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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G01R
管理番号 1308028
審判番号 不服2015-3093  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-18 
確定日 2015-12-15 
事件の表示 特願2012-182776「半導体装置のテスト方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月13日出願公開、特開2012-247435、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
特許出願: 平成24年8月21日
(平成15年12月22日に出願した特願2003-425616号の一部を、平成18年12月6日に新たな特許出願とした特願2006-329282号の一部を、平成22年6月23日に新たな特許出願とした特願2010-142643号の一部を、平成24年8月21日に新たな特許出願としたものである。)
拒絶理由通知 : 平成26年1月30日(送付日:同年2月4日)
手続補正: 平成26年4月7日(以下、「補正1」という。)
拒絶理由通知 : 平成26年6月20日(送付日:同年同月24日)
手続補正: 平成26年8月22日(以下、「補正2」という。)
補正2の却下の決定 : 平成26年11月4日(送達日:同年同月18日)
拒絶査定: 平成26年11月4日(送達日:同年同月18日)
拒絶査定不服審判の請求: 平成27年2月18日


第2 補正の却下の決定の当否について
請求人は、審判請求書「(4)むすび」の項において
「以上ご説明しましたように、平成26年 8月22日付けの手続補正書により補正された本願の請求項に記載された発明は、引用文献1?4と明確に相違している以上、当業者が容易に想到できるものではなく、進歩性を備え、特許法第29条第2項に該当せず、特許査定されるべきものと思料致します。 」
と主張しているので、平成26年11月4日付け補正(補正2)の却下の決定について以下検討する。

[補正の却下の決定の当否の結論]
平成26年11月4日付け補正(補正2)の却下の決定を取り消す。

[理由]
1 補正の内容
補正2によって、特許請求の範囲の請求項1は、以下のように補正された。

(補正前)
「【請求項1】
(a)メモリを内蔵した第1半導体チップとマイクロコンピュータを内蔵した第2半導体チップとを混載した複数の第1半導体装置、複数の第2半導体装置、および複数の第3半導体装置を準備する工程と、
(b)前記複数の第1半導体装置を第1テストボードの複数のソケットのそれぞれに装着する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記第1テストボードを恒温槽の第1スロットに導入する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記複数の第1半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、
(e)前記(b)工程の後、前記複数の第2半導体装置を第2テストボードの複数のソケットのそれぞれに装着する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記第2テストボードを前記恒温槽の第2スロットに導入する工程と、
(g)前記(f)工程の後、前記複数の第2半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、
(h)前記複数の第1半導体装置のテストが完了し、前記第2テストボードが前記恒温槽の前記第2スロットに導入されている状態で前記第1テストボードを前記恒温槽の前記第1スロットから取り外す工程と、
(i)前記(h)工程の後、前記第1テストボードの前記複数のソケットのそれぞれから前記複数の第1半導体装置を取り外す工程と、
(j)前記(i)工程の後、前記第1テストボードの前記複数のソケットのそれぞれに前記複数の第3半導体装置を装着する工程と、
(k)前記(j)工程の後、前記第1テストボードを前記恒温槽の前記第1スロットに導入する工程と、
(l)前記(k)工程の後、前記複数の第3半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、を有する、半導体装置のテスト方法。」

(補正後)
「【請求項1】
(a)メモリを内蔵した第1半導体チップとマイクロコンピュータを内蔵した第2半導体チップとを混載した複数の第1半導体装置、複数の第2半導体装置、および複数の第3半導体装置を準備する工程と、
(b)前記複数の第1半導体装置を第1テストボードの複数のソケットのそれぞれに装着する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記第1テストボードを恒温槽のテストボード1枚処理に対応した第1スロットに導入する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記複数の第1半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、
(e)前記(b)工程の後、前記複数の第2半導体装置を第2テストボードの複数のソケットのそれぞれに装着する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記第2テストボードを前記恒温槽のテストボード1枚処理に対応した第2スロットに導入する工程と、
(g)前記(f)工程の後、前記複数の第2半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、
(h)前記複数の第1半導体装置のテストが完了し、前記第2テストボードが前記恒温槽の前記第2スロットに導入されている状態で前記第1テストボードを前記恒温槽の前記第1スロットから取り外す工程と、
(i)前記(h)工程の後、前記第1テストボードの前記複数のソケットのそれぞれから前記複数の第1半導体装置を取り外す工程と、
(j)前記(i)工程の後、前記第1テストボードの前記複数のソケットのそれぞれに前記複数の第3半導体装置を装着する工程と、
(k)前記(j)工程の後、前記第1テストボードを前記恒温槽の前記第1スロットに導入する工程と、
(l)前記(k)工程の後、前記複数の第3半導体装置のそれぞれの前記第1半導体チップをテストする工程と、を有する、半導体装置のテスト方法。」(下線は補正箇所。)

2 補正の適否の検討
補正2は、半導体装置のテスト方法に使用する恒温槽の「第1スロット」及び「第2スロット」を、「テストボード1枚処理に対応した」ものであると限定する補正であり、いわゆる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そこで補正2による補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて検討するに、上記のように、該補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、恒温槽の「第1スロット」及び「第2スロット」が「テストボード1枚処理に対応した」と特定されるものである一方、平成26年11月4日付け補正の却下の決定、及び原査定の拒絶の理由において示された引用文献1(特開平11-73339号公報)、引用文献2(特開平10-95507号公報)、引用文献3(特開2001-51013号公報)、及び引用文献4(特開平7-20199号公報)のいずれにも、テストボード1枚処理に対応したスロットの構成や、テストボードを1枚ずつ装着する工程に関する記載はなく、自明でもない。また、スロットを「テストボード1枚処理に対応した」ものとする点は、設計的事項であるともいえない。
そして、本願発明1は、上記のような特徴を備えることにより、半導体装置のテストを効率よく、低コストで行うことができるという特段の作用効果を奏する。
したがって、本願発明1は引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

補正2による補正後の請求項2-12に係る発明は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願の請求項2-12に係る発明も、同様に、引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、補正2による補正後の請求項1-12に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、平成26年11月4日付け補正の却下の決定は、これを取り消す。


第3 本願発明について
1 本願発明
上記のとおり、平成26年11月4日付け補正の却下の決定は取り消されたので、本願の請求項1ないし12に係る発明は、補正2によって補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるとおりのものと認められる。

2 判断
そうすると、上記「第2」の「2 補正の適否の検討」で検討したと同様の理由により、本願の請求項1ないし12に係る発明は、原査定の拒絶の理由において示された引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

3 むすび
以上のとおり、本願の請求項1ないし12に係る発明は、いずれも引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2015-11-30 
出願番号 特願2012-182776(P2012-182776)
審決分類 P 1 8・ 121- WYA (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉岡 一也  
特許庁審判長 酒井 伸芳
特許庁審判官 関根 洋之
中塚 直樹
発明の名称 半導体装置のテスト方法  
代理人 筒井 大和  

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