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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1302048
審判番号 不服2014-9253  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-19 
確定日 2015-06-11 
事件の表示 特願2010- 73232「制御装置、カメラシステム及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月13日出願公開、特開2011-205573〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、平成22年3月26日の出願であって、平成25年11月6日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成26年1月14日付けで手続補正がなされたが、平成26年2月12日付け(発送日同年2月18日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成26年5月19日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、平成26年5月19日付けで手続補正(明細書、特許請求の範囲又は図面について請求と同時にする補正)がなされた。

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
請求項1?16に係る発明は、下記の刊行物に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開平9-327008号公報
引用文献2:特開2006-191408号公報

第2 補正却下の決定
平成26年5月19日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成26年5月19日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成26年5月19日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正である。

補正前の請求項1?16
「 【請求項1】
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、少なくとも1つのプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を前記カメラで撮像するように制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、選択された前記プリセット領域を撮像するように前記カメラの撮像方向を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、監視カメラシステムで使用される制御装置であり、
前期制御装置はネットワークを介して前記カメラで撮像された画像を受信することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置しない場合、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置する場合の枠の大きさを基準として、前記プリセット領域に基づいて設定された撮影倍率で前記枠の大きさを補正して表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、ユーザのドラッグ操作に応じて前記プリセット領域の位置を変更して表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット画像を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を一覧表示するように画像表示を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット画像を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を交代で表示する、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
画像を撮像するカメラと、前記カメラを制御する制御装置とを有するカメラシステムであって、
前記制御装置は、
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、少なくとも1つのプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、カメラシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を前記カメラで撮像するように制御する、請求項9に記載のカメラシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、選択された前記プリセット領域を撮像するように前記カメラの撮像方向を制御する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置しない場合、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置する場合の枠の大きさを基準として、前記プリセット領域に基づいて設定された撮影倍率で前記枠の大きさを補正して表示する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項13】
前記表示制御部は、ユーザのドラッグ操作に応じて前記プリセット領域の位置を変更して表示する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項14】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット画像を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を一覧表示するように画像表示を制御する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項15】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット画像を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を交代で表示する、請求項14に記載のカメラシステム。
【請求項16】
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された少なくとも1つのプリセット領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御するとともに、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する手段、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。」

を、次のとおり補正後の請求項1?16に補正するものである。

「 【請求項1】
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、予め登録可能な複数のプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を前記カメラで撮像するように制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、選択された前記プリセット領域を撮像するように前記カメラの撮像方向を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、監視カメラシステムで使用される制御装置であり、
前記制御装置はネットワークを介して前記カメラで撮像された画像を受信することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置しない場合、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置する場合の枠の大きさを基準として、前記プリセット領域に基づいて設定された撮影倍率で前記枠の大きさを補正して表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、ユーザのドラッグ操作に応じて前記プリセット領域の位置を変更して表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット領域を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を一覧表示するように画像表示を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット領域を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を交代で表示する、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
画像を撮像するカメラと、前記カメラを制御する制御装置とを有するカメラシステムであって、
前記制御装置は、
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、予め登録可能な複数の少なくとも1つのプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、カメラシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を前記カメラで撮像するように制御する、請求項9に記載のカメラシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、選択された前記プリセット領域を撮像するように前記カメラの撮像方向を制御する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置しない場合、前記プリセット領域が全体画像の中心に位置する場合の枠の大きさを基準として、前記プリセット領域に基づいて設定された撮影倍率で前記枠の大きさを補正して表示する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項13】
前記表示制御部は、ユーザのドラッグ操作に応じて前記プリセット領域の位置を変更して表示する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項14】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット領域を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を一覧表示するように画像表示を制御する、請求項10に記載のカメラシステム。
【請求項15】
前記制御部は、前記全体画像上で複数の前記プリセット領域が指定された場合、複数の前記プリセット領域を順次に撮像するように前記カメラの撮像方向を制御し、
前記表示制御部は、前記複数のプリセット領域を交代で表示する、請求項14に記載のカメラシステム。
【請求項16】
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された、予め登録可能であり複数のグループに分けることが可能な複数のプリセット領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御するとともに、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する手段、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。」

2 補正の適合性
(1)補正の目的
本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
特に、以下で検討する請求項1に係る補正について、詳細すると、当該補正は、「プリセット領域」を「予め登録可能な複数のプリセット領域」に限定し、さらに「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、」を追加するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。

(2)独立特許要件
上記のとおり本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後における発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを、以下に検討する。

(3)補正後発明
補正後の請求項1?16に係る発明のうち請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「補正後発明」という。)。

「(A)カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
(B)前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
(C)前記領域は、予め登録可能な複数のプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、
(D)前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、
(E)制御装置。」

((A)?(E)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

(4)刊行物1の記載及び刊行物1に記載された発明
ア 刊行物1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-327008号公報(上記引用文献1、以下「刊行物1」という。)には、「通信会議端末装置のカメラプリセット位置表示方法、カメラ位置制御方法及びカメラプリセット位置登録方法」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信会議端末装置に関し、特に、そのカメラプリセット位置表示方法、カメラ位置制御方法及びカメラプリセット位置登録方法に関する。」

「 【0002】
【従来の技術】
従来の通信会議端末装置においては、カメラ装置が撮影する画像は、カメラ装置が向いている方向の所定の撮影領域に限られている。そのため、カメラ装置は、一定の方向に向きが固定されている限り、全会議風景のうちの、特定の人物の姿や、特定の物体の姿等の一部の会議風景しか撮影できない。
【0003】
そのため、一般的には通信会議端末装置のカメラ装置は、パン及びチルト動作が可能なように構成され、そのパン及びチルト角度の範囲内で、一定の方向に向きが固定されている場合に比較してずっと広い撮影可能領域が得られるようにしている。
【0004】
ユーザは、カメラ装置をパン・チルト動作させることで、目的とする人物や物体等の被写体が、カメラ装置の所定の撮影領域内に入るようにする。」

「 【0020】
図1は、ISDN回線網を介して相互に接続される本発明に係る通信会議端末装置31を示し、通信会議端末装置31は、相互に画像などをやりとりして会議通信を行う。」

「 【0060】
また、図7において、カメラ位置プリセット機能において登録したカメラ位置記憶番号(プリセット番号)及び登録位置(プリセット位置)の座標より静止画像上の位置を計算し、その位置記憶番号を静止画像上に重畳表示する。なお、ここでいうカメラ位置プリセット機能とは、ユーザー任意のカメラ位置(座標及びズーム位置)を登録することにより、ワンタッチで登録したカメラ位置(プリセット位置)にカメラ装置34を移動させる機能である。」

〈第4実施形態〉
「 【0067】
次に、本発明の第4実施形態に係るカメラ位置制御方法について説明する。
【0068】
通信会議端末装置1は、会議通信中において、特定の命令によりカメラ装置34の撮影可能領域の静止画像を作成する場合、図6に示すように、カメラ装置34のズームを最大広角にした後、図6の矢印のような動きで移動しながら、分割した撮影可能領域の静止画像を作成する。
【0069】
カメラ装置34の移動ルート及び停止位置は、カメラ装置34の撮影可能領域より決定する。撮影した静止画像はHDD部17に保存記憶し、全静止画像を作成後、ファックスプロトコル等を用いて通信会議端末装置2に全静止画像を送信する。また、カメラ位置プリセット機能において登録された位置記憶番号及び登録位置の静止画像上における座標もまたファックスプロトコル等を用いて通信会議端末装置2に送信する。
【0070】
通信会議端末装置2では通信会議端末装置1から受信した通信会議端末装置1のカメラ装置34の撮影可能領域の静止画像をHDD部17に保存記憶する。そして、通信会議端末装置2は受信した通信会議端末装置1の撮影可能領域の静止画像を表示装置33の表示用メモリ上に展開する。この展開の仕方は図7に示すように表示装置33のディスプレイ上に全静止画像が1度に映るように、縮小して展開する。また、通信会議端末装置1から受信した通信会議端末装置1のカメラ装置34のカメラ位置プリセット機能において登録された位置記憶番号及び登録位置の撮影可能領域の静止画像上における座標より静止画像上の位置を計算し、その位置記憶番号を静止画像上に表示する。
【0071】
通信会議端末装置2では表示装置33に通信会議端末装置1から受信した撮影可能領域(カメラ位置記憶番号を含む)の静止画像を表示装置33のディスプレイ上に表示した後、表示装置33においてカーソル、タッチペン等のポインティング装置を用いて表示したカメラ位置記憶番号を選択する。
【0072】
通信会議端末装置2では選択されたカメラ位置記憶番号を通信会議端末装置1に通知する。通信会議端末装置1では、選択されたカメラ位置記憶番号に登録された位置情報よりカメラ装置34を移動させる。
【0073】
以上のような処理により、通信会議において相手端末におけるカメラ装置34の撮影可能領域上の、登録位置に対応する位置にカメラ位置記憶番号を表示することによって、ユーザーは相手端末のカメラ装置34をパン・チルト操作する場合に、相手端末のカメラ装置34に設定された登録位置及びカメラ位置記憶番号と、相手端末において全静止画像として撮影された会議風景における位置との対応を、正確に把握することができる。また、相手端末のカメラ装置34の目的とする登録位置を正確かつ迅速に指定することができる。また、この静止画像を通信会議の相手端末の参加者等の記録として残すことが可能である。」

〈第5実施形態〉
「 【0078】
次に、本発明の第5実施形態に係るカメラプリセット位置登録方法について説明する。
【0079】
通信会議端末装置1は、会議通信中において、特定の命令によりカメラ装置34の撮影可能領域の静止画像を作成する場合、図6に示すように、カメラ装置34のズームを最大広角にした後、図6の矢印のような動きで移動しながら、分割した撮影可能領域の静止画像を作成する。
【0080】
カメラ装置34の移動ルート及び停止位置は、カメラ装置34の撮影可能領域より決定する。撮影した静止画像はHDD部17に保存記憶し、全静止画像を作成後、表示装置33の表示用メモリ上に展開する。この展開の仕方は図7に示すように表示装置33のディスプレイ上に全静止画像が1度に映るように、縮小して展開する。
【0081】
また、図7において、カメラ位置プリセット機能において登録したカメラ位置記憶番号(プリセット番号)及び登録位置(プリセット位置)の座標より静止画像上の位置を計算し、その位置記憶番号を静止画像上に重畳表示する。なお、ここでいうカメラ位置プリセット機能とは、ユーザー任意のカメラ位置(座標及びズーム位置)を登録することにより、ワンタッチで登録したカメラ位置(プリセット位置)にカメラ装置34を移動させる機能である。
【0082】
表示装置33のディスプレイ上に位置記憶番号と共に撮影可能領域の静止画像を表示した後、表示装置33においてカーソル、タッチペン等のポインティング装置を用いて登録したいカメラ位置記憶番号及びカメラ位置を選択する。」

〈第6実施形態〉
「 【0092】
通信会議端末装置2では表示装置33に通信会議端末装置1から受信した撮影可能領域(カメラ位置記憶番号を含む)の静止画像を表示装置33のディスプレイ上に表示した後、表示装置33においてカーソル、タッチペン等のポインティング装置を用いて登録したいカメラ位置記憶番号及びカメラ位置を選択する。
【0093】
通信会議端末装置2では、選択されたカメラ位置記憶番号と選択されたカメラ位置の座標情報を通信会議端末装置1に通知する。通信会議端末装置1では、通知されたカメラ位置記憶番号に、通知されたカメラ位置の座標情報を登録位置として対応づけて登録する。
【0094】
以上のような処理により、通信会議において相手端末におけるカメラ装置34の撮影可能領域上の、登録位置に対応する位置にカメラ位置記憶番号を表示することによって、ユーザーは相手端末のカメラ装置34をパン・チルト操作する場合に、相手端末のカメラ装置34に設定された登録位置及びカメラ位置記憶番号と、相手端末において全静止画像として撮影された会議風景における位置との対応を、正確に把握することができる。また、相手端末のカメラ装置34の登録位置を正確かつ迅速に登録することができる。また、この静止画像を通信会議の相手端末の参加者等の記録として残すことが可能である。」

イ 刊行物1に記載された発明
刊行物1に記載された第4実施形態の通信会議端末2を刊行物1に記載された発明として認定する。その際、他の記載も参酌する。
刊行物1には、カメラ装置34を有する通信会議端末装置1と通信会議端末装置2と会議通信すること及びカメラ位置制御を行うことが記載されている(段落【0020】、【0067】?【0073】)。
通信会議端末装置2は、通信会議端末装置1の撮影可能領域の静止画像をディスプレイ上に映るようにしている(段落【0070】)から、『カメラの撮影可能領域の静止画像を表示するように制御する表示制御部』を有しているといえる。
また、「通信会議端末装置1から受信した通信会議端末装置1のカメラ装置34のカメラ位置プリセット機能において登録された位置記憶番号及び登録位置の撮影可能領域の静止画像上における座標より静止画像上の位置を計算し、その位置記憶番号を静止画像上に表示する」(段落【0070】)から、通信会議端末装置2は、プリセット機能において登録された位置記憶番号を静止画像上に表示するものであり、図9に示されているように複数の位置記憶番号を表示するものである。したがって、通信会議端末装置2は、『プリセット機能において登録された複数の位置記憶番号を静止画像上に表示する』ものである。また、プリセット位置の登録については、第5実施形態(段落【0078】?【0082】)、第6実施形態(段落【0092】?【0094】)に記載されている。
通信会議端末装置2は、カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、該番号を通信会議端末装置1に通知し、通信会議端末装置1は選択されたカメラ位置記憶番号に登録された位置情報よりカメラ装置34を移動させる(段落【0071】?【0072】)。
カメラ装置をカメラ位置(座標及びズーム位置)に移動させる目的は、従来技術の記載ではあるが、「ユーザは、カメラ装置をパン・チルト動作させることで、目的とする人物や物体等の被写体が、カメラ装置の所定の撮影領域内に入るようにする。」(段落【0004】)と記載されていること、刊行物1の記載を総合的に判断すると、カメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を得ることであると認められる。
そうすると、通信会議端末装置2は、『カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、カメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示する』ものといえ、このように『制御する制御部』を有しているといえる。
また、画像を表示するための手段は、通信会議端末装置2においては、上述の『表示制御部』であるから、『表示制御部』が 『選択されたカメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示する』ものと認められる。

以上まとめると、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

「カメラの撮影可能領域の静止画像、又は、選択されたカメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像、を表示するように制御する表示制御部と、ここで、静止画像上には、プリセット機能において登録された複数のカメラ位置記憶番号が表示され、
カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域の静止画像を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、カメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示するように制御する制御部、
を有する通信会議端末装置。」

(5)対比
ア 補正後発明と刊行物1発明とを対比する。

(ア)構成要件Aと刊行物1発明における「カメラの撮影可能領域の静止画像、又は、選択されたカメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像、を表示するように制御する表示制御部と、ここで、静止画像上には、プリセット機能において登録された複数のカメラ位置記憶番号が表示され、」とを対比する。
刊行物1発明の「カメラの撮影可能領域の静止画像」は、「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域」に相当する。
刊行物1発明の「カメラ位置記憶番号」は、「全体画像表示領域」に相当する「静止画像」上に表示されるから、「選択されたカメラ位置記憶番号」は、「前記全体画像で指定された位置」に相当する。
刊行物1発明の「選択されたカメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像、を表示する」における「カメラ位置(座標及びズーム位置)の画像、を表示する」は、ズーム位置の画像を表示するから、拡大画像を表示するといえ、刊行物1発明の「選択されたカメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像、を表示する」は、「前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示する」といえる。
したがって、補正後発明と刊行物1発明とは、「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域、を表示するように制御する表示制御部」を有する点で共通する。
しかしながら、刊行物1発明における「表示制御部」は、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」とを同時に表示するものではなく、補正後発明と相違する。つまり、補正後発明においては、「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する」、すなわち、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するのに対し、刊行物1発明においては、「全体画像表示領域」、「拡大画像表示領域」を表示制御するものの、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するものではない点で相違する。

(イ)構成要件Bと刊行物1発明における「カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域の静止画像を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、カメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示するように制御する制御部」とを対比する。
刊行物1発明の「カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域の静止画像を表示させた後、」選択された「カメラ位置記憶番号」は、「前記全体画像上で指定された位置」に相当し、「カメラ位置記憶番号」によって、カメラ位置(座標及びズーム位置)の画像が変わるから、刊行物1発明の「制御部」は、「領域を変化させるように制御する」ものといえる。
したがって、補正後発明と刊行物1発明とは、「前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部」を有する点で一致する。

(ウ)構成要件Cと刊行物1発明における「静止画像上には、プリセット機能において登録された複数のカメラ位置記憶番号が表示され、」とを対比する。
刊行物1発明の「カメラ位置記憶番号」は、「静止画像上」にあり、選択されると、カメラ位置(座標とズーム位置)の画像を表示し、さらに、カメラ位置はプリセット機能においてカメラ位置記憶番号とともに登録されるから、静止画像上にプリセット領域を含んでいるといえ、刊行物1発明の「プリセット機能において登録された複数の位置記憶番号が表示され」ることは、「予め登録可能な複数のプリセット領域の位置を表示」することといえる。
したがって、補正後発明と刊行物1発明とは、「前記領域は、予め登録可能な複数のプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示」する点で共通する。
しかしながら、補正後発明は、「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であ(り、)」るのに対し、刊行物1発明はそうではない点で相違する。

(エ)構成要件Dと刊行物1発明における「カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域の静止画像を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、カメラ位置記憶番号のカメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示するように制御する」とを対比する。
刊行物1発明における「カメラ位置記憶番号を含む撮影可能領域の静止画像を表示させた後、カメラ位置記憶番号を選択し、」は、「前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、」に相当する。
刊行物1発明における「カメラ位置(座標及びズーム位置)」は、「プリセット機能において登録された」ものであり、「ズーム位置」の画像であるから、「画角サイズに基づい」た「前記対応する箇所の画像」の「拡大画像」といえる。したがって、「カメラ位置(座標及びズーム位置)の画像を表示するように制御する」ことは、「前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する」に相当する。
以上より、補正後発明と刊行物1発明とは、「前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する」点で一致する。

(オ)構成要件Eと刊行物1発明の「通信会議端末装置」とを対比する。
刊行物1発明は、上記(ア)?(エ)の構成を有し、制御をするものと認められるから「制御装置」といえる。

イ 一致点、相違点
以上より、補正後発明と刊行物1発明の一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、予め登録可能な複数のプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、制御装置。

(相違点1)
「表示制御部」が、
補正後発明においては、「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する」、すなわち、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するのに対し、
刊行物1発明においては、「全体画像表示領域」、「拡大画像表示領域」を表示制御するものの、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するものではない点

(相違点2)
補正後発明が、「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であ(り、)」るのに対し、
刊行物1発明がそうではない点

(6)相違点の判断
ア 相違点1について
全体画像と拡大画像とを同時に表示することは、刊行物2(特に、図3、図11?14参照)に記載されるように、周知の表示形態にすぎず、刊行物1発明に刊行物2の技術を適用して、全体画像と拡大画像とを同時に表示制御するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点2について
刊行物3(特に、段落【0023】)には、カメラで撮影される複数の撮影対象領域の各撮影対象領域にシーケンスグループを設定すること及び複数のグループが登録されることが開示されており、刊行物1発明において複数のプリセット領域(カメラ位置記憶番号)が登録されるのであるから、複数のプリセット領域を関連して表示しようとすることは容易に想定でき、その際に刊行物3に記載された技術を適用して、グループ化して順番(シーケンス)に表示するようにし、そのようなシーケンスのグループを複数設定することは容易に想到し得ることである。このような技術事項は、「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であ」るといえる。

ウ そして、補正後発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

エ したがって、補正後発明は、刊行物1?3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成26年5月19日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?16に係る発明は、平成26年1月14日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?16に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、少なくとも1つのプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、制御装置。」

2 対比、判断
(1)対比
本願発明は、補正後発明の「予め登録可能な複数のプリセット領域」を「予め登録可能な複数の」の限定をなくし、「プリセット領域」とし、さらに、をさらに「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、」の限定をなくしたものである。
刊行物1発明は、上記第2の2(4)イの刊行物1発明を援用し、対比については、「プリセット領域」は、一致点と認められ、「前記複数のプリセット領域は複数のグループに分けることが可能であり、」については、補正後発明と刊行物1発明との対比においては相違点2であったが、本願発明にはこの構成はないから、相違点2は存在しない。
その他の点は上記第2の2(5)の対比を援用する。
そうすると、本願発明と刊行物1発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域、を表示するように制御する表示制御部と、
前記全体画像上で指定された位置に対応する領域を変化させるように制御する制御部と、を有し、
前記領域は、少なくとも1つのプリセット領域を含み、前記表示制御部は、前記全体画像上に前記プリセット領域の位置を表示し、
前記全体画像上で前記プリセット領域に対応する箇所が選択された場合に、前記プリセット領域に対して予め設定された画角のサイズに基づいて、前記対応する箇所の画像を拡大画像として表示する、制御装置。

(相違点)
「表示制御部」が、
補正後発明においては、「カメラで撮像された全体画像を表示する全体画像表示領域と、前記全体画像で指定された位置に対応する領域を拡大して拡大画像を表示する拡大画像表示領域と、を表示するように制御する」、すなわち、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するのに対し、
刊行物1発明においては、「全体画像表示領域」、「拡大画像表示領域」を表示制御するものの、「全体画像表示領域」と、「拡大画像表示領域」と、を同時に表示するように制御するものではない点

(2)判断
上記相違点は、上記相違点1と同じであるから、判断は上記第2の2(6)アの相違点1の判断を援用する。
したがって、本願発明は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものと認められる。

3 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、請求項2?16に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-03-31 
結審通知日 2015-04-07 
審決日 2015-04-21 
出願番号 特願2010-73232(P2010-73232)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮下 誠  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 小池 正彦
藤井 浩
発明の名称 制御装置、カメラシステム及びプログラム  
代理人 亀谷 美明  

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