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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1300886
審判番号 不服2013-23401  
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-29 
確定日 2015-05-14 
事件の表示 特願2012-101842号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月13日出願公開、特開2012-176249号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年9月30日に出願した特願2009-226022号の一部を平成24年4月26日に新たな特許出願としたものであって、平成25年8月30日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされた後、当審において、平成26年12月3日付けで拒絶理由が通知され、平成27年2月4日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、平成27年2月4日に補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである(以下「本願発明」という。)。
「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である第1始動口および第2始動口と、
前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第1始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第1特別図柄表示器と、
前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第2始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第2特別図柄表示器と、
前記第1始動口への入賞に応じて前記第1特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる第1制御手段と、
前記第2始動口への入賞に応じて前記第2特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる第2制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」

第3 刊行物
1 刊行物1に記載された発明
当審における拒絶の理由に刊行物1として引用した特開2007-151931号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。

(1-a)「【0006】 上記従来技術のように、遊技性を高めるために遊技内容を複雑にすると、その遊技制御プログラムも複雑なものとなる。具体的には、タイマ時間、遊技状態を表わすフラグ、回数カウンタの値により条件判断(ジャンプの命令)が増え、分岐処理が多岐になり、飛び先が分かりづらくなる。これに伴って遊技制御プログラムの詳細な検査に時間がかかり、適正かどうかの判断も難しくなる。そこで、本発明の目的は、遊技制御プログラムの検査を容易なものとするパチンコ遊技機を提供することにある。」

(1-b)「【請求項1】 遊技盤面に、図柄を変化させた後に停止する第1の可変表示ゲームを遊技者に提供する第1の特別図柄表示装置と、前記第1の可変表示ゲームとは別に独立して、図柄を変化させた後に停止する第2の可変表示ゲームを遊技者に提供する第2の特別図柄表示装置と、前記第1の特別図柄表示装置における前記第1の可変表示ゲームを開始させるための第1の始動口と、前記第2の特別図柄表示装置における前記第2の可変表示ゲームを開始させるための第2の始動口と、遊技者に有利となる特別遊技状態に変換可能な大入賞口を有する特別電動役物と、前記第1の可変表示ゲーム及び前記第2の可変表示ゲームを直接制御するメイン制御装置と、を備えたパチンコ遊技機であって、
前記メイン制御装置は、前記第1の特別図柄表示装置による第1の可変表示ゲームのゲーム結果および前記第2の特別図柄表示装置による第2の可変表示ゲームのゲーム結果のうちのいずれか一方が、予め定めたゲーム結果となった場合に、前記特別電動役物の前記大入賞口を前記特別遊技状態に変換し、かつ前記第1の可変表示ゲームの実行中、前記第2の可変表示ゲームの実行中及び前記特別遊技状態中に前記第1の始動口への遊技球の入球に起因した第1の可変表示ゲームを行う回数を予め定めた規定数まで保留し、かつ前記第1の可変表示ゲームの実行中、前記第2の可変表示ゲームの実行中及び前記特別遊技状態中に前記第2の始動口への遊技球の入球に起因した第2の可変表示ゲームを行う回数を前記規定数と同数の規定数まで保留する構成とされ、
前記遊技盤面に、前記第1の可変表示ゲームの保留に関わる第1の保留数を表示する第1の記憶数表示手段と、前記第2の可変表示ゲームの保留に関わる第2の保留数を表示する第2の記憶数表示手段とを設けると共に、前記第1の記憶数表示手段と前記第2の記憶数表示手段とを同じ個数の発光LEDで構成し、かつ各LEDの場所とその消灯、点灯及び点滅の各状態の組合せにより1つの保留数を表示するものとされ、
前記メイン制御装置に、前記第1の記憶数表示手段に前記第1の保留数を表示させ、かつ前記第2の記憶数表示手段に前記第2の保留数を表示させるための保留数LED出力データを作成する保留数LED出力データ作成手段と、前記第1の保留数に対応した各保留数を表示するための各LED出力データを記憶した第1の保留数LED出力データテーブルと、前記第2の保留数に対応した各保留数を表示するための各LED出力データを記憶した第2の保留数LED出力データテーブルとが設けられ、
前記第1の保留数LED出力データテーブル及び前記第2の保留数LED出力データテーブルは同数のビット長からなり、前記第1の保留数LED出力データは、所定のビット位置に前記第1の記憶数表示手段の前記第1の保留数表示に関わる表示データが記憶され、かつその他のビット位置には前記第1の保留数表示に関わらない非表示データが記憶され、前記第2の保留数LED出力データは、前記第1の保留数LED出力データの前記第1の保留数表示に関わるビット位置とは異なるビット位置に、前記第2の記憶数表示手段の前記第2の保留数表示に関わる表示データが記憶され、かつその他のビット位置には前記第2の保留数表示に関わらない非表示データが記憶されてなり、それぞれ保留数を相対アドレスとして該保留数に応じた保留数LED出力データの読み出しが可能になっており、
前記保留数LED出力データ作成手段は、前記第1の可変表示ゲームの保留数に基づいて相対アドレスを設定し、前記第1の保留数LED出力データテーブルから前記第1の保留数LED出力データを取得し、前記第2の可変表示ゲームの保留数に基づいて相対アドレスを設定し、前記第2の保留数LED出力データテーブルから前記第2の保留数LED出力データを取得し、取得した前記第1の保留数LED出力データと前記第2の保留数LED出力データとを論理和して前記保留数LED出力データを作成することを特徴とするパチンコ遊技機。」

(1-c)「【0009】 以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機に配備された遊技盤1の正面図である。遊技盤1の略中央には開口よりなる窓部2が設けられ、遊技盤裏面にはカラー液晶表示装置で構成された遊技演出用の装飾表示装置(図13の液晶表示装置51)が窓部2に臨ませて配設されている。遊技盤1の中央下部には、窓部2の下方に第1の始動口としての上始動口3が配設されている。なお、本実施形態では、上始動口3はチャッカで構成されている。なお、上始動口3に入賞した遊技球は上始動口スイッチ29(図12参照)によって検出される。
【0010】 また、上始動口3を構成しているチャッカの直下には、第2の始動口としての下始動口4が配設されている。本実施形態では、下始動口4は下始動口ソレノイド27(図12参照)により拡開作動されるチューリップ式の普通電動役物5の可変入賞口で構成されている。なお、下始動口4に入賞した遊技球は下始動口スイッチ30(図12参照)によって検出される。さらに、普通電動役物5の直下には、大入賞口ソレノイド28(図12参照)により前後方向に傾動可能に設けられた開閉扉6を備えた可変入賞装置により構成された特別電動役物7が設けられている。なお、特別電動役物7の大入賞口8に入賞した遊技球はカウントスイッチ32(図12参照)によって検出される。」

(1-d)「【0013】
また、遊技盤1の下部左側には、表示LED配設パネル9が配設されている。図2は、表示LED配設パネル9の正面図である。表示LED配設パネル9の上部左側には、左右2連のLEDで構成された第1の特別図柄表示装置としての特別図柄表示装置10a,10b(以下、第1特別図柄表示装置という)と、同じく左右2連のLEDで構成された第2の特別図柄表示装置としての特別図柄表示装置11a,11b(以下、第2特別図柄表示装置という)とが上下2段に配設されている。」

(1-e)「【0026】 次に、特別電動役物7に関する遊技について説明する。特別電動役物7は、第1特別図柄表示装置または第2特別図柄表示装置に特定の図柄の組合せが表示された場合に作動する。遊技球が上始動口3に入賞すると、第1特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始する。また、遊技球が下始動口4に入賞すると、第2特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始する。なお、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の保留数は各々最大4個で、特別電動役物7が作動している間は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置は作動しない。」

(1-f)「【0029】 第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に表示される図柄の組合せには、特別電動役物7が小当りで作動することとなる図柄の組合せ(以下「特別電動役物作動図柄」という。)と、条件フラグがセットされることとなる図柄の組合せ(以下「条件フラグ図柄」という。)とがある。
【0030】 第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置に図3に示すそれぞれ3通りの特別電動役物作動図柄が表示されると特別電動役物7が小当りで作動し、大入賞口8が約2.6秒間に約0.3秒間の開放を2回するか又は遊技球が9個入賞すると特別電動役物7の作動が終了し、大入賞口8の開放が終了する。なお、図3に示すように、第1特別図柄表示装置による特別電動役物作動図柄と第2特別図柄表示装置による特別電動役物作動図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
【0031】 一方、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置に図4に示すそれぞれ11通りの条件フラグ図柄が表示されると、条件フラグがセット(=1)される。当該条件フラグのセットにより役物連続作動機能が作動する。役物連続作動機能の作動により特別電動役物7が作動し、大入賞口8が開放し、大入賞口8が29.5秒間または約0.3秒間開放するか、もしくは遊技球が9個入賞すると特別電動役物7の作動が終了し、大入賞口8の開放が終了する(特別遊技状態の一実施態様)。なお、図4に示すように、第1特別図柄表示装置による条件フラグ図柄と第2特別図柄表示装置による条件フラグ図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
【0032】 図4に示す条件フラグ図柄のうち、大入賞口8が29.5秒間もしくは遊技球が9個入賞すると大入賞口8の開放が終了する図柄の組合せ(15R図柄という)は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置において図5に示すそれぞれ6通りである。なお、図5に示すように、第1特別図柄表示装置による15R図柄と第2特別図柄表示装置による15R図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
【0033】 また、大入賞口8が約0.3秒間もしくは遊技球が9個入賞すると大入賞口8の開放が終了する図柄の組合せ(2R図柄という)は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置において図6に示すそれぞれ5通りである。なお、図6に示すように、第1特別図柄表示装置による2R図柄と第2特別図柄表示装置による2R図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。」

(1-g)「【0049】 4ms毎に発生するタイマ割り込みがかかると、メインCPUは、タイマ割り込みルーチンにジャンプする。まず、レジスタの内容を退避し(ステップS01)、スイッチ入力処理(ステップS02)、タイマ減算処理(ステップS03)、当落乱数更新処理(ステップS04)、賞球制御処理(ステップS05)、賞球チェック処理(ステップS06)、枠コマンド受信処理(ステップS07)、特別図柄・電動役物制御処理(ステップS08)、普通図柄・電動役物処理(ステップS09)、ポート出力処理(ステップS10)、周辺基板コマンド送信処理(ステップS11)を順次行い、レジスタの内容を復帰し(ステップS12)、割込み許可を行い(ステップS13)、メインループにリターンする。
【0050】 ここで、上記各処理を概略で説明する。ステップS02のスイッチ入力処理では、上始動口スイッチ29、下始動口スイッチ30、ゲートスイッチ31及びカウントスイッチ32の検出信号を入力して記憶する。なお、その他の普通入賞口に配設されている入賞検出スイッチについても検出信号を入力して記憶する。ステップS03のタイマ減算処理では、各タイマにセットされているタイマ値が-1される。
【0051】 ステップS04の当落乱数更新処理では、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に関わる当り外れを決定する乱数(大当り乱数)の値と普通図柄表示LEDに関わる当り外れを決定する乱数(当り乱数)の値とが更新される。」

上記の事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。

「遊技盤面に、
図柄を変化させた後に停止する第1の可変表示ゲームを遊技者に提供する、左右2連のLEDで構成された第1の特別図柄表示装置と、
前記第1の可変表示ゲームとは別に独立して、図柄を変化させた後に停止する第2の可変表示ゲームを遊技者に提供する、左右2連のLEDで構成された第2の特別図柄表示装置と、
前記第1の特別図柄表示装置における前記第1の可変表示ゲームを開始させるための、遊技盤の中央下部に配設された第1の始動口と、
前記第2の特別図柄表示装置における前記第2の可変表示ゲームを開始させるための、第1の始動口を構成しているチャッカの直下に配設された第2の始動口と、
前記第1の可変表示ゲーム及び前記第2の可変表示ゲームを直接制御するメイン制御装置と、を備えたパチンコ遊技機であって、
遊技球が第1の始動口に入賞すると、第1特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始し、また、遊技球が第2の始動口に入賞すると、第2特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始し、
上始動口スイッチ、下始動口スイッチの検出信号を入力して記憶した後、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に関わる当り外れを決定する乱数(大当り乱数)の値が更新され、
第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に図柄の組合せ(点灯態様)である15R図柄、2R図柄、特別電動役物作動図柄が表示される、
パチンコ遊技機。」

2 刊行物2に記載された発明
当審における拒絶の理由に刊行物2として引用した特開2006-149610号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(2-a)「【0006】 しかしながら、上記の従来例のように連続的にリーチ演出を行ったとしても、結局は始動保留分の範囲内でしか連続演出ができないため、演出の連続性には限りがあり、さほどの効果は得られない。また、たとえ延々と連続的なリーチ演出を見せられたとしても、結局大当りでなかった(外れ)場合、期待させた分だけ遊技者の落胆が大きく、かえって遊技者を不機嫌にさせてしまうことになる。
【0007】 そこで本発明は、遊技者の意欲を大幅に減退させることなく、大当りへの期待感をできるだけ長く維持しようとするものである。」

(2-b)「【請求項1】 遊技の進行に伴い所定の抽選契機が生じると、所定の確率で遊技者に利益を付与すべきか否かの利益抽選を行う利益抽選手段と、
前記利益抽選に当選した場合、遊技者に対していかなる利益を付与すべきかを判別する利益判別手段と、
前記利益判別手段の判別結果が第1の条件を満たす場合、遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、
前記利益判別手段の判別結果が第2の条件を満たす場合、前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を遊技者に付与する第2利益付与手段と、
前記利益判別手段の判別結果が第3の条件を満たす場合、前記第2の利益と同じ内容であるか、もしくは近似した内容である第3の利益を遊技者に付与する第3利益付与手段と、
前記第1から第3の利益のうち、いずれの利益が付与されるかについてを遊技者に知られないようにする非報知手段とを具備したことを特徴とする遊技機。」

(2-c)「【0088】 遊技盤4の盤面(前面)には、環状に成形された案内レール11が配設されており、この案内レール11は外レールと内レールとから構成されている。そして遊技盤4の盤面には、案内レール11の内側にほぼ円形状の遊技領域12が区画して形成されている。なお、遊技領域12内の構成(盤面構成)については後述する。」

(2-d)「【0102】 一方、球誘導路42eの出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域12には、球誘導路42eの直ぐ下方位置に入球装置44が配置されており、この入球装置44に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路42eから放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置44は左右一対の可動片44aを有しており、これら可動片44aを左右に拡開させて入球確率を高くすることができる。」

(2-e)「【0105】 (3.特別図柄表示装置)
本実施形態では、センター役物42の上縁部のうち、上記のキャラクタ体42aの左側に4つの多色LED52が配列されており、これらLED52の配列が特別図柄表示装置として機能することができる。また、キャラクタ体42aの右側にある4つのLED54の配列は、始動保留ランプ(保留4個まで)となっている。
【0106】 本実施形態において、特別図柄表示装置の機能はLED52の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED52をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示することができる。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED52の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示することができる。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED52の点灯・消灯によって表示される(抽選情報表示手段)。またLED52の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、後述の主制御基板により行われる(遊技進行制御装置)。
【0107】 具体的には、個々のLED52には2種類の点灯色(例えば赤色と緑色)が用意されており、これにより各LED52は「消灯」、「点灯色1で点灯」、「点灯色2で点灯」の3通りに点灯・消灯表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED52を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で81通り(3^(4)=81)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために2色だけとしているが、LED52の点灯色は3色以上(7色程度が好ましい)であってもよい。また、LED52の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。」

(2-f)「【0149】 図8は、上記の図柄変動処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示している。この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示装置60による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当りまたは(2)確変大当りに該当していることを意味する。」

(2-g)図3は以下のものである。


(2-h)上記摘記事項(2-e)を踏まえて図3を見ると、「4つの多色LED52」を1列に配列することが看取できる。

(2-i)上記摘記事項(2-c)及び上記摘記事項(2-e)から、「4つの多色LED52」を「遊技領域12」の外に配置することが開示されていると認められる。

上記の事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。

「遊技盤の盤面に遊技領域が区画して形成されており、
遊技領域には入球装置が配置されており、この入球装置に遊技球が入球すると始動入賞となり、
特別図柄表示装置として機能する4つの多色LEDが遊技領域の外に1列に配列されており、
始動入賞を契機として4つの多色LEDをいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示し、一定の変動時間が終了すると、4つの多色LEDの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示し、これにより、抽選が行われると、その結果情報が4つの多色LEDの点灯・消灯によって表示され、
4つの多色LEDの点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板により行われ、
抽選結果によって特別図柄表示装置による変動時間の設定が行われる、
遊技機。」

第4 対比・判断
1 刊行物1発明について
(1)対比
本願発明と刊行物1発明とを対比する。

ア 刊行物1発明における「遊技盤の中央下部に配設された第1の始動口」及び「第1の始動口を構成しているチャッカの直下に配設された第2の始動口」は、本願発明における「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である第1始動口および第2始動口」に相当する。

イ 刊行物1発明における「左右2連のLEDで構成された」ことは、本願発明における「複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され」たことに相当する。
また、刊行物1発明における「大当り乱数」により「決定」される「当り外れ」に対応する「図柄の組合せ(点灯態様)である15R図柄、2R図柄、特別電動役物作動図柄が表示される」ことは、本願発明における「点灯態様により」「抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する」ことに相当する。

ウ 刊行物1発明における「遊技球が第1の始動口に入賞すると、第1特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動」する際に、「上始動口スイッチ」の「検出信号を入力して記憶し」、「第1特別図柄表示装置」「に関わる当り外れ」が「大当り乱数」により「決定」されることは、本願発明における「第1始動口に入賞したことを契機として」「抽選」が「行われ」ることに相当する。
したがって、上記イの検討も踏まえると、刊行物1発明における「上始動口スイッチ」の「検出信号を入力して記憶し」、「第1特別図柄表示装置」「に関わる当り外れ」が「大当り乱数」により「決定」され、「図柄の組合せ(点灯態様)である15R図柄、2R図柄、特別電動役物作動図柄が表示される」「左右2連のLEDで構成された第1の特別図柄表示装置」と、本願発明における「前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第1始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第1特別図柄表示器」とは、「複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第1始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第1特別図柄表示器」で共通する。

エ 刊行物1発明における「遊技球が第2の始動口に入賞すると、第2特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動」する際に、「下始動口スイッチの検出信号を入力して記憶し」、「第2特別図柄表示装置に関わる当り外れ」が「大当り乱数」により「決定」されることは、本願発明における「第2始動口に入賞したことを契機として」「抽選」が「行われ」ることに相当する。
したがって、上記イの検討も踏まえると、刊行物1発明における「下始動口スイッチの検出信号を入力して記憶し」、「第2特別図柄表示装置に関わる当り外れ」が「大当り乱数」により「決定」され、「図柄の組合せ(点灯態様)である15R図柄、2R図柄、特別電動役物作動図柄が表示される」「左右2連のLEDで構成された第2の特別図柄表示装置」と、本願発明における「前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第2始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第2特別図柄表示器」とは、「複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第2始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第2特別図柄表示器」で共通する。

オ 刊行物1発明における「メイン制御装置」は、「遊技球が第1の始動口に入賞すると、第1特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始し」「図柄を変化させた後に停止する第1の可変表示ゲーム」、及び、「遊技球が第2の始動口に入賞すると、第2特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始し」「図柄を変化させた後に停止する第2の可変表示ゲーム」を「直接制御する」ものであるから、本願発明の「前記第1始動口への入賞に応じて前記第1特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後」「当該特別図柄の変動を停止させる第1制御手段」及び「前記第2始動口への入賞に応じて前記第2特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後」「当該特別図柄の変動を停止させる第2制御手段」に相当する。

カ したがって、本願発明と刊行物1発明とは、
「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である第1始動口および第2始動口と、
複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第1始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第1特別図柄表示器と、
複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第2始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第2特別図柄表示器と、
前記第1始動口への入賞に応じて前記第1特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、当該特別図柄の変動を停止させる第1制御手段と、
前記第2始動口への入賞に応じて前記第2特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、当該特別図柄の変動を停止させる第2制御手段と、
を備える遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1-1]:
本願発明は、「第1特別図柄表示器」及び「第2特別図柄表示器」を「遊技領域の外に」備えるのに対し、
刊行物1発明にはそのような特定がない点。

[相違点1-2]:
「第1制御手段」及び「第2制御手段」に関して、
本願発明は、「抽選に伴う処理により特定される時間経過後に」特別図柄の変動を停止させるのに対し、
刊行物1発明にはそのような特定がない点。

(2)判断
ア 相違点1-1について
遊技機の技術分野において特別図柄表示装置を遊技領域の外に設けることは、本願の原出願(特願2009-226022号)の出願日前に周知の技術である(例えば、上記第3,2(2-i)、特開2006-174910号公報の段落【0048】及び図1、特開2009-160044号公報の段落【0133】及び図18を参照。)。
そして、刊行物1発明において、「第1特別図柄表示器」及び「第2特別図柄表示器」をどこに設けるかは、当業者が適宜決定し得る設計事項というべきところ、上記周知の技術に基づいて、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置を遊技領域の外に設けること、すなわち相違点1-1に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点1-2について
遊技機の技術分野において、図柄の変動を多様化し遊技の興趣を向上させるために、特別図柄の変動時間を抽選に伴う処理により特定することは、本願の原出願の出願日前に周知の技術である(例えば、上記第3,2(2-f)を参照。)。
そして、上記課題は、当該技術分野において普遍的なものであって、刊行物1発明においても内在する課題であるから、刊行物1発明において上記周知の技術を採用し、上記相違点1-2に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 本願発明が奏する効果について
本願発明によってもたらされる効果を全体としてみても、当業者が刊行物1発明及び周知技術から当然に予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

エ まとめ
したがって、本願発明は、当業者が刊行物1発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2 刊行物2発明について
(1)対比
本願発明と刊行物2発明とを対比する。

ア 刊行物2発明における「遊技領域に」「配置され」「遊技球が入球すると始動入賞とな」る「入球装置」と、本願発明における「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である第1始動口および第2始動口」とは、「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である」「始動口」で共通する。

イ 刊行物2発明における「4つの多色LEDが遊技領域の外に1列に配列され」ることは、本願発明における「遊技領域の外に、複数個のLED」が「1列に並べて構成され」ることに相当する。
また、刊行物2発明における「4つの多色LEDの点灯・消灯表示パターン」及び「『抽選』の『結果情報』」は、本願発明における「複数個のLEDの点灯態様」及び「抽選結果」に相当するから、刊行物2発明における「始動入賞を契機として4つの多色LEDをいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示し、一定の変動時間が終了すると、4つの多色LEDの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示し、これにより、抽選が行われると、その結果情報が4つの多色LEDの点灯・消灯によって表示され」ることは、本願発明における「複数個のLEDの点灯態様により」「始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する」ことに相当する。
したがって、刊行物2発明における「4つの多色LEDが遊技領域の外に1列に配列され」、「始動入賞を契機として4つの多色LEDをいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示し、一定の変動時間が終了すると、4つの多色LEDの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示し、これにより、抽選が行われると、その結果情報が4つの多色LEDの点灯・消灯によって表示され」る「特別図柄表示装置」と、本願発明における「前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第1始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第1特別図柄表示器と、前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記第2始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する第2特別図柄表示器」とは、「前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する特別図柄表示器」で共通する。

ウ 上記イの検討も踏まえると、刊行物2発明における「始動入賞を契機として4つの多色LEDをいろいろなパターンで点滅させる」ことは、本願発明における「始動口への入賞に応じて」「特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させ」ることに相当する。
また、刊行物2発明における「抽選結果によって」「設定が行われる」「変動時間」は、本願発明における「抽選に伴う処理により特定される時間」に相当する。
したがって、刊行物2発明における「始動入賞を契機として4つの多色LEDをいろいろなパターンで点滅させ」、「抽選結果によって」「設定が行われる」「変動時間が終了すると、4つの多色LEDの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示」する「特別図柄の変動表示および停止表示の制御」を行う「主制御基板」と、本願発明における「前記第1始動口への入賞に応じて前記第1特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる第1制御手段と、前記第2始動口への入賞に応じて前記第2特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる第2制御手段」とは、「前記始動口への入賞に応じて前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる制御手段」で共通する。

エ したがって、本願発明と刊行物2発明とは、
「遊技球による遊技が行われる遊技領域内の特定の入賞口である始動口と、
前記遊技領域の外に、複数個のLED(Light Emitting Diode)を1列に並べて構成され、当該複数個のLEDの点灯態様により、前記始動口に入賞したことを契機として行われた抽選の抽選結果を示す図柄である特別図柄を表示する特別図柄表示器と、
前記始動口への入賞に応じて前記特別図柄表示器における前記特別図柄の変動を開始させた後、前記抽選に伴う処理により特定される時間経過後に当該特別図柄の変動を停止させる制御手段と、
を備える遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点2-1]:
本願発明は、「第1始動口」及び「第2始動口」、「第1特別図柄表示器」及び「第2特別図柄表示器」、「第1制御手段」及び「第2制御手段」を備えているのに対し、
刊行物2発明は、「入球装置」、「特別図柄表示装置」、「主制御基板」を1つずつ備える点。

(2)判断
ア 相違点2-1について
遊技機の技術分野において、遊技球の流下態様や遊技状態の遷移に多様性を持たせるために、始動口及び特別図柄表示装置を2つずつ備えることは、例示するまでもなく本願の原出願の出願日前に周知であり、また、2つの「始動口」と「特別図柄表示装置」を主制御基板で制御することも本願の原出願の出願日前に周知の技術である(例えば、上記第3,1(1-b)を参照。)。
そして、上記課題は、当該技術分野において普遍的なものであって、刊行物2発明においても内在する課題であるから、刊行物2発明において上記周知技術を適用して、上記相違点2-1に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 本願発明が奏する効果について
本願発明によってもたらされる効果を全体としてみても、当業者が刊行物2発明及び周知技術から当然に予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

ウ まとめ
したがって、本願発明は、当業者が刊行物2発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3 請求人の主張について
請求人は、平成27年2月4日付けの意見書において、「また、引用文献1、2の特別図柄表示装置は、いずれもLEDを2色以上の多色で点灯させることを明記しています(引用文献1の段落[0014]、引用文献2の段落[0105]、[0107])。すなわち、多色で点灯させることにより、少ないLEDの数でも多くの特別図柄(抽選結果)を表現できるようにしています。これは、遊技領域内に特別図柄表示装置を配置する引用文献1、2の遊技機においては、広い遊技領域を確保するための非常に有効な手段と考えられます。これに対し、本願発明は、第1特別図柄表示器および第2特別図柄表示器を遊技領域の外に配置するため、表示器を構成するLEDの数を無理に減らす必要はありません。そのため、本願発明では、多色で発光するLEDを用いることを想定していません。そして、LEDの数を減らさなくても、LEDを1列に並べることにより、遊技領域外における特別図柄表示器の設置スペースの削減を実現します。」と主張するが、本願発明は、LEDの色や数について具体的に特定するものではないから、採用できない。

第5 むすび

以上のとおり、本願発明は、当業者が刊行物1発明あるいは刊行物2発明、及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-03-11 
結審通知日 2015-03-17 
審決日 2015-03-31 
出願番号 特願2012-101842(P2012-101842)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 中田 誠
特許庁審判官 村松 貴士
長崎 洋一
発明の名称 遊技機  
代理人 古部 次郎  
代理人 伊與田 幸穂  
代理人 尾形 文雄  

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