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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1302837
審判番号 不服2014-1297  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-01-24 
確定日 2015-07-08 
事件の表示 特願2009-531485「シール型光起電力装置」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 4月17日国際公開、WO2008/045382、平成22年 2月25日国内公表、特表2010-506405〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年10月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年10月6日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成25年3月4日付けで手続補正がなされたが、同年8月27日付けで拒絶査定がなされた。
本件は、これを不服として、平成26年1月24日に請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に補正がなされたものである。

第2 平成26年1月24日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成26年1月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、本件補正前の特許請求の範囲である
「【請求項1】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有し、かつ内部組立体容積を画定する細長い外部組立体であって:
少なくとも1つの縁部によって画定された、外部環境に至る開口を備える、第1の構造部材;及び
該少なくとも1つの縁部に対応する陥凹を備える第2の構造部材;
を備え、
該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記第2の構造部材が、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含み、
該第1の構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該第2の構造部材の該対応する陥凹と結合し;かつ、
該少なくとも1つの縁部が、該対応する陥凹にシールによって結合される;
前記細長い外部組立体と、
該内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備え、
前記1つ以上の光起電力デバイスは、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択される第1の部分内に配設され、
前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択され、前記第1の部分ではない第2の部分は、前記第1の部分に結合するキャップであり、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項2】
前記第1の構造部材が、少なくとも一部には透明部材を備える、請求項1記載の組立体。
【請求項3】
前記第1の構造部材が細長く、前記第1の部分は前記第1の構造部材である、請求項1又は2記載の組立体。
【請求項4】
前記第1の構造部材が管状であり、前記第1の部分は前記第1の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項5】
前記第1の構造部材が弓形の特徴を有し、前記第1の部分は前記第1の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項6】
前記第1の構造部材が、n辺多角形の断面を有するものとして特徴付けられ、ただしnは3以上の整数であり、前記第1の部分は前記第1の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項7】
前記第2の構造部材が金属キャップであり、前記第1の部分は前記第1の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項8】
前記第2の構造部材が、少なくとも一部には透明部材を備え、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項9】
前記第2の構造部材が細長く、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項10】
前記第2の構造部材が管状であり、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項11】
前記第2の構造部材が弓形の特徴を有し、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項12】
前記第2の構造部材が、n辺多角形の断面を有するものとして特徴付けられ、ただしnは3以上の整数であり、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項13】
前記第1の構造部材が金属キャップであり、前記第1の部分は前記第2の構造部材である、請求項1記載の組立体。
【請求項14】
前記第1の構造部材が少なくとも一部には透明部材を備え;
該第1の構造部材が細長い管であり;かつ、
前記第2の構造部材が金属キャップであり、
前記第1の部分は前記第1の構造部材である、
請求項1記載の組立体。
【請求項15】
前記第2の構造部材が少なくとも一部には透明部材を備え;
該第2の構造部材が細長い管であり;かつ、
前記第1の構造部材が金属キャップであり、
前記第1の部分は前記第2の構造部材である、
請求項1記載の組立体。
【請求項16】
前記外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項17】
前記外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項18】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有する細長い外部組立体であって、端部を有することによって特徴付けられ、該端部が、開口の境界となる縁部によって特徴付けられ、該縁部が少なくとも複数の側を有する、前記細長い外部組立体と;
その表面内に配設された、該縁部に対応する陥凹を有するキャップであって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、該陥凹内に該縁部を配置することによって該細長い外部組立体に嵌るように働くことが可能であり、前記キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記キャップと;
を備え、
該キャップが、該細長い外部組立体にシーラントで付着され、該キャップ及び細長い外部組立体が、気密シールされた内部容積を画定し;かつ
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備え、
前記1つ以上の光起電力デバイスが前記細長い外部組立体内に配設され、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項19】
前記キャップと前記シーラントとの間のシールがガラス金属シールである、請求項18記載の組立体。
【請求項20】
前記細長い外部組立体が、長さ及び幅によって特徴付けられ、該長さが、該外部組立体の該幅の少なくとも3倍である、請求項18又は19記載の組立体。
【請求項21】
前記外部組立体と前記シーラントとの間のシールがガラスシールである、請求項18記載の組立体。
【請求項22】
前記細長い外部組立体が管状構造体である、請求項18記載の組立体。
【請求項23】
前記細長い外部組立体が弓形の特徴を有する、請求項18記載の組立体。
【請求項24】
前記細長い外部組立体が、n辺多角形の断面を有するものとして特徴付けられ、ただしnは3以上の整数である、請求項18記載の組立体。
【請求項25】
前記細長い外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項18記載の組立体。
【請求項26】
前記細長い外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項18記載の組立体。
【請求項27】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有する細長い外部組立体であって、端部を有することによって特徴付けられ、該端部が、開口の境界となる縁部によって特徴付けられ、該縁部が少なくとも複数の側を有する、前記細長い外部組立体と;
その表面内に配設された、該縁部に対応する陥凹を有するキャップであって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、該陥凹内に該縁部を配置することによって該細長い外部組立体に嵌るように働くことが可能であり、前記キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記キャップと;
を備え、
該キャップが、該細長い外部組立体にシーラントで付着され、該キャップ及び細長い外部組立体が、気密シールされた内部容積を画定し;かつ
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと;
を備え、
該細長い外部組立体の長さが、該細長い外部組立体の断面の幅よりも大きく、
前記1つ以上の光起電力デバイスが前記細長い外部組立体内に配設され、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項28】
電気を発生させるための組立体であって:
その少なくとも一部分が光エネルギーを透過する細長い外部組立体であって:
該細長い外部組立体の少なくとも1つの壁部と境界を接する開口を有する、該細長い外部組立体の端部のところの端部構造体;
該開口を覆うように働くことが可能なキャップ;
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、縁部を有するものとして特徴付けられる第1の構造体;及び
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、その中に配設された陥凹を有するものとして特徴付けられ、該陥凹が該第1の構造体の該縁部の輪郭に形状において対応する、該第1の構造体ではない第2の構造体であって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記第2の構造部材が、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記第2の構造体;
を備え、
該第1の構造体が該第2の構造体に、該縁部に関連する複数の側の周りに付着されたシーラントで付着され、結合後の第1の構造体及び第2の構造体が内部容積を画定する;
前記細長い外部組立体と、
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能であり、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備える、前記組立体。
【請求項29】
前記細長い外部組立体が、該細長い外部組立体の長さに沿ったある点で得られる該細長い外部組立体の断面の寸法よりも実質的に大きな該長さを有する、請求項28記載の組立体。
【請求項30】
前記細長い外部組立体が弓形の特徴を有する、請求項28又は29記載の組立体。
【請求項31】
前記細長い外部組立体が多角形断面を有する、請求項28記載の組立体。
【請求項32】
前記第1の構造体が前記端部構造体である、請求項28記載の組立体。
【請求項33】
前記第1の構造体が前記キャップである、請求項28記載の組立体。
【請求項34】
前記シーラントがガラスである、請求項28記載の組立体。
【請求項35】
前記細長い外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項28記載の組立体。
【請求項36】
前記細長い外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項28記載の組立体。
【請求項37】
電気を発生させるための組立体であって:
内部組立体容積を画定する細長い外部組立体であって、該細長い外部組立体のその長さに沿った断面の寸法よりも大きな長さを有し、該細長い外部組立体の少なくとも一部分が光エネルギーを透過し:
該細長い外部組立体が:該細長い外部組立体の少なくとも1つの壁部と境界を接する開口を有する、該外部組立体の端部のところの端部構造体;
該開口を覆うように働くことが可能なキャップ;
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、縁部を有するものとして特徴付けられる第1の構造体;及び
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、その中に配設された陥凹を有するものとして特徴付けられ、該陥凹が該第1の構造体の該縁部の輪郭に形状において対応する、該第1の構造体ではない第2の構造体であって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記第2の構造部材が、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記第2の構造体;
を備え、
該第1の構造体が該第2の構造体に、該縁部の両側の周りに付着されたシーラントで付着され、結合後の第1の構造体及び第2の構造体が内部容積を画定する;
前記細長い外部組立体と、
該内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して光起電性電気を発生させるように動作可能であり、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備える、前記組立体。
【請求項38】
光起電力組立体を製作する方法であって:
(A)収容部材を提供するステップであって、該収容部材が:
内部容積を画定する少なくとも1つの壁部を備える細長い外部組立体であって、外部環境から該内部容積に至る開口を有し、該開口が縁部を用いて画定され、該縁部が複数の側を有する、前記細長い外部組立体;及び
1つ以上の光起電力デバイスの中の1つの光起電力デバイスが、前記収容部材の長い軸に垂直な方角に光エネルギーを受け取り、それに応答して光起電力電気を発生させるように動作可能であり、該内部容積内の1つ以上の光起電力デバイス;
を備える、前記ステップと、
(B)前記開口を覆うシーリング部材を提供するステップと;
を含み、
該収容部材又は該シーリング部材のうち第1の部材が、陥凹を有し、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており;
該収容部材又は該シーリング部材のうち該第1の部材とは別のもう1つの部材である第2の部材が、該陥凹に形状が対応する縁部の特徴を有し;
(C)該陥凹内にシーリング材料を配置するステップと;
(D)該陥凹内で該シーリング材料の少なくとも一部を溶融するステップと;
(E)該少なくとも一部溶融されたシーリング材料内に、該縁部の特徴を配置するステップと;
該シーリング材料内に前記第2の部材の縁部の特徴を配置する行為の後に、該シーリング材料を前記第2の部材の縁部の特徴の周りで凝固させるステップと;
を含み、
該少なくとも一部溶融されたシーリング材料内に該縁部の特徴を配置する該ステップ、及び該シーリング材料を前記第2の部材の縁部の特徴の周りで凝固させる該ステップが、該内部容積に至る該開口をシールする働きをし、
前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、
前記方法。」を
「【請求項1】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有し、かつ内部組立体容積を画定する細長い外部組立体であって:
少なくとも1つの縁部によって画定された、外部環境に至る開口を備える、構造部材;
及び
該少なくとも1つの縁部に対応する陥凹を備える金属キャップ;
を備え、
該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記金属キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含み、
該構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該金属キャップの該対応する陥凹とシールによって結合し;かつ、
前記金属キャップは、前記金属キャップが前記構造部材に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される;
前記細長い外部組立体と、
該内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備え、
前記1つ以上の光起電力デバイスは、前記構造部材内に配設され、
前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項2】
前記構造部材が、少なくとも一部には透明部材を備える、請求項1記載の組立体。
【請求項3】
前記構造部材が細長い、請求項1又は2記載の組立体。
【請求項4】
前記構造部材が管状である、請求項1記載の組立体。
【請求項5】
前記構造部材が弓形の特徴を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項6】
前記構造部材が、n辺多角形の断面を有するものとして特徴付けられ、ただしnは3以上の整数である、請求項1記載の組立体。
【請求項7】
前記構造部材が少なくとも一部には透明部材を備え;
該構造部材が細長い管である、
請求項1記載の組立体。
【請求項8】
前記外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項9】
前記外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項10】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有する細長い外部組立体であって、端部を有することによって特徴付けられ、該端部が、外部環境への開口の境界となる縁部によって特徴付けられ、該縁部が少なくとも複数の側を有する、前記細長い外部組立体と;
その表面内に配設された、該縁部に対応する陥凹を有するキャップであって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、該陥凹内に該縁部を配置することによって該細長い外部組立体に嵌るように働くことが可能であり、前記キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記キャップと;
を備え、
該キャップが、該細長い外部組立体にシーラントで付着され、該キャップ及び細長い外部組立体が、気密シールされた内部容積を画定し、該キャップが前記外部組立体に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成され;かつ
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備え、
前記1つ以上の光起電力デバイスが前記細長い外部組立体内に配設され、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項11】
前記キャップと前記シーラントとの間のシールがガラス金属シールである、請求項10記載の組立体。
【請求項12】
前記細長い外部組立体が、長さ及び幅によって特徴付けられ、該長さが、該外部組立体の該幅の少なくとも3倍である、請求項10又は11記載の組立体。
【請求項13】
前記外部組立体と前記シーラントとの間のシールがガラスシールである、請求項10記載の組立体。
【請求項14】
前記細長い外部組立体が管状構造体である、請求項10記載の組立体。
【請求項15】
前記細長い外部組立体が弓形の特徴を有する、請求項10記載の組立体。
【請求項16】
前記細長い外部組立体が、n辺多角形の断面を有するものとして特徴付けられ、ただしnは3以上の整数である、請求項10記載の組立体。
【請求項17】
前記細長い外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項10記載の組立体。
【請求項18】
前記細長い外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項10記載の組立体。
【請求項19】
電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有する細長い外部組立体であって、端部を有することによって特徴付けられ、該端部が、外部環境への開口の境界となる縁部によって特徴付けられ、該縁部が少なくとも複数の側を有する、前記細長い外部組立体と;
その表面内に配設された、該縁部に対応する陥凹を有するキャップであって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、該陥凹内に該縁部を配置することによって該細長い外部組立体に嵌るように働くことが可能であり、前記キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記キャップと;
を備え、
該キャップが、該細長い外部組立体にシーラントで付着され、該キャップ及び細長い外部組立体が、気密シールされた内部容積を画定し、該キャップが前記外部組立体に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成され;かつ
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと;
を備え、
該細長い外部組立体の長さが、該細長い外部組立体の断面の幅よりも大きく、
前記1つ以上の光起電力デバイスが前記細長い外部組立体内に配設され、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記組立体。
【請求項20】
電気を発生させるための組立体であって:
その少なくとも一部分が光エネルギーを透過する細長い外部組立体であって:
該細長い外部組立体の少なくとも1つの壁部と境界を接する外部環境への開口を有する、該細長い外部組立体の端部のところの端部構造体;
該開口を覆うように働くことが可能なキャップ;
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、縁部を有するものとして特徴付けられる第1の構造体;及び
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、その中に配設された陥凹を有するものとして特徴付けられ、該陥凹が該第1の構造体の該縁部の輪郭に形状において対応する、該第1の構造体ではない第2の構造体であって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記第2の構造部材が、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記第2の構造体;
を備え、
該第1の構造体が該第2の構造体に、該縁部に関連する複数の側の周りに付着されたシーラントで付着され、結合後の第1の構造体及び第2の構造体が内部容積を画定し、前記キャップは、該キャップが前記端部構造体に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される;
前記細長い外部組立体と、
該内部容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能であり、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備える、前記組立体。
【請求項21】
前記細長い外部組立体が、該細長い外部組立体の長さに沿ったある点で得られる該細長い外部組立体の断面の寸法よりも実質的に大きな長さを有する、請求項20記載の組立体。
【請求項22】
前記細長い外部組立体が弓形の特徴を有する、請求項20又は21記載の組立体。
【請求項23】
前記細長い外部組立体が多角形断面を有する、請求項20記載の組立体。
【請求項24】
前記第1の構造体が前記端部構造体である、請求項20記載の組立体。
【請求項25】
前記第1の構造体が前記キャップである、請求項20記載の組立体。
【請求項26】
前記シーラントがガラスである、請求項20記載の組立体。
【請求項27】
前記細長い外部組立体が、10^(-6)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項20記載の組立体。
【請求項28】
前記細長い外部組立体が、10^(-8)cc/秒以下のヘリウム漏れ速度を有する、請求項20記載の組立体。
【請求項29】
電気を発生させるための組立体であって:
内部組立体容積を画定する細長い外部組立体であって、該細長い外部組立体のその長さに沿った断面の寸法よりも大きな長さを有し、該細長い外部組立体の少なくとも一部分が光エネルギーを透過し:
該細長い外部組立体が:該細長い外部組立体の少なくとも1つの壁部と境界を接する外部環境への開口を有する、該外部組立体の端部のところの端部構造体;
該開口を覆うように働くことが可能なキャップ;
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、縁部を有するものとして特徴付けられる第1の構造体;及び
該キャップ及び該端部構造体の中から選択され、その中に配設された陥凹を有するものとして特徴付けられ、該陥凹が該第1の構造体の該縁部の輪郭に形状において対応する、該第1の構造体ではない第2の構造体であって、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記第2の構造部材が、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含む、前記第2の構造体;
を備え、
該第1の構造体が該第2の構造体に、該縁部の両側の周りに付着されたシーラントで付着され、結合後の第1の構造体及び第2の構造体が内部容積を画定し、前記キャップは、該キャップが前記端部構造体に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される;
前記細長い外部組立体と、
該内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して光起電性電気を発生させるように動作可能であり、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備える、前記組立体。
【請求項30】
光起電力組立体を製作する方法であって:
(A)収容部材を提供するステップであって、該収容部材が:
内部容積を画定する少なくとも1つの壁部を備える細長い外部組立体であって、外部環境から該内部容積に至る開口を有し、該開口が縁部を用いて画定され、該縁部が複数の側を有する、前記細長い外部組立体;及び
1つ以上の光起電力デバイスの中の1つの光起電力デバイスが、前記収容部材の長い軸に垂直な方角に光エネルギーを受け取り、それに応答して光起電力電気を発生させるように動作可能である、該内部容積内の1つ以上の光起電力デバイス;
を備える、前記ステップと、
(B)前記開口を覆うシーリング部材であって、該シーリング部材が前記細長い外部組立体に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される、該シーリング部材を提供するステップと;
を含み、
該収容部材又は該シーリング部材のうち第1の部材が、陥凹を有し、該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており;
該収容部材又は該シーリング部材のうち該第1の部材とは別のもう1つの部材である第2の部材が、該陥凹に形状が対応する縁部の特徴を有し;
(C)該陥凹内にシーリング材料を配置するステップと;
(D)該陥凹内で該シーリング材料の少なくとも一部を溶融するステップと;
(E)該少なくとも一部溶融されたシーリング材料内に、該縁部の特徴を配置するステップと;
該シーリング材料内に前記第2の部材の縁部の特徴を配置する行為の後に、該シーリング材料を前記第2の部材の縁部の特徴の周りで凝固させるステップと;
を含み、
該少なくとも一部溶融されたシーリング材料内に該縁部の特徴を配置する該ステップ、及び該シーリング材料を前記第2の部材の縁部の特徴の周りで凝固させる該ステップが、該内部容積に至る該開口をシールする働きをし、
前記1つ以上の光起電力デバイスと前記細長い外部組立体との間に空間がある、
前記方法。」と補正するものである。

2 補正の目的についての検討
上記本件補正のうち、本件補正後の請求項1は本件補正前の請求項1を引用する請求項7を補正したものであって、
(a)本件補正前の請求項1の「第1の構造部材」を「構造部材」とする補正事項
(b)本件補正前の請求項1の「第1の構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該第2の構造部材の該対応する陥凹と結合し;かつ、該少なくとも1つの縁部が、該対応する陥凹にシールによって結合される;」を「構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該金属キャップの該対応する陥凹とシールによって結合し;」とする補正事項
(c)本件補正後の請求項1に「かつ、前記金属キャップは、前記金属キャップが前記構造部材に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される;」を追加する補正事項
(d)本件補正前の請求項1の「1つ以上の光起電力デバイスは、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択される第1の部分内に配設され、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択され、前記第1の部分ではない第2の部分は、前記第1の部分に結合するキャップであり、」「第2の構造部材が金属キャップであり、」を、「1つ以上の光起電力デバイスは、前記構造部材内に配設され、」とする補正事項を含むものである。
ここで、上記(a)及び(b)の補正事項は、表現を変更しただけのものであって、実質的に内容を変更するものではない。
また、上記(c)の補正事項は、明らかに特許請求の範囲を限定して減縮するものである。
さらに、上記(d)の補正事項は、本件補正前の請求項1の「1つ以上の光起電力デバイスは、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択される第1の部分内に配設され、前記第1の構造部材と前記第2の構造部材の中から選択され、前記第1の部分ではない第2の部分は、前記第1の部分に結合するキャップであり、」に、本件補正前の請求項7の「第2の構造部材が金属キャップであり、前記第1の部分は前記第1の構造部材である」を繰り入れて重複する記載を削除したものであって、実質的に内容を変更するものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討する。

3 本件補正発明
本件補正発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された上記のとおりのものである。(上記「第2」[理由]「1」参照。)

4 引用刊行物
これに対して、原査定における拒絶の理由で引用した、本願の優先日前である昭和60年4月16日に頒布された「特開昭60-66051号公報 」(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。ただし、下線は当審で付した。
a 記載事項ア
「(イ) 産業上の利用分野
この発明は、太陽電池を集熱板上に一体に形成し、太陽の光エネルギーを電気エネルギーおよび熱エネルギーとして同時に取り出しうるようにした太陽熱電気変換装置に関し、特に、電気エネルギーを取り出すための手段の改良に関する。」(第1頁右下欄第3?8行)
b 記載事項イ
「(ホ) 実施例
A. この発明の第1実施例を第2図および第3図に基づいて説明する。
(20)は片端が開口した箱状のガラス製容器、(21)は容器(20)内に配設され、集熱された熱を伝えるヒートパイプ、(2)はヒートパイプ(21)に熱伝的に取付けたアルミ又は銅又は鉄又はステンレスからなる集熱板である。
(22)は熱媒管で、ヒートパイプ熱交換部(23)においてヒートパイプ(21)で伝導された熱を受け取る水等の熱媒が流通される。
(24)は、容器(20)の開口端部を封止する端板で、ニツケル・クロム・鉄合金である。又端板(24)は、フリツト(25)によって容器(20)端部に接合されている。さらに端板(24)をヒートパイプ(21)が貫通している。
(26)は断熱材、(27)は熱交換部のジヨイントボツクスである。
一方、太陽電池(1)は、集熱板(2)表面にシリコーン等の接着材(19)で貼り合わされている。(1-3)は太陽電池(1)の基板でステンレスである。(1-4)は基板(1-3)に付着されたPIN構造のアモルフアスシリコン層、(1-5)はInOの透明電極、(1-6)は透明電極(1-5)上に設けた集電極である。
特徴ある構成として、集熱板(2)裏面にガラス質の絶縁層(15)が幅8mm、厚み1.0mmで付着されており、かつその絶縁層(15)上に幅5mmの銅箔の配線(16)が接着されている。ここで使用したガラス質の絶縁層(15)は、鉛系フリツトガラスで、集熱板(2)裏面にスクリーン印刷を行う。次にその印刷した絶縁層(15)の上に銅箔を載せて空気又は窒素中で400℃前後で熱処理を行う。これにより絶縁性を保持し集熱板(2)に固定された配線(16)が得られる。
配線(16)には、太陽電池(1)の集電極(1-6)から取り出されたリード線(17)が接続される。配線(16)は、陽極側と陰極側の2対からなり、集熱器外部には端板(24)に設けられたハーメチツクシール(28)を通して取り出されている。」(第2頁右上欄第2行?右下欄第1行)
c 記載事項ウ



d 記載事項エ



e 上記記載事項ア乃至エに関する考察
上記記載事項ウ及びエから、「端板(24)」はコの字状の凹部を備え、「容器(20)」の開口の上下の縁が、「端板(24)」のコの字状の凹部に「フリット(25)」を介して接合していること、「容器(20)」の中に「太陽電池(1)」が収納されていること、「容器(20)」の上面の形状は正方形に近い矩形であること、及び、「太陽電池(1)」の上面と「容器(20)」との間には隙間があることが読み取れる。
また、「端板(24)」はコの字状の凹部を備え、「容器(20)」の開口の上下の縁が、「端板(24)」のコの字状の凹部に「フリット(25)」を介して接合していることは上記のとおりであり、さらに、上記記載事項イの「端板」「(24)は、容器(20)の開口端部を封止する」ものであるとの記載からすると、引用例記載の「太陽熱電気変換装置」は、「容器(20)」の開口端部の上下の縁と同様に、「容器(20)」の開口端部には左右の縁が存在し、その左右の縁も「端板(24)」のコの字状の凹部に「フリツト(25)」によって接合されていることは明らかである。
f 引用例1記載の発明
上記記載事項アないしエ及び上記eの考察によると、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「太陽熱電気変換装置であって、
片端が開口した箱状のガラス製容器(20)
及び
容器(20)の開口端部を封止し、コの字状の凹部を備え、ニツケル・クロム・鉄合金である端板(24)
を備え、
容器(20)の開口端部の上下の縁及び左右の縁が、端板(24)のコの字状の凹部にフリット(25)によって接合されており、
容器(20)内に配設され、集熱された熱を伝えるヒートパイプ(21)を備え、
ヒートパイプ(21)は端板(24)を貫通しており、
配線(16)には、太陽電池(1)の集電極(1-6)から取り出されたリード線(17)が接続され、配線(16)は、陽極側と陰極側の2対からなり、集熱器外部には端板(24)に設けられたハーメチツクシール(28)を通して取り出されており、
容器(20)の中に太陽電池(1)が収納されており、
容器(20)の上面の形状は正方形に近い矩形であり、
太陽電池(1)の上面と容器(20)との間には隙間がある
太陽熱電気変換装置。」

5 本件補正発明と引用発明の対比
ここで、本件補正発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「太陽熱電気変換装置」は、本件補正発明の「電気を発生させるための組立体」に相当する。
(2)引用発明の「容器(20)」、「ニツケル・クロム・鉄合金である端板(24)」及び「凹部」は、本件補正発明の「構造部材」、「金属キャップ」及び「陥凹」に相当する。
そして、引用発明の「容器(20)」は、「箱状のガラス製」であるから、本件補正発明の「光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分」に相当する構成を有するものである。
そうすると、引用発明の「片端が開口した箱状のガラス製容器(20)及び容器(20)の開口端部を封止し、コの字状の凹部を備え、ニツケル・クロム・鉄合金である端板(24)を備え」る構成は、本件補正発明の「光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有し、かつ内部組立体容積を画定する」「外部組立体であって:少なくとも1つの縁部によって画定された、外部環境に至る開口を備える、構造部材;及び該少なくとも1つの縁部に対応する陥凹を備える金属キャップ;を備え」る「外部組立体」を「備え」る構成に相当する。
(3)引用発明は「容器(20)の開口端部の上下の縁及び左右の縁が、端板(24)のコの字状の凹部にフリット(25)によって接合されて」いるから、端板(24)の縁の全長に沿ってコの字状の凹部が設けられているといえる。
そうすると、引用発明の「端板(24)のコの字状の凹部」は、本件補正発明の「陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記金属キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含」む構成に相当する。
(4)引用発明の「縁」及び「フリツト(25)」は、本件補正発明の「縁部」及び「シール」に相当する。
そうすると、引用発明の「容器(20)の開口端部の上下の縁及び左右の縁が、端板(24)のコの字状の凹部にフリツト(25)によって接合されて」いる構成は、本件補正発明の「構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該金属キャップの該対応する陥凹とシールによって結合」する構成に相当する。
(5)引用発明は、「容器(20)」の開口端部の縁の全長に沿って「端板(24)」のコの字状の凹部に「フリツト(25)」によって接合されており(上記「(3)」参照。)、「配線(16)」が「集熱器外部には端板(24)に設けられたハーメチツクシール(28)を通して取り出されて」いることから、「ヒートパイプ(21)」と「端板(24)」の「貫通」部分も封止されていることは明らかである。
一方、本件補正発明の「内部容積を外部環境から分離する形に構成される」の「外部環境」に関する記載が、本願明細書【0010】ないし【0016】にあり、例えば、「時間と共に、湿気及び外部環境の他の部分が太陽電池組立体内に浸透し、太陽電池接合部を腐食させる」(【0010】)と記載されているように、「外部環境から分離」とは、「時間と共に、湿気及び外部環境の他の部分が太陽電池組立体内に浸透し」ない構成であると解される。
そして、引用発明の「容器(20)の開口端部を封止し、コの字状の凹部を備え、ニツケル・クロム・鉄合金である端板(24)を備え」、「容器(20)内に配設され、集熱された熱を伝えるヒートパイプ(21)を備え、ヒートパイプ(21)は端板(24)を貫通しており、配線(16)には、太陽電池(1)の集電極(1-6)から取り出されたリード線(17)が接続され、配線(16)は、陽極側と陰極側の2対からなり、集熱器外部には端板(24)に設けられたハーメチツクシール(28)を通して取り出されて」いる構成は、「時間と共に、湿気及び外部環境の他の部分が太陽電池組立体内に浸透」するものではないから、本件補正発明の「金属キャップは、前記金属キャップが前記構造部材に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される」構成に相当するといえる。
(6)本件補正発明の「内部組立体容積」は、「外部組立体」が「画定する」ものである。
よって、引用発明の「容器(20)の中に太陽電池(1)が収納されており、」「太陽電池(1)の上面と容器(20)との間には隙間がある」構成は、本件補正発明の「内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイス」「を備え、前記1つ以上の光起電力デバイスは、前記構造部材内に配設され、前記1つ以上の光起電力デバイスと前記」「外部組立体との間に空間がある」構成に相当する。

上記(1)乃至(6)の対比から、本件補正発明と引用発明は、
「電気を発生させるための組立体であって:
光エネルギーを透過する少なくとも1つの部分を有し、かつ内部組立体容積を画定する外部組立体であって:
少なくとも1つの縁部によって画定された、外部環境に至る開口を備える、構造部材;
及び
該少なくとも1つの縁部に対応する陥凹を備える金属キャップ;
を備え、
該陥凹が、第1の面及び第2の面によって境界をつけられ、かつ該第1の面及び第2の面が、該陥凹の全長に沿って互いに向き合っており、前記金属キャップが、前記第1の面を前記第2の面から分ける第3の面を含み、
該構造部材の該少なくとも1つの縁部が、該金属キャップの該対応する陥凹とシールによって結合し;かつ、
前記金属キャップは、前記金属キャップが前記構造部材に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される;
前記外部組立体と、
該内部組立体容積内に配設される1つ以上の光起電力デバイスであって、その中の1つの光起電力デバイスが、光を受け取り、それに応答して電気を発生させるように動作可能である、前記1つ以上の光起電力デバイスと
を備え、
前記1つ以上の光起電力デバイスは、前記構造部材内に配設され、
前記1つ以上の光起電力デバイスと前記外部組立体との間に空間がある、前記組立体。」 で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
本件補正発明は、「外部組立体」が「細長い」ものであるのに対し、引用発明は、「容器(20)の上面の形状」が「正方形に近い矩形であ」る点。

6 当審の判断
以下、上記相違点について検討する。
一般的に、太陽電池モジュール(本件補正発明の「組立体」に相当。)の形状は、その種々の事情に応じて適宜設計するものであるから、引用発明の「太陽電池(1)」を「収納」する「容器(20)」を細長い形状として、上記相違点に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

上記相違点については以上のとおりであり、また、本件補正発明によってもたらされる効果は、引用発明から当業者が予測できる範囲内のものと認められる。
よって、本件補正発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

7 本件補正についての補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成26年1月24日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本

件出願の請求項7に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成25年3月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7に記載されたとおりのものである。(上記「第2」[理由]「1」参照。)

2 引用刊行物及び引用発明
原査定における拒絶の理由で引用した、本願の優先日前に頒布された刊行物及びその記載事項、ならびに引用発明は、上記「第2」[理由]「4」に記載したとおりである。

3 本願発明と引用発明との対比及び判断
上記「第2」[理由]「2」で述べたことからすると、本願発明は、本件補正発明から実質的に「金属キャップは、前記金属キャップが前記構造部材に結合されると、前記開口を覆うとともに、内部容積を外部環境から分離する形に構成される」構成を除いたものである。
ここで、本願発明の発明特定事項を全て含み、上記構成を限定した本件補正発明が、上記「第2」[理由]「6」に記載した通り、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-02-03 
結審通知日 2015-02-10 
審決日 2015-02-23 
出願番号 特願2009-531485(P2009-531485)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森江 健蔵  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 土屋 知久
山口 剛
発明の名称 シール型光起電力装置  
代理人 石川 徹  

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