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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1300967
審判番号 不服2013-21618  
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-05 
確定日 2015-05-13 
事件の表示 特願2010-545094「バイオメトリックデータを使用して無線通信デバイス内の耐タンパ記憶装置にアクセスするシステムと方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 8月 6日国際公開、WO2009/097299、平成23年 4月21日国内公表、特表2011-512580〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、2009年1月27日(優先権主張日;2008年1月29日,米国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の経緯の概略は次のとおりである。

出願審査請求(提出日) 平成22年8月30日
拒絶理由通知(起案日) 平成24年8月30日
意見、手続補正(提出日) 平成24年12月4日
拒絶理由通知(起案日) 平成25年3月7日
意見、手続補正(提出日) 平成25年6月6日
補正の却下の決定 平成25年6月24日
拒絶査定(起案日) 平成25年6月24日
拒絶査定謄本送達 平成25年7月2日
審判請求(提出日) 平成25年11月5日
手続補正(提出日) 平成25年11月5日
前置報告(作成日) 平成25年12月6日

第2.平成25年11月5日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成25年11月5日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1. 補正の内容
平成25年11月5日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、本件補正前の特許請求の範囲は本件補正後に次のとおり補正された。なお、平成25年6月6日付けの手続補正は補正の却下の決定がなされているので、補正前の特許請求の範囲は、平成24年12月4日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲である。

[本件補正前]
「【請求項1】
無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバと;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサと;
前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイスと;
データを記憶するための耐タンパ記憶装置と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記無線トランシーバ、前記耐タンパ記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路と;
を備え、前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示し;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促す;
ように構成された、無線通信デバイス。
【請求項2】
前記処理回路に結合され、前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力するユーザーインターフェースをさらに備える、請求項1のデバイス。
【請求項3】
前記ユーザーインターフェースはキーパッドである、請求項2のデバイス。
【請求項4】
前記抽出されたデータはユーザー定義である、請求項1のデバイス。
【請求項5】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項1のデバイス。
【請求項6】
前記処理回路は、前記既定時間を設定するようにさらに構成された、請求項1のデバイス。
【請求項7】
前記抽出されたデータを示すためのディスプレイをさらに備える、請求項1のデバイス。
【請求項8】
前記処理回路は、
前記ユーザーが前記無線通信デバイスの前記認証アプリケーションを用いて登録されるか否かを決定し;
前記ユーザーが前記認証アプリケーションを用いて登録されないことを決定した後、前記認証アプリケーションを用いて登録するオプションを前記ユーザーに促す;
ようにさらに構成された、請求項1のデバイス。
【請求項9】
前記バイオメトリックセンサは、指紋スキャナ、虹彩スキャナ、顔認識デバイス、ハンドスキャナ、音声認識デバイスから成るグループから選択される、請求項1のデバイス。
【請求項10】
前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護される前記メモリデバイス内の保護領域である、請求項1のデバイス。
【請求項11】
前記ユーザーの同一性を認証するために、前記ユーザーの前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、前記ユーザーの前記既知のバイオメトリックサンプルとを比較するための前記処理回路内の認証モジュールをさらに備える請求項1のデバイス。
【請求項12】
前記耐タンパ記憶装置は前記メモリデバイスから分離している、請求項1のデバイス。
【請求項13】
前記処理回路は、前記バイオメトリックセンサを使用して前記バイオメトリックサンプルを提供するよう前記ユーザーを促すようにさらに構成される、請求項1のデバイス。
【請求項14】
前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記ユーザーの同一性を認証するための比較に採用されるか否かを決定し、前記サンプルが採用されない場合、前記バイオメトリックセンサを使用して別のバイオメトリックサンプルを提供するよう前記ユーザーを促すようにさらに構成される、請求項1のデバイス。
【請求項15】
無線通信デバイス上で動作可能な方法であって、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して無線通信することと;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶することと、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得することと;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルとを比較することと;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出することと;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示すことと;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促すことと;
を備える方法。
【請求項16】
ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項17】
前記ユーザーインターフェースはキーパッドである、請求項16の方法。
【請求項18】
前記抽出されたデータはユーザー定義である、請求項15の方法。
【請求項19】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、および運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項15の方法。
【請求項20】
前記既定時間を定義することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項21】
前記既定時間の間、ディスプレイ上に前記抽出されたデータを示すことをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項22】
前記既定時間が経過した後に、前記ディスプレイから前記抽出されたデータを消去することをさらに備える、請求項21の方法。
【請求項23】
前記耐タンパ記憶装置内の前記データは、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である、請求項15の方法。
【請求項24】
前記バイオメトリックセンサを使用して前記バイオメトリックサンプルを提供するように前記ユーザーを促すことをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項25】
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記ユーザーの同一性を認証するための比較に採用されるか否かを決定することと、前記サンプルが採用されない場合、別のバイオメトリックサンプルを提供するように前記ユーザーを促すことをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項26】
無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信する手段と;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得する手段と;
前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶する手段と;
耐タンパ記憶装置にデータを記憶する手段と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルとを比較する手段と;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出する手段と;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示す手段と;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促す手段と;
を備える無線通信デバイス。
【請求項27】
前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力する手段をさらに備える、請求項26のデバイス。
【請求項28】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、および運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項26のデバイス。
【請求項29】
前記既定時間はユーザー定義である、請求項26のデバイス。
【請求項30】
前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護された、前記メモリデバイス内の保護領域である、請求項26のデバイス。
【請求項31】
無線通信デバイス内のデータにアクセスするための命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して無線通信させ;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶させ、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得させ;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された既知のバイオメトリックサンプルとを比較させ;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、耐タンパ記憶装置からデータを抽出させ;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示させ;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促させる;
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項32】
プロセッサにより実行されると、ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置内に前記データを前記プロセッサに入力させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
プロセッサにより実行されると、前記既定時間を前記プロセッサに定義させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
プロセッサにより実行されると、前記既定時間が経過した後、ディスプレイから前記抽出されたデータを前記プロセッサに消去させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
無線通信デバイス内のデータにアクセスするための回路であって、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信し;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶し、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、前記無線通信デバイスのメモリデバイスに記憶された既知のバイオメトリックサンプルとを比較し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記無線通信デバイス内の耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示し;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促す;
ことに適応される回路。
【請求項36】
前記回路は、ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置に前記データを入力することにさらに適応される、請求項35の回路。
【請求項37】
前記回路は、前記既定時間を定義することにさらに適応される、請求項35の回路。
【請求項38】
前記回路は、前記既定時間が経過した後、前記抽出されたデータを消去することにさらに適応される、請求項35の回路。」
(以下、この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前請求項」という。)

[本件補正後]
「 【請求項1】
無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバと;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサと;
前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイスと;
データを記憶するための耐タンパ記憶装置と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記無線トランシーバ、前記耐タンパ記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路と;
を備え、
前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し; 前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する;
ように構成された、
無線通信デバイス。
【請求項2】
前記処理回路に結合され、前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力するユーザーインターフェースをさらに備える、請求項1のデバイス。
【請求項3】
前記ユーザーインターフェースはキーパッドである、請求項2のデバイス。
【請求項4】
前記抽出されたデータはユーザー定義である、請求項1のデバイス。
【請求項5】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項1のデバイス。
【請求項6】
前記処理回路は、前記既定時間を設定するようにさらに構成された、請求項1のデバイス。
【請求項7】
前記抽出されたデータを表示するためのディスプレイをさらに備える、請求項1のデバイス。
【請求項8】
前記処理回路は、
前記ユーザーが前記無線通信デバイスの前記認証アプリケーションを用いて登録されるか否かを決定し;
前記ユーザーが前記認証アプリケーションを用いて登録されないことを決定した場合、
前記認証アプリケーションを用いて登録するオプションを前記ユーザーに促す;
ようにさらに構成された、請求項1のデバイス。
【請求項9】
前記バイオメトリックセンサは、指紋スキャナ、虹彩スキャナ、顔認識デバイス、ハンドスキャナ、音声認識デバイスから成るグループから選択される、請求項1のデバイス。
【請求項10】
前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護される前記メモリデバイス内の保護領域である、請求項1のデバイス。
【請求項11】
前記ユーザーの同一性を認証するために、前記ユーザーの前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、前記ユーザーの前記既知のバイオメトリックサンプルとを比較するための前記処理回路内の認証モジュールをさらに備える、請求項1のデバイス。
【請求項12】
前記耐タンパ記憶装置は前記メモリデバイスから分離している、請求項1のデバイス。
【請求項13】
前記処理回路は、前記バイオメトリックセンサを使用して前記バイオメトリックサンプルを提供するよう前記ユーザーを促すようにさらに構成される、請求項1のデバイス。
【請求項14】
前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記ユーザーの同一性を認証するための比較に採用されるか否かを決定し、前記サンプルが採用されない場合、前記バイオメトリックセンサを使用して別のバイオメトリックサンプルを提供するよう前記ユーザーを促すようにさらに構成される、請求項1のデバイス。
【請求項15】
無線通信デバイス上で動作可能な方法であって、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して無線通信することと;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶することと、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得することと;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルとを比較することと;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定することと;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促すことと;
前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出することと;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示することと;
を備える方法。
【請求項16】
ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項17】
前記ユーザーインターフェースはキーパッドである、請求項16の方法。
【請求項18】
前記抽出されたデータはユーザー定義である、請求項15の方法。
【請求項19】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、および運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項15の方法。
【請求項20】
前記既定時間を定義することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項21】
前記既定時間の間、ディスプレイ上に前記抽出されたデータを表示することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項22】
前記既定時間が経過した後に、前記ディスプレイから前記抽出されたデータを消去することをさらに備える、請求項21の方法。
【請求項23】
前記耐タンパ記憶装置内の前記データは、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である、請求項15の方法。
【請求項24】
前記バイオメトリックセンサを使用して前記バイオメトリックサンプルを提供するように前記ユーザーを促すことをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項25】
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記ユーザーの同一性を認証するための比較に採用されるか否かを決定することと、前記サンプルが採用されない場合、別のバイオメトリックサンプルを提供するように前記ユーザーを促すことをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項26】
無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信する手段と;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得する手段と;
前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶する手段と;
耐タンパ記憶装置にデータを記憶する手段と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルとを比較する手段と;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定する手段と;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促す手段と;
前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出する手段と;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する手段と;
を備える無線通信デバイス。
【請求項27】
前記耐タンパ記憶装置に記憶される前記データを入力する手段をさらに備える、請求項26のデバイス。
【請求項28】
前記データは、クレジットカード番号、パスワード、秘密のロッカーコード、自動窓口機(ATM)個人識別番号(PIN)、保険証券番号、社会保障番号、および運転免許証番号の少なくとも1つを含む、請求項26のデバイス。
【請求項29】
前記既定時間はユーザー定義である、請求項26のデバイス。
【請求項30】
前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護された、前記メモリデバイス内の保護領域である、請求項26のデバイス。
【請求項31】
無線通信デバイス内のデータにアクセスするための命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して無線通信させ;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶させ、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得させ;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、メモリデバイスに記憶された既知のバイオメトリックサンプルとを比較させ;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定させ;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し; 前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出させ;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示させる;
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項32】
プロセッサにより実行されると、ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置内に前記データを前記プロセッサに入力させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
プロセッサにより実行されると、前記既定時間を前記プロセッサに定義させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
プロセッサにより実行されると、前記既定時間が経過した後、ディスプレイから前記抽出されたデータを前記プロセッサに消去させる命令をさらに備える、請求項31のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
無線通信デバイス内のデータにアクセスするための回路であって、
前記無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信し;
前記無線通信デバイス中の耐タンパ記憶装置にデータを記憶し、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルと、前記無線通信デバイスのメモリデバイスに記憶された既知のバイオメトリックサンプルとを比較し;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し; 前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する;
ことに適応される回路。
【請求項36】
前記回路は、ユーザーインターフェースを使用して前記耐タンパ記憶装置に前記データを入力することにさらに適応される、請求項35の回路。
【請求項37】
前記回路は、前記既定時間を定義することにさらに適応される、請求項35の回路。
【請求項38】
前記回路は、前記既定時間が経過した後、前記抽出されたデータを消去することにさらに適応される、請求項35の回路。」

2.補正の適否の判断
補正後請求項1乃至38は、補正前請求項1乃至38とそれぞれの請求項の項番で対応している。

2.1 本件補正における補正の目的について
(1)補正前請求項15の「前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出することと;」および「前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促すことと;」を補正後請求項15の「前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定することと;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促すことと;
前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出することと;」とする補正は、補正前のいずれの事項を限定するものでもない「前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定することと;」を付加するものであり、発明を特定するために必要な事項を限定するものではないことは明らかである。
また、データの選択について、耐タンパ記憶装置から抽出されたデータに係る削除等の選択に関し、補正前の「前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択する」を補正後、耐タンパ記憶装置に記憶されたデータに係る削除等の選択に関し「前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択する」とする補正は、補正前の「抽出されたデータ」から「抽出された」なる限定事項を削除して、耐タンパ記憶装置から抽出されたデータのみならず耐タンパ記憶装置に記憶されたデータにまで範囲を拡張するものであるから、発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。更に、補正後の「前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出すること」に関し、補正前の「前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出すること」を形容し限定していた「前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、」を削除して代わりに「前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、」とする補正は、補正の前後で「場合」の実体が全く異なっていて、補正前の「前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、」を限定するものでないことは明らかであるから、発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。

そして、前記補正は、請求項の削除、誤記の訂正のいずれを目的とするものでなく、また、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてする、明りょうでない記載の釈明を目的とするものともいえない。

(2)、補正後請求項1、26、31についても、補正後請求項15と実質的に同様の補正がなされている。補正後請求項1、26、31については、前記補正後請求項15と同様のことがいえる。

前記(1)乃至(2)で言及したように、本件補正は、特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)(以下「限定的減縮」と記す。)、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的としたものではなく、したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反する。

2.2 独立特許要件についての判断
本件補正は限定的減縮を目的としたものではないが、仮に、限定的減縮を目的としたものであるとしても、本件補正後の特許請求範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(特許法第17条の2第6項で準用する第126条第7項)ので、この規定に適合するか否かを以下に検討する。

2.2.1 本件補正発明
本件補正後請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)は、前記平成25年11月5日付けの手続補正(本件補正)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。(再掲する。)

「無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバと;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサと;
前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイスと;
データを記憶するための耐タンパ記憶装置と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記無線トランシーバ、前記耐タンパ記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路と;
を備え、
前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し;
前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する;
ように構成された、
無線通信デバイス。」

2.2.2 引用文献
(1) 引用文献1
本願の優先権主張日前に頒布され、原審で引用された刊行物である、特開2007-265176号公報には図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審付与。)

ア.「【0002】…(中略)…暗証番号については、本人が覚えやすい番号は第三者に漏れやすく、第三者に漏れにくい番号は本人が忘れやすいというような問題がある。
【0003】
なお、ウェブサイトにアクセスするためのパスワードの入力については、指紋認証などの生体認証を本人確認のために利用するものが知られている(特許文献1及び2参照)。特許文献1に記載の技術によると、ウェブサイトにアクセスする際に指紋認証を行って、パスワードデータメモリからURL、パスワードなどを選択してウェブにアクセスし、またユーザによって入力されたURL、パスワードなどは、パスワードデータメモリに記憶登録される。また、特許文献2に記載の技術によれば、特定サイトのURLとともに、ユーザID、パスワード及びユーザの指紋情報を記憶しておき、その後特定サイトのユーザ認証画面で、指紋認証装置から指紋を入力して本人確認することにより、ユーザIDやパスワードを表示して入力可能とする。
【0004】
特許文献1又は2に記載の技術は、いずれもウェブ接続を簡単に行う目的で、生体認証とウェブ接続のためのパスワード記憶を用いるもので、一般的な文字列の入力に際して、秘匿すべき情報を登録して、後に読み出して再利用できるというものではなかった。
…(中略)…
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、例えば文字列からなる情報を入力しているときに、秘匿すべき情報があれば秘匿すべき情報として登録して管理し、後にこの登録された情報を読み出すことができる情報端末装置、秘匿情報管理方法及び秘匿情報管理プログラムを提供することを目的とする。」

イ.「【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様である情報端末装置は、情報を表示する表示手段と、タイトルが付与された情報を記憶する情報記憶手段と、前記表示手段に表示された情報の少なくとも一部にタイトルを付与して前記情報記憶手段に登録する登録処理と、前記情報記憶手段から情報を呼び出す呼び出し処理を制御する情報制御手段と、ユーザの生体認証のための生体認証手段とを備え、前記情報制御手段による前記登録処理又は前記呼び出し処理の起動に際して、前記ユーザの生体認証を実行し、該ユーザの生体認証が有効な場合に前記登録処理又は前記呼出処理が起動することを特徴とする。
【0007】
また、前記登録処理は、前記表示部に表示された情報の少なくとも一部が登録すべき情報として表示される登録情報編集画面を介して行なわれるようにできる。」

ウ.「【0013】
図1は、本発明の1実施形態である情報端末装置の概要を説明する図である。本実施形態の情報端末装置は、各種入力キーを含む操作手段2と、例えば液晶表示装置からなる各種情報を表示する表示手段3と、操作手段2からの入力を受けて各種制御を行う制御手段1と、各種データ、プログラム、アプリケーションなどを記憶する半導体メモリあるいはハードディスク装置のような記憶手段4と、指紋センサにより指紋情報を抽出する抽出機能と、記憶手段に記憶された指紋情報と指紋センサにより入力された指紋情報とを照合する照合機能を備える指紋認証手段5を備える。
【0014】
本実施形態ではさらに、制御手段1にパスワード登録機能11とパスワード読み出し機能を備えている。なお、本明細書では、パスワードとは、暗証番号のみを指すのではなく、ユーザの秘匿しておきたい情報一般を指す。ユーザが文字列を入力しているとき、ある文字列を秘匿情報として登録し管理したいと思うと、その文字列を、指紋認証を実行した後記憶手段4に登録し、また記憶手段から読み出す際にも指紋認証を実行して記憶手段4から読み出す。
【0015】
本実施形態では、パスワードの登録機能あるいは読み出し機能を起動しようとするたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させる。したがって、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できる。
【0016】
図2は、本発明の具体的な1実施形態である携帯電話10を示す図である。携帯電話10は、本体11と、本体11に対して折りたたみ可能で、表示部15を有する蓋体12とからなる。…(中略)…また、本体11の内部に情報処理部と、制御部と、記憶部と、指紋照合部などを備えている。
【0017】
図2に示す携帯電話10の操作キー13、表示部15、記憶部(図示せず)、及び指紋センサ14と指紋照合部(図示せず)は、図1に示す操作手段2、表示手段3、記憶手段4及び指紋認証手段5に対応する。携帯電話10におけるパスワード登録機能あるいはパスワード読み出し機能は、ソフトウェアであるパスワードマネージャで実現されている。
【0018】
図3及び図4は、パスワードマネージャの基本機能を説明する図である。図3(a)?(c)は、携帯電話10の表示部15の画面を示す。パスワードマネージャは、例えばメニューの「設定」の下の「セキュリティ/ロック」の下に配置される。パスワードマネージャを立ち上げると、携帯電話10の指紋認証機能が有効な場合は、図3(a)に示すような指紋認証を促す画面21が表示される。ユーザはこれに従って、指紋センサ14を使用して指紋認証を行う。携帯電話10の指紋認証機能が有効になっていない場合は、「指紋認証が有効になっていません。パスワードマネージャは使用できません」と表示してメニューに戻る。
【0019】
携帯電話10の指紋認証機能が有効で、ユーザが実行した指紋認証により本人確認が行われると、図3(b)に示す、パスワードマネージャのタイトル一覧の画面22が表示される。図3(b)では、パスワードは1件も登録されていないので、画面22に1件も表示されない。タイトル一覧で操作可能なキーが、画面22の下部に表示されている。以下の図においても、同様に画面下部には、操作可能なキーが表示される。また、本例では、パスワードマネージャは、最大50件までのパスワードが登録できる仕様となっている。
…(中略)…
【0020】
…(中略)…パスワードの登録に当たっては、パスワードのインデックスとなるタイトルとともに登録する必要がある。
…(中略)…
【0023】
タイトル一覧の画面27で、「選択」に対応するキーを押下すると、パスワード編集の画面26に移行し、選択されたタイトルとそのパスワードが表示される。タイトルあるいはパスワードを変更あるいは修正する場合は、「選択」キーの押下により、フルスクリーンの文字入力画面28に移行し、タイトルあるいはパスワードを編集することができる。図4の文字入力画面28は、タイトルを選択してタイトルの編集を行う一例を示す。
【0024】
また、タイトル一覧の画面27で「MENU」に対応するキーを押下することにより、図に示すようなプルダウンメニュー28が表示され、「新規登録」、「1件削除」、「複数削除」、「全件削除」、「1つ上へ移動」、「1つ下へ移動」が実行可能となる。なお、新規登録は、タイトル一覧の画面下部に表示されている「新規」キーを押下することによっても実行できる。」

エ.「【0025】
文字列入力画面で入力した文字列をすぐにパスワードとして登録したい場合は、以下に示すようにパスワードマネージャを利用することができ、簡便にパスワードの登録を行うことができる。
【0026】
図5?7により、携帯電話10により金融機関のウェブに入るために必要な入力を行っている時に、その入力した文字列を秘匿情報として登録する動作を説明する。ここでは、暗証番号の入力を例にして説明するが、店番の入力でも口座名の入力でも、いずれの場合にもその文字列を登録できる。また、前述のようにウェッブ上での入力のみならず、メールなどの携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合でも入力された任意の文字列が登録可能である。
【0027】
図5、6(a)?(c)の各図は、携帯電話10の画面の変遷を示す。図5(a)に示すような金融機関のウェブ画面31では、店番ボックス31-1、口座ボックス31-2、暗証番号ボックス31-3に店番、口座、暗証番号をそれぞれ入力することが求められる。ボックス31-1、31-2に店番と口座を入力した後、暗証番号ボックス31-3にフォーカスして暗証番号ボックス31-3を選択すると、端末の画面5は、図2(b)のように、文字入力画面32に移行して、暗証番号とする文字列「1234567abcdefg」を入力することができる。文字入力画面32の下部には、画面32で使用できる操作キーが示されている。すなわち、選択のためのキーと、サブメニューを表示するためのキー「MENU」とともに、記号、文字、絵文字を入力するためのキーが操作可能となっている。
【0028】
文字入力画面32で入力した暗証番号を登録しようとする場合、「MENU」に対応するキーを押下することによりサブメニュー(図示せず)を表示して、パスワード登録を選択する。ここで、登録件数に最大件数が設定されていれば、登録件数がチェックされる。登録件数が最大件数に達していると、新規の登録はできないので、図6(a)に示すような警告文を表示する。ユーザがOKボタンを押下することにより、文字入力画面32に戻る。また同様に指紋設定の有無がチェックされる。指紋の設定が行われていないと指紋認証を行うことができないので、端末の画面に図6(b)に示すような警告文を表示する。ユーザがOKボタンを押下することにより、文字入力画面32に戻る。
【0029】
ユーザにより指紋の設定がされ、かつ登録件数も最大件数に達していない場合、図5(c)に示すように、文字入力画面32に、開始位置を指定するように促す表示がされる。これに従い、図5(c)では、登録すべき文字列の開始位置を決定する場合は、画面下部に表示されている「始点」に対応する本体キーを押下してその処理を実行する。また、文字入力画面に表示されているすべての文字列を登録する場合は、全選択に対応するボタンを押下すればよい。
【0030】
図5(c)で、登録すべき文字列の開始位置を指定すると、図7(a)に示すように、文字入力画面32で、終了位置を指定することを促すように表示される。「終点」に対応するキーを押下することにより、登録すべき文字列の終点を指定することができる。文末まで指定する場合は、画面5の下部に表示される「文末」に対応するキーを押下すればよい。このようにして、終了位置が確定し、記録すべき文字列が決定すると、図7(b)の画面33に進み、指紋認証を行うように促される。そこで、ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ、指紋認証を行う。なお、ユーザの指紋認証は、本例のように登録すべき文字列の指定を終了した段階で行ってもよいが、これに代えて文字列の指定の開始直前、すなわち図5(b)で、ユーザにより指紋の設定がされ、かつ登録件数も最大件数に達していない場合に指紋認証を行うようにしてもよい。
【0031】
ユーザの指紋認証が有効と判断されると、図7(c)に示すパスワードマネージャの編集画面34が立ち上がる。パスワードマネージャの編集画面には、文字入力画面32で指定した登録すべきパスワードが、パスワードボックス34-2に表示されている。パスワードボックス34-2に表示されているパスワードでよければ、タイトルボックス34-1にタイトルを入力する。パスワードボックス34-2に表示されているパスワードを変更・修正したい場合は、パスワードボックス34-2にフォーカスして、画面上の「選択」に対応するキーを押下することによって、図4の文字列入力画面28と同様の文字列入力画面に移行して、そこで編集作業が可能である。編集が終了すると、「選択」によってパスワードマネージャの編集画面に戻ることができる。その際には、パスワードの欄には編集後のパスワードが表示される。タイトルボックス34-1にタイトルを入力するには、同様にタイトルボックスにフォーカスして、「選択」により、文字列入力画面に移行し、この文字列入力画面によりタイトルを入力する。
【0032】
パスワードとタイトルの入力が終了すれば、画面下部の右に表示される「登録」に対応するキーを押下すれば登録処理が開始する。なお、パスワードとタイトルの少なくとも1つが未入力の状態で「登録」キーが押下されると、パスワードあるいはタイトルの未入力を警告表示して、登録処理を行なわない。登録場所の指定を含む登録処理が終了すると、画面に「パスワードを登録しました」というメッセージを表示し、任意のキー操作あるいは2秒経過により、パスワード登録処理の開始直前の画面である図5(b)の画面32に戻る。さらに図5(b)の画面32で「選択」キーを押下することにより、図5(a)の画面32に所望の暗証番号が入力される。…(中略)…
【0035】
次に、文字入力画面で、登録済みの文字列を呼び出して利用する場合の動作を説明する。図9(a)は、ある金融機関のウェブ上の画面51を示す。パスワードとして登録されている暗証番号を、暗証番号ボックス51-1に入力する場合、暗証番号入力のために、ボックス51-1を選択して、図9(b)に示す文字入力画面52に移行する。次に、記録されている登録番号を呼び出すために、画面下部の「MENU」に対応するキーを押圧しサブメニュー(図示せず)を表示し、パスワード呼び出しを選択する。なお、1件も登録されていない場合は、サブメニューのパスワード呼び出しはグレイアウトされている。
【0036】
その結果、図9(c)に示すように、指紋認証画面が立ち上がり、指紋認証を促す。そこで、ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ4に接触させ、指紋認証を行う。指紋認証が有効であると、図10(a)に示すような、パスワードマネージャのタイトル一覧が表示される。そこで、選択するタイトルにフォーカスした後「選択」キーを押下して、暗証番号が必要な対象を選択する。選択するタイトルにフォーカスするには、移動キーを用いてもよいが、タイトルの先頭に付与されているショートカット番号を数字キーで指定してもよい。
【0037】
ショートカット番号の2番を指定してフォーカスして、「参照」キーを押下すると、パスワード参照画面55に移動し、2番の証券会社の暗証番号が、図10(b)に示すようにパスワード参照の画面55に表示される。これで間違いなければ、「選択」を押下する。すると図10(c)に示すように、求める暗証番号が入力された文字入力画面56に移行する。文字入力画面56で「選択」に対応するキーを押下することにより、図9(a)の暗証番号ボックス51-3に暗証番号が入力される。なお、図10(a)のタイトル一覧の画面で、番号2を指定し、「選択」に対応するキーを押下すると、図10(b)のパスワード参照の画面を介さず、直接図10(c)の文字入力画面に移行する。
【0038】
なお、本例では、ウェブ画面の入力だけではなく、例えばメールの文字入力時にも対応できるように、文字入力画面52、56を介して登録パスワードを呼び出すようにしている。しかしながら、ウェブ画面の入力の場合には、文字入力画面52、56を介すことなく、図9(a)のウェブ画面51からすぐに指紋認証画面に移行できるようにし、さらに図10(a)のパスワードマネージャのタイトル一覧の画面54からタイトルを選択することによって、図9(a)のウェブ画面51に、パスワードとして登録された暗証番号を入力できるようにするようにしてもよい。
【0039】
ここでは、暗証番号で説明したが、店番号、口座番号も同様にしてパスワードマネージャにより登録してあれば、読み出してきて入力することができる。さらに、店番号、口座番号、暗証番号を一括して登録して、一括して入力するようにもできる。
【0040】
以上説明した実施形態では、指紋認証を用いて本人確認を行ったが、指紋認証以外の生体認証を用いてもよい。すなわち、瞳の虹彩、網膜、筆跡、顔形、掌形、耳介、声紋、静脈などを用いた生体認証を用いることができる。
…(中略)…
【0042】
以上のように、本実施形態によると、情報を入力している場合に、指紋認証を実行してその情報を秘匿情報として登録でき、また登録情報を利用するときにも指紋認証による本人確認を行うので、第三者の不正利用を確実に防止できる。」

引用文献1に記載された事項を検討する。
(ア)エ.の「携帯電話10により金融機関のウェブに入るために必要な入力を行っている」との記載と、携帯電話が無線通信システムを介して通信するための送受信部を備えていることは自明の事項である点とをふまえると、「携帯電話と金融機関のウェブとの間で無線通信システムを介して通信するための送受信部」をよみとることができる。

(イ)ウ.の「指紋センサにより指紋情報を抽出する抽出機能」との記載、エ.の「ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ」との記載から、「ユーザの指紋情報を抽出するための指紋センサ」をよみとることができる。

(ウ)ウ.の「記憶手段4」、「記憶手段に記憶された指紋情報と指紋センサにより入力された指紋情報とを照合する」との記載から「指紋情報が記憶された記憶手段」をよみとることができ、当該記憶手段に記憶された指紋情報は、エ.の「指紋認証を行うように促される。そこで、ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ、指紋認証を行う」との記載から、「ユーザが指紋設定した指の指紋情報」が「記憶手段に記憶された指紋情報」として前記記憶手段に記憶されていることをよみとることができる。これらを併せると「前記指紋センサにより入力され、前記ユーザの指紋設定した指紋情報を記憶するための記憶手段」をよみとることができる。

(エ)ウ.の「制御手段1にパスワード登録機能11とパスワード読み出し機能を備えている」、「パスワードとは、暗証番号のみを指すのではなく、ユーザの秘匿しておきたい情報一般を指す」、「文字列を秘匿情報として登録し管理したいと思うと、その文字列を、指紋認証を実行した後記憶手段4に登録し、また記憶手段から読み出す際にも指紋認証を実行して記憶手段4から読み出す」との記載から、「秘匿情報を記憶するための記憶手段」をよみとることができ、ウ.の「パスワードの登録機能あるいは読み出し機能を起動しようとするたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させる。したがって、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できる」との記載から「前記記憶手段は、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できるように、パスワードの登録機能あるいは読み出し機能を起動するたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させる」ことをよみとることができる。これらを併せると「秘匿情報を記憶するための記憶手段と、なお、前記記憶手段は、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できるように、秘匿情報(パスワードなど)の登録機能あるいは読み出し機能を起動するたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させる」ことをよみとることができる。

(オ)ウ.の「制御手段1」、「指紋認証手段5」と、前記(ウ)、(エ)の、「指紋認証機能」と「指紋情報を記憶するための記憶手段」、「記憶手段」との関係(端的には、記憶手段の一部の領域部分としての指紋情報を記憶するための記憶手段)から、「前記指紋情報を記憶するための記憶手段ないし記憶手段に接続された指紋認証手段及び制御手段」をよみとることができる。

(カ)ウ.の「記憶手段に記憶された指紋情報と指紋センサにより入力された指紋情報とを照合する照合機能を備える指紋認証手段5」との記載、エ.の「ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ、指紋認証を行う」との記載と前記(オ)での言及とから、「前記指紋認証手段及び制御手段は、前記指紋センサにより入力された指紋情報と前記記憶手段に記憶された指紋設定した指の指紋情報とを照合する」ことをよみとることができる。

(キ)エ.の「携帯電話10により金融機関のウェブに入るために必要な入力を行っている時に」、「文字列を秘匿情報として登録する」、「文字入力画面32で入力した暗証番号を登録しようとする場合」、「指紋設定の有無がチェックされる。指紋の設定が行われていないと指紋認証を行うことができない」、「ユーザにより指紋の設定がされ」、「記録すべき文字列が決定すると、図7(b)の画面33に進み、指紋認証を行うように促される。そこで、ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ、指紋認証を行う。なお、ユーザの指紋認証は、本例のように登録すべき文字列の指定を終了した段階で行ってもよいが、これに代えて文字列の指定の開始直前」、「指紋認証を行うようにしてもよい。」との記載、「前述のようにウェッブ上での入力のみならず、メールなどの携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合でも入力された任意の文字列が登録可能である」との記載から、「携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合で、文字入力画面で入力した暗証番号を登録しようとする場合、指紋設定の有無がチェックされ、ユーザにより指紋の設定がされていると指紋設定した指を指紋センサに接触させて指紋の認証を行う」ことをよみとることができる。

(ク)前記(キ)で言及の「ユーザにより指紋の設定がされ」、「指紋認証を行うように促され」、「ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ14に接触させ、指紋認証を行う」といった指紋認証は、金融機関のウェブに入る場合のみならずメールなどの携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合においてもそれぞれのアプリケーションのフローの中で行うことであり、エ.の「ユーザの指紋認証が有効と判断されると、図7(c)に示すパスワードマネージャの編集画面34が立ち上がる」、「パスワードとタイトルの入力が終了すれば、」「登録処理が開始する」との記載、エ.の「文字入力画面で、登録済みの文字列を呼び出して利用する場合」、「ユーザは、指紋設定した指を指紋センサ4に接触させ、指紋認証を行う。指紋認証が有効であると、図10(a)に示すような、パスワードマネージャのタイトル一覧が表示される」、タイトル一覧で「選択するタイトルにフォーカス」し「「参照」キーを押下すると、パスワード参照画面55に移動し、2番の証券会社の暗証番号が、図10(b)に示すようにパスワード参照の画面55に表示される」との記載、ウ.の「タイトル一覧の画面27で「MENU」に対応するキーを押下することにより、図に示すようなプルダウンメニュー28が表示され、「新規登録」、「1件削除」、「複数削除」、「全件削除」、」「が実行可能となる」との記載から、「登録済みの文字列を呼び出して利用する場合、ユーザの指紋認証が有効と判断されると、タイトル一覧が表示され、選択するタイトルにフォーカスし「参照」キーを押下してパスワード参照画面に移動可能になり、タイトル一覧の画面で「MENU」に対応するキーを押下することにより、プルダウンメニューが表示され、「新規登録」、「削除」などが実行可能となる」ことをよみとることができる。

(ケ)前記(ク)で言及した「選択するタイトルにフォーカス」し「「参照」キーを押下すると、パスワード参照画面55に移動し」、「暗証番号が、」「パスワード参照の画面55に表示される」との記載、「登録済みの文字列を呼び出して利用する場合」、「タイトル一覧の画面54からタイトルを選択することによって、図9(a)のウェブ画面51に、パスワード(秘匿情報)として登録された暗証番号(秘匿情報)を入力できるようにするようにしてもよい」との記載から、「前記ユーザが前記記憶手段に記憶された秘匿情報の参照を選択する場合、前記記憶手段から選択されたタイトルに対応する登録済みの秘匿情報を呼び出す」ことをよみとることができる。

(コ)前記(ク)、(ケ)での言及をふまえ、エ.の指紋認証を行った「ユーザ」、「パスワード参照画面55に移動し、2番の証券会社の暗証番号が、図10(b)に示すようにパスワード参照の画面55に表示される。」との記載から、「前記ユーザに前記呼び出された秘匿情報を表示する」ことをよみとることができる。

(ア)?(コ)によれば、引用文献1には、本人が覚えやすい番号は第三者に漏れやすく、第三者に漏れにくい番号は本人が忘れやすいというような問題点に対処し、秘匿すべき情報があれば秘匿すべき情報として登録して管理し、後にこの登録された情報を読み出すことができるようにした(ア.参照)次の発明(以下、「引用文献1発明」と呼ぶ。)が示されている。

「携帯電話と金融機関のウェブとの間で無線通信システムを介して通信するための送受信部と、
ユーザの指紋情報を抽出するための指紋センサと、
前記指紋センサにより入力され、前記ユーザの指紋設定した指紋情報を記憶するための記憶手段と、
秘匿情報を記憶するための記憶手段と、なお、前記記憶手段は、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できるように、秘匿情報(パスワード)の登録機能あるいは読み出し機能を起動するたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させ、
前記指紋情報を記憶するための記憶手段ないし記憶手段に接続された指紋認証手段及び制御手段と、
前記指紋認証手段及び制御手段は、
前記指紋センサにより入力された指紋情報と前記記憶手段に記憶された指紋設定した指の指紋情報とを照合し、
携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合で、文字入力画面で入力した暗証番号を登録しようとする場合、指紋設定の有無がチェックされ、
ユーザにより指紋の設定がされていると指紋設定した指を指紋センサに接触させて指紋の認証を行い、
登録済みの文字列を呼び出して利用する場合、ユーザの指紋認証が有効と判断されると、タイトル一覧が表示され、選択するタイトルにフォーカスし「参照」キーを押下してパスワード参照画面に移動可能になり、タイトル一覧の画面で「MENU」に対応するキーを押下することにより、プルダウンメニューが表示され、「新規登録」、「削除」などが実行可能となり、
前記ユーザが前記記憶手段に記憶された秘匿情報の参照を選択する場合、前記記憶手段から選択されたタイトルに対応する登録済みの秘匿情報(パスワード、暗証番号など)を呼び出し、
前記ユーザに前記呼び出された秘匿情報を表示する、
ように構成された、
携帯電話。」

(2) 引用文献2
本願の優先権主張日前に頒布され、原審で引用された刊行物である特開2006-155159号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0002】
近年、ICカード型電子マネーやネットワーク型電子マネーを利用した電子決済システムが徐々に普及してきている。
これらの電子決済システムでは、電子マネー機能を有するICカードや、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、決済端末、チャージ端末等の各種端末機器に、データの暗号化/復号化に使用する暗号キー情報、ID、パスワード等の認証情報、氏名、電話番号等の個人情報、電子マネーの金額等の電子価値情報といった各種の機密情報が格納されている。このため、第三者による不正アクセスによってこれらの機密情報の読み出し、解析、改ざん等を防ぐための機能、いわゆる耐タンパ機能が必要不可欠である。」

(3) 引用文献3
本願の優先権主張日前に頒布され、原審で引用された刊行物である特開2007-241487号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0026】
図4は暗証番号等確認装置による暗証番号等を確認するための操作と、操作に伴う装置内の制御の内容を示すフローチャートである。この操作は「通常モード」で行われる。
ステップs11:指紋センサー3に指を押し当てることにより、指面が光学的に走査され、指紋が2次元の画像情報として採取される。
【0027】
ステップs12:採取された指紋の画像情報が、画像処理部によって「登録モード」において行なわれたと同様の画像処理がなされ、1個の指紋コードに変換される。
ステップs13:登録モードで登録された真正の指紋コードと、ここで入力された指紋コードとが照合される。照合が一致した場合にはステップs14に移る。不一致の場合はステップs15に移る。
ステップs14:登録モードで登録されていた1セットないし複数セットの暗証番号等が表示部に表示される。
【0028】
ステップs18:一定秒数を数えたのち、表示部の表示が終了する。この表示の時間は、ATM等で暗証番号等を入力する操作の時間に見合うものとし、その時間を越えると、安全のために表示が自動消滅する。」

2.2.3 対比
本件補正発明と引用文献1発明とを対比する。
(1)引用文献1発明の無線であることが通常の「携帯電話」は本件補正発明の「無線通信デバイス」に相当し、「金融機関のウェブ」に金融機関のデバイスがあることは自明である。よって、引用文献1発明の「携帯電話と金融機関のウェブとの間で無線通信システムを介して通信するための送受信部」と本件補正発明の「無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバ」とに実質的な差異はない。

(2)引用文献1発明の「抽出」され(抽出されたデータは標本、サンプルといえる。)獲得されたことが自明である「指紋情報」は本件補正発明の「バイオメトリックサンプル」に相当する。引用文献1発明の「ユーザの指紋情報を抽出するための指紋センサ」と本件補正発明の「ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサ」とに実質的な差異はない。

(3)引用文献1発明の記憶手段に記憶された「前記ユーザの指紋設定した指紋情報」は、特定のユーザの、特定の指の、ないし設定された、指紋情報であることがわかっている点で「既知」である。引用文献1発明の「前記指紋センサにより入力され、前記ユーザの指紋設定した指紋情報を記憶するための記憶手段」と本件補正発明の「前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイス」とに実質的な差異はない。

(4)本件補正発明の「耐タンパ記憶装置」とは、本願発明の詳細な説明の段落【0007】に「耐タンパ記憶装置は」「メモリデバイス内の保護領域または個別のメモリコンポーネントである」と記載されていることから記憶手段内の一部の保護領域の場合が含まれる。引用文献1発明の「秘匿情報を記憶するための記憶手段(記憶手段の一部の領域)」は「耐タンパ」とまではいえないまでも本件補正発明の「データを記憶するための耐タンパ記憶装置」とは上位概念において「データを記憶するための記憶装置」である点で共通する。また、引用文献1発明の「確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できるように」、「登録機能あるいは読み出し機能を起動するたびに」認証し、「指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させる」ことは、本人以外の者の登録又は読出しによるアクセスを指紋認証により保護しているとみることができ、また、引用文献1発明の「携帯電話と金融機関(バンク)のウェブとの間」での「認証」は、「携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合」の認証と同様に特定のアプリケーション毎における携帯電話の(アプリケーションにおける)認証であり、この特定のアプリケーション毎における携帯電話の認証は本件補正発明の「認証アプリケーション」と実質的な差異はない。(なお、仮に、前記「認証アプリケーション」がOSなどの制御プログラムと区別する意味でのアプリケーションプログラムの範疇の認証アプリケーションであるとしても、引用文献1の図1に指紋認証手段5は制御手段1とは区別されて図示されており、「情報制御手段と、ユーザの生体認証のための生体認証手段とを備え、前記情報制御手段による前記登録処理又は前記呼び出し処理の起動に際して、前記ユーザの生体認証を実行し、該ユーザの生体認証が有効な場合に前記登録処理又は前記呼出処理が起動する(請求項1の記載参照)」との記載もあるから、ソフトウェアで構成可能であることが自明の前記生体認証手段を制御手段とは別のアプリケーション(プログラム)とすることは設計的事項の範囲内のものである。また、アプリケーション毎における認証を経た秘匿情報は、ウ.に「パスワードの登録に当たっては、パスワードのインデックスとなるタイトルとともに登録する必要がある」と記載され、図4、図10のタイトル一覧に、バンク(金融機関)、トラベル、証券が記載され、金融機関、トラベルなどのアプリケーション毎の認証、登録がパスワードとタイトルとともに登録される結果からもよみとれる。)してみれば、引用文献1発明の「秘匿情報を記憶するための記憶手段と、なお、前記記憶手段は、確実にユーザ本人のみがパスワードを登録かつ使用できるように、秘匿情報(パスワード)の登録機能あるいは読み出し機能を起動するたびに、指紋認証を実行するように促し、指紋認証が有効であるときに初めてパスワードの登録又は読み出し機能を起動させ」と本件補正発明の「データを記憶するための耐タンパ記憶装置と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である」とは「データを記憶するための記憶装置と、なお、前記記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である」点で共通する。

(5)引用文献1発明の「指紋認証手段及び制御手段」は本件補正発明の「処理回路」に相当する。よって、引用文献1発明の「前記指紋情報を記憶するための記憶手段ないし記憶手段に接続された指紋認証手段及び制御手段」と本件補正発明の「前記無線トランシーバ、前記耐タンパ記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路」とは、上位概念において「前記記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路」で共通する。

(6)引用文献1発明の「前記指紋認証手段及び制御手段は、
前記指紋センサにより入力された指紋情報と前記記憶手段に記憶された指紋設定した指の指紋情報とを照合し」と本件補正発明の「前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し」とに実質的な差異はない。

(7)本件補正発明の「認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し」に関し、本願の発明の詳細な説明(段落【0037】)を参照すると「獲得されたバイオメトリックサンプルが採用される場合、無線通信デバイスは、ユーザーが認証アプリケーションを用いて登録されるか否かを決定する(508)。」と記載されていることから、登録対象は秘匿情報とユーザーのうちユーザーであると解することができ、ユーザーの指紋情報を記憶手段に記憶することはユーザーの登録とみることができ、この登録は引用文献1発明の記憶手段への「ユーザにより指紋の設定」と実質的な差異はない。また、「認証アプリケーション」は前記(4)で言及したように、あるアプリケーションのフローにおける認証(アプリケーションプログラムと認証プログラム)と解することができる。よって、引用文献1発明の「携帯電話の機能その他のアプリケーションを使用している場合で、文字入力画面で入力した暗証番号を登録しようとする場合、指紋設定の有無がチェックされ」と本件補正発明の「前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し」とに実質的な差異はない。

(8)引用文献1発明の「ユーザの指紋認証が有効と判断される」ことは前記(6)で言及した「記憶手段に記憶された指紋設定した指の指紋情報(既知のバイオメトリックサンプルに相当)とを照合し適合していると判断されることを意味することは技術的常識である。また、画面編集などにおいて、削除、参照、新規登録などとともに変更などは慣用の選択肢であり、画面にキー操作可能な情報を表示することはユーザのために行っていることでユーザに操作を促しているとみることができる。よって、引用文献1発明の「ユーザにより指紋の設定がされていると指紋設定した指を指紋センサに接触させて指紋の認証を行い、」および「登録済みの文字列を呼び出して利用する場合、ユーザの指紋認証が有効と判断されると、タイトル一覧が表示され、選択するタイトルにフォーカスし「参照」キーを押下してパスワード参照画面に移動可能になり、タイトル一覧の画面で「MENU」に対応するキーを押下することにより、プルダウンメニューが表示され、「新規登録」、「削除」などが実行可能となり」と本件補正発明の「前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し」とは、上位概念において「前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し」の点で共通する。

(9)引用文献1発明の「参照」は、内容をみる意味では「閲覧」と差異はない。引用文献1発明の「前記ユーザが前記記憶手段に記憶された秘匿情報の参照を選択する場合、前記記憶手段から選択されたタイトルに対応する登録済みの秘匿情報を呼び出し」と本件補正発明の「前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し」とは、上位概念において「前記ユーザーが前記記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記記憶装置からデータを抽出し」の点で共通する。

(10)引用文献1発明の「前記ユーザに前記呼び出された秘匿情報を表示する」ことと本件補正発明の「既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する」とは上位概念において「前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する」点で共通する。

(1)?(10)の対比によれば、引用文献1発明と本件補正発明とは次の点で一致し、そして相違する。

〈一致点〉
「無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバと;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサと;
前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイスと;
データを記憶するための記憶装置と、なお、前記記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路と;
を備え、
前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し;
前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し;
前記ユーザーが前記記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、前記記憶装置からデータを抽出し;
前記ユーザーに前記抽出されたデータを提示する;
ように構成された、
無線通信デバイス。」

〈相違点1〉
本件補正発明に係る「記憶装置」が「耐タンパ」記憶装置であるのに対し、引用文献1発明は、記憶手段である点。

〈相違点2〉
処理回路が、本件補正発明は「無線トランシーバ」に結合されているのに対し、引用文献1発明はそのように結合されたものであるか不明である点。

〈相違点3〉
ユーザーに抽出されたデータを提示するのが、本件補正発明は「既定時間の間」提示するのに対し、引用文献1発明はそのようであるか不明である点。

2.2.4 相違点についての当審判断
〈相違点1〉について
引用文献2に「電子決済システムでは、電子マネー機能を有するICカードや、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、決済端末、チャージ端末等の各種端末機器に、データの暗号化/復号化に使用する暗号キー情報、ID、パスワード等の認証情報、氏名、電話番号等の個人情報、電子マネーの金額等の電子価値情報といった各種の機密情報が格納されている。このため、第三者による不正アクセスによってこれらの機密情報の読み出し、解析、改ざん等を防ぐための機能、いわゆる耐タンパ機能が必要不可欠である」と記載されているように「耐タンパ」技術は機密情報保護等のため適宜に採用されている周知慣用技術である。
してみれば、本件補正発明の「無線通信デバイス」に係る「記憶装置」を「耐タンパ」記憶装置とすることは、当業者が適宜に採用し得ることである。

〈相違点2〉について
携帯端末装置において、処理回路を無線トランシーバに結合することは必然的に採用される周知の技術である(必要なら、特開2003-173321号公報の「図1は携帯端末装置のブロック図であり」、「2は制御部」、「7は通信部(送受信部;トランシーバは自明)」、「携帯端末1のアンテナ8と基地局10で通信(無線は自明)」(段落【0009】、【0013】)との記載、および、図1の制御部2と通信部7の接続の様子を参照)。
してみれば、引用文献1発明において、処理回路を「無線トランシーバ」に結合されているものと成すことは当業者が必然的に採用する構成に過ぎない。

〈相違点3〉について
引用文献3には、「照合が一致した場合には」、「登録モードで登録されていた1セットないし複数セットの暗証番号等が表示部に表示され」、「一定秒数を数えたのち、表示部の表示が終了する。この表示の時間は、ATM等で暗証番号等を入力する操作の時間に見合うものとし、その時間を越えると、安全のために表示が自動消滅する」ことが記載されている(前記「一定秒数」「表示の時間」は、暗証番号等を入力する操作の時間に見合うもので、その時間を越えると、安全のために表示を消滅させるための「既定時間」とみることができる)ように、秘匿すべき情報を「既定時間の間」提示することは当業者が適宜に採用している周知慣用技術にすぎないものである。
してみれば、引用文献1発明において、ユーザーに抽出されたデータを提示するのが、「既定時間の間」とすることは当業者が適宜になし得ることである。

そして、本件補正発明の構成により奏する効果も引用文献1発明および引用文献2、3に記載された事項および周知の技術から当然予測される範囲内のもので格別顕著なものとは認められない。

したがって、本件補正発明は当業者が引用文献1発明、引用文献2、3に記載された事項および周知の技術から容易に発明することができたものである。
また、本件補正後の請求項15、26、31に係る発明も、同様に当業者が引用文献1発明、引用文献2、3に記載された事項および周知の技術から容易に発明することができたものである。

2.2.5 小括
よって、本件補正後の請求項1、15、26、31に係る発明は、特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、独立して特許を受けることができないものである。

3. むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反し、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
(1)本願発明
平成25年11月5日付けの手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成24年12月4日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次の事項により特定されるものである。(再掲する。以下「本願発明」という。)

「無線通信デバイスと他のデバイスとの間で無線通信システムを介して通信するための無線トランシーバと;
ユーザーのバイオメトリックサンプルを獲得するためのバイオメトリックセンサと;
前記バイオメトリックセンサに結合され、前記ユーザーの既知のバイオメトリックサンプルを記憶するためのメモリデバイスと;
データを記憶するための耐タンパ記憶装置と、なお、前記耐タンパ記憶装置は、外部のアクセスから保護され、前記無線通信デバイスの認証アプリケーションにのみ利用可能である;
前記無線トランシーバ、前記耐タンパ記憶装置及び前記メモリデバイスに結合された処理回路と;
を備え、前記処理回路は、
前記獲得されたバイオメトリックサンプルを前記メモリデバイスに記憶された前記既知のバイオメトリックサンプルと比較し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合する場合、前記耐タンパ記憶装置からデータを抽出し;
既定時間の間、前記ユーザーに前記抽出されたデータを示し;
前記抽出されたデータの削除、追加又は変更のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促す;
ように構成された、無線通信デバイス。」

(2)引用文献
原審の拒絶の理由に引用された、本願優先権主張日前に頒布された刊行物である前記引用文献1、2、3には、前記第2の2.2.2の(1)ないし(3)で摘記した事項が記載されている。

(3)対比・判断
本願発明は、前記第2の「2.1 本件補正における補正の目的について」の判断で検討した本件補正発明における発明特定事項である、「前記無線通信デバイスの認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されているかどうかを決定し;
前記獲得されたバイオメトリックサンプルが前記既知のバイオメトリックサンプルと適合しており、かつ、前記認証アプリケーションに前記ユーザーが登録されている場合、前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの削除、追加、変更または閲覧のいずれか1つを選択するよう前記ユーザーを促し; 前記ユーザーが前記耐タンパ記憶装置に記憶されたデータの閲覧を選択する場合、」「提示する」に係る限定(下線部)を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の「2.2 独立特許要件についての判断」に記載したとおり、引用文献1発明、引用文献2、3に記載された事項および周知の技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1発明、引用文献2、3に記載された事項および周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本願請求項15、26、31に係る発明も、同様の理由により、引用文献1発明、引用文献2、3に記載された事項および周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願請求項1,15、26、31に係る発明は、特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-12-05 
結審通知日 2014-12-09 
審決日 2014-12-24 
出願番号 特願2010-545094(P2010-545094)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮司 卓佳  
特許庁審判長 石井 茂和
特許庁審判官 田中 秀人
山崎 達也
発明の名称 バイオメトリックデータを使用して無線通信デバイス内の耐タンパ記憶装置にアクセスするシステムと方法  
代理人 赤穂 隆雄  
代理人 井上 正  
代理人 堀内 美保子  
代理人 砂川 克  
代理人 野河 信久  
代理人 井関 守三  
代理人 峰 隆司  
代理人 佐藤 立志  
代理人 福原 淑弘  
代理人 岡田 貴志  
代理人 河野 直樹  
代理人 蔵田 昌俊  
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