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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G10L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G10L
管理番号 1304688
審判番号 不服2014-10601  
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-04 
確定日 2015-08-19 
事件の表示 特願2011-518646「オーディオ又は音声信号の復号化方法とその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 1月21日国際公開、WO2010/008185、平成23年11月10日国内公表、特表2011-528135〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は,平成21年7月14日(パリ条約による優先権主張 2008年7月14日 韓国)を国際出願日とする出願であって,平成25年5月27日付け拒絶理由通知に対して同年12月4日付けで意見書を提出するとともに手続補正がなされたが,平成26年1月30日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年6月4日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに,同日付で手続補正がされたものである。

2.平成26年6月4日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成26年6月4日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)本願補正発明

本件補正は,特許請求の範囲の請求項1を補正前の
「ビットストリームに含まれた時間領域符号化又は周波数領域符号化に関する情報に基づいて、現在のフレームの信号が高周波数分解能信号又は高時間分解能信号であるかを決定する分解能判断部と、
前記分解能判断部において、前記信号が前記高周波数分解能信号であると決定した場合、前記現在のプレームの信号を無損失復号化及び逆量子化する逆量子化部と、
前記分解能判断部によって、前記信号が前記高時間分解能信号であると決定した場合、前記現在のフレームの信号を、逆線形予測を用いて復元する時間領域復号化部と、
前記時間領域復号化部の出力信号と前記逆量子化部の出力信号のうち少なくとも一つを、時間領域のオーディオ又は音声信号に逆変換する逆信号変換部と、
前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部と、を含むことを特徴とするオーディオ又は音声信号の復号化装置。」から,

補正後の
「ビットストリームに含まれた時間領域符号化又は周波数領域符号化に関する情報に基づいて、現在のフレームの信号が高周波数分解能信号又は高時間分解能信号であるかを決定する分解能判断部と、
前記分解能判断部において、前記信号が前記高周波数分解能信号であると決定した場合、前記現在のフレームの信号を算術復号化及び逆量子化する逆量子化部と、
前記分解能判断部によって、前記信号が前記高時間分解能信号であると決定した場合、前記現在のフレームの信号を、少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する時間領域復号化部と、
前記時間領域復号化部の出力信号と前記逆量子化部の出力信号のうち少なくとも一つを、時間領域のオーディオ又は音声信号に逆変換する逆信号変換部と、
前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部と、を含むことを特徴とするオーディオ又は音声信号の復号化装置。」
(以下,本願補正発明,という)に補正しようとする補正を含むものである。

上記補正のうち,「現在のプレーム」を「現在のフレーム」とする補正は、誤記の訂正にあたるものと認められる。また、補正前の「無損失復号化」を「算術復号化」とする補正、及び「逆線形予測を用いて復元する」を「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」とする補正は、いずれも補正前の「無損失復号化」、「逆線形予測を用いて復元する」を限定するものであるから,特許請求の範囲を減縮するものであって,特許請求の範囲の限定的減縮に該当する。

そこで,本願補正発明が,独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に適合するか)について,以下において判断する。

(3)本願補正発明の進歩性の判断
(3-1)引用例の記載
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-4710号公報(以下,「引用例1」という。)には,図面と共に,以下の記載がある。(なお、下線は当審が付した。以下同様。)

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声信号や音楽信号などのオーディオ信号に対して、直交変換等の手法を用いて、時間領域から周波数領域に変換した信号を、より少ない符号化列で符号化することにより情報を圧縮する符号化方法と、符号化列を入力として情報を伸長し、オーディオ信号を得る復号化方法に関するものである。」

(イ)「【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における符号化装置および復号化装置について、図面(図1?図20)を用いて説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における符号化装置200の構成を示すブロック図である。符号化装置200は、時間軸上で表されるオーディオ入力信号の時間特性を抽出し、抽出された時間特性に基づいて、周波数スペクトルの一部を時間領域の信号に部分的に変換して符号化する符号化装置であって、時間‐周波数変換部201、周波数特性抽出部202、時間特性抽出部203、時間変換部204および符号化列生成部205を備える。
【0012】
時間-周波数変換部201は、オーディオ入力信号を、ある時間間隔ごとに時間軸上の離散信号から周波数スペクトル情報に変換する。より具体的には、時間‐周波数変換部201は、時間領域のオーディオ信号を、例えば、1フレーム(1024サンプル)を単位として一度に変換し、変換結果としては、1024サンプルの周波数スペクトル係数などを生成する。時間‐周波数変換としてはMDCT変換などが用いられ、変換結果としてはMDCT係数などがあげられる。このうち、時間特性抽出部203によって特定された帯域の複数の周波数スペクトル係数を時間変換部204に出力し、それ以外の帯域の周波数スペクトル係数を周波数特性抽出部202に出力する。
【0013】
周波数特性抽出部202は、周波数スペクトルの周波数特性を抽出し、抽出した特性に基づき、周波数領域において量子化および符号化した場合に符号化効率がよくない帯域を選出し、時間‐周波数変換部201の出力である周波数スペクトルから切り出して時間変換部204に出力する。それ以外の帯域の周波数スペクトルは符号化列生成部205に入力される。
【0014】
時間特性抽出部203は、オーディオ入力信号の時間的特性を調べ、符号化列生成部205における量子化の際に時間分解能を優先すべきか周波数分解能を優先すべきかを判定し、時間分解能を優先すべきと判定された周波数帯域を特定する。時間変換部204は、時間分解能を優先すべきと判定された帯域の周波数スペクトルおよび周波数特性抽出部202によって選出された帯域の周波数スペクトルを、完全に可逆な変換式を用いて、周波数スペクトル係数の時間変化として表される時間周波数信号に変換する。
【0015】
符号化列生成部205は、結果的に、時間-周波数変換部201から入力される周波数スペクトルと時間変換部204から入力される時間周波数信号とを量子化した後、符号化する。さらに、符号化列生成部205は、符号化された符号化データにヘッダなどの付加情報を付して所定のフォーマットに従う符号化列を生成し、生成された符号化列を符号化装置200の外部に出力する。
【0016】
図2は、図1に示した時間‐周波数変換部201による時間周波数変換の一例を示す図である。時間‐周波数変換部201は、例えば、図2のように、時間軸上の離散信号を、一定時間ごとに重複を許して切り出し、変換を実行する。図2では、N番目(Nは正の整数)のフレームに対し、2分の1フレームの重複を許して(N+1)番目のフレームを切り出し、変換する場合を示している。一般に、時間-周波数変換部201は、変形離散余弦変換(Modified Discrete CosineTransform)いわゆるMDCT変換によって変換を行う。しかしながら、時間-周波数変換部201による変換方法は、MDCT変換に限定されるものではなく、ポリフェーズフィルターでもよいし、フーリエ変換などでもよい。MDCT変換、ポリフェーズフィルター、フーリエ変換はいずれも当業者には公知であるので説明を省略する。
【0017】
図3(a)は、時間-周波数変換部201に入力される時間領域のオーディオ信号の図である。同図において、第Nフレームに相当する部分の信号が一度に周波数変換されるとする。図3(b)は、図3(a)に示した第Nフレームのオーディオ信号を一度に時間‐周波数変換して得られる周波数スペクトルを示す図である。同図は、縦軸に周波数、横軸にその周波数に対する周波数スペクトル係数の値をプロットしたものである。このように、第Nフレームに対する時間領域の信号は、周波数領域の信号へと変換される。図3(b)に示される周波数スペクトルは、図3(a)に示した1フレーム時間内のオーディオ信号に含まれる周波数成分の特徴を示している。
【0018】
なお、時間-周波数変換部201としてMDCT変換を用いる場合、時間領域の信号と、周波数領域の信号との実効的なサンプル数は同じとなる。実効的なサンプル数とは、MDCT変換の場合、図3(a)に示される第Nフレームのサンプル数が2048サンプルの場合、図3(b)で示される独立な周波数係数(MDCT係数)は1024サンプルである。しかしながら、MDCT変換は図2で示すように2分の1フレームずつオーバーラップするアルゴリズムであるので、図3(a)で新しく入力されるサンプル数は1024サンプルとなる。よって、図3(a)のサンプル数と図3(b)のサンプル数は情報の数としては同じと考えられ、これをもって実効的なサンプル数を1024とする。第Nフレームの実効的なサンプル数は、前記のように1024でもいいし、128などでもよいし、任意の値でよい。この値は、本発明の符号化装置200と復号化装置との間であらかじめ取り決められる。
【0019】
一方、オーディオ入力信号は、時間‐周波数変換部201以外に時間特性抽出部203へも入力される。時間特性抽出部203では、与えられたオーディオ入力信号の時間変化を調べ、オーディオ入力信号が量子化される際に、時間分解能が優先されるべきか周波数分解能が優先されるべきかを判定する。すなわち、時間特性抽出部203は、オーディオ入力信号を周波数領域で量子化すべきか、時間領域で量子化すべきかを決定する。時間領域で量子化するとは、時間領域の信号によってオーディオ入力信号の時間変化を復号化装置に伝えることを意味する。
【0020】
さらに、これは、量子化が量子化誤差をともない、その誤差値が、周波数領域で量子化を行った場合には周波数領域の一定値の範囲に留まるが、時間領域ではどのような値の範囲に分布するかを把握が困難であることに基づく。すなわち、周波数領域で量子化を行った場合には周波数分解能が高く、時間領域で量子化を行った場合には時間分解能が高くすることが可能という理由による。」

(ウ)「【0040】
図1に示した符号化列生成部205では、時間‐周波数変換部201からの出力と、上記のように変換された時間変換部204からの出力とを、量子化して符号化し、符号化列を出力する。なお、符号化列生成部205における量子化および符号化の具体的方法は、ハフマン符号化やベクトル量子化などの公知の技術を用いて行う。」

(エ)「【0043】
さらに符号化列生成部205では、時間‐周波数変換部201の出力のうち、いずれの帯域を時間変換したかを示す情報を符号化列とともに出力する。図10は、時間‐周波数変換部201の出力信号と時間変換部204によって時間変換された帯域を示す情報との対応を示す図である。同図において、縦軸は周波数、横軸は縦軸の周波数に対応する周波数スペクトル係数を示している。なお、時間‐周波数変換部201においてMDCT変換を用いた場合には、同図の周波数スペクトル係数はMDCT係数を示している。」

(オ)「【0045】
図11は、本発明の実施の形態1における復号化装置1200の構成を示すブロック図である。この復号化装置1200は、符号化装置200によって出力された符号化列を復号化し、時間分解能に優れたオーディオ信号を出力する復号化装置であって、符号化列分離部1201、時間周波数信号生成部1202、周波数変換部1203、周波数スペクトル生成部1204および周波数‐時間変換部1205を備える。
【0046】
符号化列分離部1201は、入力信号である符号化列から、「Qf」で示される帯域の符号化データと、「Qt」で示される帯域の符号化データとを分離し、「Qf」で示される帯域の符号化データを周波数スペクトル生成部1204に出力し、「Qt」で示される帯域の符号化データを時間周波数信号生成部1202に出力する。「Qf」で示される帯域の符号化データは、符号化装置200において周波数領域で量子化および符号化されたデータである。「Qt」で示される帯域の符号化データは、符号化装置200において時間領域で量子化および符号化されたデータである。
【0047】
周波数スペクトル生成部1204は、入力された符号化データを復号化し、それをさらに逆量子化して、周波数軸上の周波数スペクトルを生成する。一方、時間周波数信号生成部1202は、入力された符号化データを復号化し、それを逆量子化して、時間軸上の時間周波数信号を一時的に生成する。一時的に生成された時間周波数信号は、周波数変換部1203に入力される。周波数変換部1203は、符号化装置200の時間変換部204が用いた変換式の逆変換に相当する変換式を用いて、入力された時間周波数信号を、時間領域の周波数スペクトル係数から周波数領域の周波数スペクトル係数へと1フレームよりも少ないサンプル数を単位として変換する。このように1フレームのうちの部分的な変換結果として得られた周波数スペクトル係数には、時間周波数信号で表されていた時間変化を表す情報が反映されており、この周波数スペクトル係数は、周波数‐時間変換部1205に出力される。
【0048】
周波数‐時間変換部1205では、周波数スペクトル生成部1204と周波数変換部1203とからの出力信号である周波数領域の周波数スペクトルを周波数軸上に合成して、時間軸上のオーディオ信号へと変換する。これによって、時間周波数信号で表された時間成分を周波数スペクトル生成部1204からの出力である周波数スペクトルに反映することができ、時間分解能に優れたオーディオ信号を得ることができる。なお、周波数‐時間変換部1205では、符号化装置200でおこなった時間-周波数変換部201の逆過程である変換方法を用いる。例えば、符号化装置200の時間-周波数変換部201がMDCT変換なら、周波数‐時間変換部1205は逆MDCT変換である。このようにして得られた周波数‐時間変換部1205の出力は、例えば、電圧の離散的時間変化で表されるオーディオ出力信号となる。
【0049】
以上のように、本発明の実施の形態1の符号化装置200および復号化装置1200によれば、ある時間フレーム内のオーディオ信号を、任意の帯域について、時間領域で符号化するか周波数領域で符号化するかを選択することができる。したがって、周波数領域のみの符号化方法や、時間領域のみの符号化方法よりも、符号化の自由度が高く、かつ、効率的に符号化できる可能性がある。その結果、与えられた情報量の中で多くの情報を符号化することができ、再生されるオーディオ信号の高音質化を図ることができる。」

・上記(ア)によれば、引用例1には、音声信号や音楽信号などのオーディオ信号に対して、直交変換等の手法を用いて、時間領域から周波数領域に変換した信号を、より少ない符号化列で符号化することにより情報を圧縮する符号化方法と、符号化列を入力として情報を伸長し、オーディオ信号を得る復号化方法に関する発明が記載されている。

・上記(イ)によれば、引用例1の符号化装置は、時間‐周波数変換部、周波数特性抽出部、時間特性抽出部、時間変換部および符号化列生成部を備えるものである。
このうち、時間‐周波数変換部は、時間領域のオーディオ信号を1フレームを単位として周波数スペクトル係数を生成し、周波数特性抽出部は、周波数スペクトルの周波数特性を抽出し、抽出した特性に基づき、周波数領域において量子化および符号化した場合に符号化効率がよくない帯域を選出し、時間‐周波数変換部の出力である周波数スペクトルから切り出して時間変換部に出力し、それ以外の帯域の周波数スペクトルは符号化列生成部に入力する。
また、時間特性抽出部は、オーディオ入力信号の時間的特性を調べ、時間分解能を優先すべきと判定された周波数帯域を特定する。時間変換部は、時間分解能を優先すべきと判定された帯域の周波数スペクトルおよび周波数特性抽出部によって選出された帯域の周波数スペクトルを、時間周波数信号に変換する。
ここで、引用例1において、周波数領域で量子化を行った場合には周波数分解能が高く、時間領域で量子化を行った場合には時間分解能が高くすることが可能とされており、時間領域で量子化されたデータは、時間分解能が優先されるべきと判断されたデータであり、周波数領域で量子化されたデータは、周波数分解能が優先されるべきと判断されたデータであるといえる。

・上記(ウ)によれば、符号化列生成部は、時間‐周波数変換部の出力と、時間変換部の出力とを、量子化して符号化し、符号化列を出力するが、符号化列生成部における量子化および符号化の具体的方法は、ハフマン符号化やベクトル量子化などの公知の技術を用いて行うと記載されている。

・上記(エ)によれば、符号化列生成部は、時間‐周波数変換部の出力のうち、いずれの帯域を時間変換したかを示す情報を符号化列とともに出力するものである。

・上記(オ)によれば、引用例1の復号化装置は、上記符号化装置によって出力された符号化列を復号化することを前提として、符号化列分離部、時間周波数信号生成部、周波数変換部、周波数スペクトル生成部および周波数‐時間変換部を備えるものである。
このうち、符号化列分離部は、入力信号である符号化列から、周波数領域で量子化および符号化されたデータと、時間領域で量子化および符号化されたデータとを分離し、それぞれ、周波数スペクトル生成部と、時間周波数信号生成部に出力するが、このデータの分離は、符号化装置の符号化列生成部が出力する「いずれの帯域を時間変換したかを示す情報」に基づいて行われることは明らかである。
また、周波数スペクトル生成部は、入力された符号化データを復号化し、それをさらに逆量子化して、周波数軸上の周波数スペクトルを生成するものであり、時間周波数信号生成部は、入力された符号化データを復号化し、それを逆量子化して、時間軸上の時間周波数信号を生成するものである。

以上によれば,引用例1には,実施の形態1にかかる復号化装置として,下記の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「符号化装置によって出力された符号化列に含まれる、いずれの帯域を時間変換したかを示す情報に基づいて、1フレームを単位とした入力信号である符号化列から、周波数領域で量子化および符号化されたデータと、時間領域で量子化および符号化されたデータとを分離する符号化列分離部と、
前記符号化列分離部において、周波数領域で量子化および符号化されたデータとして分離された符号化データを復号化し、それをさらに逆量子化して、周波数軸上の周波数スペクトルを生成する周波数スペクトル生成部と、
前記符号化列分離部において、時間領域で量子化および符号化されたデータとして分離された符号化データを復号化し、それを逆量子化して、時間軸上の時間周波数信号を生成する時間周波数信号生成部と、
入力された時間周波数信号を、周波数スペクトル係数へ変換する周波数変換部と、
周波数スペクトル生成部と周波数変換部とからの出力信号を周波数軸上に合成して、時間軸上のオーディオ信号へと変換する周波数‐時間変換部と、
を含む音声信号や音楽信号などのオーディオ信号の復号化装置。」

イ 引用例2
原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-11456号公報(以下,「引用例2」という。)には,図面と共に,以下の記載がある。

(ア)「【0001】
本発明は、符号化/復号化方法及び装置に係り、より詳細には、低ビット率で効率的にデータを圧縮して高音質を提供するマルチメディア時代に適した低ビット率符号化/復号化方法及び装置に関する。」

(イ)「【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明による低ビット率復号化装置は、入力されるビットストリームについて無損失復号化して、復号化されたオーディオ信号を出力する無損失復号化部と、前記復号化されたオーディオ信号を本来サイズの信号に復元する逆量子化部と、前記逆量子化された周波数領域のオーディオ信号で前記オーディオ信号の周波数係数を増加させる周波数成分処理部と、前記周波数成分処理部から入力される周波数領域のオーディオ信号を時間領域のオーディオ信号に変換する周波数/時間変換部と、を含むことを特徴とする。」

(ウ)「【0021】
無損失符号化部130は、量子化部120から量子化されたオーディオ信号を入力されて無損失符号化した後、出力ビットストリームに出力する。無損失符号化部130で符号化する方法は、各場合についての適当な確率分布を求めて各場合についてのハフマン符号化や算術符号化等の無損失符号化方式を使用することで効率的に圧縮して符号化できる。」

(エ)「【0024】
サブバンド分割部200は、時間/周波数変換部100から入力される周波数に変換されたオーディオ信号をサブバンドに分割する。
【0025】
時間領域変換部210は、サブバンド分割部200でサブバンドに分割されたオーディオ信号を各サブバンドに該当する時間領域のオーディオ信号に変換する。
フィルタリング部220は、時間領域変換部210から入力される時間領域のオーディオ信号をフィルタリングする。例えば図3に示す通り、フィルタリング部220は、低域フィルター300と高域フィルター320とからなることが分かる。低域フィルター300は、時間領域のオーディオ信号について低周波数成分からなる基本信号を抽出し、高域フィルター320は、時間領域のオーディオ信号について高周波数成分からなる細部信号を抽出する。」

(オ)「【0066】
図13に基づいて無損失オーディオ復号化装置を説明する。ステップ1300では、受信される符号化されたビットストリームについて図5のステップ540の量子化されたオーディオ信号の無損失符号化過程の逆過程を行い、その結果として復号化されたオーディオ信号を出力する。すなわち、ステップ1300では、階層的構造を有するビットストリームで、前記階層が生成された順序によって、量子化ステップのサイズ及び各帯域に割当てされたビット率を含む付加情報及び量子化されたデータを復号化する。ここで、ステップ1300での無損失復号化方法は、算術復号化方法により復号化するか、またはハフマン復号化方法により復号化できる。」

(カ)「【0072】
ステップ1430では、ステップ1420から入力される時間領域のオーディオ信号に入っている情報が、時間領域のオーディオ信号について低周波数成分からなる基本信号であるか、または時間領域のオーディオ信号について高周波数成分からなる細部信号であるかを検出する。ここで、基本信号であるか、または細部信号であるかは、付加情報を通じて検出する。
【0073】
ステップ1440では、ステップ1430を通じて基本信号であるか、または細部信号であるかを入力されて、入力される時間領域のオーディオ信号を周波数領域に変換する。
【0074】
図15は、図13に示すステップ1340の動作の一例を示すフローチャートである。
図15に基づいてステップ1340の動作を説明する。ステップ1500では、図13のステップ1300から入力される周波数に変換されたオーディオ信号をサブバンドに分割する。
ステップ1520では、各サブバンドに分割されたオーディオ信号から代表値を抽出する。
【0075】
ステップ1540では、ステップ1520から代表値が入力されて、ステップ1500で分割されたそれぞれのサブバンドに周波数成分を補間する。図4での例に基づいて説明すると、各サブバンドで5個の周波数成分ごとに代表値を選択した場合に、各サブバンドで選択されていない4個の周波数成分を代表値として同じ値と設定できる。また、残りの4個の周波数成分を代表値との距離によって、一定間隔離れて補間する。ここで、代表値を、最大値と決めてもよく、各周波数成分の中間値と決めても良い。」

・上記(イ)、(ウ)、(オ)の記載によれば,引用例2には,無損失符号化方式として、ハフマン符号化と算術符号化が選択可能な方式であることが記載されている。

・上記(エ)、(カ)の記載によれば、入力される周波数に変換されたオーディオ信号はサブバンドに変換され、低域フィルターと高域フィルターにより低周波数成分からなる基本信号と、高周波成分からなる細部信号が抽出され、それぞれのサブバンドに周波数成分を補間するなどの処理を行うことが記載されている。このうち、高周波成分からなる細部信号についての処理は、高周波信号の処理といえる。

ウ 引用例3
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2007/066970号(以下,「引用例3」という。)には,図面と共に,以下の記載がある。

(ア)
「[85] In the current embodiment of the present invention, the encoding unit 130 may differential-code the scale factor information and the coding model information, and Huffman-code the quantized samples. Scale band information refers to information for performing quantization more appropriately according to frequency characteristics of an audio signal. When a frequency area is divided into a plurality of bands and an appropriate scale factor is allocated to each band, the scale band information indicates a scale band corresponding to each layer. Thus, each layer may be included in at least one scale band. Each scale band may have one allocated scale vector. Coding band information also refers to information for performing quantization more appropriately according to frequency characteristics of an audio signal. When a frequency area is divided into a plurality of bands and an appropriate coding model is assigned to each band, the coding band information indicates a coding band corresponding to each layer. The scale bands and coding bands are empirically divided, and scale factors and coding models corresponding thereto are determined.」
(仮訳として、上記国際出願に対応する出願の公表公報である特表2009-518934号の対応箇所を以下に示す。)
「【0061】
本実施形態において、符号化部130は、スケールファクタ情報及びコーディングモデル情報は差分符号化し、量子化サンプルを符号化する。スケールバンド情報は、オーディオ信号の周波数特性によってさらに適切に量子化を行うための情報であって、周波数領域を複数個のバンドに分けて各バンドに適したスケールファクタを割り当てたとき、各階層に対応するスケールバンドを知らせる情報をいう。これにより、各階層は、少なくとも一つのスケールバンドに属する。各スケールバンドは、割り当てられた一つのスケールファクタを有する。コーディングバンド情報も、オーディオ信号の周波数特性によってさらに適切に符号化を行うための情報であって、周波数領域を複数個のバンドに分けて各バンドに適したコーディングモデルを割り当てたとき、各階層に対応するコーディングバンドを知らせる情報をいう。スケールバンド及びコーディングバンドは、実験により適切に分けられ、対応するスケールファクタ及びコーディングモデルが決定される。」

以上の記載によれば,引用例3には,周波数領域を複数個のバンドに分けて、各バンドに適したスケールファクタやコーディングモデルを割り当てることが記載されている。複数個に分けられたバンドのうち、高周波数領域のバンドに対するスケールファクタやコーディングモデルに基づく処理は、高周波信号の処理といえる。


(3-2)本願補正発明と引用発明の対比
ア 本願補正発明の「ビットストリームに含まれた時間領域符号化又は周波数領域符号化に関する情報」と、引用発明の「符号化装置によって出力された符号化列に含まれる、いずれの帯域を時間変換したかを示す情報」とは、当該情報に基づいて、入力信号(現在のフレームの信号、又は1フレームを単位とした入力信号である符号化列)が、周波数領域で符号化されたものか、時間領域で符号化されたものかを判断する情報である点で共通する。
なお、本願補正発明は、「現在のフレームの信号」を判断の対象にするものであるのに対して、引用発明は、1フレームを単位とした入力信号である符号化列のうち「周波数領域で量子化および符号化されたデータ」と「時間領域で量子化および符号化されたデータ」を判断の対象にするものである点で相違する。
そして、上記(3-1)アで検討した通り、時間領域で量子化されたデータは、時間分解能が優先されるべきと判断されたデータであり、周波数領域で量子化されたデータは、周波数分解能が優先されるべきと判断されたデータであるといえるから、それぞれを高時間分解能信号、高周波数分解能信号ということができ、引用発明の「符号化列分離部」は、これらのいずれの信号かを判断する「分解能判断部」といえる。

イ 引用発明の「前記符号化列分離部において、周波数領域で量子化および符号化されたデータとして分離された符号化データを復号化し、それをさらに逆量子化して、周波数軸上の周波数スペクトルを生成する周波数スペクトル生成部」は、本願補正発明の「現在のフレームの信号を算術復号化及び逆量子化する逆量子化部」に対応するものであるが、上記アと同様に、復号化及び逆量子化する対象の信号が相違するのに加えて、本願補正発明の復号化が「算術復号化」と特定されるのに対して、引用発明は「算術復号化」により復号化されることは特定されていない点で相違する。

ウ 引用発明の「時間領域で量子化および符号化されたデータとして分離された符号化データを復号化し、それを逆量子化して、時間軸上の時間周波数信号を生成する時間周波数信号生成部」は、本願補正発明の「前記現在のフレームの信号を、少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する時間領域復号化部」に対応するものであるが、上記アと同様に、復号化及び逆量子化する対象の信号が相違するのに加えて、本願補正発明の「時間領域復号化部」による復号化が「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」と特定されるのに対して、引用発明の「時間周波数信号生成部」は、「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」ものではない点で相違する。

エ 引用発明の「周波数変換部」は、「時間周波数信号生成部」の出力を周波数スペクトル係数へ変換して出力するから、引用発明の「周波数スペクトル生成部と周波数変換部とからの出力信号を周波数軸上に合成して、時間軸上のオーディオ信号へと変換する周波数‐時間変換部」は、本願補正発明の「前記時間領域復号化部の出力信号と前記逆量子化部の出力信号のうち少なくとも一つを、時間領域のオーディオ又は音声信号に逆変換する逆信号変換部」といえる。

以上より,本願補正発明と引用発明を対比すると,両者は,以下の[一致点]で一致し,[相違点1]ないし[相違点4]で相違している。

[一致点]
「ビットストリームに含まれた周波数領域で符号化されたものか、時間領域で符号化されたものかを判断する情報に基づいて、入力信号が高周波数分解能信号又は高時間分解能信号であるかを決定する分解能判断部と、
前記分解能判断部において、前記信号が前記高周波数分解能信号であると決定した場合、前記信号を復号化及び逆量子化する逆量子化部と、
前記分解能判断部によって、前記信号が前記高時間分解能信号であると決定した場合、前記信号を、復元する時間領域復号化部と、
前記時間領域復号化部の出力信号と前記逆量子化部の出力信号のうち少なくとも一つを、時間領域のオーディオ又は音声信号に逆変換する逆信号変換部と、
を含むオーディオ又は音声信号の復号化装置。」

[相違点1]
本願補正発明の判断、及び復号化、逆量子化などの処理の対象となる入力信号は,「現在のフレームの信号」であるのに対して,引用発明の入力信号は,1フレームを単位とした入力信号である符号化列のうち、周波数帯域ごとに特定された「周波数領域で量子化および符号化されたデータ」と「時間領域で量子化および符号化されたデータ」である点。

[相違点2]
本願補正発明の復号化が「算術復号化」と特定されるのに対して、引用発明は「算術復号化」により復号化されることは特定されていない点

[相違点3]
本願補正発明の「時間領域復号化部」による復号化が「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」と特定されるのに対して、引用発明の「時間周波数信号生成部」は、「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」ものではない点。

[相違点4]
本願補正発明は、「前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部」を含むのに対して、引用発明は、このような高周波信号処理部を含むものではない点。


(3-3)相違点の判断
[相違点1]について
引用発明は、1フレームを単位とした入力信号である符号化列のうち、帯域単位に符号化領域に対する情報が割り当てられるものであって、各フレームに対して符号化領域に対する情報が割り当てられるものではないが、拒絶査定時に周知慣用技術を示す文献として提示された特開平8-204576号(段落【0011】?【0012】、【0020】)、及び特表2003-525473号(段落【0014】?【0021】)には、各フレームに対して時間領域符号化か周波数領域符号化の符号化モードを選択して符号化することが記載されており、引用発明において、帯域単位に符号化領域を割り当てることに代えて、フレーム単位で符号化領域を割り当てるように構成して、本願発明の相違点1に係る構成とすることに格別の困難性は認められない。

[相違点2]について
上記(3-1)ア(ウ)のとおり、引用文献には「符号化列生成部205における量子化および符号化の具体的方法は、ハフマン符号化やベクトル量子化などの公知の技術を用いて行う」と記載されており、引用発明の符号化方法として、他の公知の技術を用いることも示唆されている。
そして、上記(3-1)イにおいて検討したとおり、引用例2には,無損失符号化方式として、ハフマン符号化と算術符号化が選択可能な方式であることが記載されているから、引用発明において、無損失符号化方式として、ハフマン符号化と選択可能な方式である算術符号化を採用することは当業者が容易になし得ることにすぎない。

[相違点3]について
例えば、特表2004-517348号(段落【0006】)に記載されているように、時間ドメインスピーチコーダとして周知のコード励起線形予測(CELP)コーダは、スピーチ信号における短時間の相関または冗長は線形予測(LP)解析により除去されて、LP残差信号を発生し、さらに長時間の予測フィルタパラメータおよびそれに続く統計的コードブックで量子化されるから、引用発明の時間周波数信号生成部において時間信号を復元する構成として、「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」構成を採用することに格別の困難性は認められない。

[相違点4]について
上記(3-1)イ、ウにおいて検討したとおり、引用例2、3には、入力されたオーディオ信号について、高周波信号の処理を行うことが記載されているから、引用発明において、「前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部」を付加することは、当業者が必要に応じてなし得る設計的事項にすぎない。

そして,本願補正発明の作用効果も,引用例1ないし3,及び周知慣用技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって,本願補正発明は,引用例1ないし3に記載された発明,及び周知慣用技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)本件補正発明の独立特許要件の判断のむすび
上記(3)のとおり,本件補正は,特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するものであり,同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。


3.本願発明について

(1)本願発明
平成26年6月4日付の手続補正書による補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし7に係る発明は,平成25年12月4日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ,請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,次のとおりのものである。

「ビットストリームに含まれた時間領域符号化又は周波数領域符号化に関する情報に基づいて、現在のフレームの信号が高周波数分解能信号又は高時間分解能信号であるかを決定する分解能判断部と、
前記分解能判断部において、前記信号が前記高周波数分解能信号であると決定した場合、前記現在のプレームの信号を無損失復号化及び逆量子化する逆量子化部と、
前記分解能判断部によって、前記信号が前記高時間分解能信号であると決定した場合、前記現在のフレームの信号を、逆線形予測を用いて復元する時間領域復号化部と、
前記時間領域復号化部の出力信号と前記逆量子化部の出力信号のうち少なくとも一つを、時間領域のオーディオ又は音声信号に逆変換する逆信号変換部と、
前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部と、を含むことを特徴とするオーディオ又は音声信号の復号化装置。」


(2)本願発明と引用発明の対比
補正却下された本件補正のうち、本願発明の「現在のプレーム」を「現在のフレーム」とする補正は、誤記の訂正を目的とするものであり、補正前の「無損失復号化」を「算術復号化」とする補正、及び「逆線形予測を用いて復元する」を「少なくとも長区間予測器を利用して逆線形予測を用いて復元する」とする補正は、いずれも補正前の「無損失復号化」、「逆線形予測を用いて復元する」を限定するものであるから、本願発明と引用発明との相違点は、以下の[相違点5]ないし[相違点8]となる。

[相違点5]
本願発明の判断及び復号化、逆量子化などの処理の対象となる入力信号は,「現在のプレームの信号」(「プレーム」は「フレーム」の誤記と認める)であるのに対して,引用発明の入力信号は,符号化列のうち周波数帯域ごとに特定された「周波数領域で量子化および符号化されたデータ」と「時間領域で量子化および符号化されたデータ」である点。

[相違点6]
本願発明の復号化が「無損失復号化」と特定されるのに対して、引用発明は「無損失復号化」により復号化されることは特定されていない点

[相違点7]
本願発明の「時間領域復号化部」による復号化が「逆線形予測を用いて復元する」と特定されるのに対して、引用発明の「時間周波数信号生成部」は、「逆線形予測を用いて復元する」ものではない点。

[相違点8]
本願発明は、「前記逆変換された信号の高周波数信号を処理する高周波信号処理部」を含むのに対して、引用発明は、このような高周波信号処理部を含むものではない点。

(3)相違点の判断
上記相違点のうち、[相違点5]、[相違点8]は、それぞれ、上記2(3-2)で検討した[相違点1]、[相違点4]と実質的に同様であるから、相違点の判断についても、上記2(3-3)の[相違点1]について、[相違点4]についてと同様である。

[相違点6]について
引用例2の記載からも明らかなように、引用発明における符号化方式の「ハフマン符号化」は、無損失符号化方式であるから、相違点6は実質的な相違点とはいえない。

[相違点7]について
例えば、特表2004-517348号(段落【0006】)に記載されているように、時間ドメインスピーチコーダとして周知のコード励起線形予測(CELP)コーダは、スピーチ信号における短時間の相関または冗長は線形予測(LP)解析により除去されて、LP残差信号を発生し、さらに長時間の予測フィルタパラメータおよびそれに続く統計的コードブックで量子化されるから、引用発明の時間周波数信号生成部において時間信号を復元する構成として、「逆線形予測を用いて復元する」構成を採用することに格別の困難性は認められない。

そして,上記相違点を総合的に判断しても,本願発明の作用効果も,引用例1ないし3,及び周知慣用技術から当業者が予測できる範囲のものである。


4.むすび

以上のとおり,本願の請求項1に係る発明は,引用例1ないし3に記載された発明,及び周知慣用技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって,本願は,その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-03-18 
結審通知日 2015-03-24 
審決日 2015-04-06 
出願番号 特願2011-518646(P2011-518646)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G10L)
P 1 8・ 121- Z (G10L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菊地 陽一金田 孝之  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 丹治 彰
関谷 隆一
発明の名称 オーディオ又は音声信号の復号化方法とその装置  
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所  
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