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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1302230
審判番号 不服2014-1873  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-03 
確定日 2015-06-17 
事件の表示 特願2010-514895「マルチタッチの触知タッチパネルアクチュエータ機構のための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成20年12月31日国際公開、WO2009/002605、平成22年 9月30日国内公表、特表2010-532043〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成20年(2008年)4月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年6月26日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成23年4月28日付けで手続補正がなされ、平成24年11月20日付けで拒絶理由通知がなされ、平成25年3月21日付けで手続補正がなされ、同年9月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成26年2月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。


第2 平成26年2月3日付けの手続補正についての補正却下の決定
〔結論〕
平成26年2月3日付けの手続補正を却下する。

〔理由〕
1.補正内容
平成26年2月3日付けの手続補正(以下、「本件補正」と呼ぶ。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の請求項1に変更する補正事項を含むものである。
そして、補正前の請求項1に係る発明及び補正後の請求項1に係る発明は、それぞれ、以下のとおりである。
なお、<補正後の請求項1>における下線は補正箇所を表している。

<補正前の請求項1>
「 【請求項1】
第1および第2の表面を有する圧電層を形成する複数の圧電セルを備える触知タッチパネルであって、前記圧電層の前記第1の表面は複数の同時の独立した入力を受容するように構成され、前記複数の圧電セルの各々は、少なくとも1つの圧電材料を含み、前記圧電材料は他の圧電セルとは独立して、触覚効果を提供するように構成され、前記触知タッチパネルは、前記複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成するように構成される、触知タッチパネル。」

<補正後の請求項1>
「 【請求項1】
第1および第2の表面を有する圧電層を形成する複数の圧電セルを備える触知タッチパネルであって、前記圧電層の前記第1の表面は複数の同時の独立した入力を受容するように構成され、前記複数の圧電セルの各々は、少なくとも1つの圧電材料を含み、前記圧電材料は他の圧電セルとは独立して、触覚効果を提供するように構成され、前記触知タッチパネルは、前記複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成するように構成され、前記複数の圧電セルの各々は、隣接する圧電セルから孤立している、触知タッチパネル。」

2.本件補正に対する判断
本件補正の内の上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」と呼ぶ。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下検討する。

2-1.本願補正発明
本願補正発明は、上記「1.」の<補正後の請求項1>の欄に記載したとおりのものである。

2-2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2003-186622号公報(以下、「引用例」と呼ぶ。)には、次の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は入力装置に関し、特にスイッチ部を押したときにスイッチ部から機械的振動がフィードバックされると共に、スイッチ部に積層された液晶ディスプレーの表示が変化する入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスイッチ装置は、複数の操作機能項目を有する表示部を有し、表示部とは別に設けられてタッチ操作することによって複数の機能項目を選択入力するタッチパネルを備えたタッチ操作部を有している。タッチ操作部にはタッチパネルに振動を発生させる振動発生部を備え、振動制御部が振動発生部を制御してタッチパネルの操作位置によって異なる振動を発生させるようになっている。操作者はタッチパネルを操作する指に異なる振動を受けることによりどの機能項目を選択入力したかが指先の触覚だけで分かりブラインドタッチで操作できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のスイッチ装置においては、指先の触覚だけで操作する機能が振動により分かるには習熟が必要で、慣れるのに時間がかかり、また、スイッチの認知度の向上という点では問題があった。
【0004】本発明の目的は、スイッチ部のどの部分を押したかがはっきりと分かるスイッチ部を有する入力装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の入力装置は、ディスプレーと、このディスプレーの上に積層されて形成された振動フィルムと、この振動フィルムの上に積層されて形成されたスイッチ部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記スイッチ部からの入力に伴い、前記振動フィルムと前記ディスプレーへ信号を送り、前記スイッチ部の操作位置に対応する前記振動フィルムの部分を振動させると共に、前記ディスプレーの前記スイッチ部の操作位置に対応する表示を変化させた構成とした。この構成により、振動に加えて液晶ディスプレーの表示を変化させたため、スイッチ部の認知度を増すことができる。」

「【0013】
【発明の実施の形態】本発明の入力装置の実施形態を図1から図4を用いて説明する。図1は本発明の入力装置の実施形態の斜視図、図2は本発明の入力装置の実施形態の振動フィルムの斜視図、図3は本発明の入力装置の実施形態の振動フィルムの一区画の斜視図、図4は本発明の入力装置の実施形態のタッチパネルの断面図である。
【0014】ディスプレーの1種である液晶ディスプレー1は、ガラス基板の間に液晶を挟んで電極を配した通常のものであり、スイッチの位置を示す表示を有している。
【0015】振動フィルムには例えば、圧電フィルムや静電フィルムがあるが、実施形態の記載では静電フィルムについて説明する。振動フィルム2は、積層された複数の透光性の圧電シート2bを2枚の透明フィルム2aで上下から挟んでおり、上端の透明フィルム2aの下面側と下端の透明フィルム2aの上面側には透明電極2cが形成されている。振動フィルム2は升目状の区画に分かれて、それぞれ個別に配線され個別に振動するようになっている。振動フィルム2は上下の透明電極に高電圧を印加すると厚さが薄くなり、高電圧を取り除くと厚さが戻り、高電圧の印加と無負荷を高速で繰り返す繰り返し周波数により振動フィルム2が厚さ方向に振動するようになっている。この繰り返し周波数を制御することにより振動フィルム2の振動の周波数を制御できる。また、振動フィルム2は液晶ディスプレー1の上に積層されている。
【0016】タッチパネル3は、2枚の透明フィルム3aでスペーサ3bを挟んだ構造になっており、上側の透明フィルム3aの下面側と下側の透明フィルム3aの上面側には透明電極3cがパターン化され、スイッチ部3dが設けられている。タッチパネル3は振動フィルム2の上に積層されて設けられている。以上により、本発明の入力装置の実施形態が構成されている。尚、上記本発明の実施形態の説明では、振動フィルムとして静電フィルムの説明をしたが、圧電フィルムも静電フィルムと同様の機能を備えるため、圧電フィルムに置き換えても構わない。
【0017】次に、本発明の入力装置の動作を図5を用いて説明する。図5は本発明の入力装置の実施形態のブロック図である。
【0018】タッチパネル3のスイッチ部3dの任意の箇所(操作位置)を押圧して信号を入力すると、その信号は検知手段4により検知されて制御部5に伝えられる。検知手段4からの信号を受けた制御部5は、押圧されたタッチパネル3のスイッチ部3dに対応する振動フィルム2の部分を所定の振動モードで振動させる。また、制御部5は押圧されたタッチパネル3のスイッチ部3dに対応する部分の液晶ディスプレー1の表示6を視覚的に左右または上下に動かして振動させたり、液晶ディスプレー1の表示6が相対的に小さい状態と大きい状態との間を移動させて視覚的に振動するか、または表示6が大きくなるようにしている。」

ここで、上記記載事項を引用例の関連図面と技術常識に照らせば、以下のことがいえる。

(1)引用例の段落【0015】の「振動フィルム2は、積層された複数の透光性の圧電シート2bを2枚の透明フィルム2aで上下から挟んでおり、上端の透明フィルム2aの下面側と下端の透明フィルム2aの上面側には透明電極2cが形成されている。振動フィルム2は升目状の区画に分かれて、それぞれ個別に配線され個別に振動するようになっている。振動フィルム2は上下の透明電極に高電圧を印加すると厚さが薄くなり、高電圧を取り除くと厚さが戻り、高電圧の印加と無負荷を高速で繰り返す繰り返し周波数により振動フィルム2が厚さ方向に振動するようになっている。この繰り返し周波数を制御することにより振動フィルム2の振動の周波数を制御できる。」という記載、及び図1?3によれば、上記段落【0015】でいう「升目状の区画」は、それが複数集まることで、「第1及び第2の表面を有する圧電層」といい得る層を形成するものであ。
また、上記「升目状の区画」の各々は、当然に「少なくとも1つの圧電材料」を含み、その「圧電材料」は他の升目状の区画とは独立して振動し、触覚効果を提供するように構成されている。

(2)引用例の上記段落【0015】の記載と引用例の段落【0018】の記載を合わせ見れば、引用例でいう「入力装置」が、「タッチパネル3の複数のスイッチ部3dからの複数の独立した入力に応答して、複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成されていることは明らかである。

したがって、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」と呼ぶ。)が記載されているといえる。
「第1および第2の表面を有する圧電層を形成する複数の升目状の区画を備える入力装置であって、前記複数の升目状の区画の各々は、少なくとも1つの圧電材料を含み、前記圧電材料は他の升目状の区画とは独立して、触覚効果を提供するように構成され、前記入力装置は、タッチパネル3の複数のスイッチ部3dからの複数の独立した入力に応答して、複数の独立した触覚効果を生成するように構成される、入力装置。」

2-3.対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
(1)引用発明の「升目状の区画」は、本願補正発明の「圧電セル」に相当する。
(2)引用発明の「入力装置」は、本願補正発明と同様に「触知タッチパネル」ともいい得るものである。

したがって、本願補正発明と引用発明の間には次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「第1および第2の表面を有する圧電層を形成する複数の圧電セルを備える触知タッチパネルであって、前記複数の圧電セルの各々は、少なくとも1つの圧電材料を含み、前記圧電材料は他の圧電セルとは独立して、触覚効果を提供するように構成され、前記触知タッチパネルは、複数の独立した入力に応答して、複数の独立した触覚効果を生成するように構成される、触知タッチパネル。」である点。

(相違点1)
本願補正発明においては、「圧電層の第1の表面」が複数の同時の独立した入力を受容するように構成され、「触知タッチパネル」が、前記複数の同時の独立した入力(圧電層の第1の表面が受容する入力)に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成するように構成されているのに対し、引用発明においては、「タッチパネル3」が複数の独立した入力を受容しているものの、「圧電層の第1の表面」は複数の同時の独立した入力を受容するようには構成されておらず、また、「触知タッチパネル(入力装置)」は、複数の独立した入力に応答して、複数の独立した触覚効果を生成するようには構成されているものの、前記複数の同時の独立した入力(圧電層の第1の表面が受容する入力)に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成するようには構成されていない点。

(相違点2)
本願補正発明の「複数の圧電セル」の各々は、「隣接する圧電セルから孤立」しているのに対し、引用発明の「複数の圧電セル(升目状の区画)」の各々は、「隣接する圧電セルから孤立」してはいない点。

2-4.判断

(1)(相違点1)について
以下の事情を総合すると、引用発明において上記相違点1に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

ア.まず、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成することが当業者にとって容易であったといえるか否かについて検討するに、以下の事情を総合すると、容易であったといえる。
(ア)複数の「同時の」独立した入力があったことを検知可能なタッチパネルは、原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-157087号公報の段落【0035】?【0037】に示されているほか、一般に「マルチタッチ方式」と呼ばれるタッチパネルに見られるように、周知のものである。
(イ)一方、引用例の段落【0001】?【0005】の記載から把握される引用発明が解決しようとした課題や、引用発明の構成からみて、引用発明が、上記周知のマルチタッチ方式のタッチパネルでの実施を排除するものでなく、該周知のマルチタッチ方式のタッチパネルにおいても有用であることは、当業者に明らかである。
(ウ)したがって、引用発明を、上記周知のマルチタッチ方式のタッチパネルで実施することは、当業者が容易に推考し得たことである。
(エ)そして、引用発明を、上記周知のマルチタッチ方式のタッチパネルで実施するということは、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成することにほかならない。

イ.次に、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を上記ア.に従って「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成したものにおいて、該「触知タッチパネル(入力装置)」を「圧電層の第1の表面が受容する入力に応答して、触覚効果を生成する」ように構成することが当業者にとって容易であったといえるか否かについて検討するに、以下の事情を総合すると、容易であったといえる。
(ア)引用発明と同様に圧電材料によって触覚効果を提供するようにした触知タッチパネルといい得るものにおいて、触覚効果を提供するための圧電材料を、タッチないし押圧のセンサとしても使用すること、換言すれば、引用発明と同様に圧電材料によって触覚効果を提供するようにした触知タッチパネルといい得るものにおいて、当該触知タッチパネルといい得るものを、触覚効果を提供するための圧電材料の第1の表面が受容する入力に応答して触覚効果を生成するように構成すること(以下、「周知技術A」という。)は、特開2007-65814号公報(特に段落【0012】の記載参照)や特開2002-373540号公報(特に【請求項9】、【段落0028】の記載参照)にも示されるように、本願優先日前に周知であった。
(イ)そして、引用例の段落【0001】?【0005】の記載から把握される引用発明が解決しようとした課題、引用発明の構成、上記周知技術Aの内容、からみて、引用発明においても、上記周知技術Aが有用かつ採用可能であることは当業者に明らかである。また、そのことは、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を上記ア.に従って「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成したものにおいても何ら変わるところはない。
(ウ)したがって、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を上記ア.に従って「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成したものにおいて、上記周知技術Aをも併せ採用することは、当業者が容易に推考し得たことである。
(エ)そして、引用発明の「触知タッチパネル(入力装置)」を「複数の同時の独立した入力に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成する」ように構成したものにおいて、上記周知技術Aをも併せ採用するということは、引用発明の「圧電層の第1の表面」を複数の同時の独立した入力を受容するように構成し、「触知タッチパネル(入力装置)」を、前記複数の同時の独立した入力(圧電層の第1の表面が受容する入力)に応答して、同時に複数の独立した触覚効果を生成するように構成することにほかならない。

ウ.以上のことは、引用発明において上記相違点1に係る本願補正発明の構成を採用することが当業者にとって容易であったことを意味する。

(2)(相違点2)について
以下の事情を総合すると、引用発明において上記相違点2に係る本願補正発明の構成を採用することも、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
引用発明において、圧電セル(升目状の区画)の各々は、他の圧電セル(升目状の区画)とは独立して触覚効果を提供するように構成されていること、引用例の図1、4、7に、複数のスイッチ部(3d、8)の各々が、隣接するスイッチ部(3d、8)から孤立して配置される例が示されていること、引用発明が、引用例の段落【0004】に記載されるように「スイッチ部のどの部分を押したかがはっきりと分かるスイッチ部を有する入力装置を提供する」ことを目的としてなされたものであること、等の事情を総合すると、引用発明において、圧電セル(升目状の区画)の各々は、各スイッチ部3dに対応する位置にあればそれで足り、当該圧電セル(升目状の区画)の各々を、引用例の図2に示されるように相互に密接して配置するか、相互に間隔を空けて配置するかは、当業者が適宜決定し得た事項であるといえる。
ここで、引用発明の圧電セル(升目状の区画)の各々を、相互に間隔を空けて配置することは、引用発明において上記相違点3に係る本願発明の構成を採用することにほかならない。
したがって、引用発明において上記相違点3に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことであり、本願補正発明の進歩性を肯定する根拠となり得るような事項ではないというべきである。

(3)本願補正発明の効果について
本願補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明から当業者が容易に想到し得た構成のものが奏するであろうと当業者が予測し得る範囲を超えるものではなく、本願補正発明の進歩性を肯定する根拠となり得るものではない。

(4)まとめ
よって、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」と呼ぶ。)は、平成25年3月21日付けの手続補正書の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2」の「1.」の<補正前の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、およびその記載事項は、上記「第2」の「2.」の「2-2.」の欄に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明から、限定事項の一部を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記「第2」の「2.」の欄に記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-01-16 
結審通知日 2015-01-20 
審決日 2015-02-04 
出願番号 特願2010-514895(P2010-514895)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中田 剛史  
特許庁審判長 和田 志郎
特許庁審判官 小曳 満昭
千葉 輝久
発明の名称 マルチタッチの触知タッチパネルアクチュエータ機構のための方法および装置  
代理人 川内 英主  
代理人 内田 浩輔  
代理人 高橋 誠一郎  
代理人 越智 隆夫  
代理人 岡部 讓  
代理人 松井 孝夫  

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