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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04J
管理番号 1307851
審判番号 不服2014-11643  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-18 
確定日 2015-11-18 
事件の表示 特願2012-521851「アップリンクの肯定応答における干渉の抑制」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 1月27日国際公開,WO2011/011735,平成25年 1月 7日国内公表,特表2013-500636〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2010年7月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年7月23日 米国,2010年7月21日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成26年2月10日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年6月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。


第2 補正却下の決定
[結論]
平成26年6月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本願発明と補正後の発明
平成26年6月18日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,平成25年9月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された
「【請求項1】
基本シーケンスと1つまたは複数のセル特有のシーケンスとをネットワークから受信することと,ここにおいて,前記セル特有のシーケンスの少なくとも1つは離散フーリエ変換行列の列を含み,
少なくとも1つのシフト値をユーザー装置に割り当てることと,
情報を前記ユーザー装置に送ることであって,前記情報が,前記基本シーケンスと,前記セル特有のシーケンスのうちの1つと前記シフト値とを備える,送ることと,および
前記ユーザー装置から信号を受信することであって,前記信号が,前記受信された情報に少なくとも基づいて生成される,受信することと
を備える,ワイヤレス通信のための方法。」
という発明(以下,「本願発明」という。)を,
「【請求項1】
基本シーケンスと1つまたは複数のセル特有のシーケンスとをネットワークから受信することと,ここにおいて,前記セル特有のシーケンスの少なくとも1つは離散フーリエ変換行列の列を含み,および,前記離散フーリエ変換行列の各列は複数のセルの異なる1つに割り当てられており,
少なくとも1つのシフト値をユーザー装置に割り当てることと,
情報を前記ユーザー装置に送ることであって,前記情報が,前記基本シーケンスと,前記セル特有のシーケンスのうちの1つと前記シフト値とを備える,送ることと,および
前記ユーザー装置から信号を受信することであって,前記信号が,前記受信された情報に少なくとも基づいて生成される,受信することと
を備える,ワイヤレス通信のための方法。」
という発明(以下,「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。

2 補正の適否
(1)新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件
上記補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において,本願発明の「離散フーリエ変換行列の列」に関して「前記離散フーリエ変換行列の各列は複数のセルの異なる1つに割り当てられており」との限定を付して,特許請求の範囲を減縮するものである。請求項13,16,28,30?35における同様の補正についても,同様である。
また,請求項13,28,31,33,35において,「前記シフト値」を「前記1つまたは複数のシフト値」とする補正は,本件補正前のこれらの請求項において前記された「シフト値」は「1つまたは複数のシフト値」であるから,実質的に技術事項を何ら変更するものでない。
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項及び第4項の規定に適合することは明らかであり,また,同法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2)独立特許要件
上記補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか否かについて,以下検討する。

ア 補正後の発明
上記「1 本願発明と補正後の発明」の項の「補正後の発明」のとおりのものと認める。

イ 引用発明及び周知技術等
[引用発明]
原査定の拒絶の理由に引用されたSamsung, Nokia, Nokia Siemens Networks, Panasonic, TI,Joint proposal on uplink ACK/NACK channelization([当審仮訳]:アップリンクACK/NACKチャンネライゼーションに関する共同提案)[online],3GPP TSG-RAN WG1#51b R1-080035,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_51b/Docs/R1-080035.zip>,2008年1月8日(以下,「引用例」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「

」(1/6ページ7?18行)
([当審仮訳]:
1.はじめに
[1] のアップリンクACK/NACKチャネライゼーション提案は,上海会合で合意した。当該提案は,通常CPにて18個のACK/NACKチャネルが1RB内にサポートされるための,コンピュータで生成したCAZACシーケンスの巡回シフト及びブロック拡散のための直交カバーである,ACK/NACKチャネルリソースを割り当てるための構造を提示した。この寄稿では,EUTRAでサポートされるべきであるACK/NACKチャネルの以下の数のための設計を含むよう,[1] の構造を拡張する:
- 通常CP:RB当たり12,18,36(今後の検討)個のACK/NACKチャネル
- 拡張CP:RB当たり8,12個のACK/NACKチャンネル
定義された巡回シフトと直交カバーリソースは,適切なホッピングパターンに従ってACK/NACKチャネルにマッピングされ,これによりマッピングがシンボル当たり又はスロットごとに変化する。ACK/NACKリソースのホッピングはこの寄稿の範囲ではないが,ホッピングパターンも定義されるべきである。)

(イ)「

」(1/6ページ19行?2/6ページ末行)
([当審仮訳]:
他の関連する決定の欠如のために未だ仕様に反映されていない前回の上海会合での決定は,表1に示すように,4組のウォルシュコードのトリプレットの定義である。
(表1は省略)
表1での区分けの合意の理論的根拠は,RB当たり18個のACK/NACKチャネルの場合について,表1に定義された直交カバーシーケンスの組と組み合わせた表3のチャネライゼーション構造は,他の設計よりも性能が優れていることである[2] [3] [4]。所与のスロットで使用される直交カバーシーケンスの組は,セル固有とすることができ,シーケンスホッピングパターンに従ってスロットごとに変えることができる。
CPの長さと,同じ直交カバーシーケンスの隣接ACK/NACKチャネル間を分離する最小巡回シフト間隔とに依存して変化する,ACK/NACKチャネライゼーション構造は,上海会合で合意された構造をカバーする下記の数式で表すことができる。
ACK/NACKチャンネルを割り当てるためのk番目のACK/NACKリソースは OC_(index)(k)と CS_(index)(k)とによって識別され,ここで,OC_(index)(k)はACK/NACKチャネルのRSシンボル及びACK/NACKシンボルに適用される直交カバーシーケンスのインデックスであり,CS_(index)(k)は,ACK/NACKチャネルに使用されるコンピュータが生成したCAZACシーケンスの巡回シフト値である。したがって,RB内のACK/NACKチャネルリソースは,以下のように公式化できる。
(式は省略)
上記の式において,Δshift及びδoffsetはセル固有の値である。δoffsetは,セル間干渉を低減するために,隣接セルがACK/NACKチャネルのための重複しないリソースを使用することを可能にするための巡回シフト・オフセットである。Δshiftは,同じ直交カバーシーケンスを使用する2つの隣接するACK/NACKリソース間の巡回シフト差分であり,所与のセル配置におけるマルチパス遅延拡散を考慮して決定することができる。例えば,UEにより経験されるチャネルが非常に周波数選択的な配置においては,Δshift=3が選択され得る。また,RB内でサポート可能なACK/NACKリソースの数,すなわち,kの範囲は,Δshiftの値とCPの長さによって決定されることにも留意されたい。通常CPでのΔshift=1の場合は,多重化容量とパフォーマンスとのトレードオフを考慮して,今後の検討事項である。
PUCCHフォーマット0及び1においてRSシンボルに適用される直交シーケンスは,表2に示すように,TS36.211に定義されている。
(表2は省略)
以下の第3章では,表3?7に,所与のCP設定とΔshift及びδoffsetの値について,上記の式で生成されたACK/NACKチャネルの構成を示す。提案されたACK/NACKチャネライゼーションは,上式により,又は表3?7により記述することができ,同じ構成になる。 )

(ウ)「

」(3/6ページ1?9行)
([当審仮訳]:
3.ACK/NACKチャネライゼーション構造の図
3.1.通常CP,RB当たり18個のACK/NACKリソース(Δshift=2)
- 使用方法
・この構成は,多くの都市のセル配置シナリオに適用できる
- チャネライゼーション
(式は省略)
(表3は省略) )

上記(ア)?(ウ)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,
a 上記(ア)の記載によれば,アップリンクACK/NACKの伝送に際し,通常CPの場合に1RB内に18個のACK/NACKチャネルがサポートされるようにするため,コンピュータで生成したCAZACシーケンス及びその巡回シフト値,ブロック拡散のための直交カバーシーケンスが,ACK/NACKチャネルリソースとして用いられており,そのためにユーザ装置がこれらを得ていることは明らかである。

b 上記(イ),(ウ)の記載によれば,直交カバーシーケンスとして,PUCCHのRSシンボルに対して表2の直交シーケンス(通常CPでは,[+1 +1 +1],[+1 e^(j2π/3) e^(j4π/3)],[+1 e^(j4π/3) e^(j2π/3)])が適用され,ACK/NACKに対して表1の4組のウォルシュコードのトリプレットが適用されるから,コンピュータで生成したCAZACシーケンスと複数の直交カバーシーケンスを得ていることは明らかである。そして,上記(イ)の「所与のスロットで使用される直交カバーシーケンスの組は,セル固有とすることができ,」との記載によれば,少なくとも表1の直交カバーシーケンスの組は,セル固有であるといえる。

c 上記(ア)の記載によれば,アップリンクACK/NACKの伝送に際し,通常CPの場合に1RB内に18個のACK/NACKチャネルがサポートされるのであるから,基地局はユーザー装置からACK/NACKを含む信号を受信しており,当該信号はコンピュータで生成したCAZACシーケンス及びその巡回シフト値,ブロック拡散のための直交カバーシーケンスに基づいて生成されていることは明らかである。

d 引用例はLTEに関する提案であり,アップリンクACK/NACKの伝送に際し,通常CPの場合に1RB内に18個のACK/NACKチャネルがサポートされるようにするため方法であるから,ワイヤレス通信のための方法といえる。

以上を総合すると,引用例には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「ユーザ装置が,コンピュータで生成したCAZACシーケンスと,少なくとも1つがセル特有である複数の直交カバーシーケンスと,巡回シフト値を得ることと,および
ユーザー装置からACK/NACKを含む信号を受信することであって,前記信号が,前記コンピュータで生成したCAZACシーケンスと,少なくとも1つがセル特有であるセル特有の直交カバーシーケンスと,巡回シフト値に少なくとも基づいて生成される,受信することと
を備える,ワイヤレス通信のための方法。」

[周知技術等]
同じく原査定の拒絶の理由に引用されたPanasonic, Nokia, Nokia Siemens Networks, Samsung, Texas Instruments,Proposed way forward on ACK/NACK channelization([当審仮訳]:ACK/NACKチャンネライゼーションにおいて進める提案された手法),[online],3GPP TSG-RAN WG1#50b R1-074491,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_50b/Docs/R1-074491.zip>,2007年10月8日(以下,「周知例1」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(エ)「

」(1/2ページ7?18行)
([当審仮訳]:
1.背景
アテネ会合では,RAN1は以下の手法を進めることに合意した。
●RS及び情報の「カバー」シーケンスのペアリング:
ブロックに関する拡散コードが異なる場合の,異なる巡回シフト値を備えるアップリンクACK/NACKの符号割当
●以下のブロックに関する拡散コードが使用される
・RS部に対して,(1,1,1),(1,e^(j2pi/3) ,e^(j4pi/3) ),(1,e^(j4pi/3) ,e^(j8pi/3) )
・ACK/NACK部に対して,4個の長さ4のアダマールシーケンス(1,1,1,1),(1,1,-1,-1),(1,-1,-1,1),(1,-1,1,-1)のうちのN個(以下の表にTBDとしてマーク)

この寄稿の中で提案を捕捉することによって,前記合意を更に補完することを提案する。この寄稿では,アップリンクACK/NACKのための巡回シフト及び直交カバーの割当は,1RBに18個のACK/NACKチャンネルとした場合について提案されている。)

(オ)「

」(1/2ページ19行?2/2ページ2行)
([当審仮訳]:
2.アップリンクACK/NACKチャンネライゼーション
18個のACK/NACKチャネライゼーションの場合について,[1] [2] [3]におけるパフォーマンス分析に基づいて,リソース定義の例として表1を提案する。このマッピングは,TUチャネルまでの遅延拡散のために使用できる。より大きな遅延拡散のためのマッピングについては今後の検討である。
(表1は省略)
留意点
●18個のACK/NACKチャネルが定義される場合,異なるセルにおいて異なる巡回シフト構成を可能とするため,2組の巡回シフトのインデクスが定義されている。
●f1?f3は3DFTシーケンスからピックアップされる。
●各ACK/NACKチャネルと巡回シフト及び直交カバーの組み合わせとの間マッピングは,巡回シフトと直交パターンのホッピングパターンに従ってスロット毎に変更される。ホッピングパターンは今後の検討である。
●Siは表2のOCのコードの組の1つである([3]に基づく)。
●(PDCCHをアップリンクACK/NACKにマッピングする検討の結果に応じて)(例えば[4] 参照。),必要であれば,表1の構造は18個以上のリソースを割り当てることを排除していない。
(表2は省略)
●CCEインデクスのACK/NACKチャネルへの正確な「暗黙的なマッピング」は今後の検討である。 )

(カ)「

」(2/2ページ3?22行)
3.アップリンクACK/NACKチャネライゼーションの代替表現
第2章では,18個のACK/NACKチャネルが1つの周波数分割多重化されたPUCCHに多重化されている場合のアップリンクACK/NACKチャンネライゼーションの明示的な例を示す。しかし,明示的な一例を示すだけでは,スタガ構造の広い概念を捕捉するために十分ではない。そこで,上記の概念を捕捉するため,以下の公式を定義する。公式は,巡回シフト及び直交カバーの特定のホッピングパターンについての合意に従って確定される。
スタガ構造の概念を捕捉するための公式
k番目のACK/NACKリソースは OC_(index)(k)と CS_(index)(k)とにより識別される。ここで,OC_(index)(k),CS_(index)(k)は,それぞれ,RS部分及び情報部分の双方のための直交カバーシーケンスのインデックス,k番目のACK/NACKリソースに対する巡回シフト値のインデクスである。
(式は省略)
ここで,「shift_(diff) 」は,同じOC内の2つの隣接するACK/NACKリソース間の巡回シフト差分であり,「n」は第1のACK/NACKリソースの巡回シフト・オフセットである。
「shift_(diff) 」及び「n」の双方はセル特有の値であり,「shift_(diff) 」の許容値は今後の検討である。
例えばPDCCHをアップリンクACK/NACKにマッピングする検討の結果に応じて,残りのリソースのいくつかを割り当てることを可能とするために,公式は後で拡張できる。 )

同じく原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2009/020376号(以下,「周知例2」という。)には,「METHOD AND APPARATUS FOR FORMING SIGNALS IN WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS」([当審仮訳]:無線通信システムにおける信号形成方法及び装置)([当審注]:周知例2についての[当審仮訳]は,周知例2のパテントファミリーである特表2010-536229号公報の記載に基づく。)に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。

(キ)「TECHNICAL FIELD
The present invention relates to a method of effectively reducing interference between terminals when transmitting a control signal of data received from a terminal base station in a wireless communication system.
When a plurality of users (terminals) simultaneously use an acknowledgement/ negative acknowledgement (ACK/NAK) channel in a wireless communication system, a code division multiplexing (CDM) technique may be used in the plurality of terminals. In CDM, each of the plurality of terminals transmits a result obtained by multiplying a signal to be transmitted by a spreading code allocated to each of the plurality of terminals.
(中略)
BACKGROUND ART
In a wireless communication system, a receiver transmits acknowledgement (ACK) and negative acknowledgement (NAK) signals to a transmitter when received data is successfully and unsuccessfully demodulated, respectively. An ACK/NAK signal i requires one bit per codeword.
(中略)
FIG. 1 illustrates time/frequency resources used by a terminal to perform uplink ACK/NAK signaling in a 3rd generation partnership projection long term evolution (3GPP LTE) system.
Referring to FIG. 1 , resources used by one control channel are grouped into two separate resource blocks. Each of the two resource blocks includes N subcarriers along a frequency domain, and 7 orthogonal frequency division multiplexing (OFDM) symbols, which correspond to one slot, in a time domain. One slot has a time duration of 0.5 ms.
In FIG. 1 , a plurality of terminals may commonly use one control channel. That is, a control channel A or a control channel B may be shared by the plurality of terminals. In this case, in order to identify the plurality of terminals using the same control channel, a specific code sequence is allocated to each of the plurality of terminals. That is, each of the plurality of terminals generates and transmits a signal spread along a frequency domain and a time domain by using its allocated specific code.
FIG. 2 illustrates a code sequence and a symbol transmitted to each of N subcarriers in an ACK/NAK channel occupying a resource block that includes the N subcarriers in a frequency domain and 7 OFDM symbols in a time domain. In FIG. 2, the resource block corresponding to one slot described with reference to FIG. 1 occupies N subcarriers in the frequency domain and includes 7 symbol blocks BL #0 through #6 in the time domain.
When CDM is used to identify signals of a plurality of terminals, a sequence and a symbol may be mapped to each time/frequency resource as illustrated in FIG. 2. In order to identify the signals of the plurality of terminals, a sequence is applied to each of the frequency domain and the time domain. In FIG. 2, a reference signal is used for channel estimation, and a pre-determined signal between a terminal and a base station is transmitted.
The base station estimates a channel by using the reference signal, and uses a result of the channel estimation so as to demodulate an ACK/NAK symbol transmitted by a control signal. Each time/frequency resource carries a signal multiplied by two or three symbols.
That is, a time/frequency resource on which the reference signal is carried, is obtained by multiplying a frequency domain sequence symbol C^(m)_(q)(k) by a time domain sequence symbol R_(i) (i = 0, 1 , 2). A time/frequency resource on which the control signal is carried, is obtained by multiplying a frequency domain sequence symbol C^(m)_(q)(k) , a time domain sequence symbol C_(i) (i = 0, 1 , 2, 3), and an ACK/NAK symbol Q.
In FIG. 2, the frequency domain sequence symbol C^(m)_(q)(k) indicates a Zadoff-Chu sequence where Nzc is the length of the Zadoff-Chu sequence applied to a k th subcarrier in a frequency domain, m is a primary index, and q is a cyclic delay index, and is given by Equation 1.

One sequence is applied to each of the reference signal and the control signal in a time domain. That is, a sequence applied to the control signal in FIG. 2 is expressed as C_(0), C_(1), C_(2), and C_(3). A sequence applied to the reference signal is expressed as R_(0), R_(1), and R_(2) .
Currently, 3GPP LTE considers a configuration in which three reference signals per slot are used for an uplink ACK/NAK channel.
Also, in order to identify a plurality of terminals, a Zadoff-Chu sequence is used along a frequency domain, and a discrete Fourier transformation (DFT) vector, a Walsh-Hadamard sequence, or a Zadoff-Chu sequence may be used in a time domain.
(中略)
TECHNICAL PROBLEM
When a plurality of terminals share the same resources in a wireless communication system, and when control information such as acknowledgement/ negative acknowledgement (ACK/NAK) information or scheduling information is transmitted, a method of efficiently performing code division multiplexing (CDM) is required to identify the plurality of terminals.
In order to transmit and receive the control information such as the ACK/NAK information or the scheduling information, a plurality of users (terminals) use the same ACK/NAK resources. At this time, terminals in the same cell and terminals between different cells interfere with each other. An efficient code hopping method is required to reduce such interference. 」(1ページ6?15行,1ページ30行?2ページ1行,2ページ17行?4ページ5行,5ページ24?33行)
([当審仮訳]:
技術分野
本発明は,無線通信システムにおいて,端末器基地局から受信したデータに対する制御信号を伝送する際に,端末間の干渉を効率的に減少させるための方法に関する。
無線通信システムにおいて,多数の使用者(端末)がACK/NAKチャンネルを同時に利用する時には,CDM(Code Division Multiplexing)方式を使用することができる。この場合,各々の端末は,他の端末と区別されるように,伝送しようとする信号に自分自身に割り当てられた拡散コード(spreading code)を掛けて伝送する。
(中略)
背景技術
無線通信システムにおいて,受信側は,受信したデータの復調に成功した場合にはACK信号を,復調に失敗した場合にはNAK信号を送信側に伝送する。ACK/NAK信号は,符号語(codeword)1個当り1個のbitで表現する。
(中略)
図1は,3GPP LTEシステムで考慮している上りリンクACK/NAKシグナリングのために端末が使用する時間/周波数資源の例を示した図面である。
図1のように,1個の制御チャンネルに使用される資源は,互いに離れた2個の資源ブロックから構成されている。2個の資源ブロックは,各々周波数軸上で12個の副周波数(sub-carrier)を占め,時間軸上でスロットに相当する7個のOFDMシンボルを占める。1個のスロットは,0.5msの時間的長さを有する。
図1において,複数個の端末が1個の制御チャンネルを共通で使用することができる。つまり,制御チャンネルAあるいはBを多数の端末が互いに同時に使用することができる。この時,同一な制御チャンネルを使用する複数個の互いに異なる端末を区別するために,各端末は,特定のコードシークエンスが予め割り当てられる。つまり,各端末は,割り当てられた特定のコードシークエンスを使用して,周波数軸及び時間軸に拡散させた信号を形成して伝送する。
図2は,周波数軸にN個の副周波数を占め,時間軸に7個のOFDMシンボルを占めているACK/NAKチャンネルで各副周波数に伝送されるコードシークエンス及びシンボルを示した図面である。図2の資源ブロックは,図1で説明した1個のスロットに相当し,周波数軸上にN個の副周波数を占めて,時間軸上に1個のシンボルを有する7個のシンボルブロック(BL#0?#6)から構成されている。
複数個の端末の信号を区別するためにCDMを使用する時,図2のように各時間/周波数資源にシークエンス及びシンボルがマッピングされる。複数個の端末の信号を互いに区別するために,周波数軸及び時間軸に各々シークエンスを適用した。図2で,レファレンスシグナルは,チャンネル推定のために必要であり,端末及び基地局が予め決めておいたシグナルが送信される。
基地局は,レファレンスシグナルを使用してチャンネルを推定し,チャンネル推定の結果をコントロールシグナルが伝送するACK/NAKシンボルの復調のために使用する。各時間/周波数資源は,2個のシンボルあるいは3個のシンボルを掛けて得られる1個のシンボルを伝送する。
つまり,レファレンスシグナルが載せられる時間/周波数資源は,周波数軸シークエンスシンボルC^(m)_(q)(k)及び時間軸シークエンスシンボルR_(i) (i=0,1,2)を掛けて得られる。コントロールシグナルが載せられる時間/周波数資源は,周波数軸シークエンスシンボルC^(m)_(q)(k)と,時間軸シークエンスシンボルC_(i) (i=0,1,2,3)と,ACK/NAKシンボルをQを掛けて得られる。
図2で,C^(m)_(q)(k)は,周波数軸のk番目の副周波数に適用される長さがNZC,基本インデックスがm,サイクリック遅延インデックスがqであるZadoff-Chuシークエンスを示しており,下記の式1のように示される。
(式は省略)
時間軸上にはレファレンスシグナル及びコントロールシグナルの各々に1個ずつのシークエンスが適用される。つまり,図2でコントロールシグナルに適用されたシークエンスは,C_(0), C_(1), C_(2), C_(3)で示される。レファレンスシグナルに適用されたシークエンスは,R_(0), R_(1), R_(2)で示される。
現在,3GPP LTE(Long Term Evolution)では,上りリンクACK/NAKチャンネルに対して1個のスロット当り3個のレファレンスシグナルを有する構造を考慮している。
また,端末の区別のために,周波数軸にはZadoff-Chuシークエンスを使用しており,時間軸にはDFT(Discrete Fourier Transformation)ベクトル,Walsh-Hadamardシークエンス,Zadoff-Chuシークエンスなどが使用される可能性がある。
(中略)
発明が解決しようとする課題
無線通信システムにおいて多数の使用者が同一な資源を共通で使用する場合,ACK/NAK情報やスケジューリング情報などの制御情報を伝送する時には,使用者の区別のためにCDM(Code Division Multiplexing)を効率的に使用する方法が要求される。
このようなACK/NAK情報やスケジューリング情報などの制御情報の効率的な送受信のために,同一なACK/NAK資源を多数の使用者(端末)が使用するようになる。この時,セル内及びセル間の端末間で干渉が発生する。このような干渉を緩和するために,効率的なコードホッピング方式が必要である。 )

(ク)「FIGS. 3 through 5 illustrate slot structures of an ACK/NAK channel, including 3 reference signals, according to embodiments of the present invention.
Referring to FIGS. 3 through 5, one slot includes 3 reference signals and 4 control signals.
A method of allocating a sequence to a terminal via a control information channel will be described. In the present invention, the control information channel has 12 cyclic shifts (CSs) along a frequency domain, and has 3 discrete Fourier transformation (DFT) sequences for a reference signal and 4 Walsh sequences for a control signal along a time domain, as time/frequency resources.
Sequences used in the present invention are defined as follows.
C^(m)_(q)(k) indicates a Zadoff-Chu sequence where a length applied to a k_(th) subcarrier is 12, m is a primary index, q is a cyclic delay index, and is given by Equation 2.

D_(r)(k) indicates a DFT sequence where a length applied to a k_(th) reference signal block is 3 and "r" is a sequence index, and is given by Equation 3.

W_(r)(k) is a Walsh sequence where a length applied to a k_(th) signal block is 4 and r is a sequence index, and is given by Equation 1.
(中略)

For the reference signal, when a cyclic shift index is indicated by "q" and a DFT sequence index is incited by "r", a resource allocated to a terminal may be indicated by (q,r) , where q=0,1,2, through to 10 or 11 and r=0,1 or 2.
For the control signal, when a cyclic shift index is indicated by "q" and a Walsh sequence index is indicated by "r", a resource allocated to a terminal may be indicated by (q,r) , where q=0,1,2, through to 10 or 11 and r=0,1,2 or 3.
(中略)
Second, terminals using the same DFT sequence index "r" are allocated so that a cyclic shift index difference between the terminals is maintained as 2 or more. This is because when two terminals use the same DFT sequence, the smaller a cyclic shift index difference between the terminals, the greater the amount of interference between each of the terminals. In particular, when the cyclic shift index difference between terminals is 1 , the terminals greatly interfere with each other. Terminals using the same DFT sequence index "r" are maintained so that the minimum distance between cyclic shift indices is equal to or greater than 2.
Table 2 shows an embodiment of the present invention. Resources allocated to terminals in order to transmit a reference signal are expressed as a cyclic shift index and a DFT sequence index.
Table 2 shows the case where the number of resources is 12 x 3 = 36 and 18 resources are used from among the total resources. It can be seen that the number of terminals having the same cyclic shift index is 1 or 2. In addition, it can be seen that all distances between cyclic shift indices between terminals using the same DFT sequence are a length of 2. 」(8ページ32行?9ページ19行,10ページ2?12行,10ページ20行?11ページ8行)
([当審仮訳]:
図3乃至図5は,スロット当り3個のレファレンス信号を含むACK/NAKチャンネルのスロット構造を示した図面である。
図3乃至図5は,本発明で考慮するスロット構造であって,1個のスロットが3個のレファレンスシグナル(Reference signal)及び4個のコントロールシグナル(Control signal)を有している。
本発明では,周波数軸に12個のサイクリックシフト(CS),時間軸には,レファレンスシグナルの場合には3個のDFTシークエンス,コントロールシグナルの場合には4個のWalshシークエンスを資源として有する制御情報チャンネルでシークエンスを端末器に割り当てる方式について説明する。
以下では,本発明で使用するシークエンスを定義する。
C^(m)_(q)(k)は,周波数軸k番目の副周波数に適用される長さが12,基本インデックスがm,サイクリック遅延インデックスがqであるZadoff-Chuシークエンスを示し,下記の数式2で示される。
(式は省略)
Dr(k)は,時間軸k番目のレファレンスシグナルブロックに適用される長さが3,シークエンスインデックスがrであるDFTシークエンスを示し,下記の数式3で示される。
(式は省略)
Wr(k)は,時間軸k番目のコントロールシグナルブロックに適用される長さが4,シークエンスインデックスがrであるWalshシークエンスを示し,表1のように定義される。
(中略)
(表1は省略)
レファレンスシグナルの場合,サイクリックシフトインデックスをqで示し,DFTシークエンスインデックスをrで示すと,端末が割り当てられる資源は(q,r)で示すことができる。ここで,q=0,1,2,…,11,r=0,1,2である。
コントロールシグナルの場合,サイクリックシフトインデックスをqで示し,Walshシークエンスインデックスをrで示すと,端末が割り当てられる資源は(q,r)で示すことができる。ここでq=0,1,2,…,11,r=0,1,2,3である。
(中略)
第二に,同一なDFTシークエンスインデックスrを使用する端末は,サイクリックシフトインデックスの差が2以上を互いに維持するように割り当てる。これは,2個の端末が同一なDFTシークエンスを使用する時に,サイクリックシフトインデックスの差が小さいほど,より多くの干渉を与えるためである。特に,サイクリックシフトインデックスの差が1である場合には,互いに相当多くの干渉を与えることがあるためである。同一なDFTシークエンスインデックスrを使用する端末は,サイクリックシフトインデックスの最小距離が2以上になるように維持する。
表2は望ましい実施例である。レファレンスシグナルの伝送のために各端末に割り当てられる資源は,サイクリックシフトインデックス及びDFTシークエンスインデックスで示される。
表2は,資源の総数が12×3=36個であり,この中の18個を使用することを示す。同一なサイクリックシフトインデックスを有する端末の数は1個あるいは2個であることが分かる。また,同一なDFTシークエンスを使用する端末間のサイクリックシフトインデックスの距離は全て2であることが分かる。)」

(ケ)「FIG. 6 illustrates a terminal 600 selected from among a plurality of terminals that commonly use a resource including a frequency domain and a time domain, according to an embodiment of the present invention.
The terminal 600 includes a cyclic shift index allocating unit 610 for receiving an allocation of a cyclic shift index from a base station, and a time domain orthogonal cover index allocating unit 620 for receiving a time domain orthogonal cover index.
Each of the cyclic shift index allocating unit 610 and the time domain orthogonal cover index allocating unit 620 may receive an index directly from a pertaining of the base station or may implicitly allocate an index according to a rule of the base station.

」(23ページ1?9行)
([当審仮訳]:
図6は,本発明により周波数領域及び時間領域からなる資源を共通で複数個の端末が使用する場合におけるいずれか一つの端末を示したものである。
端末600は,基地局からサイクリックシフトインデックスの割り当てを受けるためのサイクリックシフトインデックス割当部610と,時間領域直交カバーインデックスを受信するための時間領域直交カバーインデックス割当部620を含む。
各々の割当部は,基地局の当該割当部からインデックスを直接受信したり,内在的(implicitly)に基地局との約束に応じてインデックスを割り当てるようになる。
(図6は省略) )

(エ)?(ク)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,「アップリンクACK/NACK伝送に際して,ブロック拡散のための直交カバーシーケンスとして離散フーリエ変換(DFT)シーケンスを用いること。」は周知であると認める(以下,「周知技術1」という。)。


同じく拒絶査定において周知技術としてあげられたQualcomm Europe,RS structure for UL ACK transmission([当審仮訳]:アップリンクACK送信のためのRS構造),[online],3GPP TSG-RAN WG1#49 R1-072029,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072029.zip>,2007年5月2日(以下,「周知例3」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(コ)「

」(1ページ9?14行)
([当審仮訳]:
1 はじめに
[1] において,我々は,GSMのTUチャネルにおいて,低スピードでは,ACK伝送について,リソースブロック毎に18ユーザーを多重化することができ,そして,高スピードでは,12ユーザーを多重化することができる3パイロット構造を提案した。
本稿では,以下を分析する。
・ショートCPのための3つのパイロットシンボルの配置
・ロングCPのためのVehicle-BチャネルにおけるACK伝送のためのパイロット構造)

(サ)「

」(1ページ15行?2ページ4行)
([当審仮訳]:
2 ショートCPに対するACKチャネル構造
2.1 異なる位置の3パイロット構造の説明
(図面の記載は略)
図1 スロットの中央に3つのパイロットシンボルを有する構造

図1は,スロット毎に3つのパイロットシンボルを有するフレーム構造を図示している。シンボル(2,3,4)及び(9,10,11)は,パイロットシンボルとして使用される。他は,データ伝送用である。各グループの中で,異なるシフト量を有するChuシーケンスがユーザーを分離するために使用される。グループ毎に6ユーザーまで適応させることができる。パイロット信号に関して,DFT行列の列が,グループコードとして使用される。つまり,シンボル2,3及び4が,それぞれ,グループi(i=1,2又は3)に対するDFT3行列の第i列の1つのエントリで乗算される。同様に,シンボル9,10及び11が,パイロットとして伝送される。データ伝送に関して,長さ4のWalshカバーが,スロット0に対するシンボル0,1,5及び6,そして,スロット1に対するシンボル7,8,12,13において適用される。スロット毎に3つのパイロットを有することにより,18ユーザーまで適応させることができる。)

本件の優先日前の2007年6月25日には公知となっていたQualcomm Europe,RS structure for UL ACK transmission([当審仮訳]:アップリンクACK送信のためのRS構造),[online],3GPP TSG-RAN WG1#49bis R1-072747,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_49b/Docs/R1-072747.zip>,(以下,「周知例4」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(シ)「

」(1ページ9?14行)
([当審仮訳]:
1 はじめに
[1] において,我々は,GSMのTUチャネルにおいて,低スピードでは,ACK伝送について,リソースブロック毎に18ユーザーを多重化することができ,そして,高スピードでは,12ユーザーを多重化することができる3パイロット構造を提案した。
本稿では,以下を分析する。
・ショートCPのための3つのパイロットシンボルの配置
・ロングCPのためのVehicle-BチャネルにおけるACK伝送のためのパイロット構造)

(ス)「

」(1ページ15行?2ページ9行)
([当審仮訳]:
2 ショートCPに対するACKチャネル構造
2.1 異なる位置の3パイロット構造の説明
(図面の記載は略)
図1 スロットの中央に3つのパイロットシンボルを有する構造

図1は,スロット毎に3つのパイロットシンボルを有するフレーム構造を図示している。シンボル(2,3,4)及び(9,10,11)は,パイロットシンボルとして使用される。他は,データ伝送用である。各グループの中で,異なるシフト量を有するChuシーケンスがユーザーを分離するために使用される。グループ毎に6ユーザーまで適応させることができる。パイロット信号に関して,DFT行列の列が,グループコードとして使用される。つまり,シンボル2,3及び4が,それぞれ,グループi(i=1,2又は3)に対するDFT3行列の第i列の1つのエントリで乗算される。同様に,シンボル9,10及び11が,パイロットとして伝送される。データ伝送に関して,長さ4のWalshカバーが,スロット0に対するシンボル0,1,5及び6,そして,スロット1に対するシンボル7,8,12,13において適用される。スロット毎に3つのパイロットを有することにより,18ユーザーまで適応させることができる。)

上記(コ)?(ス)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,アップリンクACK/NACK伝送に際してブロック拡散のための直交カバーシーケンスとして用いる離散フーリエ変換シーケンスに関して,「離散フーリエ変換行列の各列は複数のグループの異なる1つに割り当てられている。」ことは周知であると認める(以下,「周知技術2」という。)。


同じく原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-236427号公報(以下,「周知例5」という。)には,「ユーザ装置,基地局装置及び方法」に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。

(セ)「【0008】
本発明の課題は,下りデータチャネルに対する送達確認情報(ACK/NACK)及び下りチャネル状態を示す情報(CQI)の少なくとも一方を含む上り制御チャネルがシングルキャリア方式で複数のユーザ装置から送信される場合に,特に1ビットのACK/NACK情報を送信する場合にユーザ間の多重数を増大させることができるユーザ装置,基地局装置及び方法を提供することにある。
(中略)
【0018】
本発明の一態様によれば,同一内容の複数個の単位ブロック各々に乗算される因子一組(ブロック拡散符号)が直交符号系列を表すように用意されてもよい。単位ブロックは直交符号系列の全チップに同じ因子(ブロック拡散符号とは別に用意された因子)が乗算された系列を含んでよい。ブロック拡散符号を用意することで,可能な符号多重総数を更に増やすことができる。これにより,ユーザ多重数の増減に起因して送信帯域が頻繁に変わることを抑制する効果が更に促される。」

(ソ)「【0025】
図3のブロック毎の変調パターン生成部306は,この12個のブロック(LB1?LB12)の内の1つ以上とチャネル状態情報(CQI)を表現するビットとの対応関係,14個のブロック(LB1?LB12,SB1及びSB2,あるいは14個のロングブロック)の内の1つ以上と送達確認情報(ACK/NACK)を表現するビットとの対応関係を決定する。ユーザ装置は,上り制御チャネルでチャネル状態情報だけを送信する場合と,送達確認情報だけを送信する場合と,それら双方を送信する場合とがある。本実施例では,上りリンクの制御チャネルの検波法として,送達確認情報(ACK/NACK)にはノンコヒーレント検波,送達確認情報以外はコヒーレント検波が使用される。コヒーレント検波が使用される場合にはパイロットチャネルが必要であるが,ノンコヒーレント検波が使用される場合にはパイロットチャネルを必要としない。」

(タ)「【0040】
符号情報特定部330は,ユーザ装置で使用されるカザック符号系列(系列番号),カザック符号系列の巡回シフト量及び送信帯域に関する情報を含む符号情報を特定する。符号情報は,報知チャネルからの報知情報から導出されてもよいし,基地局からの個別的に通知されてもよい。個別的な通知は例えばL3制御チャネルのような上位レイヤのシグナリングでなされてもよい。符号情報特定部330は,複数のブロック各々に乗算される因子一組(ブロック拡散符号系列)がどの直交符号系列を表すかも特定する。」

(チ)「【0074】
ここで,ノンコヒーレント検波が行われる場合の送達確認情報の割り当て例について,図11を参照して説明する。
【0075】
一例として,巡回シフト番号が0-5まで多重され,ブロック拡散符号の番号が0-6まで多重される場合について説明する。この場合,巡回シフト番号とブロック拡散符号の番号で1つの直交リソースを割り当てることができる。巡回シフト番号が0-2は肯定応答(ACK)に対応させ,巡回シフト番号が3-5は否定応答(NACK)に対応させる。
【0076】
図11において,(1)はユーザ#0がACKを送信する場合に巡回シフト番号0,ブロック拡散番号0のリソースを用いることを表す。(2)はユーザ#0がNACKを送信する場合に巡回シフト番号3,ブロック拡散番号0のリソースを用いることを表す。
【0077】
(3)及び(4)は,ACK又はNACKの電力判定をするときの基準となる雑音電力を推定するためのリソース(どのユーザも信号を送信しないリソース)を示し,全ユーザで共通に使用される。
【0078】
また,後述するACK/NACKの電力判定を別の基準(別の方法で雑音電力を推定するなど)を用いる場合は,(3)及び(4)は不要である。そのときは,ユーザ#20のACK/NACK信号が送信される。
【0079】
雑音電力推定部728は,入力されたカザック番号,巡回シフト番号及び/又はブロック拡散符号に基づいて,ACK/NACKの電力判定の基準となる雑音電力を推定し,雑音電力の推定値をACK/NACK判定部730に入力する。例えば,雑音電力推定部728は,図11を参照して説明したノンコヒーレント検波が行われる場合の送達確認情報に割り当て例において,巡回シフト番号2,ブロック拡散符号の番号6のリソースの相関電力を測定する。
【0080】
ACK/NACK相関測定部726は,入力されたカザック番号,巡回シフト番号及び/又はブロック拡散符号に基づいて,ACK及びNACKを送信するリソースの相関電力を測定し,相関電力の測定値をACK/NACK判定部730に入力する。
例えば,ACK/NACK相関測定部726は,図11を参照して説明したノンコヒーレント検波が行われる場合の送達確認情報の割り当て例において,巡回シフト番号0,ブロック拡散符号の番号0のリソース及び巡回シフト番号3,ブロック拡散符号の番号0のリソースの相関電力を測定する。
【0081】
ACK/NACK判定部730は,入力された雑音電力の推定値と,相関電力の測定値とを比較して,基準電力より高い方の信号が送られているものを判定する。雑音電力の推定値には,ある程度のオフセットをプラスするようにしてもよい。
例えば,図12に示すように,推定雑音電力,ACKの相関電力及びNACKの相関電力が得られ,ACK/NACK判定閾値以上となる電力に対応する信号が送られていると判断する。図12では,ACKが送信されたと判定される。
【0082】
ACK/NACK判定部730は,どちらも基準電力を超えている場合は,電力の大きい方の信号が送られているものと判定する。ACK/NACK判定部730は,どちらも基準電力を超えない場合は,どちらの信号も送られていないものとするか,あるいは,電力の大きい方の信号が送られているものと判定する。
【0083】
また,ユーザ装置は,肯定応答(ACK)については送信電力をOFF,否定応答(NACK)については送信電力をONにするようにしてもよい。この場合,ACK/NACK判定部730は,無送信の場合に肯定応答(ACK)と判定することとなる。このようにすることにより,ユーザ装置は,肯定応答(ACK)を送信する場合に他セルに対する干渉を抑圧できる。」

上記(セ)?(チ)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,
アップリンクACK/NACK伝送において,ユーザの多重数を増大するために,図3によれば,カザック番号に基づいて生成したカザック符号を巡回シフトした後,ブロック拡散符号によりブロック拡散することが読み取れる。そして,上記(ソ)の【0075】の記載及び図11によれば,コヒーレント検波を行う場合に,ACKに対して巡回シフト番号0-2を対応させ,NACKに対して巡回シフト番号3-5を対応させているから,ACKとNACKとでそれぞれ異なる巡回シフト量を割り当てていることは明らかである。
したがって,「アップリンクACK/NACK伝送において,コヒーレント検波を行う場合に,ACK,NACKのために複数の異なる巡回シフト量を割り当てる。」ことは公知であると認める(以下,「公知技術」という。)。

また,上記(ケ),(タ)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,「基地局から巡回シフトの割り当てを受けたり,基地局から巡回シフトの割り当てや時間領域の直交カバーシーケンスに係る情報を受信すること。」は普通に行われていることと認める(以下,「周知技術3」という。)。


ウ 対比・判断
補正後の発明と引用発明とを対比すると,
(ア)本願明細書の【0038】によれば,補正後の発明の「基本シーケンス」は,コンピュータにより生成されたシーケンスであって,同【0026】によれば,共通の基本シーケンスがシフト値によりシフトされた異なるシーケンスが利用可能となるものであるから,引用発明の「コンピュータで生成したCAZACシーケンス」は補正後の発明の「基本シーケンス」に含まれ,引用発明の「巡回シフト値」は補正後の発明の「シフト値」に含まれる。
また,補正後の発明の「複数のセル特有のシーケンス」は,請求項12の記載を参酌すれば,コヒーレントな伝送モードにおける1つの4×4の直交符号の1つの列,または1つの3×3の離散フーリエ変換行列の1つの列を含むと認められ,本願明細書の図2及びその説明によれば,これらは,RS用のシンボルに対する直交符号及びデータ用のシンボルに対する直交符号である。したがって,補正後の発明の「複数のセル特有のシーケンス」と,引用発明の「少なくとも1つがセル特有である複数の直交カバーシーケンス」とは,下記の相違点2は別として,「少なくとも1つがセル特有である複数のシーケンス」である点で一致している。
そして,補正後の発明は,基本シーケンスと複数のセル特有のシーケンスとをネットワークから受信し,シフト値をユーザー装置に割り当て,基本シーケンスとセル特有のシーケンスのうちの1つとシフト値とを備える情報をユーザー装置に送るものであるところ,引用発明は,コンピュータで生成したCAZACシーケンスと,少なくとも1つがセル特有である複数の直交カバーシーケンスと,巡回シフト値をどのようにして得るのか明らかにしていないが,「ユーザー装置が」これらを「得ている」点では差異は無い。

(イ)補正後の発明の「前記受信された情報に少なくとも基づいて」とは,「前記基本シーケンスと,前記セル特有のシーケンスのうちの1つと前記シフト値とを備える情報に少なくとも基づいて」ということであるところ,上記(ア)のとおりであるから,引用発明の「ユーザー装置からACK/NACKを含む信号を受信することであって,前記信号が,前記コンピュータで生成したCAZACシーケンスと,少なくとも1つがセル特有である複数の直交カバーシーケンスと,巡回シフト値に少なくとも基づいて生成される,受信すること」は,明らかに補正後の発明の「前記ユーザー装置から信号を受信することであって,前記信号が,前記受信された情報に少なくとも基づいて生成される,受信すること」に含まれる。

以上を総合すると,補正後の発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「ユーザー装置が,基本シーケンスと少なくとも1つがセル特有である複数のシーケンスとシフト値とを得ることと,および
前記ユーザー装置から信号を受信することであって,前記信号が,前記基本シーケンスと少なくとも1つがセル特有である複数のシーケンスとシフト値に少なくとも基づいて生成される,受信することと
を備える,ワイヤレス通信のための方法。」

(相違点1)
一致点の「ユーザー装置が,基本シーケンスと少なくとも1つがセル特有である複数のシーケンスとシフト値とを得ること」に関し,補正後の発明は,「基本シーケンスと1つまたは複数のセル特有のシーケンスとをネットワークから受信すること」,「少なくとも1つのシフト値をユーザー装置に割り当てること」,「情報を前記ユーザー装置に送ることであって,前記情報が,前記基本シーケンスと,前記セル特有のシーケンスのうちの1つと前記シフト値とを備える,送ること」を特定しているのに対し,引用発明はどのようにして得ているのか明らかにしていない点。

(相違点2)
一致点の「少なくとも1つがセル特有である複数のシーケンス」に関し,補正後の発明は,複数のシーケンスはいずれもセル特有であり,「前記セル特有のシーケンスの少なくとも1つは離散フーリエ変換行列の列を含み,および,前記離散フーリエ変換行列の各列は複数のセルの異なる1つに割り当てられており」との構成を有するのに対し,引用発明は当該構成が明らかでない点。

(相違点3)
補正後の発明は,「1つまたは複数のセル特有のシーケンス」,「少なくとも1つのシフト値」とされ,セル特有のシーケンスが1つの場合やシフト値が複数である場合が存在するのに対し,引用発明には当該場合がない点。

以下,上記各相違点について検討する。
(相違点1について)
例えば,周知技術3のとおり,基地局から巡回シフトの割り当てを受けたり,基地局から巡回シフトの割り当てや時間領域の直交カバーシーケンスに係る情報を受信することは普通に行われていることであるから,引用発明において「ユーザー装置」が「得る」ための具体的な構成として相違点1に係る補正後の発明の構成を採用することは格別困難なことではなく,容易になし得ることに過ぎない。

(相違点2について)
周知技術1のとおり,アップリンクACK/NACK伝送に際して,ブロック拡散のための直交カバーシーケンスとして離散フーリエ変換(DFT)シーケンスを用いることは周知である。そして,引用例には「離散フーリエ変換行列」との直接の記載はないものの,例えば周知例2に示されるDFTシーケンスを示す式(上記イ[周知技術等](ク)の「数式3」参照。)やDFT行列に関する技術常識に照らせば,引用例のRSシンボルに対する表2の通常CPについての直交シーケンスである[+1 +1 +1],[+1 e^(j2π/3) e^(j4π/3)],[+1 e^(j4π/3) e^(j2π/3)]は,3×3DFT行列の列に対応していることは当業者に明らかである。
そして,周知技術2のとおり,DFT行列の各列を複数のグループの異なる1つに割り当てられることは周知であり,当該グループをどのようなグループとするかは特段の制限はなく,引用例には「所与のスロットで使用される直交カバーシーケンスの組は,セル固有とすることができ,」(上記イ[引用発明](イ)参照。)との記載にも鑑みれば,セル間干渉の抑圧を考慮して,DFT行列の各列に対応する[+1 +1 +1],[+1 e^(j2π/3) e^(j4π/3)],[+1 e^(j4π/3) e^(j2π/3)]を,複数のセルの異なる1つに割り当てられているようにし,複数のシーケンスがいずれもセル特有であるようにすることは,当業者が容易になし得ることである。

(相違点3について)
「または」は択一的な記載であり,また,「少なくとも1つ」は「1つ」を含むところ,セル特有のシーケンスが複数の場合やシフト値が1つである場合は引用発明との差異は無いから,相違点3には実質的な相違はない。
更にいえば,本願明細書の図1及びその説明を参酌すれば,コヒーレントな伝送モードでは,セル特有のシーケンスがRS用とACK/NACK用との複数であり,シフト値が1つであり,他方,非コヒーレントな伝送モードでは,RSはないからセル特有のシーケンスはACK/NACK用の1つのみであり,代わりにシフト値がACK用とNACK用との2つであるから,補正後の発明はコヒーレントな伝送モードと非コヒーレントな伝送モードとを「または」の対象として表現していると解される。しかしながら,パイロットを用いるコヒーレント伝送及びパイロットを用いない非コヒーレント伝送はそれ自体いずれも周知であり,上記イ[周知技術等]において公知技術として認定したとおり,アップリンクACK/NACK伝送において,コヒーレント検波を行う場合に,ACK,NACKのために複数の異なる巡回シフト量を割り当てることは公知である。したがって,仮に「または」が択一的な選択を意味するのではなく双方を選択可能であることを意味するものだとしても,そのようにすることは格別困難なことではなく,適宜なし得ることに過ぎない。

そして,補正後の発明の作用効果も,引用発明及び周知技術等に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。

以上のとおり,補正後の発明は,引用発明及び周知技術等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。


3 結語
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について
1 本願発明
平成26年6月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本

願発明は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「1 本願発明と補正後の発明」の項の「本願発明」のとおりのものと認める。

2 引用発明及び周知技術等
引用発明及び周知技術等は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「イ 引用発明及び周知技術等」の項で認定したとおりである。

3 対比・判断
そこで,本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は補正後の発明から当該補正に係る限定を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明が,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討したとおり,引用発明及び周知技術等に基づいて容易に発明できたものであるから,本願発明も同様の理由により,容易に発明できたものである。

4 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術等に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-19 
結審通知日 2015-06-23 
審決日 2015-07-07 
出願番号 特願2012-521851(P2012-521851)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04J)
P 1 8・ 121- Z (H04J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 洋  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 萩原 義則
菅原 道晴
発明の名称 アップリンクの肯定応答における干渉の抑制  
代理人 峰 隆司  
代理人 井上 正  
代理人 河野 直樹  
代理人 堀内 美保子  
代理人 野河 信久  
代理人 砂川 克  
代理人 佐藤 立志  
代理人 岡田 貴志  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 福原 淑弘  
代理人 井関 守三  
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