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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する F04B
管理番号 1304254
審判番号 訂正2015-390056  
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-06-03 
確定日 2015-07-24 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5429353号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5429353号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第5429353号(平成24年12月28日特許出願、平成25年12月13日設定登録)の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、すなわち、下記(1)のとおり訂正することを求めるものである。

(1)訂正事項:特許請求の範囲の請求項4に「請求項5において、」とあるのを、「請求項3において、」に訂正する。

2.当審の判断
そこで、訂正事項について検討する。

(1)訂正の目的要件
(a)特許明細書の【特許請求の範囲】の請求項4には、「請求項5において、」「ことを特徴とする圧縮機。」と記載されており、特許請求の範囲の請求項5には、「請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、」「であることを特徴とする圧縮機。」と記載されているので、両者は請求項の引用関係が矛盾しており、いずれかに誤記が存在するものと認められる。
(b)そして、特許明細書の【特許請求の範囲】に「【請求項3】
請求項1又は2において、
上記固定側部材(45)には、上記吐出ポート(50)の流出端(52)の全周に亘る面取り部(56)が形成されている
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項5において、
上記吐出ポート(50)の軸方向における上記面取り部(56)の高さHと、該吐出ポート(50)の軸方向と直交する方向における上記面取り部(56)の幅Wとが、0<H/W<0.5の関係を満たしている
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
上記吐出ポート(50)の断面形状が、長円形または楕円形である
ことを特徴とする圧縮機。」と記載されているのに対して、特許明細書の【発明の詳細な説明】には、「【0016】第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記固定側部材(45)には、上記吐出ポート(50)の流出端(52)の全周に亘る面取り部(56)が形成されるものである。」
「【0018】第4の発明は、上記第3の発明において、上記吐出ポート(50)の軸方向における上記面取り部(56)の高さHと、該吐出ポート(50)の軸方向と直交する方向における上記面取り部(56)の幅Wとが、0<H/W<0.5の関係を満たすものである。」
「【0021】第5の発明は、上記第1?第4のいずれか一つの発明において、上記吐出ポート(50)の断面形状を長円形または楕円形とするものである。」と、引用関係以外について同内容の記載が、引用関係の矛盾がない形で記載されていることを参酌すると、【特許請求の範囲】請求項4の「請求項5において、」は誤記であって、「請求項3において、」が正しい表記であると認められる。
そうすると、訂正事項は、誤記の訂正を目的とするものである。

(2)訂正事項が願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
願書に最初に添付した明細書には、「【0018】第4の発明は、上記第1?第3のいずれか一つの発明において、上記固定側部材(45)には、上記吐出ポート(50)の流出端(52)の全周に亘る面取り部(56)が形成されるものである。」
「【0020】第5の発明は、上記第4の発明において、上記吐出ポート(50)の軸方向における上記面取り部(56)の高さHと、該吐出ポート(50)の軸方向と直交する方向における上記面取り部(56)の幅Wとが、0<H/W<0.5の関係を満たすものである。」
「【0023】第6の発明は、上記第1?第5のいずれか一つの発明において、上記吐出ポート(50)の断面形状を長円形または楕円形とするものである。」と記載されている。
そして、本件特許の特許請求の範囲の請求項と、本件特許の出願当初の特許請求の範囲の請求項の対応関係は、審判請求書の6.請求の理由(4)訂正の原因の欄に記載されたとおりのものであるから、上記「(1)訂正の目的要件」で指摘した「(b)」の「引用関係の矛盾がない形で記載されている」ものと同様の記載が存在するので、訂正事項は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものである。

(3)特許請求の範囲の実質的な拡張・変更がないかについて
訂正事項は、正しい記載内容が明らかである誤記を、正しい内容に訂正するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

(4)特許法第126条第7項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」であるかについて
訂正事項は、誤記の訂正を目的とするものであるので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項4、5に記載されている事項により特定される各発明を拒絶すべき理由を発見しないので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

3.むすび
本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮室(36)を形成する固定側部材(45)と、回転駆動されて上記圧縮室(36)の容積を変化させる可動側部材(38)とを備え、流体を上記圧縮室(36)へ吸入して圧縮する圧縮機であって、
上記固定側部材(45)には、該固定側部材(45)を貫通して上記圧縮室(36)から流体を導出する吐出ポート(50)が形成されると共に、上記吐出ポート(50)を開閉する吐出弁(60)が設けられ、
上記吐出弁(60)は、上記吐出ポート(50)の流出端(52)を覆うことによって上記吐出ポート(50)を閉じ、該吐出ポート(50)の流出端(52)から浮き上がることによって上記吐出ポート(50)を開く弁体(61)を備え、
上記吐出ポート(50)の流入端(51)の面積をAiとし、該流入端(51)の周縁長をLiとし、該流入端(51)の水力直径をDi=4(Ai/Li)とする一方、
上記吐出ポート(50)の流出端(52)の周縁長をLoとし、上記弁体(61)の基準リフト量をhoとし、上記吐出ポート(50)の流出端(52)と上記弁体(61)の間に形成された流出側流路(70)の断面積をAo=Lo×hoとし、該流出側流路(70)の水力直径をDo=4(Ao/2Lo)とした場合に、
上記吐出ポート(50)の流入端(51)の水力直径Diに対する上記流出側流路(70)の水力直径Doの比(Do/Di)が0.25以上0.5以下である
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1において、
上記吐出ポート(50)の流入端(51)の水力直径Diに対する上記流出側流路(70)の水力直径Doの比(Do/Di)が0.4以下である
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記固定側部材(45)には、上記吐出ポート(50)の流出端(52)の全周に亘る面取り部(56)が形成されている
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項3において、
上記吐出ポート(50)の軸方向における上記面取り部(56)の高さHと、該吐出ポート(50)の軸方向と直交する方向における上記面取り部(56)の幅Wとが、0<H/W<0.5の関係を満たしている
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
上記吐出ポート(50)の断面形状が、長円形または楕円形である
ことを特徴とする圧縮機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2015-07-14 
出願番号 特願2012-288002(P2012-288002)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (F04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小河 了一  
特許庁審判長 新海 岳
特許庁審判官 藤井 昇
中川 真一
登録日 2013-12-13 
登録番号 特許第5429353号(P5429353)
発明の名称 圧縮機  
代理人 特許業務法人前田特許事務所  
代理人 特許業務法人前田特許事務所  

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