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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1298580
審判番号 不服2013-3786  
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-27 
確定日 2015-03-11 
事件の表示 特願2008-546395「プログラマブル回路にコンフィギュレーションファイルをダウンロードする方法及び当該コンポーネントを有する装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 6月28日国際公開、WO2007/071617、平成21年 5月21日国内公表、特表2009-520291〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下、「本願」という。)は、2006年12月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年12月20日(以下、「優先日」という。)、フランス国)を国際出願日とする出願であって、平成20年6月17日に特許法第184条の5第1項に規定される書面が提出されるとともに、同日付けで特許法第184条の4第1項の規定による国際出願日における明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)及び要約の翻訳文が提出され、同年6月30日付けで手続補正がなされ、平成21年12月14日付けで審査請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされ、平成24年3月27日付けで拒絶理由通知(同年4月3日発送)がなされ、同年10月3日付けで意見書が提出されるとともに、同日付けで手続補正がなされたが、同年10月25日付けで拒絶査定(同年10月30日謄本送達)がなされたものである。
これに対して、「原査定を取り消す、この出願の発明は、これを特許すべきものとする、との審決を求める。」ことを請求の趣旨として、平成25年2月27日付けで本件審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。
そして、平成25年5月2日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ、同年6月12日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋(同年6月18日発送)がなされ、同年9月18日付けで回答書の提出があったものである。


第2 平成25年2月27日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成25年2月27日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容

平成25年2月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容は、平成24年10月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項12の記載

「 【請求項1】
装置において実現されるプログラマブル回路へのコンフィギュレーションファイルのダウンロード方法であって、
前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理され、前記装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にするプログラマブル回路とを有し、
当該方法は、
前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記コネクタ上にある通信信号を解析するステップと、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードするステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記動作中の接続は、前記接続されている装置が決定された電気レベルを送出するものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記解析ステップは、前記装置がオンである間、連続的に介入する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記連続的に実行される解析ステップは、接続中に前記他の装置により送信された情報を解析することからなる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルが、複数の動作中の接続のコンフィギュレーションに従って選択される、請求項1乃至4何れか一項記載の方法。
【請求項6】
前記装置の主要なファンクションは、前記ダウンロードステップ中は無効とされる、請求項1乃至5何れか一項記載の方法。
【請求項7】
前記装置は、前記ダウンロードステップ中は前記ファンクションの一時的な無効を示すメッセージを送信する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの中央処理ユニットと、
少なくとも1つの他の装置との通信信号を送信するための複数のコネクタと、
前記コネクタにより受信される通信信号の少なくとも一部を処理し、処理装置の少なくとも1つの他の回路に前記通信信号を送信することを可能にするプログラマブル回路と、
を有する処理装置であって、
当該処理装置は、
当該処理装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記通信信号を解析する手段と、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードする手段と、
を有する処理装置。
【請求項9】
前記解析手段は、決定された電気レベルを供給する動作中の接続を決定する、請求項8記載の処理装置。
【請求項10】
前記解析手段は、前記通信信号における前記他の装置により送信された情報を連続的に解析し、前記情報から前記動作中の接続を判断する、請求項8又は9記載の処理装置。
【請求項11】
前記解析手段は、前記コンフィギュレーションファイルを選択するため、前記コネクタにより受信された通信信号のすべてを解析する、請求項8乃至10何れか一項記載の処理装置。
【請求項12】
当該処理装置は、前記ダウンロードする手段にファンクションの一時的な非アクティブ化を示すメッセージを送信する手段を有する、請求項8乃至11何れか一項記載の処理装置。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項各項を「補正前の請求項」という。)

を、

「 【請求項1】
装置において実現されるプログラマブル回路の設定の方法であって、
前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理され、前記装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にするプログラマブル回路とを有し、
当該方法は、
前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記コネクタ上にある通信信号を解析するステップと、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択するステップと、
前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記動作中の接続は、前記接続されている装置が決定された電気レベルを送出するものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記装置の主要なファンクションは、前記ダウンロードステップ中は無効とされる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記装置は、前記ダウンロードステップ中は前記ファンクションの一時的な無効を示すメッセージを送信する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの中央処理ユニットと、
少なくとも1つの他の装置との通信信号を送信するための複数のコネクタと、
前記コネクタにより受信される通信信号の少なくとも一部を処理し、処理装置の少なくとも1つの他の回路に前記通信信号を送信することを可能にするプログラマブル回路と、
を有する処理装置であって、
当該処理装置は、
当該処理装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記通信信号を解析する手段と、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードする手段と、
を有する処理装置。
【請求項6】
前記解析手段は、決定された電気レベルを供給する動作中の接続を決定する、請求項5記載の処理装置。
【請求項7】
前記解析手段は、前記通信信号における前記他の装置により送信された情報を連続的に解析し、前記情報から前記動作中の接続を判断する、請求項5又は6記載の処理装置。
【請求項8】
当該処理装置は、前記ダウンロード中にファンクションの一時的な非アクティブ化を示すメッセージを送信する手段を有する、請求項5記載の処理装置。」(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項各項を「補正後の請求項」という。なお、下線は、補正箇所を示すものとして、出願人が付与したものである。)

に補正するものである。

そして、本件補正は、請求項の削除を目的として、補正前の請求項3ないし請求項5、及び請求項11を削除するとともに、特許請求の範囲の減縮を目的として、本件補正前の請求項1記載の発明を特定するための事項(以下、「発明特定事項」という。)である「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードするステップ」を「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択するステップと、前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップ」に限定するものであり、この限定によって、本件補正前後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が格別変更されるものではない。

したがって、本件補正は、請求項1に記載した発明特定事項を限定するものであって、その補正前後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの(以下、「限定的減縮」という。)に該当し、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げられる事項を目的とするものであると解することができる。

2.独立特許要件

以上のように、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)は、補正前の請求項1に対して、限定的減縮を行ったものと認められる。そこで、本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正により、本件補正発明は、前記「1.補正の内容」において、補正後の請求項1として引用した、次の記載のとおりのものである。

「装置において実現されるプログラマブル回路の設定の方法であって、
前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理され、前記装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にするプログラマブル回路とを有し、
当該方法は、
前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記コネクタ上にある通信信号を解析するステップと、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択するステップと、
前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップと、
を有する方法。」

(2)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

(2-1)引用文献1

本願の優先日前に頒布され、原審の拒絶の査定の理由である上記平成24年3月27日付けの拒絶理由通知において引用された刊行物である、特開平7-171095号公報(平成7年7月11日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は本発明の第1実施例の内視鏡装置1を示す。この第1実施例はフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(以下、FPGAと略記する)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現するようにしたものである。」

B 「【0012】本実施例における装置本体2はユニバーサルな本体であり、この装置本体2は出力制御部11、入出力コネクタ部12、LCDパネル部13、第1FPGA14、第2FPGA15、第3FPGA16、第4FPGA17、CPU18、メモリ部19、電源部20、及び図示しない光源装置とより構成されている。
【0013】上記第1FPGA14等のFPGAは、チップ上に整列した論理ブロックや配線をプログラム素子で接続して論理を構成する大規模なPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)であり、例えば中央部にはマトリクス状に論理ブロックが配置され、周辺部にはI/Oブロックが配置され、論理ブロックの行と列の間、論理ブロックとI/Oブロックの間には内部接続要素で設けてある。そして、論理ブロックとI/Oブロックの機能はプログラムで変更できると共に、内部接続要素による内部接続の状態もプログラムで変更できる。
【0014】そして内蔵メモリに格納されたコンフィグレーション・プログラムにより、論理回路が形成される。このコンフィグレーション・プログラムは電源投入時、又はコマンドにより自動的に外部メモリからロードすることができるし、システム初期化時等にマイクロプロセッサによりプログラムすることも可能である。」

C 「【0019】第3FPGA16は入出力コネクタ部12(複数のコネクタにどの信号を出力するかを切り換えるリレー等から成る)の制御部を構成する。図1では入出力コネクタ部12の1つのコネクタにライトガイドケーブル22を介して硬性内視鏡3が接続され、この硬性内視鏡3のライトガイドに照明光を供給する。
【0020】また、入出力コネクタ部12の1つのコネクタに信号ケーブル23を介して外付けTVカメラ4と接続され、外付けTVカメラ4に内蔵された図示しない撮像素子にドライブ信号を印加すると共に、読み出させた映像信号を第3FPGA16を経て第1FPGA14に転送し、第1FPGA14で映像信号処理して図示しないD/Aコンバータ等を経てカラーモニタに出力する。
【0021】また、入出力コネクタ部12の1対のコネクタは高周波ケーブル24、Pコード25を介して電気メス本体5A及びPプレート5Bにそれぞれ接続され、高周波電流によりポリープ等の不要組織の切除等を行うことができる。」

D 「【0024】次にこの実施例の動作を以下に説明する。初期状態では各FPGAは何も機能的な回路を構成していない。予め、設定したい機器に適合した出力制御部11、入出力コネクタ部12を装着する。
【0025】次に、キーボード7からのプログラム読み込み指示のキー入力、もしくは同様の情報を記録したICカード9(外付けROM、フロッピィ.ディスク、GP-IB、RS232Cインターフェース等も可能)により、接続される機器に対応した制御機器の回路をFPGAで構成するためのプログラムをメモリ部19のROMから入力されるようにする。
【0026】この場合、FPGAで構成するためのプログラムはメモリ部19のROMでなく、外部入力手段より入力しても良い。CPU18が上記プログラムを解読し、各FPGAを設定したい制御機器に対応した回路に書き換える。これらの動作により装置本体2は希望の制御機器に設定され、接続された機器を駆動したり、制御したり、信号処理したりできる。」

E 「【0029】上記第1実施例では装置本体2に接続して使用する機器に対し、キーボード7等から接続された機器に応じた制御機器を構成するように指示或は選択することが必要になる。これに対し、接続される機器を検知して接続される機器に対応した制御機器を構成するようにしても良い。
【0030】また、第1実施例では装置本体2は接続される複数の各機器に対する制御機器の機能を備えている場合で説明したが、接続される複数の機器全てに対して制御機器の機能を実現するものに限定されるものでなく、一部は周辺装置が接続されるものでも良い。」

F 本発明の第1実施例を示すブロック図である図1から、“FPGAが、CPUやメモリ部等と内部バスで接続されている”態様が読み取れる。

ここで、上記引用文献1に記載されている事項を検討する。

(ア)上記Aの「第1実施例はフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(以下、FPGAと略記する)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現するようにしたもの」との記載、上記Bの「FPGAは、チップ上に整列した論理ブロックや配線をプログラム素子で接続して論理を構成する大規模なPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)」との記載からすると、引用文献1には、
“PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現する方法”
が記載されていると解される。

(イ)上記Aの「フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(以下、FPGAと略記する)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現する」との記載、上記Bの「本実施例における装置本体2はユニバーサルな本体であり・・・入出力コネクタ部12、・・・第1FPGA14、第2FPGA15、第3FPGA16、第4FPGA17、CPU18、メモリ部19・・・より構成されている」との記載、上記Cの「図1では入出力コネクタ部12の1つのコネクタにライトガイドケーブル22を介して硬性内視鏡3が接続され・・・また、入出力コネクタ部12の1つのコネクタに信号ケーブル23を介して外付けTVカメラ4と接続され・・・また、入出力コネクタ部12の1対のコネクタは高周波ケーブル24、Pコード25を介して電気メス本体5A及びPプレート5Bにそれぞれ接続」との記載、上記Dの「装置本体2は希望の制御機器に設定され、接続された機器を駆動したり、制御したり、信号処理したりできる」との記載、また、装置本体が入出力コネクタ部を介して接続される周辺機器と通信信号の送受信を行うことは自明の事項であるから、引用文献1には、
“装置本体は、少なくとも1つの周辺機器との通信信号の送信のための複数のコネクタ部と、前記コネクタ部から受信した通信信号が処理されるPLD”を有する
態様が記載されていると解される。

(ウ)上記Bの「内蔵メモリに格納されたコンフィグレーション・プログラムにより、論理回路が形成される」との記載、上記Dの「接続される機器に対応した制御機器の回路をFPGAで構成するためのプログラムをメモリ部19のROMから入力されるようにする」との記載、上記Eの「装置本体2に接続して使用する機器に対し・・・接続される機器を検知して接続される機器に対応した制御機器を構成するようにしても良い」との記載からすると、当該方法が、
“少なくとも1つの周辺機器の接続を検知して、前記少なくとも1つの周辺機器に対応した制御機器の回路をPLDで構成するためのコンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力”するステップ、を有する
態様が記載されていると解される。

以上、(ア)ないし(ウ)で指摘した事項を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現する方法であって、
装置本体は、少なくとも1つの周辺機器との通信信号の送信のための複数のコネクタ部と、前記コネクタ部から受信した通信信号が処理されるPLDとを有し、
当該方法は、
前記少なくとも1つの周辺機器の接続を検知して、前記少なくとも1つの周辺機器に対応した制御機器の回路を前記PLDで構成するためのコンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力するステップ、
を有する方法。」

(2-2)引用文献2

本願の優先日前に頒布され、原審の拒絶の査定の理由である上記平成24年3月27日付けの拒絶理由通知において引用された刊行物である、特開平10-171744号公報(平成10年6月26日出願公開。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

G 「【0019】図1は、本発明のデータ伝送装置の構成を示すブロック図である。このデータ伝送装置は、PCカード1が装着されるカードソケット2、プログラムに従って論理構成を変更できる素子であるプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)3、アプリケーションの実行に関わる回路部分であるバックエンドデバイス4、このデータ伝送装置の動作を制御するCPU5、PLD3に供給されるプログラムを格納するROM6、CPU5からの制御信号に基づいて出力電圧が制御される電源回路13を含んで構成されている。また、上記の各部は後述する信号線7?12により互いに接続されている。
・・・(中略)・・・
【0022】PLD3は、その論理回路をプログラムに基づいて構成するLSIであり、ROM6に格納されたプログラムをCPU5の制御により転送(ダウンロード)することにより、回路基板上に実装したまま(オンボード)で、その論理回路構成を繰り返し変更できるものである。
【0023】このようなPLDとしては、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を用いることができる。・・・(後略)」

H 「【0026】CPU5は、このデータ伝送装置のインタフェース部全体の動作を制御するものであり、カードソケット2に装着されたPCカードの種類を判別し、その判別結果に基づいてROM6からPLD3に所定のインタフェースを設定するためのプログラムをダウンロードする制御を行う。この判別は、PCカード1がカードソケット2に装着される時に、コネクタ部の特定のピンの信号を参照することにより行われる。」

(3)参考文献に記載されている技術的事項

本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2006-181888号公報(平成18年7月13日出願公開。以下、「参考文献」という。)には、図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。)

J 「【0027】
さらに、CPU71には、バス79を介して、印刷装置1を含む外部機器との通信を行うための外部接続インタフェース76と、操作者に操作画面を表示するためのディスプレイ771の画面表示処理を行う表示制御部77と、操作者が操作の入力を行うキーボード781やマウス782が接続され、それらの入力の検知を行う入力検知部78とが接続されている。そして、パーソナルコンピュータ2は、外部接続インタフェース76を介してどのような外部機器が自身に接続しているのかを検出するための検出信号を、起動時と、起動後に定期的に送信し、その検出信号に応じて外部機器から返信される信号を受信して接続機器の状態を判断している。」

(4)本件補正発明と引用発明との対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

(4-1)引用発明の「装置本体」、「周辺機器」、及び「PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)」は、それぞれ、本件補正発明の「装置」、「他の装置」、及び「プログラマブル回路」に相当する。そして、引用発明の「PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現する」とは、装置本体に接続使用される周辺機器に対応した機能を実現させるためにPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を設定することに他ならない。
そうすると、引用発明の「PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を使用して、接続使用される周辺機器に対応した駆動、制御、或は信号処理等の制御機器の機能を実現する方法」は、本件補正発明の「装置において実現されるプログラマブル回路の設定の方法」に相当するといえる。

(4-2)引用発明の「コネクタ部」は、本件補正発明の「コネクタ」に相当する。
そうすると、引用発明の「装置本体は、少なくとも1つの周辺機器との通信信号の送信のための複数のコネクタ部と、前記コネクタ部から受信した通信信号が処理されるPLDとを有」することと、本件補正発明の「前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理され、前記装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にするプログラマブル回路とを有」することとは、“前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理されるプログラマブル回路とを有”する点で共通する。

(4-3)引用発明の「検知」は、本件補正発明の「検出」に相当する。また、引用発明の「周辺機器の接続を検知」することは、周辺機器との通信を可能にする動作中の接続を検知することに他ならない。
そうすると、引用発明の「前記少なくとも1つの周辺機器の接続を検知」することと、本件補正発明の「前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出する」こととは“少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出”する点で共通する。

(4-4)引用発明の「コンフィグレーション・プログラム」は、本件補正発明の「コンフィギュレーションファイル」に相当する。
そして、上記Eの「第1実施例では装置本体2は接続される複数の各機器に対する制御機器の機能を備えている」との記載からすると、引用発明の「メモリ部」には、接続される複数の周辺機器に対応した回路を構成するための複数の「コンフィグレーション・プログラム」が格納されていることは自明の事項であり、そうすると、引用発明の「前記少なくとも1つの周辺機器に対応した制御機器の回路を前記PLDで構成するためのコンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力する」とは、複数のコンフィグレーション・プログラムから接続が検知された周辺機器に対応するコンフィグレーション・プログラムを選択し、当該選択されたコンフィグレーション・プログラムをメモリ部からPLDにダウンロードすることに他ならない。
してみると、引用発明の「前記少なくとも1つの周辺機器に対応した制御機器の回路を前記PLDで構成するためのコンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力する」ことは、本件補正発明の「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択」し「前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードする」ことに相当するといえる。

以上から、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

(一致点)

「装置において実現されるプログラマブル回路の設定の方法であって、
前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理されるプログラマブル回路とを有し、
当該方法は、
少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出し、前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択し、前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップ
を有する方法。」

(相違点1)

プログラマブル回路に関して、本件補正発明が、「装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にする」ものであるのに対して、引用発明は、そのようなものであるか不明である点。

(相違点2)

他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するタイミングに関して、本件補正発明が、「装置のパワーアップ時」であるのに対して、引用発明は、そのようであるか不明である点。

(相違点3)

他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するために、本件補正発明が、「コネクタ上にある通信信号を解析する」ものであるのに対して、引用発明は、他の装置との接続をどのように検知するか不明である点。

(相違点4)

本件補正発明が、「前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記コネクタ上にある通信信号を解析するステップ」と、「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択するステップ」と、「前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップ」の3つのステップを有するものから構成されているのに対して、引用発明は、「前記少なくとも1つの周辺機器の接続を検知して、前記少なくとも1つの周辺機器に対応した制御機器の回路を前記PLDで構成するためのコンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力するステップ」の1つのステップを有するものである点。

(5)当審の判断

上記相違点1ないし相違点4について検討する。

(5-1)相違点1について

上記Fに記載されるように、本発明の第1実施例を示すブロック図である図1から、“FPGAが、CPUやメモリ部等と内部バスで接続されている”態様が読み取れる。そして、当該構成においてFPGAが内部バスで接続されているCPUやメモリ部へ通信信号の送信を可能にすることは、当業者にとって自明の事項である。
してみると、引用発明においても、PLDの構成として、“装置本体の少なくとも1つの周辺機器への通信信号の送信を可能にする”ように構成すること、すなわち上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点1は格別なものではない。

(5-2)相違点2について

当該技術分野において、起動時(本件補正発明の「パワーアップ時」に相当)に、本体装置に対してどのような外部機器(本件補正発明の「他の装置」に相当)が接続されているかを確認することは、上記参考文献(上記J参照)にも記載されるように、従来から当業者が普通に採用している周知慣用技術に他ならない。
してみると、引用発明においても、パワーアップ時に本体装置に接続されている周辺機器を検知するように構成すること、すなわち上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点2は格別なものではない。

(5-3)相違点3について

上記引用文献2(上記G及びH参照)及び参考文献(上記J参照)に記載されているように、コネクタ部に接続されている外部機器の判別を、コネクタ部からの信号を解析することによって判別する技術は、本願出願時に当該技術分野において、適宜に採用されていた周知技術であった。
してみると、引用発明においても、当該周知技術を採用し、周辺機器との通信を可能にする動作中の接続を検出するために、コネクタ上にある通信信号を解析するように構成すること、すなわち上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

よって、相違点3は格別なものではない。

(5-4)相違点4について

上記(4-3)及び(4-4)で検討したように、本件補正発明と引用発明1は、「少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出し、前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択し、前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップ」を有する点で共通している。
そして、当該ステップをどのようなステップに分けて構成するかについては、当業者が適宜に定め得る設計的事項にすぎず、引用発明においても、本件補正発明と同様の3つのステップを有する構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。

よって、相違点4は格別なものではない。

(5-5)小括

上記で検討したごとく、相違点1ないし相違点4は格別のものではなく、そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、上記引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本件補正発明は、上記引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(6)補正後の請求項5について

ここで、補正後の請求項5についても、検討しておく。
(なお、補正後の請求項5は、本件補正で何ら補正されておらず、補正前の請求項8と同一である。)

(6-1)引用文献及び参考文献に記載されている技術的事項

上記「(2)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定」及び「(3)参考文献に記載されている技術的事項」に記載したとおりである。

そして、上記AないしEの記載からすると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明a」という。)が記載されているものと認められる。

「少なくとも1つのCPUと、
少なくとも1つの周辺機器との通信信号を送信するための複数のコネクタ部と、
前記コネクタ部により受信される通信信号の少なくとも一部を処理することを可能にするPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)と、
を有する装置本体であって、
当該装置本体は、
前記少なくとも1つの周辺機器との通信を可能にする動作中の接続を検知する手段と、
前記検知された動作中の接続の存在に従って、コンフィグレーション・プログラムをメモリ部から入力する手段と、
を有する装置本体。」

(6-2)補正後の請求項5に記載された発明と引用発明aとの対比

引用発明aの「CPU」及び「装置本体」は、それぞれ、補正後の請求項5に記載された発明の「中央処理ユニット」及び「処理装置」に相当する。

そして、上記「(4)本件補正発明と引用発明との対比」で検討した内容を踏まえると、補正後の請求項5に記載された発明と引用発明aとは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。

(一致点)

「少なくとも1つの中央処理ユニットと、
少なくとも1つの他の装置との通信信号を送信するための複数のコネクタと、
前記コネクタにより受信される通信信号の少なくとも一部を処理するプログラマブル回路と、
を有する処理装置であって、
当該処理装置は、
少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出する手段と、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルをダウンロードする手段と、
を有する処理装置。」

(相違点1a)

プログラマブル回路に関して、補正後の請求項5に記載された発明が、「処理装置の少なくとも1つの他の回路に前記通信信号を送信することを可能にする」ものであるのに対して、引用発明aは、そのようなものであるか不明である点。

(相違点2a)

他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するタイミングに関して、補正後の請求項5に記載された発明が、「処理装置のパワーアップ時」であるのに対して、引用発明aは、そのようであるか不明である点。

(相違点3a)

他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するために、補正後の請求項5に記載された発明が、「通信信号を解析する」ものであるのに対して、引用発明aは、他の装置との接続をどのように検知するか不明である点。

(6-3)判断

相違点1aないし相違点3aは、それぞれ、上記相違点1ないし相違点3に相当している。

そうすると、上記「(5)当審の判断」で検討した内容と同様の理由により、相違点1aないし相違点3aは、格別のものではなく、そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、補正後の請求項5に記載された発明の奏する作用効果は、上記引用発明a及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、補正後の請求項5に記載された発明は、上記引用発明a及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3.むすび

以上のように、本件補正は、上記「2.独立特許要件」で指摘したとおり、補正後の請求項1及び請求項5に記載された発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件審判請求の成否について

1.本願発明の認定

平成25年2月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、平成24年10月3日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「装置において実現されるプログラマブル回路へのコンフィギュレーションファイルのダウンロード方法であって、
前記装置は、少なくとも1つの他の装置との通信信号の送信のための複数のコネクタと、前記コネクタから受信した通信信号が処理され、前記装置の少なくとも1つの他の回路への前記通信信号の送信を可能にするプログラマブル回路とを有し、
当該方法は、
前記装置のパワーアップ時に少なくとも1つの他の装置との通信を可能にする動作中の接続を検出するため、前記コネクタ上にある通信信号を解析するステップと、
前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードするステップと、
を有する方法。」

2.引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

原査定の拒絶の理由に引用された、引用文献およびその記載事項は、前記「第2 平成25年2月27日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」の「(2)引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、前記「第2 平成25年2月27日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」で検討した本件補正発明における「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを選択するステップと、前記選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルを前記プログラマブル回路にダウンロードするステップ」を「前記検出された動作中の接続の存在に従って、コンフィギュレーションファイルセットから選択された少なくとも1つのコンフィギュレーションファイルをダウンロードするステップ」としたものである。

そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本件補正発明が、上記「第2 平成25年2月27日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」の「(4)本件補正発明と引用発明との対比」ないし「(5)当審の判断」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特定の限定を省いた本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.本願の請求項8について

補正後の請求項5に記載された発明は、前記「第2 平成25年2月27日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.独立特許要件」の「(6)補正後の請求項5について」に記載したとおり、引用発明a及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、補正後の請求項5に記載された発明と同一である本願の請求項8に記載された発明もまた、同様の理由により、引用発明a及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび

以上のとおり、本願の請求項1及び請求項8に記載された発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-10-09 
結審通知日 2014-10-14 
審決日 2014-10-27 
出願番号 特願2008-546395(P2008-546395)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 多賀 実  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 田中 秀人
木村 貴俊
発明の名称 プログラマブル回路にコンフィギュレーションファイルをダウンロードする方法及び当該コンポーネントを有する装置  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠重  

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