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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1299812
審判番号 不服2014-1610  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-01-29 
確定日 2015-04-09 
事件の表示 特願2012- 66932「SNSサーバ,SNS制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 8月30日出願公開,特開2012-164326〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,平成18年12月7日に出願した特願2006-331015号の一部を平成24年3月23日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成24年 4月 3日 :審査請求書の提出
平成25年 7月30日付け :拒絶理由の通知
平成25年10月 7日 :意見書,手続補正書の提出
平成25年10月23日付け :拒絶査定
平成26年 1月29日 :審判請求書,手続補正書の提出
平成26年 3月 5日 :前置報告
平成26年10月 6日付け :拒絶理由の通知(当審)
平成26年12月 8日 :意見書,手続補正書の提出


第2 本願発明

本願の請求項1に記載された発明(以下,「本願発明」という。)は,上記平成26年12月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲及び明細書の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。

「ネットワークを通じてSNS(Social Networking Service)を提供するSNSサーバにおいて,
SNSを利用する会員を登録する会員登録手段と,
前記会員登録手段によって登録された会員毎に,他の会員との友達関係を設定する友達関係設定手段と,
前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他の会員に対して,会員毎に,友達レベルを設定しない,あるいは友達レベルを複数レベルの何れかに設定する友達レベル設定手段と,
会員からの公開対象とする第1データの書き込みを制御する書き込み制御手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記第1データに対して,公開レベルを設定しない,あるいは公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記第1データを複数含む第2データを公開するためのWebページに対する前記他の会員からのアクセス要求に対して,前記第1データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他の会員に対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記第1データを公開すると判定する第1公開判定手段と,
前記第1公開判定手段により公開すると判定された前記第1データのみを含む前記第2データを公開するための前記Webページを作成するWebページ作成手段と,
前記Webページ作成手段により作成された前記Webページを,前記アクセス要求をした前記他の会員に対して公開する公開手段とを具備したことを特徴とするSNSサーバ。」


第3 引用例

1 引用例1に記載されている技術的事項および引用発明

(1)本願出願前に頒布され,当審からの上記平成26年10月6日付け拒絶理由通知において引用された,特開2006-59131号公報(平成18年3月2日出願公開,以下,「引用例1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0010】
3.例えば,ユーザAに対しては情報を公開したいのであるが,ユーザBに対しては,この情報は公開したくない等のときでも,グループに対して公開した情報は,当該グループの全ユーザに対して画一的に公開されるため,情報の内容に応じて公開するユーザを選択することができず,使い勝手の悪いシステムとなっていた。
・・・(中略)・・・
【0019】
また,本発明は,ユーザが,他のユーザに対してユーザレベルを設定したうえで,情報に公開レベルを設定して公開することにより,コミュニケーションサーバ装置は,その公開された情報の公開レベル以上のレベルのユーザに対してのみ,当該情報の公開を行う。これにより,公開する情報に応じてユーザを選択するかたちで,情報の公開を行うことができる。」

B 「【0022】
[システムの概要]
この本発明の実施の形態となるコミュニケーションシステムは,そのユーザの対人関係毎に構成された各グループ毎に,それぞれ専用のアプリケーションプログラムが用意されている。各アプリケーションプログラムは,各対人関係専用であるため,該各対人関係用のアプリケーション機能を有している。
【0023】
ユーザにより所望のアプリケーションプログラムが選択されると,この選択されたアプリケーションプログラムに対応するグループ内のユーザ間でコミュニケーションを図ることが可能となる。ユーザは,選択したグループ専用のアプリケーションプログラムが有するコミュニケーション手段(=アプリケーション機能)を用いて,上記グループ内のユーザとコミュニケーションを図る。
【0024】
[システム構成]
このコミュニケーションシステムは,図1に示すように所定の通信業者が管理するコミュニケーション網1に接続された複数の無線基地局2と,当該システムの通信管理を行うコミュニケーションサーバ装置3と,当該システムで無線通信が可能となる複数の携帯電話機4とを有している。
【0025】
コミュニケーションサーバ装置3は,例えば友人との間でコミュニケーションを図る際に用いられる「友人用アプリケーションプログラム」,家族との間でコミュニケーションを図る際に用いられる「家族用アプリケーションプログラム」,職場のユーザとの間でコミュニケーションを図る際に用いられる「職場用アプリケーションプログラム」等の対人関係毎のアプリケーションプログラムが記憶されたアプリケーションデータベース5と,各ユーザに関する情報が記憶されたユーザデータベース6(ユーザDB)とを有している。
・・・(中略)・・・
【0028】
同様に,「友人」の対人関係にあるユーザ同士がコミュニケーションを図る場合に選択される上記「友人用アプリケーションプログラム」の場合,各ユーザ同士のチャットを可能とする機能や,各ユーザのスケジュールの閲覧を可能とするスケジュール帳機能,各ユーザの電話帳の閲覧を可能とする電話帳機能,各ユーザ同士で伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有している。
【0029】
ユーザDB6に記憶されているユーザに関する情報としては,
1.各ユーザの識別番号(ユーザID),
2.そのユーザが属するグループのグループID,
3.そのユーザが他のユーザに対して付したユーザレベル,
4.そのユーザが公開している情報の公開レベル,
・・・(中略)・・・
【0030】
[システム動作]
〔グループ登録〕
このシステムを利用する場合,まず,対人関係に基づくグループを形成する。図2は,このグループが形成される様子をフローチャート的に示した模式図である。
【0031】
この図2において,グループの代表(グループオーナー)となるユーザAが,自分の携帯電話機を操作してグループ登録の指定を行うと,該携帯電話機の制御部は,ステップS1として,関係性の選択画面を表示部に表示制御する。ユーザAは,携帯電話機の操作部を操作することで,この関係性の選択画面に基づいて,例えば「友人」,「家族」,「職場」・・・等の対人関係を選択して決定キーを操作するようになっている。
・・・(中略)・・・
【0039】
そして,コミュニケーションサーバ装置3は,ステップS8として,ユーザDB6に仮登録している上記各ユーザB?ユーザDのうち,「グループに参加する」旨の返答のあったユーザに対して付すユーザIDを形成する等のユーザデータの形成を行い,この参加を希望するメンバーを,上記ユーザAのグループの構成メンバーとしてユーザDB6に本登録する」

C 「【0058】
次に,このようなコミュニケーション動作を具体例をあげて説明する。
【0059】
〔掲示板アプリケーション機能〕
図6は,「家族」のグループを構成するAさん,Bさん,Cさんで,家族用アプリケーションプログラムの「掲示板アプリケーション機能」に基づいて行う情報の送受信形態を模式的に示している。
【0060】
まず,Aさんが自分の携帯電話機を操作して家族用アプリケーションプログラムを起動すると,当該携帯電話機の制御部は,例えば「掲示板」,「家計簿」等のアプリケーション機能の選択画面を表示部に表示制御する。Aさんが,このアプリケーション機能の中から「掲示板」のアプリケーション機能を選択すると,携帯電話機の制御部は,表題(Sub)の入力欄と,本文の入力欄を表示部に表示制御する。Aさんにより,例えば表題の入力欄に「録画のお願い」と入力され,本文の入力欄に「9時からのドラマを録画して下さい。」との入力がなされたとすると,制御部は,Aさんにより選択された掲示板のアプリケーション機能を示す情報,AさんのユーザID,及びAさんが属するグループのグループID(この場合は,家族アプリケーションプログラム用のグループID)と共に,上記表題及び本文の情報をコミュニケーションサーバ装置3に送信する。
【0061】
コミュニケーションサーバ装置3は,上記グループIDに基づいて,当該グループ用の掲示板領域に,Aさんからのアップロードされた上記表題及び本文を記憶制御する。また,コミュニケーションサーバ装置3は,これと共に,上記グループIDに基づいて,当該「家族」のグループを構成するBさん及びCさんをユーザDB6から検索し,このBさん及びCさんに対して,Aさんから掲示板に対して書き込みがなされた旨の通知を行う。
【0062】
この通知に対してBさんが家族用アプリケーションプログラムを起動し,前述のAさんと同様に掲示板のアプリケーション機能を選択したとすると,このBさんの携帯電話機の制御部は,コミュニケーションサーバ装置3にアクセスし,ユーザDB6の当該グループ用の掲示板領域に記憶されているAさんからアップロードされた上記表題及び本文の情報をダウンロードする。そして,Bさんの携帯電話機の制御部は,Aさんからアップロードされた上記表題及び本文の情報を表示部に表示する。
【0063】
Bさんが,この表題及び本文を見て,返信の指示操作を行うと,Bさんの携帯電話機の制御部は,Aさんからアップロードされた上記表題及び本文と共に,返信文の入力欄を表示部に表示制御する。Bさんが,この返信文の入力欄に対して,例えば「了解しました。」との返信文を入力すると,Bさんの携帯電話機の制御部は,この返信文を,BさんのユーザID及び当該グループIDと共にコミュニケーションサーバ装置3に送信する。
【0064】
コミュニケーションサーバ装置3は,Bさんの携帯電話機から送信されたグループIDに対応する上記ユーザDB6の当該グループ用の掲示板領域に,Bさんからアップロードされた上記返信文を記憶制御すると共に,当該グループを構成するAさん及びCさんの携帯電話機に対して,Bさんから返信文がアップロードされた旨の通知を行う。
【0065】
・・・(中略)・・・ Aさんからアップロードされた上記表題及び本文の内容と,これに対してBさんからのアップロードされた返信文の内容とが表示されることとなる。」

D 「【0096】
〔情報の取り込みを行うを公開するユーザレベルの権限の設定〕
次に,このコミュニケーションシステムの場合,各ユーザは,同じグループ内の他のユーザに対して所望のレベルを設定すると共に,自分の公開する情報に対してレベルを設定することで,自分の公開する情報を取得可能なユーザを選択可能となっている(=ユーザに応じて情報を選択的に公開することが可能となっている。)。
【0097】
この場合,各ユーザは,自分が所属するグループに対応するアプリケーションプログラムを起動し,ユーザ毎のレベル設定を指定する。この指定がなされると,各ユーザの携帯電話機の制御部は,起動しているアプリケーションプログラムに基づいてコミュニケーションサーバ装置3にアクセスし,このアプリケーションプログラムに対応するグループを構成する他のユーザのレベル設定画面を,そのユーザの携帯電話機に送信する。
【0098】
各ユーザは,自分の携帯電話機を操作することで,このレベル設定画面に基づいて,他のユーザのレベルを入力する。各ユーザの携帯電話機の制御部は,この入力された他のユーザのレベルを示す情報をコミュニケーションサーバ装置3に送信する。コミュニケーションサーバ装置3は,各ユーザの携帯電話機から送信された上記レベルを示す情報を,対応するアプリケーションプログラムのグループに関連付けてユーザDB6に登録する。
【0099】
図10(a)?(c)に,友人用のアプリケーションプログラムに基づくグループを構成する各ユーザが,他のユーザに対して設定したレベルを示す。このうち,図10(a)はユーザAのユーザ情報を,図10(b)はユーザBのユーザ情報を,図10(c)はユーザCのユーザ情報をそれぞれ示している。
【0100】
この図10(a)?(c)に示すように,ユーザA?ユーザCは友人用アプリケーションプログラムを用いてコミュニケーションを図るグループを構成している。図10(a)に示すように,ユーザAは,他のユーザBに対して「レベル1」を設定し,他のユーザCに対して「レベル2」を設定している。同様に,図10(b)に示すように,ユーザBは,他のユーザAに対して「レベル1」を設定し,他のユーザCに対して「レベル3」を設定している。同様に,図10(c)に示すように,ユーザCは,他のユーザAに対して「レベル2」を設定し,他のユーザBに対して「レベル1」を設定している。
【0101】
これら各レベルは,レベル1を最上位レベルとし,以後,レベル2,レベル3・・・の順にレベルが低くなる。このため,この図10(a)?(c)から,各ユーザの親密度がわかる。例えば,ユーザAは,ユーザBに対して「レベル1」を設定しており,ユーザBも,ユーザAに対して「レベル1」を設定している。このため,ユーザAとユーザBは大変仲の良い友人であることがわかる。これに対して,ユーザBは,ユーザCに対して「レベル3」を設定しているのであるが,ユーザCも,ユーザBに対して「レベル1」を設定している。このため,ユーザCとしてはユーザBを大変仲の良い友人であると認識しているのであるが,ユーザBはユーザCをあまり仲の良い友人ではないと認識していることがわかる。
【0102】
次に,このように各ユーザ毎に他のユーザのレベルを設定すると,他のユーザに対して自分の情報を選択的に公開可能となる。すなわち,ユーザがアプリケーションプログラムに基づいて情報をコミュニケーションサーバ装置3にアップロードする際,このアップロードする情報に公開レベルを付してアップロードする。コミュニケーションサーバ装置3は,このアップロードされた情報を,ユーザにより付された公開レベルを示す情報と共に,ユーザDB6に設けられている,そのユーザのユーザ領域に記憶する。
【0103】
図10(a)は,ユーザAがレベル1の公開レベルを付してアップロードした情報を示し,図10(b)は,ユーザBがレベル2の公開レベルを付してアップロードした情報を示し,図10(c)は,ユーザCがレベル1の公開レベルを付してアップロードした情報を示している。
【0104】
コミュニケーションサーバ装置3は,そのユーザによりアップロードされた情報を,他のユーザに配信する際,このアップロードされた情報の公開レベルと,この情報のアップロードを行ったユーザが他のユーザに対して付したレベルとを比較する。そして,公開レベル以上のレベルが付された他のユーザの携帯電話機に対してのみ,上記アップロードされた情報を送信する。
【0105】
図11(a)?(c)に,前述のユーザA?Cが取り込み可能な情報の模式図を示す。まず,図11(a)において,前述の例では,ユーザAは,ユーザBにより「レベル1」が設定されいるため,ユーザBがアップロードしたレベル2の公開レベルのB情報を取り込むことができるのであるが,ユーザCにより「レベル2」が設定されているため,ユーザCがアップロードしたレベル1の公開レベルのC情報は取り込むことができない。
・・・(中略)・・・
【0108】
このように,各ユーザが同じグループの他のユーザに対して,それぞれ所望のレベルを付し,自分の公開する情報に公開レベルを付してコミュニケーションサーバ装置3にアップロードすることにより,公開する情報に応じてユーザを選択するかたちで,情報の公開を行うことができる。
【0109】
具体的には,例えば家族のグループの場合,配偶者等の関係や,年齢等に応じてレベルを設定することもでき,また,友人のグループの場合,レベルを親密度として利用して自分が公開する情報に対するアクセスを制限することができる。
【0110】
また,各ユーザに付したレベルは,対応するアプリケーションプログラムに基づいてコミュニケーションサーバ装置3にアクセスすることで,いつでも変更可能であるため,親密度の変化に応じて,レベルの変更も簡単に行うことができる。」

(2) ここで,上記引用例1に記載されている事項を検討する。

ア 上記Bの「ユーザは,選択したグループ専用のアプリケーションプログラムが有するコミュニケーション手段(=アプリケーション機能)を用いて,上記グループ内のユーザとコミュニケーションを図る」,「コミュニケーション網1」,「コミュニケーションサーバ装置3」との記載から,「コミュニケーション」はコミュニケーションサーバ装置からみれば「コミュニケーションサービス」を図っているとみることができる点をふまえると,「コミュニケーション網に接続され,選択したグループ専用のアプリケーションプログラムが有するアプリケーション機能を用いて,グループ内のユーザとコミュニケーションサービスを図るコミュニケーションサーバ装置」を読み取ることができる。

イ 上記Bの「「友人」の対人関係にあるユーザ同士がコミュニケーションを図る場合に選択される上記「友人用アプリケーションプログラム」の場合」,「各ユーザ同士のチャットを可能とする機能」,「各ユーザ同士で伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能」等を有している旨の記載からすると,「ユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有する友人用アプリケーションプログラム」であることは明らかである。また,上記Bには,ユーザDB6に記憶されているユーザに関する情報として「各ユーザの識別番号(ユーザID)」,「そのユーザが属するグループのグループID」,「そのユーザが他のユーザに対して付したユーザレベル」,「そのユーザが公開している情報の公開レベル」が記載され,「グループ登録」,「参加を希望するメンバーを,」「ユーザAのグループの構成メンバーとしてユーザDB6に本登録する」との記載を勘案すると,「ユーザを登録するユーザ登録手段」を読み取ることができる。これらを併せると,「ユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有する友人用アプリケーションプログラムを使用したコミュニケーションサービスを利用するユーザを登録するユーザ(グループのメンバーとしてのユーザ)登録手段」を読み取ることができる。

ウ 上記Bの「グループの代表(グループオーナー)となるユーザAが,自分の携帯電話機を操作してグループ登録の指定を行う」,「友人」の「対人関係を選択して決定」,上記イで言及した「グループ登録」,「参加を希望するメンバーを,」「ユーザAのグループの構成メンバーとしてユーザDB6に本登録する」との記載からすると,「前記ユーザ(メンバー)登録手段によって登録されたグループの代表(ユーザA)毎に,他のユーザ(メンバー)との友人関係を選択して決定する友達関係設定手段」を読み取ることができる。

エ 上記ウで言及した「友達関係設定手段」に関連し,上記Dの「各ユーザは,同じグループ内の他のユーザに対して所望のレベルを設定する」,「各ユーザは,」「ユーザ毎のレベル設定」するとの記載,「図10(a)?(c)に,友人用のアプリケーションプログラムに基づくグループを構成する各ユーザが,他のユーザに対して設定したレベルを示す。このうち,図10(a)はユーザAのユーザ情報を,図10(b)はユーザBのユーザ情報を,図10(c)はユーザCのユーザ情報」をそれぞれ示しており,「各レベルは,レベル1を最上位レベルとし,以後,レベル2,レベル3・・・の順にレベルが低く」なり,「各ユーザの親密度がわかる」との記載からすると,「前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他のユーザ(メンバ)に対して,ユーザ毎に各ユーザの親密度がわかるレベル(友達レベル)をレベル1を最上位レベルとし,以後,レベル2,レベル3・・・の順にレベルが低くなるレベルの何れかに設定することができる友達レベル設定手段」を読み取ることができる。

オ 上記イで言及した「ユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能」のコミュニケーションは,上記Dの「ユーザに応じて情報を選択的に公開することが可能」であることから,「公開することが可能」な情報(データ)を対象とすると解され,上記Cの〔掲示板アプリケーション機能〕の機能の例示における「アプリケーション機能の中から「掲示板」のアプリケーション機能を選択」し,「表題の入力」「本文の入力」がなされたとすると「表題及び本文の情報をコミュニケーションサーバ装置3に送信」し,「コミュニケーションサーバ装置3は」,「グループ用の掲示板領域に」,「アップロードされた上記表題及び本文を記憶制御」する旨の記載からすると,「ユーザからのユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板への掲示対象とする公開可能なデータの書き込みを制御する書き込み制御手段」を読み取ることができる。

カ 上記Dの「自分の公開する情報に対してレベルを設定することで,自分の公開する情報を取得可能なユーザを選択可能となっている(=ユーザに応じて情報を選択的に公開することが可能となっている。)」との記載,「アップロードする情報に公開レベルを付してアップロード」,「アップロードされた情報を,ユーザにより付された公開レベルを示す情報と共に,ユーザDB6に設けられている,そのユーザのユーザ領域に記憶する」,「レベル1の公開レベル」,「レベル2の公開レベル」との記載からすると,「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データに対して,公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段」を読み取ることができる。

キ 上記Cの「コミュニケーションサーバ装置3は」,「ユーザDB6から検索」,「Aさんから掲示板に対して書き込みがなされた旨の通知を行う」(通知を受けて掲示板へのアクセス要求が可能であることは自明)との記載,上記Dの「コミュニケーションサーバ装置3は,そのユーザによりアップロードされた情報を,他のユーザに配信する際,このアップロードされた情報の公開レベルと,この情報のアップロードを行ったユーザが他のユーザに対して付したレベル(前記エの友達レベル;当審注)とを比較する。そして,公開レベル以上のレベルが付された他のユーザの携帯電話機に対してのみ,上記アップロードされた情報を送信する」との記載からすると,「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データへの前記他のユーザからのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他のユーザに対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記データを公開すると判定する公開判定手段」を読み取ることができる。

ク 上記Bの「「友人用アプリケーションプログラム」の場合,各ユーザ同士のチャットを可能とする機能や,各ユーザのスケジュールの閲覧を可能とするスケジュール帳機能,各ユーザの電話帳の閲覧を可能とする電話帳機能,各ユーザ同士で伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有している」との記載からすると,コミュニケーションサーバ装置における閲覧を可能とする「閲覧ページの作成」を読み取ることができるとともに,上記Dに記載のように「ユーザに応じて情報を選択的に公開することが可能となっている」ことをふまえれば,「前記公開判定手段により公開すると判定された前記データを含む閲覧ページを作成する閲覧ページ作成手段」および「前記閲覧ページ作成手段により作成された閲覧ページを,前記アクセス要求をした前記他のユーザに対して公開する公開手段」を読み取ることができる。

(3)以上,ア乃至クの検討によれば,引用例1には,グループに対して公開した情報は,当該グループの全ユーザに対して画一的に公開されるため,情報の内容に応じて公開するユーザを選択することができず,使い勝手の悪いシステムとなっていた従来の問題点を解決した(上記Aを参照)次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

「コミュニケーション網に接続され,選択したグループ専用のアプリケーションプログラムが有するアプリケーション機能を用いて,グループ内のユーザとコミュニケーションサービスを図るコミュニケーションサーバ装置において,
ユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有する友人用アプリケーションプログラムを使用したコミュニケーションサービスを利用するユーザを登録するユーザ(メンバーとしてのユーザ)登録手段と,
前記ユーザ登録手段によって登録されたグループの代表毎に,他のユーザとの友人関係を選択して決定する友達関係設定手段と,
前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他のユーザに対して,ユーザ毎に各ユーザの親密度がわかるレベル(友達レベル)をレベル1を最上位レベルとし,以後,レベル2,レベル3・・・の順にレベルが低くなるレベルの何れかに設定することができる友達レベル設定手段と,
ユーザからのユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板への掲示対象とする公開可能なデータの書き込みを制御する書き込み制御手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データに対して,公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データへの前記他のユーザからのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他のユーザに対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記データを公開すると判定する公開判定手段と,
前記公開判定手段により公開すると判定された前記データを含む閲覧ページを作成する閲覧ページ作成手段と,
前記閲覧ページ作成手段により作成された閲覧ページを,前記アクセス要求をした前記他のユーザに対して公開する公開手段と
を備えたコミュニケーションサーバ装置。」


2 引用例2に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布され,当審からの上記平成26年10月6日付け拒絶理由通知において引用された,特開2006-185257号公報(平成18年7月13日出願公開,以下,「引用例2」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

E 「【0002】
インターネット等のネットワーク上で公開されるウェブページには,利用者の制限なく誰にでも公開されているものと,特定の利用者にのみ公開されるものとがある。特定の利用者にのみ公開されるウェブページでは,その閲覧制限を,・・・(中略)・・・
【0003】
・・・(中略)・・・ソーシャルネットワーキングサービスがインターネットで広く行なわれてきている。このサービスは,自分のプロフィールや,ブログと呼ばれる日記などを登録することにより,自分の知り合いを探したり,今までに知らない人の知人を自分の知り合いの中から探し出して紹介してもらったりするサービスである・・・(中略)・・・
【0004】
しかしながら,例えば,一般には公開せずに,特定の分野に興味のある利用者同士で,その分野に限って情報の交換を行ないたい,または,求職中の学生や受験生など特定の立場の利用者が,同じ立場の利用者との個人的な情報交換を行ないたい等というニーズも存在する。
・・・(中略)・・・
【0006】
また,従来のソーシャルネットワーキングサービスでは,ブログなどは会員登録せずとも誰でも見ることができ,情報が一方向に流れる傾向にあった。・・・(中略)・・・
【0007】
本発明は,かかる実情に鑑み,一方的な情報提供ではなく,個人的な情報交換を想定した特定の利用者相互のウェブページ閲覧を可能とするウェブページ閲覧制限装置を提案する。」

F 「【0013】
・・・(中略)・・・閲覧可能判断情報により,ある利用者が他の利用者のウェブページを閲覧可能である場合には,他の利用者が,ある利用者のウェブページが閲覧可能となるように利用者相互の閲覧が可能であることを示すように設定される。
・・・(中略)・・・
【0016】
・・・(中略)・・・ウェブページ閲覧制限装置(0200)により,ウェブページの閲覧が許可されない限り,ウェブページの閲覧ができないようなウェブサーバ装置に本実施形態に係るウェブページ閲覧制限装置が組み込まれることが想定されている。」


第4 参考文献

1 参考文献1に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布された,特開2001-325249号公報(平成13年11月22日出願公開,以下,「参考文献1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

G 「【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため,本発明に係る文書提供装置は,ユーザから文書取得命令を受信する命令受信手段と,前記文書取得命令を発行した前記ユーザのセキュリティ情報を取得するユーザセキュリティ取得手段と,前記文書取得命令にて指定された文書を取得する文書取得手段と,取得した文書の各構成要素ごとに,その構成要素のセキュリティ情報を取得する文書要素セキュリティ取得手段と,前記取得した文書の各構成要素ごとに,その構成要素のセキュリティ情報と前記ユーザのセキュリティ情報との関係からその構成要素のそのユーザに対する開示可能性を判定する開示判定手段と,前記各構成要素ごとの開示可能性の判定の結果に応じて,前記取得した文書を編集して出力する出力制御手段とを備える。
【0010】
この構成によれば,文書提供装置は,ユーザに対する開示可能性を,文書の構成要素単位で判定した上で,必要な編集を加えて出力することができる。なお,この文書提供装置は,例えば,提供する文書を自分で保持・管理していてもよいし,提供する文書をネットワーク上の他のサーバから取得して,必要な編集を加えるような方式でもよい。」

H 「【0040】
S20:この解析処理において,HTML文書からPublicityタグ又はパラメータを検出した場合,文書解析部108は,そのタグ又はパラメータに示されたセキュリティレベルの値をセキュリティレベル評価部130に渡し,当該タグ又はパラメータに対応する構成要素の開示可否の評価を行わせる。セキュリティレベル評価部130は,その構成要素のセキュリティレベルを,ネットワーク上のディレクトリサービスから取得したユーザのセキュリティレベルと比較し,その構成要素が開示可能か否かを判定し,その結果を文書解析部108に渡す。構成要素が開示可能と判定された場合は,文書解析部108は,その構成要素をHTML文書の記述に従ってビットマップイメージへ展開する。一方,構成要素が開示不可と判定された場合は,文書解析部108は,その構成要素に対し,予め設定されたセキュリティポリシーに従った秘匿処理を施す。秘匿処理には,例えばその構成要素が文字列の場合は,個々の文字を「*」などと予め設定しておいた伏せ字に置き換えるなどがある。また,開示不可の構成要素の部分を空白や黒塗り画像に置き換えたり,予め設定しておいた警告文や警告画像に置き換えるというポリシーも考えられる。」

J 「【0044】
図5は,セキュリティレベル0のユーザの場合の印刷結果であり,レベル1以上の文書要素は全く印刷されておらず,セキュリティレベル設定のなされていない要素のみが表示されている。図6はセキュリティレベル1のユーザの場合の印刷結果であり,レベル1以下の構成要素が表示されている。図7はセキュリティレベル2のユーザの場合の印刷結果であり,セキュリティレベル3の構成要素である語句“松竹梅”(図2参照)が伏せ字「***」に置き換えられている。図8は,セキュリティレベル3のユーザの場合の印刷結果であり,文書のすべての要素が表示されている。」

K 「【0062】<変形例3>以上の例では,文書のセキュリティ保護処理を,文書サーバ30から文書を取得するプリントシステム10の側で行った。これに対し,本変形例では,文書を提供する文書サーバ自体で文書のセキュリティ保護処理を行う例を説明する。ここでは,文書サーバがWWWのWebサーバであり,Webページをユーザ端末に表示する場合を例にとる。
【0063】図10に本変形例におけるWebサーバ60の構成を示す。Webサーバ60は,機能モジュールとして,HTTPデーモン602,スクリプト実行部604,セキュリティレベル評価部606,応答文書生成部608,及びドキュメントレポジトリ610を備える。HTTPデーモン602は,ユーザからの要求を受け付け,それに応じた応答文書の情報をユーザに送信する。スクリプト実行部604は,Webサーバの処理のために必要な各種スクリプトを実行する。ドキュメントレポジトリ610は,様々なHTML文書を保存・管理している。この中には,図2に示したようなセキュリティレベルの設定されたHTML文書も含まれる。応答文書生成部608は,ドキュメントレポジトリ610から取り出したHTML文書に対し,要求元ユーザのセキュリティレベルに応じた開示内容となるよう編集する。セキュリティ評価部606は,HTML文書の各構成要素のセキュリティレベルとユーザのセキュリティレベルとに基づき,各構成要素ごとに,そのユーザに開示するか否かを判定する。なお,ユーザ端末50は,一般的なWebブラウザを備えていればよい。」

2 参考文献2に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布された,特開平11-25076号公報(平成11年1月29日出願公開,以下,「参考文献2」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

L 「【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の文書管理装置は,構造化された文書を格納する記憶部と,上記文書をアクセスする権利を取得するためのアクセス者IDが入力され,その文書を表示するとともにその文書の編集操作が行われる表示編集部と,表示編集部が上記文書をアクセスする権利を,その文書の各構造化部分毎に,かつ,アクセス者ID毎に設定するアクセス権設定手段と,上記文書の,表示編集部から入力されたアクセス者IDに応じた,アクセスを許容する旨設定された構造化部分のみ,表示編集部からのアクセスを許可するアクセス許可手段とを備えたことを特徴とする。」

M 「【0016】
また,上記本発明の文書管理プログラム記憶媒体に格納された文書管理プログラムにおいて,この文書管理プログラムが,文書の構成を変更する文書構成変更手段を有するとともに,この文書管理プログラムを構成するアクセス権設定手段が,文書の構成が文書構成変更手段により変更された後の構成変更後文書に,入力されたアクセス者IDに応じた,アクセスが許可された構造化部分のみが含まれるように,文書構成変更手段による,文書の各構造化部分毎の,かつ,アクセス者ID毎の,文書の構成の変更態様を設定するものであってもよく,あるいは,この文書管理プログラムが,文書の表示形式を調整する表示形式調整手段を有するとともに,この文書管理プログラムを構成するアクセス権設定手段が,文書の表示形式が表示形式調整手段により調整された後の表示用文書に,入力されたアクセス者IDに応じた,アクセスが許可された構造化部分のみが含まれるように,表示形式調整手段による,文書の各構造化部分毎の,かつ,アクセス者ID毎の,文書の表示形式を設定するものであってもよい。」

3 参考文献3に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布された,特開2004-310637号公報(平成16年11月4日出願公開,以下,「参考文献3」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

N 「【0019】
ファイル取得部550は,文書編集プログラム等から配信する文書ファイルを取得し,制限処理部560に対して出力する。本例の場合,ファイル取得部550により取得される文書ファイルには,機密部分にアクセス権のレベルが設定されている。
【0020】
制限処理部560は,関連付け部540から入力されたアクセス権情報に基づいて,ファイル取得部550から入力された文書ファイルの機密部分を秘匿化し,機密部分が秘匿化された文書ファイルを,このアクセス権情報と関連付けられたアドレス情報に対応付けて通信部570に対して出力する。
【0021】
具体的には,ファイル生成部565は,アクセス権情報の種類に応じた数だけ,ファイル取得部550から入力された文書ファイルを複製する。本例のファイル生成部565は,配信先のアクセス権レベルの種類の数だけ,文書ファイルを生成する。
制限処理部560は,ファイル生成部565により生成された各文書ファイルに対して,各アクセス権レベルに応じたアクセス制限処理を施す。例えば,制限処理部560は,機密部分に設定されたアクセス権レベルが配信先のアクセス権レベルよりも高い場合に,この機密部分をマスク画像に置換する。マスク画像とは,機密部分を閲覧できないようにするベタ塗り画像またはハッチング画像等である。なお,アクセス制限処理は,これに限定されるものではなく,制限処理部560は,機密部分のデータの暗号化,または,機密部分の画像のスクランブル処理などにより機密部分を秘匿化してもよい。また,制限処理部560は,予め機密部分を文書ファイルから削除しておき,アクセスが許可される場合に機密部分を付加してもよい。」


第5 対比

1 本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「コミュニケーション網に接続され,選択したグループ専用のアプリケーションプログラムが有するアプリケーション機能を用いて,グループ内のユーザとコミュニケーションサービスを図るコミュニケーションサーバ装置」と本願発明の「ネットワークを通じてSNS(Social Networking Service)を提供するSNSサーバ」とは後記する点で相違するものの,上位概念において「ネットワークを通じてNS(Networking Service)を提供するNSサーバ」である点で共通する。

(2)引用発明の「ユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板の機能等を有する友人用アプリケーションプログラムを使用したコミュニケーションサービスを利用するユーザを登録するユーザ(グループメンバーとしてのユーザ)登録手段」と本願発明の「SNSを利用する会員を登録する会員登録手段」とは後記する点で相違するものの,上位概念において「NSを利用する会員を登録する会員登録手段」である点で共通する。

(3)引用発明の「前記ユーザ登録手段によって登録されたグループの代表毎に,他のユーザとの友人関係を選択して決定する友達関係設定手段」と本願発明の「前記会員登録手段によって登録された会員毎に,他の会員との友達関係を設定する友達関係設定手段」とに実質的な差異はない。

(4)引用発明の「前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他のユーザに対して,ユーザ毎に各ユーザの親密度がわかるレベル(友達レベル)をレベル1を最上位レベルとし,以後,レベル2,レベル3・・・の順にレベルが低くなるレベルの何れかに設定することができる友達レベル設定手段」と本願発明の「前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他の会員に対して,会員毎に,友達レベルを設定しない,あるいは友達レベルを複数レベルの何れかに設定する友達レベル設定手段」とは後記する点で相違するものの,「前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他の会員に対して,会員毎に,友達レベルを複数レベルの何れかに設定する友達レベル設定手段」の点で共通すると言える。

(5)引用発明の「ユーザからのユーザ同士のチャットを可能とする機能や伝言や任意の書き込みを可能とする掲示板への掲示対象とする公開可能なデータの書き込みを制御する書き込み制御手段」と本願発明の「会員からの公開対象とする第1データの書き込みを制御する書き込み制御手段」とは「会員からの公開対象とするデータの書き込みを制御する書き込み制御手段」の点で一致すると言える。

(6)引用発明の「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データに対して,公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段」と本願発明の「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記第1データに対して,公開レベルを設定しない,あるいは公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段」とは後記する点で相違するものの,上位概念において「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データに対して,公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段」の点で共通すると言える。

(7)引用発明の「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データへの前記他のユーザからのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他のユーザに対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記データを公開すると判定する公開判定手段」と本願発明の「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記第1データを複数含む第2データを公開するためのWebページに対する前記他の会員からのアクセス要求に対して,前記第1データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他の会員に対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記第1データを公開すると判定する第1公開判定手段」とは後記する点で相違するものの,上位概念において「前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データへの前記他の会員からのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他の会員に対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記データを公開すると判定する公開判定手段」の点で共通すると言える。

(8)引用発明の「前記公開判定手段により公開すると判定された前記データを含む閲覧ページを作成する閲覧ページ作成手段」と本願発明の「前記第1公開判定手段により公開すると判定された前記第1データのみを含む前記第2データを公開するための前記Webページを作成するWebページ作成手段」とは後記する点で相違するものの,「前記公開判定手段により公開すると判定された前記データを含むページを作成するページ作成手段」の点で共通すると言える。

(9)引用発明の「前記閲覧ページ作成手段により作成された閲覧ページを,前記アクセス要求をした前記他のユーザに対して公開する公開手段」と本願発明の「前記Webページ作成手段により作成された前記Webページを,前記アクセス要求をした前記他の会員に対して公開する公開手段」とは後記する点で相違するものの,「前記ページ作成手段により作成されたページを,前記アクセス要求をした前記他の会員に対して公開する公開手段」の点で共通すると言える。

2 以上から,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

(一致点)

「ネットワークを通じてNS(Networking Service)を提供するNSサーバにおいて,
NSを利用する会員を登録する会員登録手段と,
前記会員登録手段によって登録された会員毎に,他の会員との友達関係を設定する友達関係設定手段と,
前記友達関係設定手段によって友達関係が設定された他の会員に対して,会員毎に,友達レベルを複数レベルの何れかに設定する友達レベル設定手段と,
会員からの公開対象とするデータの書き込みを制御する書き込み制御手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データに対して,公開レベルを複数レベルの何れかに設定する公開レベル設定手段と,
前記書き込み制御手段の制御により書き込まれた前記データへの前記他の会員からのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他の会員に対して設定された前記友達レベルとを比較し,前記友達レベルが前記公開レベル以上である場合に前記データを公開すると判定する公開判定手段と,
前記公開判定手段により公開すると判定された前記データを含むページを作成するページ作成手段と,
前記ページ作成手段により作成されたページを,前記アクセス要求をした前記他の会員に対して公開する公開手段とを具備したことを特徴とするNSサーバ。」

(相違点1)
NSサーバに関し,本願発明は「Webページ」を公開する「S(Social)NSサーバ」であるのに対して,引用発明の「NSサーバ」はそのようなサーバであるか不明な点。

(相違点2)
友達レベルの設定に関し,本願発明は「友達レベルを設定しない,あるいは」友達レベルを複数レベルの何れかに設定するものであるのに対して,引用発明は友達レベルを複数レベルの何れかに設定するものである点。

(相違点3)
公開レベルの設定に関し,本願発明は「公開レベルを設定しない,あるいは公開レベルを複数レベルの何れかに設定するものであるのに対して,引用発明は公開レベルを複数レベルの何れかに設定するものである点。

(相違点4)
データの公開判定に関し,本願発明は「第1データを複数含む第2データを公開するためのWebページ」に対するアクセス要求に対して,「第1データに設定された公開レベル」を用いて「第1データ」の公開を判定するのに対して,引用発明は「書き込まれたデータ」へのアクセス要求に対して,「データに設定された公開レベル」を用いて「データ」の公開を判定するものであり,アクセス要求と公開判定の対象データが同じである点。

(相違点5)
ページ作成に関し,本願発明は「公開すると判定された前記第1データのみを含む前記第2データを公開するための」「Webページ」を作成するのに対し,引用発明は「公開すると判定された前記データを含む閲覧ページ」を作成するものの,「閲覧ページ」が,公開すると判定されたデータのみを含むデータを公開するための「Webページ」であるか言及されていない点。


第6 当審の判断

上記相違点1乃至5について検討する。

1 相違点1について

引用例2(上記Eを参照)に記載されるように,Webページ上で自分のプロフィールやブログを公開するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が本願出願前に周知技術であり,公開されるページの閲覧を制限することを技術的課題としている点で引用発明と共通すると言える。
そして,引用発明において,引用例2記載の周知技術を適用し,NSサーバをSNSサーバにより成しWebページを公開すること,すなわち,上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

2 相違点2について

引用例2(上記Fを参照)に記載されるように,ウェブページ閲覧システムにおいて,閲覧が可能であることを示すように設定する態様,及び,ウェブページの閲覧が許可されない限り,ウェブページの閲覧をできないようにする態様は本願出願前には周知であり,また,引用発明の友達レベルを複数レベルの何れかに設定するものにおいて,友達レベルを設定しないことにより当該友達が閲覧できないようにすることは,通常の設計的事項の範囲内のものである。
してみれば,引用発明において,引用例2記載の周知技術を適用し,友達レベルの設定に関し,友達レベルを設定しない,あるいは友達レベルを複数レベルの何れかに設定すること,すなわち,上記相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

3 相違点3について

引用例2(上記Eを参照)に記載されるように,ウェブページ閲覧システムにおいて,ウェブページを公開しない態様は本願出願前には周知である。また,公開レベルの設定については,上記2において検討したことと同様のことが言え,引用発明の公開レベルを複数レベルの何れかに設定するものにおいて,公開レベルを設定しない状態を更に設けることは当該技術分野の設計的事項にすぎない。
そうすると,引用発明において,引用例2記載の周知技術を適用し,公開レベルの設定に関し,公開レベルを設定しない,あるいは公開レベルを複数レベルの何れかに設定すること,すなわち,上記相違点3に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

4 相違点4及び相違点5について

引用発明は,「データへの前記他のユーザからのアクセス要求に対して,前記データに設定された前記公開レベルと,アクセス要求した前記他のユーザに対して設定された前記友達レベルとを比較」するところ,複数の部分領域からなる文書への所定ユーザからのアクセス要求があった場合に,部分領域ごとに当該ユーザに対して出力を許可するか否かを判定する旨の技術は,例えば参考文献1(上記G,Kを参照),参考文献2(上記Lを参照)に記載されるように,本願出願前には当該技術分野の周知技術であった。
また,複数の部分領域からなる文書を所定のユーザに公開する際に,当該ユーザに対して出力が許可された領域のみを公開することも,例えば参考文献1(上記H,Jを参照),参考文献2(上記Mを参照),参考文献3(上記Nを参照)に記載されるように,本願出願前には当該技術分野において普通に利用されていた常套手段であった。
そして,引用発明と参考文献1乃至3に記載された上記周知技術とは,文書の内容とユーザに応じて適切な文書開示を行うという共通する課題を有していることは明らかである。
してみると,引用発明に参考文献1乃至3に記載の上記周知技術を適用し,適宜,データを複数含むWebページに対するアクセス要求に対して,前記データに設定された公開レベルと,アクセス要求した前記ユーザに対して設定された友達レベルとを比較し,公開すると判定したデータのみを含むWebページを作成すること,すなわち,上記相違点4及び相違点5に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

5 小括

上記で検討したごとく,相違点1乃至5に係る構成は当業者が容易に想到し得たものであり,そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本願発明の奏する作用効果は,上記引用発明及び引用例2などに記載の当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。


第7 むすび

以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-02-09 
結審通知日 2015-02-10 
審決日 2015-02-26 
出願番号 特願2012-66932(P2012-66932)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 和田 財太  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 小林 大介
辻本 泰隆
発明の名称 SNSサーバ、SNS制御プログラム  
代理人 峰 隆司  
代理人 佐藤 立志  
代理人 堀内 美保子  
代理人 井関 守三  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 砂川 克  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 井上 正  
代理人 福原 淑弘  
代理人 岡田 貴志  
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