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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1302482
審判番号 不服2014-3469  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-25 
確定日 2015-06-25 
事件の表示 特願2010-74773号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月20日出願公開、特開2011-206146号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成22年3月29日の出願であって、平成24年5月30日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月2日に意見書及び手続補正書が提出され、さらに、平成25年2月28日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月30日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月15日付けで、同年4月30日に提出された手続補正書でした補正の却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年11月26日)、それに対し、平成26年2月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。

第2 平成26年2月25日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年2月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、平成24年8月2日に提出された手続補正書における
「遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定をおこなうための判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技判定をおこなう特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による特別遊技判定において前記特別遊技をおこなうと判定された場合、前記遊技領域に設けられた特別入賞口に遊技球が入球可能となる開放遊技を含む特別遊技をおこなわせる特別遊技制御手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報を記憶する判定情報記憶手段と、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定をおこなう事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技制御手段は、
所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または前記所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であり、
前記事前判定手段は、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記第1特別遊技および前記第2特別遊技のうち何れの特別遊技をおこなうかの種別事前判定をおこなうことが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段による種別事前判定において前記第1特別遊技をおこなうと判定された場合と、前記第2特別遊技をおこなうと判定された場合とで、異なる予兆演出をおこなわせることを特徴とする遊技機。」
から、審判請求時に提出された手続補正書における
「遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定をおこなうための判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技判定をおこなう特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による特別遊技判定において前記特別遊技をおこなうと判定された場合、前記遊技領域に設けられた特別入賞口に遊技球が入球可能となる開放遊技を含む前記特別遊技をおこなわせる特別遊技制御手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報を記憶する判定情報記憶手段と、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定をおこなう事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技制御手段は、
所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または前記所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であり、
前記事前判定手段は、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記第1特別遊技および前記第2特別遊技のうち何れの特別遊技をおこなうかの種別事前判定をおこなうことが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段による種別事前判定の結果にかかわらず、共通の予兆演出をおこなわせた後、
前記事前判定手段による種別事前判定において、前記第1特別遊技をおこなうと判定されると当該第1特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第1予兆演出をおこなわせる一方、前記第2特別遊技をおこなうと判定されると前記第1予兆演出とは異なる演出態様で前記第2特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第2予兆演出をおこなわせることを特徴とする遊技機。」
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。

上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である演出制御手段に関して、「前記事前判定手段による種別事前判定において前記第1特別遊技をおこなうと判定された場合と、前記第2特別遊技をおこなうと判定された場合とで、異なる予兆演出をおこなわせる」とあったものを「前記事前判定手段による種別事前判定の結果にかかわらず、共通の予兆演出をおこなわせた後、前記事前判定手段による種別事前判定において、前記第1特別遊技をおこなうと判定されると当該第1特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第1予兆演出をおこなわせる一方、前記第2特別遊技をおこなうと判定されると前記第1予兆演出とは異なる演出態様で前記第2特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第2予兆演出をおこなわせる」と限定することを含むものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 独立特許要件について
(1)刊行物に記載された発明
原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009-56146号公報(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は審決にて付した。以下同じ。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、始動条件が成立した後に開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置と、遊技領域に設けられて遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化する可変入賞装置とを備え、識別情報の可変表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に、可変入賞装置を第1状態に変化させるラウンドを所定回実行する特定遊技状態に制御する遊技機に関する。」

イ 「【0009】
この発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、可変表示の開始条件が成立する以前に「大当り」とする判定がなされた場合における遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。」

ウ 「【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、始動条件(例えばステップS201におけるYesの判定とステップS202におけるNoの判定に基づき、ステップS203?S210の処理が実行されたことなど)が成立した後に開始条件(例えばステップS251にてNoと判定されたことなど)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば飾り図柄など)を可変表示する可変表示装置(例えば画像表示装置5など)と、遊技領域に設けられて遊技者にとって有利な第1状態(例えば開放状態など)と遊技者にとって不利な第2状態(例えば閉鎖状態など)とに変化する可変入賞装置(例えば特別可変入賞球装置7など)とを備え、前記識別情報の可変表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば大当り組合せの最終停止図柄など)となった後に、前記可変入賞装置を前記第1状態に変化させるラウンドを所定回実行する特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、前記始動条件は成立したが前記開始条件は成立していない可変表示の保留データを記憶する保留記憶手段(例えば特図保留記憶部151など)と、前記開始条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(例えばCPU103がステップS255の処理を実行する部分など)と、前記保留記憶手段に記憶される保留データに基づいて、前記特定遊技状態に制御されるか否かを、前記開始条件が成立する以前に判定する保留判定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS327A?S334の処理を実行する部分や、ステップS403?S413の処理を実行する部分など)と、前記特定遊技状態として、前記可変入賞装置を第1期間(例えば29秒など)が経過するまで前記第1状態に変化させるラウンドの実行回数が第1回数(例えば「15」など)となる第1特定遊技状態(例えば15ラウンド大当り状態など)に制御する第1特定遊技状態制御手段(例えばCPU103がステップS260にて大当り種別を「通常」または「確変」に決定した後、ステップS114?S117の処理を実行する部分など)と、前記特定遊技状態として、各ラウンドで前記可変入賞装置を前記第1状態に変化させる期間が前記第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒など)となる、または、ラウンドの実行回数が前記第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」など)となる第2特定遊技状態(例えば2ラウンド大当り状態など)に制御する第2特定遊技状態制御手段(例えばCPU103がステップS260にて大当り種別を「突確」に決定した後、ステップS114?S117の処理を実行する部分など)と、前記保留判定手段による前記特定遊技状態に制御される旨の判定結果に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段(例えば演出制御用CPU120がステップS405のコマンド解析処理にて保留記憶表示更新処理を実行する部分や、ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行する部分など)とを備え、前記保留判定手段は、さらに前記特定遊技状態として前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態のいずれに制御されるかを判定し(例えばCPU103がステップS225の処理にて大当り種別が「通常」または「確変」であるか「突確」であるかを特定する部分など)、前記演出実行手段は、前記所定の演出を実行するときの演出態様を、前記保留判定手段によって前記第1特定遊技状態に制御される旨の判定がなされたときと前記第2特定遊技状態に制御される旨の判定がなされたときとで、異なる演出態様に制御する演出態様制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS337にて保留表示設定テーブル164を参照して始動入賞指定内容が「通常」であれば「赤色表示」とする一方で、「突確」であれば「青色表示」とする部分など)を含む。」

エ 「【0035】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。」

オ 「【0038】
特別図柄表示装置4による特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す始動口スイッチ22によって検出されたことなどにより始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「-」を示す記号をハズレ図柄としている。」

カ 「【0051】
擬似連続変動の進行に伴って実行される擬似連演出は、その擬似連続変動が行われる飾り図柄の可変表示にて最終停止図柄が停止表示されて可変表示が終了した後、さらに開始条件の成立に基づき実行される飾り図柄の可変表示においても、継続することがある。一例として、「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示中に成立した始動条件に対応して大当り遊技状態に制御される旨の判定がなされたときには、その「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示が終了した後でも、可変表示結果が「大当り」となるまでは、擬似連続変動の進行に伴って実行された擬似連演出と同一の演出動作、あるいは、擬似連演出と継続性を有する一連の演出動作が、擬似連継続演出として実行される。このときには、擬似連演出として擬似連続変動の進行に伴って同一の演出動作が複数回の変動表示中(最初の変動表示中、及び、擬似連続変動が行われた後の再変動表示中)にわたり繰り返して実行されるのであれば、擬似連継続演出として擬似連演出と同一の演出動作が実行されればよい。他方、擬似連演出として擬似連続変動の進行に伴って演出態様の異なる一連の演出動作が複数回の変動表示中にわたり実行されるのであれば、擬似連継続演出として擬似連演出と継続性を有する一連の演出動作が実行されればよい。他の一例として、「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示について始動条件が成立した後に開始条件が成立して可変表示が開始される以前に、始動条件が成立したことに基づいて大当り遊技状態に制御される旨の判定がなされたときには、その「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示が終了した後でも、可変表示結果が「大当り」となるまでは、擬似連続変動の進行に伴って実行された擬似連演出と同一の演出動作、あるいは、擬似連演出と継続性を有する一連の演出動作が、擬似連継続演出として実行されてもよい。このときにも、擬似連演出として擬似連続変動の進行に伴って同一の演出動作が複数回の変動表示中(最初の変動表示中、及び、擬似連続変動が行われた後の再変動表示中)にわたり繰り返して実行されるのであれば、擬似連継続演出として擬似連演出と同一の演出動作が実行されればよい。他方、擬似連演出として擬似連続変動の進行に伴って演出態様の異なる一連の演出動作が複数回の変動表示中にわたり実行されるのであれば、擬似連継続演出として擬似連演出と継続性を有する一連の演出動作が実行されればよい。」

キ 「【0085】
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値の一例を示している。図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、可変表示パターン種別決定用の乱数値MR3、可変表示パターン決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路104は、これらの乱数値MR1?MR4の全部または一部を示す数値データをカウントして更新するものであればよい。CPU103は、例えば図22に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1?MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2?MR4を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
【0086】
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値である。例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、「1」?「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2は、「1」?「100」の範囲の値をとる。」

ク 「【0091】
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果判定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果判定テーブル130は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。一例として、特図表示結果判定テーブル130は、開始条件が成立した特別図柄や飾り図柄の可変表示について、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出表示される以前に判定するために用いられる。他の一例として、特図表示結果判定テーブル130は、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるか否かを、開始条件が成立する以前に判定(入賞時判定)するために用いられる。」

ケ 「【0121】
特図保留記憶部151は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件は成立したが開始条件は成立していない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、また、始動条件の成立時に決定された可変表示パターン種別を示すデータなどを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。」

コ 「【0198】
図51に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、図2に示す始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入して始動入賞が発生したことに対応して、特図保留記憶部151に記憶されている保留データの個数に対応した保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、保留記憶数を特定すればよい。ステップS201にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて保留記憶数が上限値となっている場合には(ステップS202;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。
【0199】
ステップS202にて保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして特図保留記憶部151における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。続いて、入賞時特図判定処理が実行される(ステップS206)。図52は、ステップS206にて実行される入賞時特図判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0200】
図52に示す入賞時特図判定処理において、CPU103は、まず、図8に示す特図表示結果判定テーブル130を、使用テーブルとしてセットする(ステップS221)。例えば、ステップS221の処理では、RAM102の所定領域に設けられた判定テーブルポインタなどに、ROM101における特図表示結果判定テーブル130の記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果判定テーブル130を参照することにより、遊技状態予定バッファ値や図51のステップS204にて抽出した乱数値MR1に応じた特図判定結果を特定する。このときには、乱数値MR1が大当り判定値データと合致すれば特図判定結果が「大当り」であると特定され、乱数値MR1が小当り判定値データと合致すれば特図判定結果が「小当り」であると特定され、乱数値MR1がハズレ判定値データと合致すれば特図判定結果が「ハズレ」であると特定される。」

サ 「【0223】
図54は、図50のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば保留記憶数カウント値などに基づき、保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS251)。このとき、保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS251;No)、特図保留記憶部151にて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、可変表示パターン種別を特定可能に示すデータとを、それぞれ読み出す(ステップS252)。このときには、例えば保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、保留記憶数を1減算ように更新するとともに、特図保留記憶部151にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」?「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS253)。そして、図8に示すような特図表示結果判定テーブル130を、使用テーブルとしてセットする(ステップS254)。
【0224】
CPU103は、ステップS254にてセットされた特図表示結果判定テーブル130を参照することにより、ステップS252にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、遊技状態指定バッファの第1ビット(ビット1)に応じた大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS255)。このとき、乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しなければ(ステップS255;No)、その乱数値MR1を示す数値データが遊技状態指定バッファの第1ビット(ビット1)に応じた小当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS256)。そして、乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致した場合には(ステップS256;Yes)、小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS257)。ステップS255、S256の処理では、遊技状態指定バッファの第1ビット(ビット1)に応じた大当り判定値データや小当り判定値データと合致するか否かを判定することで、開始条件が成立した時点での遊技状態に応じて、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定を行うことができる。
【0225】
ステップS255にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS255;Yes)、大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS258)。このときには、図9に示す大当り種別決定テーブル131を、使用テーブルとしてセットする(ステップS259)。そして、ステップS252にて読み出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS259にてセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「確変」、「突確」という複数種類のいずれかに決定する(ステップS260)。」

シ 「【0326】
次に、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出画像を表示することなどによる、演出動作の具体例について説明する。演出制御基板12では、主基板11から伝送された可変表示パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドを受信したときに、可変表示パターン指定コマンドにて指定された可変表示パターンなどに基づき、例えば演出制御用CPU120が図62に示すステップS438にて所定の表示制御指令を表示制御部123に供給することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図73(A)に示すように、飾り図柄の変動を開始させる。このときには、保留記憶数が「0」であるものとする。」

ス 「【0333】
また、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図74(A)に示すように飾り図柄が変動しているときに、保留記憶数が「1」であるものとする。このとき、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口あるいは普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口において、例えば図74(B)に示すように遊技球が進入することにより始動入賞が発生し、図73(B)の場合と同様に、特図判定結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であると特定されたものとする。
【0334】
このとき、演出制御基板12では、例えば主基板11から伝送された第4始動入賞指定コマンドのEXTデータなどが、図48に示すような始動入賞情報バッファにて、保留番号「2」の始動入賞指定データとして記憶される。続いて、主基板11から保留記憶数が「2」であることを特定可能に示す保留記憶数通知コマンドが伝送されると、図59のステップS327Aにて可変表示保留カウント値が「1」となっていることから(ステップS327A;No)、ステップS328にて保留番号「1」の始動入賞指定データが読み出される。このときには、読出結果が「ハズレ」であることに対応してステップS333に進み(ステップS329;No、及び、ステップS331;No)、更新前の可変表示保留カウント値と変数N1の値とが、ともに「1」で合致することによりステップS335に進み(ステップS333;Yes)、可変表示保留カウント値が1加算されて「2」となる。その後、ステップS338にて保留表示態様を「青色表示」とすることが決定されると、画像表示装置5に設けられた始動入賞記憶表示部5Hでは、例えば図74(C)に示すような青色表示を追加した保留記憶表示が行われる。
【0335】
図74(C)に示すような飾り図柄の変動が行われた後、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、例えば図74(D)に示すような最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示が終了する。続いて、主基板11では、図54のステップS252にて読み出された保留データに基づき、ステップS255にて乱数値MR1が大当り判定値データに合致せず、ステップS256にて乱数値MR1が小当り判定値データとも合致しないと判定されたことに対応して、可変表示結果が「ハズレ」に決定される。そして、図56のステップS273では、一例として、非リーチPA1-1の可変表示パターンに決定されたものとする。
【0336】
演出制御基板12では、図61のステップS404にて保留番号「2」の始動入賞指定データを読み出したときに、ステップS405での読出結果が「当り」であるとの判定、及び、ステップS409での読出結果が「突確(大当り)」であるとの判定に基づき、ステップS410にて突確小当り保留番号バッファに変数N2の値である「2」がセットされる。その後、主基板11から伝送された可変表示パターン指定コマンドにより非リーチPA1-1の可変表示パターンが指定されたことに対応して、図62のステップS425にて非リーチ組合せとなる最終停止図柄を決定する。続いて、ステップS435の変動中演出設定処理では、ステップS505にて突確小当り演出設定処理が実行される。このときには、図69のステップS575にて突確小当り保留番号バッファ値が「2」であることから、ステップS577にて突確小当り演出を実行するための変動中演出パターンに付された演出コードが決定される。ここでは、図43(A)に示すような突確小当り演出開始設定テーブル174Aを参照することにより、突確小当り保留番号バッファ値が「2」であることから、演出コードSC76に決定される。図38に示すように、演出コードSC76は、2回の可変表示にわたり突確小当り演出を実行する場合における1回目の突確小当り演出となる演出動作を実行するための変動中演出パターンに付されている。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図74(E)に示すような「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の突確小当り演出が実行される。このときにも、図73(E)の場合と同様に、例えば「トンボ」のキャラクタ画像MC2について、保留表示態様と同一の「青色表示」とするようにしてもよい。そして、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、例えば図74(F)に示すような確定飾り図柄が停止表示され、可変表示態様が「非リーチ」となる「ハズレ」の可変表示が終了する。
【0337】
さらに、保留記憶数が「1」となっていることから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において飾り図柄の変動が開始される。このときには、保留データに基づき可変表示結果が「大当り」であると判定され、大当り種別が「突確」に決定される。そして、図66のステップS505にて実行される突確小当り演出設定処理では、図69のステップS572における演出コード読出結果が、前回の可変表示において決定した演出コードSC76となる。これにより、ステップS581に進み(ステップS573;Yes、及び、ステップS578;No)、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることを特定すると、ステップS582にてセットした図43(C)に示すような突確小当り演出最終設定テーブル174Cを参照することにより、ステップS583にて演出コードSC79に決定する。図38に示すように、演出コードSC79は、2回の可変表示にわたり突確小当り演出を実行する場合における2回目の可変表示中にて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応した突確小当り演出となる演出動作を実行するための変動中演出パターンに付されている。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図74(G)に示すように「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の突確小当り演出が実行される。
【0338】
その後、例えば図74(H)に示すような確定飾り図柄が停止表示されると、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる。続いて、例えば図74(I)に示すような「突確」となったことを報知する演出画像が表示され、例えば図74(J)に示すような2回開放遊技が行われる。」

セ 「【0354】
例えば図82(A)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態である確変時に、飾り図柄の可変表示中に保留記憶数が「2」であり、保留番号「2」に対応した保留データに基づく可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となるものとする。このときには、図59のステップS338における保留表示態様を「赤色表示」とする決定に基づき、画像表示装置5に設けられた始動入賞記憶表示部5Hでは、例えば図82(A)に示すような赤色表示となる保留記憶表示が行われる。その後、例えば図82(B)に示すような確定飾り図柄が停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示が終了する。
【0355】
この飾り図柄の可変表示が終了したことに対応して、図61のステップS402にて可変表示保留カウント値である「2」が始動保留数バッファ値に設定され、ステップS404にて保留番号「2」の始動入賞指定データを読み出したときには、読出結果が「通常(大当り)」であることに基づき、ステップS412にて15R大当り保留番号バッファ値が「2」に設定される。続いて、図62に示すステップS435の変動中演出設定処理では、図66のステップS506にて連続演出設定処理が実行される。このときには、図71のステップS614にて始動保留数バッファ値が「2」であることから、ステップS619にて連続演出の有無が決定される。ここでは、ステップS615にて15R大当り保留番号バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS617にてセットされた図45(B)に示すような大当り時連続演出実行決定テーブル176Bを参照することにより、乱数値SR8に応じて連続演出の有無が決定される。
【0356】
そして、「連続演出あり」に決定された場合には、ステップS624にて連続演出を実行するための変動中演出パターンに付された演出コードが決定される。ここでは、ステップS621にて15R大当り保留番号バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS623にてセットされた図46(B)に示すような大当り時連続演出開始設定テーブル177Bを参照することにより、演出コードSC64に決定される。図38に示すように、演出コードSC64は、2回の可変表示にわたり連続演出を実行する場合における1回目の連続演出となる演出動作を実行するための変動中演出パターンに付されている。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図82(C)に示すような「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出が実行される。このとき、例えば「トンボ」のキャラクタ画像MC2について、保留表示態様と同一の「赤色表示」とすることにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となる可能性があることを認識できるようにしてもよい。そして、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、例えば図82(D)に示すような確定飾り図柄が停止表示され、可変表示態様が「非リーチ」で「ハズレ」となる1回目の可変表示が終了する。
【0357】
このとき、保留記憶数が「1」となっていることから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において飾り図柄の変動が開始される。ここでは、保留データに基づき可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」であると判定される。そして、図71のステップS612における演出コード読出結果は、演出コードSC64となる。これにより、図72のステップS628にて可変表示結果が「大当り」であることを特定すると、ステップS629にてセットした図46(D)に示すような連続演出最終設定テーブル177Dを参照することにより、ステップS630にて演出コードSC67に決定する。図38に示すように、演出コードSC67は、2回の可変表示にわたり連続演出を実行する場合における2回目の可変表示中にて、可変表示結果が当りとなることに対応した連続演出となる演出動作を実行するための変動中演出パターンに付されている。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図82(E)に示すように「トンボ」のキャラクタ画像MC2とともに「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出が実行される。
【0358】
その後、例えば図82(F)に示すような通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されると、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となる。続いて、例えば図82(G)に示すような「大当り」となったことを報知する演出画像が表示され、大当り遊技状態に制御されて15回開放遊技が行われる。
【0359】
例えば図83(A)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時に、飾り図柄の可変表示中に保留記憶数が「2」であり、保留番号「2」に対応した保留データに基づく可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となるものとする。このときには、図59のステップS338における保留表示態様を「黄色表示」とする決定に基づき、画像表示装置5に設けられた始動入賞記憶表示部5Hでは、例えば図83(A)に示すような黄色表示となる保留記憶表示が行われる。その後、例えば図83(B)に示すような確定飾り図柄が停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示が終了する。
【0360】
この飾り図柄の可変表示が終了したことに対応して、図61のステップS402にて可変表示保留カウント値である「2」が始動保留数バッファ値に設定され、ステップS404にて保留番号「2」の始動入賞指定データを読み出したときには、読出結果が「確変(大当り)」であることに基づき、ステップS412にて15R大当り保留番号バッファ値が「2」に設定される。そして、図71のステップS619では、ステップS617にてセットされた図45(B)に示すような大当り時連続演出実行決定テーブル176Bを参照することにより、乱数値SR8に応じて連続演出の有無が決定される。このとき、「連続演出あり」に決定されれば、ステップS623にてセットされた大当り時連続演出開始設定テーブル177Bを参照することにより、ステップS624にて演出コードSC64に決定される。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図83(C)に示すような「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出が実行される。このとき、例えば「トンボ」のキャラクタ画像MC2について、保留表示態様と同一の「黄色表示」とすることにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる可能性があることを認識できるようにしてもよい。そして、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、例えば図83(D)に示すような確定飾り図柄が停止表示され、可変表示態様が「非リーチ」で「ハズレ」となる1回目の可変表示が終了する。
【0361】
このとき、保留記憶数が「1」となっていることから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において飾り図柄の変動が開始される。ここでは、保留データに基づき可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」であると判定される。そして、図71のステップS612における演出コード読出結果は、演出コードSC64となる。これにより、図72のステップS628にて可変表示結果が「大当り」であることを特定すると、ステップS629にてセットした連続演出最終設定テーブル177Dを参照することにより、ステップS630にて演出コードSC67に決定する。こうして決定された演出コードに対応する変動中演出パターンにより、飾り図柄の可変表示中に例えば図83(E)に示すように「トンボ」のキャラクタ画像MC2とともに「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出が実行される。」

ソ 「【0442】
擬似連継続演出として実行される演出動作は、擬似連演出として実行される演出動作との継続性を有する任意の演出動作であればよい。例えば、擬似連演出にて画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクタ画像と同一のキャラクタ画像を、擬似連継続演出においても表示させるようにしてもよい。あるいは、擬似連演出にて表示されたキャラクタ画像と同一のキャラクタを示すものの、表示される大きさやキャラクタの全部または一部の表示色が異なるキャラクタ画像を、擬似連継続演出において表示させるようにしてもよい。あるいは、遊技者が操作ボタン30を操作したことに対応してメッセージが表示される演出動作が擬似連演出として実行される場合には、擬似連継続演出として、遊技者が操作ボタン30を操作したときに擬似連演出で表示されたメッセージに続く内容を有するメッセージを、表示させるようにしてもよい。あるいは、擬似連演出として演出用役物31の可動部材を動作させる「役物動作」の演出動作が実行される場合には、擬似連継続演出として、擬似連演出で動作させた演出用役物31の可動部材とは異なる可動部材を動作させたり、擬似連演出で動作させた可動部材よりも多くの可動部材を動作させるようにしてもよい。また、キャラクタ画像やメッセージを表示するものに限定されず、擬似連演出や擬似連継続演出として背景画像を変化させる演出動作が行われてもよいし、背景画像の表示色を変化させる演出動作が行われてもよい。あるいは、特別音として出力する音声を、開始条件が1回成立したことに基づいて行われた擬似連続変動の回数や、擬似連継続演出の実行回数に応じて、異ならせる演出動作が行われるようにしてもよい。あるいは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の擬似連演出として、擬似連続変動の進行に伴い、例えば図84(A)、(E)及び(G)に示したような突確小当り演出と同様の演出動作が行われるものが含まれていてもよい。そして、この擬似連演出が実行される飾り図柄の可変表示が開始されてから、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの可変表示中において、始動入賞の発生により成立した始動条件に対応する入賞時判定結果が「通常(大当り)」や「確変(大当り)」となったときには、擬似連継続演出として、例えば図84(J)、図85(B)及び(D)に示したような突確小当り継続演出と同様の演出動作や、例えば図82(C)及び(E)あるいは図83(C)及び(E)に示したような連続演出と同様の演出動作のいずれかが、行われるようにしてもよい。また、擬似連演出が実行される飾り図柄の可変表示中において成立した始動条件に対応する入賞時判定結果が「突確(大当り)」や「小当り」となったときには、擬似連継続演出として、例えば図84(J)、図85(B)及び(D)に示したような突確小当り継続演出と同様の演出動作が行われる一方で、その入賞時判定結果が「通常(大当り)」や「確変(大当り)」となったときには、擬似連継続演出として、例えば図82(C)及び(E)あるいは図83(C)及び(E)に示したような連続演出と同様の演出動作が行われるようにしてもよい。」

タ 「【0454】
上記実施の形態では、図68のステップS555、S560、S564の処理を実行することにより、複数回の可変表示にわたり擬似連継続演出を実行する場合には、各可変表示が開始されるごとに、擬似連継続演出となる演出動作を実行するための変動中演出パターンを決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、擬似連続演出を開始するときに、複数回の可変表示のそれぞれにおいて擬似連継続演出を実行するための変動中演出パターンを、一括して決定するようにしてもよい。」

上記ア?タの記載事項及び図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる。
「遊技領域に設けられた普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や、同じく、遊技領域に設けられた普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が始動口スイッチ22によって検出されたことなど(ステップS201におけるYesの判定とステップS202におけるNoの判定に基づき、ステップS203?S210の処理が実行されたこと)により始動条件が成立すると、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS204)CPU103と、
保留記憶数が「0」以外であり(ステップS251;No)、開始条件が成立すると、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出(ステップS252)し、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS255)事前決定手段と、
事前決定手段により、乱数値MR1が大当り判定値データと合致し、特定遊技状態に制御されると決定されると、遊技領域に設けられて遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第1特定遊技状態、または、第2特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
始動条件は成立したが開始条件は成立していない可変表示の保留データ(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)を記憶する保留記憶手段(特図保留記憶部151)と、
保留記憶手段に記憶される保留データ(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)に基づいて、特定遊技状態に制御されるか否かを、開始条件が成立する以前に判定する保留判定手段(演出制御用CPU120がステップS327A?S334の処理を実行する部分や、ステップS403?S413の処理を実行する部分)と、
保留判定手段による前記特定遊技状態に制御される旨の判定結果に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS405のコマンド解析処理にて保留記憶表示更新処理を実行する部分や、ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
を備え、
特定遊技状態制御手段は、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第1期間(29秒)が経過するまで第1状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第2期間(0.5秒)が経過するまで第1状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段とからなり、
保留判定手段は、特定遊技状態として第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれに制御されるかを判定(CPU103がステップS225の処理にて大当り種別が「通常」または「確変」であるか「突確」であるかを特定する部分)し、
演出実行手段は、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出画像を表示することなどによる、演出動作として、
A 保留記憶数が「1」のとき、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口あるいは普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口において、遊技球が進入することにより始動入賞が発生し、特図判定結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であると特定された場合、
飾り図柄の可変表示中に図74(E)に示すような「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の突確小当り演出を実行し、
2回の可変表示にわたり突確小当り演出を実行する場合における2回目の可変表示中にて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応した突確小当り演出となる演出動作を実行する変動中演出パターンでは、「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の突確小当り演出を実行し、
B 確変時に、飾り図柄の可変表示中に保留記憶数が「2」であり、保留番号「2」に対応した保留データに基づく可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となり、あるいは、通常時に、飾り図柄の可変表示中に保留記憶数が「2」であり、保留番号「2」に対応した保留データに基づく可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となり、「連続演出あり」に決定された場合、
飾り図柄の可変表示中に図82(C)、あるいは、図83(C)に示すような「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出を実行し、
2回の可変表示にわたり連続演出を実行する場合における2回目の可変表示中にて、飾り図柄の可変表示中に図82(E)、あるいは、図83(E)に示すように「トンボ」のキャラクタ画像MC2とともに「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像を表示することで「キャラクタ表示」の連続演出を実行する
遊技機。」

(2)対比
本願補正発明と刊行物発明とを対比する(以下、刊行物発明、本願補正発明を、それぞれ「前者」、「後者」という。)。
ア 前者における「遊技領域に設けられた普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や、同じく、遊技領域に設けられた普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が始動口スイッチ22によって検出された」ことは、その構成及び機能からみて、後者における「遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球によ」ることに相当する。

イ 前者における「特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS204)CPU103」は、「数値MR1」が、大当り判定値データと合致するか否かの判定に用いられる情報であることから、後者における「遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定をおこなうための判定情報を取得する判定情報取得手段」に相当する。

ウ 前者における「保留記憶数が「0」以外であり(ステップS251;No)、開始条件が成立すると、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出(ステップS252)し、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS255)事前決定手段」は、大当りと判定されると特定遊技状態に制御されることから、後者における「判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技判定をおこなう特別遊技判定手段」に相当する。

エ 前者における「事前決定手段により、乱数値MR1が大当り判定値データと合致し、特定遊技状態に制御されると決定されると、遊技領域に設けられて遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第1特定遊技状態、または、第2特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段」は、「特定遊技状態制御手段」が、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を開放状態にする「第1特定遊技状態」及び「第2特定遊技状態」を含むものであることから、後者における「特別遊技判定手段による特別遊技判定において特別遊技をおこなうと判定された場合、遊技領域に設けられた特別入賞口に遊技球が入球可能となる開放遊技を含む特別遊技をおこなわせる特別遊技制御手段」に相当する。

オ 前者における「始動条件は成立したが開始条件は成立していない可変表示の保留データ(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)を記憶する保留記憶手段(特図保留記憶部151)」は、上記イにおいて検討したことから、後者における「判定情報取得手段により取得された判定情報を記憶する判定情報記憶手段」に相当する。

カ 前者における「保留記憶手段に記憶される保留データ(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)に基づいて、特定遊技状態に制御されるか否かを、開始条件が成立する以前に判定する保留判定手段(演出制御用CPU120がステップS327A?S334の処理を実行する部分や、ステップS403?S413の処理を実行する部分)」は、その構成及び機能からみて、後者における「判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定をおこなう事前判定手段」に相当する。

キ 前者における「保留判定手段による特定遊技状態に制御される旨の判定結果に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS405のコマンド解析処理にて保留記憶表示更新処理を実行する部分や、ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行する部分)」と、後者における「事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段」とを対比する。
前者における「保留判定手段による特定遊技状態に制御される旨の判定結果」は、後者における「事前判定手段による事前判定の結果」に相当する。
そして、前者において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合に、突確小当り演出となる演出動作として、「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像が演出実行手段により表示される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」、あるいは、「確変」となった場合に、通常(大当り)演出、あるいは、確変(大当り)演出となる演出動作として、「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像が演出実行手段により表示される。
このように、前者における「「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像」は、始動条件に対応する入賞時判定結果が、第2特定遊技状態である突確(大当り)あることを予め報知するものであり、また、「「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像」は、始動条件に対応する入賞時判定結果が、第1特定遊技状態である通常(大当り)、あるいは、確変(大当り)のいずれであるかを予め報知するものである。
したがって、前者における「演出実行手段」は、後者における「事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段」に相当する。

ク 前者における「特定遊技状態制御手段は、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第1期間(29秒)が経過するまで第1状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第2期間(0.5秒)が経過するまで第1状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段とからな」ることと、後者における「特別遊技制御手段は、所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であ」ることとを対比する。
前者における「第2期間(0.5秒)」、「第1期間(29秒)」は、それぞれ、後者における「所定期間」、「所定期間よりも長い期間」に相当する。
したがって、前者における「特定遊技状態制御手段は、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第1期間(29秒)が経過するまで第1状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を第2期間(0.5秒)が経過するまで第1状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段とからな」ることは、後者における「特別遊技制御手段は、所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であ」ることに相当する。

ケ 前者における「保留判定手段は、特定遊技状態として第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれに制御されるかを判定(CPU103がステップS225の処理にて大当り種別が「通常」または「確変」であるか「突確」であるかを特定する部分)」することは、保留判定手段が、保留記憶手段に記憶される保留データ(特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)に基づいて、特定遊技状態の種類についての判定を行うものであることから、後者における「事前判定手段は、判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、第1特別遊技および第2特別遊技のうち何れの特別遊技をおこなうかの種別事前判定をおこなうことが可能であ」ることに相当する。

コ 前者における「演出実行手段」は、始動条件に対応する入賞時判定結果が、突確(大当り)、通常(大当り)、確変(大当り)のうちのいずれであるかにかかわらず、予め、「カエル」のキャラクタ画像MC1と「トンボ」のキャラクタ画像MC2とを含んだ、共通の演出画像を表示するものである。また、始動条件に対応する入賞時判定結果が、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を0.5秒開放状態とする、突確(大当り)であることを予め報知する、「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像と、可変入賞装置(特別可変入賞球装置7)を29秒開放状態とする、通常(大当り)、あるいは、確変(大当り)であることを予め報知する、「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像といった異なる演出態様を用いて、演出を実行するものである。
そうすると、前者における「演出実行手段」と、後者における「演出制御手段は、事前判定手段による種別事前判定の結果にかかわらず、共通の予兆演出をおこなわせた後、事前判定手段による種別事前判定において、第1特別遊技をおこなうと判定されると当該第1特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第1予兆演出をおこなわせる一方、第2特別遊技をおこなうと判定されると第1予兆演出とは異なる演出態様で第2特別遊技をおこなうことを報知または示唆する第2予兆演出をおこなわせること」とは、「演出制御手段は、事前判定手段による種別事前判定の結果にかかわらず、共通の予兆演出をおこなわせた後、事前判定手段による種別事前判定において、第1特別遊技をおこなうと判定されると当該第1特別遊技をおこなうことを報知する第1予兆演出をおこなわせる一方、第2特別遊技をおこなうと判定されると第1予兆演出とは異なる演出態様で第2特別遊技をおこなうことを報知する第2予兆演出をおこなわせること」で共通する。

サ 上記ア?コから、本願補正発明と刊行物発明とは、
「遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定をおこなうための判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技判定をおこなう特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による特別遊技判定において前記特別遊技をおこなうと判定された場合、前記遊技領域に設けられた特別入賞口に遊技球が入球可能となる開放遊技を含む前記特別遊技をおこなわせる特別遊技制御手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報を記憶する判定情報記憶手段と、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定をおこなう事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技制御手段は、
所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または前記所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であり、
前記事前判定手段は、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記第1特別遊技および前記第2特別遊技のうち何れの特別遊技をおこなうかの種別事前判定をおこなうことが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段による種別事前判定の結果にかかわらず、共通の予兆演出をおこなわせた後、
前記事前判定手段による種別事前判定において、前記第1特別遊技をおこなうと判定されると当該第1特別遊技をおこなうことを報知する第1予兆演出をおこなわせる一方、前記第2特別遊技をおこなうと判定されると前記第1予兆演出とは異なる演出態様で前記第2特別遊技をおこなうことを報知する第2予兆演出をおこなわせる遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
演出制御手段が行う予兆演出に関して、
本願補正発明では、第1予兆演出が、第1特別遊技をおこなうことを報知または示唆し、第2予兆演出が、第2特別遊技をおこなうことを報知または示唆するのに対して、
刊行物発明では、第1予兆演出が、第1特別遊技をおこなうことを報知し、第2予兆演出が、第2特別遊技をおこなうことを報知するが、第1予兆演出が、第1特別遊技をおこなうことを示唆し、第2予兆演出が、第2特別遊技をおこなうことを示唆するか否か不明である点。

(3)当審の判断
ア 相違点について
上記相違点について検討する。
刊行物の前記第2 2(1)イには、「可変表示の開始条件が成立する以前に「大当り」とする判定がなされた場合における遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする」ことが記載されている。
そして、刊行物の前記第2 2(1)ス、セの記載によると、演出実行手段により、入賞時判定結果が突確(大当り)、通常(大当り)、確変(大当り)のうちのいずれであるかにかかわらず実行される共通の演出画像は、入賞時判定結果が突確(大当り)、通常(大当り)、確変(大当り)のうちのいずれであるかを示唆するものである(以下「刊行物に示された技術事項1」という。)。
また、刊行物発明は、「可変表示の開始条件が成立する以前に「大当り」とする判定がなされた場合に、判定結果が突確(大当り)であることを予め報知する、「カエル」のキャラクタ画像MC1が「トンボ」のキャラクタ画像MC2を食べるような演出画像と、判定結果が通常(大当り)及び確変(大当り)であることを予め報知する、「ヘビ」のキャラクタ画像MC3が「カエル」のキャラクタ画像MC1を食べるような演出画像とを、演出動作として表示させる演出実行手段を備えるものである。
そして、刊行物発明において、遊技の興趣を向上させるために、始動条件に対応する入賞時判定結果を予めキャラクタを用いて報知することを、上記刊行物に示された技術事項1に倣って、始動条件に対応する入賞時判定結果を予めキャラクタを用いて報知することに加えて示唆するようにすることは、当業者が適宜なし得たものである。
したがって、刊行物発明に刊行物に記載された技術事項1を適用することにより、上記相違点に係る本願補正発明が具備する発明特定事項に到達することは、当業者が容易になし得たものである。

イ 効果について
本願補正発明により奏される効果は、当業者が、刊行物発明、及び、刊行物に記載された技術事項から予測し得る範囲内のものであって、格別のものではない。

ウ 小括
上記ア?イにおいて検討したように、本願補正発明は、当業者が刊行物発明、及び、刊行物に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本願補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成26年2月25日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年8月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定をおこなうための判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技判定をおこなう特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段による特別遊技判定において前記特別遊技をおこなうと判定された場合、前記遊技領域に設けられた特別入賞口に遊技球が入球可能となる開放遊技を含む特別遊技をおこなわせる特別遊技制御手段と、
前記判定情報取得手段により取得された判定情報を記憶する判定情報記憶手段と、

前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定をおこなう事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、演出手段に予兆演出をおこなわせる演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技制御手段は、
所定期間の開放遊技を含む第1特別遊技または前記所定期間よりも長い期間の開放遊技を含む第2特別遊技をおこなわせることが可能であり、
前記事前判定手段は、
前記判定情報記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記第1特別遊技および前記第2特別遊技のうち何れの特別遊技をおこなうかの種別事前判定をおこなうことが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段による種別事前判定において前記第1特別遊技をおこなうと判定された場合と、前記第2特別遊技をおこなうと判定された場合とで、異なる予兆演出をおこなわせることを特徴とする遊技機。」

2 刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由において提示された刊行物、刊行物の記載事項及び刊行物発明は、前記「第2 2(1)刊行物に記載された発明」に記載したとおりである。

3 対比
刊行物に記載された発明と本願発明とを対比する。
本願発明は、前記第2において検討した本願補正発明における限定を省くものである。
そうすると、実質的に本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 2(2)対比、及び、(3)当審の判断」に記載したとおり、刊行物発明及び刊行物に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、刊行物発明及び刊行物に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-04-15 
結審通知日 2015-04-21 
審決日 2015-05-08 
出願番号 特願2010-74773(P2010-74773)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤脇 沙絵  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 瀬津 太朗
長崎 洋一
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人 エビス国際特許事務所  

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