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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01B
管理番号 1299734
審判番号 不服2014-7138  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-17 
確定日 2015-04-16 
事件の表示 特願2010- 84091「電線収容装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月27日出願公開、特開2011-216363〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、平成22年3月31日に特許出願されたものであって、拒絶理由が平成25年10月28日付けで起案され(発送日は同年11月12日)、同年12月27日付けで意見書が提出され、平成26年1月17日付けで拒絶査定が起案され(発送日は同年1月28日)、それに対し、同年4月17日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
そして、本願の請求項1乃至19に係る発明は、願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。(以下、「本願発明1」という。)。
「【請求項1】
被覆電線の切断、被覆の剥ぎ取り、または端子の圧着を行う電線処理装置から排出される処理後の電線を収容する電線収容装置であって、
少なくとも上下方向に関して異なる位置に配置された複数の収容部を有する本体と、
前記各収容部の位置を、前記電線処理装置から排出される前記電線を回収する位置と他の位置との間で切り換える位置変更機構と、
を備えた電線収容装置。」

第2 引用文献
(1)原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2000-156127号公報(以下、「引用文献1」という。)には次の事項が記載されている。
(ア)「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためのた課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、ワイヤーハーネスを保持するための治具を立設した長尺の図板の長手方向に平行に配置され、各々電線を収容する電線収容箱と、支持部材によって図板の長手方向に平行に支持され、電線収容箱から取り出された電線を受ける長尺の電線受け部材と、電線収容箱から電線受け部材上に平行に電線を取り出す取り出し手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】本態様では、布線に必要な電線を、図板に平行な状態で電線受け部材上に取り出すことができ、作業者は取り出された電線の向きを変えることなく、図板上に持っていけば良いので、作業し易い。また、従来のように電線収容箱から電線を長手方向に引き抜くことがなく、平行に電線を取り出すので、取り出し時に電線の絡みが発生することは殆どない。したがって、移動しない図板上で、布線、下巻き、チューブ付け、テープ巻き、クランプ付けの各工程毎に完結させていくワイヤーハーネスの製造方法(いわゆる固定板方式の作業内容完結タイプ)を仮結束なしで実施し、図板の一端から他端側に向けて布線していく場合に、好適に用いることができる。
【0013】また、電線収容箱が図板の長手方向に平行に配置されるので、図板の長手方向に直交する方向に沿って配置される場合と比較して、スペースを削減することができる。請求項2記載の発明の態様は、上記取り出し手段は、図板の長手方向に沿って変位自在であって電線収容箱から取り出そうとする電線を残りの電線からより分ける分離爪と、この分離爪を図板の長手方向に沿って移動させる駆動手段とを含み、上記分離爪は、図板の長手方向の端部において電線収容箱から手により取り出された電線の一端部が載せられた状態で、駆動手段によって電線の他端部側へ移動されることにより、電線収容箱から取り出そうとする電線を持ち上げつつ電線受け部材上へ促す傾斜状案内部を含むことを特徴とするものである。
【0014】本態様では、図板の端部に対応する位置で、所要の電線収容箱内の1本の電線の一方の端部を手により持ち上げて、分離爪の傾斜状案内部に載せる。次いで、駆動手段によって分離爪を電線収容箱の長手方向に沿って電線の他端部側へ移動させると、電線は一端部から他端部へ向けて分離爪の傾斜状案内部によって連続的に持ち上げられながら、残りの電線からより分けられて電線受け部材上へ促される結果、取り出すべき電線を電線受け部材上へ取り出すことができる。
【0015】請求項3記載の発明の態様は、請求項1又は2において、上記支持部材は、固定部材と、この固定部材によって移動自在に支持されると共に各電線収容箱を支持し、移動することによって各電線収容箱を上記電線受け部材に近接する取り出し位置に変位させる可動部材を含み、上記取り出し手段は上記取り出し位置に変位された電線収容箱から電線受け部材上へ電線を取り出すことを特徴とするものである。
【0016】本態様では、取り出し位置に移動させた電線収容箱から、取り出し手段によって仕様の異なる電線を次々に取り出し、布線することができる。請求項4記載の発明の態様は、請求項3において、上記可動部材は、各電線収容箱を図板の長手方向に平行となる状態を維持しつつ、取り出し位置を経由する無限軌道に循環させる手段を含み、上記循環させる手段は各電線収容箱の両端部を、電線収容箱の重心の真上に位置する支軸を介してそれぞれ回転自在に支持していることを特徴とするものである。
【0017】本態様では、取り出すべき電線を収容した電線収容箱を、無限軌道に循環させつつ取り出し位置へ移動させる。このとき、各電線収容箱は自重によるすわりの位置に保持されるので、各電線収容箱からの電線の脱落が防止される。上記循環させる手段としては、例えば、遊園地のいわゆる観覧車のように円軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良いし、いわゆる立体駐車場のように小判形軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良い。
【0018】請求項5記載の発明の態様は、請求項3又は4において、所要の電線収容箱を取り出し位置に変位させる駆動手段をさらに備えることを特徴とするものである。本態様では、取り出すべき電線を収容した電線収容箱を自動的に取り出し位置に移動させることができ、作業性が良い。」
(イ)「【0021】図1及び図2を参照して、電線供給装置1は、左右に長い図板2の下方に配置されており、図板2の下縁部2aに平行に延び、水平な受け面3によって電線を受ける電線受け部材4を有している。この電線受け部材4の両端は、図板2の左右両端部を床面に支持する一対の支持脚5(図1では一方のみを示してある)にそれぞれ固定されている。
【0022】図板2の下方には、上記の電線受け部材4に近接する取り出し位置に変位することのできる複数の電線収容箱6a,6b,…,6fが図板2の長手方向(図1において紙面と直交する方向であり、図2においては矢符Xで示してある。)に平行に配置されている。各収容箱6a?6fは支持機構8によって支持された状態で所定の取り出し位置(図1では電線収容箱6aが取り出し位置にある)に変位されるようになっている。
【0023】図1及び図3を参照して、支持機構8は、床面に固定される一対の固定部材31と、この固定部材31に回転軸線12の回りに回動自在に支持される可動部材としての一対のホイール32とを備えている。図3を参照して、一対のホイール32同士は上記回転軸線12の同軸上にある連結軸33を介して一体回転可能に連結されている。連結軸33の両端は一対の固定部材31を貫通しており、固定部材31によって回転自在に支持されている。連結軸33の一端はドライブジョイント35を介して、駆動手段としてのモータ7の回転軸7aに連結されており、モータ7によって、一対のホイール32が一体的に回転駆動されるようになっている。モータ7は一方の固定部材31にモータ支持板34を介して支持されている。
【0024】一対のホイール32はそれぞれ円周等配の位置に支軸9を設けており、各電線収容箱6a?6fの両端はそれぞれ支軸9を介して回転自在に支持されている。ホイール32の中心には、クロスアーム10を介して中心部材11が設けられ、モータ7は、連結軸33及び中心部材11を介してホイール32を回転させるようになっている。
【0025】図5を参照して、上記の支軸9は各電線収容箱6a?6fの重心位置Gの真上となる位置に配置されているので、ホイール32の回転変位にかかわらず、電線収容箱6aは、自重によるすわりの位置に保持され、常に安定した姿勢を維持できるようになっている。特に、各電線収容箱6a?6fが後述するように樋状をなしているので、電線が収容された場合、各電線収容箱6a?6fと収容された電線のトータルの重心位置G1と支軸9との距離は、空の状態の電線収容箱6a?6fの重心位置Gと支軸9との距離よりも遠くなる。その結果、電線収容箱6a?6fは電線を収容することにより、安定姿勢を保持するための支軸9回りの慣性モーメントがより大きくなってより安定した状態となる。
【0026】図1において、13は図板2上にワイヤーを位置決めして保持するための例えばU字状をなす治具である。22はワイヤーハーネスの組立に必要な部品を収容する部品箱であり、部品箱22は収容された部品が取り付けられる位置の近傍の位置に配置されている。図1においては、各電線収容箱6a?6dは樋状をなして上方に開放していると共に、それぞれ仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容している。複数の電線収容箱6a?6fのうち一の電線収容箱6aが電線受け部材2に近接する取り出し位置にあり、電線受け部材4の直後方に近接している。モータ7がホイール32を回転させることにより、所要の電線収容箱6a?6dを択一的に取り出し位置に変位させることができるようになっている。」
(ウ)「【0033】また、各電線収容箱6a?6fをホイール32による円周軌道上に循環させるときに、重心位置Gの真上に位置する支軸9により回転自在に支持されている各電線収容箱6a?6fは、その自重によって安定した姿勢に保持されるので、各電線収容箱6a?6fからの電線の脱落が防止される。また、各電線収容箱6a?6fに収容されている電線が少なくなってきた場合に、ホイール32を回転させながら、各電線収容箱6a?6fに対して電線を容易に補充することができ、段取り替え時間を短縮して作業を効率を向上させることができる。」
(2)原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2005-158485号公報(以下、「引用文献2」という。)には次の事項が記載されている。
(エ)「【請求項1】
電線の端部に端子を圧着する端子圧着機構と、
端子を圧着した電線を外部に排出する排出装置と
を少なくとも具備する端子圧着装置において、
前記排出装置は、
端子を圧着した電線を所定量収容可能な三つの収容部と、
該収容部に収容した電線の軸方向と略同じ方向の軸周りに略120゜間隔で三つの前記収容部を保持する保持部材と、
該保持部材を回転可能に支持する支持部材と、
前記保持部材を回転駆動する回転駆動手段とを備え、
前記収容部は、前記保持部材を回転させることで、電線を収容可能な収容位置と、電線を排出可能な排出位置との間を回転移動することを特徴とする端子圧着装置。」
(オ)「【0007】
本発明に係る端子圧着装置は、「電線の端部に端子を圧着する端子圧着機構と、端子を圧着した電線を外部に排出する排出装置とを少なくとも具備する端子圧着装置において、前記排出装置は、端子を圧着した電線を所定量収容可能な三つの収容部と、該収容部に収容した電線の軸方向と略同じ方向の軸周りに略120゜間隔で三つの前記収容部を保持する保持部材と、該保持部材を回転可能に支持する支持部材と、前記保持部材を回転駆動する回転駆動手段とを備え、前記収容部は、前記保持部材を回転させることで、電線を収容可能な収容位置と、電線を排出可能な排出位置との間を回転移動する」構成とするものである。
【0008】
本発明の端子圧着装置によると、端子圧着機構において、端子を圧着した電線は、電線の軸方向と略同じ方向の軸周りに略120゜間隔で保持された三つの収容部のうち、収容位置にある収容部に収容される。そして、収容された電線が所定量に達する、或いは、作業者の指示があると、回転駆動手段により収容位置にある収容部が排出位置へと120゜回転移動し電線が外部に排出される。一方、電線を収容した収容部が排出位置に回転する際に、電線を収容していない他の収容部が収容位置に回転移動し、即座に電線が収容可能となる。
【0009】
このように、本発明の端子圧着装置によると、収容部に収容した電線を素早く排出することができるとともに、空の収容部を電線の収容位置に位置させることができるので、電線の排出のために端子圧着機構を停止させる必要がなく、電線の加工を連続的におこなうことができ、端子圧着装置の生産効率を高めることができる。なお、端子圧着装置には、端子圧着機構と排出装置の他に、例えば、切断機構、電線送り機構、チャック機構、電線癖取装置、端子搬送装置、電線供給装置、など種々の装置を備えていてもよい。」

第3 引用発明の認定
(1)上記記載事項(ア)には、「支持部材は、固定部材と、この固定部材によって移動自在に支持されると共に各電線収容箱を支持し、移動することによって各電線収容箱を上記電線受け部材に近接する取り出し位置に変位させる可動部材を含」むこと、「取り出すべき電線を収容した電線収容箱を、無限軌道に循環させつつ取り出し位置へ移動させる。・・・上記循環させる手段としては、例えば、遊園地のいわゆる観覧車のように円軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良いし、いわゆる立体駐車場のように小判形軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良い」ことが記載され、同(イ)には、「それぞれ仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容している。・・・モータ7がホイール32を回転させることにより、所要の電線収容箱6a?6dを択一的に取り出し位置に変位させることができるようになっている」ことが記載され、同(ウ)には、「各電線収容箱6a?6fに収容されている電線が少なくなってきた場合に、ホイール32を回転させながら、各電線収容箱6a?6fに対して電線を容易に補充することができ」ると記載されている。
これらを本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、「支持部材は、固定部材と、この固定部材によって移動自在に支持されると共に各電線収容箱を支持し、移動することによって各電線収容箱を上記電線受け部材に近接する取り出し位置に変位させる可動部材を含み、それぞれ仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容し、遊園地のいわゆる観覧車のように円軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良いし、いわゆる立体駐車場のように小判形軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良い手段により、取り出すべき電線を収容した電線収容箱を無限軌道に循環させつつ取り出し位置へ移動させ、各電線収容箱に収容されている電線が少なくなってきた場合に、ホイールを回転させながら、各電線収容箱に対して電線を容易に補充することができ」るもの、の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

第4 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「電線収容箱」が、本願発明1の「収容部」に相当することは明らかであるから、引用発明の「固定部材と、この固定部材によって移動自在に支持されると共に各電線収容箱を支持し、移動することによって各電線収容箱を上記電線受け部材に近接する取り出し位置に変位させる可動部材を含」む「支持部材」は、本願発明1の「本体」に相当すると認められ、引用発明の「遊園地のいわゆる観覧車のように円軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良いし、いわゆる立体駐車場のように小判形軌道を描かせるように各電線収容箱を支持するものであっても良い手段」と「取り出すべき電線を収容した電線収容箱を無限軌道に循環させつつ取り出し位置へ移動させるホイール」は、本願発明1の「少なくとも上下方向に関して異なる位置に配置された複数の収容部」と「各収容部の位置を切り換える位置変更機構」に相当し、引用発明の「各電線収容箱に収容されている電線が少なくなってきた場合に、各電線収容箱に対して電線を容易に補充することができ」るものは、本願発明1の「電線収容装置」に相当するということができる。
そうすると、両発明は「少なくとも上下方向に関して異なる位置に配置された複数の収容部を有する本体と、
前記各収容部の位置を切り換える位置変更機構と、
を備えた電線収容装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点a:本願発明1は、「被覆電線の切断、被覆の剥ぎ取り、または端子の圧着を行う電線処理装置から排出される処理後の電線を収容する電線収容装置であって、」を特定事項とするのに対して、引用発明は、収容される端子付き電線が「被覆電線の切断、被覆の剥ぎ取り、または端子の圧着を行う電線処理装置から排出される」ことを特定事項としていない点。
相違点b:収容部に関し、本願発明1は、「前記電線処理装置から排出される前記電線を回収する位置と他の位置との間で」切り換えることを特定事項とするのに対して、引用発明は、このことを特定事項としていない点。

第5 当審の判断
(1)相違点aについて
引用発明は、「仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容」するもので、少なくとも被覆電線の切断工程及び端子付け工程を経たものと認められるが、引用文献1には、「電線処理装置」については、直接的な記載はなく、補充される電線が電線処理装置により処理されたものか、手作業により処理されたものかは明らかでない。
しかしながら、例えば、引用文献2に「【0009】
このように、本発明の端子圧着装置によると、収容部に収容した電線を素早く排出することができるとともに、空の収容部を電線の収容位置に位置させることができるので、電線の排出のために端子圧着機構を停止させる必要がなく、電線の加工を連続的におこなうことができ、端子圧着装置の生産効率を高めることができる。なお、端子圧着装置には、端子圧着機構と排出装置の他に、例えば、切断機構、電線送り機構、チャック機構、電線癖取装置、端子搬送装置、電線供給装置、など種々の装置を備えていてもよい。」と記載されることからみても、生産効率を高めるために「収容部に収容した電線を素早く排出することができるとともに、空の収容部を電線の収容位置に位置させることができるので、電線の排出のために端子圧着機構を停止させる必要がなく、電線の加工を連続的におこなうことができ」、「端子圧着機構と排出装置の他に、例えば、切断機構、電線送り機構、チャック機構、電線癖取装置、端子搬送装置、電線供給装置、など種々の装置を備えていてもよい」ことは周知であり、引用発明の「仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容」するという特定事項に接すれば、生産効率を高めるために「被覆電線の切断、被覆の剥ぎ取り、または端子の圧着を行う電線処理装置」を採用することは、「生産効率の向上」という一般的な技術的要請に基づき、当業者であれば容易に想到し得る程度の周知技術の付加というべきである。
(2)相違点bについて
本願発明1において収容部に関し、「前記電線処理装置から排出される前記電線を回収する位置と他の位置との間で」切り換えることを特定事項とすることの技術的意義は、「【0010】
上記電線収容装置では、本体は複数の収容部を有しているので、複数の電線を収容部ごとに仕分けして収容することができる。例えば、各収容部に1ロット分の同種の電線を収容することができる。あるいは、各収容部に、ワイヤハーネスを構成する1組の異種電線を収容することができる。上記電線収容装置によれば、必ずしも作業者が電線処理装置の近傍に待機しておく必要はない。」(本願明細書)というものであるが、引用発明においても「それぞれ仕様の異なる端子付き電線を収容箱別に多数収容し」「移動させ」るもので格別の相違はない。
そして、上記のように、「被覆電線の切断、被覆の剥ぎ取り、または端子の圧着を行う電線処理装置」は、当該技術分野において周知技術にすぎないということができる。
してみれば、引用発明においてこの周知技術を導入することにより、「前記電線処理装置から排出される前記電線を回収する位置と他の位置との間で」収容部を切り換えるようにすることは、当業者であれば格別の困難なく想到し得る設計事項の採用というべきである。
(3)本願発明の奏する効果について
本願発明の効果は、引用発明から予測可能であって、格別顕著であるとすることはできない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1は、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明並びに引用文献2に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明において検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-02-10 
結審通知日 2015-02-17 
審決日 2015-03-04 
出願番号 特願2010-84091(P2010-84091)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高木 康晴  
特許庁審判長 鈴木 匡明
特許庁審判官 飯田 清司
松本 貢
発明の名称 電線収容装置  
代理人 後藤 高志  
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