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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1308838
審判番号 不服2014-18870  
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-09-22 
確定日 2015-12-11 
事件の表示 特願2013-519670「ユニキャスト又はブロードキャスト/マルチキャストを介してMBMSサービスを提供するための通信システム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 5月18日国際公開、WO2012/063950、平成25年12月19日国内公表、特表2013-545322〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2011年11月7日(優先権主張 2010年(平成22年)11月8日 英国(GB))を国際出願日とする出願であって,平成26年3月20日付けで拒絶理由が通知され,同年6月2日付けで意見書及び手続補正書の提出がなされ,同月20日付けで拒絶査定され,同年9月22日に拒絶査定不服審判の請求と同時に手続補正がなされたものである。

なお,本願は,「日本電気株式会社」及び「NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社」により出願され,平成27年6月9日に承継人を「日本電気株式会社」とする出願人名義変更届が提出されたものである。


第2 補正却下の決定

[結論]
平成26年9月22日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正の概要及び本件補正発明
(1) 本件補正について
平成26年9月22日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は,特許請求の範囲における請求項1の記載を,次の「本件補正前」のような記載から,次の「本件補正後」のように補正することを含むものである(下線は請求人が付与。)。

<本件補正前>
【請求項1】
通信システムのための移動通信デバイスであって、該通信システムは、所定の基地局を含む複数の基地局を含むカバレッジエリア内で、移動ブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)サービスを配信するように動作可能であり、該移動通信デバイスは、
該移動通信デバイスを、前記所定の基地局を含む前記カバレッジエリア内で登録する手段と、
該移動通信デバイスが前記カバレッジエリア内に登録されているが、前記カバレッジエリア内の基地局へのRRC接続を有しないアイドルモードにおいて動作する手段と、
移動通信デバイスをカウンティングすることが要求されたことを示す指示を受信する手段と、
前記カバレッジエリア内で利用可能になるMBMSサービスの識別情報を判断する手段と、
前記判断する手段が、前記MBMSが利用可能になると判断したときに、前記MBMSサービスを受信することへの関心を前記基地局に示す手段とを備え、
該移動通信デバイスが前記アイドルモードにあるときに、前記示す手段は、
前記基地局との通信を開始して、RRC接続を確立し、
前記RRC接続の確立の際に、前記所定の基地局に少なくとも1つのメッセージを送信して、RRC接続の前記確立がMBMSサービスへの関心を示すためのものであることを示すことによって、前記関心を示すように動作可能である、通信システムのための移動通信デバイス。

<本件補正後>
【請求項1】
通信システムのための移動通信デバイスであって、該通信システムは、所定の基地局を含む複数の基地局を含むカバレッジエリア内で、移動ブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)サービスを配信するように動作可能であり、該移動通信デバイスは、
該移動通信デバイスを、前記所定の基地局を含む前記カバレッジエリア内で登録する手段と、
該移動通信デバイスが前記カバレッジエリア内に登録されているが、前記カバレッジエリア内の基地局へのRRC接続を有しないアイドルモードにおいて動作する手段と、
前記カバレッジエリア内で利用可能なMBMSサービスについて、移動通信デバイスをカウンティングすることが要求されたことを示す指示を受信する手段と、
前記カバレッジエリア内で利用可能になるMBMSサービスの識別情報を判断する手段と、
前記判断する手段が、前記MBMSが利用可能になると判断したときに、前記MBMSサービスを受信することへの関心を前記基地局に示す手段とを備え、
該移動通信デバイスが前記アイドルモードにあるときに、前記示す手段は、
前記基地局との通信を開始して、RRC接続を確立し、
前記RRC接続の確立の際に、前記所定の基地局に少なくとも1つのメッセージを送信して、RRC接続の前記確立がMBMSサービスへの関心を示すためのものであることを示すことによって、前記関心を示すように動作可能である、通信システムのための移動通信デバイス。

(2) 本件補正の目的について
本件補正によって,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)は,本件補正前の請求項1に係る発明における「指示を受信する手段」に限定を附されたものであるといえる。
そうすると,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か(本件補正が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するか否か)について検討する。

2.先願発明
(1) 先願の概要
原査定の理由は,特許法第184条の13の規定のようにする同法第29条の2の規定により,特許を受けることができない,とするものである。
そして,当該理由に引用された他の特許出願(以下「先願」という。)は次のとおりである。

特願2013-521923号(国際公開第2012/015884号(WO2012/015884),2012年(平成24年)2月2日国際公開)

なお,先願は,出願人を「インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド(INTERDIGITAL PATENT HOLDINGS, INC.)」とし,発明者を「ピーター エス.ワン(WANG Peter S)」,「ジャネット エー.スターン-ベルコヴィッツ(STERN-BERKOWITZ Janet A)」,「玉置 延幸(TAMAKI Nobuyuki)」,「ステファン イー.テリー(TERRY Stephen E)」,「リュー カイ(LIU Kai)」として出願され,国際出願日を2011年(平成23年)7月27日(優先権主張 2010年(平成22年)7月28日 米国(US),同年8月13日 米国(US),2011年(平成23年)7月26日 米国(US))とする外国語特許出願である。

(2) 先願発明
ア 先願明細書等記載事項
国際公開された先願の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲には,図面(以下,当該「明細書,請求の範囲及び図面」を「先願明細書等」という。)とともに次の事項が記載されており,また,先願に対しては,条約第19条に基づく補正も,条約第34条に基づく補正もされていない。
なお,当審訳として,先願に対応する日本語公表公報である特表2013-535916号公報(平成25年9月12日公表)を参考する。

(ア) TECHNICAL FIELD
[0002] This application is related to wireless communications.

BACKGROUND
[0003] In long term evolution (LTE) Release 9 (R9), a core set of multimedia broadcast multicast services (MBMS) features and working mechanisms were specified to provide the MBMS services to the LTE wireless transmit/receive units (WTRUs). This core set enables the unidirectional point- to-multipoint transmission of multimedia contents, (e.g., public media or news service text, audio, sports or entertainment or television (TV) broadcast pictures or video), from a single source point to a multicast group of recipients in a multicast service area. In LTE R9, the multicast service is provided in a mixed cell environment.
[0004] A mixed MBMS cell supports both the regular unicast operations (regular WTRU service) as well as the MBMS operations using the time and frequency resources of the LTE cell. The unicast and the MBMS transmission operations are different, and therefore they are separated in a time division fashion as regular subframes and MBMS single frequency network (MBSFN) subframes. Thus, in the downlink (DL), the unicast data is not transmitted on any of the MBSFN subframes, and the MBMS service is not transmitted on any of the regular subframes.
[0005] In LTE R9, the MBMS system has no feedback information mechanisms provided or facilitated in order for the MBMS operator to obtain the actual MBMS service reception status and the service subscription status from MBMS-interested WTRUs. There is no provisioning of any uplink (UL) channels, UL MBMS messages, MBMS information elements (IEs) or MBMS signals to allow an MBMS WTRU to communicate with the MBMS service provider.
[0006] In LTE Release 10 (R10), MBMS feedback and reporting mechanisms are needed for the service provider to gather the information on what the MBMS-interested WTRUs and users' reception intentions are with respect to the general, and/or a set of, particular MBMS service broadcasts as well as what the MBMS services are that the WTRU/user is receiving at the time.
(国際公開1ページ?2ページ)
(当審訳
技術分野
[0002]
本出願は、無線通信に関する。

背景技術
[0003]
LTE(long term evolution)リリース9(R9)において、LTE無線送受信ユニット(WTRU)にマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)のサービスを提供するためのMBMSの特徴および動作メカニズムの中核的な組が、規定された。この中核的な組は、単一のソースからマルチキャストサービスエリア内の受信者のマルチキャストグループへのマルチメディアコンテンツ(例えば、公共のメディアもしくはニュースサービスのテキスト、音声、スポーツもしくはエンターテインメント、またはテレビ(TV)放送の画像もしくは映像)の単方向のポイントツーマルチポイント送信を可能にする。LTE R9において、マルチキャストサービスは、混合したセルの環境で提供される。
[0004]
混合したMBMSのセルは、LTEのセルの時間および周波数リソースを用いて通常のユニキャストのオペレーション(通常のWTRUのサービス)とMBMSのオペレーションの両方をサポートする。ユニキャストおよびMBMSの送信オペレーションは異なり、したがって、それらのオペレーションは、時分割式に通常のサブフレームおよびMBMS単一周波数ネットワーク(MBMS single frequency network)(MBSFN)サブフレームとして分けられる。よって、ダウンリンク(DL)において、ユニキャストデータは、MBSFNサブフレームのいずれにおいても送信されず、MBMSのサービスは、通常のサブフレームのいずれにおいても送信されない。
[0005]
LTE R9において、MBMSシステムは、MBMSの運用者がMBMSに関心のあるWTRUから実際のMBMSのサービスの受信状態およびサービス加入状態を得るためにいかなるフィードバック情報のメカニズムも提供または促進しない。MBMSのWTRUがMBMSのサービスプロバイダと通信することを可能にするアップリンク(UL)のチャネル、ULのMBMSメッセージ、MBMS情報要素(IE)、またはMBMS信号は、規定されていない。
[0006]
LTEリリース10(R10)においては、MBMSのサービスのブロードキャスト全般および/または特定のMBMSのサービスのブロードキャストの組に関するMBMSに関心のあるWTRUおよびユーザの受信の意思がどうであるかと、WTRU/ユーザがその時点で受信しているMBMSのサービスが何であるかとについての情報をサービスプロバイダが収集するためのMBMSのフィードバックおよび報告メカニズムが必要とされる。
(【0001】,【0003】?【0006】))

(イ) [0014] FIG. 1A is a diagram of an example communications system 100 in which one or more disclosed embodiments may be implemented. The communications system 100 may be a multiple access system that provides content, such as voice, data, video, messaging, broadcast, etc., to multiple wireless users. The communications system 100 may enable multiple wireless users to access such content through the sharing of system resources, including wireless bandwidth. For example, the communications systems 100 may employ one or more channel access methods, such as code division multiple access (CDMA), time division multiple access (TDMA), frequency division multiple access (FDMA), orthogonal FDMA (OFDMA), single-carrier FDMA (SC-FDMA), and the like.
[0015] As shown in FIG. 1A, the communications system 100 may include wireless transmit/receive units (WTRUs) 102a, 102b, 102c, 102d, a radio access network (RAN) 104, a core network 106, a public switched telephone network (PSTN) 108, the Internet 110, and other networks 112, though it will be appreciated that the disclosed embodiments contemplate any number of WTRUs, base stations, networks, and/or network elements. Each of the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be any type of device configured to operate and/or communicate in a wireless environment. By way of example, the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be configured to transmit and/or receive wireless signals and may include user equipment (UE), a mobile station, a fixed or mobile subscriber unit, a pager, a cellular telephone, a personal digital assistant (PDA), a smartphone, a laptop, a netbook, a personal computer, a wireless sensor, consumer electronics, and the like.
[0016] The communications systems 100 may also include a base station 114a and a base station 114b. Each of the base stations 114a, 114b may be any type of device configured to wirelessly interface with at least one of the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d to facilitate access to one or more communication networks, such as the core network 106, the Internet 110, and/or the networks 112. By way of example, the base stations 114a, 114b may be a base transceiver station (BTS), a Node-B, an eNode B, a Home Node B, a Home eNode B, a site controller, an access point (AP), a wireless router, and the like. While the base stations 114a, 114b are each depicted as a single element, it will be appreciated that the base stations 114a, 114b may include any number of interconnected base stations and/or network elements.
(国際公開3ページ?4ページ)
(当審訳
[0014] 図1Aは、1つまたは複数の開示された実施形態が実装され得る例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、複数の無線ユーザに音声、データ、映像、メッセージング、放送などのコンテンツを提供する多元接続システムである可能性がある。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有によってそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にすることができる。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方法を使用することができる。
[0015] 図1Aに示されるように、通信システム100は、無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、およびその他のネットワーク112を含み得るが、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を考慮することが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境内で動作および/または通信するように構成された任意の種類のデバイスである可能性がある。例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサー、家庭用電化製品などを含み得る。
[0016] 通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bも含み得る。基地局114a、114bのそれぞれは、コアネットワーク106、インターネット110、および/またはネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェースをとるように構成された任意の種類のデバイスである可能性がある。例として、基地局114a、114bは、無線基地局(BTS)、Node-B、eNodeB、ホームNodeB、ホームeNodeB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどである可能性がある。基地局114a、114bはそれぞれ単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互に接続された基地局および/またはネットワーク要素を含み得ることが理解されるであろう。
(【0009】?【0011】))

(ウ) [0035] FIG. 1C is a system diagram of the RAN 104 and the core network 106 according to an embodiment. As noted above, the RAN 104 may employ an E-UTRA radio technology to communicate with the WTRUs 102a, 102b, 102c over the air interface 116. The RAN 104 may also be in communication with the core network 106.
[0036] The RAN 104 may include eNode-Bs 140a, 140b, 140c, though it will be appreciated that the RAN 104 may include any number of eNode-Bs while remaining consistent with an embodiment. The eNode-Bs 140a, 140b, 140c may each include one or more transceivers for communicating with the WTRUs 102a, 102b, 102c over the air interface 116. In one embodiment, the eNode-Bs 140a, 140b, 140c may implement MIMO technology. Thus, the eNode-B 140a, for example, may use multiple antennas to transmit wireless signals to, and receive wireless signals from, the WTRU 102a.
(国際公開10ページ)
(当審訳
[0035] 図1Cは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上述のように、RAN104は、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を使用する可能性がある。RAN104は、コアネットワーク106とも通信している可能性がある。
[0036] RAN104はeNode-B140a、140b、140cを含む可能性があるが、RAN104は、実施形態に準拠したまま、任意の数のeNode-Bを含み得ることが理解されるであろう。eNode-B140a、140b、140cは、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバをそれぞれが含み得る。一実施形態において、eNode-B140a、140b、140cは、MIMO技術を実装することができる。したがって、eNode-B140aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信することができる。
(【0030】,【0031】))

(エ) [0051] Given these core set of MBMS features and mechanisms in LTE R9, LTE Release 10 (R10) and Release 11 (Rll) include provisioning for the MBMS operator, (on the network side), to obtain the MBMS service status feedback information from the MBMS receiving WTRUs and the MBMS-interested WTRUs. This information fed back from the WTRUs, (sometimes called MBMS counting), may allow the operator to choose among activating, continuing or deactivating the MBSFN transmission for certain MBMS services in order to be more service efficient as well as to gain more service reception statistics. For example, if there are sufficient WTRUs receiving or interested in receiving a current MBMS service, the service may then begin or continue, otherwise it may be stopped.
[0052] For determining how many WTRUs are receiving currently ongoing MBMS services, the network may employ the current MCCH message MBSFNAreaConfiguration message for MBMS and include, for each service of interest, a report-indicator in the SessionlnfoList information element (IE) of that message to solicit WTRU reports. A Boolean indicator (Yes/No) may be included for each service for which the network desires reception status. Ongoing services are only included in the MCCH. The request is for whether each WTRU receiving the MCCH is receiving the indicated service(s).
[0053] For controlling the total number of WTRUs reporting, either the network directly queries the WTRUs, or some filter technique such as a probability factor (backoff) scheme may be used.
[0054] For WTRUs reporting the MBMS service status, a WTRU service status report is per MBMS service, multiple service status' may be reported at a time, and the report may be constructed with respect to the service(s) listed in the MBSFNAreaConfiguration message.
[0055] A general WTRU mechanism for reporting may be a RRC message, a MAC CE, a layer 1 (LI) signal, or by forming MBMS service status IEs appended to RRC messages, however no details are known. The impact of such mechanisms on legacy devices should be minimized, (it may be tolerable if reception status of legacy devices stays unknown to the network). All of the new LTE R10 mechanisms should not impact the legacy WTRUs, (R8 or R9), MBMS capable or not. Other mechanisms may be used of if not backward compatible.
(国際公開13ページ?14ページ)
(当審訳
[0051] LTE R9において、これらコアセットのMBMSの機能とメカニズムが与えられ、LTE Release10(R10)及びRelease11(R11)は、(ネットワーク側の)MBMSの運用者(オペレータ)がMBMSを受信しているWTRU及びMBMSに関心のあるWTRUからMBMSサービス状態フィードバック情報を得るための規定を含む。WTRUからフィードバックされるこの情報(MBMSカウンティング(counting)と呼ばれることがある)は、運用者が、サービス効率がより良くなるために、およびサービス受信の統計を向上させるために、特定のMBMSのサービスに関するMBSFNの送信をアクティブ化すること、継続すること、または非アクティブ化することの中から選択を行うことを可能にすることができる。例えば、現在のMBMSのサービスを受信するかまたは受信することに関心のある十分なWTRUが存在する場合、サービスが開始または継続することができ、そうでない場合、サービスは停止される可能性がある。
[0052] いくつのWTRUが現在行われているMBMSのサービスを受信しているかを判定するために、ネットワークは、MBMSに関する現在のMCCHメッセージ、MBSFNAreaConfigurationメッセージを使用し、対象のそれぞれのサービスに関して、WTRUのレポートを要請するために、そのメッセージのSessionInfoList情報要素(IE)にレポートインジケータ(report-indicator)を含めることができる。ブール値のインジケータ(はい/いいえ)が、ネットワークが受信状態を求める各サービスに関して含まれ得る。行われているサービスのみが、MCCHに含まれる。要求は、MCCHを受信する各WTRUが、示された(1つまたは複数の)サービスを受信しているかどうかに関するものである。
[0053] レポートするWTRUの総数を制御するために、ネットワークがWTRUに直接問い合わせるか、または確率因子(バックオフ)方式(probability factor(backoff) scheme)などの何らかのフィルタ技術が使用され得るかのいずれかである。
[0054] MBMSのサービスの状態をレポートするWTRUに関して、WTRUのサービスの状態のレポートは、MBMSのサービスごとであり、複数のサービスの状態が一度にレポートされる可能性があり、レポートは、MBSFNAreaConfigurationメッセージに記載された(1つまたは複数の)サービスに関して構築される可能性がある。
[0055] レポートするための通常のWTRUのメカニズムは、RRCメッセージ、MAC CE、レイヤ1(L1)信号であるか、またはRRCメッセージに付加されるMBMSのサービスの状態のIEを形成することによる可能性があるが、詳細は知られていない。レガシーデバイスに対するそのようなメカニズムの影響は、最小限にされるべきである(そのようなメカニズムは、レガシーデバイスの受信状態がネットワークに分からないままである場合、許容できる可能性がある)。新しいLTE R10のメカニズムのすべては、(R8またはR9の)MBMSに対応または未対応のレガシーWTRUに影響を与えてはならない。下位互換性がない場合は、その他のメカニズムが使用され得る。
(【0046】?【0050】))

(オ) [0057] In one example, a query and response approach may be used such that the network may query in the DL regarding some MBMS service reception related status and the relevant WTRUs may respond with status in the UL. In some cases, the response may need to be transmitted within a defined time frame. The queried status may include one or more of the ongoing MBMS service, the services to be transmitted in the near-future and the WTRU- subscribed MBMS services. The network may count the results received on the specific service reception status and/or the reception intention. In another instance, a base station may count the results received on the specific service reception status and/or the reception intention.
(国際公開15ページ)
(当審訳
[0057] 一例において、ネットワークが何らかのMBMSのサービスの受信に関連する状態に関してDLにおいて問い合わせることができ、関連するWTRUがULにおいて状態で応答することができるような問い合わせおよび応答のアプローチが、使用される可能性がある。場合によっては、応答は、定義されたタイムフレーム内で送信される必要がある可能性がある。問い合わされる状態は、行われているMBMSのサービス、近いうちに送信される予定のサービス、およびWTRUが加入しているMBMSのサービスのうちの1つまたは複数を含む可能性がある。ネットワークは、特定のサービスの受信状態および/または受信の意思に関して受信された結果を集計する可能性がある。別の場合、基地局が、特定のサービスの受信状態および/または受信の意思に関して受信された結果を集計する可能性がある。
(【0052】))

(カ) [0061] Described herein are MBMS service query categories for the query and response approach. These queries may be useful to a network supporting MBMS or to a network MBMS operator to determine when or whether to start, continue, or stop certain MBMS services for transmission or for program adjustment. Although the term network MBMS operator is used in the examples herein, the term may refer to network entities that may have need for MBMS feedback information.
[0062] One or more of the following categories of MBMS service status may be queried by the MBMS operator (hereafter query- category). An example query- category may be "which of the MBMS services that are currently being actively transmitted are the WTRUs currently receiving." Another example query- category may be "which of the MBMS services that are to be transmitted in the near future are the WTRUs intending to receive." The MBMS services may include those that are currently being transmitted and/or those that are not being currently transmitted. Another example query-category may be "which of the MBMS services are subscribed by the MBMS-interested WTRUs." Another example query-category may be "which of the MBMS services were serviced and received by a WTRU within a certain period of time in the past." Other query- categories may be used along with different terminology and query formulation. For example, the terms in the above example query-categories may be interchanged and combined in different ways.
[0063] Described herein are methods and mechanisms for MBMS service status query by the network. When necessary, the network MBMS operator may transmit a query message or a service query IE to the MBMS WTRU population.
[0064] The query may include one of more of the following items. For example, the query may include a list of the MBMS services for which the current reception status of the WTRUs may be requested. The list of MBMS services may be identified by their service identities (service-IDs) or the like, for example. In another example, the query may include a list of the MBMS services with their respective querying category indicator for which one or more of the current reception status, intended reception status, and subscription status of the WTRUs may be requested. The list of MBMS services may be identified by their service-IDs or the like, for example.
[0065] In another example, one or more service query category indicator(s) may be included in the query for which MBMS service status of the WTRUs may be requested. In this case, service -IDs or equivalents may be omitted from the request. In another example, one or more service query category indicator(s) with each associated with, (i.e. followed by), a list of MBMS services for which the WTRUs MBMS service status for each of those services may be requested with respect to the specific category(s) of status. The list of MBMS services may be identified by their service-IDs or the like, for example.
(国際公開16ページ?18ページ)
(当審訳
[0061] 本明細書において説明されるのは、問い合わせおよび応答のアプローチのためのMBMSのサービスの問い合わせのカテゴリーである。これらの問い合わせは、送信のため、もしくはプログラムの調整のために特定のMBMSのサービスをいつ開始、継続もしくは停止すべきか、または開始、継続もしくは停止すべきであるかどうかを判定するために、MBMSをサポートするネットワークまたはネットワークのMBMSの運用者に役立つ可能性がある。用語、ネットワークのMBMSの運用者が本明細書の例で使用されているが、この用語は、MBMSのフィードバック情報を必要とする可能性があるネットワークエンティティを指す可能性がある。
[0062] MBMSサービスの状態の以下のカテゴリーのうちの1つまたは複数が、MBMSの運用者によって問い合わされる可能性がある(以降、問い合わせカテゴリー)。例示的な問い合わせカテゴリーは、「WTRUが、現在アクティブ状態で送信されているMBMSのサービスのうちのどれを現在受信しているか」である可能性がある。別の例示的な問い合わせカテゴリーは、「WTRUが、近いうちに送信される予定のMBMSのサービスのうちのどれを受信することを意図しているか」である可能性がある。MBMSのサービスは、現在送信されているMBMSのサービス、および/または現在送信されていないMBMSのサービスを含み得る。別の例示的な問い合わせカテゴリーは、「MBMSのサービスのうちのどれがMBMSに関心のあるWTRUによって加入されているか」である可能性がある。別の例示的な問い合わせカテゴリーは、「MBMSのサービスのうちのどれが、過去の特定の期間内に提供され、WTRUによって受信されたか」である可能性がある。その他の問い合わせカテゴリーが、異なる用語および問い合わせの語句とともに使用される可能性がある。例えば、上記の例示的な問い合わせカテゴリーにおける用語は、交換可能であり、さまざまに組み合わされる可能性がある。
[0063] 本明細書において説明されるのは、ネットワークによるMBMSのサービスの状態の問い合わせのための方法およびメカニズムである。必要なとき、ネットワークのMBMSの運用者は、問い合わせのメッセージまたはサービスの問い合わせのIEをMBMSのWTRUのすべてに送信することができる。
[0064] 問い合わせは、以下の項目のより多くのうちの1つを含み得る。例えば、問い合わせは、WTRUの現在の受信状態が要求され得るMBMSのサービス(MBMS services)のリストを含む可能性がある。MBMSのサービス(MBMS services)のリストは、例えば、それらのMBMSのサービス(MBMS services)のサービス識別情報(サービスID(service-IDs))などによって識別され得る。別の例において、問い合わせは、WTRUの現在の受信状態、意図される受信状態、および加入状態のうちの1つまたは複数が要求され得るMBMSのサービス(MBMS services)のそれぞれの問い合わせるカテゴリーのインジケータ(querying category indicator)をともなうMBMSのサービス(MBMS services)のリストを含み得る。MBMSのサービス(MBMS services)のリストは、例えば、それらのMBMSのサービス(MBMS services)のサービスID(service-IDs)などによって識別され得る。
[0065] 別の例において、WTRUのMBMSのサービスの状態が要求され得る問い合わせに、1つまたは複数のサービスの問い合わせカテゴリーのインジケータが、含まれる可能性がある。この場合、サービスIDまたは同等のもの、要求から省略される可能性がある。別の例において、MBMSのサービスのそれぞれに関するWTRUのMBMSのサービスの状態が状態の(1つまたは複数の)特定のカテゴリーに関して要求され得るそれらのMBMSのサービスのリストにそれぞれが関連付けられた(すなわち、MBMSのサービスのリストが後に続く)1つまたは複数のサービスの問い合わせカテゴリーのインジケータ。MBMSのサービスのリストは、例えば、それらのMBMSのサービスのサービスIDなどによって識別され得る。
(【0056】?【0060】))

(キ) [0136] Described herein are WTRU response mechanisms to the MBMS service status query. The WTRU may use one or more of the following UL mechanisms to transmit the WTRU MBMS service query response.
[0137] In one mechanism, a new specific UL message in non-access stratum (NAS) or RRC may be defined. For a WTRU in connected mode operation, the WTRU may send the NAS or RRC message at any time during the WTRU's RRC_CONNECTED state operation for the purpose of a query response. A network response in this case is not required.
[0138] For a WTRU in idle mode to report to the query response, the WTRU may piggyback the NAS message in conjunction with the LTE RRCConnectionSetupComplete message, (like a NAS attach), after the idle mode WTRU establishes a RRC Connection. The base station may dispatch or forward the NAS part, (the query response), to the MCE or to the MBMS service node.
[0139] The WTRU may send the RRC message after the RRC Connection is established using one of the following methods. In one method, the WTRU may piggyback it to the RRCConnectionSetupComplete. In another method, the WTRU may replace the RRCConnectionSetupComplete message with the RRC message which includes the MBMS service query response. In another method, the WTRU may send it to the network as a separate message after, (for example right after), sending the RRCConnectionSetupComplete message.
[0140] If the reason for the RRC connection was solely for the sending of the MBMS query response, the base station may then release the RRC connection after the response is received. The base station may be responsible for forwarding the query response to the MCE.
(国際公開32ページ?33ページ)
(当審訳
[0136] 本明細書において説明されるのは、MBMSのサービスの状態の問い合わせに対するWTRUの応答メカニズムである。WTRUは、以下のULのメカニズムのうちの1つまたは複数を使用して、WTRUのMBMSのサービスの問い合わせの応答を送信することができる。
[0137] 1つのメカニズムにおいて、非アクセス層(NAS)またはRRCの新しい特定のULのメッセージが、定義される可能性がある。接続モードで動作中のWTRUに関して、WTRUは、問い合わせの応答の目的で、WTRUのRRC_CONNECTED状態の動作中の任意の時間にそのNASまたはRRCメッセージを送信することができる。この場合のネットワークの応答は、必要とされない。
[0138] アイドルモードのWTRUが問い合わせの応答に報告するために、WTRUは、アイドルモードのWTRUがRRCコネクションを確立した後、(NASアタッチのように)LTE RRCConnectionSetupCompleteメッセージに便乗してNASメッセージを送ることができる。基地局は、NASの部分(問い合わせの応答)をMCEまたはMBMSサービスノードにディスパッチまたは転送することができる。
[0139] WTRUは、以下の方法のうちの1つを用いて、RRCコネクションが確立された後にRRCメッセージを送信することができる。1つの方法において、WTRUは、そのRRCメッセージをRRCConnectionSetupCompleteに載せることができる。別の方法において、WTRUは、RRCConnectionSetupCompleteメッセージを、MBMSのサービスの問い合わせの応答を含むRRCメッセージで置き換えることができる。別の方法において、WTRUは、RRCConnectionSetupCompleteメッセージを送信した後に(例えば、直後に)そのRRCメッセージを別のメッセージとしてネットワークに送信することができる。
[0140] RRCコネクションの原因がMBMSの問い合わせの応答を送信するためだけであった場合、基地局は、応答が受信された後にRRCコネクションを解放することができる。基地局は、問い合わせの応答をMCEに転送する役割を担うことができる。
(【0131】?【0135】))

(ク) [0144] FIG. 3 shows an example signal flow diagram for idle mode WTRU reporting MBMS service status. A wireless communication system 300 may include a WTRU 305, a base station 310 and an MCE 315. The WTRU 305 is in idle mode and has an active MBMS application 308. The MCE 315 may send an MBMS service status query message to the base station 310 (320), which in turn may forward the MBMS service status query message over the MCCH to the WTRU 305 (325). The WTRU 305 may then prepare an MBMS service status response 330, and send an RCCConnectionRequest message over the random access channel to the base station 310 (335). The cause identified for this request may be the "report MBMS status" code or something similar. As a result of the cause code, the base station 310 may take no action towards the Mobility Management Entity (MME) or the packet data network gateway/the serving gateway [P/S-GW) (340). The base station 310 may then send an RCCConnectionSetup message over the control channel to the WTRU 305 (345).
[0145] The WTRU 305 may include a response IE in an RRCConnectionSetupComplete message, which may be sent over a dedicated control channel to the base station 310 (350). The base station 310 may then send an MBMS service status report with a response IE to the MCE 315 (355).
[0146] Since the "report MBMS status" cause code was sent, the base station 310 may know that the connection establishment was used for reporting the MBMS service query response. The base station 310 may then release the RRC connection, (i.e., disconnect the WTRU connection) (360) and may send an RCCConnectionRelease message over the dedicated control channel to the WTRU 305 (365), which then returns to the idle mode (370).
(国際港か33ページ?34ページ)
(当審訳
[0144] 図3は、MBMSのサービスの状態を報告するアイドルモードのWTRUに関する例示的な信号フロー図を示す。無線通信システム300は、WTRU305、基地局310、およびMCE315を含み得る。WTRU305は、アイドルモードであり、アクティブなMBMSアプリケーションを有する308。MCE315は、MBMSサービス状態問い合わせメッセージを基地局310に送信することができ(320)、そして今度は、基地局310が、そのMBMSサービス状態問い合わせメッセージをMCCHを介してWTRU305に転送することができる(325)。次に、WTRU305は、MBMSサービス状態応答を準備し330、RRCConnectionRequestメッセージを、ランダムアクセスチャネルを介して基地局310に送信することができる(335)。この要求に関して識別される原因は、「MBMSの状態を報告する」コードまたはそれに類するものである可能性がある。原因コードの結果として、基地局310は、モビリティ管理エンティティ(MME)またはパケットデータネットワークゲートウェイ/サービングゲートウェイ(P/S-GW)に対していかなるアクションも行わない可能性がある(340)。次いで、基地局310は、RRCConnectionSetupメッセージを、制御チャネルを介してWTRU305に送信することができる(345)。
[0145] WTRU305は、個別制御チャネルを介して基地局310に送信され得るRRCConnectionSetupCompleteメッセージに応答のIEを含めることができる(350)。次に、基地局310は、応答のIEによるMBMSのサービスの状態の報告をMCE315に送信することができる(355)。
[0146] 「MBMSの状態を報告する」原因コードが送信されたので、基地局310は、コネクションの確立がMBMSのサービスの問い合わせの応答を報告するために使用されたことを知ることができる。そのとき、基地局310は、RRCコネクションを解放する(すなわち、WTRUのコネクションを切断する)ことができ(360)、RRCConnectionReleaseメッセージを、個別制御チャネルを介してWTRU305に送信することができ(365)、次いで、WTRU305は、アイドルモードに戻る(370)。
(【0139】?【0141】))

イ 先願発明
以上によれば,先願明細書等には,次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されているといえる。

MBMS(multimedia broadcast multicast services)のサービスの状態を報告するアイドルモードの無線送受信ユニット(WTRU)に関し,
WTRU(305)は,アイドルモードであり,アクティブなMBMSアプリケーションを有し(308),
MCE315は,MBMSサービス状態問い合わせメッセージを基地局310に送信し(320),基地局(310)から,そのMBMSサービス状態問い合わせメッセージをMCCHを介して,WTRU(305)は転送され(325),
WTRU(305)は,MBMSサービス状態応答を準備し(330),RRCConnectionRequestメッセージを,ランダムアクセスチャネルを介して基地局(310)に送信し(335),
基地局(310)から,RRCConnectionSetupメッセージを,制御チャネルを介して,WTRU(305)は送信され(345),
WTRU(305)は,個別制御チャネルを介して基地局(310)に送信され得るRRCConnectionSetupCompleteメッセージに応答のIEを含む(350),
基地局(310)は,応答のIEによるMBMSサービス状態報告をMCE(315)に送信し(355),
「MBMSの状態を報告する」原因コードが送信されたので,基地局(310)は,コネクションの確立がMBMSのサービスの問い合わせの応答を報告するために使用されたことを知る,
無線送受信ユニット(WTRU)。

3.対比及び検討

本件補正発明と先願発明を比較すると次のことがいえる。

◇ア 先願発明における「無線送受信ユニット(WTRU)(305)」は,先願明細書[0014],[0015]等における記載(上記「2.」の(2)ア(イ)参照。)によれば,「移動通信デバイス」といえる。
そして,当該「WTRU」が,「通信システム(100)」のためのものであり,更に「基地局(310)」から「MBMSサービス(マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)」を受信しうることは明らかである。
また,上記「MBMSサービス(マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)」は,移動局である「WTRU」に対するものであるのだから,「移動ブロードキャスト/マルチキャストサービス」といい得る。
このことは,当該「WTRU」が「基地局」による「カバレッジエリア」内に存在することを示し,また,上記「カバレッジエリア」内で,上記「通信システム」が上記MBMSサービスを配信するように動作可能であることを示しているといえる。
そして,先願に係る図1A及び図1C及び先願明細書[0014]?[0016],[0035],[0036](【0009】?【0011】,【0030】,【0031】)における記載(上記「2.」の(2)ア(イ)及び同(ウ)参照。)によれば,上記「通信システム」においては,基地局が複数存在しうることを予定している。
そうすると,先願発明における「基地局」が複数の基地局に含まれる「特定の基地局」といい得る。
ここで,「カバレッジエリア」が「基地局」と「移動局」とが通信を行いうる「エリア」を意味することは技術常識であって,上記「基地局(310)」のみならず,複数の基地局も「カバレッジエリア」内に含まれることは当然である。
つまり,上記「通信システム」は,「所定の基地局を含む複数の基地局を含むカバレッジエリア内で,移動ブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)サービスを配信するように動作可能」であるといえる。
このことは,先願発明に,実質的に記載されているに等しい事項であるといい得る。

◇イ 先願発明における「WTRU」は,上記◇アにも述べたように,「基地局(310)」と各種の「メッセージ」を通信していることは明白である。
このような通信を行うために,当該「WTRU」を,上記「基地局」を含むカバレッジエリア内で登録しなければならないことは,移動通信の分野において当然である。
つまり,先願発明における「WTRU」は,当該「WTRU」を,「所定の基地局を含むカバレッジエリア内で登録する手段」を実質的に備えているといい得る。

◇ウ 先願発明における「WTRU」は,「基地局(310)」から送信された「RRCConnectionSetupメッセージ」つまり「RRC接続の設定メッセージ」を受信し,上記「基地局」に「RRCConnectionSetupCompleteメッセージ」つまり「RRC接続の設定完了メッセージ」を送信する。
このことは,当該「WTRU」が「RRC接続を有しないアイドルモード」であるといい得ることを示している。
ここで,上記◇イにも述べた「WTRU」の「登録」を踏まえれば,当該「WTRU」は,「カバレッジエリア内に登録されているが,カバレッジエリア内の基地局(310)へのRRC接続を有しないアイドルモードにおいて動作する手段」を実質的に備えているといい得る。

◇エ (ア) 先願発明において,「WTRU(305)」が受信する「MBMSサービス状態問い合わせメッセージ」に関し,先願明細書の[0062]ないし[0064]における記載(上記「2.」の(2)ア(カ)参照。)を参照すれば,「MBMSサービス状態」の「問い合わせ」は、「WTRUが、近いうちに送信される予定のMBMSのサービスのうちのどれを受信することを意図しているか」であること,「MBMSのサービスのうちのどれがMBMSに関心のあるWTRUによって加入されているか」であること,また,「WTRUの現在の受信状態、意図される受信状態、および加入状態」のうちの1つまたは複数が要求され得る「MBMSのサービスのそれぞれの問い合わせるカテゴリーのインジケータ(querying category indicator)」をともなう「MBMSのサービスのリスト」を含み,そして,当該「MBMSのサービスのリスト」は、「それらのMBMSのサービスのサービスID」などによって識別される。

(イ) 先願発明において,上記ウに述べた「RRCConnectionSetupCompleteメッセージ」は,「応答のIE(information element(情報要素))」を含み(350),「基地局(310)」は、当該「応答のIE」による「MBMSサービス状態報告」をMCE(315)に送信する(355)。

(ウ) 上記(ア)及び上記(イ)に述べたことからみると,先願発明における「基地局(310)」及び「MCE(multi-cell/multicast coordination entity(マルチセル/マルチキャスト調整エンティティー))(315)」は,「WTRU」に「MBMSサービスの状態」を問合せ,その問合せに対する「応答のIE」により,「WTRUが、近いうちに送信される予定のMBMSのサービスのうちのどれを受信することを意図しているか」であること,「MBMSのサービスのうちのどれがMBMSに関心のあるWTRUによって加入されているか」であること等を知りうるものであるといえる。
更に,「MBMSのサービス(MBMS services)のリスト」は,それらのMBMSのサービス(MBMS services)のサービスID(service-IDs)などによって識別されるものである(上記「2.」の(2)ア(カ)参照。)。

ここで,上記
及びにおける「MBMSのサービス」は,「WTRU」が「カバレッジエリア」内で「利用可能な」ものであるといえる。
このことは,先願明細書[0051]記載の「MBMSカウンティング」を参照するならば,先願発明における「MBMSサービス状態問い合わせメッセージ」が,「カバレッジエリア内で利用可能なMBMSサービスについて,WTRUをカウンティングすることが要求されたこと」を示す「指示」といえることを示し,当該「指示」を「WTRU」が受信することは明らかである。
してみると,上記
及びにおける「MBMSのサービス」を識別する「サービスID」は,「カバレッジエリア内で利用可能になるMBMSサービスの識別情報」といえる。
また,当該「サービスID」によって,先願発明における「WTRU」は,「MBMS」が利用可能になるか否かを判断し,MBMSが利用可能になると判断したときに,MBMSサービスを受信することへの関心を,「応答のIE」により基地局に示しているといい得る。

以上によれば,先願発明における「WTRU」は,「カバレッジエリア内で利用可能なMBMSサービスについて,WTRUをカウンティングすることが要求されたことを示す指示」を「受信する手段」,「カバレッジエリア内で利用可能になるMBMSサービスの識別情報」を「判断する手段」,そして,当該「判断する手段」が,「MBMSが利用可能になると判断したときに,前記MBMSサービスを受信することへの関心」を「基地局」に「示す手段」を実質的に備えているといい得る。

◇オ 上記(イ)にも述べたとおり,「応答のIE」は,「RRCConnectionSetupCompleteメッセージ」に含まれるものであり,当該「メッセージ」が「RRC接続」の確立を意味するものであることは明白である。
そうすると,上記(ウ)に述べたことも踏まえるならば,「応答のIE」を基地局に送信し,「MBMSサービスを受信することへの関心」を「示す手段」は,「WTRUがアイドルモードにある」ときに,「基地局との通信を開始して,RRC接続を確立し,RRC接続の確立の際に,基地局」に「少なくとも1つのメッセージ」として「RRCConnectionSetupCompleteメッセージ」を送信し,「RRC接続の確立がMBMSサービスへの関心を示すためのものであることを示すこと」によって,関心を示すように動作可能である」といい得る。

◇カ 上記◇アないし◇オに述べたとおりであり,先願発明は,本件補正発明を特定する事項全てを実質的に備えているといい得るものである。
したがって,本件補正発明は,その出願の日前の外国語書面出願であって,その出願後に国際公開がされた先願の外国語書面に記載された先願発明と同一であるといい得る。

4.まとめ

以上のとおりであって,本件出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る先願発明をした者と同一ではなく,またこの出願の時において,その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので,本件補正発明は,特許法
第29条の2の規定に該当し,特許出願の際独立して特許を受けることができない。

したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明

上記「第2」に述べたとおり,本件補正は却下された。
したがって,本件出願における請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成26年6月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項(上記「第2」の1.(1)の「本件補正前」参照。)により特定されるとおりのものである。

第4 当審の判断

1.先願明細書等記載事項及び先願発明
先願明細書等記載事項及び先願発明は,上記「第2」の2.(2)ア及び同イに記載のとおりである。

2.対比及び検討
本件補正発明は,本願発明を特定する事項に限定を附したものである。
してみると,本願発明を特定する事項を含み,更に限定を附したものに相当する本件補正発明は,先願発明と同一であるのだから,附された限定を省いた本願発明を特定する事項全てを,先願発明が備えることは当然である。
したがって,本願発明も,その出願の日前の外国語書面出願であって,その出願後に国際公開がされた先願の外国語書面に記載された先願発明と同一であるといい得る。

3.まとめ
以上のとおりであって,本件出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る先願発明をした者と同一ではなく,またこの出願の時において,その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので,本願発明は,特許法第29条の2の規定に該当する。

第5 むすび

以上のとおりであるから,本願発明は,特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
したがって,他の請求項について論及するまでもなく,本願は,拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-10-01 
結審通知日 2015-10-07 
審決日 2015-10-20 
出願番号 特願2013-519670(P2013-519670)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04W)
P 1 8・ 16- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深津 始  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 久松 和之
近藤 聡
発明の名称 ユニキャスト又はブロードキャスト/マルチキャストを介してMBMSサービスを提供するための通信システム  
代理人 佐々木 敬  
代理人 松田 順一  
代理人 池田 憲保  
代理人 亀谷 真太郎  
代理人 福田 修一  

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