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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1298114
審判番号 不服2013-25345  
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-24 
確定日 2015-03-05 
事件の表示 特願2009-132440「太陽光発電システム及び太陽光発電装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年12月 9日出願公開、特開2010-278405〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年6月1日の出願であって、平成25年4月17日付けで拒絶の理由が通知され、これに対し、同年6月21日付けで意見書が提出されるとともに、手続補正がなされたが、その後、同年9月13日付けで拒絶査定がなされた。
本件は、これを不服として、同年12月24日に請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成25年12月24日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成25年12月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的として下記の通りに補正したものである。
「【請求項1】
各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュールと各々の太陽電池モジュールの出力を最大値になるように負荷抵抗を制御し、その出力を入力とする昇圧回路を具備し、かつ各昇圧回路の出力電圧を所定の電圧値に制御して、該昇圧回路の出力電圧を並列接続し、所定の電力を得るようにした太陽光発電システムであっつて、
該太陽電池モジュールは二個以上の太陽電池セルをモノリシック化して直列接続し、集積化して出力電圧を所定値に制御し、かつ各々のモジュール毎に負荷抵抗と昇圧回路とを一体形成するとともに、
前記各々の太陽電池モジュールが光学的に透明な絶縁体基板上に配置され、かつ該絶縁体基板に配線とモジュールと負荷抵抗と昇圧回路とが配設されていることを特徴とする太陽光発電システム。」

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討する。

2 本件補正発明
本件補正発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された上記のとおりのものである。(「第2」[理由]「1」参照。)

3 引用刊行物
(1)引用刊行物1
これに対して、原査定における拒絶の理由で引用し、本願の出願前に頒布された「実願昭63-170037号(実開平2-88255号)のマイクロフィルム 」(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。ただし、下線は当審で付した。
a 考案の詳細な説明の記載
「〔産業上の利用分野〕
この考案は宇宙空間に於いて太陽光エネルギーを有効に利用する太陽電池パネル装置に関するものである。」(第1頁第12?15行)
「〔課題を解決するための手段〕
この考案に係る太陽電池パネル装置は太陽光の各波長に対応して太陽光エネルギーを吸収する各種類の太陽電池セルをそれぞれ太陽電池パネルに取付け、これらの太陽電池パネルを積み重ねて取り付けるようにしたものである。
〔作用〕
この考案における各波長の太陽電池パネルはそれぞれ積み重ねて太陽電池エネルギーを受光するようにしたので、殆んど大部分の太陽光エネルギーを効率良く電力に変換することができる。
〔実施例〕
以下、この考案の一実施例を図について説明する。第1図はこの考案の一実施例を示す太陽電池パネル装置の部分断面図である。
各太陽電池パネル(2a),(2b),(2c)の表面に太陽光の波長に対応して太陽光エネルギーを吸収する太陽電池セル(4a),(4b),(4c)を貼り付ける。ここで、太陽電池セル(4a)は太陽光(3a)の波長(第2図参照)を有する太陽光エネルギーを電力に変換する。また、太陽電池セル(4b)は太陽光(3b)の波長を有する太陽光エネルギーを電力に変換する。また、太陽電池セル(4c)は太陽光(3c)の波長を有する太陽光エネルギーを電力に変換する。すなわち、第2図に示すように太陽電池セル(4a)は0.5×10^(-6)mから1.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3a)を電力に変換し、太陽電池セル(4b)は1.0×10^(-6)mから1.5×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3b)を電力に変換し、太陽電池セル(4c)は1.5×10^(-6)mから2.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3c)を電力に変換して、その殆んどの太陽光エネルギーを電力に変換することになる。」(第2頁最終行?第4頁第12行)
b 図面の記載
「第1図


「第2図


c 引用例1の記載事項の考察
引用例1の第1図の記載によると、太陽光(3b)は太陽電池パネル(2a)を透過し、太陽光(3c)は太陽電池パネル(2a)及び太陽電池パネル(2b)を透過しているから、太陽電池パネル(2a)及び太陽電池パネル(2b)は、少なくとも太陽光の所定の波長の光に対して透明であるといえる。

d 引用例記載の発明
上記a及びbの記載並びにcの考察からすると、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「各太陽電池パネル(2a),(2b),(2c)の表面に太陽光の波長に対応して太陽光エネルギーを吸収する太陽電池セル(4a),(4b),(4c)を貼り付け、
太陽電池セル(4a)は0.5×10^(-6)mから1.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3a)を電力に変換し、太陽電池セル(4b)は1.0×10^(-6)mから1.5×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3b)を電力に変換し、太陽電池セル(4c)は1.5×10^(-6)mから2.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3c)を電力に変換し、
太陽電池パネル(2a)及び太陽電池パネル(2b)は、少なくとも太陽光の所定の波長の光に対して透明である、
太陽電池パネル装置。」

(2)引用刊行物2
また、原査定における拒絶の理由で引用し、本願の出願前に頒布された「特開2002-343986号公報」(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
a 特許請求の範囲の記載
「【請求項3】 請求項1記載の太陽電池において、前記裏面側出力制御部が変圧手段を備え、この変圧手段により前記裏面側単位太陽電池の出力電圧を昇圧して前記受光側単位太陽電池の出力電圧と一致させることを特徴とする太陽電池。」
b 発明の詳細な説明の記載
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受光側太陽電池の出力電圧と裏面側太陽電池の出力電圧とを一致させたタンデム型太陽電池に関する。」
「【0013】本発明においては、上記変圧手段およびそれによる変圧操作の態様は下記(1)?(3)のいずれであってもよい。
(1) 前記受光側出力制御部が変圧手段を備え、この変圧手段により前記受光側単位太陽電池の出力電圧を降圧して前記裏面側単位太陽電池の出力電圧と一致させる。
(2) 前記裏面側出力制御部が変圧手段を備え、この変圧手段により前記裏面側単位太陽電池の出力電圧を昇圧して前記受光側単位太陽電池の出力電圧と一致させる。
(3) 前記受光側出力制御部および前記裏面側出力制御部がそれぞれ変圧手段を備え、これらの変圧手段により前記受光側単位太陽電池の出力電圧および前記裏面側単位太陽電池の出力電圧をそれぞれ変圧して上記出力電圧同士を一致させる。
【0014】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕図1に、本発明による3端子構造の太陽電池の一実施形態を示す。図示した太陽電池10は、それぞれバンドギャップの異なる半導体から成る受光側単位太陽電池としての上部セル12および裏面側単位太陽電池としての下部セル14を積層したタンデム型の太陽電池である。太陽電池10の受光面16に設けられた上部電極18は、上部セル12の一方の電極を構成する。太陽電池10の裏面20に設けられた一対の裏面電極22および24は、裏面20側に形成されたn層26とp層28とにそれぞれ独立して接続されており、下部セル14の一対の電極を構成すると共に、これら一対の電極22,24のうちの一方24が上部セル12の他方の電極としても兼用される。
【0015】受光側出力制御部としての上部セル出力制御部30は、上部セル12の電極対18・24に対して、上部セル12の出力電力が向上するように動作電圧を増減させる操作を行う。裏面側出力制御部としての下部セル出力制御部32は、下部セル14の電極対22・24に対して、下部セル14の出力電力が向上するように動作電圧を増減させる操作を行う。そして、上部セル出力制御部30の操作と下部セル出力制御部32の操作とを交互に実行することにより、特願平11-357365号に詳述したように、上部セル12および下部セル14をそれぞれ最大出力で動作させることにより、太陽電池10の最大出力制御を行う。これは、各出力制御部30、32において負荷R1およびR2または動作電圧の調節により行う。
【0016】本実施形態においては更に、上部セル出力制御部30および下部セル出力制御部32のうちの少なくとも一方が変圧手段34および/または36を備え、この変圧手段34および/または36により上部セル12の出力電圧と下部セル14の出力電圧のうちの少なくとも一方を変圧して出力電圧同士を一致させる。このようにして出力電圧を一致させた上部セル12および下部セル14の出力電力は、共通の出力端子38および40から出力される2端子出力が実現される。
【0017】このように両方の単位太陽電池の出力電圧を一致させることにより、給電対象となる機器に直接接続することが可能となり、かつ複数の太陽電池同士を直接に直列接続することが可能となる。したがって、3端子タンデム型太陽電池を直接に直列接続して、複数の太陽電池を用いて任意の出力電圧を有するモジュールを作製することが可能になる。また、特開平7-202233号公報に開示された接続方法のように上部セルと下部セルの電圧比による接続数の制限が無くなり、上記公報の接続方法では回避できない電圧不整合による電力損失を無くすことができる。もちろん、これらの効果は、図1に例示した構造に限らず全ての3端子タンデム型太陽電池に適用した場合に同様に得られる。」
「【0024】〔実施形態3〕本実施形態においては、図1に示した3端子タンデム型太陽電池において、下部セル出力制御部32のみが変圧手段36を備えており、この変圧手段36により下部セル14の出力電圧を上部セル12の最適作動電圧まで昇圧する。上部セル12と下部セル14の出力電圧差が比較的大きい場合には、出力電圧の大きい上部セル12の変圧を行わないことにより変圧損失を低減できるので、下部セル14の出力電圧を昇圧して上部セル12の出力電圧に一致させることが、太陽電池10全体としての出力電圧を高める上で有利である。本実施形態の適用が好ましい上部セル/下部セルの組み合わせの例としては、図1のように上部セルがタンデム構造となり、下部セルの出力電圧より遥かに大きい(概ね2倍以上)場合が適当である。」
c 図面の記載
「【図1】



4 本件補正発明と引用発明の対比
ここで、本件補正発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明は、「各太陽電池パネル(2a),(2b),(2c)の表面に太陽光の波長に対応して太陽光エネルギーを吸収する太陽電池セル(4a),(4b),(4c)を貼り付け」たものであって、本件補正発明の「太陽電池モジュール」に相当するものを具備しているといえるから、引用発明の「太陽電池セル(4a)は0.5×10^(-6)mから1.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3a)を電力に変換し、太陽電池セル(4b)は1.0×10^(-6)mから1.5×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3b)を電力に変換し、太陽電池セル(4c)は1.5×10^(-6)mから2.0×10^(-6)mの波長の太陽光エネルギー(3c)を電力に変換」する構成は、本件補正発明の「各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュール」「を具備」する構成に相当する。

(2)引用発明は、「各太陽電池パネル(2a),(2b),(2c)の表面に太陽光の波長に対応して太陽光エネルギーを吸収する太陽電池セル(4a),(4b),(4c)を貼り付け、」「太陽電池パネル(2a)及び太陽電池パネル(2b)は、少なくとも太陽光の所定の波長の光に対して透明である」から、本件補正発明の「各々の太陽電池モジュールが光学的に透明な絶縁体基板上に配置され」ている構成に相当する構成を有するものである。

(3)引用発明の「太陽電池パネル装置」は、本件補正発明の「太陽光発電システム」に相当する。

上記(1)乃至(3)の対比から、本件補正発明と引用発明は、
「各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュールを具備する太陽光発電システムであって、
前記各々の太陽電池モジュールが光学的に透明な絶縁体基板上に配置されている太陽光発電システム。」
で一致し、以下a及びbの点で相違する。

(相違点)
a 本件補正発明は、「各々の太陽電池モジュールの出力を最大値になるように負荷抵抗を制御し、その出力を入力とする昇圧回路を具備し、かつ各昇圧回路の出力電圧を所定の電圧値に制御して、該昇圧回路の出力電圧を並列接続し、所定の電力を得るようにし」ているのに対し、引用発明は、そのような構成を有するか不明である点。
b 本件補正発明は、「該太陽電池モジュールは二個以上の太陽電池セルをモノリシック化して直列接続し、集積化して出力電圧を所定値に制御し、かつ各々のモジュール毎に負荷抵抗と昇圧回路とを一体形成するとともに、」「絶縁体基板に配線とモジュールと負荷抵抗と昇圧回路とが配設されている」のに対し、引用発明は、そのような構成を有するか不明である点。

5 当審の判断
以下、上記a及びbの相違点について検討する。
(aの相違点について)
引用例2には、それぞれバンドギャップの異なる半導体から成る上部セル12及び下部セル14を積層したタンデム型の太陽電池(本件補正発明の「各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュール」に相当。)において、上部セル12の電極対18・24に上部セル出力制御部30を、下部セル14の電極対22・24に下部セル出力制御部32をそれぞれ接続し、上部セル出力制御部30及び下部セル出力制御部32の負荷R1およびR2(本件補正発明の「負荷抵抗」に相当。)の調節を行うことにより、上部セル12及び下部セル14をそれぞれ最大出力で動作させ、上部セル出力制御部30及び下部セル出力制御部32はそれぞれ変圧手段34及び36(引用例2の【請求項3】、【0013】、【0024】に「昇圧」することが記載されているから、本件補正発明の「昇圧回路」に相当する。)を備え、この変圧手段34及び36により上部セル12の出力電圧と下部セル14の出力電圧同士を一致させ、上部セル12と下部セル14とを並列接続して、共通の出力端子38及び40から出力させることが、記載(引用例2の【0014】?【0016】、図1)されている。
そして、引用発明も引用例2記載の事項と同様に、バンドギャップの異なる半導体から成るタンデム型の太陽電池であって、出力電圧の異なる複数のセルを給電対象の機器に直接接続することができないという課題を有することは明らかであるから、引用発明の太陽電池セル(4a),(4b),(4c)に対し、引用例2記載の事項を採用して、「各々の太陽電池モジュールの出力を最大値になるように負荷抵抗を制御し、その出力を入力とする昇圧回路を具備し、かつ各昇圧回路の出力電圧を所定の電圧値に制御して、該昇圧回路の出力電圧を並列接続し、所定の電力を得るように」することは、当業者が容易になし得たことである。
(bの相違点について)
太陽電池モジュールにおいて、二個以上の太陽電池セルをモノリシック化して直列接続し、集積化すること、及び、太陽電池の所謂接続箱や集電箱のように、各々のモジュール毎とその接続する回路とを一体形成することは、いずれも周知技術であるから、引用発明の太陽電池パネル装置において、「太陽電池モジュールは二個以上の太陽電池セルをモノリシック化して直列接続し、集積化して出力電圧を所定値に制御し、かつ各々のモジュール毎に負荷抵抗と昇圧回路とを一体形成」することに、格別の困難性はない。さらに、その際に、「絶縁体基板に配線とモジュールと負荷抵抗と昇圧回路と」を「配設」することは、当業者が適宜なし得たことである。

上記a及びbの相違点については以上のとおりであり、本件補正発明によってもたらされる効果は、引用発明、引用例2記載の事項及び周知技術から当業者が予測できる範囲内のものと認められる。
よって、本件補正発明は、引用発明、引用例2記載の事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6 本件補正についての補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成25年12月24日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成25年6月21日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの以下のものである。
「【請求項1】
各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュールと各々の太陽電池モジュールの出力を最大値になるように負荷抵抗を制御し、その出力を入力とする昇圧回路を具備し、かつ各昇圧回路の出力電圧を所定の電圧値に制御して、該昇圧回路の出力電圧を並列接続し、所定の電力を得るようにしたことを特徴とする太陽光発電システム。」

2 引用刊行物及び引用発明
原査定における拒絶の理由で引用した、本願の出願前に頒布された刊行物及びその記載事項、ならびに引用発明は、上記「第2」[理由]「3」に記載したとおりである。

3 本願発明と引用発明との対比及び判断
本願発明は、本件補正発明からその発明特定事項である「太陽電池モジュールは二個以上の太陽電池セルをモノリシック化して直列接続し、集積化して出力電圧を所定値に制御し、かつ各々のモジュール毎に負荷抵抗と昇圧回路とを一体形成するとともに、前記各々の太陽電池モジュールが光学的に透明な絶縁体基板上に配置され、かつ該絶縁体基板に配線とモジュールと負荷抵抗と昇圧回路とが配設されている」構成を省いたものであるから、本願発明と引用発明とは、
「各々の禁制帯幅の異なる複数の太陽電池モジュールを具備する太陽光発電システム。」
で一致し、上記「第2」[理由]「5」で述べた、aの相違点で相違する。

そして、上記aの相違点については、上記「第2」[理由]「5」で述べた通りであるから、本願発明は、引用発明及び引用例2記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-12-16 
結審通知日 2015-01-06 
審決日 2015-01-19 
出願番号 特願2009-132440(P2009-132440)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 門 良成  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 山口 剛
土屋 知久
発明の名称 太陽光発電システム及び太陽光発電装置  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  

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