• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1300479
審判番号 不服2013-25577  
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-26 
確定日 2015-05-07 
事件の表示 特願2009- 71912「多重レベル磁気記憶装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年10月15日出願公開、特開2009-239282〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成21年3月24日(パリ条約による優先権主張2008年3月25日、アメリカ合衆国)の出願であって、平成24年11月2日付けで拒絶理由の通知がなされ、平成25年3月5日付けで手続補正書の提出がなされ、同年8月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年12月26日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書の提出がなされ、平成26年3月28日付けで前置報告がなされたものである。



第2 補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成25年12月26日付けの手続補正書による補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容

平成25年12月26日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の特許請求の範囲の請求項1に変更する補正事項を含むものである。
そして、補正前の請求項1及び補正後の請求項1の各記載は、それぞれ、以下のとおりである。

<補正前の請求項1>
「ピン層と、
それぞれが切替え可能な磁気層を含み、また第1および第2の抵抗状態を有する複数のスタック・メモリ位置と、
前記メモリに記録電流を与えることにより前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つを第1の抵抗状態から第2の抵抗状態に切り替えてディジタル値を記憶する電流源と、
前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つの抵抗を検知して前記記憶されたディジタル値を検索するセンサとを備え、
前記第1および第2の抵抗状態の各々は、前記ピン層の固定された磁気方向に対する前記切替え可能な磁気層の磁気方向との関係で定まる、装置。」

<補正後の請求項1>
「ピン層と、
それぞれが切替え可能な磁気層を含み、また第1および第2の抵抗状態を有する複数のスタック・メモリ位置と、
前記メモリに記録電流を与えることにより前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つを第1の抵抗状態から第2の抵抗状態に切り替えてディジタル値を記憶する電流源と、
前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つの抵抗を検知して前記記憶されたディジタル値を検索するセンサとを備え、
前記第1および第2の抵抗状態の各々は、前記ピン層の固定された磁気方向に対する前記切替え可能な磁気層の磁気方向との関係で定まり、
前記複数のスタック・メモリ位置の各々はトンネル層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記トンネル層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される、装置。」


2.本件補正に対する判断

本件補正のうちの上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数のスタック・メモリ位置」及び「切替え可能な磁気層」について、「前記複数のスタック・メモリ位置の各々はトンネル層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記トンネル層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される」と限定したものであるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。


2.1 補正後の発明
本件補正発明は、上記「1.」の<補正後の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。


2.2 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-80952号公報(以下、「引用文献」という。)には、下記の事項が記載されている。

A.「【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の磁気メモリ素子10の構成例を説明するためのもので、断面模式図で示している。基板11上に固定層電極12、強磁性固定層13を形成し、その上に複数の強磁性フリー層を形成している。各強磁性フリー層は分離層を介して相互に間隙を設けて形成される。図1はn層の強磁性フリー層を設けた例で、第1分離層14-1を介して第1強磁性フリー層15-1を形成し、第2分離層14-2を介して第2強磁性フリー層15-2が形成され、以降これを繰り返して、第n強磁性フリー層が形成され、最後にフリー層電極16が形成されている。
各強磁性フリー層の磁化反転電流密度は、第1強磁性フリー層を最大とし、第n強磁性フリー層を最小として、第1から第n強磁性フリー層まで単調に減少するように設定する。即ち、第j強磁性フリー層の磁化反転電流密度をIc_(j)としたときに、Ic_(j-1)>Ic_(j)(但し、2<j<n)となるように設定する。
【0013】
あるいは、各強磁性フリー層の一軸磁気異方性定数は、第1強磁性フリー層を最大とし、第n強磁性フリー層を最小として、第1から第n強磁性フリー層まで単調に減少するように設定する。即ち、第j強磁性フリー層の一軸磁気異方性定数をKu_(j)とした時に、Ku_(j-1)>Ku_(j)(但し、2≦j≦n)となるように設定する。
(動作原理)
始めに本素子の動作原理について説明する。
図2は、本素子に書き込みを行う場合の動作原理を説明するための模式図で、簡略化のために、強磁性フリー層が2層の場合について示している。
図2aは、各強磁性フリー層と強磁性固定層の磁化の向きを同一方向に揃える場合を示している。フリー層電極16から固定層電極12に向かって電流を流すと、電子は固定層電極12から強磁性固定層13に注入される。固定層電極12中の電子スピンの分布は右向きスピンと左向きスピンが一致しているが、強磁性固定層13中では電子スピンと磁性金属原子スピンとの相互作用(s-d相互作用)が働き、かつ強磁性固定層13が厚膜のために、電子スピンは強磁性固定層13の磁化方向(右向き)に整列する。このようにスピン偏極した電子が第1分離層14-1を介して第1強磁性フリー層15-1、さらに、第2分離層14-2を介して第2強磁性フリー層15-2に注入されると、各強磁性フリー層の磁化は、強磁性固定層13の磁化方向と平行になる向きのトルクを受ける。フリー層電極16からの注入電流密度Iを十分に大きくして、各強磁性フリー層の磁化反転電流密度より大きくした場合、即ち、I>Ic_(1)>Ic_(2)とした場合は、図2aに示したように第1強磁性フリー層15-1および第2強磁性フリー層15-2の磁化方向は強磁性固定層13の磁化に平行な状態へ遷移する。この状態を論理値“0”とする。
【0014】
次に、論理値“1”への遷移を説明する。図2bは、論理値“0”の状態において固定層電極12からフリー層電極16に向かってIc_(1)>I>Ic_(2)なる電流密度Iの電流を流した場合を示している。この場合、電子はフリー層電極16から第2強磁性フリー層15-2に注入される。フリー層電極16中の電子スピンの状態は右向きスピンと左向きスピンの分布は一致しており、第2強磁性フリー層15-2に注入される電子も類似の分布を有するため、フリー層電極16から直接注入される電子からは磁化反転のトルクは生じない。しかしながら、図2bに示したように第1強磁性フリー層15-1の磁化と反平行な左向きスピンの電子は、右向きスピンの電子よりも第1強磁性フリー層15-1への注入時に高いポテンシャル障壁が存在するため第1強磁性フリー層15-1の表面で反射され、第2強磁性フリー層15-2に注入される。この結果、第2強磁性フリー層15-2の磁化は左向きのトルクを受ける。なお、強磁性固定層との界面でも同様な現象が生じるが、フリー層電極16からの注入電流密度IはIc_(1)>I>Ic_(2)なる関係を持っているため、図2bに示したように第2強磁性フリー層15-2の磁化方向のみが反転し、強磁性固定層13の磁化に反平行な状態に遷移する。この状態を論理値“1”とする。
【0015】
続いて、論理値“2”への遷移を説明する。図2cは、論理値“1”の状態において固定層電極12からフリー層電極16に向かって流す電流を増加させ、I>Ic_(1)>Ic_(2)なる電流密度Iの電流を流した場合を示している。この場合、図2cに示したように強磁性固定層13の表面で反射された左向きのスピン電子と第1強磁性フリー層15-1の磁化との相互作用により、第1強磁性フリー層15-1の磁化方向が反転し、第2強磁性フリー層15-2の磁化方向と同様に強磁性固定層13の磁化方向と反平行な状態に遷移する。この状態を論理値“2”とする。
記録情報の論理値と各磁性層の磁化方向との関係を整理すると表1のようになる。このようにして本素子に流す電流の方向および大きさを制御することで1つの素子に対して多値の情報を記録することができる。
【0016】
以上の説明では、強磁性フリー層が2層の場合について説明したが、強磁性フリー層の層数を増加してn層とする場合には、各強磁性フリー層の磁化反転電流密度をIc_(j-1)>Ic_(j)を満たすように設定した上で、次のようにして書き込みを行う。まず、強磁性フリー層6から固定層電極12に向けてIc_(1)より大きな電流密度Iで電流を流す。Ic_(1)は全てのIcの中で最大であるから、各強磁性フリー層の磁化は強磁性固定層の磁化の向きに揃うことになる。次に、第j強磁性フリー層の磁化反転を行うためには、固定層電極12からフリー層電極16に向けて、Ic_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iにて電流を流せばよい。この結果、第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層13と反対向きで揃い、第(j-1)強磁性フリー層から第1強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層13と同じ向きで揃うこととなり、隣接する層間で磁化反転する箇所が1箇所発生することになる。」

B.「【0017】
・・・中略・・・
続いて、素子に記録された情報の読み出し方法について説明する。情報を読み出す際には、各強磁性フリー層の磁化が反転しない程度の小さな電流密度Iの電流を流し、素子の抵抗値を測定する。第n強磁性フリー層の磁化反転電流密度が最小であるから、I<Ic_(n)とすればよい。電流を流す方向は、いずれの方向でも読出しが可能である。但し、電流を流す方向により、異なる動作原理で読出しが行われる。
始めに、固定層電極12からフリー層電極16へ向かう方向に電流を流す場合、即ち、電子がフリー層電極16から固定層電極12へ向かう場合について説明する。この場合の読出し原理は、磁性層中で電子スピンが緩和することに基づいている。図3は、固定層電極12からフリー層電極16へ向かう方向に電流を流す場合の読出しの原理を説明するための模式図で、図3aは第1強磁性フリー層15-1と第2強磁性フリー層15-2の間で磁化が反転している状態を例にとって示しており、図3bは第(n-2)強磁性フリー層15-(n-2)と第(n-1)強磁性フリー層15-(n-1)の間で磁化が反転している状態を例にとって示している。図中で、U字型の矢印が電子の反射を表しており、実線が主要な強い反射、破線が弱い反射を表している。
【0018】
磁性層中に注入された電子は磁性層中を移動する際に、磁性層と相互作用を行う。電子スピンの向きは電子の平均自由工程の数倍の距離保存されるが、やがて緩和して、電子のスピンは通過している磁性層の磁化の向きに揃うこととなる。この距離をスピン緩和距離と呼び、金属では100から200nmである。フリー層電極16中の電子スピンの分布は右向きスピンと左向きスピンが一致しているが、各強磁性フリー層中を移動するに伴い、スピン偏極が生じる。電子スピンの緩和の程度は移動する距離に応じて変化するため電子スピンの偏極状態は移動する距離に応じて変化することになる。図3aでは、第n強磁性フリー層15-nから第2強磁性フリー層15-2まで各強磁性フリー層は左向きの磁化を有しているため、電子スピンは次第に左向きの偏極の程度が増大する。電子が第1強磁性フリー層15-1に注入される時には、第1強磁性フリー層の磁化と反対向きの左向きスピンの電子は高いポテンシャル障壁を受けて反射される率が高くなり、結果として抵抗値が高くなる。
【0019】
これに対して、図3bの場合には、第(n-2)強磁性フリー層で右向き磁化に反転するため、電子の移動距離は短く、スピン偏極の程度も小さい。従って、第(n-2)強磁性フリー層に電子が注入される時の反射が小さくなり、抵抗値は図3aの場合に比べて小さくなる。
従って、磁化が反転する強磁性フリー層の位置により素子の抵抗値が異なることになり、この抵抗値を用いて記録された情報を読み出すことが可能である。
次に、フリー層電極16から固定層電極12へ向かう方向に電流を流す場合、即ち、電子が固定層電極12からフリー層電極16へ向かう場合について説明する。この場合の読出し原理は、隣接する層間での電子の反射率が、電子スピンの分布によって異なることに基づいている。図4は、フリー層電極16から固定層電極12へ向かう方向に電流を流す場合の読出しの原理を説明するための模式図で、図4aは第1強磁性フリー層15-1と第2強磁性フリー層15-2の間で磁化が反転している状態を例にとって示しており、図4bは第n-2強磁性フリー層15-(n-2)と第n-1強磁性フリー層15-(n-1)の間で磁化が反転している状態を例にとって示している。
【0020】
隣接する層に注入される電子の反射率は、電子スピンの分布により変化し、注入先の磁化の方向と反対方向の電子スピンが多くなるほど反射率が高くなる。固定層電極12中の電子スピンの分布は右向きスピンと左向きスピンが一致しているが、強磁性固定層13の膜厚が厚いこと等の理由により、強磁性固定層13に注入された電子のスピンは、大部分が強磁性固定層13の方向に揃うこととなり、図4の例では右向きに揃うこととなる。強磁性固定層13と同方向の右向きの磁化を有している強磁性フリー層を移動するときは、電子スピンは右向きの程度が増加する変化はあるが、右向きのスピン偏極が維持される。また、左向きのスピンが少ないため隣接する層間での電子の反射は抑制されている。図4aでは、第2強磁性フリー層15-2で磁化が反転しているため、電子が第2強磁性フリー層15-2に注入されるときには、右向きスピンの電子の一部は界面で反射されることになる。第3強磁性フリー層は薄い等の理由で、右向きスピンの電子の反射は一部にとどまり、電子スピンの右向きの偏極は維持される。このため、第2強磁性フリー層15-2から第n強磁性フリー層15-nまで、右向きスピンの偏極の程度が減少しながら同様の反射が繰り返し行われ、結果として高い抵抗値を示すこととなる。
【0021】
これに対して、図4bの例では、第(n-1)強磁性フリー層で磁化が反転するため、隣接する層間での反射の機会が減少し、結果として抵抗値が図4aに比べて低くなる。
従って、磁化が反転する強磁性フリー層の位置により素子の抵抗値が異なることになり、この抵抗値を用いて記録された情報を読み出すことが可能である。」

C.「【0025】
各分離層の材料としては、非磁性金属、酸化物を使用することができる。非磁性金属の場合はCu、V、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、Ir、Pt、およびPdが好ましく、酸化物の場合は、アルミの酸化物、MgOが好ましい。また、これら非磁性金属膜と酸化物の二層積層膜を用いることができる。各分離層の膜厚は、各強磁性層の磁気的な分離性を確保するために1nm以上とすることが好ましく、電気抵抗を低減するためには10nm以下とすることが好ましい。
フリー層電極16は、導電性の材料であれば適宜選択可能であり、その厚さは数十nmから数百nmが好ましく、形状は強磁性フリー層と同等とすることが好ましい。
上述した単位素子を基板上に複数集積して大規模なランダムアクセスメモリ装置を構成することができる。このためには、例えば、図8aの配置を用いて、メモリ素子50として上述の素子を配置する。」

D.図1には、強磁性固定層13の上に第1分離層14-1、第1強磁性フリー層15-1、第2分離層14-2、第2強磁性フリー層15-2、・・・、第n分離層14-n、第n強磁性フリー層15-nがこの順に積層された磁気メモリ素子の構造が記載されている。

E.図4(a)には、第1強磁性フリー層15-1のみが強磁性固定層13と磁化方向が平行であり、第2強磁性フリー層15-2から第n強磁性フリー層15-nまでは強磁性固定層13と磁化方向が反平行である状態が記載され、図4(b)には、第1強磁性フリー層15-1から第n-2強磁性フリー層15-(n-2)までが強磁性固定層13と磁化方向が平行であり、第n-1強磁性フリー層15-(n-1)と第n強磁性フリー層15-nまでは強磁性固定層13と磁化方向が反平行である状態が記載されている。

ここで、上記引用文献の記載事項について検討する。

F.磁気メモリ素子の構成について
上記Dには、強磁性固定層13の上に第1分離層14-1、第1強磁性フリー層15-1、第2分離層14-2、第2強磁性フリー層15-2、・・・、第n分離層14-n、第n強磁性フリー層15-nがこの順に積層された構造であることが記載されている。
よって、引用文献には、「強磁性固定層の上に第1分離層、第1強磁性フリー層、第2分離層、第2強磁性フリー層、・・・、第n分離層、第n強磁性フリー層がこの順に積層された磁気メモリ素子」の構造が記載されている。

G.磁気メモリ素子への書き込みについて
上記Aには、「強磁性フリー層の層数を増加してn層とする場合には、各強磁性フリー層の磁化反転電流密度をIc_(j-1)>Ic_(j)を満たすように設定した上で、次のようにして書き込みを行う。まず、強磁性フリー層6から固定層電極12に向けてIc_(1)より大きな電流密度Iで電流を流す。Ic_(1)は全てのIcの中で最大であるから、各強磁性フリー層の磁化は強磁性固定層の磁化の向きに揃うことになる。次に、第j強磁性フリー層の磁化反転を行うためには、固定層電極12からフリー層電極16に向けて、Ic_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iにて電流を流せばよい。この結果、第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層13と反対向きで揃い、第(j-1)強磁性フリー層から第1強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層13と同じ向きで揃うこととなり、隣接する層間で磁化反転する箇所が1箇所発生することになる。」ことが記載されている。
よって、引用文献には、「書き込みを行う場合には、各強磁性フリー層の磁化を強磁性固定層の磁化の向きに揃えておき、第j強磁性フリー層の磁化反転を行うためには、磁気メモリ素子にIc_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iの電流を流すことで、第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層と反対向きで揃」うことが記載されていると認められる。

H.磁気メモリ素子に記憶された情報の読み出しについて
上記Bには、「情報を読み出す際には、各強磁性フリー層の磁化が反転しない程度の小さな電流密度Iの電流を流し、素子の抵抗値を測定する。」、「図4は、フリー層電極16から固定層電極12へ向かう方向に電流を流す場合の読出しの原理を説明するための模式図・・・(中略)・・・図4aでは、第2強磁性フリー層15-2で磁化が反転しているため、電子が第2強磁性フリー層15-2に注入されるときには、右向きスピンの電子の一部は界面で反射されることになる。・・・(中略)・・・このため、第2強磁性フリー層15-2から第n強磁性フリー層15-nまで、右向きスピンの偏極の程度が減少しながら同様の反射が繰り返し行われ、結果として高い抵抗値を示すこととなる。・・・(中略)・・・図4bの例では、第(n-1)強磁性フリー層で磁化が反転するため、隣接する層間での反射の機会が減少し、結果として抵抗値が図4aに比べて低くなる。・・・(中略)・・・この抵抗値を用いて記録された情報を読み出すことが可能である。」ことが記載されている。
また、上記E.には、第1強磁性フリー層15-1のみが強磁性固定層13と磁化方向が平行であり、第2強磁性フリー層15-2から第n強磁性フリー層15-nまでは強磁性固定層13と磁化方向が反平行である状態が図4(a)に図示され、第1強磁性フリー層15-1から第n-2強磁性フリー層15-(n-2)までが強磁性固定層13と磁化方向が平行であり、第n-1強磁性フリー層15-(n-1)と第n強磁性フリー層15-nまでは強磁性固定層13と磁化方向が反平行である状態が図4(b)に図示されていることが記載されている。
よって、引用文献には、「読み出しを行う場合には、磁気メモリ素子に電流を流すことで、第1強磁性フリー層のみが強磁性固定層と磁化方向が平行である状態では高い抵抗値が測定され、前記磁気メモリ素子の第1強磁性フリー層から第n-2強磁性フリー層までが強磁性固定層と磁化方向が平行である状態では低い抵抗値が測定され、測定された抵抗値を用いて記録された情報を読み出す」ことが記載されていると認められる。

よって、上記A?H及び関連図面の記載から、引用文献には、実質的に下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「強磁性固定層の上に第1分離層、第1強磁性フリー層、第2分離層、第2強磁性フリー層、・・・、第n分離層、第n強磁性フリー層がこの順に積層された磁気メモリ素子を備え、
書き込みを行う場合には、各強磁性フリー層の磁化を強磁性固定層の磁化の向きに揃えておき、第j強磁性フリー層の磁化反転を行うためには、磁気メモリ素子にIc_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iの電流を流すことで、第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層と反対向きで揃い、
読み出しを行う場合には、前記磁気メモリ素子に電流を流すことで、第1強磁性フリー層のみが強磁性固定層と磁化方向が平行である状態では高い抵抗値が測定され、前記磁気メモリ素子の第1強磁性フリー層から第n-2強磁性フリー層までが強磁性固定層と磁化方向が平行である状態では低い抵抗値が測定され、測定された抵抗値を用いて記録された情報を読み出す、
磁気メモリ装置。」


2.3 対比
(1)本件補正発明と引用発明との対応関係について
(ア)本願明細書の段落【0013】には、メモリ素子50が「ピン層52を含む」ことが記載され、段落【0014】には、「層1(52)はピン磁気層(PL)である。この層の磁化はメモリ50の中を流れる電流からも、62および66などの切替え可能な磁気層(SL)からの磁界からも影響を受けない。」と記載されていることから、本件補正発明の「ピン層」は磁化の方向が変化しない固定層であることがわかる。
よって、引用発明の「強磁性固定層」は、本件補正発明の「ピン層」に相当している。

(イ)本願明細書の段落【0015】には、「2,3,4(それぞれ62,66,76)という番号をつけた層は切替え可能な磁気層である。これらの層の磁化は、電流がMES50の中を流れるときのスピン運動量移動(SMT)を用いて切り替えることができる。」と記載されていることから、本件補正発明の「切替え可能な磁気層」は電流により磁化の方向を切り替えることができる層であることがわかる。
そして、引用発明の書き込みでは、「磁気メモリ素子にIc_(j-1)>I>IC_(j)なる電流密度Iの電流を流すことで」、「各強磁性フリー層の磁化を強磁性固定層の磁化の向きに揃え」た状態から、「第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層と反対向きで揃」う状態に遷移することから、引用発明の各「強磁性フリー層」も、電流により磁化の方向を切り替えることができる層であるといえる。
よって、引用発明の各「強磁性フリー層」は、本件補正発明の「切替え可能な磁気層」に相当している。

(ウ)引用文献の上記Bには、「第2強磁性フリー層15-2で磁化が反転しているため、電子が第2強磁性フリー層15-2に注入されるときには、右向きスピンの電子の一部は界面で反射されることになる。」と記載されている。
してみると、引用発明では、強磁性フリー層の磁化の方向が強磁性固定層の磁化の方向と反転した状態では、反射により通過する電子が少なくなるため、結果として該強磁性フリー層は抵抗値の大きな抵抗状態になり、強磁性フリー層の磁化の方向が強磁性固定層の磁化の方向と平行の状態では、反射により通過する電子が少なくなることは低下するので、結果として該強磁性フリー層は抵抗値の小さな抵抗状態になると認められる。また、個々の強磁性フリー層は、抵抗値の大きな抵抗状態または抵抗値の小さな抵抗状態に対応した情報を記憶するものであるから、メモリセルと呼び得るものであると認められる。

(エ)本願補正発明の「複数のスタック・メモリ位置」は、「それぞれが切替え可能な磁気層を含み、また第1および第2の抵抗状態を有」し、「各々はトンネル層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記トンネル層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される」とされているところ、上記「トンネル層」は、「切替え可能な磁気層」と「交互に配置される」ものであるから、「切替え可能な磁気層」と他の「切替え可能な磁気層」等との中間に位置するものとなり、「中間層」と呼び得るものである。

(オ)引用発明の各分離層は、強磁性フリー層と他の強磁性フリー層等との中間に位置するものであるから、「中間層」と呼び得るものであるから、引用発明の「分離層」は、本件補正発明の「トンネル層」に対応している。

(カ)上記(ア)?(オ)の事項を踏まえれば、引用発明の第1分離層と第1強磁性フリー層、第2分離層と第2強磁性フリー層、・・・、第n分離層と第n強磁性フリー層のそれぞれは、本件補正発明の「切替え可能な磁気層を含み、また第1および第2の抵抗状態を有する」「スタック・メモリ位置」に対応し、また、本件補正発明と引用発明は、「前記複数のスタック・メモリ位置の各々は中間層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記中間層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される」点において共通している。

(キ)引用発明では、「磁気メモリ素子にIc_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iの電流」を流すと、「各強磁性フリー層の磁化を強磁性固定層の磁化の向きに揃」った状態から、「第n強磁性フリー層から第j強磁性フリー層までの磁化が強磁性固定層と反対向きで揃」った状態になるが、その場合、上記(ウ)に記載したように、磁化の向きが強磁性固定層と反対向きになった強磁性フリー層は、「抵抗値の大きな抵抗状態」に切り替わり、その抵抗状態に対応した情報が記憶されることになると認められる。
また、引用発明においても、所定の電流密度Iの電流を流すための何らかの構成が備えられていることは明らかである。
よって、引用発明の「Ic_(j-1)>I>Ic_(j)なる電流密度Iの電流」は、本件補正発明の「記録電流」に相当しており、本件補正発明と引用発明とは、「前記メモリに記録電流を与えることにより前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つを第1の抵抗状態から第2の抵抗状態に切り替えてディジタル値を記憶する前記記録電流を与えるための構成」を備えた点で共通していると認められる。

(ク)本件補正発明の「記憶されたディジタル値を検索」については、平成26年2月4日付け手続補正書(方式)の「【本願発明が特許されるべき理由】」「(2)特許請求の範囲の記載について」において、
『(2-1) 審査官殿は、請求項1?25に「記憶されたディジタル値を探索するセンサ」と記載されているが、なにをどのように探すことによって検索するのかその具体的方法が不明であり、データの読み出しとの違いも不明であるとご指摘されました。
明細書の第0029段落を参照して、「記憶されたディジタル値を探索する」とは、検知した複数のメモリ位置の抵抗に基づいて、記憶された1,0(単ビットの場合)のディジタル値を読み出すことを意味します。このように、「ディジタル値の探索」とデータの読み出しとは結果的に類似の動作となります。』
と記載されている。
これに対して、引用発明では、磁気メモリ素子に電流を流すことで、強磁性フリー層の磁化方向に基づく「抵抗値が測定され」、「測定された抵抗値を用いて記録された情報を読み出す」ことが行われていることから、該「測定された抵抗値」は複数の強磁性フリー層に基づいたものであり、かつ、その抵抗値は記憶された情報であるディジタル値と対応したものであることを踏まえると、引用発明も「ディジタル値の探索」が行われているとともに、抵抗値を測定するための何らかのセンサを備えていることは明らかである。
よって、引用発明は、「前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つの抵抗を検知して前記記憶されたディジタル値を検索するセンサ」を備えていると認められる。

(ケ)上記(ウ)に記載したように、引用発明では、強磁性フリー層の磁化の方向が強磁性固定層の磁化の方向と反転した状態では、該強磁性フリー層は抵抗値の大きな抵抗状態になり、強磁性フリー層の磁化の方向が強磁性固定層の磁化の方向と平行の状態では、該強磁性フリー層は抵抗値の小さな抵抗状態になると認められる。
よって、引用発明も「前記第1および第2の抵抗状態の各々は、前記ピン層の固定された磁気方向に対する前記切替え可能な磁気層の磁気方向との関係で定」まるものであるといえる。

(2)本件補正発明と引用発明の一致点と相違点について
上記の対応関係から、本件補正発明と引用発明は、下記の点で一致し、また相違する。

(一致点)
「ピン層と、
それぞれが切替え可能な磁気層を含み、また第1および第2の抵抗状態を有する複数のスタック・メモリ位置と、
前記メモリに記録電流を与えることにより前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つを第1の抵抗状態から第2の抵抗状態に切り替えてディジタル値を記憶する前記記録電流を与えるための構成と、
前記複数のスタック・メモリ位置の少なくとも1つの抵抗を検知して前記記憶されたディジタル値を検索するセンサとを備え、
前記第1および第2の抵抗状態の各々は、前記ピン層の固定された磁気方向に対する前記切替え可能な磁気層の磁気方向との関係で定まり、
前記複数のスタック・メモリ位置の各々は中間層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記中間層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される、装置。」

(相違点1)
本件補正発明では、「記録電流を与えるための構成」は「電流源」であるのに対し、引用発明の「記録電流を与えるための構成」はそのようなものであるか定かではない点。

(相違点2)
本件補正発明では、「中間層」は「トンネル層」であるのに対し、引用発明の「中間層」はそのようなものであるか定かではない点。


2.4 当審の判断
(1)相違点1について
引用文献には、電流密度Iの電流を流すための具体的な構成については記載されていないものの、引用発明が何らかの記録電流を与えるための構成を備えたものであることが自明であること、及び、電流を供給する構成は一般に電流源とも呼ばれることを踏まえると、引用文献に接した当業者であれば、引用発明に記録電流を与えるため構成として電流源を備えたものとすることには、格別に困難なく成し得たものである。

(2)相違点2について
引用文献には、中間層である「分離層」について、段落【0025】には、各分離層の材料に非磁性金属、酸化物を使用することができ、酸化物の場合にはアルミの酸化物、MgOが好ましいことが記載され、段落【0030】には、分離層としてAl_(2)O_(3)層を用いるとTMR型の磁気メモリ素子が作製できることが記載されている。
そして、TMR型のスピン注入による磁気メモリでは、強磁性層の間に挟む非磁性層をAlOやMgO等の絶縁材料からなるトンネル層とすることは、例えば、特開2006-278645号公報(段落【0099】には、磁気抵抗効果素子として2つの強磁性層間にトンネル絶縁膜を挟んでTMR型のスピン注入磁化反転素子を構成すること、段落【0084】には、固定磁化層50上にアルミナ膜よりなるトンネル絶縁膜52を形成することが記載されている。)、特開2006-156685号公報(段落【0013】?【0014】には、スピントランスファー方式による書き込みを行う、磁化固定層101、スペーサ層(非磁性層)102、記憶層103の各層が積層された記憶素子100において、磁化固定層101及び記憶層103は強磁性体から成り、スペーサ層102に酸化アルミニウム等のトンネル絶縁層を用いることでTRM素子になることが記載されている。)、特開2007-305629号公報(段落【0025】には、スピン注入型磁化反転素子が、強磁性ピン層32、第一中間層33、第一強磁性フリー層34、第二中間層35、第二強磁性フリー層36を順次積層した構成であること、段落【0029】には、TMR素子として用いる場合、第一中間層33および第二中間層35に非磁性の絶縁材料であるAl_(2)O_(3)、SiO_(2)またはMgOのいずれかを用い、それらの膜厚を生産性及びトンネル障壁の臨界厚を考慮して0.5nm?3nmの間にすることが記載されている。)に記載されているように周知技術である。
してみると、引用発明には、引用文献に記載されているTMR型の磁気メモリ素子の態様が含まれており、該TMR型の磁気メモリ素子の構成では、分離層である非磁性層をAlOやMgO等の絶縁材料からなるトンネル層とすることは周知技術であることを鑑みれば、引用発明の各「分離層」をAlOやMgO等の絶縁材料からなるトンネル層とすること、換言すれば、引用発明の分離層を相違点2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

(3)本件補正発明の作用効果について
審判請求人は、平成26年2月4日付け手続補正書(方式)の「【本願発明が特許されるべき理由】」の「(4) 請求項に係る本願発明と引用文献1?5との対比」において、
『上記のように、補正後の独立請求項1、16および26では、「前記複数のスタック・メモリ位置の各々はトンネル層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記トンネル層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される」との限定が付加されています(たとえば、明細書の第0013段落?第0015段落および第0050段落?第0054段落参照)。引用文献1?5はいずれも、補正後の独立請求項1、16および26に記載された上記限定事項について教示していません。』
と主張している。
しかしながら、上記「2.3 対比」、「(1)本件補正発明と引用発明との対応関係について」、「(カ)」に記載したように、『本件補正発明と引用発明は、「前記複数のスタック・メモリ位置の各々は中間層を含み、前記切替え可能な磁気層および前記中間層は、前記ピン層上の半導体メモリセルのスタックにおいて交互に配置される」点において共通している。』と認められ、また、上記「2.4 当審の判断」、「(1)相違点について」に記載したように、『引用発明の各「分離層」をAlOやMgO等の絶縁材料からなるトンネル層とすること、換言すれば、引用発明の分離層を相違点の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。』であることを踏まえると、上記審判請求人の主張を採用することはできない。
そして、本件補正発明の作用効果も、引用発明、引用文献の記載事項、及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。


2.5 むすび
よって、本件補正発明は、引用発明、引用文献の記載事項、及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 補正却下の決定を踏まえた検討

1.本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年3月5日付けの手続補正書の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2」の「1.」の<補正前の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。


2.引用文献

これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献の記載事項及び引用発明は、上記「第2」「2.」「2.2」に記載したとおりである。


3.対比・判断

本願発明は、上記「第2」「2.」で検討した本件補正発明における限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要素を全て含み、さらに特定の点に限定を施したものに相当する本件補正発明が、上記「第2」「2.」「2.4」に記載したとおり、引用発明、引用文献の記載事項、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用文献の記載事項、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


4.むすび

以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明、引用文献の記載事項、及び周知技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-11-21 
結審通知日 2014-11-25 
審決日 2014-12-11 
出願番号 特願2009-71912(P2009-71912)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小田 浩橘 均憲  
特許庁審判長 鈴木 匡明
特許庁審判官 松本 貢
飯田 清司
発明の名称 多重レベル磁気記憶装置  
代理人 仲村 義平  
代理人 深見 久郎  
代理人 堀井 豊  
代理人 荒川 伸夫  
代理人 佐々木 眞人  
代理人 森田 俊雄  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ