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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04M
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M
管理番号 1302429
審判番号 不服2014-6210  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-04 
確定日 2015-06-24 
事件の表示 特願2010-125944「携帯電子機器及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年12月15日出願公開、特開2011-254230〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年6月1日の出願であって、原審において平成25年11月11日付けで拒絶理由が通知され、平成26年1月16日付けで手続補正されたが、同年1月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月4日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正されたものである。

第2 補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年4月4日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本願発明と補正後の発明
上記手続補正(以下「本件補正」という。)は本件補正前の平成26年1月16日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された

「第1のパネル部と、前記第1のパネル部に結合した第2のパネル部とを備える本体部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部を被覆するフレーム部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部以外を被覆するキャップ部と、
前記フレーム部のうち、前記キャップ部に突き合わされる面に形成された第1の係合部と、
前記キャップ部のうち、前記フレーム部に突き合わされる面に形成された第2の係合部と、を有し、
前記本体部の外周側面は、凹状のガイド部又は前記ガイド部に嵌合する凸状のレール部のいずれか一方を備え、
前記フレーム部は、前記ガイド部又は前記レール部のいずれか他方を備え、
前記第1及び第2の係合部は、前記フレーム部と前記キャップ部を、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行に沿って前記本体部に取り付けることにより互いに係合する携帯電子機器。」

という発明(以下「本願発明」という。)を、

「第1のパネル部と、前記第1のパネル部に結合した第2のパネル部とを備える本体部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部を被覆するフレーム部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部以外を被覆するキャップ部と、
前記フレーム部のうち、前記キャップ部に前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行な方向に突き合わされる面に形成された第1の係合部と、
前記キャップ部のうち、前記フレーム部に前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行な方向に突き合わされる面に形成された第2の係合部と、を有し、
前記本体部の外周側面は、凹状のガイド部又は前記ガイド部に嵌合する凸状のレール部のいずれか一方を備え、
前記フレーム部は、前記ガイド部又は前記レール部のいずれか他方を備え、
前記第1及び第2の係合部は、前記フレーム部と前記キャップ部を、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行に沿って前記本体部に取り付けることにより互いに係合する携帯電子機器。」

という発明(以下「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。

2.新規事項の有無、シフト補正、補正の目的要件について
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された、「第1の係合部」及び「第2の係合部」における「前記フレーム部のうち、前記キャップ部に突き合わされる面」及び「前記キャップ部のうち、前記フレーム部に突き合わされる面」に関し、それぞれ「前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行な方向に突き合わされる面」と限定して、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第3項及び第4項の規定に適合するとともに、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件について
本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうか(特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するかどうか)について以下に検討する。

(1)補正後の発明
上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で補正後の発明として認定したとおりである。

(2)引用発明及び周知技術
A 原審の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2004-241470号公報(平成16年8月26日公開、以下「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作に用いられる携帯機に関するものである。」(2頁)

ロ.「【0011】
図1、図2、図3に示すように、携帯機2は、IC等の通信用電子部品が実装された基板14が収容される携帯機本体11を備えている。携帯機本体11は、開口部12aを有する合成樹脂製のアッパーケース12と、開口部13aを有する合成樹脂製のロアケース13とから構成されている。アッパーケース12及びロアケース13は、開口部12a,13aを塞ぐように接合され、アッパーケース12及びロアケース13が互いに対峙する面には携帯機本体11の周方向に沿って延びる溝12b,13bが形成されている。溝12b,13bには弾性を有する合成樹脂製のパッキン15(シール部材)が嵌め込まれている。すなわち、アッパーケース12とロアケース13との境界部にはパッキン15が挟み込まれている。パッキン15により携帯機本体11の防水性が図られ、携帯機本体11の内部に水等が浸入しないようになっている。
【0012】
アッパーケース12及びロアケース13の外縁部には、全周にわたって突部12c,13cがそれぞれ突設されている。これらの突部12c,13cには、携帯機本体11の外周を囲むように保持枠16が係脱可能に装着されている。保持枠16は、携帯機本体11の合成樹脂材料よりも剛性を有した金属材料から形成されている。本実施形態において、保持枠16は、アルミニウムから形成されている。保持枠16の金属材料として、鉄やマグネシウム等に変更可能である。
【0013】
保持枠16は、全体形状が略凹状をなす第1分割体17と第2分割体18とから構成されている。第1分割体17は、基部17aを有し、その両端部には同じ方向に突設され、かつ長さの異なる小平行部17bと大平行部17cとが一体的に形成されている。同様に、第2分割体18は、基部18aを有し、その両端部には同じ方向に突設され、かつ長さの異なる小平行部18bと大平行部18cとが一体的に形成されている。第1分割体17と第2分割体18との形状は同じである。第1分割体17及び第2分割体18の内周面にはそれぞれ係合溝17d,18dが形成されている。この係合溝17d,18dが各ケース12,13にそれぞれ形成された突部12c,13cに凹凸の関係でもって係合されることにより、アッパーケース12とロアケース13とが突き合わせられた状態に保持されるようになっている。各分割体17,18の外縁には、面取り部17e,18eが形成されている。
【0014】
携帯機本体11に保持枠16が装着された状態において、第1分割体17の基部17aと第2分割体18の基部18aとは対向する位置に配置されるとともに、長さの異なる小平行部17b(18b)と大平行部18c(17c)との端面同士が接合されている。第1分割体17と第2分割体18との接合箇所19,20は、携帯機本体11におけるそれぞれの短辺の中心部からずれた位置にある。
【0015】
携帯機2の組み立てを行う際には、突部12c,13cに第1分割体17及び第2分割体18の係合溝17d,18dとを係合し、第1分割体17及び第2分割体18を接近する方向(図2に示す矢印の方向)にスライドさせ、携帯機本体11の外周を囲むように保持枠16を装着する。これにより、アッパーケース12及びロアケース13は、保持枠16によって挟持される。」(3?4頁)

ハ.「【0027】
・第1分割体17と第2分割体18との形状は、同じでなくてもよい。例えば、図8(a)に示すように、棒状の第1分割体17と凹字状の第2分割体18とによって携帯機本体11の外周を囲むようにしてもよい。また、図8(b)に示すように、長さが同じである2つの大平行部17cを有する第1分割体17と、長さが同じである2つの小平行部18bを有する第2分割体18とから保持枠16を構成してもよい。」(5頁)

上記引用例の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ロ.の【0011】における「図1、図2、図3に示すように、携帯機2は、IC等の通信用電子部品が実装された基板14が収容される携帯機本体11を備えている。携帯機本体11は、開口部12aを有する合成樹脂製のアッパーケース12と、開口部13aを有する合成樹脂製のロアケース13とから構成されている。アッパーケース12及びロアケース13は、開口部12a,13aを塞ぐように接合され」との記載、図1ないし図3によれば、引用例の携帯機(2)は、アッパーケース(12)と、アッパーケース(12)に結合したロアケース(13)とから構成される携帯機本体(11)を備えている。
また、上記ロ.の【0013】における「保持枠16は、全体形状が略凹状をなす第1分割体17と第2分割体18とから構成されている。第1分割体17は、基部17aを有し、その両端部には同じ方向に突設され、かつ長さの異なる小平行部17bと大平行部17cとが一体的に形成されている。同様に、第2分割体18は、基部18aを有し、その両端部には同じ方向に突設され、かつ長さの異なる小平行部18bと大平行部18cとが一体的に形成されている。」との記載、図1ないし図3によれば、携帯機(2)は、保持枠(16)、すなわち、第1分割体(17)及び第2分割体(18)とを備えている。そして、携帯機(2)は、第1分割体(17)及び第2分割体(18)により、携帯機本体(11)を構成するアッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線を被覆するから、第1分割体(17)は、アッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線が形成される外周側面の一部を被覆し、第2分割体(18)は、アッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線が形成される外周側面の一部以外を被覆しているということができる。ここで、上記ハ.の【0027】における「第1分割体17と第2分割体18との形状は、同じでなくてもよい。・・・図8(b)に示すように、長さが同じである2つの大平行部17cを有する第1分割体17と、長さが同じである2つの小平行部18bを有する第2分割体18とから保持枠16を構成してもよい。」との記載、及び図8(b)に着目すれば、前述の第1分割体(17)は、長さが同じである2つの大平行部(17c)を有する第1分割体(17)であり、また、前述の第2分割体(18)は、長さが同じである2つの小平行部(18b)を有する第2分割体(18)である。
また、上記ロ.の【0013】における「第1分割体17及び第2分割体18の内周面にはそれぞれ係合溝17d,18dが形成されている。この係合溝17d,18dが各ケース12,13にそれぞれ形成された突部12c,13cに凹凸の関係でもって係合されることにより、アッパーケース12とロアケース13とが突き合わせられた状態に保持されるようになっている。」との記載、図1ないし図3によれば、前述のアッパーケース(12)及びロアケース(13)から構成される携帯機本体(11)の外周側面は、係合溝(17d)に係合する突部(12c、13c)を備え、前述の長さが同じである2つの大平行部(17c)を有する第1分割体(17)は、係合溝(17d)を備えている。

したがって、上記引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「アッパーケース(12)と、前記アッパーケース(12)に結合したロアケース(13)とを備える携帯機本体(11)と、
前記携帯機本体(11)のうち、前記アッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線が形成される外周側面の一部を被覆する長さが同じである2つの大平行部(17c)を有する第1分割体(17)と、
前記携帯機本体(11)のうち、前記アッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線が形成される外周側面の一部以外を被覆する長さが同じである2つの小平行部(18b)を有する第2分割体(18)と、
前記携帯機本体(11)の外周側面は、係合溝(17d)に係合する突部(12c、13c)を備え、
前記第1分割体(17)は、前記係合溝(17d)を備える、
携帯機(2)。」

B 当審で新たに引用する本願の出願日前に日本国内において頒布された刊行物である特開平11-268594号公報(平成11年10月5日公開、以下「周知例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ニ.「【0007】
【実施例】次に本発明の一実施例を説明する。図1は本発明の一実施例の化粧枠における、(a)は正面図、(b)はA-A矢視図、(c)はB矢視図である。また図2は下側枠体の正面図である。10はAV機器の上辺および側部上辺の周囲を覆う上側枠体で、水平部16と両側の垂直部17、18とからなり、ABS樹脂などより形成される。そして、上側枠体10の裏面側内周には、AV機器前面の外周が、ちょうど嵌まり込む嵌合部19が形成されている。そして上側枠体をAV機器に嵌め込んだ状態で上枠体10とAV機器との接面の隙間が見えないように遮蔽する凸部14が設けられている。上側枠体10の左側の垂直部17には、AV機器に設けられたの係合爪と係合する溝13が設けられ、また図2に示した下側枠体20に設けられた連結用の穴12と連結するフック11が設けられている。また上側枠体10における右側の垂直部18にも、AV機器に設けられたの係合爪と係合する溝13が設けられ、また図2に示した下側枠体20に設けられた連結用のフック11と嵌合する穴12が設けられている。
【0008】20は、AV機器前面の下辺および側部下辺の周囲を覆う下側枠体で、上側枠体と同じ構造である(上側枠体10を180度回転させて用いる)。そして、上側枠体10と下側枠体20における各々の連結用フック11と穴12を連結させることにより上側枠体10と下側枠体20が結合し一組の化粧枠が構成される。・・・」(2頁2欄)

したがって、電子機器に取り付ける枠体の係合手段において、一方の部材の突き合わされる面に第1の係合部を形成し、他方の部材の突き合わされる面に第2の係合部を形成することは、周知例の上記の記載にみられるように、本願の出願日前、周知の技術(以下「周知技術」という。)と認められる。

(3)対比・判断
補正後の発明と引用発明とを対比する。
a.引用発明の「アッパーケース(12)」、「ロアケース(13)」及び「携帯機本体(11)」は、補正後の発明の「第1のパネル部」、「第2のパネル部」及び「本体部」にそれぞれ相当する。
b.引用発明の「長さが同じである2つの大平行部(17c)を有する第1分割体(17)」は、携帯機本体(11)の外周を囲む保持枠(16)のコ字状部分であるから、「フレーム部」ということができる。
c.引用発明の「長さが同じである2つの小平行部(18b)を有する第2分割体(18)」は、携帯機本体(11)の外周を囲む保持枠(16)の第1分割体(17)に対し、2つの平行部が小さく、コ字状部分(フレーム部)に対する蓋のように見えるから、「キャップ部」ということができる。
d.引用発明の「係合溝(17d)」は、「凹状のガイド部」ということができる。
e.引用発明の「突部(12c、13c)」は、「凸状のレール部」ということができる。
f.引用発明の「携帯機(2)」は、上記引用例の上記ロ.の【0011】における「携帯機2は、IC等の通信用電子部品が実装された基板14が収容される携帯機本体11を備えている。」との記載によれば、後述する相違点を除いて、補正後の発明の「携帯電子機器」と差異はない。

したがって、補正後の発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)

「第1のパネル部と、前記第1のパネル部に結合した第2のパネル部とを備える本体部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部を被覆するフレーム部と、
前記本体部のうち、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線が形成される外周側面の一部以外を被覆するキャップ部と、を有し、
前記本体部の外周側面は、ガイド部に嵌合する凸状のレール部を備え、
前記フレーム部は、前記ガイド部を備える、
携帯電子機器。」

(相違点1)

「フレーム部」の態様に関し、
補正後の発明は、「前記フレーム部のうち、前記キャップ部に前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行な方向に突き合わされる面に形成された第1の係合部」を有するのに対し、引用発明は、その様な構成を備えない点。

(相違点2)

「キャップ部」の態様に関し、
補正後の発明は、「前記キャップ部のうち、前記フレーム部に前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行な方向に突き合わされる面に形成された第2の係合部」を有するのに対し、引用発明は、その様な構成を備えない点。

(相違点3)

上記相違点1及び2における「第1の係合部及び第2の係合部」に関し、
補正後の発明は、「前記第1及び第2の係合部は、前記フレーム部と前記キャップ部を、前記第1及び第2のパネル部の合わせ目線と略平行に沿って前記本体部に取り付けることにより互いに係合する」のに対し、引用発明は、その様な構成を備えない点。

そこで、上記相違点1ないし3について検討する。
上記(2)Bのとおり、「電子機器に取り付ける枠体の係合手段において、一方の部材の突き合わされる面に第1の係合部を形成し、他方の部材の突き合わされる面に第2の係合部を形成すること」は、周知の技術(周知技術)である。
そうすると、上記周知技術に接した当業者であれば、引用発明の「長さが同じである2つの大平行部(17c)を有する第1分割体(17)」(フレーム部)及び「長さが同じである2つの小平行部(18b)を有する第2分割体(18)」(キャップ部)、それぞれの突き合わされる面に「第1の係合部」及び「第2の係合部」を形成することは、容易になし得たものである。そして、引用発明の第1分割体と第2分割体を本体に取り付ける際の取り付け易さを考慮すると、第1分割体の第1の係合部及び第2分割体の第2の係合部をアッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線と平行な面に形成し、第1の係合部及び第2の係合部の取り付け方向とアッパーケース(12)及びロアケース(13)の合わせ目線の方向とを略平行として、本体に取り付けるようにすることは、当業者であれば適宜なし得ることである。
したがって、相違点1ないし3に係る構成は、当業者が容易に想到し得ることである。

そして、補正後の発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。

以上のとおり、補正後の発明は引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.結語
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成26年4月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、上記「第2 補正却下の決定 1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。

2.引用発明及び周知技術
引用発明及は、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明及び周知技術」の項で認定したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は上記補正後の発明から当該本件補正に係る限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成に当該本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、本願発明も同様の理由により、容易に発明できたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
本願は、その余の請求項に論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-01-20 
結審通知日 2015-01-27 
審決日 2015-02-10 
出願番号 特願2010-125944(P2010-125944)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04M)
P 1 8・ 575- Z (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩田 淳宮崎 賢司  
特許庁審判長 田中 庸介
特許庁審判官 萩原 義則
山中 実
発明の名称 携帯電子機器及びその製造方法  
代理人 丸山 隆夫  

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