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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61B |
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管理番号 | 1304668 |
審判番号 | 不服2013-16863 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-09-02 |
確定日 | 2015-08-19 |
事件の表示 | 特願2001-573400「動きのアーティファクトを自動補正する方法およびシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月11日国際公開、WO01/75798、平成15年11月25日国内公表、特表2003-534837〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本願は、2001年3月15日(パリ条約による優先権主張、2000年4月4日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成25年5月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月2日に審判請求がなされたものである。 その後、平成26年8月26日付けで当審による拒絶理由の通知がなされ、それに対して平成27年2月26日に意見書及び手続補正書が提出された。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成27年2月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。 「飛越し走査方式のライブビデオ画像における動きのアーティファクトを自動補正するための機器の作動方法であって、 前記機器が、録画用カメラと、第1および第2のフィルターと、ビデオモニターとを含み、 前記機器の作動方法が、 前記カメラの作動によって、第1ラスターフィールドと飛越し走査された第2ラスターフィールドとを有している、飛越し走査方式のビデオ画像の完全なフレームを捕捉し、 前記第1フィルターの作動によって、前記カメラの動きを自動的に補正し、 前記カメラによって対象物の動きが録画されたときに、前記第2フィルターの作動によって、前記対象物の動きを自動的に補正し、 さらに、 前記ビデオモニターの作動によって、前記カメラの動きおよび前記対象物の動きの補正ずみ画像を表示する ことを含んでいる機器の作動方法。」 第3 引用刊行物 1.引用文献1 当審の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平5-108827号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。 (1)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、画像間の相関演算を行なう画像相関演算装置に関する。 【0002】 【従来の技術】画像の相関演算は画像を扱う様々な用途に於いて重要な処理である。例えば、パターン認識及びパターン分類に於いて相関演算は基本的処理となるが、これは工業や農林水産業等に於ける自動工程、医療に於ける診断支援、OA機器に於ける文書入力や図面入力、さらには軍事産業に於ける自動照準、等、多方面にわたって応用が考えられる。また、航空写真からの等高線作成等に利用されるステレオ画像計測や、手持ち型ムービーカメラの像ブレ補正あるいは動画像データ圧縮のための動き検出、等の画像処理に対しても重要な技術となっている。」 (2)「【0018】即ち、本発明では、相関演算の精度を上げるために、相関演算を行なう領域のサイズを最初大きくとって対応点を求め、次に、この求めた対応点を中心に領域サイズを小さく設定し再び相関演算を行なうという操作を繰り返す方法を用いる。その際に、領域サイズを変更しても間引きサンプリングをすることにより、相関演算を行なう画像の画素数は一定にする。」 (3)「【0022】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。先ず、第1実施例として、ムービーカメラ等に於いて、手ぶれ等が原因となっておこる像ブレを補正する回路に応用した場合につき説明する。像ブレ補正は、基本的に、動きベクトル検出と出力画像のアドレス補正との2ステップの処理で構成されるが、本発明の相関演算は、最初の動きベクトル検出のステップに応用される。つまり、動きベクトルの検出は、連続する2フレーム画像(フィールドでも良い)間の対象物の像の相対的位置関係を調べることにより行なわれるが、その際に相関演算が応用される。 【0023】図1は、本第1実施例のブロック構成図である。光学結像系(図示せず)により入力された光学像は、CMDカメラ10により電気信号に変換され、アナログ/ディジタル(A/D)変換器12によってディジタル画像信号に変換されて、相関演算回路14に入力される。即ち、CMDカメラ10の受光部に設けられているCMD撮像素子では、入力光強度に応じて電荷が蓄積されるが、同時に所定の画素値が非破壊読み出しされ、A/D変換器12を介して相関演算回路14に入力される。CMD撮像素子に対する画素値読み出し法については後述する。 【0024】一方、相関演算のリファレンス画像となる現入力時よりも1フレーム前の画像は、メモリ16に記録されており、CPU18からの指令信号により制御される第1アドレス発生回路20から出力されるアドレス値により所定の画素値が読み出され、相関演算器14に入力される。相関演算回路14では、再入力画像の相関演算が実行され、その結果はCPU18に転送される。以上の構成により、本発明に基づく相関演算が実行され、連続する2フレーム画像の相対的位置ずれ量、つまり動きベクトルが検出される。 【0025】次に、検出された動きベクトルを基に補正アドレスを発生すべく、CPU18からの制御信号が第2アドレス発生回路22に送られる。第2アドレス発生回路22では、画像のブレを補正するようなアドレスが発生されて、第1フレームメモリ24_(1 )に送られる。第1フレームメモリ24_(1 )では、CMDカメラ10から読み出されA/D変換器12及び第1セレクタ26を介して転送されてきた画像信号が、第2アドレス発生回路22により発生された補正アドレスに基づいて記録される。 【0026】ここで、第1フレームメモリ24_(1 )に画像信号の書き込みが行われている間は、第2フレームメモリ24_(2 )に記録されてある画像信号が、第2セレクタ28を介して映像出力され、不図示のTVモニタへの表示やビデオレコーダでの録画が行われる。そして、次のフレーム時間では、書き込みと読み出しの領域が交替される。」 (4)「【0029】次に、1フレーム(あるいはフィールド)画像を読み出す構成について述べる。垂直シフトレジスタ44は、スタートクロック端子46にスタートパルスφ_(Vst )が入力されると、K(K=1?m)行の電圧をK=1から順番にK=mまで順次“ON”にする。各列が選択される毎に、水平シフトレジスタ48は、スタートクロック端子50にスタートパルスφ_(Hst )が入力され、列のスイッチ52_(L )(L=1?n)がL=1から順番にL=nまで順次“ON”となり、読み出された画素信号はアンプ54により増幅されて出力端56より出力される。スタートパルスφ_(Hst )及びクロック信号φ_(Vst )は、出力される信号列がラスタースキャンに適合するように設定される。このようにして、1フレーム画像が読み出し期間内に読み出される。」 (5)「【0033】以上のように、本発明による相関演算装置を像ブレ補正処理装置に応用することにより、少ない演算量で精度の高い相対的位置関係の検出が可能となるため、より正確な像ブレ補正を動画に対応した速度で行なうことが可能となり、装置構成も簡便にすることができる。また、撮像素子としてCMD素子を用いることにより、露光時間中に任意のアドレスの画素値を高速に非破壊読み出しすることが可能になり、装置構成上メモリを節約することができ、またアドレスを補正した画像を少ないディレイで出力することが可能となる。」 (6)「【図1】 」 2.引用発明 これらの記載事項を含む引用文献1全体の記載及び当業者の技術常識を総合すれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「ムービーカメラ等に於いて、手ぶれ等が原因となっておこる像ブレを補正する回路を有し、像ブレ補正は、動きベクトル検出と出力画像のアドレス補正との2ステップの処理で構成され、最初の動きベクトル検出のステップに相関演算が用いられ、つまり、動きベクトルの検出は、連続する2ラスターフィールド画像間の対象物の像の相対的位置関係を調べることに相関演算が用いられ、 画像信号が映像出力され、TVモニタへの表示やビデオレコーダでの録画が行われる、 機器の作動方法。」 第4 対比・判断 1.対比 本願発明と、上記引用発明を対比する。 (1)引用発明は「連続する2ラスターフィールド」を有するから、当業者の技術常識に照らして、本願発明と同様に「飛越し走査方式」に関するものである。 また、引用発明は「ムービーカメラ等に」関するものであるから、その画像は、本願発明と同様に「ライブビデオ画像」である。 したがって、引用発明の「手ぶれ等が原因となっておこる像ブレ」は本願発明の「カメラの動き」に由来する「動きのアーティファクト」に相当する。 そして、引用発明は「像ブレを補正する回路を有」するから、本願発明と引用発明は、ともに「動きのアーティファクトを自動補正するための機器の作動方法」である点で共通する。 (2)引用発明の「ムービーカメラ」及び「TVモニタ」は、それぞれ本願発明の「録画用カメラ」及び「ビデオモニター」に相当する。 (3)当業者の技術常識に照らして、引用発明が本願発明と同様に「第1ラスターフィールドと飛越し走査された第2ラスターフィールドとを有している」ことは明らかであり、「カメラの作動によって」、「飛越し走査方式のビデオ画像の完全なフレームを捕捉」することも自明である。 (4)上記(1)から明らかなとおり、引用発明は「カメラの動きを自動的に補正」している。 (5)引用発明の「画像信号が映像出力され、TVモニタへの表示」が行われる構成は、本願発明の「ビデオモニターの作動によって、カメラの動きの補正ずみ画像を表示する」構成に相当する。 以上のことから、両者は、 「飛越し走査方式のライブビデオ画像における動きのアーティファクトを自動補正するための機器の作動方法であって、 前記機器が、録画用カメラと、ビデオモニターとを含み、 前記機器の作動方法が、 前記カメラの作動によって、第1ラスターフィールドと飛越し走査された第2ラスターフィールドとを有している、飛越し走査方式のビデオ画像の完全なフレームを捕捉し、 前記カメラの動きを自動的に補正し、 さらに、 前記ビデオモニターの作動によって、前記カメラの動きの補正ずみ画像を表示する ことを含んでいる機器の作動方法。」 の点で一致し、以下の各点で相違している。 (相違点1) 本願発明が機器として「第1フィルター」を有し、当該第1フィルターの作動によってカメラの動きを自動的に補正しているのに対して、引用発明がそのようなフィルターを有するかどうか不明な点。 (相違点2) 本願発明が機器として「第2フィルター」を有し、「カメラによって対象物の動きが録画されたときに、前記第2フィルターの作動によって、前記対象物の動きを自動的に補正し」「対象物の動きの補正ずみ画像を表示する」のに対して、引用発明はそのような構成を有さない点。 2.判断 上記各相違点について検討する。 (1)相違点に係る構成の「第1フィルター」及び「第2フィルター」について 本願発明における「第1フィルター」及び「第2フィルター」の指し示す技術的意味は、必ずしも明確とはいえないため、相違点の対比にあたり本願明細書及び図面を参酌する。 本願明細書には以下の記載がある(当審注:下線は当審で付与)。 (a)「【0035】 図5にいっそう詳しく示されたように、カメラの動きの自動補正405と対象物の局部的動きの自動補正406とが、図1に示された実施態様の自動動き補正(AMC)フィルター109によって作動可能にされる。カメラの動きと対象物の局部的動きとの両方についての自動補正は、以下に説明される。」 (b)「【0037】 この発明の方法およびシステムによって実行された第1自動動き補正はカメラの動きのものである。図6には、カメラの動きによって生じた線状アーティファクトによる画像のゆがみが示されている。カメラの動きの補正は、偶数フィールドか奇数フィールドかのいずれか一方の第1ラスターフィールドについて、捕捉フレームにおいて第1ラスターフィールドに補完的であるフィールドである第2ラスターフィールドに対する自己相関を実行することによって達成される。この自己相関関数は「動きベクトル」に帰するものである。「ダイオニックス(Dyonics 登録商標)ビジョン 625」システムを使えば、図5における関数「動きベクトルの測定」502を実行することによって自己相関動きベクトルが演算される。「動きベクトルの測定」502によって、変数表から2つの値であるゆがみX(SkewX)およびゆがみY(SkewY)が出力される。時間を節約するために、そのアルゴリズムでは、反復検索、すなわち、3×3の畳み込みを最小化することが用いられる。最適な組み合わせが見つかるまで、あるいは第1ラスターが第2ラスターからずれている所定数の画素よりも大きいことが判定されるまで、新しい位置を検索するために、3×3の結果行列の最良適合位置が用いられる。この所定数は、10?20画素の範囲内にあるのが好ましく、この例では15画素である。 【0038】 「動きベクトルの測定」502は、1つのサブルーチンで「畳み込み」503と称される。この「畳み込み」の目的は、最適な自己相関箇所についての先の検索においてすでに実行された演算の複製を省くために、連続的な演算の結果をセーブすることである。一般に、「At巻き込み」(ConvolveAt)とは、一方のラスターにおけるそれぞれの試験画素の、他方のラスターにおける参照画素に対する適合度の質を示すさまざまなX箇所およびY箇所のそれぞれについての単一数を創造することによって、2つの画像を比較する数学的技法である。 【0039】 この発明において、「At巻き込み」には、指定されたずれについての奇数ラスターと偶数ラスターとの間におけるすべての画素の差が巻き込まれている。指定されたずれがXおよびYの両方についてゼロであるときには、両方のラスターにおける同じ画素どうしが互いに比較される。そのずれがXについて1であり、 Yについて0であるときには、奇数ラスターにおける同じ画素の右側に位置する偶数ラスター画素が比較される。「At巻き込み」における畳み込みによって、指定されたずれでラスターどうしの間における差の2乗の合計が測定される。奇数ラスターと偶数ラスターとの間における最適な自己相関は、2つのラスターどうしの間における最小差を創造するXおよびYの値である。試験画像を参照画像に対して移動させるための最適自己相関箇所を決定すれば、畳み込みによって、全フレーム画像が可能になるような鮮明な画像が作り出される。それにもかかわらず、この箇所には、局部的アーティファクトによる2つのラスターフィールドどうしの間における画像差がまだ存在している。 【0040】 次のアルゴリズムは、第1ラスターフィールドの第2ラスターフィールドに対する自己相関に使われる。しかしながら、当業者に明らかなように、この発明における自動動き補正の方法およびシステムは、このような畳み込み法によらない用途にも容易に利用することができる。」 (c)「【0046】 カメラの動きの自動動き補正を遂行するために、人間の眼にとって実質的に透明な中間フレームが作り出される。図7には、カメラの動きによる線状アーティファクトの自動補正の後における図6の画像が示されている。この中間フレームには、第2ラスターフィールドを複製し、次いで、合成されたものをその自己相関の中へ配置することによって作り出された合成的第1ラスターフィールドのあるラスターが備わっている。この発明の方法およびシステムについてのある実施態様では、「ダイオニックス(Dyonics 登録商標)ビジョン 625」システムを用いれば、図5に示されたような「偶数フィールドの移動と奇数フィールドへの重ね合わせ」関数504を自動的に実行させることによって、そのような合成的フィールドが作り出されるとともに、それが相関位置へ配置される。関数「偶数フィールドの移動と奇数フィールドへの重ね合わせ」504によって、関数「動きベクトルの測定」502で決定されたずれで、NTSCフレームにおける偶数フィールドが置換される。次のアルゴリズムは、合成的フィールドのあるラスターを創造する方法に使われる。」 (d)「【0052】 「アーティファクトの位置決め」505には、「差」におけるハーフハイトのグレースケール画像を創造するために、NTSC画像すなわち「色ラスター」が含まれる。次のアルゴリズムは、対象物動きマップを演算する方法に使われる。」 (e)「【0055】 好ましくない画素を除去するとともに影響を受けた領域における実際の細部を依然として保存することによって、局部的な動きのアーティファクトについて補正するために、対象物動きマップが演算された後に2値対象物動き位置決めマップが作り出される。この発明の方法およびシステムでは、例えば「ダイオニックス(Dyonics 登録商標)ビジョン 625」システムの実施態様を用いれば、関数「大量除去」506(図5)によって2値対象物動き位置決めマップが作り出される。関数「大量除去」506は、グレースケール画像「マップ」におけるそれぞれの画素を、多数の画像で試してみることによって決定されたしきい値差と比較するものである。「アーティファクトの位置決め」505における畳み込み核を用いる実際の用途では、約20?約150IRE輝度単位、好ましくは40?100単位の箇所であればどこでも、良好に機能する。このましい最終平均しきい値差は80IRE単位である。 【0056】 「大量除去」506によって、対象物動きマップにおける2値大量除去が行なわれて、多い画像細部に由来するヘアーライン信号が除去される。大量除去によって好ましくない画素が1つずつ除去されるが、この大量除去は、しきい値を超える隣接画素の数をまず合計することによって行なわれる。もし、対象物動きマップの中で4つ以上の隣接画素がしきい値よりも大きいときには、その画素は除去しない。もし、対象物動きマップの中で3つ以下の隣接画素がしきい値よりも大きいときには、その画素は除去する。このような次第なので、局部的な細部は保存され、一方、外科用具あるいは患者の動きによって生じた動きのアーティファクトは補正される。次のアルゴリズムは、2値対象物動き位置決めマップを創造するために、大量除去の方法に使われる。」 これらの記載を参酌すれば、本願発明における「第1フィルター」及び「第2フィルター」とは、それぞれ、カメラの動き及び対象物の動きを補正する「機能」や「作用」そのものを指し示すものであると認められ、それらは、例えば周知のシステムや、アルゴリズムを含むものであると解される。 (2)相違点1について してみると、引用発明の「手ぶれ等が原因となっておこる像ブレを補正する回路」は本願発明の第1フィルターに相当する。 したがって、上記相違点1は実質的に相違点ではない。 (3)相違点2について 第1ラスターフィールドと飛越し走査された第2ラスターフィールドとを有している飛越し走査方式のビデオ画像において、カメラの動きだけではなく「対象物の動き」も動きのアーティファクトの要因となることは、本願の優先日時点で、当該技術分野における周知の事実である。 したがって、引用発明において、動きのアーティファクトを補正するために対象物の動きも自動的に補正しようとすることは、用途などの必要に応じて当業者が十分動機付けられる事項である。 また、引用発明にそのような補正を付加することに、格別の技術的困難性も阻害要因もない。 そして、引用発明でTVモニタへ表示される映像は補正されたものであるから、対象物の動きを、ビデオレコーダに録画を行う時に補正することを避ける特段の理由はない。 引用発明に対象物の動きに対する補正を付加した場合に、引用発明が本願発明の「第2フィルター」に相当する構成を含むことになるのは、上記(相違点1について)で述べたとおり、明らかである。 してみると、引用発明に上記相違点2に係る構成を採用することは、当業者が容易になしうる事項である。 (4)作用・効果について そして、本願発明の作用・効果も、引用発明及び周知技術から、当業者が予測しうる範囲のものであって、格別なものではない。 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-03-17 |
結審通知日 | 2015-03-24 |
審決日 | 2015-04-06 |
出願番号 | 特願2001-573400(P2001-573400) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A61B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 昭治 |
特許庁審判長 |
尾崎 淳史 |
特許庁審判官 |
右▲高▼ 孝幸 神 悦彦 |
発明の名称 | 動きのアーティファクトを自動補正する方法およびシステム |
代理人 | 野河 信太郎 |