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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21S
管理番号 1304593
審判番号 不服2014-12505  
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-30 
確定日 2015-08-20 
事件の表示 特願2010-28317号「液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年8月25日出願公開、特開2011-165529号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年2月11日の出願であって、平成25年9月13日付けで拒絶の理由が通知され、平成25年11月25日に意見書及び手続補正書が提出され、平成26年3月27日付けで拒絶査定がされ、平成26年6月30日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、平成25年11月25日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面側に配置され、前記液晶パネルを背面側から照明する複数のLEDから成るLEDバックライトと、を備えた液晶表示装置であって、
前記複数のLEDは、前記液晶パネルの側辺に沿うように配置されており、
前記液晶パネルの側辺の上部に配置されたLED群は、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群と発光効率が同一で、かつ、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群よりも耐熱性が高いものとなっていることを特徴とする液晶表示装置。」

第3 刊行物、刊行物記載の事項及び刊行物記載の発明
刊行物1:国際公開第2007/138725号
(原査定の拒絶理由で引用した引用文献1)
刊行物2:特開2007-59207号公報
(原査定の拒絶理由で引用した引用文献2)
なお、以下の下線は当審が加筆した。

1.刊行物1記載の事項及び発明
刊行物1には、図1?7と共に、次の事項が記載されている。
(ア)「[0006] このため、上記のように、複数の発光ダイオードを設けた従来のバックライト装置では、発光ダイオード毎の光量のバラツキや周囲環境の変化に伴う発光効率の変化に起因して、当該複数の各発光ダイオードの光量が不均一となり、液晶パネル(外部)への光に輝度ムラが生じ易いという問題点があった。ことに、液晶表示装置での大画面化や高輝度化などに応じて、発光ダイオードの設置数を増加させたときには、設置数の増加及びこれに伴う発熱量の増大等により、光量の不均一の幅(最も明るい発光ダイオードと最も暗い発光ダイオードとの光量差)が著しく大きくなることがあった。この結果、従来のバックライト装置では、発光ダイオードの設置数を増加させたときには、外部への光に輝度ムラが発生するのを防ぐことは極めて困難となった。」(段落[0006])
(イ)「[0008] 上記の課題を鑑み、本発明は、発光ダイオードの設置数を増加させるときでも、輝度ムラの発生を防ぐことができるバックライト装置、及びこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。」(段落[0008])
(ウ)「[0028] [第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態にかかるバックライト装置の要部構成を示す平面図であり、図2は図1に示したバックライト装置を備えた液晶表示装置を説明する図である。図1及び図2において、本実施形態では、本発明のバックライト装置2と、バックライト装置2からの光が照射される表示部としての液晶パネル3とが設けられており、これらバックライト装置2と液晶パネル3とが透過型の液晶表示装置1として一体化されている。
[0029] バックライト装置2は、光源としての複数の発光ダイオード4と、複数の各発光ダイオード4からの光が導入される導光板5とを備えており、導光板5から液晶パネル3側に平面状の照明光を照射するようになっている。また、バックライト装置2では、複数の発光ダイオード4は図1に例示するように、導光板5に対し、同図1の上側及び下側にそれぞれ設定された上側領域及び下側領域のいずれか一方の発光ダイオード4の設置領域に設けられている。これらの上側領域と下側領域とは、液晶パネル3に設けられた表示面(図示せず)の横方向での上側部分及び下側部分にそれぞれ対向するように、液晶表示装置1の内部に組み込まれる。また、これら上側領域と下側領域とは、液晶表示装置1の使用時において、重力が作用する鉛直方向の上側及び下側にそれぞれ配置されるようになっており、当該液晶表示装置1の使用時での温度分布(温度上昇範囲)が互いに異なっている(詳細は後述。)。」(段落[0028]?[0029])
(エ)「[0042]さらに、・・・(中略)・・・これにより、バックライト装置2では、液晶表示装置1の使用時において、上側領域及び下側領域での発光ダイオード4からの光量をほぼ同じにすることができ、上記照明光に輝度ムラが生じるのを極力防げるようになっている。つまり、発光ダイオード4は、一般的に周囲温度が高い程、発光効率が低下して、その発光量も少なくなり易い。」(段落[0042])
(オ)「[0046] [第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態にかかるバックライト装置の要部構成を示す平面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、上記上側領域及び下側領域に代えて、発光ダイオードの設置領域として上部領域、中間部領域、及び下部領域の三つの領域を設定するとともに、高光量ランク、中光量ランク、低光量ランクに予め振り分けた発光ダイオードをそれぞれ上部領域、中間部領域、及び下部領域に設置した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
[0047] すなわち、図3に例示するように、本実施形態では、導光板5の左側及び右側の各側方部において、発光ダイオード4の設置領域として、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの三箇所の領域が設定されている。これらの三箇所の領域は、第1の実施形態と同様に、駆動制御回路10の温度上昇分を含んだ液晶表示装置1の使用時での温度分布を用いて定められており、互いに異なる箇所に設定されている。つまり、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dは、液晶表示装置1の使用時において、鉛直方向の上側から下側に向かう方向(重力の作用方向)に沿って配置される領域であり、当該液晶表示装置1の使用時での温度分布は、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの順番で高い温度となることが予め把握されている。すなわち、液晶表示装置1の使用時においては、上部領域Uでの温度が下側の設置領域に含まれた発光ダイオード4からの熱の影響により一番高くなり、次いで中間部領域Mでの温度が高く、下部領域Dでの温度が最も低いことが予め判別されて、温度分布が互いに異なる発光ダイオード4の設置領域として設定されている。尚、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの全体での具体的な温度差は、10?15℃程度である。
[0048] また、本実施形態では、複数の発光ダイオード4は予め測定された光量の測定結果に基づいて、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの三つのいずれかの光量ランクに予め振り分けられている。具体的にいえば、例えば赤色の発光ダイオード4rでは、35ルーメン及び31.5(=35×0.9)ルーメンをそれぞれ第1及び第2のしきい値として用いられている。そして、発光ダイオード4rでは、測定値が35ルーメン以上である場合には、高光量ランクに振り分けられている。また、測定値が31.5ルーメン以上で35ルーメン未満である場合には、中光量ランクに振り分けられ、測定値が31.5ルーメン未満である場合には、低光量ランクに振り分けられている。
[0049] また、本実施形態では、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4がそれぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに設置されている。つまり、図3に例示するように、RGBの各発光ダイオード4r、4g、4bにおいて、高光量ランクに振り分けられた各発光ダイオード4r、4g、4bが左側及び右側の各側方部の上部領域Uに配置されている。また、左側及び右側の各側方部の中間部領域Mには、中光量ランクに振り分けられた各発光ダイオード4r、4g、4bが配置され、左側及び右側の各側方部の下部領域Dには、低光量ランクに振り分けられた各発光ダイオード4r、4g、4bが配置されている。
[0050] 以上のように構成された本実施形態では、液晶表示装置1の使用時での温度分布が互いに異なる上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dが発光ダイオード4の設置領域として設定されている。また、複数の発光ダイオード4では、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクのいずれかの光量ランクに予め振り分けられており、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4は、それぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに配置されている。これにより、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、発光ダイオード4の設置数を増加させるときでも、上記照明光に全体的な輝度ムラが発生するのを防ぐことが可能なバックライト装置2を構成することができ、液晶パネル(表示部)3の高輝度化及び大画面化を図ったときでも、表示性能に優れた液晶表示装置1を容易に構成することができる。」(段落[0046]?[0050])

上記の(ア)?(オ)の記載事項及び刊行物1の図1?4から、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
「液晶パネル3と、
光源としての複数の発光ダイオード4と、複数の各発光ダイオード4からの光が導入される導光板5とを備えており、導光板5から液晶パネル3側に平面状の照明光を照射するようになっている、バックライト装置2とが透過型の液晶表示装置1として一体化され、
導光板5の左側及び右側の各側方部において、発光ダイオード4の設置領域として、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの三箇所の領域が設定され、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4がそれぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに設置され、
上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dは、液晶表示装置1の使用時において、鉛直方向の上側から下側に向かう方向に沿って配置され、温度分布は、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの順番で高い温度となり、照明光に全体的な輝度ムラが発生するのを防ぐ、液晶表示装置1。」

2.刊行物2記載の事項
刊行物2には、図1?7と共に、次の事項が記載されている。
(カ)「【0001】
本発明は、LEDを用いた照明器具に関するものである。」(段落【0001】)
(キ)「【0004】
上記構成の照明器具では、高出力のLED31を用いているため、LED31への投入電力が大きく、そのためLED31の発熱が増大していた。ここで、明るさを均一にするために、図7に示すように複数のLED31を略一定の間隔でプリント配線板30に配置した場合、空気層に熱が逃げやすい周辺部に比べて、中央部は周りに配置された他のLED31の温度の影響を受けて温度が上昇しやすく、その結果中央部に配置されたLED31の発光効率が低下して、輝度むらが発生するという問題があった。」(段落【0004】)
(ク)「【0032】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図5(a)(b)に基づいて説明する。上述の実施形態1では、取付基板2の他方の主表面2bを、取付基板2の中心位置から外周部へ行くほど厚み寸法が厚くなるような凹曲面に形成しているのに対して、本実施形態では他方の主表面2bを、一方の主表面2aに対して所定角度傾斜するような傾斜面に形成してある。この主表面2bには、傾斜方向に沿って延びる複数の突壁21が略一定の間隔を開けて突設してあり、隣接する突壁21の間に傾斜方向に沿って延びる溝22が複数形成される。尚、主表面2bの形状以外は実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
ここで、図5(a)に示すように、取付基板2における一方の主表面2aの法線方向が鉛直方向と直交し、且つ、鉛直上側ほど取付基板2の厚みが厚くなるように、取付基板2を配置した場合、下側のLEDモジュール1の発熱によって上側のLEDモジュール1ほど温度上昇が大きくなるが、取付基板2の厚みは上側ほど厚くなっているので、上側のLEDモジュール1ほど放熱性が高くなって温度上昇が低減されるから、温度上昇による発光効率の低下が抑制されて、照明器具の輝度を均一にすることができる。また、主表面2bには傾斜方向に沿って延びる突壁21が複数突設され、隣接する突壁21の間に傾斜方向に沿って延びる溝22が形成されるので、溝22内部を空気が通過することによって空気の流れが整流され、空気の対流が起きやすくなり、放熱性を向上させることができる。尚、図5中の矢印は空気の流れを示している。」(段落【0032】?【0033】)
(ケ)「【0038】
なお、上述した実施形態1、2の照明器具において、本実施形態と同様に円環部24と芯部25とを結合して取付基板2を形成し、芯部25の材料を円環部24に比べて放熱性又は輻射性の内少なくとも何れか一方が高い材料を用いても良く、中央部のLEDモジュール1の温度上昇を抑制し、取付基板2における熱分布を均一にできる。」(段落【0038】)

第4 当審の判断
本願発明と刊行物1記載の発明とを対比する。
(a)刊行物1記載の発明は、「導光板5の左側及び右側の各側方部において、発光ダイオード4の設置領域として、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの三箇所の領域が設定され、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4がそれぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに設置され」るから、「複数の発光ダイオード4」は、導光板5の左側及び右側の各側方部において設置されているといえる。
(b)光路についてみると、刊行物1記載の発明では、導光板5の左側及び右側の各側方部において設置されている「複数の発光ダイオード4からの光」は、「導光板5」に「導入され」、「導光板5から液晶パネル3側に平面状の照明光を照射する」(本願の明細の段落【0026】にも同様のことが記載されている。)。刊行物1記載の発明の「複数の発光ダイオード4」は、「導光板5」と共に「バックライト装置2」を構成しているので、本願発明の「複数のLEDから成るLEDバックライト」に相当するといえる。そうすると、刊行物1記載の発明は、本願発明の「液晶パネルの背面側に配置され、前記液晶パネルを背面側から照明する複数のLED」の構成を備えているといえる。
(c)導光板と液晶パネルとの関係について、一般的には、導光板からの光で液晶パネルが均一に照らされるように、ほぼ同じ平面形状の寸法とするのが技術常識といえるし、刊行物1の図2及び図4にも、導光板5と液晶パネル3とがほぼ同じ平面形状の寸法であることが示唆されているので、刊行物1記載の発明についても同様のことが該当するといえる。
(d)刊行物1記載の発明の「複数の発光ダイオード4」は、導光板5の左側及び右側の各側方部において設置されているから、導光板5とほぼ同じ平面形状の寸法である液晶パネル3に対しても同様に左側及び右側の各側方部において設置されているといえるので、刊行物1記載の発明は、本願発明の「複数のLEDは、前記液晶パネルの側辺に沿うように配置されて」いる構成を備えているといえる。
(e)刊行物1記載の発明の「液晶パネル3」及び「液晶表示装置1」は、それぞれ、本願発明の「液晶パネル」及び「液晶表示装置」に相当する。
(f)上記(b)、(d)及び(e)から、刊行物1記載の発明と本願発明とは、「液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に配置され、前記液晶パネルを背面側から照明する複数のLEDから成るLEDバックライトと、を備えた液晶表示装置であって、前記複数のLEDは、前記液晶パネルの側辺に沿うように配置されている液晶表示装置」の限度で共通しているといえる。

以上から、本願発明と刊行物1記載の発明とは、以下の一致点で一致し、また、相違点で相違する。
<一致点>
「液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面側に配置され、前記液晶パネルを背面側から照明する複数のLEDから成るLEDバックライトと、を備えた液晶表示装置であって、
前記複数のLEDは、前記液晶パネルの側辺に沿うように配置されている液晶表示装置。」
<相違点>
本願発明では、「前記液晶パネルの側辺の上部に配置されたLED群は、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群と発光効率が同一で、かつ、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群よりも耐熱性が高いものとなっている」のに対して、刊行物1記載の発明では、「導光板5の左側及び右側の各側方部において、発光ダイオード4の設置領域として、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの三箇所の領域が設定され、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4がそれぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに設置され、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dは、液晶表示装置1の使用時において、鉛直方向の上側から下側に向かう方向に沿って配置され、温度分布は、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの順番で高い温度となり、照明光に全体的な輝度ムラが発生するのを防ぐ」ように構成されている点。

以下、相違点について検討する。
<相違点について>
(1)刊行物1記載の発明の「導光板5の左側及び右側の各側方部において、発光ダイオード4の設置領域として、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの三箇所の領域が設定され、高光量ランク、中光量ランク、及び低光量ランクの発光ダイオード4がそれぞれ上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dに設置され、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dは、液晶表示装置1の使用時において、鉛直方向の上側から下側に向かう方向に沿って配置され、温度分布は、上部領域U、中間部領域M、及び下部領域Dの順番で高い温度となり、照明光に全体的な輝度ムラが発生するのを防ぐ」という構成は、上記の第3 1.(エ)の記載事項に照らせば、「照明において全体的な輝度ムラが発生するのを防ぐために、温度上昇によるLEDの発光効率の低下を予め見越して鉛直方向領域の温度上昇が大きい領域ほど高光量ランクのLEDを採用する」ことを意味しているといえる。
(2)刊行物2について、上記の第3 2.(カ)、(ク)の「下側のLEDモジュール1の発熱によって上側のLEDモジュール1ほど温度上昇が大きくなるが、取付基板2の厚みは上側ほど厚くなっているので、上側のLEDモジュール1ほど放熱性が高くなって温度上昇が低減されるから、温度上昇による発光効率の低下が抑制されて、照明器具の輝度を均一にすることができる。」という記載事項及び図5を参照すると、刊行物2には、「鉛直方向に複数のLEDが配設された照明装置において、照明の輝度を均一にするために、温度上昇が大きい領域であってもLEDの発光効率が低下しないように、上側のLEDほどより放熱性を高くすることで温度上昇を低減する」技術が記載されているものと認められる。
(3)ここで、本願発明における「耐熱性が高いもの」の意義についてみると、本願明細書の段落【0027】には、「耐熱性が高いLEDとしては、例えば、放熱性の高いセラミック・パッケージや放熱性の高い樹脂パッケージを採用したもの、放熱性に優れた端子形状を採用したもの、これらを組み合わせたものを用いることができる。」と記載されており、「耐熱性が高いLED」の例として、「放熱性の高いもの」が示されているので、本願発明の「耐熱性が高いもの」には、LEDの放熱性を高くする構成が含まれると解される。
(4)上記の(1)及び(2)の事項と共に、第3 1.(ア)、(イ)及び(オ)の段落[0050]並びに第3 2.(キ)及び(ク)の記載事項を併せて参酌すると、刊行物1記載の発明と刊行物2に記載の技術とは、技術分野に加えて、複数のLEDが上下方向に配置された照明において、LEDの発熱による温度上昇による上下方向の領域での輝度むらを解消して、照明全体の輝度を均一にするという解決しようとする課題が共通するから、刊行物1記載の発明に刊行物2に記載の技術を適用して、その課題解決のための具体的な手段として、刊行物1記載の発明の「温度上昇によるLEDの発光効率の低下を予め見越して鉛直方向領域の温度上昇が大きい領域ほど高光量ランクのLEDを採用する」ことに代えて、刊行物2に記載の「温度上昇が大きい領域であってもLEDの発光効率が低下しないように、上側のLEDほどより放熱性を高くすることで温度上昇を低減する」技術を採用して、刊行物1記載の発明において、「前記液晶パネルの側辺の上部に配置されたLED群は、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群と発光効率が同一で、かつ、前記液晶パネルの側辺の下部に配置されたLED群よりも放熱性が高いもの」とすることは、当業者にとって格別に困難なことではない。
<作用効果について>
本願発明の奏する作用効果は、刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術から予測される範囲内のものにすぎず、格別に顕著な作用効果ということはできない。
<審判請求書における主張について>
審判請求書の【本願発明が特許されるべき理由】3.本願発明と引用文献との対比において、請求人は、『本願明細書の段落「0027」には、「・・・耐熱性が高いLEDとしては、例えば、放熱性の高いセラミック・パッケージや放熱性の高い樹脂パッケージを採用したもの、放熱性に優れた端子形状を採用したもの、これらを組み合わせたものを用いることができる。」と記載されているが、耐熱性が高いLEDの例示として、耐熱性があり、かつ放熱性を有するものを記載したのであって、放熱性を有するものが耐熱性を有することを記載したのではない。』と主張するが、 上記の<相違点について>(3)で述べたとおり、本願発明の「耐熱性が高いもの」には、LEDの放熱性を高くする構成が含まれると解されるから、上記の主張を採用することはできない。

第5 むすび
この出願の請求項1に係る発明(本願発明)は、その出願前日本国内において頒布された刊行物1記載の発明及び刊行物2に記載された技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の請求項2に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-01 
結審通知日 2015-06-02 
審決日 2015-07-03 
出願番号 特願2010-28317(P2010-28317)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 栗山 卓也  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 島田 信一
出口 昌哉
発明の名称 液晶表示装置  
代理人 特許業務法人ゆうあい特許事務所  

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