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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K
管理番号 1297909
審判番号 不服2012-14939  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-03 
確定日 2015-02-24 
事件の表示 特願2007-549598「腎臓機能を改善する組成物および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 7月 6日国際公開、WO2006/071952、平成20年 7月17日国内公表、特表2008-525529〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1. 手続の経緯

本願は、平成17年(2005年)12月29日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2004年12月29日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成24年3月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月3日に拒絶査定不服審判が請求され、その後平成26年5月23日付けの拒絶理由通知に対して同年8月26日付けで意見書および手続補正書が提出されたものである。

2. 本願に係る発明について

本願に係る発明は、平成26年8月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
腎臓機能を改善する量の1種以上の酸化防止剤、および同じ種または血統の健康な動物に典型的に推奨されるタンパク質およびリンの最大量に比較して少ない量のタンパク質およびリンを含有する、動物の腎臓機能の改善に適した組成物であって、組成物が少なくとも、組成物の乾物重量を基準として10mg/kgの1種以上の酸化防止剤、組成物の乾物重量を基準として14%?20%のタンパク質、および組成物の乾物重量を基準として0.2%?0.75%のリンを含有し、酸化防止剤がビタミンCおよびビタミンEであって、組成物の乾物重量を基準として25?2000mg/kgのビタミンC、および組成物の乾物重量を基準として300?2000IU/kgのビタミンEを含有する、上記組成物。」(以下、「本願発明」という。)

3. 刊行物の記載並びに刊行物に記載された発明

平成26年5月23日付け拒絶理由通知書で引用された本願優先日前に頒布された刊行物である「米国特許第6306442号明細書」、「特表2004-519241号公報」、「特表2002-535364号公報」(以下、それぞれ、「刊行物1」?「刊行物3」という。)には、次のことが記載されている(以下において、下線は当審で付した。また、刊行物1は英文で記載されているため訳文を記載した。)。

1)米国特許第6306442号明細書(刊行物1)

(1-1)請求項1(10欄47行?59行)
「1.腎疾患の動物における臨床症状を改善するための、以下を含む方法:
約10?約32%の粗タンパク質、約8?約20%の脂肪、約3?約25%の総食物繊維、および24時間の期間にわたって大腸菌により発酵されると15?60%の有機物消失を示す発酵性繊維を含み、前記繊維は栄養補助の総食物繊維の約1?11重量%の量で存在するところの組成物を該動物に給餌すること、そして、
該動物におけるBUNとクレアチニンレベルを減少させるために十分な時間、該動物を該食餌で維持すること。」(ここで「BUN」は、血液尿素窒素を意味する(下記摘示事項(1-2)を参照))。

(1-2)1欄21行
「…血液尿素窒素(BUN)…」

(1-3)表3(7欄?8欄)




(1-4)表4(7欄?10欄)




(1-5)9欄34行?38行
「表4のデータで示されるように、腎飼料1及び2に移行された犬は、BUNとクレアチニン濃度が、従来の腎飼料からの移行の後、10週の間、より低いか、初期値と同程度であった。」

(1-6)9欄59行?60行
「このデータは、増加されたタンパク質が、高窒素血症を悪化させることなく、腎飼料1及び2により、犬に提供されたことを示す。」

2)特表2004-519241号公報(刊行物2)

(2-1)【特許請求の範囲】
「【請求項1】
遺伝子発現に対するカロリー制限の効果に類似した効果を得ることのできる組合せを含む、哺乳動物の高齢化に伴う機能障害を予防又は修復することを目的とした食物組成物であって、前記組合せが、細胞のエネルギー代謝を刺激する少なくとも1種の分子及び少なくとも1種の抗酸化剤を含む、上記食物組成物。

【請求項12】
さらに、骨格及び心筋機能、血管機能、認知機能、視力、聴力、嗅覚、皮膚及び毛皮の状態、骨及び関節の健全性、腎臓の健全性、消化管機能、免疫機能、インスリン感受性、炎症過程を改善する、請求項1から11までの一項に記載の食物組成物。
…」

(2-2)【0013】
「抗酸化剤は、老化したミトコンドリア内の基質有効性/利用性の増大による、ATP/ADP及び/又はNAD+/NADH恒常性の破壊から生じる可能性のある酸化的傷害を防止することを狙っている。抗酸化剤のうちで、チオール供給源、タンパク質の酸化を低減させる化合物、及び細胞の酸化に対する防御力を上方調整する化合物を使用することが好ましい。」

(2-3)【0015】
「本発明による食物組成物は、エネルギー代謝に関係する遺伝子の発現を調節又は/及び調整することによって、高齢化に伴って起こるミトコンドリアの機能不全を予防又は遅延できる。また、高齢化に伴う機能障害、例えば、骨格筋及び心筋機能、血管機能、認知機能、視力、聴力、嗅覚、皮膚及び毛皮の状態、骨及び関節の健全性、腎臓の健全性、消化管機能、免疫機能、インスリン感受性、炎症過程、ガン発生率を改善し、最終的にはペットの寿命を延長することによって様々な利益を提供できる。」

(2-4)【0027】
「抗酸化剤の量は、1日につき体重kg当たり、少なくとも0.025mg、より好ましくは0.025mgから250mgが好ましい。」

(2-5)【実施例2】
「【0063】
乾燥ペット・フード
コーン約58重量%、コーン・グルテン約5.5重量%、鳥肉約22重量%、乾燥チコリ2.5%、カルニチン1%、エネルギー代謝刺激用のクレアチン1%、ビタミンC0.1%、ビタミンE(150IU/kg)、抗酸化剤としてのブドウ種子・プロアントシアニン抽出物0.05%及びシステイン1%、及び残りのビタミン及びミネラルから食物混合物を形成する。
【0064】
食物混合物を、プレコンディショナーに供給し、湿らせる。次いで、湿らせた食物を押出し調理機に供給し、ゼラチン化する。ゼラチン化した基材をダイに押込み、押出機から押出す。押出物は犬に与えるのに適した大きさに切断し、約110℃で約20分間乾燥し、冷却しペレットを形成する。
【0065】
この乾燥ドッグ・フードによって、高齢化に伴う犬の障害を改善又は修復することができる。」

3)特表2002-535364号公報(刊行物3)

(3-1)【特許請求の範囲】
「【請求項7】 イヌまたはネコの抗酸化剤状態を高めるのに十分な濃度の成分を該イヌまたはネコにもたらすことを特徴とするイヌまたはネコ用の食品。

【請求項14】 ストレスによる要因を有する任意の疾患の予防または治療において用いるための請求項7から12いずれか1項記載のイヌまたはネコ用の食品。
【請求項15】 前記疾患が:癌、老化、心疾患、粥状動脈硬化、関節炎、白内障、炎症性腸疾患、腎臓病、腎不全、神経変性疾患、または免疫低下:の何れか1以上の疾患であることを特徴とする請求項14記載のイヌまたはネコ用の食品。

【請求項30】 請求項7記載のイヌまたはネコ用の食品であって、以下の成分:
α-トコフェロール;
アスコルビン酸;
β-カロチン;
ルテイン;および
タウリン:
を含むことを特徴とする食品。
…」

(3-2)【0039】?【0041】
「【0039】
本発明の組合せは、以下のようである。
【0040】
【表1】

本発明のさらなる有用な組合せは、以下のようである。
【0041】
【表2】

本発明による食品の他の有用な成分には、極微量の無機質(直接抗酸化剤ではないが、抗酸化金属酵素システム内の補因子として作用する)、セレニウム(抗酸化セレノ酵素の実質的部分であるグルタチオンペルオキシダーゼ)、銅、亜鉛およびマンガン(抗酸化金属酵素Cu-Zn-スーパーオキシドジスムターゼおよびMn-スーパーオキシドジスムターゼの必須部分を形成する)が含まれる。」

(3-3)【0053】
「本発明の第5の態様は、酸化的ストレスによる要因を有する任意の疾患を予防または治療するのに用いるための、本発明の第2、第3、第4または第9の態様に基づくイヌまたはネコ用の食品を提供する。その使用は、「病気」または「疾患」の要因としての酸化的ストレスを予防または治療するためである(従って、酸化的ストレスによる要因を(少なくともある程度)軽減することによって、病気または疾患が緩和され得る)。そのような疾患として、老化、癌、心疾患、粥状動脈硬化、関節炎、白内障、炎症性腸疾患、腎臓病、腎不全、神経変性疾患、免疫性疾患(例えば免疫低下(compromised immunity))が挙げられる。…」

(3-4)【0075】,【0078】
「【0075】
ネコにおいて血漿中の上昇をもたらすのに好ましいビタミンCの最少用量は20mg/400kcalである。イヌにおいて血漿中の上昇をもたらすために試験された好ましいビタミンCの最少用量は27mg/400kcalである。

【0078】
ネコにおいて血漿中の上昇をもたらすのに好ましいビタミンEの最少用量は34IU/400kcalである。イヌにおいて血漿中の上昇をもたらすために試験された好ましいビタミンEの最少用量は50IU/400kcalである。」

(3-5)実施例15(【0143】?【0146】)
「【0143】
実施例15
抗酸化剤を補強した食餌はネコの抗酸化能を高める
46匹の健康なペット用ショートヘアーのネコから成る群を年齢および性別に基づいて2つの群に無作為に分配した。群Aに対照の基本の食餌(基準食の欄に基づく完全湿食)を与え、群Bには抗酸化剤カクテルを補足した湿食を30週間与えた。
【0144】
【表11】

全てのネコから絶食試料を得て、第二鉄還元抗酸化力(ferric reducing antioxidant power)(FRAP)、ならびに第二鉄還元抗酸化力およびアスコルビン酸濃度(ferric reducing antioxidant power and ascorbic acid concentration) (FRASC)測定法を用いて抗酸化能を評価した。
【0145】
FRAPおよびFRASCの両方に関して、群Aと比較して群Bにおいて抗酸化能が有意に(p<0.05)高かった。
【0146】
【表12】

従って、抗酸化剤を補強した食餌を与えられたネコにおいて抗酸化能が上昇し、そのことは酸化的損傷に関連する有害な影響を緩和する能力の上昇をもたらす。」

(3-6)実施例19(【0169】?【0186】)
「【0169】
実施例19
抗酸化剤カクテルを含有する缶詰の乾燥食を8週間与えられたイヌにおける抗酸化剤状態および酸化的損傷
概要
*この報告は、抗酸化剤カクテルを含有する缶詰の乾燥食を8週間与えられたイヌから得られた結果(抗酸化剤状態および酸化的損傷)を含む。
【0170】
*抗酸化剤を与えられた群における血漿FRAPおよびビタミンEレベルは、対照食を与えられた群よりも有意に高かった。
【0171】
*抗酸化剤食を与えられた若い成犬および老犬の両方における血漿ビタミンEレベルは、それぞれの対照群よりも有意に高かった。

【0175】
試験物質
試験食は、対照食には添加されていない以下の材料を含有する。
【0176】
【表17】

試験計画
本研究は長期的な試験計画であった。系統、性、年齢、体重および健康状態に基づいて、全てのイヌを無作為に分配した。

【0180】
*試験群における血漿「抗酸化能」の測定値は、8週間の処置後、対照群よりも有意に高かった。

【0182】
*試験群における血漿ビタミンEレベルは、8週間の処置後、対照群よりも有意に高かった。
…」

上記摘示事項(1-3)には、乾燥重量基準で、17.5%の粗タンパク質、および0.29%のリンを含有する食餌が「Renal Diet 2」という実施例として記載されている。上記摘示事項(1-1)?(1-3)を含む記載によれば、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。(以下において下線は当審で付した。)

引用発明:
「腎疾患の動物における臨床症状を改善するための、以下を含む方法:
約10?約32%の粗タンパク質、約8?約20%の脂肪、約3?約25%の総食物繊維、および24時間の期間にわたって大腸菌により発酵されると15?60%の有機物消失を示す発酵性繊維を含み、前記繊維は栄養補助の総食物繊維の約1?11重量%の量で存在するところの組成物を該動物に給餌すること、そして、
該動物における血液尿素窒素(BUN)とクレアチニンレベルを減少させるために十分な時間、該動物を該食餌で維持すること。」という方法において使用するところの、乾燥重量基準で17.5%の粗タンパク質および乾燥重量基準で0.29%のリンを含有する組成物。

4. 対比・判断

本願発明と引用発明とを対比すると、刊行物1における「粗タンパク質」とは、一般に、試料中の窒素量より計算したタンパク質量を意味するものであるから、本願発明における「タンパク質」に相当する。なお、仮に、本願発明における「タンパク質」が「粗タンパク質」と異なるものであるとすると、本願発明における「タンパク質」が如何にして定量されるものであるのか不明となるため、この点で新たに拒絶理由を生じ得るものである。
また、本願発明は、「同じ種または血統の健康な動物に典型的に推奨されるタンパク質およびリンの最大量に比較して少ない量のタンパク質およびリンを含有する」と特定するものの、「組成物の乾物重量を基準として14%?20%のタンパク質、および組成物の乾物重量を基準として0.2%?0.75%のリンを含有」とも特定しており、結局のところ、「組成物の乾物重量を基準として14%?20%のタンパク質」、および「組成物の乾物重量を基準として0.2%?0.75%のリン」を含有すれば、その量は、「同じ種または血統の健康な動物に典型的に推奨されるタンパク質およびリンの最大量に比較して少ない量」でもあると解される。してみれば、引用発明における「乾燥重量基準で17.5%の粗タンパク質」および「乾燥重量基準で0.29%のリン」という量は、「同じ種または血統の健康な動物に典型的に推奨されるタンパク質およびリンの最大量に比較して少ない量」であると言える。

したがって、本願発明と引用発明は、「同じ種または血統の健康な動物に典型的に推奨されるタンパク質およびリンの最大量に比較して少ない量のタンパク質およびリンを含有する組成物であって、組成物が、組成物の乾物重量を基準として14%?20%のタンパク質、および組成物の乾物重量を基準として0.2%?0.75%のリンを含有する、上記組成物。」である点において一致し、以下の点で相違している。

<相違点>
相違点1:本願発明は、「腎臓機能を改善する量」であって「少なくとも、組成物の乾物重量を基準として10mg/kg」である「1種以上の酸化防止剤」を含有し、「酸化防止剤がビタミンCおよびビタミンEであって、組成物の乾物重量を基準として25?2000mg/kgのビタミンC、および組成物の乾物重量を基準として300?2000IU/kgのビタミンEを含有する」ことが特定されるのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点
相違点2:本願発明は、「動物の腎臓機能の改善に適した」組成物であることが特定されるのに対し、引用発明は、「腎疾患の動物における臨床症状を改善するための」方法であることが特定される点

そこで、上記相違点について検討する。
まず、相違点1について述べる。刊行物2には、酸化的傷害を防止することを目的として、抗酸化剤を動物用の食物組成物に配合すること、該食物組成物により腎臓の健全性を改善することが記載されている(上記摘示事項(2-1)?(2-3),(2-5)を参照)。また、刊行物3には、腎臓病、腎不全等の酸化的ストレスによる要因を有する疾患を予防・治療することを目的として、ビタミンE(α-トコフェロール)やビタミンC(アスコルビン酸)といった抗酸化剤を動物用の食品に配合することが記載されている(上記摘示事項(3-1),(3-3),(3-5),(3-6)を参照)。
してみれば、腎疾患の動物における臨床症状を改善する効果をより高めるために、引用発明において、腎臓機能を改善する量のビタミンEやビタミンCといった抗酸化剤を配合することに当業者が困難を要するものではなく、その際、刊行物3(摘示事項(3-2),(3-4)を参照)における配合量についての記載を参考にしつつ、「少なくとも、組成物の乾物重量を基準として10mg/kgの1種以上の酸化防止剤」を含有し、「組成物の乾物重量を基準として25?2000mg/kgのビタミンC、および組成物の乾物重量を基準として300?2000IU/kgのビタミンE」を含有するという程度の配合量を設定することは当業者が容易になし得るものである。

次に、相違点2について述べる。引用発明は、腎疾患の動物における臨床症状を改善するための方法に使用するものであり、刊行物1の実施例(上記摘示事項(1-4)?(1-6)を参照)には、実際に、腎疾患の動物における臨床症状が改善されたことが示されている。この様な作用は腎臓機能の改善によりもたらされたものと解されるので、引用発明を「動物の腎臓機能の改善に適した」組成物とすることに当業者が困難を要するものではない。

以下、効果について検討する。本願明細書の記載を考慮しても、本願発明とすることにより、当業者の予測を超えるような格別に顕著な効果を生じるとは解されない。

なお、請求人は、平成26年8月26日付け意見書において、
「本願明細書の[0062]には、対照フード1と比較して試験フードが優れていたことが明確に記載されているので、補正後の請求項1に関しては審判官殿の御指摘は該当しないと本出願人は考えます。即ち試験フードにより得られた腎臓機能改善効果は、本願請求項1に記載された量を採用することによるタンパク質とリンの制限、およびビタミンCとビタミンEの増量の組み合わせにより得られたことを、この実施例は示しており、その効果は顕著であります。」
と主張している。

しかしながら、対照フード1と試験フードの組成を比較すると、両者はタンパク質、リン、ビタミンC、およびビタミンEの配合量のみならず、カルシウム(炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム)の配合量においても相違しているところ、本願明細書【0005】,【0057】の記載によれば、カルシウムも腎臓機能に影響を与えるものと解されることから(本願明細書【0005】において腎臓機能がミネラル過剰に影響されうることが記載され、【0057】ではフードにおけるカルシウムの制限についてタンパク質やリンの制限と同列に論じられている。)、請求人の主張するように、「試験フードにより得られた腎臓機能改善効果は、本願請求項1に記載された量を採用することによるタンパク質とリンの制限、およびビタミンCとビタミンEの増量の組み合わせにより得られた」と言うことはできない。

以上の検討結果から、本願発明は、その優先日前に頒布された刊行物である刊行物1?刊行物3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5. むすび

以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-30 
結審通知日 2014-10-01 
審決日 2014-10-15 
出願番号 特願2007-549598(P2007-549598)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池上 京子  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 岩下 直人
大宅 郁治
発明の名称 腎臓機能を改善する組成物および方法  
代理人 辻本 典子  
代理人 小林 泰  
代理人 富田 博行  
代理人 小野 新次郎  
代理人 星野 修  

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