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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05H 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05H |
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管理番号 | 1301023 |
審判番号 | 不服2013-18235 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-09-20 |
確定日 | 2015-05-13 |
事件の表示 | 特願2002-581550「制御可能な電力分配を伴う誘導結合されたプラズマ源」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月24日国際公開、WO02/84698、平成16年10月14日国内公表、特表2004-531856〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、2001年4月13日を国際出願日とする出願であって、平成25年5月16日付けで拒絶査定がなされた。 本件は、これを不服として、同年9月20日に請求された拒絶査定不服審判であって、当審において、平成26年7月9日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、同年10月17日付けで意見書が提出されるととともに、手続補正がなされたものである。 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成26年10月17日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 プラズマ処理用の装置であって、 チャンバと、 チャンバの周りに配置された第1と第2のコイルと、 前記第1のコイルに接続された電源と、 前記第2のコイルと前記電源との間に接続された電力分配回路網と、 前記電源と第1のコイルとの間に接続されたマッチング回路網と、 を備え、 前記電力分配回路網は、 前記電源と前記第2のコイルとの間に接続された直列キャパシタと、 前記第2のコイルと前記電源間のノードに直接接続された並列キャパシタと、 を有し、 前記マッチング回路網は、前記電源と電力分配回路網との間に接続される、 ことを特徴とする装置。」 3 引用刊行物 これに対して、当審における平成26年7月9日付けの拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された「特開平9-120898号公報」(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。) a 発明の詳細な説明の記載 「【0001】 【発明の背景】本発明は、密度プロファイルの制御が可能なプラズマ源に関する。」 「【0017】 【好ましい実施例の説明】図1を参照すると、本発明を具体化したプラズマエッチングシステムは、金属真空チャンバ本体12の上部に取り付けられた誘電体材料(すなわち、水晶またはAl_(2)O_(3)のようなセラミック)から作られた円筒体10を含んでいる。円筒体10の一方の端部には、寄り掛かり(abuts)、Oリングの助けによりチャンバ本体12と真空シールを形成するフランジが設けられている。円形誘電体プレート14は、シリンダ10のもう一方の端部を密封し、よって、プラズマ処理が行われる密封キャビティ16を形成する。円筒体10と誘電体プレート14の両方は、その組み合わせは、一般にドームとも呼ばれ、RF電力が後述の適正に配置されたアンテナによってチャンバ内で結合することを可能にするウインドウを提供する。」 「【0021】RF電力が、2つのアンテナ、すなわち、上部コイル状アンテナ40と側部コイル状アンテナ42を介してプラズマキャビティに供給される。アンテナ40及び42は、両方とも銅線で作られている。上部コイル状アンテナ40は、上部誘電体プレート14の上側に隣接した平なスパイラル形コイルである。側部コイル状アンテナ42は、円筒体10の側壁に巻き付けられた円筒形状のコイルである。RF電力は、2つのアンテナ接続44a及び44bを介して上部アンテナ40に供給され、2つの他のアンテナ接続46a及び46bを介して側部アンテナに供給される。」 「【0027】図2を参照すると、記載した実施例の場合、アンテナ40及び42は両方とも、好ましい実施例の場合単一RF発生器60を含むRF電源によって駆動される。50オームの出力インピーダンスを有するRF発生器60は、50オームの同軸ケーブル62を介してRF整合セクション64に、更に、電力スプリッタ66に接続される。電力スプリッタ66は、一方が上部コイル40の端子の一方に接続され、もう一方が側部コイル42の端子の一方に接続された2つの出力ライン68a及び68bを有する。上部アンテナ40のもう一方の端子は、コンデンサ(capacitor)C2を介して接地され、同様に、側部コイル42のもう一方の端子は、コンデンサC4を介してアースに接続されている。 【0028】一般に、RF整合セクション64は、RF整合セクションのインピーダンスを調整して、RFケーブル62と電力スプリッタ66の間における整合状態を実現し、これによって、チャンバ内のプラズマに供給されるRF電力が最大になるようにする1つ以上の可変リアクタンス素子(例えば、インダクタまたはコンデンサ)を含んでいる。RF整合セクション64内のRF検出回路が、チャンバ内への電力伝送をモニタし、モニタ結果から、整合状態の実現及び維持を行うため、RF背号セクション64内における可変リアクタンス素子の値を調整する制御信号を発生する。」 「【0030】電力スプリッタ66は、前記負荷における電流または電圧間における所望の位相関係が維持されるように、単一RF発生器から2つの負荷へのRF電力を分割する。電力スプリッタ66に対する制御信号70によって、ユーザは、2つのアンテナにどのようにRF電力を分配するかを調整することが可能になり、その結果、基板上方におけるプラズマ密度プロファイルを制御することが可能になる。すなわち、制御信号70によって、電力スプリッタ66の2つの出力ライン68a及び68bにおける電圧比が設定される。処理に先立って、一定の電力分配を設定し、例えば、均一なプロファイルといった、所望のプラズマ密度プロファイルが得られるようすることが典型的に望まれる。代わりに、プラズマ処理中に電力分配を変更し、それによってリアルタイムにプラズマ密度プロファイルを変化させたいと思う場合もある。2つの出力信号間の電圧比が調整されるので、電力スプリッタの出力信号によって、互いの位相関係が比較的一定に保たれることになる。更に、電圧分割比は、2つの負荷のインピーダンスの動的変化に比較的影響されることがない。適合するRF電力スプリッタについては、参照として本書に組み込まれた、Collins他に対する米国特許第5,349,313号に記載がある。」 「【0032】図3(a)には、電力スプリッタ70の内部設計の詳細が示されている。図示のように、電力スプリッタ66は、直列に且つ同相に接続された3つの相互結合インダクタL1、L2、及び、L3から構成されている。図3(a)における各インダクタの一方の側におけるドット(dot)は、他の同様のマーキングが施されたインダクタ端子と共通の位相を有するインダクタ端子を表している。3つのインダクタ間における結合係数は、できるだけ高い係数である(例えば、0.8以上)。インダクタL1及びL2は、共通ノード(node)90を共用し、インダクタL2及びL3は、共通ノード92を共用している。側部アンテナ42の一方の端子(例えば、上部端子46a)が、ノード90に接続され、上部アンテナ40の一方の端子(例えば、外側端子44b)が、ノード92に接続されている。前述のように、側部アンテナ42及び上部アンテナ40のもう一方の端子は、それぞれ、コンデンサC4及びC2を介してアースに接続されている。分路コンデンサC3及びC1は、それぞれ、ノード90及び92からアースに接続されている。複素インピーダンスZを有する可変リアクタンス素子96は、さもなくば接続されないL3の端子及びアースに接続されている。」 「【0036】リアクタンス素子96内における可変インピーダンス素子を変化させることによって、アンテナ電流と結果生じる誘導磁界及び電界の間の位相関係がほぼ一定に保たれ、2つのコイル状アンテナ間における電圧分割比が制御される。 【0037】図3(b)には、出力電圧の移相が互いに0゜になるように電圧スプリッタ66を構成する代替方法が示されている。これは、上部アンテナ40及び可変リアクタンス素子96に対する接続を取り替えるだけで実施される。すなわち、可変リアクタンス素子96がノード92に接続され、アンテナが、インダクタL3のさもなくば接続されない側に接続される。 【0038】図3(a)及び3(b)に示す形状には、両方とも、アンテナ40及び42を電力スプリッタに接続し、アンテナ40及び42の端子を電力スプリッタ66に接続するためのさまざまな代替組み合わせが存在する。例えば、出力ライン68aを上部端子46aに接続するのではなく、下部端子46bに接続することが可能である。同様に、上部アンテナ40の場合、出力ライン68bを出力端子44bに接続するのではなく、内部端子44aに接続することも可能である。可能性のある他の接続方法については、容易に明らかになるはずである。もちろん、チャンバ内において発生するB電界が互いに助け合うように、特定の接続構成を選択することが望ましい。従って、どの接続が望ましいかを判定する場合には、アンテナコイルの巻き方向を考慮する必要がある。」 b 図面の記載 「【図2】 ![]() 」 「【図3】 ![]() 」 c 上記a及びbの記載の考察 上記aの記載事項の【0032】の記載は、上記bの記載事項の【図3】(a)に関する説明であるが、上記aの記載事項の【0037】には「図3(b)には、出力電圧の移相が互いに0゜になるように電圧スプリッタ66を構成する代替方法が示されている。これは、上部アンテナ40及び可変リアクタンス素子96に対する接続を取り替えるだけで実施される」と記載されているから、上記aの記載事項の【0032】の記載は、「上部アンテナ40及び可変リアクタンス素子96に対する接続を取り替え」た以外は、上記bの記載事項の【図3】(b)に関する説明でもあると認められる。 また、上記bの記載事項の【図3】(b)の記載によると、インダクタL1の共通ノード90と逆の端子は、RF整合セクション64に接続されていること、インダクタL3の共通ノード92と逆の端子は、上部アンテナ40の端子の一方に接続されていること、及び、可変リアクタンス96は一方が共通ノード92に直接接続され、もう一方がアースに接続されていることが読み取れる。 さらに、上記aの記載事項の「電力スプリッタ66に接続される。電力スプリッタ66は、一方が上部コイル40の端子の一方に接続され、もう一方が側部コイル42の端子の一方に接続された2つの出力ライン68a及び68bを有する」(【0027】)との記載中の「上部コイル40」及び「側部コイル42」は、【0021】、【0032】等に記載されている「上部アンテナ40」及び「側部アンテナ42」と同一のものであることは明らかである。 d 引用例記載の発明 上記a及びbの記載事項及びcの考察によると、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「プラズマエッチングシステムであって、 金属真空チャンバ本体12の上部に取り付けられた円筒体10を含み、円形誘電体プレート14は、円筒体10のもう一方の端部を密封し、プラズマ処理が行われる密封キャビティ16を形成し、 上部アンテナ40は、上部誘電体プレート14の上側に隣接した平なスパイラル形コイルであり、側部アンテナ42は、円筒体10の側壁に巻き付けられた円筒形状のコイルであり、 RF発生器60は、RF整合セクション64、更に、電力スプリッタ66に接続され、 電力スプリッタ66は、一方が上部アンテナ40の端子の一方に接続され、もう一方が側部アンテナ42の端子の一方に接続され、 電力スプリッタ66は、直列に接続された3つのインダクタL1、L2、及び、L3から構成され、 インダクタL1及びL2は、共通ノード90を共用し、インダクタL2及びL3は、共通ノード92を共用し、 インダクタL1の共通ノード90と逆の端子は、RF整合セクション64に接続され、インダクタL3の共通ノード92と逆の端子は、上部アンテナ40の端子の一方に接続され、 側部アンテナ42の一方の端子が、共通ノード90に接続され、 側部アンテナ42及び上部アンテナ40のもう一方の端子は、それぞれ、コンデンサC4及びC2を介してアースに接続され、 可変リアクタンス素子96が共通ノード92に直接接続され、もう一方がアースに接続されている、 プラズマエッチングシステム。」 4 対比 以下、本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「プラズマエッチングシステム」は、本願発明の「プラズマ処理用の装置」に相当する。 (2)引用発明の「金属真空チャンバ本体12の上部に取り付けられた円筒体10を含み、円形誘電体プレート14は、円筒体10のもう一方の端部を密封し、プラズマ処理が行われる密封キャビティ16を形成」する構成は、本願発明の「チャンバ」「を備え」る構成に相当する。 (3)引用発明の「平なスパイラル形コイルであ」る「上部アンテナ40」及び「円筒形状のコイルであ」る「側部アンテナ42」は、本願発明の「第2のコイル」及び「第1のコイル」にそれぞれ相当する。 そうすると、引用発明の「上部アンテナ40は、上部誘電体プレート14の上側に隣接した平なスパイラル形コイルであり、側部アンテナ42は、円筒体10の側壁に巻き付けられた円筒形状のコイルであ」る構成は、本願発明の「チャンバの周りに配置された第1と第2のコイル」「を備え」る構成に相当する。 (4)引用発明の「RF発生器60」、「RF整合セクション64」及び「電力スプリッタ66」は、本願発明の「電源」、「マッチング回路網」及び「電力分配回路網」にそれぞれ相当する。 そうすると、引用発明の「RF発生器60は、RF整合セクション64、更に、電力スプリッタ66に接続され、電力スプリッタ66は、一方が上部アンテナ40の端子の一方に接続され、もう一方が側部アンテナ42の端子の一方に接続され」た構成は、本願発明の「第1のコイルに接続された電源と、前記第2のコイルと前記電源との間に接続された電力分配回路網と、前記電源と第1のコイルとの間に接続されたマッチング回路網と、を備え、」「マッチング回路網は、前記電源と電力分配回路網との間に接続される」構成に相当する。 (5)引用発明は、「上部アンテナ40のもう一方の端子は、」「コンデンサ」「C2を介してアースに接続され」る構成を有するものであって、引用発明の「コンデンサ」「C2」は「上部アンテナ40」と直列に接続されるものであるから、引用発明の「コンデンサ」「C2」は本願発明の「直列キャパシタ」に相当する。 そうすると、引用発明の「電力スプリッタ66は、直列に接続された3つのインダクタL1、L2、及び、L3から構成され、」「インダクタL2及びL3は、共通ノード92を共用し、」「インダクタL3の共通ノード92と逆の端子は、上部アンテナ40の端子の一方に接続され、」「上部アンテナ40のもう一方の端子は、」「コンデンサ」「C2を介してアースに接続され」る構成と、本願発明の「電力分配回路網は、前記電源と前記第2のコイルとの間に接続された直列キャパシタ」「を有」する構成とは、「第2のコイルと直列に接続された直列キャパシタを有する」構成で共通する。 (6)引用発明の「上部アンテナ40」は、「共通ノード92」と接続され、引用発明の「側部アンテナ42」は、「共通ノード90に接続され、」引用発明の「可変リアクタンス素子96」は、「共通ノード92に直接接続され」るものであって、これら「上部アンテナ40」、「側部アンテナ42」及び「可変リアクタンス素子96」は、いずれも直接または間接的にアースに接続されているものであるから、引用発明の「可変リアクタンス素子96」は、「上部アンテナ40」及び「側部アンテナ42」と並列に接続されているものである。 そうすると、引用発明の「可変リアクタンス素子96」と本願発明の「並列キャパシタ」とは、「並列リアクタンス」である構成で共通する。 よって、引用発明の「電力スプリッタ66は、直列に接続された3つのインダクタL1、L2、及び、L3から構成され、」「インダクタL2及びL3は、共通ノード92を共用し、」「可変リアクタンス素子96が共通ノード92に直接接続される」構成と、本願発明の「電力分配回路網は、」「第2のコイルと前記電源間のノードに直接接続された並列キャパシタ」「を有」する構成とは、「第2のコイルと前記電源間のノードに直接接続された並列リアクタンスを有す」る構成で共通する。 上記(1)ないし(8)から、本願発明と引用発明は、 「プラズマ処理用の装置であって、 チャンバと、 チャンバの周りに配置された第1と第2のコイルと、 前記第1のコイルに接続された電源と、 前記第2のコイルと前記電源との間に接続された電力分配回路網と、 前記電源と第1のコイルとの間に接続されたマッチング回路網と、 を備え、 第2のコイルと直列に接続された直列キャパシタを有し、 第2のコイルと前記電源間のノードに直接接続された並列リアクタンスを有し、 前記マッチング回路網は、前記電源と電力分配回路網との間に接続される、 装置。」 で一致し、以下a及びbの点で相違する。 (相違点) a 本願発明は、電力分配回路網が、電源と前記第2のコイルとの間に接続された直列キャパシタを有するのに対し、引用発明は、上部アンテナ40の端子はコンデンサC2を介して接地されており、コンデンサC2が電力スプリッタ66を構成するものではない点。 b 第2のコイルと電源間のノードに直接接続された並列リアクタンスが、本願発明は、電力分配回路網が有するキャパシタであるのに対し、引用発明は、キャパシタかどうか不明であり、電力スプリッタ66を構成するものではない点。 5 当審の判断 以下、上記a及びbの相違点について検討する。 (上記aの相違点について) 引用発明のコンデンサC2は上部アンテナ40と直列に接続されたものであるから、コンデンサC2及び上部アンテナ40のどちらをRF発生器60側または接地側に接続するかは、当業者が適宜なし得た設計的事項である。 また、引用発明のコンデンサC2は、所定のインピーダンスを有するものであり、その数値によって電力スプリッタ66による電力の分配量が変化することは明らかであるから、引用発明のコンデンサC2を電力スプリッタ66の一部として、上記aの相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。 (上記bの相違点について) 引用例には、「リアクタンス素子96内における可変インピーダンス素子を変化させることによって、アンテナ電流と結果生じる誘導磁界及び電界の間の位相関係がほぼ一定に保たれ、2つのコイル状アンテナ間における電圧分割比が制御される」(【0036】)と記載され、また、「RF整合セクションのインピーダンスを調整」(【0028】)に関する「可変リアクタンス素子」(【0028】)ではあるが、「可変リアクタンス素子(例えば、インダクタまたはコンデンサ)」(【0028】)と記載されていることからすると、「アンテナ電流と結果生じる誘導磁界及び電界の間の位相関係がほぼ一定に保」ち、「2つのコイル状アンテナ間における電圧分割比」を「制御」するために、引用発明の「可変リアクタンス素子96」をコンデンサ、すなわちキャパシタとすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、引用発明の可変リアクタンス素子96は、インピーダンスを変化させることができるものであり、その数値によって電力スプリッタ66による電力の分配量が変化することは明らかであるから、引用発明の可変リアクタンス素子96を電力スプリッタ66の一部として、上記bの相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。 上記a及びbの相違点については上記のとおりであり、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び引用例記載の事項から当業者が予測できる範囲内のものと認められる。 よって、本願発明は、引用発明及び引用例に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-12-01 |
結審通知日 | 2014-12-08 |
審決日 | 2014-12-19 |
出願番号 | 特願2002-581550(P2002-581550) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(H05H)
P 1 8・ 121- WZ (H05H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 村川 雄一 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
土屋 知久 伊藤 昌哉 |
発明の名称 | 制御可能な電力分配を伴う誘導結合されたプラズマ源 |
代理人 | 須田 洋之 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 上杉 浩 |