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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1302653
審判番号 不服2014-804  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-01-16 
確定日 2015-07-01 
事件の表示 特願2012- 39307「ブルートゥースモジュール組込KVMスイッチ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月29日出願公開、特開2012-234517〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2012年2月24日(パリ条約による優先権主張2011年5月5日、米国; 2011年7月28日、米国)の出願であって、平成25年5月23日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成26年1月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項7に係る発明(以下、「本願発明」と呼ぶ。)は、平成26年1月16日付けの手続補正書の請求項7に記載された、次のとおりのものである。
「 【請求項7】
ユーザ入力デバイスと、コンピュータ及び1以上のWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)デバイスと、の間の通信のためのスイッチ装置であって、
前記ユーザ入力デバイスに接続するための第1入力デバイスコネクタを含むコンソールインタフェースと、
コンピュータの入力デバイスコネクタに接続するための第2入力デバイスコネクタを含むコンピュータインタフェースと、
前記1以上のWPANデバイスとの所定の無線通信技術を用いた無線通信のための無線インタフェースと、
前記コンソールインタフェース、前記コンピュータインタフェース及び前記無線インタフェースに結合されるコントローラと、を含み、
コンピュータインタフェースを選択する第1選択命令に応じて、前記コントローラは、前記第1入力デバイスコネクタからの入力デバイスデータを前記第2入力デバイスコネクタに送信し、これにより前記入力デバイスデータは前記第2入力デバイスコネクタに接続された前記コンピュータを制御し、
1以上のWPANデバイスのうち1つを選択する第2選択命令に応じて、前記コントローラは、前記コンソールインタフェースの前記第1入力デバイスコネクタから受信される入力デバイスデータを所定の無線通信規格に準拠したデータに変換し、変換されたデータを無線インタフェースに送信し、これにより入力デバイスデータは、前記1以上のWPANデバイスのうち選択された1つを制御する、スイッチ装置。」

3.引用例
原査定の拒絶の理由で引用した特開2010-102682号公報(以下、「引用例1」と呼ぶ。)には、以下の記載がある。

「【0017】
図2を参照して、KVMスイッチ12に接続された2台のコンピュータの間でデスクトップ共有および遠隔制御関係を可能にするために、KVMスイッチには一式の構成要素(コンポーネント)が設けられており、これには各コンピュータポート用の追加のUSB装置制御器と、これらのUSB装置制御器に接続されるロジック(論理回路)とが含まれている。(図2では、繁雑にならないように、一式の構造が複数個並行して設けられている場合、一式のもののみに参照番号を付している。)
図2に示すように、KVMスイッチ12は、それぞれコンピュータ16に接続するための複数のコンピュータポート(本例では3つ示す)と、ユーザコンソール14に接続するためのコンソールポートとを含んでいる。各コンピュータポートは、ビデオスイッチ26に連結されたビデオ接続(コネクション)と、USBハブ21の上流端に連結されたUSB接続とを含んでいる。USBハブ21の2つの下流端は、第1のUSB装置制御器22および第2のUSB装置制御器23に連結されている。一実施形態において、第1のUSB装置制御器22は高速の制御器であり、第2のUSB装置制御器23は低速の制御器である。各コンピュータポートの第1のUSB装置制御器22はDMA(ダイレクトメモリアクセス)ロジック24に連結されている。各コンピュータポートの第2のUSB装置制御器23は、マイクロコントローラユニットMCU25などの制御回路に連結されている。MCU25はKVMスイッチ12の機能を全体的に制御し、制御ファームウェアならびに他のプログラムおよびデータを記憶する適切なメモリ(図示せず)を含んでいる。MCU25は、KVMスイッチ12のコンソールポートに連結されているUSBホスト制御器27に連結されている。コンソールポートがキーボードおよびマウス用に2台の別個のUSBコネクタを有している場合、USBハブ28は、USBホスト制御器27とコンソールポートとの間に設けられていてもよい。ビデオスイッチ26は、KVMスイッチ12のコンソールポートのモニタポートに接続されている。
【0018】
第2のUSB装置制御器23、MCU25、ビデオスイッチ26、USBホスト制御器27、およびUSBハブ28(あれば)はKVMスイッチの構成要素である。ビデオスイッチ26はビデオ信号を、選択されたコンピュータポートからユーザコンソール14のモニタに切り換える。第2のUSB装置制御器23およびUSBホスト制御器27は、USBプロトコルを使用して、コンピュータ16およびユーザコンソール14の各々との、キーボード信号およびマウス信号の通信を制御する。MCU25はキーボード信号およびマウス信号を、ホストUSB制御器27を介してコンソールポートから、第2のUSB装置制御器23を介して選択されたコンピュータポートへ送信する。繁雑にならないように、図2にはオーディオデータを切り換えるための構造を示していないが、これらは通常、オーディオコーデック、オーディオスイッチまたはオーディオミキサなどを含んでいる。むろん、他のふさわしい構造を使用して、ビデオ、オーディオ、キーボードおよびマウス信号用のKVM切り換え機能を実現してもよい。より一般的には、KVMスイッチ12は、コンソールポートとコンピュータポートとの間に、ビデオ、オーディオ、キーボードおよびマウス信号を切り換える機能を実行するための切り換え構造を含んでいる。OSDメニューを生成するための構造などの、図2に示していない他の構造が、KVMスイッチ12に含まれていてもよい。」

「【0029】
KVMスイッチシステムの動作を、図3および図4を参照して記載する。図3を参照して、まず(ユーザコンソール14を使用している)ユーザが、KVMスイッチ12に指示して、第1のコンピュータ(本例ではPC1)にアクセスさせる(ステップS31)。これは、OSDメニューまたはホットキーを使用して行われてもよい。このとき、現時点でコンソールへと切り換えられているコンピュータはないため、KVMスイッチはPC1用のコンピュータポートをコンソールポートに切り換える(ステップS32)。これがKVMスイッチ12の切り換え(スイッチング)機能である。いったんPC1がユーザコンソールに切り換わったなら、PC1はKVMスイッチを介してコンソールに対し、ビデオ信号およびキーボード信号およびマウス信号の通信を行う(ステップS33)。同時に、コンソールはPC1のデスクトップ画像を表示し、KVMスイッチを介してPC1へキーボード信号およびマウス信号を送る(ステップS34)。これにより、ユーザコンソールによるPC1の制御が達成される。」

「【0036】
図4を参照して(図4のタイミングシーケンスは図3から継続している)、PC1がKVMスイッチ機能によりユーザコンソール14に切り換えられて、PC2がPC1とデスクトップ共有および遠隔制御関係にあるとき、ユーザはKVMスイッチに対して、PC1のアクセスを解除し、PC2のアクセスを維持するよう指示してもよい(ステップS41)。これに応じて、KVMスイッチはPC1とPC2との間のデスクトップ共有および遠隔制御関係を終了する(ステップS42)。これは、削除イベントをエミュレートするUSB制御器1Aおよび2Aによって行われ、PC1およびPC2用のエミュレートされたUSB装置それぞれを削除する。KVMスイッチは次いで、KVMスイッチの切り換え機能を使用して、PC2をユーザコンソール14に切り換える(ステップS43)。その後、PC2はKVMスイッチを介して、ビデオ信号およびキーボード信号およびマウス信号をコンソールに対して通信する(ステップS44)。コンソールはPC2のデスクトップ画像を表示し、KVMスイッチを介してキーボード信号およびマウス信号をPC2に送る(ステップS45)。」

「【0039】
USBは、上記記載において、サーバ、接続装置およびクライアントの間のインターフェースおよび通信プロトコルとして使用されているが、本発明は、将来登場するかもしれないものを含む他の標準のインターフェースおよび通信プロトコル、例えばFirewire(登録商標)などを使用して、実現してもよい。プロトコルは、その時点で使用されている多数のコンピュータにより、広くサポートされているのが好ましい。」

そして、上記記載事項を引用例1の関連図面と技術常識に照らし、キーボード信号がPC1、PC2に伝達される経路に着目すれば、以下のことがいえる。
(1)段落【0017】、段落【0018】、段落【0029】、段落【0036】の記載から、KVMスイッチ12は、キーボードと、PC1及びPC2と、の間の通信のためのものといえる。
(2)段落【0017】と図2の記載から、上記KVMスイッチ12のコンソールポートは、キーボードに接続するためのキーボード用のUSBコネクタを含むといえる。
(3)段落【0017】、段落【0029】、図2の記載から、上記KVMスイッチ12のPC1用のコンピュータポートは、PC1の入力デバイスコネクタといい得るものに接続するためのUSB接続を含むものといえる。
(4)段落【0017】、段落【0036】、図2の記載から、上記KVMスイッチ12のPC2用のコンピュータポートは、PC2の入力デバイスコネクタといい得るものに接続するためのUSB接続を含むものといえる。
(5)段落【0018】、段落【0029】、段落【0036】、図2の記載から、上記KVMスイッチ12のMCU25は、コンソールポート、PC1用のコンピュータポート、PC2用のコンピュータポートといい得るものに結合されるといえる。
(6)段落【0018】、段落【0029】の記載から、上記MCU25は、PC1用のコンピュータポートを選択する第1選択命令といい得るものに応じて、コンソールポートのキーボード用のUSBコネクタから受信されるキーボード信号を上記「PC1の入力デバイスコネクタといい得るものに接続するためのUSB接続」に送信し、これによりキーボードはUSB接続に接続されたPC1を制御するといえる。
(7)段落【0018】、段落【0036】の記載から、上記MCU25は、PC2用のコンピュータポートを選択する第2選択命令といい得るものに応じて、コンソールポートのキーボード用のUSBコネクタから受信されるキーボード信号を上記「PC2の入力デバイスコネクタといい得るものに接続するためのUSB接続」に送信し、これによりキーボード信号はPC2を制御するといえる。

以上を総合すると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「キーボードと、PC1及びPC2と、の間の通信のためのKVMスイッチ12であって、
前記キーボードに接続するためのキーボード用のUSBコネクタを含むコンソールポートと、
PC1の入力デバイスコネクタに接続するためのUSB接続を含むPC1用のコンピュータポートと、
PC2の入力デバイスコネクタに接続するためのUSB接続を含むPC2用のコンピュータポートと、
前記コンソールポート、前記PC1用のコンピュータポート及び前記PC2用のコンピュータポートに結合されるMCU25と、を含み、
PC1用のコンピュータポートを選択する第1選択命令に応じて、前記MCU25は、前記コンソールポートの前記キーボード用のUSBコネクタから受信されるキーボード信号を前記『PC1の入力デバイスコネクタに接続するためのUSB接続』に送信し、これによりキーボード信号は前記USB接続に接続された前記PC1を制御し、
PC2用のコンピュータポートを選択する第2選択命令に応じて、前記MCU25は、前記コンソールポートの前記キーボード用のUSBコネクタから受信されるキーボード信号を前記『PC2の入力デバイスコネクタに接続するためのUSB接続』に送信し、これによりキーボード信号は前記USB接続に接続された前記PC2を制御する、KVMスイッチ12。」

原査定の拒絶の理由で引用した特開2000-276269号公報(以下、「引用例2」と呼ぶ。)には、以下の記載がある。

「【請求項9】前記無線式データ入力装置において、無線通信部分がBluetooth規格に準拠していることを特徴とする請求項1記載の無線式データ入力装置。」

「【0015】この実施の形態で図1に示す装置は、無線式データ入力装置1と、データ入力装置(キーボード)2と、データ入力装置(マウス)3と、コンピュータ4、コンピュータ5、コンピュータ6とから構成される。ここで、コンピュータの数は3台に限定されるものではない。ただし、人間が操作可能な数という意味では1台から5台くらいが適当な数である。
【0016】データ入力装置(キーボード)2あるいはデータ入力装置(マウス)3からのユーザの入力は一旦無線式データ入力装置1に送られる。ここで、あらかじめ操作するコンピュータとして設定してあったコンピュータ4に対し、データ入力装置(キーボード)2あるいはデータ入力装置(マウス)3からのユーザの入力を送信する。
【0017】また、ユーザが操作するコンピュータを変更しようとした場合、図2に示すように無線式データ入力装置10に付属するスイッチ11を切替えることで、ユーザからの入力データを送信するコンピュータを変更することが可能になる。
【0018】また、上述したような無線式データ入力装置10に付属するスイッチ11によって操作するコンピュータを変更するほかに、データ入力装置(キーボード)12での特定のキー操作によって操作するコンピュータを変更することも可能である。この場合、たとえば、データ入力装置(キーボード)12付属のエスケープキーとファンクションキーを同時に押すことで、操作するコンピュータを切替えるといったように、複数のキーの組み合わせによって、コンピュータの切替操作を可能にするといったことが考えられる。」

4.対比
引用発明と本願発明とを対比すると、以下のことがいえる。
(1)引用発明の「キーボード」は、本願発明の「ユーザ入力デバイス」に相当する。
(2)引用発明の「PC1」は、本願発明の「コンピュータ」に相当する。
(3)引用発明の「PC2」と本願発明の「1以上のWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)デバイス」とは「前記コンピュータとは別のデバイス」である点で共通する。
(4)引用発明の「キーボード用のUSBコネクタ」は、本願発明の「第1入力デバイスコネクタ」に相当する。
(5)引用発明の「コンソールポート」は、本願発明の「コンソールインタフェース」に相当する。
(6)引用発明の「PC1の入力デバイスコネクタに接続するためのUSB接続」は、本願発明の「第2入力デバイスコネクタ」に相当する。
(7)引用発明の「PC1用のコンピュータポート」は、本願発明の「コンピュータインタフェース」に相当する。
(8)引用発明の「PC2用のコンピュータポート」と本願発明の「無線インタフェース」とは「前記コンピュータとは別のデバイスとの通信のための前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェース」である点で共通する。
(9)引用発明の「MCU25」は、本願発明の「コントローラ」に相当する。
(10)引用発明の「キーボード信号」は、本願発明の「入力デバイスデータ」に相当する。
(11)引用発明の「KVMスイッチ12」は、本願発明の「スイッチ装置」に相当する。

したがって、引用発明と本願発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「ユーザ入力デバイスと、コンピュータ及び前記コンピュータとは別のデバイスと、の間の通信のためのスイッチ装置であって、
前記ユーザ入力デバイスに接続するための第1入力デバイスコネクタを含むコンソールインタフェースと、
コンピュータの入力デバイスコネクタに接続するための第2入力デバイスコネクタを含むコンピュータインタフェースと、
前記コンピュータとは別のデバイスとの通信のための前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェースと、
前記コンソールインタフェース、前記コンピュータインタフェース及び前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェースに結合されるコントローラと、を含み、
コンピュータインタフェースを選択する第1選択命令に応じて、前記コントローラは、前記第1入力デバイスコネクタからの入力デバイスデータを前記第2入力デバイスコネクタに送信し、これにより前記入力デバイスデータは前記第2入力デバイスコネクタに接続された前記コンピュータを制御し、
前記コンピュータとは別のデバイスを選択する第2選択命令に応じて、前記コントローラは、前記コンソールインタフェースの前記第1入力デバイスコネクタから受信される入力デバイスデータを前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェースに送信し、これにより入力デバイスデータは、前記コンピュータとは別のデバイスのうち選択された1つを制御する、スイッチ装置。」である点。

(相違点)
本願発明においては、「前記コンピュータとは別のデバイス」が「1以上のWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)デバイス」とされており、それに伴い、「前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェース」が「前記1以上のWPANデバイスとの所定の無線通信技術を用いた無線通信のための無線インタフェース」とされるとともに、第2選択命令に応じる場合のコントローラの動作が「入力デバイスデータを所定の無線通信規格に準拠したデータに変換し、変換されたデータを無線インタフェースに送信」とされるのに対し、引用発明の「前記コンピュータとは別のデバイス(PC2)」は「1以上のWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)デバイス」とされておらず、「前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェース(PC2用のコンピュータポート)」は「前記1以上のWPANデバイスとの所定の無線通信技術を用いた無線通信のための無線インタフェース」とされておらず、第2選択命令に応じる場合のコントローラ(MCU25)の動作は「入力デバイスデータを所定の無線通信規格に準拠したデータに変換し、変換されたデータを無線インタフェースに送信」とはされていない点。

5.判断
(1)(相違点)について
以下の事情を総合すると、引用発明において、上記相違点に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

ア.引用例1の段落【0039】の「USBは、上記記載において、サーバ、接続装置およびクライアントの間のインターフェースおよび通信プロトコルとして使用されているが、本発明は、将来登場するかもしれないものを含む他の標準のインターフェースおよび通信プロトコル、例えばFirewire(登録商標)などを使用して、実現してもよい。」という記載から明らかなように、引用発明においては、コンピュータポートの接続はUSB接続に限られるものではなく、当業者が任意に定め得るものである。

イ.一方で、引用例2の段落【0015】?【0018】、【請求項9】、図1にも記載されているように、キーボードからのユーザの入力を複数のコンピュータに対して切り替えて無線にて送信する無線式データ入力装置であって、無線通信部分がBluetooth(登録商標)規格に準拠している無線式データ入力装置は、本願出願前に当業者に周知である。ここで、無線通信部分がBluetooth(登録商標)規格に準拠している以上、ユーザの入力がBluetooth(登録商標)規格に準拠したデータに変換されるのは当然である。また、Bluetooth(登録商標)はWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)で使用される規格として広く知られている。

ウ.そして、本願出願前に、無線接続のコンピュータを使うニーズがあることを考えれば、引用例2のBluetooth(登録商標)に準拠している無線通信部分を、引用発明のMCU25及びPC2用のコンピュータポートに適用することは、当業者が容易に想到し得ることである。前記適用する際に、無線接続のコンピュータを使うニーズとともに、USB接続のコンピュータを使うニーズもあることを考えれば、引用発明の一部(PC1用のコンピュータポート)のUSB接続をそのまま残しておくことは、当業者が必要に応じてなし得ることである。

エ.以上のことは、引用発明の「前記コンピュータとは別のデバイス(PC2)」を「1以上のWPAN(ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク)デバイス」とし、「前記コンピュータインタフェースとは別のインタフェース(PC2用のコンピュータポート)」を「前記1以上のWPANデバイスとの所定の無線通信技術を用いた無線通信のための無線インタフェース」とし、第2選択命令に応じる場合のコントローラ(MCU25)の動作を「入力デバイスデータを所定の無線通信規格に準拠したデータに変換し、変換されたデータを無線インタフェースに送信」とすることが、当業者にとって容易であったことを意味している。

(2)本願発明の効果について
本願発明の構成によってもたらされる効果は引用発明、及び周知の事項から当業者が容易に想到し得た構成のものが奏するであろうと当業者が予測し得る範囲を超えるものではなく、本願発明の進歩性を肯定する根拠となり得るものではない。

(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-01-30 
結審通知日 2015-02-03 
審決日 2015-02-16 
出願番号 特願2012-39307(P2012-39307)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 古河 雅輝  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 白石 圭吾
山田 正文
発明の名称 ブルートゥースモジュール組込KVMスイッチ  
代理人 特許業務法人はるか国際特許事務所  
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