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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65B
管理番号 1297891
審判番号 不服2013-7088  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-17 
確定日 2015-02-26 
事件の表示 特願2009-510395「形成・充填・密封機械及び袋を製作し袋に充填し袋を閉じる方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年11月22日国際公開、WO2007/131870、平成21年10月22日国内公表、特表2009-536904〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年4月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年5月12日(DE)ドイツ)を国際出願日とする出願であって、平成24年12月6日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成25年4月17日に拒絶査定不服審判が請求され、当審において平成26年2月10日付けで拒絶理由が通知され、同年8月11日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年9月12日に面接が行われたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし10に係る発明は、平成26年8月11日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「半完成品(5)から袋(1)を製作し、袋に充填し、そして袋を閉じる形成・充填・密封機械であって、
-複数の処理ステーション(4、7、9、12)を有し、
-少なくとも1つの第1の群(3)は少なくとも2つの処理ステーション(4、7)を有し、前記少なくとも1つの第1の群(3)に属する前記少なくとも2つの処理ステーション(4、7)が、前記袋(1)の搬送方向(z)において水平面(x、y)内で直線的に連続して配置され、
-搬送手段が前記袋(1)又は半完成品(5)を前記処理ステーション(4、7)相互間で搬送し、前記搬送手段が、把持手段(10、11、21、22)を有する、形成・充填・密封機械において、
-少なくとも1つの第2の群(20)が、少なくとも1つの処理ステーションを有し、前記少なくとも1つの第2の群(20)が、前記袋(1)の処理方向(z)において水平面(x、z)内で前記第1の群(3)の真後以外のところ配置されており、
前記処理ステーション(4、7)が、前記半完成品(5)を横方向溶接及び横方向分離を行う横方向溶接及び分離ステーション(7)を含み、
前記把持手段(10、11、21、22)が、前記袋(1)又は半完成品(5)を前記搬送方向(z)と直角をなす方向(x)に搬送し、
底部シームを溶接する前記横方向溶接及び分離ステーション(7)は、前記第1の群(3)の一部であり、少なくとも1つの充填ステーション(9)は、前記第2の群(20)の一部であり、さらに
前記把持手段(10、11、21、22)は、前記開口部の付近に位置する上端部が前記袋(1)の前記搬送方向(z)と直角をなした状態で、前記袋(1)又は前記半完成品(5)の上端部を把持してこれらを一つの群(3、20)に属する前記処理ステーション(4、7、9、12)相互間で搬送することができ、
前記少なくとも1つの第2の群(20)に属する前記処理ステーション(9、12)は、これらの部分において、前記水平面(x、z)内で全体として直線的に連続して配置されており、
前記処理ステーション(4、7)から成る前記少なくとも1つの第1の群(3)により定められる直線は、前記処理ステーション(9、12)から成る前記少なくとも1つの第2の群(20)により形成される直線と平行に延びている
形成・充填・密封機械。」

なお、当然ではあるが、本願発明は、少なくとも、発明の詳細な説明に記載された実施例の構成を含むものと認め、以下検討する。

第3 引用文献
1.当審の拒絶の理由に引用された特開2001-18901号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審にて付与した。また「・・・」は記載の省略を示す。以下同じ。)

「【0011】
【発明の実施の形態】図面に示した、熱可塑性樹脂の袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置は、比較的短い全体長さを有する機械を構成する。すべての処理ステーションは単一の機械フレーム内に配列される。
【0012】機械フレーム10は、在来の横材(図示せず)と互いに連結された2つの側部材12、14を有する。機械フレームは、図1及び2に示すように、プレート、ドア及び窓で覆われている。機械フレームの一端には、供給ロールに巻かれている熱可塑性樹脂のインフレートフィルムウエブ用の巻出しユニット16が側部材12及び14に設けられている。巻出しユニットが側面にくぼみを有し、インフレートフィルムロール18はこのくぼみに取り付けられるのが好ましい。インフレートフィルムウエブ20はインフレートフィルムロール18から引き出され、一対の前方引きローラ22によって偏向ローラ即ちガイドローラ上に所定のサイクル速度で前方に引かれる。供給ローラ18から引き出されたインフレートフイルムウエブは、偏向ローラ即ちガイドローラ24と26との間で振り子ローラ28によって引かれ、ウエブループを形成し、このウエブループがウエブ貯めになる。」

「【0013】一対の前方引きローラ22は、ガイドローラから流れてくるインフレートフィルムウエブ20を上下方向に引き、インフレートフィルムウエブ20を横方向溶着・横方向切断機構34の間に押す。この横方向溶着・横方向切断機構は相互作用する2つの溶着ジョーと、切断刃とを在来の仕方で有する(図3参照)。」

「【0014】充填すべき袋及び充填済み袋用の搬送装置を、図6を参照して説明する。 ・・・ 横方向溶着・横方向切断機構34より下で袋セグメント58を包囲している一対の把持プライヤー44は袋セグメントを弧52に沿って引渡しステーション54まで1サイクル分の長さだけ移動させ、引渡しステーションでは、把持プライヤー44は袋セグメントを定置の一対の把持プライヤー57に引渡す。袋セグメントを、開口リムを上から把持する一対の把持プライヤー56でつかんだ後、一対の把持プライヤー56は袋セグメント58を充填ステーション60まで前進させる。 ・・・ スラストロッド66はカムプレート-レバー-カムローラ駆動系によって、一対の把持プライヤー56が袋セグメントを一対の把持プライヤー76まで前進させ且つ搬送するような仕方で駆動される。
【0015】把持プライヤー対76は、袋セグメントの開口領域の側面を充填用漏斗79より下でつかむ。別の把持プライヤーの対80が支持体40に設けられ、充填後に再びきつく引張られた充填済み袋の開口リムを溶着ステーション82に進める。溶着ステーション82では、一対の溶着ジョー(図6に図示せず)が袋のきつく張られた開口リムを横方向溶着部で溶着する。」

「【0017】図5は充填ステーション60を示す。 ・・・ 充填用漏斗78とコンベヤベルト94との間には、充填されるのを待っている袋58がある。ここに図示した時点では、袋は一対の把持プライヤー80で保持されると同時に、充填ステーションに定置に取り付けられた一対の把持プライヤー76で保持されている。」

図3、図5、図6より、一対の把持プライヤー44、定置の一対の把持プライヤー57、一対の把持プライヤー56、一対の把持プライヤー76、別の把持プライヤーの対80は、袋セグメント58の上端部が搬送方向と直角をなした状態で、袋セグメント58の上端部を把持していることが見てとれる。
図2、図3、図6より、引渡しステーション54、充填ステーション60、溶着ステーション82は、水平面内で全体として直線的に連続して配置されているといえる。
よって、上記記載より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「インフレートフィルムウエブ20から袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置であって、
供給ローラ18、ガイドローラ24と26、振り子ローラ28、前方引きローラ22を備え、
横方向溶着・横方向切断機構34を備え、
袋セグメントを搬送する、一対の把持プライヤー44、定置の一対の把持プライヤー57、一対の把持プライヤー56、一対の把持プライヤー76、別の把持プライヤーの対80を有する、袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置において、
充填ステーション60を備え、
前記一対の把持プライヤー44、定置の一対の把持プライヤー57、一対の把持プライヤー56、一対の把持プライヤー76、別の把持プライヤーの対80は、袋セグメント58の上端部が搬送方向と直角をなした状態で、袋セグメント58の上端部を把持してこれを横方向溶着・横方向切断機構34から、引渡しステーション54、充填ステーション60を経て、溶着ステーション82へと搬送するものであり、
引渡しステーション54、充填ステーション60、溶着ステーション82は、水平面内で全体として直線的に連続して配置されている
袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置。」

2.当審の拒絶の理由に引用された特開昭63-294322号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「第1図は、袋を作り、袋を材料で充填し、充填した袋を運び出す設備を示す。設備は装置1を含み、装置1において、袋はロールを形成するように巻かれたガセット付の連続管状フィルムから作られ、作られた袋はいわゆる冷却タレットにおいて回転運動が行われ、次に移送グリッパ-(図示せず)によって袋を充填し閉じる装置2に運ばれる。袋を充填し(袋を材料で充填し)閉じる装置2が本発明の課題である。装置2において、袋が充填され、充填された袋はコンベヤに載せられ、コンベヤにはバッキングフライト(支持直立部材)が設けられており、さらに袋をその開口形成縁で閉じるシール溶接部が設けられている。このコンベヤベルトから袋が引渡しコンベヤベルト3に載せられる。」(4ページ右下欄6行?末行)

「袋を充填し閉じる装置の詳細を、第2図および第3図を参照して、以下に説明する。
装置1に示すガセット付袋は、第1図には図示していないが第2図においてグリッピングジョーだけで示してある移送コンベヤ4によって充填パイプ12の下方の移送位置に矢印Aによって示す方向に移動される。その位置において、袋は枢動アーム5、5’に取付けられたグリッパ-6、6’によって引取られる。 ・・・ すなわち、袋が充填パイプ12の下方に配置されると、枢動アーム5、5’によって支持したグリッパ-6、6’の対が移送コンベヤ4から各袋を引取り、袋が充填され、支持直立部材13が設けられたコンベヤベルト14上に袋を載せるように矢印Bで示す方向に充填した袋を枢動するまで、充填ステーションで自由懸垂している袋を保持する。同時に、コンベヤベルト14は駆動体(図示せず)によってコンベヤの1ステップだけ前進させられ、トング(やっとこ)のように機能する溶接ジョー15、16は、引張られて平らになった開口形成縁で袋を閉じるように各袋11に横方向シーム溶接部を設ける。」(5ページ左上欄1行?同右上欄17行)



3.当審の拒絶の理由に引用された特開昭52-128784号公報(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。

「第1図において ・・・ 分割手段Bを構成するこの分割刃5によつて二分割された平折つぎ目なしチューブ1は次に溶断手段Cに達する。この溶断手段Cは ・・・ 平折りつぎ目なしチューブ1をその長さ方向に交叉する方向に切断溶着する。 ・・・ 溶断されて単体袋状の断片10、10となつた前記平折りつぎ目なしチューブ1はその溶断手段Cから急速に遠去けられ ・・・ 今までの進行方向に対して直交する方向でしかも両断片10、10が互いに離隔される方向に送られそれぞれの断片10、10はシュート16、16を介して無端状移送手段Eのバケツト17内に前記断片10、10の切口18、18が上向きになるように収容される。前記バケツト17はそれぞれベルト・コンベヤ19、19に所定の間隔を置いてとりつけられており、これらベルト・コンベヤ19、19によつて構成される無端状移送手段Eには前記断片10、10の切口18、18を開放状態に保つための吸引手段Fと、内容物の装入手段Gと、内容物を装入し終つた断片10、10の開口を閉塞して封緘する閉鎖手段Hとが付設されており」(2ページ左下欄10行?3ページ右上欄11行)



第4 対比
引用発明の「インフレートフィルムウエブ20」、「シールし」、「袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置」は、それぞれ、本願発明の「半完成品(5)」、「袋を閉じる」、「形成・充填・密封機械」に相当する。
引用発明の「横方向溶着・横方向切断機構34」、「充填ステーション60」は、それぞれ、本願発明の「横方向溶接及び分離ステーション(7)」、「充填ステーション(9)」に相当し、引用発明の「供給ローラ18、ガイドローラ24と26、振り子ローラ28、前方引きローラ22」、「溶着ステーション82」は、それぞれ、本願発明の実施例の「巻出しステーション4」、「密封ステーション12」に相当する。よって、引用発明は、「複数の処理ステーション(4、7、9、12)を有し」との構成、「前記処理ステーション(4、7)が、前記半完成品(5)を横方向溶接及び横方向分離を行う横方向溶接及び分離ステーション(7)を含み」との構成、をそれぞれ備えているということができる。
引用発明の「供給ローラ18、ガイドローラ24と26、振り子ローラ28、前方引きローラ22」と「横方向溶着・横方向切断機構34」は、2つの処理ステーションであって、引用文献1の図2、図3を参酌すれば、上記2つの処理ステーションは、全体として、袋の搬送方向において水平面内で直線的に連続して配置されているといえる。よって、上記2つの処理ステーションをまとめて「第1の群」ということにすれば、引用発明は、「少なくとも1つの第1の群は少なくとも2つの処理ステーションを有し、前記少なくとも1つの第1の群に属する前記少なくとも2つの処理ステーションが、前記袋の搬送方向において水平面内で直線的に連続して配置され」との構成、「底部シームを溶接する前記横方向溶接及び分離ステーション(7)は、前記第1の群(3)の一部であり」との構成、をそれぞれ備えているといえる。
引用発明の「袋セグメントを搬送する、一対の把持プライヤー44、定置の一対の把持プライヤー57、一対の把持プライヤー56、一対の把持プライヤー76、別の把持プライヤーの対80を有する」は、本願発明の「搬送手段が前記袋(1)又は半完成品(5)を前記処理ステーション(4、7)相互間で搬送し、前記搬送手段が、把持手段(10、11、21、22)を有する」に相当する。
引用発明の「充填ステーション60」、「溶着ステーション82」は、少なくとも1つの処理ステーションであって、引用文献1の図2、図3、図6を参酌すれば、上記少なくとも1つの処理ステーションは、水平面内で全体として直線的に連続して配置されているといえる。よって、上記少なくとも1つの処理ステーションをまとめて「第2の群」ということにすれば、引用発明は、「少なくとも1つの第2の群(20)が、少なくとも1つの処理ステーションを有し」との構成、「少なくとも1つの充填ステーション(9)は、前記第2の群(20)の一部であり」との構成、「少なくとも1つの第2の群(20)に属する前記処理ステーション(9、12)は、これらの部分において、前記水平面(x、z)内で全体として直線的に連続して配置されており」との構成、をそれぞれ備えているといえる。
引用発明の「前記一対の把持プライヤー44、定置の一対の把持プライヤー57、一対の把持プライヤー56、一対の把持プライヤー76、別の把持プライヤーの対80は、袋セグメント58の上端部が搬送方向と直角をなした状態で、袋セグメント58の上端部を把持してこれを横方向溶着・横方向切断機構34から、引渡しステーション54、充填ステーション60を経て、溶着ステーション82へと搬送する」は、本願発明の「前記把持手段(10、11、21、22)は、前記開口部の付近に位置する上端部が前記袋(1)の前記搬送方向(z)と直角をなした状態で、前記袋(1)又は前記半完成品(5)の上端部を把持してこれらを一つの群(3、20)に属する前記処理ステーション(4、7、9、12)相互間で搬送することができ」に相当する。
よって、本願発明と引用発明との一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「半完成品から袋を製作し、袋に充填し、そして袋を閉じる形成・充填・密封機械であって、
-複数の処理ステーションを有し、
-少なくとも1つの第1の群は少なくとも2つの処理ステーションを有し、前記少なくとも1つの第1の群に属する前記少なくとも2つの処理ステーションが、前記袋の搬送方向において水平面内で直線的に連続して配置され、
-搬送手段が前記袋又は半完成品を前記処理ステーション相互間で搬送し、前記搬送手段が、把持手段を有する、形成・充填・密封機械において、
-少なくとも1つの第2の群が、少なくとも1つの処理ステーションを有し、
前記処理ステーションが、前記半完成品を横方向溶接及び横方向分離を行う横方向溶接及び分離ステーションを含み、
底部シームを溶接する前記横方向溶接及び分離ステーションは、前記第1の群の一部であり、少なくとも1つの充填ステーションは、前記第2の群の一部であり、さらに
前記把持手段は、前記開口部の付近に位置する上端部が前記袋の前記搬送方向と直角をなした状態で、前記袋又は前記半完成品の上端部を把持してこれらを一つの群に属する前記処理ステーション相互間で搬送することができ、
前記少なくとも1つの第2の群に属する前記処理ステーションは、これらの部分において、前記水平面内で全体として直線的に連続して配置されている
形成・充填・密封機械。」

[相違点1]
第1の群と第2の群の配置に関し、本願発明は、「前記少なくとも1つの第2の群(20)が、前記袋(1)の処理方向(z)において水平面(x、z)内で前記第1の群(3)の真後以外のところ配置されており」、「第1の群(3)により定められる直線」は、「第2の群(20)により形成される直線と平行に延びている」と特定しているのに対し、引用発明は、そのような配置ではない点。

[相違点2]
本願発明は、「把持手段(10、11、21、22)が、前記袋(1)又は半完成品(5)を前記搬送方向(z)と直角をなす方向(x)に搬送」するのに対し、引用発明は、そのような方向に搬送するものではない点。

第5 判断
(1)相違点1について
引用文献2には、袋に充填し密封する装置(装置2)を、ロールから袋を形成するまでの装置(装置1)から略90°折れ曲がって配置した例、すなわち、装置2を、袋の処理方向において装置1の真後以外のところに配置した例が示されている。
引用文献3には、内容物の装入手段Gと閉鎖手段Hとが付設された無端状移送手段Eを、平折りつぎ目なしチューブ1から単体袋状の断片10、10を形成するまでの装置の真後以外のところであって、平折りつぎ目なしチューブ1から単体袋状の断片10、10を形成するまでの装置と平行に延びるように配置した例が示されている。
一般に、装置の具体的な配置は、設置スペースの都合や、原材料・対象物の流れ、作業員の作業性等を考慮して決定すべき設計事項であるところ、引用発明と同様の、袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置においても、上記引用文献2のとおり、ロールから袋を形成するまでの装置(装置1)の真後以外のところに、袋に充填し密封する装置(装置2)を配置した例が存在する。
そうすると、引用発明においても、例えば設置スペースの都合等により、全ての装置を直線的に連続して配置することが困難な場合に、横方向溶着・横方向切断機構34を含む第1の群と、充填ステーション60を含む第2の群に区分して、第2の群を第1の群の真後以外のところに、適宜の方向に向けて配置することは、当業者が容易に想到し得た設計事項である。
そして、上記適宜の方向につき、引用文献3の配置例も参照すれば、両群が平行に延びる方向と定めることにも、困難性は認められない。
よって、相違点1に係る本願発明の構成は、引用文献2及び3の技術事項を参照して、引用発明の装置の具体的な配置を適宜に設計変更することにより、当業者が容易に想到し得たものである。

(2)相違点2について
引用発明において、前記相違点1に係る本願発明の構成を採用したことに伴い、引用発明の把持プライヤー44、57、56、76、80のいずれかの段階で、袋セグメント58を、その搬送方向(z)と直角をなす方向(x)に搬送する必要が生じることは明らかである。
よって、相違点2に係る本願発明の構成は、相違点1に係る本願発明の構成を採用したことに伴って、当然に必要となる構成であるから、当業者が容易に採用し得たものである。

(3)効果について
本願発明の効果に関し、本願明細書には、「真っ直ぐな搬送ラインを或る程度まで遮る「曲がり部」又は横方向搬送手段のすぐ隣りに位置する処理ステーションの接近性が特に増大する。」(【0010】)と記載されている。また、請求人は、平成26年8月11日付け意見書において、「本発明は、少なくとも1つの処理ステーションを含む少なくとも1つの第2の群が、袋(1)の処理方向(z)において水平面(x,z)内で第1の群(直線的に連続して配置された処理ステーションを含む)の後ろに直線的には配置されないという特徴により達成されます(段落0009)。この構成により、真っ直ぐな搬送ラインを或る程度まで遮る「曲がり部」又は横方向搬送手段のすぐ隣りに位置する処理ステーションの接近性が特に増大し、機械全体を小型化できるという効果があります。」と主張する。
しかし、処理ステーションの配置を直線的な配置から変更したとしても、処理ステーションそのものは小型化されるものではなく、機械全体が格別に小型化できるとは認められないから、本願発明の効果が、引用発明及び引用文献2、3の技術事項から予測される効果に比べて格別であるとは認められない。

第6 むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2、3の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-24 
結審通知日 2014-10-01 
審決日 2014-10-16 
出願番号 特願2009-510395(P2009-510395)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B65B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊島 唯  
特許庁審判長 千葉 成就
特許庁審判官 渡邊 真
紀本 孝
発明の名称 形成・充填・密封機械及び袋を製作し袋に充填し袋を閉じる方法  
代理人 中村 稔  
代理人 弟子丸 健  
代理人 村社 厚夫  
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