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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B
管理番号 1298857
審判番号 不服2013-24373  
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-11 
確定日 2015-03-20 
事件の表示 特願2012- 85067「カメラモジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月19日出願公開,特開2012-137789〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は,平成20年5月9日に出願した特願2008-123217号(以下,「原出願」という。)の一部を平成24年4月4日に新たな特許出願としたものであって,平成25年4月10日付けで拒絶理由が通知され,同年6月10日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年9月17日付けで拒絶査定がなされたところ,同年12月11日に拒絶査定不服審判が請求され,当審において,平成26年11月14日付けで拒絶の理由が通知され,同年12月26日に意見書が提出されたものである。


2 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明は,平成25年6月10日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6によって特定されるものであるところ,請求項1に係る発明は次のとおりのものと認められる。

「レンズアセンブリを保持するための筒状部を有するレンズホルダと,該レンズホルダに前記筒状部の周囲に位置するように固定された駆動コイルと,該駆動コイルと対向する永久磁石を備えたヨークと,前記レンズホルダの筒状部の光軸方向両側に設けられ,前記レンズホルダを径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する上側板バネおよび下側板バネと,を備えたアクチュエータ本体と,
撮像素子を搭載するセンサ基板と,
前記アクチュエータ本体と前記センサ基板との間に配置され,アクチュエータ・ベースとセンサ・ベースとの役割を果たす1つの部材から構成されるベース部材と,
から構成されるカメラモジュールであって,
前記アクチュエータ本体と前記ベース部材との組み合わせによってアクチュエータ部が構成され,
前記アクチュエータ部が前記センサ基板に取り付けられることを特徴とするカメラモジュール。」(以下,「本願発明」という。)


3 当審において通知した拒絶の理由の概要
当審において平成26年11月14日付けで通知した拒絶の理由のうち,請求項1に係る発明(すなわち本願発明)に関する拒絶の理由の概要は,
請求項1に記載されたアクチュエータ・ベースの役割及びセンサ・ベースの役割がそれぞれどのような機能を指すのか特定することができないため,請求項1に係る発明が明確でないから,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に規定する要件を満たしておらず,かつ,
本願の請求項1に係る発明は,引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,同法29条2項の規定により特許を受けることができない,
というものである。
請求項1に係る発明に関する前記拒絶の理由のうち,特許法29条2項の規定に係るものを,以下,「当審拒絶理由」という。
当審拒絶理由で引用した引用文献1及び2は,次のとおりである。
引用文献1:特開2006-258969号公報
引用文献2:国際公開第2008-053710号


4 引用例
(1)特開2006-258969号公報
ア 特開2006-258969号公報の記載
当審拒絶理由で引用した特開2006-258969号公報(当審拒絶理由における引用文献1。以下,「引用刊行物1」という。)は,特許法44条2項の規定により本願の出願時とみなされる原出願の出願時(以下,単に「本願の出願時」という。)より前に頒布された刊行物であって,当該引用刊行物1には次の記載がある。(下線は,後述する引用発明の認定に特に関係する箇所を示す。)
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は,カメラ付携帯電話に関し,さらに詳しくは,オートフォーカス機能を有するカメラ付携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付携帯電話において,撮像素子の画素数が100万画素以上のメガピクセル化するに伴い,オートフォーカス機能が要求されるようになってきている。このオートフォーカス機能を実現するために,コイルに流れる電流により発生する磁界と,永久磁石による磁界との相互作用によって,光軸方向にレンズを移動させることができるアクチュエータが使用されている。例えば,カメラ付携帯電話に搭載されるアクチュエータの外形寸法は,縦約10mm,横約10mm,厚さ約5mmである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のカメラ付携帯電話に取り付けられるアクチュエータでは,オートフォーカスの際,フォーカス位置にレンズを移動させるために,コイルに流れる電流を急激に変化させる。これにより,レンズはフォーカス位置まで移動する。しかしながら,レンズはバネによって光軸方向に移動可能に支持されているため,電流が急激に変化した場合には,レンズは,フォーカス位置で直ちに停止せず光軸方向に機械的に振動する。この振動は過渡応答と言われ,振動の振幅が大きいとフォーカスを行うことができない。この過渡応答が収束するまでに時間がかかることによって,オートフォーカスに時間がかかるという問題がある。
【0004】
例えば,フォーカスが可能なレンズの振動の振幅は,最大9μmである。
本発明は,これらの問題点に鑑みなされたものであり,その目的は,オートフォーカスに要する時間を短縮したカメラ付携帯電話を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために,本発明のカメラ付携帯電話は,一端にレンズが取り付けられた筒状部を有するホルダと,前記ホルダに該ホルダの前記筒状部の周囲に位置するように固定されたコイルと,前記コイルと対向する永久磁石を備えたヨークと,前記ホルダの筒状部の光軸方向両側に設けられ,前記ホルダを径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する一対の板バネとを備え,前記コイルに通電することで,前記永久磁石の磁界と前記コイルに流れる電流による磁界との相互作用によって,前記レンズを光軸方向に位置調節可能なアクチュエータを備えたカメラ付携帯電話において,
前記コイルに流れる電流が急激に変化することによって,前記レンズが光軸方向に振動する過渡応答を抑制する過渡応答抑制手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0006】
以上のような構成を有するカメラ付携帯電話では,過渡応答抑制手段は,フォーカスのために,コイルに流れる電流の急激な変化によってレンズが光軸方向に振動する過渡応答を抑制する。これにより,過渡応答が収束するまでの時間を短縮することができ,オートフォーカスに要する時間を短縮することができる。」

(イ)「【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下,添付図面に基づいて,本発明のカメラ付携帯電話について説明する。本明細書においては,上および下の文言を適宜使用するが,図4に示す矢印の向きを上方向とし,この矢印の逆の向きを下方向とする。
【0016】
本発明が適用可能なカメラ付携帯電話の一例として,図1を用いて説明する。図1のカメラ付携帯電話1は,折りたたまれた状態を示す。カメラ付携帯電話1の所定位置にカメラモジュール2が取り付けられている。これにより,使用者は,カメラ付携帯電話1を用いて撮影することができる。
【0017】
次いで,カメラモジュール2の構成の概略を,図2を用いて説明する。カメラモジュール2は,基板4と,基板4上に載置された撮像素子7と,撮像素子7と間隔を置いて,基板4上に載置された電子部品8と,基板4と組み合わされて撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成する封止部材6と,封止部材6上に載置されたアクチュエータ3とを有している。
【0018】
以下,本発明が適用可能なカメラ付携帯電話の一例として,オートフォーカス可能なカメラ付携帯電話1に備えられ,光軸方向にレンズを移動させることができるアクチュエータ3の基本構成について説明する。
【0019】
アクチュエータ3の基本構成は,図2,図3および図4に示すように,一端にレンズ5が取り付けられる筒状部11とその筒状部11の他端の外周に設けられたフランジ部12とを有するホルダ10と;ホルダ10のフランジ部12に,筒状部11の周囲に間隔をおいて設けられたコイル20と;ホルダ10の筒状部11が挿通する挿通孔35を有する内筒部31と,内筒部31の外側に所定間隔をおいて設けられた外筒部32と,内筒部31および外筒部32のホルダ10のフランジ部12とは反対側の端部が一体に連結する連結部34とを有し,内筒部31と外筒部32との間にある所定間隔のスペースにコイル20を収容するように構成された円形状のヨーク30と;円形状のヨーク30の外筒部32の内周面にコイル20と間隔を置いて対向するように配置された複数の永久磁石40と;永久磁石40の円形状のヨーク30の連結部34と反対側の面に当接した状態で,永久磁石40を連結するように配置された磁性部材50と;ホルダ10の筒状部11の光軸方向両側に設けられ,ホルダ10を径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60と;上側板バネ60Uを,ホルダ10との間で挟持するように,ホルダ10と嵌合するストッパ70と;ストッパ70および下側板バネ60Lのそれぞれの光軸方向外側に設けられ,板バネ60をヨーク30の光軸方向両端面との間でそれぞれ挟持するとともに,少なくともホルダ10に取り付けられるレンズ5に対応する部分にそれぞれ開口を有する一対の支持枠をなすカバー80およびベース85と;コイル20に電力を供給するために,下側板バネ60Lとベース85との間に配置されたシート状電極90と;から構成されている。」

(ウ)「【図面の簡単な説明】
【0043】
・・・(中略)・・・
【図2】図1に示すカメラモジュールの断面図である。
【図3】本発明のアクチュエータの斜視図である。
【図4】アクチュエータの基本構成を示す分解斜視図である。
・・・(中略)・・・
【図2】

【図3】

【図4】



イ 引用刊行物1に記載された発明
引用刊行物1の図2(前記ア(ウ)を参照。)より,ベース85がアクチュエータ3を構成する部材の中で最も基板4側に位置しており,封止部材6が基板4とベース85との間に位置していることを見て取れるから,前記ア(ア)ないし(ウ)から,引用刊行物1にはカメラ付携帯電話1に用いられるカメラモジュール2についての次の発明が記載されていると認められる。

「基板4と,基板4上に載置された撮像素子7と,撮像素子7と間隔を置いて基板4上に載置された電子部品8と,基板4と組み合わされて撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成する封止部材6と,封止部材6上に載置されて光軸方向にレンズを移動させることができるアクチュエータ3とを有し,
前記アクチュエータ3が,
一端にレンズ5が取り付けられる筒状部11とその筒状部11の他端の外周に設けられたフランジ部12とを有するホルダ10と,
ホルダ10のフランジ部12に,筒状部11の周囲に間隔をおいて設けられたコイル20と,
ホルダ10の筒状部11が挿通する挿通孔35を有する内筒部31と,内筒部31の外側に所定間隔をおいて設けられた外筒部32と,内筒部31および外筒部32のホルダ10のフランジ部12とは反対側の端部が一体に連結する連結部34とを有し,内筒部31と外筒部32との間にある所定間隔のスペースにコイル20を収容するように構成された円形状のヨーク30と,
円形状のヨーク30の外筒部32の内周面にコイル20と間隔を置いて対向するように配置された複数の永久磁石40と,
永久磁石40の円形状のヨーク30の連結部34と反対側の面に当接した状態で,永久磁石40を連結するように配置された磁性部材50と,
ホルダ10の筒状部11の光軸方向両側に設けられ,ホルダ10を径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60と,
上側板バネ60Uを,ホルダ10との間で挟持するように,ホルダ10と嵌合するストッパ70と,
ストッパ70および下側板バネ60Lのそれぞれの光軸方向外側に設けられ,板バネ60をヨーク30の光軸方向両端面との間でそれぞれ挟持するとともに,少なくともホルダ10に取り付けられるレンズ5に対応する部分にそれぞれ開口を有する一対の支持枠をなすカバー80およびベース85と,
コイル20に電力を供給するために,下側板バネ60Lとベース85との間に配置されたシート状電極90と,
から構成され,
前記ベース85がアクチュエータ3を構成する部材の中で最も基板4側に位置し,前記封止部材6が基板4とベース85との間に位置しており,
カメラ付携帯電話1に用いられるカメラモジュール2。」(以下,「引用発明」という。)

(2)国際公開第2008-053710号
ア 国際公開第2008-053710号の記載
当審拒絶理由で引用した国際公開第2008-053710号(当審拒絶理由における引用文献2。以下,「引用刊行物2」という。)は,本願の出願時より前(平成20年5月8日)に頒布された刊行物であって,当該引用刊行物2には次の記載がある。(下線は,後述する引用刊行物2記載のカメラモジュールの認定に特に関係する箇所を示す。)
(ア)「[0007](第1の実施の形態)
次に本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(A),(B)は本実施の形態に係るカメラモジュール22を有する撮像装置20が組み込まれた電子機器の一例を示す外観図である。
図1に示すように電子機器10は携帯電話機であり,ヒンジ部12によって揺動可能に連結された第1,第2の筐体14,16を有している。
第1の筐体14の内面には液晶表示パネル1402が設けられ,第2の筐体16の内面にはテンキーや機能キーなどの操作スイッチ1602が設けられている。
撮像装置20は,第1の筐体14の基端部に組み込まれ,撮像装置20で撮像した画像は液晶表示パネル1402に表示されるように構成されている。
[0008] 図2は撮像装置20を構成するカメラモジュール22とソケット24の分解斜視図,図3はソケット24の平面図,図4は基板30の平面図,図5はカメラモジュール22,ソケット24およびカバー26の分解斜視図,図6は図5のAA線断面図,図7は図5のBB線断面図,図8は図7のA部拡大図である。
図2,図5に示すように,撮像装置20は,カメラモジュール22と,カメラモジュール22が装着されるソケット24と,ソケット24に装着されるカバー26とを含んで構成されている。
以下では,まず,本発明に係るカメラモジュール22の構成を簡単に説明し,次いで,ソケット24およびカバー26について詳細に説明し,最後にカメラモジュール22の構成について詳細に説明する。
図2に示すように,カメラモジュール22は,ケース28と,撮像素子29(図7参照)と,信号処理部と,基板30と,接片32(図4参照)とを含んで構成されている。
ケース28は,長方形板状(矩形板状)を呈し,厚さ方向の一方に位置する上面2802と,厚さ方向の他方に位置する下面2804と,2つの長辺に沿って位置する2つの長辺側側面2806と,2つの短辺に沿って位置する2つの短辺側側面2808とを備えている。
ケース28には被写体像を前記撮像素子に導く撮影光学系34が組み込まれ,撮影光学系34はケース28の上面2802に臨むように配置されている。
本実施の形態では,ケース28は合成樹脂製で,図2に示すように,上面2802および2つの長辺側側面2806を覆うようにカメラ本体用遮蔽板2810が設けられている。
したがって,本実施の形態では,ケース28は導電性を有するカメラ本体用遮蔽板2810を含んで構成されている。
[0009] 撮像素子29は,撮影光学系34によって導かれた被写体像を撮像するものであり,ケース28の内部で撮影光学系34の後方(撮像側)の箇所に組み込まれている。
前記信号処理部は,撮像素子29から出力される撮像信号を入力して所定の信号処理を行なうものである。
[0010] 基板30は,図2に示すように,ケース28の下面2804に取着され,長方形状(矩形状)を呈している。
基板30がケース28に臨む上面3002には,撮像素子29および前記信号処理部を構成する複数の電子部品31が実装されている。
図4に示すように,複数の接片32(接続パッド)は,基板30がケース28と反対側に臨む下面3004の2つの長辺に沿って並べられて形成されている。
・・・(中略)・・・
[0026] 次に,本発明に係るカメラモジュール22の構成について詳細に説明する。
図12,図13はカメラモジュール22の斜視図,図14はカメラモジュール22の分解斜視図,図15はカメラモジュール22の組み立て説明図,図16は図13のAA線断面図である。
カメラモジュール22は,前述したように,ケース28と,撮像素子29と,信号処理部と,基板30と,接片32に加え,図14乃至図16に示すように,レンズ保持部68と,スプリング70と,駆動部72などを含んで構成されている。
本実施の形態では,ケース28は鏡筒部66により構成され,鏡筒部66は前鏡筒78と後鏡筒80とを含んで構成されている。
[0027] 図17は前スプリング70Aが取着された前鏡筒78の後面図である。
鏡筒部66は,図16に示すように,レンズ保持部68を収容するための収容空間Sを有している。
鏡筒部66は,前鏡筒78と後鏡筒80とが結合されることで構成され,前鏡筒78は,図14,図16,図17に示すように,撮影光学系34の光軸の周囲に位置し収容空間Sの側面を仕切る周壁7802を含んで構成されている。
前鏡筒78は合成樹脂材料を金型で成形することで形成され,周壁7802は4つの側壁を有する矩形枠状を呈している。
より詳細には周壁7802は,図17に示すように,互いに対向する1組の第1側壁7802Aと,互いに対向する残りの1組の第2側壁7802Bとを有している。
それら側壁7802A,7802Bは前記光軸方向に沿った高さとこの高さに直交する方向の幅を有し,本実施の形態では,図15,図17に示すように,2つの第1側壁7802Aの内面で幅方向の中央に膨出壁7808が高さ方向に沿って延在形成されている。
この膨出壁7808の前端に,膨出壁7808の幅方向の両端に突出する突起7810が形成され,膨出壁7808の後端に,図17に示すように,二股状のスプリング用押さえ片7812が突出形成されている。
また,2つの第1側壁7802Aの後端に,後鏡筒80に結合するための係合ピン7814がそれぞれ突設されている。
[0028] 図18,図19はコイル76が取着された後鏡筒80の斜視図,図20,図21はコイル76および基板30が取着された後鏡筒80の斜視図,図22は後鏡筒80の平面図,図23は基板30,光学フィルタ31およびコイル76が取着された後鏡筒80の平面図,図24は図20のBB線断面図である。
後鏡筒80は,図14,図16,図22に示すように,後端面壁8002と,コイル取着用壁部8004と,開口8006と,係合突起8001とを有している。
後端面壁8002は,前記光軸と直交する面上を延在し収容空間Sの前記光軸方向の後端を閉塞する矩形状に形成されている。
図18,図19,図20に示すように,後端面壁8002は,互いに対向する2組の辺8002A,8002Bを有し,一方の1組の辺8002Aに,係合ピン7814が係合される係合孔8030が形成されている。
そして,残りの1組の辺8002Bにコイル取着用壁部8004が設けられ,言い換えると,コイル取着用壁部8004は,前記光軸を挟んだ後端面壁8002の2箇所に設けられている。
コイル取着用壁部8004はコイル76を取り付けるためのものであり,コイル取着用壁部8004は後端面壁8002から前鏡筒78の周壁7802の内側に収容されるように突設されている。
[0029] 図18,図22に示すように,各コイル取着用壁部8004は,辺8002Bの両側の後端面壁8002箇所から突設された2つの柱壁8020と,2つの柱壁8020の高さ方向の中間を接続する接続壁8022とを有している。
本実施の形態では,図22,図23に示すように,2つの柱壁8020がそれぞれ外側に臨む面が,同一面上を延在するコイル当て付け面8020Aとして形成されている。
また,本実施の形態では,接続壁8022は,2つの柱壁8020のコイル当て付け面8020Aから外側に膨出し辺8002Bの延在方向に沿って細長形状に形成されている。
開口8006は,前記光軸上に位置する後端面壁8004の箇所に矩形状に設けられ,開口8006は撮像素子29が収容されるものである。
係合突起8001は,コイル取着用壁部8004が設けられた後端面壁8002の外端面(残りの1組の辺8002B)にそれぞれ突出形成されている。
[0030] 図19,図24に示すように,後端面壁8002の前面で辺8002Aの箇所には,後スプリング70Bを取り付けるための取付部8010が設けられ,取付部8010は,2つの取り付け面8012と,各取り付け面8012からそれぞれ突設されたピン8014とを有している。
図18,図22に示すように,後端面壁8002の前面で各柱壁8020の内側には,前記光軸と直交する単一の平面上を延在する4つの当て付け面8008がそれぞれ形成されている。
本実施の形態では,図24に示すように,開口8006内に撮像素子29が位置した状態で,撮像素子29の外周を囲む基板30が後端面壁8002の後面に接着されるとともに,後端面壁8002の前面に開口8006を覆う光学フィルタ31を接着することで撮像素子29が封止されている。
本実施の形態では,後鏡筒80は合成樹脂材料を金型で成形することで形成されている。
本実施の形態では,図12,図15に示すように,カメラ本体用遮蔽板2810の2つの側面部2810Bに形成された係合溝2830が2つの係合突起8001に係合することで,カメラ本体用遮蔽板2810の上面部2810Aと後鏡筒80の後端面壁8002との間に前鏡筒78が挟持され,これにより前鏡筒78と後鏡筒80とが結合されている。
[0031] 図25はマグネット74が取着されたレンズ保持部68の斜視図,図26はマグネット74および後スプリング70Bが取着されたレンズ保持部68の斜視図,図27はマグネット74および後スプリング70Bが取着されたレンズ保持部68の平面図,図28はレンズ保持部68の後面図,図29は後スプリング70Bが取着されたレンズ保持部68の後面図である。
レンズ保持部68は,図14,図16,図25乃至図29に示すように,撮影光学系34を保持して収容空間Sに収容されるものである。
本実施の形態では,図14,図16に示すように,撮影光学系34は,前方から後方に並んで配置された1群レンズ乃至3群レンズ34A,34B,34Cと,1群レンズ34Aと2群レンズ34Bとの間に配置された絞り34Dと,2群レンズ34Bと3群レンズ34Cとの間に配置されたスペーサ34Eを含んで構成されている。
[0032] 図25,図26に示すように,レンズ保持部68は筒部6802を有し,筒部6802は撮影光学系34が配置される内面と,前記内面と反対に位置する外面とを有している。
筒部6802の外面の前後には,それぞれ前フランジ6804,後フランジ6806が形成されている。
また,図25に示すように,筒部6802の外側に周方向に等間隔をおいた4箇所には前フランジ6804よりも前方に位置するようにスプリング当接面6805が形成されており,これらスプリング当接面6805は前記光軸と直交する平面上を延在している。
また,図25,図27に示すように,筒部6802の前記外面の対向する2箇所に,前記光軸を通る単一の仮想平面に平行するマグネット取り付け用の取り付け面6808が形成されている。
そして,取り付け面6808の前記光軸方向の前端に,マグネット挟持用の一対の挟持片6810が形成されている。
また,図25,図29に示すように,後フランジ6806の後面の4隅には,前記光軸と直交する単一の平面上を延在する4つの当て付け面6812がそれぞれ形成されている。
レンズ保持部68は合成樹脂材料を金型で成形することで形成されている。
[0033] スプリング70は,図14,図16に示すように,収容空間Sに配設されレンズ保持部68を撮影光学系34の前記光軸に沿って移動可能に支持するものである。
本実施の形態では,スプリング70は,前スプリング70Aと後スプリング70Bとの2つのスプリングで構成され,それらスプリング70A,70Bは収容空間S内でレンズ保持部68の前記光軸に沿って挟んだ箇所と鏡筒部66との間にそれぞれ配設されている。
前スプリング70Aは前鏡筒78とレンズ保持部68の間に配設され,後スプリング70Bは後鏡筒80とレンズ保持部68の間に配設されるものである。
図29に示すように,それら2つのスプリング70A,70Bは,薄く小さい幅の片体から中央に撮影光学系34の光路用の開口7001が確保されるように環状に形成されている。
より詳細に説明すると,図17に示すように,内側に開口7001が形成された環板部7002と,環板部7002の外周に接続された2つの支持片7004とを有し,前記光軸方向に弾性変形可能に形成されている。
前スプリング70Aは,外周の2つの支持片7004が前鏡筒78の突起7810に取着され,開口7001にレンズ保持部68の筒部6802の前部が挿通され環板部7002がレンズ保持部68の4つのスプリング当接面6805(図25参照)に当接されて前鏡筒78とレンズ保持部68の間に配設されている。
本実施の形態では,2つの支持片7004は前鏡筒78の成形時に埋め込まれるインサート成形によって突起7810(図17参照)に取着されている。
[0034] 図29に示すように,後スプリング70Bは,内側に開口7001が形成された環板部7010と,環板部7010の外周に接続された2つの支持片7012とを有している。
後スプリング70Bは,環板部7010がレンズ保持部68の後フランジ6806の後面に接着されている。
そして,後スプリング70Bの2つの支持片7012に形成された孔7014(図29参照)が後鏡筒80のピン8014(図19参照)に挿通され,支持片7012の孔7014の周囲の部分が,前鏡筒78のスプリング用押さえ片7812(図17参照)と,後鏡筒80の取り付け面8012(図19参照)との間で挟持され,これにより,後スプリング70Bは,後鏡筒80とレンズ保持部68の間に配設されている。
[0035] そして,コイル76に通電されずマグネット74(レンズ保持部68)に推力が作用していない状態で,前スプリング70Aと後スプリング70Bは,レンズ保持部68を,レンズ保持部68の各当て付け面6812(図25,図29参照)が,後鏡筒80の後端面壁8002の各当て付け面8008(図18,図22参照)に当接するように,言い換えると,前記光軸方向で最も後端に位置させるように付勢している。
本実施の形態では,レンズ保持部68の各当て付け面6812が,後鏡筒80の後端面壁8002の各当て付け面8008に当接することで,撮影光学系34の前記光軸が撮像素子29の撮像面に対して直交した状態となり,かつ,撮影光学系34によって撮影される被写体像の焦点距離が無限遠となり,したがって,レンズ保持部68(撮影光学系34)の無限遠位置が形成される。
[0036] 駆動部72は,レンズ保持部68を前記光軸に沿って移動させるものであり,図14に示すように,マグネット74とコイル76とを含んで構成されている。
本実施の形態では,図25,図26に示すように,マグネット74は2つ設けられ,これらマグネット74は,前記光軸方向に沿って延在する高さとこの高さよりも大きな寸法でこの高さと直交する方向に沿って延在する幅を有する長方形の板状に形成されている。
2つのマグネット74は,前記光軸を挟んだレンズ保持部68の箇所で前記光軸を通る単一の仮想平面に対して平行させて配設されている。
具体的には,マグネット74は,各取り付け面6808上に配置され,一対の挟持片6810に挟持された状態で取り付け面6808に接着されている。
本実施の形態では,マグネット74は前記光軸に沿った両端にN極とS極が位置するように着磁されており,各マグネット74は,それらの磁束を効率よくコイル76に導くための板状のヨーク7402を介して取り付け面6808に接着されている。
[0037] コイル76は,図18乃至図24に示すように,マグネット74に臨む鏡筒部66の2箇所にそれぞれ設けられ,これら2つのコイル76は,それぞれ導線が前記光軸と直交する軸心の回りに巻回されて前記光軸方向に沿って延在する高さとこの高さよりも大きな寸法でこの高さと直交する方向に沿って延在する幅を有する細長形状に形成されている。
2つのコイル76は,前記光軸を挟んだ鏡筒部66の箇所で前記光軸を通る単一の仮想平面に対して平行させて配設されている。
具体的には,2つのコイル76は導線が巻回されることで構成され,図18に示すように,本実施の形態では,2つの平行する直線部と,直線部の両端を接続する2つの湾曲部とを有する長円状を呈し,中央に細長い中央開口7602が形成されている。
コイル76は,図14,図18に示すように,その長手方向の両端を柱壁8020に合わせるとともに前記2つの湾曲部をコイル当て付け面8020Aに当て付け,かつ,コイル76の中央開口7602に接続壁8022をはめ込んだ状態で接着剤により取着されている。
2つのコイル76は,図14に示すように,導線の中間部分7604を介して直列接続されており,図18に示すように,各コイル76の導線の端部7605は,後端面壁8002から突設された凸部8003にそれぞれ巻回され,図20に示すように,それら巻回された部分が半田付けにより基板30の表面の半田付けパッド3010に半田付けで接続されている。
導線には,基板30から各半田付けパッド3010を介して駆動信号が供給され,これにより,コイル76から磁界が発生する。
したがって,コイル76によって発生する磁界と,マグネット74の磁極から発生する磁界との相互作用によってコイル76に前記光軸方向への力(推力)が発生し,これにより,スプリング70によって保持されたレンズ保持部68および撮影光学系34が前記光軸方向に移動し,撮影光学系34によって撮像素子29の撮像面に結像される被写体像の合焦動作がなされる。」

(イ)「[図14]



イ 引用刊行物2に記載された事項
前記ア(ア)及び(イ)から,引用刊行物2には次の構成を有するカメラモジュールが記載されていると認められる。

「ケース28と,撮像素子29と,信号処理部と,基板30と,接片32とを含んで構成され,
前記基板30には,撮像素子29および前記信号処理部を構成する複数の電子部品31が実装され,
前記ケース28は,1群レンズ乃至3群レンズ34A,34B,34Cを含んで構成された撮影光学系34を保持するレンズ保持部68を収容するための収容空間Sを有する鏡筒部66により構成され,当該鏡筒部66は,カメラ本体用遮蔽板2810と後鏡筒80との間に前鏡筒78が挟持されて,前鏡筒78と後鏡筒80とが結合されることで構成され,
前記基板30が前記後鏡筒80の後端面壁8002の後面に接着されるとともに,後端面壁8002の前面に光学フィルタ31を接着することで撮像素子29が封止され,
前スプリング70Aと後スプリング70Bとの2つのスプリングで構成されたスプリング70が,レンズ保持部68を撮影光学系34の光軸に沿って移動可能に支持し,前記前スプリング70Aは前鏡筒78とレンズ保持部68の間に配設され,前記後スプリング70Bは前鏡筒78と後鏡筒80との間で挟持されることによって,後鏡筒80とレンズ保持部68の間に配設され,
前記レンズ保持部68を前記光軸に沿って移動させる駆動部72は,ヨーク7402を介してレンズ保持部68の取り付け面6808に接着されたマグネット74と,接着剤により後鏡筒80に取着されたコイル76とを含んで構成され,
携帯電話機10に組み込む撮像装置20に用いられるカメラモジュール22。」(以下,「引用刊行物2記載のカメラモジュール」という。)


5 対比
(1)引用発明の「レンズ5」,「筒状部11」,「ホルダ10」,「コイル20」,「永久磁石40」,「円形状のヨーク30」,「上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60」,「撮像素子7」,「基板4」及び「カメラモジュール2」は,本願発明の「レンズアセンブリ」,「筒状部」,「レンズホルダ」,「駆動コイル」,「永久磁石」,「ヨーク」,「上側板バネおよび下側板バネ」,「撮像素子」,「センサ基板」及び「カメラモジュール」にそれぞれ相当する。

(2)引用発明の「ホルダ10」(レンズホルダ)は,一端に「レンズ5」(レンズアセンブリ)が取り付けられる「筒状部11」(筒状部)を有しているのだから,「レンズアセンブリを保持するための筒状部を有する」という本願発明の「レンズホルダ」に係る発明特定事項に相当する構成を具備している。

(3)引用発明の「コイル20」(駆動コイル)は,「ホルダ10」(レンズホルダ)のフランジ部12に,「筒状部11」(筒状部)の周囲に間隔をおいて設けられているのだから,「レンズホルダに筒状部の周囲に位置するように固定された」という本願発明の「駆動コイル」に係る発明特定事項に相当する構成を具備している。

(4)引用発明の「円形状のヨーク30」(ヨーク)には,その外筒部32の内周面に「コイル20」(駆動コイル)と間隔を置いて対向するように複数の「永久磁石40」(永久磁石)が配置されているのだから,引用発明の「円形状のヨーク20」は,「駆動コイルと対向する永久磁石を備えた」という本願発明の「ヨーク」に係る発明特定事項に相当する構成を具備している。

(5)引用発明の「上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60」(上側板バネおよび下側板バネ)は,「ホルダ10」(レンズホルダ)の「筒状部11」(筒状部)の光軸方向両側に設けられ,「ホルダ10」を径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持するのだから,「レンズホルダの筒状部の光軸方向両側に設けられ,レンズホルダを径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する」という本願発明の「上側板バネおよび下側板バネ」に係る発明特定事項に相当する構成を具備している。

(6)引用発明のアクチュエータ3は,ホルダ10と,コイル20と,円形状のヨーク30と,複数の永久磁石40と,磁性部材50と,一対の板バネ60と,ストッパ70と,カバー80およびベース85と,シート電極90とから構成されるところ,当該アクチュエータ3からベース85を除いた構成には,コイル20及び永久磁石40等のレンズを移動させるための構成部材が全て含まれているから,当該「アクチュエータ3からベース85を除いた構成」を「アクチュエータ本体」ということができる。
そして,当該「アクチュエータ3からベース85を除いた構成」は,「ホルダ10」(レンズホルダ)と,「コイル20」(駆動コイル)と,「円形状のヨーク30」(ヨーク)と,「上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60」(上側板バネおよび下側板バネ)とを有している。
したがって,引用発明の「アクチュエータ3からベース85を除いた構成」は,本願発明の「レンズアセンブリを保持するための筒状部を有するレンズホルダと,該レンズホルダに前記筒状部の周囲に位置するように固定された駆動コイルと,該駆動コイルと対向する永久磁石を備えたヨークと,前記レンズホルダの筒状部の光軸方向両側に設けられ,前記レンズホルダを径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する上側板バネおよび下側板バネと,を備えたアクチュエータ本体」に相当する。

(7)引用発明の「基板4」(センサ基板)上には,「撮像素子7」(撮像素子)が載置されているのだから,引用発明の「基板4」は,「撮像素子を搭載する」という本願発明の「センサ基板」に係る発明特定事項に相当する構成を具備している。

(8)ア 引用刊行物1は,本願明細書の発明の詳細な説明の【0003】において,アクチュエータ本体と,アクチュエータ・ベースと,センサ・ベースとも呼ばれる封止部材と,センサ基板との4つの部材(部品)から構成されている従来のカメラモジュールを開示する「特許文献1」として記載された刊行物であるところ,本願明細書の発明の詳細な説明の【0003】ないし【0027】における「アクチュエータ・ベース12」及び「センサ・ベース44」についての説明及び本願の図1ないし図4において図番12及び44が示す「アクチュエータ・ベース12」及び「センサ・ベース44」の位置や形状等からみて,本願明細書においては,引用発明の「ベース85」を「アクチュエータ・ベース」と,引用発明の「封止部材6」を「センサ・ベース」と呼称していることが明らかである。
さらに,平成26年12月26日提出の意見書の【意見の内容】の「4)」の欄において,請求人は,「引用文献1(特許文献1)の図2に図示されているように,アクチュエータ3は,その下部にベース85を備えています。本願発明の明細書中では,このベース85を「アクチュエータ・ベース」と呼んでおり,それ以外のアクチュエータ3の部分を「アクチュエータ本体」と呼んでいます。引用文献1(特許文献1)の図4から明らかなように,アクチュエータ本体は,その下部に,下側板バネ60Lとシート状電極90を備えています。したがって,そのような部品(下側板バネ60L,シート状電極90)を支持するために,アクチュエータ3はベース(アクチュエータ・ベース)85を備えています。以上の説明により,「アクチュエータ・ベース」の機能が明確に特定できているものと確信します。・・・(中略)・・・カメラモジュール2は,その図2から明らかなように,アクチュエータ3の他に,基板4と,撮像素子7と,電子部品8と,封止部材6とから構成されます。本願発明の明細書中では,基板4を「センサ基板」と,封止部材6を「センサ・ベース」とそれぞれ呼んでいます。封止部材(センサ・ベース)6は,引用文献1(特許文献1)の段落【0017】に記載されているように,基板(センサ基板)4と組み合わされて撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成します。このように,封止部材(センサ・ベース)6は,撮像素子7を含む部品を封止する役割を果たします。・・・(中略)・・・本願発明の明細書の段落【0003】には,引用文献1(特許文献1)について説明しているので,発明の詳細な説明には,「アクチュエータ・ベースの役割」及び「センサ・ベースの役割」が特定され,定義されているものと確信します。」などと主張している。
そうすると,本願発明の「アクチュエータ・ベースの役割」及び「センサ・ベースの役割」なる発明特定事項が指し示す範囲の外縁は必ずしも明確とはいえないものの,少なくとも,本願発明の発明特定事項の「アクチュエータ・ベースの役割」が引用発明の「ベース85」が果たしている役割を包含する概念であり,本願発明の発明特定事項の「センサ・ベースの役割」が引用発明の「封止部材6」が果たしている役割を包含する概念であることは明らかである。
したがって,引用発明の「ベース85」を「アクチュエータ・ベースの役割を果たす部材」と,引用発明の「封止部材6」を「センサ・ベースの役割を果たす部材」ということができる。

イ また,引用発明の「ベース85」はアクチュエータ3を構成する部材の中で最も基板4側に位置しており,「封止部材6」は基板4とベース85との間に位置しているのだから,「ベース85」及び「封止部材6」は,「アクチュエータ3からベース85を除いた構成」(アクチュエータ本体)と「基板4」(センサ基板)との間に配置されている。

ウ 前記ア及びイに照らせば,引用発明の「ベース85」及び「封止部材6」の2つの部材からなる構成と,本願発明の「前記アクチュエータ本体と前記センサ基板との間に配置され,アクチュエータ・ベースとセンサ・ベースとの役割を果たす1つの部材から構成されるベース部材」とは,「アクチュエータ本体とセンサ基板との間に配置され,アクチュエータ・ベース及びセンサ・ベースの役割を果たす部材である点で一致する。

(9)前記(1)ないし(8)のとおりであるから,本願発明と引用発明とは,
「レンズアセンブリを保持するための筒状部を有するレンズホルダと,該レンズホルダに前記筒状部の周囲に位置するように固定された駆動コイルと,該駆動コイルと対向する永久磁石を備えたヨークと,前記レンズホルダの筒状部の光軸方向両側に設けられ,前記レンズホルダを径方向に位置決めした状態で光軸方向に変位可能に支持する上側板バネおよび下側板バネと,を備えたアクチュエータ本体と,
撮像素子を搭載するセンサ基板と,
前記アクチュエータ本体と前記センサ基板との間に配置され,アクチュエータ・ベース及びセンサ・ベースの役割を果たす部材と,
から構成されたカメラモジュール。」
である点で一致し,次の点で相違する。

相違点1:
アクチュエータ・ベース及びセンサ・ベースの役割を果たす部材が,
本願発明では,1つの部材から構成されるベース部材であるのに対して, 引用発明では,アクチュエータ・ベースの役割を果たすベース85と,センサ・ベースの役割を果たす封止部材6の2つの部材で構成される点。

相違点2:
本願発明では,アクチュエータ本体とベース部材との組み合わせによってアクチュエータ部が構成され,アクチュエータ部がセンサ基板に取り付けられるのに対して,
引用発明では,アクチュエータ・ベース及びセンサ・ベースの役割を果たす部材が1つの部材から構成されるベース部材でないことから,本願発明のような取り付け方をするものではない点。


6 判断
(1)相違点1について
ア 前記4(2)イで認定した引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「レンズ保持部68」,「前スプリング70Aと後スプリング70Bとの2つのスプリングで構成されたスプリング70」,「カメラ本体用遮蔽板2810と後鏡筒80との間に前鏡筒78が挟持されて,前鏡筒78と後鏡筒80とが結合されることで構成された鏡筒部66」及び「基板30」は,それぞれ,引用発明の「ホルダ10」,「上側板バネ60Uおよび下側板バネ60Lからなる一対の板バネ60」,「一対の支持枠をなすカバー80およびベース85」及び「基板4」に対応する部材である。
また,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「マグネット74とコイル76とを含んで構成」された「駆動部72」と,引用発明の「コイル20」及び「永久磁石40」等からなるレンズを移動させるための構成とは,移動させるレンズ保持部(引用発明における「ホルダ10」,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「レンズ保持部68」)にコイルと磁石のうちの一方を配置し,レンズ保持部を移動可能に支持する支持部(引用発明における「一対の支持枠をなすカバー80およびベース85」,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「カメラ本体用遮蔽板2810と後鏡筒80との間に前鏡筒78が挟持されて,前鏡筒78と後鏡筒80とが結合されることで構成された鏡筒部66」)にコイルと磁石のうちの他方を配置して,電流が流れるコイルと磁石との間に働く磁力を利用して,レンズ保持部を移動させるという同一の原理を利用した駆動機構である。
しかるに,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「後鏡筒80」は,撮像素子29を封止するという点で,引用発明の「封止部材6」における撮像素子7を封止するという機能と同様の機能を有するとともに,レンズ保持部68を移動可能に支持する後スプリング70Bを他の部材(前鏡筒78)との間で挟持して固定し,かつ,駆動部72の構成部材であるコイル76及びマグネット74のうちの一方(コイル76)を支持するという点で,引用発明の「ベース85」における,ホルダ10を移動可能に支持する下側板バネ60Lを他の部材(ヨーク30)との間で挟持して固定し,かつ,「コイル20」及び「永久磁石40」のうちの一方(永久磁石40)を支持するという機能と同様の機能を有する部材である。

イ 隣接する複数の部材を一体化して一つの部材として構成することで,部品点数やコスト等を削減することは,技術分野を問わず広く採用される常套手段であって,引用発明における各種部材について可能なものを一体化して一つの部材として構成することは,当業者の通常の創作能力の発揮でしかないところ,前記アに照らせば,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「後鏡筒80」を参考にして,引用発明において,部品点数やコスト等を削減するために,隣接する「封止部材6」と「ベース85」とを一体化して,両者の機能を併せ持つ一つの部材(以下,「一体化部材」という。)として構成し,当該「一体化部材」が,基板4と組み合わされて撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成し,かつ,下側板バネ60L(及びシート状電極90)をヨーク30の光軸方向端面との間で挟持するよう構成するとともに,カバー80とともにアクチュエータ3における一対の支持枠をなすようにすることは,当業者が容易に想到し得たことである。
そして,そのような構成の変更を行った引用発明における前記「一体化部材」は,「封止部材6」が果たす「センサ・ベースの役割」(前記5(8)アを参照。)と,「ベース85」が果たす「アクチュエータ・ベースの役割」(前記5(8)アを参照。)の双方を果たすことになるのだから,本願発明の「アクチュエータ・ベースとセンサ・ベースとの役割を果たす1つの部材から構成されるベース部材」に相当する。
したがって,引用発明を,相違点1に係る本願発明の発明特定事項に相当する構成を具備したものとすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 請求人は,平成26年12月26日提出の意見書において,「引用文献2に開示されているカメラモジュールは,マグネットが移動するムービング・マグネット方式のカメラモジュールです。これに対して,本願発明および引用文献1に係るカメラモジュールは,駆動コイルがレンズホルダに装着され,この駆動コイルと対向して永久磁石を備えたヨークを設けているので,ムービング・コイル方式のカメラモジュールです。すなわち,引用文献2に記載のカメラモジュールと,本願発明(引用文献1)に係るカメラモジュールとは,駆動方式が全く異なります。したがって,引用文献1に記載のカメラモジュールに,引用文献2の記載のカメラモジュールを適用することは,当業者であっても容易に想到し得ないものと思料します。」(【意見の内容】の「5)」の欄)などと主張するが,引用発明の駆動部材がムービング・コイル方式であることが,隣接する「封止部材6」と「ベース85」とを一体化して一つの部材として構成することの阻害要因となることはない。
そして,前記ア及びイで述べたとおり,引用刊行物2記載のカメラモジュールにおける「後鏡筒80」は,引用発明の「封止部材6」における機能及び「ベース85」における機能を併せ持つ部材であるのだから,引用刊行物2に接した当業者が,引用刊行物2に記載された当該「後鏡筒80」を参考にして,引用発明の「封止部材6」と「ベース85」を一体化して一つの部材として構成することを想到することは容易なことである。

(2)相違点2について
ア 相違点2に係る本願発明の「前記アクチュエータ本体と前記ベース部材との組み合わせによってアクチュエータ部が構成され,前記アクチュエータ部が前記センサ基板に取り付けられる」という発明特定事項は,アクチュエータ本体とベース部材とセンサ基板の組立て順序が,まずアクチュエータ本体とベース部材とを組み立ててアクチュエータ部を構成してから,次に当該アクチュエータ部にセンサ基板を組み立てるという順序であることを特定したものと認められる。
しかるに,前記(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明においては,前記(1)イで述べたとおり,「一体化部材」が,基板4と組み合わされて撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成し,かつ,下側板バネ60L(及びシート状電極90)をヨーク30の光軸方向端面との間で挟持するよう構成するとともに,カバー80とともにアクチュエータ3における一対の支持枠をなすものであるところ,当該構成の変更後の引用発明を製造する際の組立て順序は,常識的に考えて,「一体化部材」を基板4に固定して撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成してから,アクチュエータ3を構成する各種部材を「一体化部材」とカバー80との間に挟持して固定するという組立て順序(以下,「第1の組立て順序」という。)か,あるいは,各種部材を「一体化部材」とカバー80との間に挟持して固定して,アクチュエータ3を構成してから,「一体化部材」を基板4に固定して撮像素子7および電子部品8を封止する密閉空間を形成するという組立て順序(本願発明の組立て順序に相当する。以下,「第2の組立て順序」という。)で組み立てるしかない。
しかるに,いずれの組立て順序で組み立てたものも,「カメラモジュール」という完成品としてみたときに,その形状,構造等に違いが生じるとは認められない。
そうすると,前記(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明と本願発明との間に,形状,構造等の違いは存在しないのだから,相違点2に係る発明特定事項を有する本願発明は,当業者が容易に想到することができた発明(前記(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明)であるということができる。

イ また,前記アで述べた相違点2に係る本願発明の発明特定事項が特定する組立て順序を考慮して検討したとしても,前記(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明について,その組立て順序を前記第1の組立て順序とするのか,前記第2の組立て順序とするのかは,前記構成の変更を行うに際して,当業者が適宜選択できる設計上の事項である。
そして,本願明細書の発明の詳細な説明には,第2の順序に相当する本願発明の順序(アクチュエータ本体とベース部材とセンサ基板の組立て順序について,まずアクチュエータ本体とベース部材とを組み立ててアクチュエータ部を構成してから,次に当該アクチュエータ部にセンサ基板を組み立てること)で組み立てることによって,第1の順序(まずセンサ基板とベース部材とを組み立ててセンサ基板上の撮像素子がベース部材によって封止された部材を構成してから,次に当該部材とアクチュエータ本体を組み立ててアクチュエータ部を構成すること)で組み立てることと比較して,如何なる効果を得ることができるのかについて記載も示唆もないから,本願発明が,前記(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明のうち前記第1の組立て順序によって組み立てたものと比べて,格別顕著な効果を有しているとは認められない(なお,(1)イで述べた構成の変更を行った引用発明のうち前記第2の組立て順序によって組み立てたものは,本願発明と同一である。)。
そうすると,引用発明において,その組み立てる順序として,相違点2に係る本願発明の発明特定事項が特定する前記第2の組立て順序を採用することは,単なる設計事項にすぎない。

ウ 請求人は,平成26年12月26日提出の意見書において,「平成25年12月11日付け提出の「審判請求書」の「(3)本願発明が特許されるべき理由,(イ)本願発明の説明」において,組立方法の違いによって,最終的に得られた生産物である「カメラモジュール」の形状,構造等に違いが生じることを,詳細に説明しています。・・・(中略)・・・このように,本件発明と引用文献1?3に記載された引用発明とは,目的,構成が相違していることは明白であり,したがって,作用効果も明らかに相違しております。」(【意見の内容】の「5)」の欄)と主張しており,審判請求書の「(3)本願発明が特許されるべき理由」の「(イ)本願発明の説明」の欄においては,
「レンズアセンブリ(15)とアクチュエータ本体(11)と撮像素子(421)との間の位置決めについて,以下に詳述します。ここでの「位置決め」とは,レンズアセンブリ(15)の光軸(O)と撮像素子(421)の光軸とを一致させるように,光軸調整することを意味します。
このような「位置決め」すなわち「光軸調整」は,カメラモジュール(40A)の製造工程において,例えば,特公平8-24353号公報の図6等に記載(図示)されているように,レーザ光(光束)を用いて行われます。すなわち,レーザ光(光束)を,レンズアセンブリ(15)の光軸に沿ってレンズアセンブリ(15)に入射させ,その入射レーザ光が撮像素子(421)で反射されて得られた画像を処理することにより,レンズアセンブリ(15)の光軸と撮像素子(421)の光軸とが一致しているか否かを判断します。一致すると,レンズアセンブリ(15)を保持する部材と撮像素子(421)を保持する部材とを互いにUV樹脂を塗布して部分を仮固定硬化させ(UV照射および熱硬化),その後に熱硬化接着樹脂を塗布します。
このようなカメラモジュール(40A)の製造工程において,先ず,添付の参考図の左側に図示されているように,ベース部材(60)をセンサ基板(42)に組み合わせた後に,その組み合わせ体(60,42)にアクチュエータ本体(11)を取り付けるとします。ここで,センサ基板(42)は,そのものにソリ等が発生している場合があり,製造上それ自体,精度良く製造することは困難であることに注意願います。そのため,ベース部材(60)をセンサ基板(42)に組み合わせたとき,その組み合わせ体(60,42)それ自体に「位置ズレ」が必然的に生じてしまいます。
上記位置決め(光軸調整)は,組み合わせ体(60,42)にアクチュエータ本体(11)を取り付ける際に行うことになります。しかしながら,アクチュエータ本体(11)を組み合わせ体(60,42)に対して水平方向に摺動させて位置決め(光軸調整)をしようとしても,上記「位置ズレ」を吸収する(補償する)ことが出来ないことが確認されました。何故なら,センサ基板(42)のソリの影響でベース部材(60)が変形し,X-Y-Z軸方向での取り付け時のバラつきが発生しやすくなり,カメラモジュール(40A)の取り付け精度が低下するからです。よって,このような順序でカメラモジュール(40A)を組立てると,レンズアセンブリ(15)の光軸と撮像素子(421)の光軸とを一致させることは非常に困難です。
これに対して,添付の参考図の右側に図示されているように,本願発明のように,アクチュエータ本体(11)とベース部材(60)とを組み合わせてアクチュエータ部(11,60)を構成した後に,アクチュエータ部(11,60)をセンサ基板(42)に取り付けるとします。この場合,最初に,上記位置決め(光軸調整)をすることなく,アクチュエータ本体(11)をベース部材(60)に組み合わせることになります。センサ基板(42)とは異なり,アクチュエータ本体(11)やベース部材(60)は,製造上,精度良く製造することができます。よって,アクチュエータ部(11,60)それ自体は,精度良く製造されます。
上記位置決め(光軸調整)は,アクチュエータ部(11,60)をセンサ基板(42)に取り付ける際に行うことになります。上述したように,たとえセンサ基板(42)それ自体に位置ずれがあったとしても,アクチュエータ部(11,60)をセンサ基板(42)に対して水平方向に摺動させて,位置決め(光軸調整)をすることができます。
以下にその理由について詳述します。成形品のベース部材(60)と金属材のアクチュエータ本体(11)との取り付けであるため,部品自体の公差において精度の高い取り付けが可能になります。その後,ソリが発生しているセンサ基板(42)を取り付けても,アクチュエータ本体(11)とベース部材(60)が剛体化したアクチュエータ部(11,60)が構成されており,更にベース部材(60)とセンサ基板(42)との間に接着剤が介在することで,センサ基板(42)の影響をベース部材(60)が受けず,精度の高いカメラモジュール(40A)の取り付けが可能となります。
したがって,レンズアセンブリ(15)の光軸と撮像素子(421)の光軸とを精度良く一致させることができます。」
などと主張し,審判請求書に次の参考図を添付している。
【参考図】

「アクチュエータ本体(11)とベース部材(60)が剛体化したアクチュエータ部(11,60)が構成されており,更にベース部材(60)とセンサ基板(42)との間に接着剤が介在することで,センサ基板(42)の影響をベース部材(60)が受け」ないということは,逆をいえば,アクチュエータ本体(11)に取り付けられていないベース部材(60)は剛性が低いので,センサ基板(42)の影響を受けるということであるから,前記請求人の主張は,要するに,相違点2に係る本願発明の発明特定事項が特定する第2の組立て順序で組み立てたものは,第1の組立て順序で組み立てたものと比較すると,センサ基板のソリに起因するベース部材の歪み等が小さく,その結果として光軸の位置決め精度が高いという効果が得られるというものであると解される。
しかしながら,実際に第1の組立て順序で組み立てたものと第2の組立て順序で組み立てたものとで,ベース部材に生じた歪みや光軸の位置決め精度等にどの程度の差異が生じるのかについての実験成績証明書等の資料を請求人が提出しているわけではないし,また,そもそも,実際に製造されたカメラモジュールには,ベース部材の歪みや光軸の位置決め精度に関してばらつきがあることは明らかであって,第2の組立て順序で組み立てた本願発明のカメラモジュールが,常に,第1の組立て順序で組み立てたいずれのカメラモジュールよりも,ベース部材の歪みが小さくなり,光軸の位置決め精度が高くなるとはおよそ考え難い。
もし仮に,特定の条件(センサ基板のソリの程度や,ベース部材の材質(剛性の程度)や,ベース部材とセンサ基板の具体的な固定方法(接着剤を用いて固定するのか否か,硬化後にどの程度の弾性率となる接着剤を用いるのか)等)の下で,請求人が主張するように,第1の組立て順序で組み立てたものと第2の組立て順序で組み立てたものとの間に,形状,構造等(ベース部材に生じた歪みや光軸の位置決め精度等)に違いが生じるような場合があるのだとしても,そのような形状,構造等における違いの前提となる前記条件を規定するような発明特定事項は,本願の請求項1には記載されていないのだから,本願発明と第1の組立て順序で組み立てたものとの間に,請求人が主張するような形状,構造等における違いが存在するとは認められない。
さらに,光軸の位置決め精度が高い等の請求人が主張する効果については,そもそも,そのような効果は本願明細書の発明の詳細な説明には記載も示唆もされておらず,例え当業者といえども,本願明細書の発明の詳細な説明の記載から把握することのできない効果というべきであって(本願明細書に明記が無くても自明な効果だというのであれば,そのような効果は,進歩性の存在を肯定する程の格別顕著な効果とはいえない。),仮にそのような効果が存在するとしても,当該効果を本願発明の有する格別顕著な効果として参酌することはできない。
以上のとおりであるから,前記請求人の主張を採用することはできない。

(3)効果について
本願発明の奏する効果は,引用刊行物1及び2の記載に基づいて,当業者が予測できた程度のものである。

(5)まとめ
以上のとおりであるから,本願発明は,引用発明及び引用刊行物2に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。


7 むすび
前記6で述べたとおり,本願発明は,引用発明及び引用刊行物2に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願は,当審で通知した当審拒絶理由によって拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-01-20 
結審通知日 2015-01-21 
審決日 2015-02-03 
出願番号 特願2012-85067(P2012-85067)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 居島 一仁  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 清水 康司
鉄 豊郎
発明の名称 カメラモジュール  
代理人 福田 修一  
代理人 佐々木 敬  
代理人 池田 憲保  
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