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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1302680
審判番号 不服2014-6256  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-04 
確定日 2015-07-02 
事件の表示 特願2008-282540「比誘電率・導電率測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月13日出願公開、特開2010-107485〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成20年10月31日の特許出願であって、平成25年3月22日付けで拒絶理由が通知された後、同年5月28日付けで意見書の提出がなされたが、同年12月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成26年4月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成26年4月4日にされた手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成26年4月4日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正後の請求項1に係る発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
前記圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極との間に所定間隔で形成された複数の凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
前記各入力電極から同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号の振幅比及び位相差から、前記被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める
ことを特徴とする比誘電率・導電率測定装置。」(下線は補正箇所を示す。)と補正された。

2 補正事項について
本件補正前の請求項1に記載の発明特定事項である「入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子」を「圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子」とする補正事項は、「第1弾性表面波素子」が「圧電基板上に設けられ」ることを特定する限定を加えたものであり、本件補正前の請求項1に記載の発明特定事項である「入力電極と出力電極との間に凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子」を「前記圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極との間に所定間隔で形成された複数の凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子」とする補正事項は、「第2弾性表面波素子」が「圧電基板上に設けられ」ることを特定するとともに、「格子状伝搬路」に「形成された」「凹凸構造」の凸部分が「複数」であって、それぞれが「所定間隔で形成され」ていることを特定する限定を加えたものである。してみると、本件補正における請求項1の記載についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3 引用刊行物の記載事項
(1)刊行物1:野村徹,「SH-SAW液体センサプローブ」,超音波Techno,日本工業出版,2002年 1月20日,第14巻,第1号,第30-33頁
原査定の拒絶の理由において引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である刊行物1には、次の事項が記載されている。
ア 「第1図のプローブは、3チャンネル(ch.と略す)の反射型の遅延線からなり、その各々は伝搬路長が異なる。各ch.の入出力のIDTは、直列に接続されており、電気端子は入力出力とも1個となっている。
入力IDTより放射されたSH-SAWは、圧電基板の直角エッジの端面で反射され、出力IDTでそれぞれの時間遅れで受波される。」(第30頁右欄第12-18行目)

イ 「SH-SAWは表面の状態、特に伝搬面が短絡されているか否かで、その伝搬特性は大きく変化する。特に、36°TX LiTaO_(3)基盤(当審注:36°YX LiTaO_(3)基板の誤記と認める。)では、表面が開放の場合には、SSBW (Surface Shimmlng Bulk Wave) が生じセンサの動作は不安定になる。しかし、短絡表面だけでは電気的な特性を調べることはできない。そこで、表面を完全に短絡する変わりに金属ストリップにより周期的に短絡した導波路を用いた。
第4図は、表面の状態が異なる3つのチャンネルを設けた反射型センサで、それぞれ短絡、開放およびグレーテイングの伝搬路をもつ3チャンネルから成る。」(第31頁右欄第3-14行目)


ウ 第4図

エ 「グレーテイング導波路の有効性を調べるため、先の36°YX LiTaO_(3)基板上に、第4図のセンサを作り特性を調べた。先の場合と同様に、IDTの中心周波数は40MHzとし、電極も、やはりアルミで作製した。」(第31頁右欄第18-21行目)

オ 「次に、導電性液体における結果を第7図に示す。測定には、水酸化ナトリウム溶液を試料として用いた。図(a)、(b)は、濃度が、それぞれ2[mM/l]、20[mM/l]、そして100[mM/l]における短絡ch.とグレーテイングch.の出力を示している。
結果は、短絡ch.では予想されたように、溶液の濃度即ち導電率により差は得られないが、グレーテイングch.では、濃度により傾きは異なっている。この図(a)と図(b)における傾きの差は、電気的効果によるものでグレーテイング構造の特徴を表している。」(第32頁左欄第11-20行目)

カ 「4.反射型SAWセンサシステムの構成
ここでは、端面反射型センサプローブのための電子回路システムの構成およびその特性について示す。反射型遅延線SAWセンサシステムの構成を、第8図に示す。システムは反射型センサ部と送受波用の電子回路からなる。」(第32頁右欄第1-6行目)

キ 「このトーンバースト信号を送波用IDTに入力する。入力IDTから送波されたSH-SAWのトーンバースト波は、端面で反射され、再び入力IDTまたは出力IDTより取り出す。
センサ出力は、これら各チャンネルの出力の1つを参照信号にし、その他の信号間との位相差を検出することにより得る。」(第33頁左欄第6-12行目)

ク 「第9図と第10図は、センサプローブの典型的な出力波形とその位相検波出力波形を示す。検波波形は、短絡ch.の出力を参照信号とし、グレーテイングch.の変化を検出した場合の波形を示す。また第11図は、このようにして得た純水負荷によるSAWの速度変化を示す。横軸は、センサを純水中に垂直に徐々に浸したときに干渉する長さを示し、縦軸はこのシステムからの出力変化を示している。水との干渉長に従い、2つのch.間の速度差から生じる位相差を正確に反映し、出力は直線的に変化しており、このシステムにより水の粘性、密度そして誘電率等が測定できることを示している。」(第33頁左欄第22-33行目)

ケ 刊行物1に記載された発明
(ア)上記ア及びエの記載から、短絡表面及びグレーテイング導波路を形成したSAWセンサプローブは入力IDT、出力IDTを有するものであるといえる。また、上記アにおいて「各ch.の入出力のIDTは、直列に接続されており、電気端子は入力出力とも1個となっている。」ことから、入力IDTには同一の信号が入力されるものであるといえる。

(イ)上記イ及びエの記載と第4図を合わせ見れば、第4図に示された改良したSAWセンサプローブには、36°YX LiTaO_(3)基板上に、入力IDT、出力IDT、短絡導波路及びグレーテイング導波路が設けられており、「短絡ch.」が「36°YX LiTaO_(3)基板上に、短絡導波路と出力IDTと、それらの間に設けられた入力IDTとを設けた」ものであること、「グレーテイングch.」が「36°YX LiTaO_(3)基板上に、グレーテイング導波路と出力IDTと、それらの間に設けられた入力IDTとを設けた」ものであることが認められる。

(ウ)上記イの記載から、「金属ストリップにより周期的に短絡した導波路」が、36°YX LiTaO_(3)基板の弾性表面波が伝搬する面を「開放」とするかわりに用いられるものであることが読み取れる。なお、上記イの、「SH-SAWは表面の状態、特に伝搬面が短絡されているか否かで、その伝搬特性は大きく変化する。」、「表面を完全に短絡する変わりに金属ストリップにより周期的に短絡した導波路」との記載に鑑みれば、ここでの「短絡」が、伝搬面を導体によって覆う状態を意味する用語として用いられていることは、当業者にとって自明のことである。してみると、上記イにおける「表面を完全に短絡する変わりに金属ストリップにより周期的に短絡」した導波路は、「所定間隔で形成された複数の金属ストリップが電気的に分離」した導波路であるといえる。

(エ)上記オ、カ、クの記載から、反射型SAWセンサシステムは、短絡導波路及びグレーテイング導波路に液体状の被測定物を負荷する状態において、出力IDTから出力される短絡ch.の出力信号とグレーテイングch.の出力信号の位相差から誘電率又は導電率の少なくとも一方を求めるものであるといえる。

そこで、これらの記載及び第4図を参照して、本願発明の記載に倣い整理すると、上記刊行物1には、次の発明が記載されているものと認められる。

「36°YX LiTaO_(3)基板上に設けられた短絡導波路と出力IDTと、それらの間に設けられた入力IDTとを有する短絡ch.と、
前記36°YX LiTaO_(3)基板上に設けられた複数の金属ストリップが電気的に分離して所定間隔で形成されたグレーテイング導波路と出力IDTと、それらの間に設けられた入力IDTとを有するグレーテイングch.とを備え、
前記短絡導波路及び前記グレーテイング導波路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
前記各入力IDTから同一の信号を入力し、前記各出力IDTから出力される短絡ch.の出力信号とグレーテイングch.の出力信号の位相差から、前記被測定物の誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める
ことを特徴とする反射型SAWセンサシステム」の発明(以下、この発明を「刊行物1発明」という。)

4 補正発明と刊行物1発明との対比
補正発明と刊行物1発明とを対比する。

(1)刊行物1発明の「36°YX LiTaO_(3)基板」は、補正発明の「圧電基板」に相当する。

(2)刊行物1発明の「短絡導波路」は、補正発明の「電気的に短絡した短絡伝搬路」に相当する。

(3)刊行物1発明の「所定間隔で形成された複数の金属ストリップが電気的に分離したグレーテイング導波路」は、金属ストリップが36°YX LiTaO_(3)基板上に設けられていること、金属ストリップが厚みを有することが技術常識であることを鑑みれば、36°YX LiTaO_(3)基板表面に対して金属ストリップは凸部分であるといえるから、補正発明の「所定間隔で形成された複数の凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路」に相当する。

(4)刊行物1発明の「入力IDT」、「出力IDT」は、補正発明の「入力電極」、「出力電極」に相当するものといえるから、刊行物1発明の「短絡ch.」と、補正発明の「第1弾性表面波素子」とは、「圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極と短絡伝搬路とを有する第1弾性表面波素子」という点で共通し、また、刊行物1発明の「グレーテイングch.」と、補正発明の「第2弾性表面波素子」とは、「圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極と格子状伝搬路とを有する第2弾性表面波素子」という点で共通する。

(5)刊行物1発明においては、「各出力IDTから出力された各出力信号の位相差」に基づいて、「被測定物の誘電率又は導電率」を求めているところ、ここでの「誘電率」とは、比誘電率と真空の誘電率(定数である)とを乗算することによって計算されるものであることから、刊行物1発明においても実質的に「比誘電率」を求めていることといえるから、刊行物1発明の「前記短絡導波路及び前記グレーテイング導波路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力IDTから同一の信号を入力し、前記各出力IDTから出力された各出力信号の位相差から、前記被測定物の誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める」ことと、補正発明の「前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極から同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号の振幅比及び位相差から、前記被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める」こととは、「前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極から同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号に基づいて、前記被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める」ことである点で共通する。

(6)刊行物1発明の「反射型SAWセンサシステム」は、上記(5)で検討したように、実質的に被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求めるものであるといえることから、補正発明の「比誘電率・導電率測定装置」に相当する。

(7)してみると、補正発明と刊行物1発明とは、つぎの一致点において一致し、つぎの相違点において相違する。

<一致点>
「圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極と電気的に短絡した短絡伝搬路とを有する第1弾性表面波素子と、
前記圧電基板上に設けられた入力電極と出力電極と所定間隔で形成された複数の凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路とを有する第2弾性表面波素子とを備え、
前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
前記各入力電極から同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号に基づいて、前記被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める
ことを特徴とする比誘電率・導電率測定装置」である点。

<相違点1>
「入力電極」、「出力電極」及び「伝搬路」の配置関係について、補正発明の「第1弾性表面波素子」及び「第2弾性表面波素子」は、それぞれ、「入力電極」と「出力電極」との間に「伝搬路」を有するものであるのに対して、刊行物1発明の「短絡ch.」及び「グレーテイングch.」は、それぞれ、「導波路」と「出力IDT」との間に「入力IDT」を有するものである点

<相違点2>
各出力信号に基づいて被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める際に、補正発明が「各出力信号の振幅比及び位相差」を用いるのに対し、刊行物1発明は「各出力信号の位相差」を用いる点

5 当審の判断
(1)相違点1について
弾性表面波素子を用いた比誘電率・導電率測定装置において、圧電基板上に入力電極と出力電極と、それらの間に伝搬路を形成したものは、本願の出願前に周知の技術である(例えば、原審において拒絶査定時に周知文献として提示された「福井司他4名、『集積化SH-SAWセンサシステムによる液体の粘性、導電率、誘電率の同時測定』、日本音響学会平成7年度春季研究発表会講演論文集II、日本音響学会、1995年 3月14日、第961-962頁」の図1及び図2、さらには、特許第3481298号公報の段落【0013】、【0014】、図1等参照)から、弾性表面波素子を用いた比誘電率・導電率測定装置である刊行物1発明の「短絡ch.」、「グレーテイングch.」を、それぞれ、上記周知の「入力電極」と「出力電極」との間に「伝搬路」を設ける構成として、補正発明の相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(2)相違点2について
弾性表面波素子を用いた比誘電率・導電率測定装置において、開放チャネルの出力信号と短絡チャネルの出力信号とに基づいて被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める際に、「各出力信号の振幅比及び位相差」を用いることは、出願前に当業者に知られた技術常識である(例えば、「羽藤逸文他2名、『SAW発振器一体型SAWセンサシステムの開発』、信学技報、電子情報通信学会、2003年2月、第7-12頁」の「2.2.位相差法」の段落、特許第3481298号公報の段落【0013】等参照)から、弾性表面波素子を用いた比誘電率・導電率測定装置である刊行物1発明において、各出力信号に基づいて被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める際に、「各出力信号の振幅比及び位相差」を用いるようにすることに格別の困難性はない。

(3)そして、補正発明の効果は、刊行物1並びに周知技術及び技術常識に基づいて当業者が予測し得る程度のことであって格別のものとはいえない。

(4)したがって、補正発明は、刊行物1並びに周知技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。

6 まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?4に係る発明は、願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
入力電極と出力電極との間に凸部分が電気的に分離した格子状の凹凸構造が形成された格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
前記各入力電極から同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号の振幅比及び位相差から、前記被測定物の比誘電率又は導電率の少なくとも一方を求める
ことを特徴とする比誘電率・導電率測定装置。」

2 引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記刊行物1の記載事項は、上記第2の3の「引用刊行物の記載事項」に記載したとおりである。

3 対比・判断
上記第2の2「補正事項について」に記載したとおり、補正発明は、本願発明にさらに限定事項を追加したものであるから、本願発明は、補正発明を包含する。
そして、その補正発明が前記第2の4「補正発明と刊行物1発明との対比」及び5「当審の判断」に記載したとおり、刊行物1発明並びに周知技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり、審決する。
 
審理終結日 2015-05-01 
結審通知日 2015-05-07 
審決日 2015-05-21 
出願番号 特願2008-282540(P2008-282540)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 比嘉 翔一  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 麻生 哲朗
信田 昌男
発明の名称 比誘電率・導電率測定装置  
代理人 大内 秀治  
代理人 千葉 剛宏  
代理人 宮寺 利幸  

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