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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B02C
管理番号 1302204
審判番号 不服2014-16867  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-26 
確定日 2015-06-19 
事件の表示 特願2010- 53442「シュレッダー」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月22日出願公開、特開2011-183345〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成22年3月10日の出願であって、平成25年12月3日付けで拒絶理由が通知され、平成26年1月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年6月12日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年8月26日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 本願発明について
本件出願の請求項1ないし4に係る発明は、平成26年1月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに出願時に願書に添付された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、下記のとおりのものである。

「 【請求項1】
内部に屑収容部を有するシュレッダー本体と、前記シュレッダー本体の上部に形成された被細断物の投入口と、前記シュレッダー本体内に設けられ、前記投入口から投入された前記被細断物を細断するための細断刃を備えた細断部と、前記細断刃を駆動させるための駆動手段と、前記シュレッダー本体内に設けられ、前記細断部から落下して前記シュレッダー本体内の屑収容部に堆積する細断屑の堆積方向に直交して前記細断部から離反する方向へと細断屑を搬送するための細断屑搬送手段と、を含み、前記細断屑搬送手段が、前記細断刃の長手方向と平行して設けられた回転軸と、前記回転軸にスパイラル状に設けられたスパイラルプレートと、を備えるスパイラル手段を有することを特徴とするシュレッダー。」

1 刊行物
(1)刊行物の記載
原査定の拒絶理由に引用され、本件出願前に頒布された刊行物である特開平10-277419号公報(以下、「刊行物」という。)には、次の記載がある。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文書等の紙類を裁断するシュレッダに係り、特に屑箱内に堆積した裁断屑を均等に均す裁断屑均し装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、紙類を裁断するカッタ手段と、カッタ手段で裁断された裁断屑を収容する屑箱とを備えたシュレッダは一般に知られている。
【0003】ところで、この種のシュレッダを用いて紙類を裁断した場合、裁断屑は屑箱に山形に堆積することになるため、その頂部を均して均等に収容されるようにする必要がある。
【0004】そこで従来は、例えば実開昭61-61037号公報、実開昭61-139739号公報あるいは実開昭64-7341号公報等に示されているように、カッタ手段の下方位置に揺動板を有する裁断屑均し装置を配設し、揺動板を揺動させることにより裁断屑の頂部を平坦に均すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のシュレッダは、平面形状が正方形でその中央部にカッタ手段が配置されていたが、最近ではオフィスの省スペース化等を考慮して、カッタ手段の長手方向一端側に駆動手段を配置し、平面形状が長方形のシュレッダが主流となりつつある。そして、長方形のシュレッダの場合には、駆動手段の下側にも屑箱が拡大されることになるため、駆動手段の下側にも裁断屑均し装置により裁断屑を送り込む必要がある。
【0006】ところが、従来の裁断屑均一装置は揺動板方式を採っているため、駆動手段の下側に裁断屑を送り込むために揺動板をカッタ手段の長手方向に揺動させると、裁断屑の一部は駆動手段の下側に送り込まれるが、残部は駆動手段とは逆の側に送られてしまい、裁断屑の頂部を平坦に均すことができないという問題がある。そこでオペレータは、片側に堆積した裁断屑の山を、屑箱を時々揺らして平坦に均し、その後裁断を再開するようにしており、裁断屑均し装置を設けた効果が低減するという問題があった。
【0007】本発明は、このような点を考慮してなされたもので、カッタ手段の長手方向一端側に駆動手段を配した場合であっても、オペレータの手を煩わせることなく裁断屑の頂部を平坦に均すことができ、しかも屑箱を取出す際に裁断屑均し装置が邪魔にならないシュレッダを提供することを目的とする。」(段落【0001】ないし【0007】)

イ 「【0017】図1ないし図4は、本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダを示すもので、図中、符号1は平面長方形状をなす本体であり、この本体1の上端面には、投入口2および操作盤3が設けられ、また本体1内部の投入口2直下位置には、図示しない紙類を細片あるいは短冊状に裁断するカッタ手段4が配設されている。そしてこのカッタ手段4は、その長手方向一端側に配設した駆動モータ5により駆動されるようになっている。
【0018】カッタ手段4は、支持フレーム6上に設置され下端部に排出口8を有するホッパ7と、このホッパ7内に配置されて相互に噛合する左右一対のカッタローラ9とを備えている。このカッタ手段4は、駆動モータ5によって一対のカッタローラ9を内側に回転させることにより、両カッタローラ9間で紙類を裁断し、裁断された裁断屑10は、本体1内に引出し可能に配した屑箱11に排出口8から落下して収容される。
【0019】カッタ手段4とその下方に位置する屑箱11との間には、屑箱11内に山形状に堆積した裁断屑10の頂部を均して平坦にする裁断屑均し装置12が配設されている。
【0020】この裁断屑均し装置12は、図5に示すように、左右一対のフレーム14を2本の連結材15で連結して構成される支持枠13を備えており、この支持枠13の開口部16、すなわち2本のフレーム14と2本の連結材15とで囲まれた開口部16は、ホッパ7の排出口8とほぼ一致するよう寸法設定されている。
【0021】支持枠13の開口部16内には、両端部が両側のフレーム14に回転自在に支持された回転軸17a,18aと、各回転軸17a,18aに固設された長手方向の平板状をなす翼板17b,18bとからなる2個の回転翼17,18が並設されており、これら両回転翼17,18は、駆動機構19により図中反時計廻りに回転駆動されるとともに、図5に示す水平状態で停止するようになっている。そして、各翼板17b,18bは、この水平状態において開口部16内面との間および相互の先端部間にほとんど隙間がなく、開口部16をほぼ完全に閉止できるよう寸法設定されている。
【0022】駆動機構19は、各回転軸17a,18aの端部に固設されたタイミングプーリ20,21と、駆動モータ22の出力軸に固設されたタイミングプーリ23と、これら各タイミングプーリ20,21,23の間に巻掛けられた無端状のタイミングベルト24と、このタイミングベルト24の中間部を支持する支持ローラ25とを備えており、両回転翼17,18は、前記駆動モータ22の駆動により同一方向に同一の速度で回転駆動される。
【0023】一方、回転翼17側のタイミングプーリ20には、図6に示すように、外周部の二箇所に停止位置決め用の切欠き26がそれぞれ設けられており、これら各切欠き26には、停止スイッチ27のローラ部28が落とし込まれるようになっている。
【0024】支持枠13にはまた、図5に示すように、屑箱11内が裁断屑10で満杯になったことを検出する満杯検出スイッチ29が取付けられており、停止スイッチ27は、この満杯検出スイッチ29が満杯状態を検出した後、ローラ部28が切欠き26に落とし込まれることにより作動し、駆動モータ22を急停止させる。そしてこれにより、両回転翼17,18は、図5に示す水平状態で停止するようになっている。
【0025】次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0026】操作盤3上の起動スイッチをONにすると、駆動モータ5が起動して両カッタローラ9が内側に回転駆動されるとともに、駆動モータ22が起動して両回転翼17,18が図2において反時計廻りに回転駆動される。
【0027】この状態で、オペレータが投入口2から紙類を送り込むと、送り込まれた紙類は両カッタローラ9により細片状あるいは短冊状に裁断される。そして、裁断屑10はホッパ7の排出口8から落下し、その下方の屑箱11内に収容される。
【0028】ところで、両カッタローラ9は、図1に示すように、本体1の図中左端寄りの部位に設置され、一方屑箱11は駆動モータ5の下方位置まで拡大されているため、裁断屑10は、図1の左端側に偏奇して堆積することになる。ところが、両カッタローラ9の下方に堆積した裁断屑10の頂部は、反時計廻りに回転する2枚の回転翼17,18により押されて駆動モータ5の下側の空間に送り込まれ、裁断屑10の頂部がほぼ平坦に均される。
【0029】屑箱11内が裁断屑10で満杯になると、満杯検出スイッチ29が裁断屑10に接触してこれを検出し、その検出信号により駆動モータ5が停止する。一方、駆動モータ22は満杯検出スイッチ29が満杯を検出しただけでは停止せず、満杯検出スイッチ29が満杯を検出した後、停止スイッチ27のローラ部28が切欠き26に落とし込まれることにより停止する。これにより、両回転翼17,18は、図5に示す水平状態で停止することになり、停止した両回転翼17,18により、開口部16およびホッパ7の排出口8がほぼ完全に閉止される。
【0030】しかして、2枚の回転翼17,18を一方向に回転させて裁断屑10を駆動モータ5の下側に送り込むようにしているので、屑箱11内の空間を有効に利用することができるとともに、屑箱内の一方端に裁断屑が偏在することがなくなるのでオペレータの手を煩わせることなく、山形に堆積している裁断屑10を自動的に平坦にすることができる。」(段落【0017】ないし【0030】)

ウ 「【0048】また、前記各実施の形態においては、駆動機構19,83の駆動源として、カッタ手段4の駆動モータ5とは別の駆動モータ22,41を用いる場合について説明したが、単一の駆動源で両者を駆動するようにしてもよい。」(段落【0048】)

(2)上記(1)及び図面から分かること
ア 上記(1)イの段落【0018】及び【0021】並びに図1及び図5の記載から、裁断屑均し装置12における回転翼17、18の回転軸17a、18aが、カッタローラ9の長手方向と直交して設けられることが分かる。

イ 上記(1)イの段落【0028】及び図1の記載から、駆動モータ5の下側の空間に裁断屑10を送り込むことは、裁断屑10の堆積方向に直交してカッタローラ9から離反する方向へと裁断屑10を搬送することであることが分かる。

(3)刊行物に記載された発明
上記(1)及び(2)の記載を総合すると、刊行物には次の発明(以下、「刊行物に記載された発明」という。)が記載されているといえる。

「内部に屑箱11を有する本体1と、本体1の上部に形成された紙類の投入口2と、本体1内に設けられ、投入口2から投入された紙類を細断するためのカッタローラ9を備えたカッタ手段4と、カッタローラ9を駆動させるための駆動モータ5と、本体1内に設けられ、カッタ手段4から落下して本体1内の屑箱11に堆積する裁断屑10の堆積方向に直交してカッタ手段4から離反する方向へと裁断屑10を搬送するための裁断屑均し装置12と、を有し、裁断屑均し装置12が、カッタローラ9の長手方向と直交して設けられた回転軸17a、18aと、回転軸17a、18aに平板状に設けられた翼板17b、18bと、を備える回転翼17、18を有するシュレッダ。」

2 対比
本願発明と刊行物に記載された発明とを対比すると、刊行物に記載された発明における「屑箱11」は、その構成、機能及び技術意義からみて、本願発明における「屑収容部」に相当し、以下同様に、「本体1」は「シュレッダー本体」に、「紙類」は「被細断物」に、「投入口2」は「投入口」に、「カッタローラ9」は「細断刃」に、「カッタ手段4」は「細断部」に、「駆動モータ5」は「駆動手段」に、「裁断屑10」は「細断屑」に、「裁断屑均し装置12」は「細断屑搬送手段」に、「シュレッダ」は「シュレッダー」に、それぞれ相当する。
してみると、本願発明と刊行物に記載された発明とは、
「内部に屑収容部を有するシュレッダー本体と、シュレッダー本体の上部に形成された被細断物の投入口と、シュレッダー本体内に設けられ、投入口から投入された被細断物を細断するための細断刃を備えた細断部と、細断刃を駆動させるための駆動手段と、シュレッダー本体内に設けられ、細断部から落下してシュレッダー本体内の屑収容部に堆積する細断屑の堆積方向に直交して細断部から離反する方向へと細断屑を搬送するための細断屑搬送手段と、を含むシュレッダー。」の点で一致し、次の点で相違する。
(相違点)
細断屑搬送手段に関し、本願発明は、「回転軸」が「細断刃の長手方向と平行して設けられ」、「回転軸にスパイラル状に設けられたスパイラルプレートと、を備えるスパイラル手段を有する」のに対し、刊行物に記載された発明は、「回転軸17a、18a」が「カッタローラ9の長手方向と直交して設けられ」、「回転軸17a、18aに平板状に設けられた翼板17b、18bと、を備える回転翼17、18を有する」点(以下、「相違点」という。)。

3 判断
刊行物に記載された発明は、上記1(1)アの段落【0001】に記載されているように、屑箱内に堆積した裁断屑を均等に均す裁断屑均し装置の改良に関するものであるところ、箱内に堆積した対象物を均等に均す手段として、対象物を搬送して均す方向に設けられた回転軸と、回転軸にスパイラル状に設けられたスパイラルプレートを備えるスパイラル手段を用いることは、本件出願前に周知の技術である(例として、実願昭61-154945号(実開昭63-60167号)のマイクロフィルム[明細書第4ページ第17行ないし第6ページ第5行及び第1図ないし第3図]及び特開平2-79070号公報[第2ページ右上欄第9行ないし右下欄第3行及び第1図ないし第4図]等参照。以下、「周知技術1」という。)。 また、シュレッダの紙裁断屑を搬送する手段として、紙裁断屑を搬送する方向に設けられた回転軸と、回転軸にスパイラル状に設けられたスパイラルプレートを備えるスパイラル手段を用いることは、本件出願前に周知の技術である(例として、特開2001-259458号公報[段落【0025】及び【0026】並びに図7]及び特開2003-205254号公報[段落【0011】及び図1]等参照。以下、「周知技術2」という。)。
してみると、刊行物に記載された発明における「細断屑」が搬送される方向は、「細断刃」の長手方向と平行であるから、刊行物に記載された発明において、細断屑搬送手段として上記周知技術1及び上記周知技術2に基づいて、細断刃の長手方向と平行して設けた回転軸と、回転軸にスパイラル状に設けたスパイラルプレートとを備えるスパイラル手段を採用し、相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到できたことである。
そして、本願発明は、全体としてみても、刊行物に記載された発明、周知技術1及び周知技術2から予想される以上の格別な効果を奏するものではない。

したがって、本願発明は、刊行物に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第3 むすび
上記第2のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-04-23 
結審通知日 2015-04-24 
審決日 2015-05-08 
出願番号 特願2010-53442(P2010-53442)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B02C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 勝見  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 佐々木 訓
槙原 進
発明の名称 シュレッダー  
代理人 石原 進介  
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