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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C08F
管理番号 1306888
審判番号 不服2014-12499  
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-30 
確定日 2015-10-15 
事件の表示 特願2009-179191「フッ素含有(メタ)アクリレート化合物、ハードコート用組成物及び成形品」拒絶査定不服審判事件〔平成23年2月17日出願公開、特開2011-32352〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年7月31日を出願日とする特許出願であって、平成25年5月29日付けで拒絶理由が通知され、同年8月5日に意見書とともに手続補正書が提出されたが、平成26年3月24日付けで拒絶査定がなされ、同年6月30日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年8月18日付けで前置報告がなされたものである。



第2 平成26年6月30日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[結論]
平成26年6月30日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.手続補正の内容
平成26年6月30日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求と同時にされた補正であり、平成25年8月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲をさらに補正するものであって、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の内容について、
「【請求項1】
式(I)

[式中、
Rが、炭素数1?40の炭化水素基であり、該炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい、
R^(1)は、水素原子又は炭素数1?6のアルキル基であり、
X^(1)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
X^(2)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-、あるいは-O-X^(2’)-であり、
R^(a)及びR^(b)は、同一又は異なって、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1?10の炭化水素基であり、
X^(2’)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
tは、1?13の整数であり、
nは1?10の整数である。]
で表されるフッ素含有アクリレート化合物。」
を、
「【請求項1】
式(a)で表されるエポキシ化合物に、式(b)で表される化合物を反応させて(メタ)アクリレート化して、式(I’)で表される化合物を得、

前記式(I’)で表される化合物にフルオロアルキル基置換ビニル化合物を反応させて得られた式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物。

[式中、
Rが、

又は炭素数1?40の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、該脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい、
R^(1)は、水素原子又は炭素数1?6のアルキル基であり、
X^(1)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
X^(2)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-、あるいは-O-X^(2’)-であり、
R^(a)及びR^(b)は、同一又は異なって、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1?10の炭化水素基であり、
X^(2’)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
R^(3)は、水素原子又はメチル基であり、
tは、1?13の整数であり、
nは1?10の整数である。]」
とする、補正事項を含むものである。

2.本件補正の目的について
上記した特許請求の範囲についての本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項(以下、「発明特定事項」という。)である、式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物について、その製造工程により限定する補正事項を新たに特定し、かつ、当該式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物のRについて
「炭素数1?40の炭化水素基であり、該炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい」を


又は炭素数1?40の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、該脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい」
と限定する補正事項を含むものであり、請求項1についてする本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決すべき課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3.独立特許要件について
そこで、本件補正により補正された特許請求の範囲及び明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの、以下に記載のものである。

本願補正発明
「式(a)で表されるエポキシ化合物に、式(b)で表される化合物を反応させて(メタ)アクリレート化して、式(I’)で表される化合物を得、

前記式(I’)で表される化合物にフルオロアルキル基置換ビニル化合物を反応させて得られた式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物。

[式中、
Rが、

又は炭素数1?40の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、該脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい、
R^(1)は、水素原子又は炭素数1?6のアルキル基であり、
X^(1)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
X^(2)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-、あるいは-O-X^(2’)-であり、
R^(a)及びR^(b)は、同一又は異なって、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1?10の炭化水素基であり、
X^(2’)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
R^(3)は、水素原子又はメチル基であり、
tは、1?13の整数であり、
nは1?10の整数である。]」

(2)刊行物及びその記載事項
刊行物A:特開平8-319257号公報

刊行物Aの記載事項
本願の出願日前に頒布された刊行物A(平成25年5月29日付け拒絶理由通知で引用した引用文献1。)には、以下の事項が記載されている。

「実施例1
500mlのアセトニトリル中の150gのグリセロールジメタクリレート及び200gのパーフルオロ-(2-メチル-ペンタ-2-エン)に、100gのトリエチルアミンを室温で滴下した。混合物を室温で10時間攪拌し、次に500mlの水を添加して有機相を分離した。水性相を200mlの塩化メチレンで2回抽出した。一緒にした有機相を、100mlの水、100mlの1N水性塩酸及び100mlの水で連続的に抽出した。次に、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、270gの[3-(2-メチル-アクリロイルオキシ)-2-(3,3,3-トリフルオロ-1-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-2-トリフルオロメチル-プロペニルオキシ)]-プロピル 2-メチル-アクリレートを得た。
収率: 理論値の82%
^(19)F-NMRデータ:δ(CDCl_(3))-56.2、-59.6、-80.6、-113.4ppm
^(1)H-NMRデータ:δ(CDCl_(3))1.95(s,6H)、4.4(m,4H)、5.0(m,1H)、5.65(m,2H)、6.15(m,2H)、ppm。」(段落0042?0043)

(3)刊行物Aに記載された発明
上記摘示から、刊行物Aには以下の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されているといえる。

「[3-(2-メチル-アクリロイルオキシ)-2-(3,3,3-トリフルオロ-1-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-2-トリフルオロメチル-プロペニルオキシ)]-プロピル 2-メチル-アクリレート」

(4)本願補正発明と刊行物発明との対比・判断
刊行物発明における「[3-(2-メチル-アクリロイルオキシ)-2-(3,3,3-トリフルオロ-1-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-2-トリフルオロメチル-プロペニルオキシ)]-プロピル 2-メチル-アクリレート」(以下、当該化合物を「刊行物化合物」という。)は、化学構造式で表すと、以下のとおりであると認められる。

以下、本願補正発明と刊行物発明とを対比する。
刊行物化合物と、本願補正発明における「式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物」とを対比すると、刊行物化合物は、本願補正発明の式(I)において、Rが

であり、R^(1)及びR^(3)がメチル基(炭素数1のアルキル基)であり、X^(1)及びX^(2)が結合手であり、tが1であり、nが6であるものに相当する。
付言すると、刊行物化合物と、本件補正後の請求項1を引用する請求項2における式(Ia)で表される化合物

とを対比すると、刊行物化合物は、当該式(Ia)において、R^(1)及びR^(3)がメチル基(炭素数1のアルキル基)であり、nが6であるものに相当する。

そうすると、本願補正発明と刊行物発明とは、次の一致点で一致し、次の相違点で一応相違するといえる。

〔一致点〕
式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物。

[式中、
Rが、

又は炭素数1?40の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、該脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい、
R^(1)は、水素原子又は炭素数1?6のアルキル基であり、
X^(1)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
X^(2)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-、あるいは-O-X^(2’)-であり、
R^(a)及びR^(b)は、同一又は異なって、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1?10の炭化水素基であり、
X^(2’)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
R^(3)は、水素原子又はメチル基であり、
tは、1?13の整数であり、
nは1?10の整数である。]

〔相違点〕
式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物の製造工程について、本願補正発明において、「式(a)で表されるエポキシ化合物に、式(b)で表される化合物を反応させて(メタ)アクリレート化して、式(I’)で表される化合物を得、

前記式(I’)で表される化合物にフルオロアルキル基置換ビニル化合物を反応させて得られた」と特定しているのに対し、刊行物発明においてそのような特定がない点。

上記相違点について検討する。

本願補正発明も刊行物発明も、共に「化合物」という物に係る発明であるから、その製造工程がどうであれ、得られた化合物自体が同じ物であれば、両者は同一であるといわざるを得ない。
なお、念のため、刊行物化合物の製造工程と、本願補正発明における「式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物」の製造工程とを以下に対比する。刊行物化合物の製造工程について、刊行物Aの上記摘示によれば、「グリセロールジメタクリレート」に「パーフルオロ-(2-メチル-ペンタ-2-エン)」を反応させることにより製造していることがみてとれ、ここで、「グリセロールジメタクリレート」は本願補正発明における「式(I’)で表される化合物」に、「パーフルオロ-(2-メチル-ペンタ-2-エン)」は「フルオロアルキル基置換ビニル化合物」に各々相当するものと認められる。そして、刊行物Aには、「グリセロールジメタクリレート」が、本願補正発明における「式(a)で表されるエポキシ化合物に、式(b)で表される化合物を反応させて(メタ)アクリレート化して」得られた物であるのかどうか記載されていないものの、「グリセロールジメタクリレート」を製造するに際し「グリシジルメタクリレート」と「メタクリル酸」とを反応させて製造することはごく一般的な製造方法であると認められることから、この点は、刊行物Aに記載されているに等しいものといえる。そうすると、両者の製造工程を対比しても実質的に相違するものではない。
以上のとおりであるから、相違点は実質的な相違点ではない。

よって、本願補正発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「本件補正後の請求項1は、新規性及び進歩性に関する拒絶理由を指摘されていない本件補正前の請求項12に係る発明の内容を含むので、引用例Aに記載された発明ではない」と主張している。
しかしながら、本件補正前の請求項12はフッ素含有(メタ)アクリレート化合物の製造方法に係る発明であって、本件補正後の請求項1に係る発明は、あくまでも「フッ素含有(メタ)アクリレート化合物」という物に係る発明であるから、上記(4)で述べたとおり、製造工程を特定する点は相違点とはならない。仮に、相違点であるとしても、(4)で述べたとおり実質的な相違点とはいえない。
よって、請求人の主張は採用することができない。

(6)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、独立して特許を受けることができない。よって、本件補正は特許法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成25年8月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

本願発明
「式(I)

[式中、
Rが、炭素数1?40の炭化水素基であり、該炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子及び/又はカルボニル基で置換されていてもよく、該炭化水素基は、フッ素原子、水酸基又は-OC_(n)F_(2n-1)基が置換されていてもよい、
R^(1)は、水素原子又は炭素数1?6のアルキル基であり、
X^(1)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
X^(2)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-、あるいは-O-X^(2’)-であり、
R^(a)及びR^(b)は、同一又は異なって、フッ素原子が置換されていてもよい炭素数1?10の炭化水素基であり、
X^(2’)は、結合手、付加モル数1?10のアルキレンオキサイド基又は置換基-O-(CO)-R^(a)-(CO)-O-R^(b)-であり、
tは、1?13の整数であり、
nは1?10の整数である。]
で表されるフッ素含有アクリレート化合物。」

2.原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、
「この出願の本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
刊行物A:特開平8-319257号公報」
というものを含むものである。

3.当審の判断
(1)刊行物の記載事項
刊行物Aは、前記第2.3(2)の刊行物Aと同じであるから、刊行物Aには、前記2.3(2)に記載した事項が記載されている。

(2)刊行物に記載された発明
刊行物Aには、前記第2.3(3)に記載の刊行物発明が記載されているといえる。

(3)本願発明と刊行物発明との対比・判断
以下、本願発明と刊行物発明とを対比する。
刊行物化合物と、本願発明における「式(I)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレート化合物」とを対比すると、刊行物化合物は、本願発明の式(I)において、Rがメタアクリロイル基であり、R^(1)が炭素数1のアルキル基であり、X^(1)及びX^(2)が結合手であり、tが1であり、nが6であるものに相当する。
付言すると、刊行物化合物と、本件補正前の請求項1を引用する請求項4における式(Ia)で表される化合物

とを対比すると、刊行物化合物は、当該式(Ia)において、R^(1)及びR^(3)がメチル基(炭素数1のアルキル基)であり、nが6であるものに相当する。

そうすると、本願発明と刊行物発明とは、全ての点で一致し、相違点はない。
したがって、本願発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。



第4 むすび
以上のとおり、本願発明、すなわち、平成25年8月5日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、刊行物Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
原査定の理由は妥当なものである。
したがって、他の請求項に係る発明について更に検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-08-11 
結審通知日 2015-08-18 
審決日 2015-08-31 
出願番号 特願2009-179191(P2009-179191)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C08F)
P 1 8・ 113- Z (C08F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 武貞 亜弓  
特許庁審判長 田口 昌浩
特許庁審判官 小野寺 務
大島 祥吾
発明の名称 フッ素含有(メタ)アクリレート化合物、ハードコート用組成物及び成形品  
代理人 新樹グローバル・アイピー特許業務法人  
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