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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1300468
審判番号 不服2013-22212  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-13 
確定日 2015-05-07 
事件の表示 特願2006-311830「ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲームシステムおよびゲーム制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 6月 5日出願公開、特開2008-125621〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成18年11月17日の出願であって、平成25年1月16日付けで手続補正書が提出され、同年8月9日付けで拒絶の査定がなされ、これに対し、同年11月13日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされ、その後、当審において、平成26年9月26日付けで拒絶の理由を通知したところ、これに対し、同年12月8日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年12月19日付けで最後の拒絶の理由を通知したところ、これに対し、平成27年1月30日付けで意見書が提出されたものである。


2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、上記の平成26年12月8日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲、明細書、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める(以下「本願発明」という。)。

「【請求項1】
他の装置とネットワークを介してデータの送受信を行う送受信制御手段と、
自動返信用の所定の返信データを記憶する返信データ記憶手段と、
前記送受信制御手段によってデータの送受信を行うことにより、受信した受信データに返信を要求することを示す返信要求情報が含まれているか否かを判別する受信データ判別手段と、
前記受信データ判別手段において前記受信データに前記返信要求情報が含まれている場合に、前記返信データ記憶手段から自動的に前記返信データを読み出して前記送受信制御手段を用いて送信する自動返信手段と、を備えるゲーム装置。」


3.引用例
(1)引用例1
当審の最後の拒絶の理由に引用し、本願の出願前である平成17年9月15日に頒布された特開2005-250550号公報(以下「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、アプリケーション制御装置に関し、特に、ゲームやメールの送受信、放送受信、スケジュール管理、電話の送受話など、複数のアプリケーションを実行することができる携帯型、又は、据え置き型の情報処理装置から構成されるアプリケーション制御装置に関する。」
「【0063】
〔概略構成〕
本発明に係るアプリケーション制御装置は、ゲームやメールの送受信、放送受信、スケジュール管理、電話の送受話など、外部からダウンロードあるいはインストールされた複数のアプリケーションを実行することができる携帯型や据え置き型の情報処理装置から構成されるものである。本アプリケーション制御装置についてその原理構成の一例を示す制御ブロック図を図1に示している。」
「【0098】
〔第2実施形態〕
次に、アプリケーション103a,b,…,zのうちの1つのアプリケーションが、電子メールやショートメッセージの送受信ができるものである場合における動作について説明する。
前述の電子メールやショートメッセージの送受信ができるアプリケーション(以下、メールアプリと記述する)が起動している時は、新着メールが届いているか定期的にメールサーバに接続してチェックをしたり、メールを受信するためにネットワーク上で待機したりする機能を持つ。更に、メールを作成して送信する機能を持つ。ここで、ユーザがメールを作成して送信する時には、メールアプリは、ユーザによって操作されているためアクティブ状態にある可能性が高いが、一方、いつ届くかわからないメールを受信するために待機状態にあるときには、非アクティブ状態で待機していても構わない。
【0099】
今、メールアプリが新着メールを受信したとする。新着メールを受信したメールアプリは、メールを受信したことをユーザに知らせるために出力部104を介して通知しようとしたり、あるいは、メールアプリをアクティブ状態にしようとする。
【0100】
しかし、新着メールを受信した時、もし、ユーザがメールアプリ以外の別のアプリケーションを実行して作業を行っていたとすると、ユーザの予期しないタイミングで、突然、メールアプリがアクティブになったり、ポップアップ表示したりすることにより、操作が滞ったりしてしまい、ユーザの操作の妨げになってしまう。

【0114】
メールアプリをアクティブにする必要がないような場合は、第1実施形態と同じように、現在アクティブなゲームアプリケーションから、システム部102を介してメールアプリに対して、現在のアプリケーションの作業を続行しますという応答を返信する(ステップS404のNO)。現在のアプリケーションの作業を続行しますとの該応答を受信したメールアプリは、アクティブな状態に切り替わることなく、そのまま、バックグラウンドで待機状態を継続する。
【0115】
逆に、ユーザがゲームを一時中断してメールアプリをアクティブに切り替えて表示させたい場合は、ゲーム内でユーザが入力部105を介してそのような選択をすることにより、ゲーム途中の状態を保存してアクティブなゲームアプリケーションを終了できる状態になると、受信したメールアプリコマンドに対応して、アプリケーションを終了しますという応答を、システム部102を介してメールアプリに対して返信する。システム部102を介して返信されてきた応答により、メールアプリがアクティブな状態になっても良いという応答を受信すると(ステップS404のYES)、メールアプリはアクティブ状態となり、出力部104にメール画面が表示される(ステップS405)。」

上記の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「ゲームアプリケーションやメールアプリなど、複数のアプリケーションを実行することができるアプリケーション制御装置を構成する携帯型、又は、据え置き型の情報処理装置。」

(2)引用例2
当審の最後の拒絶の理由に引用し、本願の出願前である平成13年11月22日に頒布された特開2001-326730号公報(以下「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。(なお、下線は審決で付した。以下同じ。)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 インターネット網との通信が可能な音声蓄積装置を備えたボタン電話装置において、
受信した電子メールのヘッダ情報から直接宛先アドレスと同報宛先アドレス及び差出人アドレスを認識するヘッダ情報解析手段と、
前記読み取った直接宛先アドレス及び同報宛先アドレスを記憶するアドレス情報記憶手段と、
装置の利用者が保有する電子メールアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
受信した電子メールのヘッダ情報と前記アドレス記憶手段に記憶されている利用者の電子メールアドレスの一致を検索するアドレス検索手段と、
前記電子メールアドレスの一致時における呼出し先を記憶する呼出し先記憶手段と、
前記受信した電子メールに含まれる同報宛先アドレスの検索一致時に前記差出人アドレス宛に予め設定された定型文を用いた受信確認の返信用の送信メールを作成し送信する送信メール作成手段とを備えたことを特徴とする音声蓄積装置を備えたボタン電話装置。」
「【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インターネット網が発達し大量データの送受信が可能となった昨今、音声による伝言と並んで電子メールによる通信の割合が増大している。この電子メールは、受信者の都合のよいときに閲覧でき、音声では伝えきれない複雑な情報を伝達できるという利点がある反面、メールの受信者からの返答がない場合、発信者は受信者が不在なのか受信したうえで返答がないのかを知る手段はなく、結局電話など別な手段で確認しなければならないという問題があった。」
「【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のボタン電話装置の実施形態を説明する。図1は本発明のボタン電話装置の実施形態の構成を示すブロック図である。図示のボタン電話装置は、主装置1、電話機3、音声蓄積装置6で大略構成されている。パーソナルコンピュータ等メール受信端末19は、主装置1、音声蓄積装置6とは独立して設けられ、インターネット網に接続される。
【0016】主装置1は、電話機インターフェース2を介して電話機3が接続され、局線インタフェース4を介して公衆回線に接続されている。中央処理装置5はこれら電話機インタフェース2及び局線インターフェース4を制御する。
【0017】音声蓄積装置6は、主装置1の中央処理装置5に接続された制御装置7を有する。この音声蓄積装置6は、ケーブル8を介してインターネット網に接続され、制御装置7にはその通信を制御する手段を備えており、音声蓄積装置6がインターネット網を利用した電子メールなどのサービスを利用可能に構成されている。
【0018】この音声蓄積装置6には、以下の各装置9?18を備えている。呼出し先記憶装置9は、メール受信時に通知を行う相手を記憶する。カウンタ10は呼び出し回数を記憶し、その際カウンタワーク10wをカウントのワークエリアとして使用する。タイマ11は、呼出し間隔を記憶し、その際タイマワーク11wをワークエリアとして使用する。ガイダンス記憶装置12には、呼出し先が応答したときに送出するガイダンスが予め登録される。ヘッダ情報解析装置13は、受信メールのヘッダ情報を解析し、ヘッダ情報記憶装置14にその結果を記憶する。アドレス記憶装置15は、ボタン電話装置利用者の電子メールアドレスを記憶する。アドレス検索装置16は、ヘッダ情報記憶装置15に記憶された受信アドレスとアドレス記憶装置15の内容の一致を検索する。終了理由記憶装置17は、呼出しが終了したときにその終了理由を記憶する。送信メール作成装置18は、呼出し終了理由を伝える送信メールを作成する。制御装置7は、これら呼出し先記憶装置9乃至送信メール作成装置18の各部を制御する。
【0019】呼出し先記憶装置9、アドレス記憶装置15は、音声蓄積装置6を利用する人数分にエリア分割され、分割された呼出し先記憶装置9のエリア9a,9b,…と、アドレス記憶装置15のエリア15a,15b…、にIDを付与する。図2、図3は、それぞれ上記各記憶装置9,15の内部を示す図であり、この図に示されている上記のIDをボックス番号と呼称する。
【0020】例えば、ボックス番号10の利用者のメールアドレスはアドレス記憶装置15のエリア15aに記憶され、呼出しは呼出し先記憶装置9のエリア9aに記憶された番号へ行われる。また、図4に示すように、ヘッダ情報記憶装置14には直接宛先アドレス記憶部14aと、同報宛先アドレス記憶部14bと、差出人アドレス記憶部14cが設けられている。
【0021】次に上記構成の動作について説明する。ここでメール受信端末19の使用者A氏が音声蓄積装置6のボックス10を使用しているとする。メール受信端末19のメールアドレスをA@mci.co.jpとし、音声蓄積装置6に割り当てられたメールアドレスをmailbox@co.jpとすると、A氏はアドレス記憶装置15でボックス10に対応するエリア15aへ自分のメールアドレスA@mci@co.jpを記憶させ、また、そのメールアドレス宛の電子メールを受信したときに内線番号100の電話機3に対して通知が欲しい場合は、呼出し先記憶装置9でボックス10に対応するエリア9aにこの内線番号100を記憶させておく。
【0022】そして、外部の人物B氏(メールアドレスをB@mei.co.jpとする)がA氏に対して電子メールを送る場合、音声蓄積装置6によるA氏へのメール受信通知、及び通知結果の返信が欲しければ、B氏はA氏のアドレスにA@mci.co.jpのほかに同報アドレスとしてmailbox@mci.co.jpも宛先に追加して送信する。この電子メールはインターネット網を経由してメール受信端末19に送信されるほか、音声蓄積装置6へも送信される。
【0023】ヘッダ情報解折装置13は、受信した電子メールのヘッダ情報から直接宛先アドレス、同報宛先アドレス、差出人アドレスを取り出し、それぞれヘッダ情報記憶装置14の直接宛先アドレス記憶部14aと、同報宛先アドレス記憶部14bと、差出人アドレス記憶部14cへ格納する。アドレス検索装置16は、直接宛先アドレス記憶部14aと同報宛先アドレス記憶部14bの両記憶部に格納されたアドレスでアドレス記憶装置15に記憶されたアドレスと一致するものがないか検索を行なう。
【0024】上記例によれば、直接宛先アドレス記憶部14aとアドレス記憶装置15でボックス10に対応するエリア14a,15aの内容がA@mci.co.jpで一致する。このように、アドレスの一致が検出された場合、制御装置7は呼出し先記憶装置9から同ボックスに対応する呼出し先情報を取出し、中央処理装置5へ通知する。即ち、内線番号100番を呼出し先記憶装置9のエリア9aから取出し、中央処理装置5へ通知し、中央処理装置5は電話機インタフェース2を介して電話機3を呼び出す。電話機3が応答すると、制御装置7はガイダンス記憶装置12から所定のガイダンスを取出して呼出し先へ送出する(例「メールを受信しました」)。
【0025】ここで、カウンタワーク10w、タイマワーク11wには電子メールを受信した時点でカウンタ10、タイマ11からそれぞれ呼出し回数と呼出し間隔時間が制御装置7によって保持(コピー)されるが、呼出し先が応答した時点でカウンタワーク10wはクリアされ、呼出し先への発信も停止する。この時点で制御装置7は終了理由記憶装置17へ終了理由を記録する。(例えば:「1(呼出し先応答済)」)。一方、呼出し先が応答しない場合、制御装置7はカウンタワーク10wの呼出し回数を1減算し、タイマワーク11wを起動させ時間の計測を開始する。タイマワーク11wの計測時間が満了すると制御装置7は再度発信を行なう。カウンタワーク10wが0になると呼出し先が応答してなくとも発信を停止させる。この場合も、制御装置7は終了理由記憶装置17へ終了理由を記録する。(例:「2(呼出し回数終了・不応答)」)。
【0026】また、呼出し先の電話機3が不在設定等を行なっているときは、制御装置7は1回目の呼出時に中央処理装置5からの通知でこの不在状態を検出可能であり、その時点で呼出しを中止して終了理由記憶装置17へ終了理由(例:「3(不在)」)を記録することも可能である。
【0027】終了理由記憶装置17へ終了理由が記録されると、送信メール作成装置18はヘッダ情報記憶装置14の差出人アドレス記憶部14cから差出人のアドレス(B@mei.co.jp)を取出し、終了理由記憶装置17の終了理由に応じた定型文(例:「受信が通知されました/通知に応答がありません/本日は不在です」等)を付加して返信メールを作成し、差出人に返信を行なう。このとき直接宛先アドレス記憶部14a、同報宛先アドレス記憶部14bに記憶されている受信側のアドレスヘも同様の返信メールを送り、差出人に対してどのようなレスポンスを送ったのか報告することも可能である。」
そして、上記【0027】の「送信メール作成装置18はヘッダ情報記憶装置14の差出人アドレス記憶部14cから差出人のアドレス(B@mei.co.jp)を取出し、終了理由記憶装置17の終了理由に応じた定型文(例:「受信が通知されました/通知に応答がありません/本日は不在です」等)を付加して返信メールを作成し、差出人に返信を行なう。」との記載から、定型文の付加は、送信メール作成装置18により自動的に行われることが示されているといえる。

上記の記載事項を総合すると、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「インターネット網との通信が可能なボタン電話装置において、
受信した電子メールのヘッダ情報から直接宛先アドレスと同報宛先アドレス及び差出人アドレスを認識するヘッダ情報解析手段と、
前記読み取った直接宛先アドレス及び同報宛先アドレスを記憶するアドレス情報記憶手段と、
装置の利用者が保有する電子メールアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
受信した電子メールのヘッダ情報と前記アドレス記憶手段に記憶されている利用者の電子メールアドレスの一致を検索するアドレス検索手段と、
前記電子メールアドレスの一致時における呼出し先を記憶する呼出し先記憶手段と、
前記受信した電子メールに含まれる同報宛先アドレスの検索一致時に、自動的に前記差出人アドレス宛に予め設定された定型文を用いた受信確認の返信用の送信メールを作成し送信する送信メール作成手段とを備えたボタン電話装置。」


4.対比
そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、
後者における「メール」は、他の装置とネットワークを介して(電子)データを送受信するものであることは明らかであるから、後者は、「他の装置とネットワークを介してデータの送受信を行う送受信制御手段」を有するものといえる。
後者の「情報処理装置」は、ゲームのアプリケーションを実行することができる、すなわち、ゲームを行うことができるものであるから、前者の「ゲーム装置」に相当する。

したがって、両者は、
「他の装置とネットワークを介してデータの送受信を行う送受信制御手段と、を備えるゲーム装置。」

の点で一致し、以下の点で一応相違している。

[相違点]
本願発明が、「自動返信用の所定の返信データを記憶する返信データ記憶手段と、前記送受信制御手段によってデータの送受信を行うことにより、受信した受信データに返信を要求することを示す返信要求情報が含まれているか否かを判別する受信データ判別手段と、前記受信データ判別手段において前記受信データに前記返信要求情報が含まれている場合に、前記返信データ記憶手段から自動的に前記返信データを読み出して前記送受信制御手段を用いて送信する自動返信手段、とを備える」のに対し、引用発明1は、そのような構成を有していない点。


5.当審の判断
上記相違点について以下検討する。
引用発明2の「メール作成手段」により作成される受信確認の返信用の送信メールに用いられる「定型文」は、「予め設定され」るものであるから、記憶されたものといえる。してみると、引用発明2は、「返信データ記憶手段」を有するものといえる。
また、引用発明2は、受信した電子メールに含まれる同報宛先アドレスの検索一致時に差出人アドレス宛に予め設定された定型文を用いた受信確認の返信用の送信メールを作成して送信するものであるから、引用発明2の「同報宛先アドレス」は、本願発明の「返信要求情報」に相当する。
そして、引用発明2の「アドレス検索手段」は、受信した電子メールのヘッダ情報から認識された直接宛先アドレスと同報宛先アドレス及び差出人アドレスとアドレス記憶手段に記憶されている利用者の電子メールアドレスの一致を検索するものであるから、本願発明の「受信データ判別手段」に相当する。
そして、引用例2には、引用発明2の「送信メール作成手段」は、本願発明の「自動返信手段」に相当する。

そうすると、引用発明2には、相違点に係る本願発明の発明特定事項を備えている。

ところで、ネットワークを介して送受信される電子メール(データ)の送受信における利便性の向上を図るという課題は一般的なものであって、引用発明1においても、内在する自明の課題ともいえる。
また、引用発明2は、電子メールの発信者は、メールの受信者からの返答がない場合、受信者が不在なのか受信したうえで返答がないのかを知る手段はなく、結局電話など別な手段で確認しなければならないという問題を課題とするものであり、つまり、ネットワークを介して送受信される電子メール(データ)の送受信における利便性の向上を図る、という課題を備えているといえる。
そうすると、引用発明1と、引用発明2とは、ネットワークを介して送受信される電子メール(データ)の送受信における利便性の向上を図る、という共通の課題を備えているといえる。
してみると、引用発明1において、利便性の向上を図るために、引用発明2を適用することは、当業者が容易に想到し得るものである。
したがって、引用発明1において、引用発明2を適用することにより、相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、本願発明の全体構成によって奏される効果も、引用発明1及び引用発明2から当業者が予測し得る範囲内のものである。


6.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-03-04 
結審通知日 2015-03-10 
審決日 2015-03-23 
出願番号 特願2006-311830(P2006-311830)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植田 泰輝  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 江成 克己
藤本 義仁
発明の名称 ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲームシステムおよびゲーム制御方法  
復代理人 大村 和史  
代理人 山田 義人  

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