれるバリュー発行額情報で示される額のバリューを記憶させるための情報である。」の記載によれば,
引用文献には,「リモート発行サーバ400は,書込み処理開始要求情報を受信すると,バリュー発行額情報で示される額のバリューを記憶させるためのバリュー書込実行情報を,携帯電話100に送信し」が記載されているといえる。

・前記ケ.の「【0337】
図16に進んで、データ処理部110は、ステップS155で、リモート発行サーバ400からバリュー書込実行情報を受信したか否かを判断する。バリュー書込実行情報を受信したと判断した場合(ステップS155でYESの場合)、ステップS156で、データ処理部110は、リモート発行サーバ400から受信したバリュー書込実行情報で示される書込処理を実行する。書込処理は、バリュー書込実行情報で示されるバリューを非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域に書込む処理である。書込処理が開始される際に、非接触型ICチップ190の記憶部192のサービス享受用の記憶領域にバリューが記憶されている場合には、記憶されているバリューに新たに書込むバリューを加算するための処理が行なわれる。すなわち、書込処理が行なわれると、書込み前に記憶されていたバリューの額と新たに書込むバリューの額との合計額のバリューが記憶部192に書込まれる。」の記載によれば,
引用文献には,「携帯電話100は,バリュー書込実行情報を受信すると,書込み前に記憶されていたバリューの額と新たに書込むバリューの額との合計額のバリューを記憶部192に書込み」が記載されているといえる。

・前記エ.の「店舗30bに設置されるPOS端末装置600bは、特定取引として、携帯電話に記憶されたバリューを使用して代金の決済を行なう。」の記載,
前記コ.の「【0393】
図34は、本実施の形態における券売機、カードユニット、およびPOS端末装置等の特定取引装置で実行される決済時処理のサブルーチンである特典付与処理の流れを示すフローチャートである。なお、図34では、券売機で実行される特典付与処理として説明するが、カードユニットやPOS端末装置等の他の特定取引装置においても同様の特典付与処理が実行される。
【0394】
図34を参照して、ステップS715で、データ処理部310は、携帯電話100に対してコンテンツを特定するための店舗IDおよび期限IDを要求する要求情報を携帯電話100に送信させるように、チップリーダライタ390を制御する。
【0395】
携帯電話100の制御部191は、図34のステップS715からの要求情報に対して、記憶部192に構築されたサービス享受用の記憶領域に記憶される店舗IDおよび期限IDを読出して、非接触通信部193を介し要求元の特定取引装置に送信する処理を行なう。
【0396】
図34に戻り、ステップS716においては、ステップS715における要求に起因して受信した店舗IDおよび期限IDから、有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツが携帯電話100の記憶部192に構築されたサービス享受用の記憶領域に記憶されているか否かを判断する。
【0397】
有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツが記憶されていると判断された場合(ステップS716でYESの場合)、データ処理部310は、ステップS717において、当該コンテンツに対応する特典を付与するための特典対応処理を行なう。特典対応処理としては、具体的に、特定取引に用いるバリューの値引き・割引を行なうコンテンツである場合には、値引き・割引を行なう旨を特定するための状態(たとえば、値引き・割引する値を特定可能な情報を記憶させた状態)に更新する処理が行なわれる。
【0398】
なお、POS端末装置600bの特定取引装置における特典付与処理のステップS716では、有効な自店舗のクーポン券等のコンテンツであって、当該POS端末装置600bのバーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品等に対応するクーポン券等のコンテンツ(たとえば、コンビニエンスストア等において、バーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品がお茶である場合、当該お茶に対応する50円引きのクーポン券等のコンテンツ)が記憶されているか否かを判断するようにしてもよい。」の記載によれば,
引用文献には,「POS端末装置は,決済処理時に,携帯電話100に記憶される店舗IDおよび期限IDを読出し,当該POS端末装置600bのバーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品に対して値引き・割引を行なうクーポン券が記憶されていれば,取引に用いるバリューの値引き・割引を行なう」が記載されているといえる。

したがって,引用文献には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているといえる。

<引用発明>

「電子マネー管理サーバ200を介してユーザの携帯電話100にバリューがチャージされることに伴ない,クーポン等に関連するコンテンツを特定するための情報を配信する電子マネーシステム10であって,
電子マネー管理サーバ200,リモート発行サーバ400は,携帯電話インターネット網910を介して、携帯電話100と通信し,
電子マネー管理サーバ200は,コンテンツ特定情報DB272を記憶する記憶部220を有し,当該コンテンツ特定情報DB272は,クーポン券の内容を示すコンテンツデータと,一のコンテンツデータを特定する店舗IDおよび期限IDを記憶し,
携帯電話100は,バリューのチャージを要求するためのバリュー発行要求情報を電子マネー管理サーバ200に送信し,
電子マネー管理サーバ200は,バリュー発行要求情報を受信すると,コンテンツ特定情報DB272から店舗ID、期限IDおよびコンテンツデータを抽出して携帯電話100に送信するとともに,バリューを書込ませるためのバリュー発行情報を携帯電話100に送信し,
携帯電話100は,店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを受信すると,店舗ID、期限ID、およびコンテンツデータを携帯電話100の記憶部120に記憶し,バリュー発行情報を受信すると,バリュー発行情報から特定されるバリューの額を示すバリュー発行額情報および書込処理開始要求情報をリモート発行サーバ400へ送信し,
リモート発行サーバ400は,書込み処理開始要求情報を受信すると,バリュー発行額情報で示される額のバリューを記憶させるためのバリュー書込実行情報を,携帯電話100に送信し,
携帯電話100は,バリュー書込実行情報を受信すると,書込み前に記憶されていたバリューの額と新たに書込むバリューの額との合計額のバリューを記憶部192に書込み,
店舗30bに設置されるPOS端末装置600bは,決済処理時に,携帯電話100に記憶される店舗IDおよび期限IDを読出し,当該POS端末装置600bのバーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品に対して値引き・割引を行なうクーポン券が記憶されていれば,取引に用いるバリューの値引き・割引を行なう,電子マネーシステム10。」

第5 対比

次に,本願発明と引用発明とを対比する。

・引用発明の「電子マネー管理サーバ」及び「リモート発行サーバ」は,全体として,携帯電話にバリューをチャージするためのシステムであるから,貨幣価値の入金システムといえる。
したがって,引用発明の「電子マネー管理サーバ」及び「リモート発行サーバ」と,本願発明の「入金端末」は,「入金システム」の点で共通する。

・引用発明の「携帯電話」は,本願発明の「貨幣端末」に相当する。

・引用発明の「バリュー」は,本願発明の「貨幣価値」に相当する。

・引用発明の「バリューのチャージを要求するためのバリュー発行要求情報」は,本願発明の「貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求」に相当する。

・引用発明の「バリュー発行額情報で示される額のバリューを記憶させるためのバリュー書込実行情報」は,本願発明の「当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報」に相当する。

・引用発明の「電子マネー管理サーバ」及び「リモート発行サーバ」は,携帯電話からのバリュー発行要求に応じて,バリュー書込実行情報を送信する手段を有するといえる。この手段は,本願発明の「貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて,前記貨幣端末に対して,当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段」に相当する。

・引用発明の「クーポン券の内容を示すコンテンツデータ」は,本願発明の「割引内容」に相当する。
引用発明の「店舗IDおよび期限ID」は,一のコンテンツデータを特定する識別情報であり,本願発明の「割引内容識別情報」に相当する。

・引用発明における電子マネー管理サーバ200の「記憶部220」は,クーポン券の内容を示すコンテンツデータと,一のコンテンツデータを特定する店舗IDおよび期限IDを記憶するから,本願発明の「複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置」に相当する。

・引用発明の「店舗30bに設置されるPOS端末装置600b」は,「決済処理時に,携帯電話100に記憶される店舗IDおよび期限IDを読出し,当該POS端末装置600bのバーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品に対して値引き・割引を行なうクーポン券が記憶されていれば,取引に用いるバリューの値引き・割引を行なう」から,入力される割引内容識別情報に基づいて割引内容の適用可否を判断する実店舗に設置された決済端末といえる。
ただし,割引内容が,どのように取得されたかは不明であり,この店舗30bは,入金端末を設置した実店舗ではない。
したがって,引用発明の「POS端末装置600b」と,本願発明の「入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末」は,「入力される割引内容識別情報に基づいて割引内容の適用可否を判断する実店舗に設置された決済端末」の点で共通する。
また,引用発明の「店舗ID,期限ID」は,POS端末装置により読み出され,商品の値引き等に利用されるから,その形式は,本願発明の「決済端末に入力可能な形式」に相当する。

・引用発明の電子マネー管理サーバ200が,「バリュー発行要求情報を受信すると,コンテンツ特定情報DB272から店舗ID、期限IDおよびコンテンツデータを抽出して携帯電話100に送信する」ための手段と,本願発明の「前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて前記記憶装置から取得される割引内容の適用可否を判断する前記実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力手段」は,
「前記増額要求に応じて、複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを、入力される割引内容識別情報に基づいて割引内容の適用可否を判断する実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力手段」の点で共通する。

したがって,本願発明と引用発明は,次の点で一致する。

<一致点>
「入金システムであって.
貨幣端末に記憶される貨幣価値の増額要求に応じて,前記貨幣端末に対して,当該貨幣端末が記憶する貨幣価値の金額を所定金額分だけ増額させる金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段と,
前記増額要求に応じて,複数の割引内容識別情報にそれぞれ関連づけて複数の割引内容を記憶する記憶装置から取得される前記複数の割引内容識別情報のいずれかを,入力される割引内容識別情報に基づいて割引内容の適用可否を判断する実店舗に設置された決済端末に入力可能な形式で出力する出力手段と,
を具備した入金システム。」

そして,本願発明と引用発明は,次の点で相違する。

<相違点1>
入金システムが,本願発明では「実店舗に設置された入金端末」であるのに対し,引用発明では電子マネー管理サーバ及びリモート発行サーバである点。

<相違点2>
本願発明の決済端末は,入金端末と同じ実店舗に設置されるのに対し,引用発明のPOS端末装置は,実店舗に設置されるものの,入金端末と同じ実店舗ではない点。

<相違点3>
決済端末が割引内容の適用可否を判断する際に,本願発明は,その割引内容を記憶装置から取得するのに対し,引用発明は,どこから割引内容を取得するのか不明である点。

第6 判断

<相違点1><相違点2>について
引用発明は,バリューが携帯電話にチャージされることに伴って,クーポン等に関連するコンテンツを特定するための情報を携帯電話に配信するシステムである。このチャージは,携帯電話が,携帯電話インターネット網910を介して電子マネー管理サーバやリモート発行サーバと通信することで行われ,これにより,引用発明は,従来の入金端末を使用しなくてもチャージすることを可能としている。
一方,電子マネーの決済端末と入金端末とを同じ実店舗に設置し,その入金端末を使用してチャージすることも,引用文献の「【0509】・・・(中略)・・・ユーザは、チャージされた電子マネーを用いて遊技用記録媒体を購入したり、遊技用記録媒体に追加入金したりする。しかし、このような技術によれば、電子マネーのチャージは、遊技場内の所定の入金機に接続して行なう必要がある。」の記載,特開2004-5034号公報の「【0004】このような非接触ICカードを用いた電子決済を行う店舗等には、図9(a)及び図9(b)に示すように、非接触ICカードに対しデータの読取/書込を行う専用の非接触カードリーダ/ライタ100を商品販売データ処理装置101に接続して設置する必要があり、さらに、非接触ICカードに電子マネーを入金するカード入金装置102を設置する必要がある。」の記載から明らかなように,周知である。
このような入金端末を使用してチャージする場合であっても,携帯電話等にバリュー書込実行情報(金額変更情報)を送信することに変わりはないから,その際,引用発明のように店舗ID・期限ID(割引内容識別情報)をも送信すれば,チャージに伴ってクーポンを配信し得ることは普通に想到されることである。
してみると,引用発明において,POS端末装置と同じ店舗に入金端末を設置して,その入金端末が,バリュー発行要求(貨幣価値の増額要求)に応じてバリュー書込実行情報(金額変更情報)を携帯電話に送信すると共に,店舗IDと期限IDとからなる割引内容識別情報も出力するようにして,その電子マネーシステムの構成から入金端末のみを取り出し,引用発明を「実店舗に設置された入金端末」とすることは,容易に想到し得ることである。

<相違点3>について
引用発明のPOS端末装置は,携帯電話から読み出した店舗IDおよび期限IDと,バーコード・磁気カードリーダにより読み取られた商品の情報とを用いて,値引き・割引を行なうが,そのためには,携帯電話から読み出した店舗IDおよび期限IDに基づいて,クーポンの割引内容を特定する必要があることは明らかである。
そして,これらの情報は,記憶部220のコンテンツ特定情報DBに記憶されているから,この記憶部から,店舗IDおよび期限IDに基づいて割引内容を取得することは適宜なし得ることである。
してみると,引用発明において,POS端末装置すなわち決済端末が,割引内容を記憶装置から取得することは容易に想到し得ることである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-12-18 
結審通知日 2013-12-27 
審決日 2014-01-20 
出願番号 特願2007-330214(P2007-330214)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
P 1 8・ 57- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小原 正信  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 西山 昇
須田 勝巳
発明の名称 入金端末、入金端末の制御方法、及び入金端末のプログラム  
代理人 仲野 均  
代理人 川井 隆  
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