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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01G |
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管理番号 | 1297913 |
審判番号 | 不服2013-16437 |
総通号数 | 184 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-08-26 |
確定日 | 2015-02-23 |
事件の表示 | 特願2010-518370「高電圧電解質」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 1月29日国際公開、WO2009/015253、平成22年11月11日国内公表、特表2010-534939〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成20年7月24日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 平成19年7月25日 米国(US))を国際出願日とする特許出願であって、平成22年3月24日付けで手続補正がなされ、平成24年5月31日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年9月3日付けで手続補正がなされたが、平成25年4月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年8月26日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされた。 その後、当審がした平成26年5月27日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年8月28日付けで手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成26年8月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】 電気化学的セルの無水の非水性電解質中で起こるガスの発生を触媒する遊離酸を除去する方法であって、 少なくとも1種の第四アンモニウム塩と少なくとも1種の無水の非水性溶媒とを含む無水の非水性電解質溶液を供給すること;及び 前記電解質溶液を少なくとも1種の固体若しくは半固体の酸スカベンジャーと接触させること; を含む方法であって、前記酸スカベンジャーが、フィルム、膜、被膜、若しくはラティスのシリカ系イオン交換樹脂、酸化アルミニウム、ポリカルボジイミド、ポリ(ジアリルメチルアミン)、ポリ(メチルアミノ)-1,6-ヘキサン、ポリ(メチルアミノ)(2-オキソ-1,2-エタン)イミノ-アルカン、置換ポリスチレン、置換ポリスチレン-ポリビニルベンゼンコポリマー、置換ジビニルベンゼン-ポリアクリルコポリマー、並びにこれらの誘導体及び前駆体である方法。」 ただし、下線を付した「である」は、明細書の記載全体からみても、また常識からしても、正確には補正前のとおり「から選択される」の誤りであると認められる(なお、この点については請求人側に問い合わせて確認済みである。)。 3.引用列 これに対して、当審が通知した拒絶の理由に引用された特開平10-334730号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した)。 (1)「【請求項1】 少なくとも一種のアルミナ系微粒子、少なくとも一種の有機溶媒、少なくとも一種の電解質塩を含む有機電解液であって、アルミナ系微粒子がBET 比表面積10m2 /g以上、最大径が5μm 以下、含水量(カールフィッシャー滴定値)が3000ppm 以下であり、その添加量が電解液全体の0.05?30wt%である有機電解液。」 (2)「【請求項6】 電解質塩がアルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、または遷移金属塩から選ばれた少なくとも一種である請求項1?5のいずれかに記載の有機電解液。」 (3)「【請求項9】 請求項1?8記載の少なくとも一種の有機電解液を用いることを特徴とする電池。」 (4)「【0005】 電解質塩としては、フッ素系アニオンを有するリチウム塩が有機溶媒中での解離度が大きく、高イオン伝導度となること、また電気化学的安定性が良好であるという理由から好んで用いられており、LiPF_(6) は特性的に特に優れている。しかしながらこれらのフッ素系リチウム塩は合成時に強酸であるHF及びその誘導体を生成し、残存しており、電解液中に不純物として放出する。また、熱や水に対して不安定で、分解しHF及びその誘導体が生成する。HF及びその誘導体はLiや炭素材料負極、酸化物正極と反応し、LiF被膜や水素ガスを発生する為、電池の劣化を引起こすばかりでなく、他の溶媒や封止材料等の有機高分子材料を劣化させ、また電池缶等の金属材料を腐食する。従って、当該業者は電解液製造中のHF発生の防止、調製後の保管方法等に多大な労力を払っている。」 (5)「【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、有機電解液に高比表面積で低含水量の特定のアルミナ微粒子を添加することにより、電解液中の不純物を低減でき安定性を向上できることを見出した。また、該電解液を用いた電気化学素子内の不純物も吸着できることを見出した。また、特にアルミナ表面とアニオンとの相互作用により、電解液中のカチオン移動度を向上させることができることを見出した。」 (6)「【0013】 【発明の実施の形態】 以下に本発明を詳細に説明する。 [1]有機電解液 本発明の有機電解液は、少なくとも一種のアルミナ系微粒子、少なくとも一種の有機溶媒、少なくとも一種の電解質塩を含む。以下各成分について説明する。 (1-a)有機溶媒 本発明の有機電解液に用いる有機溶媒としては、電解質塩の溶解性が高く、使用する電気化学素子に悪影響を与えないものが良い。即ち、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲が広い化合物が適している。そのような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビスメトキシエチルカーボネート、エチルメトキシエチルカーボネート等の環状および/または鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、1,2-ジメトキシエタン等の環状および/または鎖状エーテル類、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、γ-ブチルラクトン等のラクトン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等の脂肪族および/または芳香族ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン等の含窒素化合物、スルホラン等の硫黄化合物、リン酸エステル類等が挙げられる。この中で、カーボネート類、エーテル類、オリゴエーテル類、ラクトン類が好ましく、カーボネート類が特に好ましい。 ・・・・・(中 略)・・・・・ 【0015】複合に用いる電解質塩の種類は特に限定されるものではなく、電池等の電気化学素子でキャリアーとしたいイオンを含んだ電解質塩を用いればよいが、有機電解液中での解離定数が大きいことが望ましく、LiCF_(3) SO_(3) 、LiN(CF_(3) SO_(2) )_(2) 、LiPF_(6) 、LiClO_(4) 、LiI、LiBF_(4) 、LiSCN、LiAsF_(6) 、NaCF_(3) SO_(3) 、NaPF_(6) 、NaClO_(4 )、NaI、NaBF_(4) 、NaAsF_(6) 、KCF_(3) SO_(3) 、KPF_(6) 、KI等のアルカリ金属塩、(CH_(3) )_(4) NBF_(4) 等の4級アンモニウム塩、(CH_(3) )_(4) PBF_(4) 等の4級ホスホニウム塩、AgClO_(4) 等の遷移金属塩が推奨される。」 (7)「【0017】(1-c)アルミナ系微粒子 本発明の有機電解液にはアルミナ系微粒子が添加されていることを特徴とする。アルミナ系微粒子の表面は特に電解液中のアニオンとの親和性が高く、イオン伝導度、特にカチオンの束縛を減少させることによりカチオンの移動度を向上させることができるので、できるだけ比表面積が高く、表面の吸着水を除去した状態で使用することが好ましい。また添加されるアルミナ系微粒子を高比表面積で吸着水が低減された表面活性の高いものとすることにより、電解液内のみではなく、電気化学素子内の不純物、特にリチウム電池等の非水系で用いる場合には水分や遊離酸を非常によく吸着することができ、封止材料や他の電池材料の劣化を低減することに大きな効果を発揮でき、結果として電池の寿命を改善できる。」 (8)「【0026】[2]電池 本発明の有機電解液を電池に応用した場合、本有機電解液の不純物が少なく、イオン移動も速いため、サイクル寿命が長く、取り出し電流が大きく、安全性及び信頼性が高い電池が得られる。また、アルミナ微粒子の不純物吸着能が高いため、電解液製造や電気化学素子製造時の雰囲気や工程管理が簡便になり、コスト的にも有利となる。本発明の電池は、電解液に本発明の有機電解液を使用すること以外は、既知の方法により製造することができる。以下にその構成要素について説明する。」 (9)「【0031】 【作用】本発明の有機電解液は、電解質塩、有機溶媒、アルミナ系微粒子を含み、高イオン伝導度でカチオン移動性が良好であり、電池等の各種電気化学素子の電流特性やサイクル特性を向上することができる。さらに、本発明の有機電解液は熱処理された低水分で表面活性が高く、高比表面積のアルミナ系微粒子が添加されることにより、不純物が少なく、また他材料の不純物の吸着能力が高い為、安定性に優れており、電池等の電気化学素子の寿命を向上することができる。さらに本発明では、該有機電解液を用いることにより、高寿命で取り出し電流の大きい、安全で信頼性があり、加工性に優れた電池を得ることができる。また、本発明の有機電解液は非水系であるため、低酸化還元電位の負極及び/または高酸化還元電位の正極と組合せることができ、出力電圧が高く、高エネルギー密度の非水一次または二次電池が得られる。」 (10)「【0038】[実施例6]実施例3で調製した熱処理アルミニウムオキサイドC 0.33 g、プロピレンカーボネート(PC)3.0 g、γ-ブチルラクトン(γ-BL) 3.0g、橋本化成製精製テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート( TEAB) 0.80gをアルゴン雰囲気中、室温でよく混合し、電解液を調製した。この電解液の含水量(カールフィッシャー法)は70ppm であった。遊離酸(HF換算)は20ppm 以下であった(中和滴定法)。この電解液の25℃、-10℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、12.0×10^(-3)、3.0×10^(-3)S/cmであった。また、回転粘度計での粘度は室温(25℃)で120cps(380s^(-1))であった。」 ・上記(1)の記載事項によれば、有機電解液は、少なくとも一種のアルミナ系微粒子、少なくとも一種の有機溶媒、少なくとも一種の電解質塩を含むものであり、特に上記(9)の記載事項によれば、当該有機溶媒液は非水系である。 さらに上記(3)、(8)の記載事項によれば、有機電解液は、電気化学素子である電池に用いられるものである。 ・上記(6)、(10)の記載事項によれば、有機電解液に用いられる有機溶媒は、例えばプロピレンカーボネート及びγ-ブチルラクトンである。 ・上記(2)、(6)、(10)の記載事項によれば、有機電解液に用いられる電解質塩は、例えば4級アンモニウム塩の一つであるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートである。 ・上記(5)、(7)?(10)の記載事項によれば、有機電解液に添加されるアルミナ系微粒子は熱処理されたものであり、有機電解液中に含まれる不純物である水分や遊離酸(HF)を非常によく吸着し、有機電解液中の不純物を低減することができるものである。 ここで、上記(4)の記載事項によれば、遊離酸であるHFは、水素ガスを発生させ電池の劣化を引起こす元となるものである。 したがって、アルミナ系微粒子の添加によって有機電解液中に含まれる不純物、特に遊離酸であるHFを吸着して低減している点を方法の発明として捉え、特に実施例6に係るものに着目して上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「電気化学素子である電池に用いられる非水系の有機電解液中の遊離酸などの不純物を低減する方法であって、 前記有機電解液は、プロピレンカーボネート、γ-ブチルラクトンの有機溶媒と、4級アンモニウム塩の一つであるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートの電解質塩を含むものであり、 前記有機電解液に対して、熱処理されたアルミナ系微粒子を添加することによって、水素ガスを発生させ電池の劣化を引起こす元となる前記遊離酸としてのHFを吸着させて低減するようにした方法。」 4.対比 そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、 (1)引用発明における「電気化学素子である電池」、「非水系の有機電解液」、「遊離酸」は、それぞれ本願発明における「電気化学的セル」、「非水性電解質(溶液)」、「遊離酸」に相当し、 引用発明における「電気化学素子である電池に用いられる非水系の有機電解液中の遊離酸などの不純物を低減する方法であって・・・・前記有機電解液に対して、熱処理されたアルミナ系微粒子を添加することによって、水素ガスを発生させ電池の劣化を引起こす元となる前記遊離酸としてのHFを吸着させて低減するようにした方法。」によれば、 水素ガスを発生させる元となる遊離酸を、アルミナ系微粒子の添加によって吸着させることにより、有機電解液中の遊離酸を低減、すなわち除去しているといえるから、 本願発明と引用発明とは、後述の一応の相違点(相違点1)を除いて「電気化学的セルの非水性電解質中で起こるガスの発生を触媒する遊離酸を除去する方法であって」の点で共通する。 (2)引用発明における「4級アンモニウム塩の一つであるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートの電解質塩」、「プロピレンカーボネート、γ-ブチルラクトンの有機溶媒」は、それぞれ本願発明における「第四アンモニウム塩」、「非水性溶媒」に相当し、 引用発明における「前記有機電解液は、プロピレンカーボネート、γ-ブチルラクトンの有機溶媒と、4級アンモニウム塩の一つであるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートの電解質塩を含むものであり」によれば、 本願発明と引用発明とは、後述の一応の相違点(相違点1)を除いて「少なくとも1種の第四アンモニウム塩と少なくとも1種の非水性溶媒とを含む非水性電解質溶液を供給すること」を含むものである点で共通する。 (3)引用発明における「前記有機電解液に対して、熱処理されたアルミナ系微粒子を添加することによって、水素ガスを発生させ電池の劣化を引起こす元となる前記遊離酸としてのHFを吸着させて低減するようにした方法。」によれば、 (a)「熱処理されたアルミナ微粒子」は、当然「固体」であり、遊離酸であるHFを吸着して有機電解液中の遊離酸を低減させるためのものであることから、本願発明でいう「酸スカベンジャー」に相当し、これを有機電解液に対して「添加する」ということは、これを有機電解液と「接触させる」ことに他ならないから、 本願発明と引用発明とは、「前記電解質溶液を少なくとも1種の固体の酸スカベンジャーと接触させること」を含むものである点で一致する。 (b)そして、熱処理された「アルミナ微粒子」は、酸化アルミニウムの微粒子であることから、 本願発明と引用発明とは、酸スカベンジャーとして「酸化アルミニウム」が選択される点では共通し、つまり、後述の相違点(相違点2)を除いて「前記酸スカベンジャーが、酸化アルミニウムである方法。」である点で共通するということができる。 よって、本願発明と引用発明とは、 「電気化学的セルの非水性電解質中で起こるガスの発生を触媒する遊離酸を除去する方法であって、 少なくとも1種の第四アンモニウム塩と少なくとも1種の非水性溶媒とを含む非水性電解質溶液を供給すること;及び 前記電解質溶液を少なくとも1種の固体の酸スカベンジャーと接触させること; を含む方法であって、前記酸スカベンジャーが、酸化アルミニウムである方法。」 である点で一致し、次の点で相違する。 [相違点1] 非水性電解質(溶液)及び非水性溶媒について、本願発明では「無水」のものである旨特定するのに対し、引用発明ではそのような明確な特定がない点。 [相違点2] 酸スカベンジャーについて、本願発明では「フィルム、膜、被膜、若しくはラティス」の形態をとる旨特定するのに対し、引用発明ではそのような特定を有していない点。 5.判断 上記相違点について検討する。 [相違点1]について 非水系の有機電解液においては、水分は不純物である(上記3.(7)を参照)ことから、これを極力含まないものを用いる必要があることは当然のことであり、引用発明においても、非水系の有機電解液及びこれに含まれる有機溶媒を「無水」のもの(「無水」とみなせるもの)とすることは当業者であればごく普通に想到し得ることである。 [相違点2]について 例えば当審が通知した拒絶の理由に引用された特開平11-54378号公報(段落【0030】、図1(c)を参照)、さらには特開平10-214640号公報(段落【0029】?【0030】、【0040】?【0041】、図1を参照)、特開2000-106215号公報(段落【0010】、図2を参照)に記載のように、電解液中に含まれる不純物(水分や遊離酸)を吸着するための無機材をフィルム(板状に成形されたもの)、膜(層)、被膜といった形態で電解液と接触させるようすることは周知といえる技術事項であり、引用発明において、熱処理されたアルミナ微粒子を微粒子のままの形態で電解液に添加して当該電解液と接触させるようにすることに代えて、フィルム、膜、被膜といった形態としたうえで電解液と接触させるようにすることも当業者であれば容易になし得ることである。 そして、上記各相違点を総合的に判断しても本願発明が奏する効果は、引用発明及び周知の技術事項から当業者が十分に予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。 なお、請求人は平成26年8月28日付け意見書において、本願発明によれば、酸スカベンジャーを電解質溶液と接触させたあとの強力な濾過が必要でなくなる旨の効果を主張している。 しかしながら、本願明細書をみても、酸スカベンジャーをフィルム、膜、被膜、若しくはラティスの形態とした実施例はなく(粉末、あるいはペレットの形態とした実施例がみられるのみである)、当然ながら、酸スカベンジャーを電解質溶液と接触させたあとの強力な濾過が必要でなくなる旨の効果の記載もないことに加えて、そもそも、本願請求項1によれば、酸スカベンジャーを電解質溶液と接触させる時期について、電解液の精製の段階(電気化学的セルに電解液を組み込む前の段階)であることの特定(限定)がなされているわけではなく、本願発明には、電気化学的セルに電解液を組み込んだ後の段階になされる(この場合、酸スカベンジャーは電気化学的セル中に直接組み込まれ、電解液と永続的に接触することになる)ものも含まれるものであり、この点において請求人の上記主張は請求項の記載に基づかないものであるといえる。 以上のことからして、請求人の上記主張は根拠に欠けるものであって採用できない。 6.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-09-26 |
結審通知日 | 2014-09-29 |
審決日 | 2014-10-14 |
出願番号 | 特願2010-518370(P2010-518370) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H01G)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山澤 宏 |
特許庁審判長 |
酒井 伸芳 |
特許庁審判官 |
酒井 朋広 井上 信一 |
発明の名称 | 高電圧電解質 |
代理人 | 中田 隆 |
代理人 | 小林 泰 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 竹内 茂雄 |