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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1307265
審判番号 不服2014-11281  
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-13 
確定日 2015-10-28 
事件の表示 特願2009-275041「電池レンタルシステムのサーバ、方法、及び、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 6月16日出願公開、特開2011-118638〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年12月3日の出願であって、平成25年9月24日付けの拒絶理由通知に対して、同年12月2日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成26年4月16日付けで拒絶査定がなされたところ、同年6月13日に審判請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。

第2 平成26年6月13日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成26年6月13日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容について
平成26年6月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、平成25年12月2日付けの手続補正書による補正前の請求項1?6は、補正後の請求項1?6のとおりに補正された。
このうち、補正前の請求項5に係る発明は、補正後の請求項5に係る発明に対応するものと認められるところ、補正前の請求項5および補正後の請求項5はそれぞれ以下のとおりである。(なお、下線は、補正の箇所を示すものとして審判請求人が付加したものである。)

<補正前>
「コンピュータが、電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報に基づいて、前記電池の蓄積可能な電気量を計算する容量計算ステップと、
コンピュータが、前記容量計算ステップで計算された前記電池の蓄積可能な電気量に基づいて、前記電池のレンタル料金を設定する料金設定ステップと、
コンピュータが、前記料金設定ステップで設定された前記電池のレンタル料金を、前記電池をレンタルするユーザに課金する課金ステップと、を有する電池レンタル方法。」

<補正後>
「コンピュータが、電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報を管理し、前記履歴情報に基づいて、前記電池の蓄積可能な電気量を計算する容量計算ステップと、
コンピュータが、前記容量計算ステップで計算された前記電池の蓄積可能な電気量に基づいて、前記電池のレンタル料金を設定する料金設定ステップと、
コンピュータが、前記料金設定ステップで設定された前記電池のレンタル料金を、前記電池をレンタルするユーザに課金する課金ステップと、を有する電池レンタル方法。」

2.補正の目的について
補正後の請求項1は、補正前の請求項1に次の補正がなされたものである。

(a)補正前の「履歴情報に基づいて、」を、補正後の「履歴情報を管理し、前記履歴情報に基づいて、」とする補正。

補正事項(a)について検討すると、補正後の「履歴情報を管理し、前記履歴情報に基づいて、」は、補正前の「履歴情報に基づいて、」の「履歴情報」について「管理」された「履歴情報」に限定するものである。

(b)小括
してみれば、補正後の請求項5に係る本件補正は、補正前の請求項5に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであるから、特許法第第17条の2第5項に規定される「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

そこで、補正後の請求項5に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

3.進歩性について
本件補正発明は、手続補正書により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、上記[理由]1.の<補正後>に記載された事項により特定されるとおりのものである。

(1)各引用例について
(1-1)引用例1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-288539号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。(下線は、当審において付加したものである。以下、同じ。)

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器あるいは家電製品に搭載され、二次電池により構成されるレンタル電池パックの使用に対して課金するシステムに関する。 」
(イ)「【0014】上記課金までの動作を具体的に説明すると、電池パック10が使用可能となり、コードレスクリーナ11またはパソコン12が作動されると、電池パック10の電力が消費される。電池パック10の電力消費が進み、充電が必要になると、電池パック10が充電される。このとき、充電回数がカウンタ14によりカウントされ、Blutoothモジュール15を介してBlutoothモデム16に送信される。Blutoothモデム16は充電回数情報をモジュラージャック17を介してネットワーク18に送られ、このネットワーク18を介してレンタル会社端末22に送られる。レンタル会社21は充電および放電回数情報から電池の使用料金を算出し、課金する。」
(ウ)「【0017】レンタル会社に送るデータとして次の項目が挙げられる。
【0018】・クリーナまたはパソコンの稼動開始時間
・稼動終了時間
・1回の使用でクリーナまたはパソコンを稼動させるたり休止さたりする使用パターン
・充電開始時間
・充電終了時間
・新品の電池パックを使用し始めたときからの充放電回数
・新品の電池パックを使用し始めたときからの経過時間
・現在のユーザが使用し始めてからの充放電回数
・現在のユーザが使用し始めたからの経過時間
・充電時放電時の電池パック内の電池セルの温度、パック外装表面温度
・充電時放電時以外の時間の電池パック内の電池セルの温度、パック外装表面温度
・電池の漏液の有無
レンタル会社の端末22はコードレスクリーナ11またはパソコン12の使用状況に関するデータを収集集計し、日ごと、週ごと、月ごと、年ごとのデータをまとめる。ユーザが使用した使用量を決められた料金表にしたがってユーザに請求する。新品の場合は一定の充放電回数あたりのスタート料金A1と、充放電回数と契約日から経過した時間に応じて電池パックの使用料金C1を課金する。契約日から経過した時間を考慮する理由は電池パックを1度も充放電させなくても放電容量は経時的に劣化するためである。
【0019】一定の充放電回数あたりのスタート料金A1とは、たとえば充電および放電回数がそれぞれ200回までは1回あたりの充放電につき20円、201回から400回までの充放電は15円、401回から600回までは10円とする。600回以上使用した電池パックは引き取ることとする。また、契約日から1ヶ月の使用料C1として充放電の回数に関わらず例えば100円課金する。例えば新品の電池パックを契約したとする。1ヶ月30回充放電を行いコードレスクリーナを使用したとすると、ユーザが支払う料金は充放電回数に関わる料金600円(20円×30回)とレンタル日数に関わる100円の合計700円になる。
【0020】中古の電池パックの場合は、新品のスタート料金A1にすでに充放電された回数と新品の電池パックの放電容量に対する中古の電池パックの放電容量の低下の程度に応じて料金を減額する係数をかけたスタート料金B1から、充放電回数に応じた使用料金を課金する。つまり中古の電池パックを購入した場合、そのパックのすでに使用された充放電回数が例えば300回とすると、上述した新品の電池パックの料金表から20%減額した料金つまり15円×0.8=12円、さらに放電容量が300回使用した場合に設定された放電容量より低ければ(設定を90%、実際は80%とする)さらに20%減額した料金つまり12円×0.8=9.6円がスタート料金B1となる。したがって、このユーザの場合新品の時から数えた充放電回数が300回から400回まではA1=9.6円/回、401回から600回までは10円×0.8×0.8=6.4円/回となる。たとえば上述した300回使用済みの電池パックを購入して1ヶ月30回使用した場合、ユーザが支払う料金は充放電回数に関わる料金288円(9.6円×30回)とレンタル日数に関わる100円の合計388円になる。 」

上記(ア)?(ウ)の記載及び関連する図面を参照すると、次のことがいえる。

(a)上記(ア)段落【0001】の記載から、引用例1発明は、二次電池により構成されるレンタル電池パックの使用に対して課金するシステムに関する発明である。
(b)上記(イ)段落【0014】の記載から、引用例1発明は、レンタル会社が、充電および放電回数情報から電池の使用料金を算出し、課金する。
(c)上記(ウ)段落【0018】の記載から、引用例1発明は、レンタル会社が、送られてきた充放電回数および電池セルの温度に関するデータを収集・集計する。
(d)上記(ウ)段落【0019】【0020】の記載から、引用例1発明は、課金する料金として、電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数をかけたスタート料金に充放電回数をかけた使用料金と、レンタル日数に関わる料金を課金する。

上記(a)?(d)の事項を踏まえると、引用例1には実質的に次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「レンタル会社は、電池パックの充放電回数および電池セルの温度に関する情報を収集・集計し、
レンタル会社は、電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数をかけたスタート料金に充放電回数をかけた使用料金と、レンタル日数に関わる料金を算出し、
レンタル会社は、算出された料金をユーザに課金する、
電池パックレンタル方法。」

(1-2)引用例2について
原査定の拒絶査定の際に周知技術として引用された特開2004-222427号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。


(エ)「【0018】
本発明は、二次電池の劣化の程度を正確に評価し、それにより二次電池の劣化に応じ過充電を確実に回避できる充電制御装置、及びその二次電池の劣化判定方法の提供を目的とする。 」
(オ)「【0024】
二次電池の劣化係数とはその二次電池の劣化の程度を数値化したものをいう。好ましくは、電池容量の製造時での値(以下、初期値という)と実際の値との比で定義される。すなわち、劣化が進むほど電池容量は低減するので、劣化係数は小さい。
【0025】
二次電池は主に充放電時の負荷により劣化する。しかし、その劣化係数は充放電サイクル数だけでは一意には決まらず、例えば放電深度と電池温度との履歴に依存する。特に、高充電状態と過放電状態とのそれぞれの持続期間の長さとその持続期間中の電池温度とに依存する。
例えば、リチウムイオン二次電池は、ごく浅い充放電の連続により高充電状態に維持されるとき、又は過放電により完全放電状態近くに維持されるとき、50%程度の浅い充放電の反復時より、大きく劣化する。更に、高充電状態の持続期間では電池温度が高いほど、過放電状態の持続期間では電池温度が高いほど、それぞれリチウムイオン二次電池の劣化は著しい。」
(カ)「【0027】
充電状態、その持続期間の長さ、及びその持続期間中の電池温度を変数とするときの劣化係数の関数形は、二次電池の種類ごとに例えば実験で決定される。劣化評価部はその関数に基づき、例えば、充電状態、その持続期間の長さ、及びその持続期間中の電池温度の組別に対応する劣化係数を予め算定し、そのリストを記憶する。劣化評価部はそのリストを参照し、充電状態、持続期間の長さ、及び電池温度の測定値の組に対応する劣化係数を決定する。
劣化評価部はその他に、劣化係数の関数形を特徴づける係数群を実験で予め決定しておき、二次電池の高充電状態又は過放電状態の持続期間ごとに、その充電状態、その持続期間の長さ、及びその持続期間中の電池温度と上記の係数群とから劣化係数を算定しても良い。 」
上記(エ)?(カ)の記載及び関連する図面を参照すると、次のことがいえる。

(e)上記(エ)段落【0018】の記載から、引用例2に記載された発明は、二次電池の過充電を回避するために、二次電池の劣化の程度を正確に評価するものである。
(f)上記(オ)段落【0024】の記載から、引用例2で用いられている「劣化係数」とは、二次電池の劣化の程度を数値化したものであり、電池容量の製造時での値(以下、初期値という)と実際の値との比で定義されるものである。
(g)上記(オ)段落【0025】の記載から、引用例2の「劣化係数」は、充放電サイクル数だけでは一意には決まらず、例えば放電深度と電池温度との履歴に依存することがわかる。
(h)上記(カ)段落【0027】の記載から、引用例2の「劣化係数」は、劣化係数の関数形を特徴づける係数群を実験で予め決定しておき、二次電池の高充電状態又は過放電状態の持続期間ごとに、その充電状態、その持続期間の長さ、及びその持続期間中の電池温度と上記の係数群とから算定される。

上記(e)?(h)の事項を踏まえると、引用例2には次の周知技術が記載されているといえる。

<周知技術>
二次電池の実際の電池容量は、充放電サイクル数だけでは一意には決まらず、例えば放電深度と電池温度との履歴に依存し、二次電池の実際の電池容量は、放電深度と電池温度との履歴から算定されること。

(2)対比
(2-1)本件補正発明と引用例1発明とを対比する。
(ア)引用例1発明の「電池パック」および「電池パックの放電容量」は、本件補正発明の「電池」および「電池の蓄積可能な電気量」に相当する。
(イ)引用例1発明の「レンタル会社」は、「電池パックの充放電回数および電池セルの温度に関する情報を収集・集計」しているから、電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴を含む履歴情報を管理していると言える。そうすると、引用例1発明は、本件補正発明の「コンピュータが、電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報を管理」することと同様の管理を行っていると認められる。
(ウ)引用例1発明は、「電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数をかけたスタート料金に充放電回数かけた使用料金と、レンタル日数に関わる料金を算出し」ている。そして、「電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数」は、本件補正発明の「電池の蓄積可能な電気量に基づ」くものに対応するから、引用例1発明は、本件補正発明の「電池の蓄積可能な電気量に基づいて、前記電池のレンタル料金を設定」することと同様の設定を行っていると認められる。
(エ)引用例1発明の「算出された料金をユーザに課金する」ことは、本件補正発明の「前記電池のレンタル料金を、前記電池をレンタルするユーザに課金する」ことに相当する。

(2-2)以上(ア)?(エ)のことから、本件補正発明と引用例1発明とは、以下の点で一致し、また、相違する。

[一致点]
電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報を管理し、
前記電池の蓄積可能な電気量に基づいて、前記電池のレンタル料金を設定し、
設定された前記電池のレンタル料金を、前記電池をレンタルするユーザに課金する、
電池レンタル方法。

[相違点1]
本件補正発明は、「履歴情報に基づいて、前記電池の蓄積可能な電気量を計算する容量計算ステップ」を有しているのに対して、引用例1発明は、「容量計算」を行っていない点。

[相違点2]
本件補正発明は、「コンピュータ」が「電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報を管理し、前記履歴情報に基づいて、前記電池の蓄積可能な電気量を計算する容量計算ステップ」を行っているのに対して、引用例1発明は「コンピュータ」による対応するステップがない点。

[相違点3]
本件補正発明は、「コンピュータ」が「レンタル料金を設定する料金設定ステップ」を有しているのに対して、引用例1発明は「レンタル料金を設定する」ことを「レンタル会社」が行っているものの、「コンピュータ」を用いているのか不明である点。

[相違点4]
本件補正発明は、「コンピュータ」が「ユーザに課金する課金ステップ」を有しているのに対して、引用例1発明は「レンタル会社」が「ユーザに課金する」ことを行っているものの、「コンピュータ」を用いているのか不明である点。

(2-3)当審の判断
上記相違点について検討する。

(ア)[相違点1]および[相違点2]について
引用例2に記載されているように、電池の蓄積可能な電気量を調べるためには、充放電の履歴だけでは一意に決めることができず、例えば放電深度と電池温度との履歴に依存し、二次電池の実際の電池容量は、放電深度と電池温度との履歴から算定されることは、周知の技術である。
そして、引用例1発明は、「電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数をかけたスタート料金に充放電回数かけた使用料金」を算定しており、この算定において、「放電容量の低下の程度に応じて減額する係数」を決定するときに、より正確な「放電容量」に基づいて係数を決定する方が望ましいことは明らかである。
そうすると、引用例1発明の「電池パックの充放電回数から決まる電池パックの放電容量の低下の程度に応じて減額する係数」に換えて、引用例2に記載された、放電深度と電池温度との履歴から算定される二次電池の実際の電池容量に基づいて「減額する係数」を決めるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、「容量を計算する」処理を、コンピュータによる情報処理で実現することは、広く行われている周知技術であり、引用例1発明に引用例2記載の周知技術を適用した際に、「容量を計算する」処理を、「コンピュータ」を用いた処理とすることに格別の困難性は認められない。

(イ)[相違点3]および[相違点4]について
「料金を設定する」処理や、「課金する」処理を、コンピュータによる情報処理で実現することは、広く行われている周知技術である。
してみれば、引用例1発明においても「料金を設定する」処理や、「課金する」処理についても、「コンピュータ」を用いた処理とすることに格別の困難性は認められない。

そして、本件補正発明の作用効果も、引用例1発明および周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。

よって、本件補正発明は、引用例1発明および周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
3.で検討したとおり、補正後の請求項5に記載された発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので、同法159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 補正却下の決定を踏まえた検討

(1)本件発明
平成26年6月13日付けの手続補正は、上記の通り却下されたので、本願の請求項5に係る発明は、平成25年12月2日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)

「コンピュータが、電池の充電履歴、放電履歴、及び、使用温度履歴の少なくとも1つを含む履歴情報に基づいて、前記電池の蓄積可能な電気量を計算する容量計算ステップと、
コンピュータが、前記容量計算ステップで計算された前記電池の蓄積可能な電気量に基づいて、前記電池のレンタル料金を設定する料金設定ステップと、
コンピュータが、前記料金設定ステップで設定された前記電池のレンタル料金を、前記電池をレンタルするユーザに課金する課金ステップと、を有する電池レンタル方法。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1および拒絶査定の際に引用された周知技術は、上記「第2 [理由]3.(1)」記載したとおりの事項が記載されている。

(3)対比・判断
本願発明は、上記「第2 [理由]」で検討した本件補正発明から、上記「第2 [理由]2.」に記載した補正事項(a)に係る限定を省いたものである。

そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、更に他の要件を付加したものに相当する本件補正発明が前記「第2 [理由]3.」に記載したとおり、引用例1発明および周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1発明および周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1発明および周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-05-19 
結審通知日 2015-05-26 
審決日 2015-06-12 
出願番号 特願2009-275041(P2009-275041)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加舎 理紅子  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 小田 浩
石川 正二
発明の名称 電池レンタルシステムのサーバ、方法、及び、プログラム  
代理人 丸山 隆夫  

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