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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1299723
審判番号 不服2014-2512  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-10 
確定日 2015-04-14 
事件の表示 特願2012- 24837号「非導電性ストップ部材を備えたバイポーラ電気外科鉗子」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月12日出願公開、特開2012-130720号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成13年4月6日(パリ条約による優先権主張 2000年7月21日(US)アメリカ合衆国)に出願した特願2009-246243号の一部を平成24年2月8日に新たな特許出願としたものであって、平成25年6月5日付けで拒絶の理由が通知され、その指定期間内である平成25年9月12日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成25年10月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成26年2月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に特許請求の範囲についての手続補正がされたものであって、その請求項1?15に係る発明は、平成26年2月10日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「少なくとも1つの細長シャフトを有し、該シャフトの遠位端には対向ジョー部材が設けられ、該ジョー部材は、両ジョー部材が互いに間隔を隔てた関係に配置される第一位置から、両ジョー部材が協働してこれらの間で組織を掴む第二位置まで相対移動でき、
両ジョー部材がこれらの間に保持された組織にエネルギを通すことができるように各ジョー部材に接続される電気エネルギ源と、
両ジョー部材間に組織が保持されたときに両ジョー部材間の距離を制御するための、少なくとも一方のジョー部材の内向き面に設けられかつ互いに間隔を隔てた少なくとも2つの非導電性ストップ部材とを更に有し、前記ストップ部材は、ジョー部材の近位端から遠位端まで延びている単一の直線的な一連の長手方向に配向された突出部を有していることを特徴とするバイポーラ鉗子。」


2.引用文献の記載事項
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用した、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である国際公開第00/24331号(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「The present disclosure relates to an electrosurgical instrument for performing endoscopic surgical procedures. More particularly, the present disclosure relates to a endoscopic bipolar electrosurgical forceps which utilizes linear displacement of an insulating yoke to grasp and seal tissue between two opposing jaw members.
(本発明は、内視鏡による外科処置を行うための電気外科器具に関する。詳しくは、本発明は、絶縁ヨークの直線移動を利用して、2つの対向するジョー間に組織を握持し且つシールするための内視鏡バイポーラ電気外科鉗子に関する。)」(1頁2?6行。()内は引用文献1のパテントファミリーである特表2002-528167号公報による訳文。以下同様。)

(イ)「Referring now to Figs. 1-3, a bipolar forceps 10 for use with endoscopic surgical procedures includes a drive rod assembly 11 which is coupled to a handle assembly 18. The drive rod assembly 11 includes an elongated hollow shaft portion 12 having a proximal end 16 and a distal end 14. In the drawings and in the descriptions which follow, the term "proximal", as is traditional, will refer to the end of the bipolar forceps 10 which is closer to the user, while the term "distal" will refer to the end which is further from the user.
An end effector assembly 22 is attached to the distal end 14 of shaft 12 and includes a pair of opposing jaw members 80 and 82. ・・・
(図1乃至図3において、内視鏡外科処置に使用するためのバイポーラ鉗子10は、ハンドルアッセンブリ18に結合された駆動ロッドアッセンブリ11を含む。駆動ロッドアッセンブリ11は、近位端16と遠位端14とを有する細長い中空の軸(シャフト)部分12を含む。図面及び以下の説明で、用語「近位」は、伝統に従って、バイポーラ鉗子10のユーザに近い方の端を意味し、用語「遠位」は、ユーザから遠い方の端を意味する。端エフェクタアッセンブリ22は、軸(シャフト)12の遠位端14に取付けられ、1対のジョー部材80、82を含む。・・・)」(10頁12行?11頁2行)

(ウ)「Two mechanical factors play an important role in determining the resulting thickness of the sealed tissue and effectiveness of the seal, i.e., the pressure applied between opposing jaw members 80 and 82 and the gap between the opposing jaw members 80 and 82 during the sealing process. However, thickness of the resulting tissue seal cannot be adequately controlled by force alone, i.e., too much force and the two jaw members 80 and 82 would touch and little energy would travel through the tissue resulting in a bad seal or too little force and the seal would be too thick. Applying the correct force is important for other reasons: to oppose the wails of the vessel; reduce the tissue impedance to a low enough value that allows enough current through the tissue; and to overcome the forces of expansion #_ ring tissue heating in addition to contributing towards creating the required end tissue thickness which is an indication of a good seal.
As best seen in Fig. 4, in order to achieve a desired gap range (e.g., about 0.001 to about 0.006 inches) and apply a desired force to seal the tissue, at least one jaw member 80 and/or 82 includes a stop member 139 which limits the movement of the two opposing jaw members 80 and 82 relative to one another. As explained above, in some cases it may be preferable to dimension stake 119 such that it acts like a stop member and limits the movement of the two opposing jaw members 80 and 82 relative to one another. Preferably, stop member 139 and/or stake 119 is made from an insulative material and is dimensioned to limit opposing movement of the jaw members 80 and 82 to within the above gap range.
(2つの機械的な要因、即ち、対向するジョー部材80、82間に加えられる圧力、及び、シール作業中の対向するジョー部材80、82間のギャップが、シールされた組織の厚み及びシールの有効性を決定する重要な役割を果たす。しかし、結果として得られる組織のシール厚みを、力だけで適正に制御することはできない。つまり、力が大きすぎると、2つのジョー部材80、82が接触して、組織を介してエネルギーが殆ど伝わらず、不良なシールになるであろう。力が小さすぎると、シールは厚くなりすぎるであろう。適正な力を加えることは、別の理由からも重要である。即ち、血管壁を対向させること、組織のインピーダンスを、組織を介して十分な電流の流れを許容する十分に低い値に低減すること、及び、組織の加熱中、拡張しようとする力を克服すると共に、良好なシールの指標である必要とされる端組織の厚みに貢献することである。
図4に最もよく示すように、ギャップ範囲を所望の値にして(例えば、約0.001インチ乃至約0.006インチ)、組織をシールするための所望の力を加えるために、少なくとも1つのジョー部材80及び/又は82は、対向するジョー部材80、82の相対的な運動を制限するストップ部材139を含む。上述したように、場合によっては、杭119は、ストップ部材として働き、2つの対向するジョー部材80、82の相対的な運動を制限するのが好ましい。ストップ部材139及び/又は杭119は、絶縁材料で形成され、ジョー部材80、82の運動を前記ギャップ範囲に制限する大きさに形成されるのが好ましい。)」(21頁13行?22頁11行)

(エ)「A bipolar endoscopic forceps, comprising:
first and second jaw members pivotally attached in opposing relation relative to one another, said jaw members being relatively movable from a first open position wherein said jaw members are disposed in spaced relation relative to one another to a second clamping position wherein said jaw members cooperate to grasp tissue therebetween;
a drive rod assembly connecting said jaw members to a source of electrical energy such that said first jaw member has a first electrical potential and said second jaw member has a second electrical potential and said jaw members are capable of conducting bipolar energy through the tissue held therebetween;
a handle attached to said drive rod assembly for imparting movement of said first and second jaw members from said first and second positions; and
at least one stop member attached to at least one jaw member for controlling the distance between said jaw members.
(互いに対向する関係で回動可能に取り付けられた第1、第2のジョー部材であって、該ジョー部材が互いに離間して位置する第1の開位置から、該ジョー部材が協働して両者間に組織を挟む第2のクランプ位置へ移動可能であるジョー部材と、
前記第1のジョー部材が第1の電位を有し、前記第2のジョー部材が第2の電位を有し、且つ、該両ジョー部材が、両者間に保持した組織を介してバイポーラエネルギーを伝達することができるように、前記ジョー部材を電気エネルギー源に接続する駆動ロッドアッセンブリと、
前記駆動ロッドアッセンブリに取り付けられて、前記第1、第2のジョー部材の前記第1、第2の位置からの運動を生じさせるハンドルと、
少なくとも一方の前記ジョー部材に取り付けられて、前記両ジョー部材の間隔を制御する少なくとも1つのストップ部材と、
を含むことを特徴とするバイポーラ内視鏡鉗子。)」(25頁2?15行)
また、上記(ウ)の記載事項及びFIG.4の図示内容からみて、
(オ)「ジョー部材82は、ジョー部材80に対向する面に設けられた1つのストップ部材139を有している」
構成が開示されているといえる。

上記(ア)?(オ)の記載事項、及び、FIG.1、FIG.2、FIG.4の図示内容からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「細長い中空の軸(シャフト)部分12を含み、該軸(シャフト)12の遠位端14には1対のジョー部材80、82が設けられ、該ジョー部材は、該ジョー部材が互いに離間して位置する第1の開位置から、該ジョー部材が協働して両者間に組織を挟む第2のクランプ位置へ移動可能であり、
両ジョー部材が両者間に保持した組織を介してバイポーラエネルギーを伝達することができるように、前記ジョー部材に接続される電気エネルギー源と、
両ジョー部材間に組織が保持されたときに両ジョー部材の間隔を制御するための、ジョー部材82のジョー部材80に対向する面に設けられた1つの絶縁材料で形成されたストップ部材139とを更に有しているバイポーラ内視鏡鉗子。」


(2)引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用した、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である特開2000-102545号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(カ)「【請求項1】電気外科用発電機の二極出力端子に接続可能であり組織を把持して止血を行う外科用ピンセットにして、
第一の極性の前記出力端子に接続可能であり、所定の形状の第一の周縁を有する内向きの導電性の組織把持面を有する第一の先端領域まで長手方向に延在する第一の脚部と、
第二の極性の前記出力端子に接続可能であり、所定の形状の周縁を有する内向きの導電性の組織把持面を有する第二の先端領域まで長手方向に延在する第二の脚部であって、前記第一及び第二の先端領域は互いに対向し互いに整合して配置され前記組織を把持し得るよう開位置より閉位置へ向けて相対的に移動可能である第二の脚部と、
実質的に前記閉位置にあるときには前記組織把持面を距離T互いに隔置し、アークの発生を回避しつつ把持された組織の効果的な凝固を達成する長さを越えない長さの電流経路を前記把持された組織を経て前記組織把持面の間に形成するよう、前記組織把持面の少なくとも一方に設けられた少なくとも二つの互いに隔置された電気絶縁スペーサ領域と、を含んでいることを特徴とする外科用ピンセット。」(請求項1)

(キ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピンセットに係り、更に詳細には電気外科用ピンセットに係る。」(段落【0001】)

(ク)「【0013】
【発明の概要】本発明は、改良された外科用ピンセットに係り、またピンセットが従来の構造の電気外科用発電機の二極出力との組合せにて使用される方法であって、把持された組織や血管の非常に効率的な止血を行う方法に係る。かかる結果は望ましい電流密度及び一層理想的な電流経路形態を示す電流経路を形成することによって達成される。本発明のピンセットに於いては、その二つの移動可能な脚部の導電性を有し互いに対向するよう内向きの組織把持面に電気絶縁スペーサ領域又は電気絶縁スペーサ組立体が使用される。このスペーサ組立体はピンセットが実質的に閉じられた状態にあるときに二つの組織把持面を最適の距離T互いに隔置させる。かかるスペーサ組立体の形態により粘着現象を生じることなく止血を行うための理想的な電流経路長さが達成される。・・・」(段落【0013】)

(ケ)「【0038】図18には、本発明による先端領域の他の一つの実施形態が図示されている。図18に於いて、把持面218は先端領域220の一部を構成しており、先端領域220は脚部222の一部である。脚部222には例えばナイロンにて形成された電気絶縁被覆224が設けられている。この実施形態に於いては、電気絶縁スペーサ領域は上述の如き厚さTの離散的な円形の層の規則的な列として設けられている。・・・」(段落【0038】)

また、上記(ケ)の記載事項及び図18の図示内容からみて、
(コ)「電気絶縁スペーサ領域は、組織把持面の近位端から遠位端まで延びている直線的な一連の長手方向に配向された厚さTの円形の層を有している」
構成が開示されているといえる。

上記(カ)?(コ)の記載事項、及び図1、図18の図示内容からみて、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。

「第一の脚部と第二の脚部における、第一及び第二の先端領域が互いに対向し互いに整合して配置され組織を把持し得るよう開位置より閉位置へ向けて相対的に移動可能であり、
第一の脚部と第二の脚部にそれぞれ接続可能な二極出力端子を有する電気外科用発電機と、
実質的に閉位置にあるときには第一及び第二の先端領域の組織把持面を互いに隔置するための、少なくとも一方の組織把持面に設けられかつ互いに隔置された少なくとも二つの電気絶縁スペーサ領域を有し、前記電気絶縁スペーサ領域は、組織把持面の近位端から遠位端まで延びている直線的な一連の長手方向に配向された厚さTの円形の層を有している電気外科用ピンセット。」


3.対比・判断
本願発明と引用発明1とを対比すると、その構造及び機能からみて、後者の「細長い中空の軸(シャフト)部分12を含み」は前者の「細長シャフトを有し」に相当する。以下同様に、「遠位端14」は「遠位端」に、「1対のジョー部材80、82」は「対向ジョー部材」に、「該ジョー部材が互いに離間して位置する第1の開位置」は「両ジョー部材が互いに間隔を隔てた関係に配置される第一位置」に、「該ジョー部材が協働して両者間に組織を挟む第2のクランプ位置へ移動可能であり」は「両ジョー部材が協働してこれらの間で組織を掴む第二位置まで相対移動でき」に、「両者間に保持した組織を介してバイポーラエネルギーを伝達する」は「これらの間に保持された組織にエネルギを通す」に、「前記ジョー部材に接続される電気エネルギー源」は「各ジョー部材に接続される電気エネルギ源」に、「両ジョー部材の間隔」は「両ジョー部材間の距離」に、「ジョー部材82のジョー部材80に対向する面」は「ジョー部材の内向き面」に、「絶縁材料で形成された」ことは「非導電性」に、「バイポーラ内視鏡鉗子」は「バイポーラ鉗子」にそれぞれ相当する。
引用発明1における「ストップ部材139」と、本願発明における「両ジョー部材間に組織が保持されたときに両ジョー部材間の距離を制御するための、少なくとも一方のジョー部材の内向き面に設けられかつ互いに間隔を隔てた少なくとも2つの非導電性ストップ部材」とは、「両ジョー部材間に組織が保持されたときに両ジョー部材間の距離を制御するための、少なくとも一方のジョー部材の内向き面に設けられ」た「非導電性ストップ部材」である点で共通する。
また、引用発明1においても、「ストップ部材139」は、「絶縁材料で形成され、ジョー部材80、82の運動を前記ギャップ範囲に制限する大きさに形成される」(上記記載事項(ウ))ものであることから、「突出部」を有していることは明らかである。


してみると、両者は次の点で一致している。
(一致点)
「少なくとも1つの細長シャフトを有し、該シャフトの遠位端には対向ジョー部材が設けられ、該ジョー部材は、両ジョー部材が互いに間隔を隔てた関係に配置される第一位置から、両ジョー部材が協働してこれらの間で組織を掴む第二位置まで相対移動でき、
両ジョー部材がこれらの間に保持された組織にエネルギを通すことができるように各ジョー部材に接続される電気エネルギ源と、
両ジョー部材間に組織が保持されたときに両ジョー部材間の距離を制御するための、少なくとも一方のジョー部材の内向き面に設けられた非導電性ストップ部材とを更に有し、前記ストップ部材は、突出部を有しているバイポーラ鉗子。」

そして、両者は次の点で相違している。
(相違点)
本願発明では、非導電性ストップ部材が「互いに間隔を隔てた少なくとも2つ」のものであり、ストップ部材が「ジョー部材の近位端から遠位端まで延びている単一の直線的な一連の長手方向に配向された」突出部を有するのに対し、引用発明1は、非導電性ストップ部材が1つであり、ストップ部材が突出部を有しているものの、ジョー部材の近位端から遠位端まで延びている単一の直線的な一連の長手方向に配向された突出部ではない点。

以下、上記相違点について検討する。
引用発明2における「互いに隔置された」は、その構造及び機能からみて、「互いに間隔を隔てた」に相当し、同様に、「少なくとも二つの電気絶縁スペーサ」は「少なくとも2つの非導電性ストップ部材」に、「厚さTの円形の層」は「突出部」に、それぞれ相当する。
そうすると、引用発明2における電気外科用ピンセットは、その組織把持面に互いに間隔を隔てた少なくとも2つの非導電性ストップ部材を有し、前記ストップ部材は、組織把持面の近位端から遠位端まで延びている直線的な一連の長手方向に配向された突出部を有しているものといえる。
引用発明1は、「シール作業中の対向するジョー部材80、82のギャップが、シールされた組織の厚み及びシールの有効性を決定する重要な役割を果たす。・・・ギャップ範囲を所望の値にして(例えば、約0.001インチ乃至約0.006インチ)、組織をシールするための所望の力を加える・・・」(上記記載事項(ウ))ものであるところ、引用文献1に接した当業者であれば、ジョー部材の内向き面の一部分のみでなく、その長手方向全体、すなわち、組織把持面の近位端から遠位端にわたる全体においてギャップ範囲を適切に制御する必要のあることは、当然に認識し得ることといえる。
そして、引用発明1及び引用発明2は、バイポーラ式の電気外科器具において、組織把持面の間の距離を最適にするという共通の課題を有しているから、引用発明1において引用発明2の構成を採用して、非導電性ストップ部材を「互いに間隔を隔てた少なくとも2つ」のものとし、突出部を「ジョー部材の近位端から遠位端まで延びている」「直線的な一連の長手方向に配向された」ものとすることで、ジョー部材の長手方向全体においてギャップ範囲を適切に制御できるようにすること、また、その際に、ジョー部材の組織把持面の幅に応じて、直線的な一連の長手方向に配向された突出部の配向数を「単一の」ものとすることは、当業者であれば容易になし得ることである。


したがって、上記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明1に引用発明2を適用して当業者が容易に想到し得るものと認められる。
また、本願発明の効果は、引用発明1及び引用発明2から当業者が予測し得る程度のものであって、格別のものとはいえない。


4.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-11-17 
結審通知日 2014-11-19 
審決日 2014-12-03 
出願番号 特願2012-24837(P2012-24837)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 武山 敦史北村 英隆  
特許庁審判長 山口 直
特許庁審判官 土田 嘉一
松下 聡
発明の名称 非導電性ストップ部材を備えたバイポーラ電気外科鉗子  
代理人 辻居 幸一  
代理人 井野 砂里  
代理人 弟子丸 健  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 松下 満  
代理人 倉澤 伊知郎  

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