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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1309371
審判番号 不服2015-15710  
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-25 
確定日 2016-01-04 
事件の表示 特願2011- 90894「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月15日出願公開、特開2012-223228〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年4月15日の出願であって、平成26年12月25日付けで拒絶の理由が通知され、平成27年3月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成27年5月22日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成27年8月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。

第2 平成27年8月25日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成27年8月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機であって、
表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備えるとともに、
遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチとして、
クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを備え、
前記ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置を備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与され、
1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機において、
遊技として、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技を備え、
前記擬似遊技は、擬似的に回転している回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させるものであり、
前記制御装置は、
前記通常の遊技を一時的に中断させて前記擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、
前記処理を所定回数繰り返すことを特徴とする遊技機。」(平成27年3月5日)
から、
「【請求項1】
遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機であって、
前記通常の遊技に用いられ、かつ表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備えるとともに、
遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチとして、
クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを備え、
前記ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの信号に基づいて、遊技に付随する演出を制御するための演出制御装置と、を備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各前記回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与され、
1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機において、
遊技として、前記通常の遊技と同じ前記回転リールを用いるが、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技を備え、
前記擬似遊技は、擬似的に回転している前記回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させるものであり、
前記遊技制御装置は、
前記通常の遊技を一時的に中断させて前記擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、
前記処理を所定回数繰り返すことを特徴とする遊技機。」(平成27年8月25日)
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。

2 補正の目的等
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「回転リール」に関して、「通常の遊技に用いられ、かつ表面に複数の図柄が表示され」る点、「制御装置」に関して、「遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの信号に基づいて、遊技に付随する演出を制御するための演出制御装置」を備える点、及び「擬似遊技」に関して、通常の遊技と同じ前記回転リールを用いる点を限定したものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、上記補正は新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)刊行物1に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2010-220803号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。

(1-a)「【0001】
本発明は、演出用の演出表示手段を備えるスロットマシンに関し、特に、この演出表示手段において、遊技者の操作に基づいてゲームを進行させるスロットマシンに関する。」

(1-b)「【0009】
ところで、通常のスロットマシンには、遊技者による過剰な遊技投資を抑制することを目的として、単位時間当たりに消化される遊技回数を制限するために、所定時間内の次回遊技におけるリールの回転開始を禁止するウエイトタイマが設けられている。
このウエイトタイマは、リールの回転開始時などの所定のタイミングで、一遊技毎に設定されるとともに、このタイミングから計時が開始され、既定時間の経過前において、次回遊技におけるリールの回転開始を禁止するようになっている。
しかしながら、このようなウエイトタイマは、過剰な遊技投資を抑制するために必要であるものの、この間は、遊技媒体を投入してスタートレバーを操作しても、リールが回転しないため、遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間となっていた。
【0010】
また、小役に入賞し、所定数の遊技媒体が払出されている間は、遊技媒体の投入やスタートレバー操作などの遊技操作が無効となっている。
この時間は、払出動作を保証するために必要であるものの、ウエイトタイマと同様に、次回の遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間となっている。
このような遊技進行不能な時間を持て余している多くの遊技者は、遊技の進行を急ぐあまり、スタートレバーや、内部にクレジットされた遊技媒体を遊技に賭けるために操作するベットボタンを、必要以上に操作するなどして、この時間の存在自体にストレスを感じていた。
・・・
【0018】
以上のような現状のスロットマシンが有する問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間を積極的に活用しつつ、遊技価値に対応して付与される得点を賭けてゲームを行うゲーム手段を備えるとともに、このゲーム結果に応じた特典に基づいて、小役の内部当せんの報知を行う従来には存在しない魅力的なスロットマシンを実現し得る本発明に想到するに至ったものである。
【0019】
すなわち、本発明は、上述したような現状の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、スロットマシン遊技の結果に基づいてゲーム可能となり、このゲーム結果がリプレイタイムやアシストタイムなどの特定の遊技状態における小役当せんの報知回数に反映されるとともに、遊技進行不能な時間を有効に活用するスロットマシンの提供を目的とする。」

(1-c)「【発明の効果】
【0021】
本発明のスロットマシンによれば、スロットマシン遊技の結果に基づいてゲーム可能となり、このゲーム結果が小役当せんの報知回数に反映されるため、通常遊技のみならず、すべての遊技状態において、遊技意欲や期待感を持続しつつ、遊技を行うことができ、さらに、遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間を積極的に活用できる。」

(1-d)「【0024】
[スロットマシン本体]
まず、図1?図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、
同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図であり、図3は、本実施形態に係るスロットマシンの表示窓における有効ラインを示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンと同様に、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0025】
本実施形態のスロットマシン1は、スロットマシン遊技を模した擬似スロットマシン遊技(以下、擬似ゲームという。)を行うゲーム手段を備え、ボーナス遊技後に所定の遊技区間に亘ってリプレイタイムに移行するとともに、このリプレイタイムにおいて、擬似ゲームで取得した特典に基づく報知回数分、小役の内部当せんを報知するようになっている。
・・・
【0029】
前面パネル2には、ほぼ中央部分に表示窓3が設けられ、筐体内の各リール21a?21cが外部から視認可能となっている。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に表された複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する三つの図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
そして、この表示窓3を介して視認されるリール21の停止図柄の組合せには、有効ラインが設定されている。
図3に示すように、有効ラインは、水平に3つ平行に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられ、有効ライン1?5に沿って停止表示されたリール21a?21cに表された図柄の組合せによって、所定の遊技価値が付与されるようになっている(図9参照)。」

(1-e)「【0033】
前面パネル2の下側の前扉1aのほぼ中央部分には、スタートレバー4,停止ボタン5,メダル投入口6,精算ボタン6b,ベットボタン7等の遊技者が操作するためのボタン類が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させる遊技スタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する主制御部10にスタート信号が出力され(図5参照)、本体内部の各リール21a?21cが一斉又は順次に回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、主制御部10において内部抽せんが行われ、当せん内容が決定されるようになっている。
さらに、このスタートレバー4は、可変表示部45の各リール451の回転を開始させるゲームスタート手段として兼用され、擬似ゲームが可能な状態において、操作されると、主制御部10から対応する制御コマンドが演出制御部40に送信されて、可変表示部45の各リール451が回転を開始する。
【0034】
停止ボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つの停止ボタン(左)5a,停止ボタン(中)5b,停止ボタン(右)5cが備えられている。この各停止ボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、主制御部10にストップ信号が出力され(図5参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
さらに、この停止ボタン5a,5b,5cは、回転する可変表示部45の各リール451を停止させる停止手段として兼用され、停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されると、主制御部10から対応する制御コマンドが演出制御部40に送信されて、対応する各リール451a,451b,451cの回転が停止するようになっている。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、リール21a?21cとリール451a?451cを回転及び停止させることができ、スロットマシン遊技と擬似ゲームを行うことができる。
【0035】
メダル投入口6は、スロットマシン遊技に使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されたメダル数に応じて遊技が行えるようになっている。
メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の主制御部10に出力されるようになっている。これにより、投入されたメダル数に応じたスロットマシン遊技が行えるようになる。
【0036】
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として主制御部10内のRAM11bに記憶されるようになっており(図5参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留,記憶される。また、入賞時の払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留させる。貯留メダル数は前面パネル2のメダル数表示部2fに数値として表示される。
・・・
【0038】
メダルベットボタン7aは、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入(ベット)するメダル投入用のスイッチである。
このメダルベットボタン7aが押下されると、メダルベット信号が主制御部10に出力され(図5参照)、所定数のメダル(例えば、3枚)が、RAM11bに記憶された貯留メダルからスロットマシン遊技に投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、RAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算され、メダル数表示部2fの表示数値も投入数だけ減ることになる。」

(1-f)「【0046】
[主制御部]
次に、スロットマシン1全体を制御する主制御部10について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る主制御部及びその周辺構成の概略を示すブロック図であり、図6は、本実施形態に係る主制御部において実行される制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の主制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する、IC,メモリ,各種回路基板等を備えたマイクロコンピュータを有する制御基板として構成され、筐体1bの後部に配設されている。
具体的には、主制御部10は、一般的に主基板と呼ばれ、CPU11と、当該CPU11に内蔵され記憶手段であるROM11a及びRAM11b、基準クロックを発生する本体クロック発生回路12、乱数発生のための基準クロックを生成する乱数クロック発生回路14、内部抽せん用の乱数を生成する乱数カウンタ13、表示部2fを駆動する表示部駆動回路15等を備えている。
そして、主制御部10では、ROM11aに記憶されたプログラムやデータに基づき、スロットマシン1全体を制御する処理が実行されるようになっている。
【0047】
具体的には、主制御部10において、メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御する。
さらに、停止表示された停止図柄の組合せを判定して、図柄の組合せに応じて、所定数のメダルを払出したり、通常遊技、ボーナス遊技、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役が高確率で抽せんされるリプレイタイムを含む複数の遊技状態に移行させたりするゲーム管理を行うようになっている。
以下、図6のフローチャートに基づき、主制御部10で実行される処理の流れを詳細に説明する。」

(1-g)「【0053】
内部抽せんは、一遊技毎に遊技者のスタートレバー4の操作のタイミングで行われる抽せん処理であり、カウンタIC等からなる乱数カウンタ13から取得される乱数と、ROM11aに予め設定・記憶された乱数テーブルの値とを比較・判定することにより実行される。
更新範囲(0?16383)で発生する乱数カウンタ13から出力される乱数をスタートレバー4の操作のタイミングで取得(ラッチ)し、取得された乱数を、遊技状態別の乱数テーブルの各抽せん対象に対応する当せん範囲と比較することにより、いずれの抽せん対象に対応する当せん範囲に属しているかを判定し、その属する当せん範囲が示す抽せん対象が今回ゲームの当せん内容として決定・当せんされるようになっている。
【0054】
内部抽せんにおいて抽せんされる抽せん対象には、遊技価値の付与されないハズレと、遊技媒体が付与される、いわゆる「入賞」となって、数枚のメダルが獲得される「小役」と、遊技媒体は付与されないが、次回遊技において、メダルを投入することなく遊技可能となる「再遊技役」と、遊技媒体は付与されないが、所定の小役が連続して当せんする特別な遊技状態であるボーナス遊技(BB1?3,RB)に移行する条件となる「ボーナス役(BB1?3,RB)」とがある。
図9に本実施形態の抽せん対象である各役と、対応する停止表示される各リール21に表された図柄の組合せと、付与される遊技価値と、この遊技価値に対応して付与される得点との関係を示す。」

(1-h)「【0064】
このような遊技状態別の乱数テーブルは、前述のゲームモードフラグの値を参照することで、使用する乱数テーブルが決定されるようになっている。
乱数の判定は、抽せん番号が大きな値の抽せん番号から順次行い、各抽せん対象の当せん範囲の上限値と、乱数カウンタ13から取得された乱数とを比較し、当該遊技における当せん内容が決定される。
決定された当せん内容は、当せんフラグによって管理されるようになっている。
図11は、RAM11bにおける当せんした各役に対応する当せんフラグを設定する当せんフラグ領域を示す図である。
同図に示すように、当せんフラグ領域は、当せん役に対応して当せんフラグ領域1と当せんフラグ領域2が設けられ、当せんフラグ領域1は、ボーナス役を設定する領域、当せんフラグ領域2は、再遊技役(リプレイ)と各種小役を設定する領域となっている。
そして、内部抽せんにおいて、当せんした当せん内容に応じた当せんフラグが設定されるようになっている。
【0065】
例えば、図10における、抽せん番号1の抽せん対象である「BB1」に当せんした場合には、当せんフラグ領域1における「ビット0」に「1」がセットされる。
また、抽せん番号10の抽せん対象である「リプレイ」に当せんした場合には、当せんフラグ領域2の「ビット0」に「1」がセットされる。
そして、この当せんフラグ領域のセットされたフラグを参照して、その後のリール停止制御処理や、停止図柄判定処理が行われ、停止図柄判定処理においてすべて「0」でクリアされるようになっている。
なお、これらの当せんフラグのうち、ボーナス役であるBB1?3、RBに関する当せんフラグは、対応する停止図柄の組合せで停止表示されない限り、当せんフラグはクリアされず、当せんフラグが次回の遊技に持ち越されるようになっている。」

(1-i)「【0069】
次に、遊技者の停止ボタン5の停止操作により、各リール21を停止制御するリール停止制御処理について説明する。
リール停止制御処理では、遊技者が各停止ボタン5を押下するタイミングで発生するストップ信号に基づき、前述した内部抽せんにおける当せん内容(当せんフラグ)に対応した図柄の組合せが停止表示されるように各リール21を停止制御する(S6)。
具体的には、各リール21の停止制御は、リール21毎に、検出されたストップ信号のタイミングにおける各リールの図柄番号領域の図柄番号の値を参照し、停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0?4コマ)にある当せんフラグに対応した図柄の組合せを構成する図柄を各リール毎に決定するとともに、この図柄コマ数に対応するパルス信号をモータ駆動回路22に出力することで、目的とする停止図柄まで各リール21を回転させた後、各リール21を励磁して停止させる処理が行われるようになっている。
なお、当せんフラグに対応した図柄の組合せを構成する停止図柄が停止表示可能な図柄コマ数の範囲内(0?4コマ)にない場合には、図9のいずれの停止図柄の組合せとならない「ハズレ」の組合せとなるように各リールを制御する。
【0070】
次に、主制御部10では、上記のようなリール停止制御処理に続いて、図6に示すように、停止表示された停止図柄の組合せを判定する停止図柄判定処理(S7)が行われるようになっている。
停止図柄判定処理は、停止時の各リールの図柄番号領域における図柄番号を参照することで、停止図柄の組合せを判定する。
各リールの図柄番号領域における図柄番号は、前述したように、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a?21cの図柄番号と一致しているため、中段(中a,中b,中c)の有効ライン1に位置する各リール21a?21cの図柄を判別することで、すべての有効ライン1?5に停止表示された図柄の組合せを、図4に示す図柄の配列に基づき、判定することができる。
そして、判定された停止図柄の組合せが、内部抽せんにおいて当せんした当せんフラグに対応した停止図柄の組合せ(図9参照)か否かを判定し、合致していた場合には、当せんフラグに対応したその後の処理を行うようになっている。
以下、当せんフラグが、再遊技役、各小役、ボーナス役の場合について説明する。
・・・
【0072】
当せんフラグが小役の場合は、以下のような処理が行われる。
各小役に対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合は、図6に示すように、メダルが獲得される「入賞」として判定され(S9)、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域2の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、その後、メダル払出処理(S10)に移行するようになっている。
一方、各小役に対応する停止図柄の組合せで停止されず、いわゆる「取りこぼし」と判定された場合には、上記と同様、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域2の各小役に対応する「ビット」を「0」でクリアし、内部抽せんにおいて上記のボーナス役、再遊技役、小役のいずれにも該当しない「ハズレ」と同様、メダル投入処理(S2)以前の遊技状態に移行するようになっている。
【0073】
一方、当せんフラグが「ボーナス役(BB1?3又はRB)」の場合は、いずれかの「ボーナス役」に対応する図11に示す当せんフラグ領域1の「ビット0?3」に「1」がセットされ、かつ、対応する停止図柄の組合せで停止したと判定した場合には、当該領域を「0」でクリアするとともに、図8におけるゲームモードフラグをボーナス遊技に該当する「ビット4又は5」に「1」をセットし、他のビットを「0」でクリアすることで、ビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技に移行するようになっている。
一方、当せんした当せんフラグが、ボーナス役であるにもかかわらず、対応する停止図柄の組合せで停止していないと判定した場合には、当せん時にセットされた図11における当せんフラグ領域1の対応する「ビット0?3」を「0」でクリアせずに、そのままにし、ボーナス役の当せんフラグを次回遊技に持ち越すようになっている。
この状態は、次回遊技においても、対応する停止図柄の組合せで停止しない限り、継続されるようになっている。」

(1-j)「【0080】
具体的には、演出制御部40では、主制御部10から送信される以下の制御コマンドに基づき、主制御部10が管理する遊技の進行状態、遊技状態、内部抽せんにおける当せん内容を識別し、これらに即した演出を行うことができるようになっている。
例えば、主制御部10から送信される制御コマンドには、メダルのベット操作に基づいて送信されるメダルベットコマンドと、スタートレバー4の操作に基づいて送信されるスタートコマンドと、各停止ボタン5の操作に基づいて送信されるストップコマンドと、内部抽せんの当せん内容に基づいて送信される当せんコマンドと、遊技状態の移行に基づいて送信されるゲームモードコマンドと、リール21の回転開始と停止のタイミングに送信されるリール回転開始・停止コマンドと、メダルの払出開始と終了のタイミングに送信される払出開始・終了コマンドなどがある。
【0081】
また、ウエイトタイム終了のタイミングに送信されるウエイトタイム終了コマンドがある。ウエイトタイムは、主制御部10においてリール21の回転開始時毎に、タイマがセットされるとともに、計時が開始され、所定時間(例えば、4.1秒)の経過で計時が終了するタイマであり、この時間において、次回のスロットマシン遊技におけるリール21の回転開始を禁止するようになっている。
このように、演出制御部40では、主制御部10からの制御コマンドを受信し、解読することで、主制御部10が管理するスロットマシン遊技と同期した演出を行うようになっている。
【0082】
そして、演出制御部40では、得点ベットボタン7bが操作されることで入力される得点ベット信号と、主制御部10から送信される上記の制御コマンドに基づき、ドラムユニット20と同様な構成からなる可変表示部45を制御して、擬似ゲームを進行させるようになっている。
【0083】
具体的には、演出制御部40のサブ制御部41は、主制御部10から内部抽せんの当せん内容に基づいて送信される当せんコマンドに対応する、擬似ゲームに賭ける得点をRAMに加算して記憶するとともに、得点ベットボタン7bからの得点ベット信号を監視して、この得点ベット信号に応じて擬似ゲーム可能な状態とし、スタートコマンドを受信したタイミングで、可変表示部45の各リール451の回転を開始させるとともに、主制御部10で行う内部抽せんと同様、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、ストップコマンドを受信したタイミングで、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール451を停止制御する。
さらに、主制御部10と同様、停止表示された停止図柄の組合せを判定する。このときには、図柄の組合せに応じて、得点や特典を取得し、取得した得点をRAMに加算し、擬似ゲームの元手となるようにクレジット(記憶)するとともに、取得した特典を、リプレイタイムにおいて小役A?Cに当せんしたときにこれらに対応する図柄を報知する報知回数としてRAMに加算してクレジット(記憶)する。
・・・
【0089】
このように、本実施形態の擬似ゲームは、単なるゲームではなく、スロットマシン遊技において付与された得点に基づき、初めてゲーム可能となり、ゲームの結果が、スロットマシン遊技にフィードバックされるという、画期的なゲームサイクルを有している。
すなわち、スロットマシン遊技を行わない限り、擬似ゲームを行うための元手となる得点は付与されず、この得点を元手とした、擬似ゲームの結果、「報知当り」となった場合には、取得した報知回数分、リプレイタイムにおいて小役A?Cの当せんが報知される。
これにより、遊技者は、擬似ゲームを行う権利(得点)を獲得するために、まず、メダルをスロットマシン1に投入して、スロットマシン遊技を行わなければならないことから、遊技場の売上げ向上に資することになるとともに、小役A?Dの当せんは、単にその場限りのメダル獲得にとどまらず、擬似ゲームを行う元手となり、ひいては、特典としてのリプレイタイムにおける報知回数を増加させることになるため、遊技意欲を失いがちな通常遊技においても、この報知回数を少しでも多く取得し、貯蓄しようとして、積極的に擬似ゲームを行うようになり、遊技意欲や期待感の持続しつつ、スロットマシン遊技を行うことができる。」

(1-k)「【0090】
そして、このような擬似ゲームは、スロットマシン遊技の進行とは非同期で、いつでもゲームを行うこともできるし、スロットマシン遊技の進行と同期させてゲームを行うようにさせることもできる。
スロットマシン遊技の進行と非同期で擬似ゲームを行う場合としては、例えば、リール21の回転中に、得点ベットボタン7bを操作するとともに、スタートレバー4を操作して、リール451の回転を開始させるとともに、リール21の停止後に、停止ボタン5を操作して、リール451を停止させることもできる。
また、リール451を、複数回のスロットマシン遊技に亘って、回転させた状態のままにして、任意のタイミングで、停止ボタン5を操作して、リール451を停止させることもできる。
一方、スロットマシン遊技の進行と同期して擬似ゲームを行う場合としては、例えば、スタートレバー4を操作し、リール21が回転を開始すると同時にリール451も回転を開始し、停止ボタン5を操作して、リール21の停止と同時にリール451を停止させることもできる。
【0091】
さらに、スロットマシン遊技の進行と同期して擬似ゲームを行う場合としては、スロットマシン遊技を優先させるために、ゲーム可能な時間を制限することもできる。
これにより、スロットマシン遊技の進行が可能なときは、スロットマシン遊技を優先すべく、スロットマシン遊技を進行させ、スロットマシン遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間で、ゲーム可能とすることで、限られた遊技時間を有効に活用することができる。
そこで、本実施形態では、前述した制御コマンドから、スロットマシン遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間を識別して、このような時間において、積極的に擬似ゲーム可能としている。
【0092】
スロットマシン遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間とは、例えば、入賞によるメダルの払出中の時間や、リール21の回転停止から所定時間経過まで次回リール21の回転が禁止されるウエイトタイムや、演出のため遊技の進行が一時的に停止するフリーズ演出時間などがある。
特に、メダルの払出中は、メダルの投入を含むベット操作を受付けない時間であり、また、リール21の回転中以外のウエイトタイム中では、ベット操作とスタート操作を受付け可能な時間であるものの、この操作に基づく次回リール21の回転が開始されない時間となっている。
そこで、演出制御部40では、このような遊技進行不能な時間において、擬似ゲームが行えるように構成されている。
【0093】
詳細には、サブ制御部41は、遊技進行不能な時間のうち、メダルの払出中に関しては、払出開始・終了コマンドから識別し、リール21の回転中に関しては、リール回転開始・停止コマンドから識別し、リール21の回転中以外のウエイトタイム中は、リール停止コマンドとウエイトタイム終了コマンドから識別することで、このような時間において、少なくとも得点ベットボタン7bとスタートレバー4の各入力操作を受付け可能(ゲーム操作可能)とし、擬似ゲームの進行が開始できるようにしてある。
【0094】
図16は、本実施形態における擬似ゲームを進行させるためのゲーム操作可能な時間を示したタイムチャートである。
同図に示すように、本実施形態では、リール21の回転中において、擬似ゲームの進行を開始させるゲーム開始手段である得点ベットボタン7b又はスタートレバー4の入力操作を受付け不可とするとともに、それ以外において、受付け可能(ゲーム操作可能)としてある。
このように、リール21の回転中においてゲーム不可とすることで、スロットマシン遊技を優先させるとともに、それ以外においてゲーム可能としてある。
【0095】
特に、リール21の回転中以外であって、メダルの払出中とウエイトタイム中は、スロットマシン遊技を進行させることができない遊技進行不能な時間であり、このような時間において、遊技者に擬似ゲームを行わせることで、遊技進行不能な時間を有効に活用することができるとともに、これまでこの遊技進行不能な時間を持て余してストレスを感じていた遊技者のイライラを解消させることができる。
また、メダルの払出中は、少なくとも一回の擬似ゲームを確実に行うことができるような時間を確保すべく、メダルの払出時間を設定することもできる。」

(1-l)「【0098】
また、演出制御部40では、リール21の回転中以外において行うことができる擬似ゲームの試行回数を制限している。
具体的には、サブ制御部41は、このリール21の回転中以外において、一の擬似ゲームが終了し、未だゲーム操作可能な時間が残存していても、次回の得点ベットボタン7b又はスタートレバー4の入力操作を無効とすることで、この間において、擬似ゲームが一回以上行われることを禁止し、擬似ゲームを一回のみ試行可能としている。
これにより、遊技者は、スロットマシン遊技と擬似ゲームを一回ずつ交互に行うことができ、スロットマシン遊技の進行を妨げることなく、かつ、遊技時間を効率的に消化することができる。」

(1-m)段落【0024】、【0025】、【0029】から、複数のリール21a,21b,21cは、スロットマシン遊技に用いられ、かつ複数の図柄が表示されているといえる。

(1-n)段落【0053】、【0053】、【0064】、【0069】?【0073】から、スタートレバー4の操作のタイミングで内部抽せんが行われ、「小役」、「ボーナス役」等が当せんすると、当せんフラグが設定され、遊技者の停止ボタン5の停止操作により複数のリール21a,21b,21cを停止させ、停止表示された停止図柄の組合せが、内部当せんした当選フラグに対応した停止図柄の組み合わせか否かを判定し、当せんフラグが「小役」の場合は、メダル払出処理に移行し、当せんフラグが「ボーナス役」の場合はビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技に移行するものといえる。

(1-o)段落【0083】から、スロットマシン1は、リール21の回転開始時毎に、計時が開始され、所定時間(例えば、4.1秒)の経過で計時が終了するウエイトタイムの時間において、次回のスロットマシン遊技におけるリール21の回転開始を禁止するものといえる。

上記の事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。
「投入されたメダル数に応じたスロットマシン遊技が行えるようになり、投入された複数のメダルを、RAM11bに貯留メダルとして貯留、記憶できるようになっているスロットマシン1であって、
スロットマシン遊技に用いられ、かつ複数の図柄が表示された複数のリール21a,21b,21cを備えるとともに、
遊技者が操作するためのボタン類として、
RAM11bに記憶された貯留メダルの中からゲームに使用するメダルを投入し、貯留メダルが投入されるとRAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算されるメダルベットボタン7aと、
複数のリール21a,21b,21cの回転を開始させるスタートレバー4と、
回転する複数のリール21a,21b,21cを停止させる停止ボタン5とを備え、
メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御して、スロットマシン1全体を制御する主制御部10と、主制御部10から送信される制御コマンドに基づき演出を行う演出制御部40と、を備え、
スタートレバー4の操作のタイミングで内部抽せんが行われ、「小役」、「ボーナス役」等が当せんすると、当せんフラグが設定され、遊技者の停止ボタン5の停止操作により複数のリール21a,21b,21cを停止させ、停止表示された停止図柄の組合せが、内部当せんした当選フラグに対応した停止図柄の組み合わせか否かを判定し、当せんフラグが「小役」の場合は、メダル払出処理に移行し、当せんフラグが「ボーナス役」の場合はビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技に移行し、
リール21の回転開始時毎に、計時が開始され、所定時間(例えば、4.1秒)の経過で計時が終了するウエイトタイムの時間において、次回のスロットマシン遊技におけるリール21の回転開始を禁止するスロットマシン1において、
可変表示部45の各リール451の回転を開始させ、図柄の組合せに応じて、擬似ゲームの元手となる得点や、図柄を報知する報知回数が付与される特典を取得する擬似ゲームを備え、
前記擬似ゲームは、停止ボタン5を操作して、回転しているリール451を停止させるものであり、
前記主制御部10は、演出制御部40にスタートレバー4の操作に基づいて送信されるスタートコマンド、リール回転開始と停止のタイミングに送信されるリール回転開始・停止コマンド、ウエイトタイム終了のタイミングに送信されるウエイトタイム終了コマンド等を送信し、演出制御部40のサブ制御部41は、リール回転停止コマンドとウエイトタイム終了コマンドからウエイトタイム中を識別して擬似ゲームの進行を開始し、
遊技者が、スロットマシン遊技と擬似ゲームを一回ずつ交互に行うことができるようにしたスロットマシン1。」

(2)刊行物2に記載された発明
前置報告書に引用文献3として引用された特開2009-268706号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(2-a)「【0004】
本発明の目的は、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行し、遊技者による停止操作が行われた場合に、ゲームの実行により抽出した乱数の結果に基づき該複数のリールの停止制御を行うようにしたスロットマシンにおいて、特別入賞の当選に対する期待感や遊技の興趣性を高めることである。」

(2-b)「【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効とするゲーム待機時間を設定するゲーム待機時間設定手段により設定されたゲーム待機時間において、所定のリールを変動表示させたのち乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様を停止させる演出変動表示の制御を行う演出変動表示制御手段を備えるので、ゲーム待機時間においてゲームの結果態様を導出するリールの変動表示で内部抽選結果に応じた演出を行うことができ、従来にない斬新且つ興趣性の高い演出が可能となる。また、演出変動表示制御手段は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞が当選した場合に、当該特別入賞が当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させる特定演出変動表示制御手段を含んでいるので、特別入賞に当選した場合には、演出変動表示が行われて特定の表示態様がリールに停止表示されるため、遊技者に確実に内部当選結果を報知することができるし、遊技者の喜びを極めて高めることが可能となり、特別入賞の当選に対する期待感や遊技の興趣性を高めることができる。」

(2-c)「【0043】
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)70とを備えて、制御系を構成している。また、この制御系の構成要素は、それぞれ筐体の内部に配されている。」

(2-d)「【0059】
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、B状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。」

(2-e)「【0065】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。ベット操作がなされると、ベット数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
【0066】
所定時間経過後、リールストップボタン24a、24b、24cの操作に基づいて、リール6a、6b、6cの回転が停止されることで、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、当該入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。」

(2-f)「【0145】
また、本実施形態のスロットマシン1は、ゲームの終了から次のゲームの開始に関わる操作を有効とするまでのゲーム待機時間を設定可能であるとともに、その長さを変更できるようになっている。このゲーム待機時間とは、図19に示すように、前後して実行される2のゲームの間において、前のゲームが終了したとき(t10)からの所定時間(t17まで)であって、このゲーム待機時間中は、ベット操作やスタートレバー21の操作(例えば、t14の操作)などの後のゲームの開始に関わる操作を受け付けないようになっている。よって、次のゲームは、このゲーム待機時間の経過後、ベット操作(メダルの投入又はクレジットからの入力)の後、スタートレバー21の操作に基づくスタートレバーセンサ52からの検出信号の入力(t18)があった際に開始される。なお、ゲーム待機時間は、ウエイト時間よりも後に終了するように設定されている。
【0146】
ゲーム待機時間としては、0秒(ゲーム待機時間なし)、10秒、20秒、30秒があり、後述するように、このうちから一つが内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき選択されて設定されるようになっている。そして、ゲーム待機時間として0秒以外が選択された場合に、そのゲーム待機時間において、終了したゲームで当選していた入賞を示唆する演出変動表示が行われるようになっている。
【0147】
この演出変動表示は、ゲームの終了時(図19のt10)に停止したリール6により図柄表示窓5にゲームの結果態様を表示する状態(図20(a))から、所定のリール6の回転(変動表示)を開始して(図19のt11、図20(b))、所定時間後に停止する(図19のt12)ことで、リール6により図柄表示窓5に演出用の表示態様を表示する状態(図20(c)から(f))とする。」

(2-g)「【0173】
また、遊技制御装置50では、上述のように設定されたゲーム待機時間や演出用の表示態様を実行するための演出変動表示処理が行われる。図27に示すように、この演出変動表示処理においては、まず、ゲームが終了したか否かの判定(ステップS50)を行う。ここで、ゲームの終了とは、すべてのリール6が停止してゲームの結果態様が表示されることである。なお、ゲームの結果態様により入賞が成立してメダルの払い出しがある場合には、その払い出しの終了がゲームの終了となる。ゲームが終了したか否かの判定(ステップS50)において、ゲームが終了していない場合(ステップS50;N)は、演出変動表示処理を終了する。また、ゲームが終了したか否かの判定(ステップS50)において、ゲームが終了している場合(ステップS50;Y)は、ゲーム待機時間が設定されているか否かの判定(ステップS51)を行う。
【0174】
ゲーム待機時間が設定されているか否かの判定(ステップS51)において、ゲーム待機時間が設定されていない(ゲーム待機時間が0秒)場合(ステップS51;N)は、賭入力を有効化する処理(ステップS55)を行い、演出変動表示処理を終了する。この賭入力を有効化する処理(ステップS55)では、ベット操作やスタートレバー21の操作などの後のゲームの開始に関わる操作の受け付けを有効にする処理が行われる。なお、ウエイト時間がある場合は、該ウエイト時間が経過した後、賭入力等を有効にする。また、ゲーム待機時間が設定されているか否かの判定(ステップS51)において、ゲーム待機時間が設定されている場合(ステップS51;Y)は、演出変動表示条件が成立しているか否かの判定(ステップS52)を行う。
【0175】
この演出変動表示条件が成立しているか否かの判定(ステップS52)において、演出変動表示条件が成立している場合(ステップS52;Y)は、演出変動表示処理(ステップS53)を行い、演出変動表示処理を終了する。また、演出変動表示条件が成立しているか否かの判定(ステップS52)において、演出変動表示条件が成立していない場合(ステップS52;N)は、決定内容をクリアする処理(ステップS54)を行い、賭入力を有効化する処理(ステップS55)を行って、演出変動表示処理を終了する。」

(2-h)「【0180】
以上のように、ゲーム待機時間を設定するとともに、該ゲーム待機時間において演出変動表示を行うようにしたことで、内部抽選用の乱数の抽出結果を報知したり演出したりすることが可能となり、興趣性を極め高めることが可能となる。特に、ゲームの結果態様を導出するリール6の変動表示で内部抽選結果に応じた演出を行うことで、従来にない斬新且つ興趣性の高い演出が可能となる。また、ボーナス入賞に当選した場合に、当該ボーナス入賞が当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させることができるので、遊技者に確実に内部当選結果を報知することができるし、遊技者の喜びを極めて高めることが可能となり、特別入賞の当選に対する期待感や遊技の興趣性を高めることができる。また、演出変動表示が行われても最終的にはゲーム終了時の結果態様に戻るので、遊技者自らリール6を停止させてゲームの結果態様を導出する、といったスロットマシン本来のゲーム性を損なうことなく興趣性や期待感を高めることが可能となる。また、ゲーム終了時の結果態様に戻すので、例えば、ボーナス入賞が成立する図柄組合せ態様と同一の表示態様となったのにボーナスゲームが開始されないといった遊技者の勘違いを防止することも可能となる。
【0181】
以上のことから、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6の変動表示を伴うゲームを実行し、遊技者による停止操作が行われた場合に、ゲームの実行により抽出した乱数の結果に基づき該複数のリール6の停止制御を行うようにしたスロットマシンにおいて、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効とするゲーム待機時間を設定するゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)と、ゲーム待機時間設定手段により設定されたゲーム待機時間において、所定のリール6を変動表示させたのち乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様を停止させる演出変動表示の制御を行う演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)と、を備え、演出変動表示制御手段は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞が当選した場合に、当該特別入賞が当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させる特定演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含んでいることとなる。
【0182】
また、ゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)は、ゲーム待機時間を複数の時間のうちから何れかに決定するゲーム待機時間決定手段(遊技制御装置50)を備え、ゲーム待機時間決定手段は、乱数の抽出結果に基づきゲーム待機時間を決定するようにしたこととなる。」

(2-i)「【0215】
そして、遊技制御装置50は、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選であり、かつ、当該入賞を報知することが決定された場合に、図32(b)に示すように、指定表示に表示された表示態様が形成されるようにリール6を停止する。これにより遊技者にボーナス入賞の当選が報知されるようになる。また、このとき演出制御装置70は、画像表示装置3にボーナス入賞の当選を報知する報知表示(例えば、「見事!ボーナス確定!」)を表示する処理を行う。なお、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選でない場合や、入賞を報知しないことが決定された場合に指定表示を行うとした場合は、指定表示に表示された表示態様が形成されないようにリール6を停止する。
【0216】
すなわち、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞が当選した場合に、当該特別入賞が当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させる特定演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含み、演出変動表示制御手段は、特定の表示態様をなす所定の表示態様を予め決定して報知する報知手段(遊技制御装置50)を備え、特定演出変動表示制御手段は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞が当選した場合に、決定された(報知された)特定の表示態様をなす所定の表示態様を停止させるようにしたこととなる。
【0217】
また、上述のようにリール6を自動的に停止する場合の他、図33に示すように、画像表示装置3に指定表示(例えば、「リプレイ リプレイ チェリーを停止させろ!」)を行うとともに、リールストップボタン24の操作を有効とし、演出変動表示において遊技者がリール6を停止して表示態様を導出できるようにしても良い。すなわち、演出変動表示をリールストップボタン24の操作で停止させる演出変動表示停止制御手段(遊技制御装置50)を備えるようにしても良い。」

(2-j)「【0221】
また、上述した実施形態や変形例においても、演出変動表示時に演出変動表示しているリール6に対して、停止操作を可能にして、演出変動表示をリールストップボタン24の操作で停止させる演出変動表示停止制御手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性が高まり興趣が向上する。なお、ここでの停止操作はゲームの結果には影響しない擬似的な停止操作、すなわち演出上の停止操作とする。また、このとき、リール6の引込停止制御および蹴飛ばし停止制御は本ゲームと同様にしても良いが、少なくとも一部のリール6(例えば、最初に停止させる2個)に関しては引込停止制御を遊技者に有利、すなわち4コマよりも多い引込範囲に設定し、テンパイ目を形成しやすいように制御することが望ましい。もちろん特別入賞が当選していない場合に特定の表示態様が停止することを防止するために蹴飛ばし停止制御は必須である。」

上記の事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。
「スロットマシン1のゲームに用いられるリール6を備えるとともに、遊技を統括的に制御する遊技制御装置50と、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて演出の制御を行う演出制御装置70と、を備え、
前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効にするゲーム待機時間を設定し、該ゲーム待機時間において、前記リール6を変動表示させたのち、リールストップボタン24の擬似的な停止操作により乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様で停止させる演出変動表示を行い、
遊技制御装置50は、ゲーム待機時間を設定するとともに、演出変動表示の制御を行うスロットマシン1。」

(3)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する。

ア 刊行物1発明の「メダル」、「スロットマシン遊技」は、それぞれ、本願補正発明の「遊技媒体」、「通常の遊技」に相当する。また、刊行物1発明における「RAM11bに貯留メダルとして貯留、記憶」することは、本願補正発明における「クレジットとして貯留」することに相当する。
よって、刊行物1発明の「投入されたメダル数に応じたスロットマシン遊技が行えるようになり、投入された複数のメダルを、RAM11bに貯留メダルとして貯留、記憶できるようになっているスロットマシン1」は、本願補正発明の「遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機」に相当する。

イ 刊行物1発明の「スロットマシン遊技に用いられ、かつ複数の図柄が表示された複数のリール21a,21b,21cを備える」点は、本願補正発明の「前記通常の遊技に用いられ、かつ表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備える」点に相当する。

ウ 刊行物1発明における「遊技者が操作するためのボタン類」は、遊技を進行させるたためものであることは自明な事項であるから、刊行物1発明の「遊技者が操作するためのボタン類」は、本願補正発明の「遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチ」に相当する。

エ 刊行物1発明の「RAM11bに記憶された貯留メダルの中からゲームに使用するメダルを投入し、貯留メダルが投入されるとRAM11bに記憶された貯留メダル数が投入数だけ減算されるメダルベットボタン7a」は、本願補正発明の「クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチ」に相当する。

オ 刊行物1発明の「複数のリール21a,21b,21cの回転を開始させるスタートレバー4」は、本願補正発明の「複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ」に相当する。

カ 刊行物1発明の「回転する複数のリール21a,21b,21cを停止させる停止ボタン5」は、本願補正発明の「回転中の回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチ」に相当する。

キ 刊行物1発明における「メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態」は、ベットボタン(ベットスイッチ)からの操作信号に基づいて遊技を制御している状態であることは自明な事項である。
よって、刊行物1発明の「メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御して、スロットマシン1全体を制御する主制御部10」は、本願補正発明の「ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための遊技制御装置」に相当する。

ク 刊行物1発明の「制御コマンド」は、本願補正発明の「信号」に相当するから、刊行物1発明の「主制御部10から送信される制御コマンドに基づき演出を行う演出制御部40」は、本願補正発明の「遊技制御装置からの信号に基づいて、遊技に付随する演出を制御するための演出制御装置」に相当する。

ケ 刊行物1発明の「内部当せんした当選フラグに対応した停止図柄の組み合わせ」は、本願補正発明の「あらかじめ定められた組合せ」に相当する。また、刊行物1発明の「当せんフラグが「小役」の場合は、メダル払出処理に移行し、当せんフラグが「ボーナス役」の場合はビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技に移行」されることは、刊行物1発明の「遊技結果に応じた利益が付与」されることに相当する。
よって、刊行物1発明の「スタートレバー4の操作のタイミングで内部抽せんが行われ、「小役」、「ボーナス役」等が当せんすると、当せんフラグが設定され、遊技者の停止ボタン5の停止操作により複数のリール21a,21b,21cを停止させ、停止表示された停止図柄の組合せが、内部当せんした当選フラグに対応した停止図柄の組み合わせか否かを判定し、当せんフラグが「小役」の場合は、メダル払出処理に移行し、当せんフラグが「ボーナス役」の場合はビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技に移行」されることは、本願補正発明の「スタートスイッチの操作により回転開始した複数の回転リールが、ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与」されることに相当する。

コ 刊行物1発明の「リール21の回転開始時毎に、計時が開始され、所定時間(例えば、4.1秒)の経過で計時が終了するウエイトタイムの時間」は、本願補正発明の「あらかじめ定められた遊技制限時間」に相当する。
よって、刊行物1発明の「リール21の回転開始時毎に、計時が開始され、所定時間(例えば、4.1秒)の経過で計時が終了するウエイトタイムの時間において、次回のスロットマシン遊技におけるリール21の回転開始を禁止するスロットマシン1」は、本願補正発明の「1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機」に相当する。

サ 刊行物1発明の「擬似ゲーム」は、擬似ゲームの元手となる得点や、図柄を報知する報知回数が付与される特典を取得するするものであるから、メダルの払出しを受けるスロットマシン遊技(通常の遊技)とは異なる遊技であり、回転リールを用いるものといえる。
よって、刊行物1発明の「可変表示部45の各リール451の回転を開始させ、図柄の組合せに応じて、擬似ゲームの元手となる得点や、図柄を報知する報知回数が付与される特典を取得する擬似ゲーム」と、本願補正発明の「遊技として、通常の遊技と同じ回転リールを用いるが、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技」とは、「遊技として、回転リールを用いるが、通常の遊技とは異なる擬似遊技」という点で共通する。

シ 刊行物1発明の「擬似ゲームは、停止ボタン5を操作して、回転しているリール451を停止させる」ものである点と、本願補正発明の「擬似遊技は、擬似的に回転している前記回転リールをストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させる」ものである点とは、「擬似遊技は、回転している回転リールをストップスイッチの操作に基づき停止させる」ものである点で共通する。

ス 刊行物1発明における「ウエイトタイム中を識別して擬似ゲームの進行を開始し、遊技者が、スロットマシン遊技と擬似ゲームを一回ずつ交互に行うことができるように」することは、スロットマシン遊技(通常の遊技)を一時的に中断して擬似ゲーム(擬似遊技)を行わせ、擬似ゲーム(擬似遊技)が終了してからスロットマシン遊技(通常の遊技)を再開させる処理を行うとともに、前記処理を所定回数繰り返すように制御されることであることは、自明な事項である。
よって、刊行物1発明の「主制御部10は、演出制御部40にスタートレバー4の操作に基づいて送信されるスタートコマンド、リール回転開始と停止のタイミングに送信されるリール回転開始・停止コマンド、ウエイトタイム終了のタイミングに送信されるウエイトタイム終了コマンド等を送信し、演出制御部40のサブ制御部41は、リール回転停止コマンドとウエイトタイム終了コマンドからウエイトタイム中を識別して擬似ゲームの進行を開始し、遊技者が、スロットマシン遊技と擬似ゲームを一回ずつ交互に行うことができるようにしたスロットマシン1。」と、本願補正発明の「遊技制御装置は、通常の遊技を一時的に中断させて擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、前記処理を所定回数繰り返す遊技機。」とは、「通常の遊技を一時的に中断させて擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、前記処理を所定回数繰り返すように制御される遊技機。」という点で共通する。

セ したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、
「遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機であって、
前記通常の遊技に用いられ、かつ表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備えるとともに、
遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチとして、
クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを備え、
前記ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの信号に基づいて、遊技に付随する演出を制御するための演出制御装置と、を備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各前記回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与され、
1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機において、
遊技として、回転リールを用いるが、通常の遊技とは異なる擬似遊技を備え、
前記擬似遊技は、回転している回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき停止させるものであり、
前記通常の遊技を一時的に中断させて前記擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、
前記処理を所定回数繰り返すように制御する遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
擬似遊技に用いる回転リールに関して、本願補正発明は、「通常の遊技と同じ回転リール」であるのに対して、刊行物1発明は、「可変表示部45の各リール451」である点。

[相違点2]
擬似遊技に関して、本願補正発明は「擬似的に回転している前記回転リールをストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させる」のに対して、刊行物1発明は、回転リールが擬似的に回転、停止を行うことが特定されていない点。

[相違点3]
通常の遊技を一時的に中断させて擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、前記処理を所定回数繰り返すように制御することに関して、本願補正発明は「遊技制御装置」が行っているのに対し、刊行物1発明は、同様の制御を行うものの、その制御を「遊技制御装置」が行うとは特定されていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1?3は、関連するのでまとめて検討する。
刊行物2発明は、上記2(2)で述べたとおり、「スロットマシン1のゲームに用いられるリール6を備えるとともに、遊技を統括的に制御する遊技制御装置50と、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて演出の制御を行う演出制御装置70と、を備え、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効にするゲーム待機時間を設定し、該ゲーム待機時間において、前記リール6を変動表示させたのち、リールストップボタン24の擬似的な停止操作により乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様で停止させる演出変動表示を行い、遊技制御装置50は、ゲーム待機時間を設定するとともに、演出変動表示の制御を行うスロットマシン1。」である。
上記刊行物2発明において、「演出変動表示」は、2つのゲームの間に行われるものであるから、通常の遊技とは異なるものであり、スロットマシン1の通常の遊技と同じリール6を用いるものといえる(相違点1に関する事項)。また、当該リール6の「演出変動表示」を行う回転は、通常の遊技とは異なるから、擬似的に停止するだけではなく、擬似的に回転するといえるものである(相違点2に関する事項)。さらに、「演出変動表示」の制御は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置50が行うものであり、該演出変動表示は、2つのゲーム間に設定されるゲーム待機時間に行われるものであるから、通常の遊技と該演出変動表示とを所定回数繰り返すものといえる(相違点3に関する事項)。
そして、刊行物1発明と刊行物2発明とは、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効にするゲーム待機時間(ウエイトタイム)中に、停止操作により、回転しているリール451を停止させるスロットマシンという点で共通するものである。
よって、刊行物1発明におけるウエイトタイム中に行う擬似ゲームに関する事項に、刊行物2発明を適用し、上記相違点1?3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

請求人は、審判請求書において、「引用発明1については、通常の遊技では回転リールを使用するものの、擬似遊技では可変表示部45に表示されるサブリールの画像を用いて行うものとされている。したがって、引用発明1は、本願発明に係る構成を備えていない。」(審判請求書第7頁第23?26行)、「引用文献1の擬似遊技は、通常の遊技で使用する回転リールとは異なるサブリールを使用することから、本願発明のように通常の遊技と同じ感覚で擬似遊技を行うことはできない。また引用発明1では、通常の遊技は遊技制御装置で、擬似遊技は演出制御装置で制御され、さらに遊技制御装置では擬似遊技の終了を認識することができないため、通常の遊技と擬似遊技とが競合する場合がある。これに対し、本願発明では、通常の遊技と擬似遊技とを同一の遊技制御装置で制御することから、通常の遊技と擬似遊技とが競合することは全くない。したがって、本願発明は、通常の遊技と擬似遊技とを自然に、違和感なく交互に切り替えることで、遊技者に遊技中のウエイト時間が無くなったかのように錯覚させることができる。」(審判請求書第8頁第13?22行)と主張する。
しかしながら、刊行物1発明の可変表示部45の「リール451」は、画像とも解されるが、仮に画像であるとしても、刊行物1には、リール451を回転させ、停止ボタン5を操作して停止させることが記載されている(段落【0083】、【0090】参照。)。
そして、刊行物2発明には、通常のゲームと同じリールを用いる点、擬似遊技を遊技制御装置で制御する点が開示されているから、上記で述べたとおり、本願補正発明は、刊行物1発明に刊行物2発明を適用することにより当業者が容易になし得たものといえる。
したがって、請求人の主張は採用できない。

イ 本願補正発明が奏する効果について
上記相違点1?3によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

ウ まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 補正却下の決定についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?6に係る発明は、平成27年3月5日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】
遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機であって、
表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備えるとともに、
遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチとして、
クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを備え、
前記ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置を備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与され、
1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機において、
遊技として、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技を備え、
前記擬似遊技は、擬似的に回転している回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させるものであり、
前記制御装置は、
前記通常の遊技を一時的に中断させて前記擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、
前記処理を所定回数繰り返すことを特徴とする遊技機。」

2 刊行物
刊行物1の記載事項、及び刊行物1発明は、上記「第2 3(1)」に記載したとおりである。

3 対比
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明から「回転リール」に関して、「通常の遊技に用いられ、かつ表面に複数の図柄が表示され」る点、「制御装置」に関して、「遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの信号に基づいて、遊技に付随する演出を制御するための演出制御装置」を備える点、及び「擬似遊技」に関して、通常の遊技と同じ前記回転リールを用いる点を省いたものである。
そして、本願発明と刊行物1発明とを対比すると、上記「第2 3(3)」で検討した内容を踏まえれば、これに加えて、
ア.刊行物1発明の「スロットマシン遊技に用いられ、かつ複数の図柄が表示された複数のリール21a,21b,21cを備える」点は、本願発明の「表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備える」点に相当する。
イ.刊行物1発明における「メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態」は、ベットボタン(ベットスイッチ)からの操作信号に基づいて遊技を制御している状態であることは自明な事項である。
よって、刊行物1発明の「メダル投入を監視して、投入されたメダル数に応じて遊技可能な状態とし、スタートレバー4の操作のタイミングで、各リールを回転制御するとともに、所定の抽せん確率に基づき内部抽せんを行い、当せん内容を決定し、遊技者による停止ボタン5の停止操作のタイミングに基づき、当せん内容に対応する停止図柄の組合せで停止表示されるよう、各リール21を停止制御して、スロットマシン1全体を制御する主制御部10」は、本願発明の「ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置」に相当する。

ウ.刊行物1発明の「可変表示部45の各リール451の回転を開始させ、図柄の組合せに応じて、擬似ゲームの元手となる得点や、図柄を報知する報知回数が付与される特典を取得する擬似ゲーム」は、本願発明の「遊技として、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技」に相当する。

エ.刊行物1発明の「擬似ゲームは、停止ボタン5を操作して、回転しているリール451を停止させる」ものである点と、本願発明の「擬似遊技は、擬似的に回転している回転リールをストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させる」ものである点とは、「擬似遊技は、回転している回転リールをストップスイッチの操作に基づき停止させる」ものである点で共通する。

オ.刊行物1発明の「主制御部10」及び「演出制御部40」は、本願発明の「制御装置」に含まれるから、刊行物1発明の「主制御部10は、演出制御部40にスタートレバー4の操作に基づいて送信されるスタートコマンド、リール回転開始と停止のタイミングに送信されるリール回転開始・停止コマンド、ウエイトタイム終了のタイミングに送信されるウエイトタイム終了コマンド等を送信し、演出制御部40のサブ制御部41は、リール回転停止コマンドとウエイトタイム終了コマンドからウエイトタイム中を識別して擬似ゲームの進行を開始し、遊技者が、スロットマシン遊技と擬似ゲームを一回ずつ交互に行うことができるようにしたスロットマシン1。」は、本願発明の「制御装置は、通常の遊技を一時的に中断させて擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから前記通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、前記処理を所定回数繰り返す遊技機。」に相当する。

したがって、本願発明と刊行物1発明とは、
「遊技媒体の投入により通常の遊技を開始可能となり、投入した遊技媒体を一定数クレジットとして貯留可能な遊技機であって、
表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備えるとともに、
遊技を進行させるための遊技操作を行う操作スイッチとして、
クレジットとして貯留されている遊技媒体を投入遊技媒体に換えてクレジットを減じるためのベットスイッチと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを備え、
前記ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置を備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与され、
1回の前記通常の遊技が終了した後であっても、あらかじめ定められた遊技制限時間の経過前には前記通常の遊技の進行が制限されるように形成された遊技機において、
遊技として、前記通常の遊技とは異なる擬似遊技を備え、
前記擬似遊技は、回転している回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき停止させるものであり、
前記制御装置は、
前記通常の遊技を一時的に中断させて前記擬似遊技を行わせ、前記擬似遊技が終了してから通常の遊技を再開させる処理を行うとともに、
前記処理を所定回数繰り返すことを特徴とする遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点4]
擬似遊技に関して、本願発明は「擬似的に回転している回転リールをストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止させる」のに対して、刊行物1発明は、回転リールが擬似的に回転、停止を行うことが特定されていない点。

4 判断
上記相違点4について検討する。
刊行物1発明における「リール451」は、スロットマシン遊技に用いられる「複数のリール21a,21b,21c」ではなく、可変表示部45に表示されるものであるから、「リール451」を用いた擬似ゲームにおいて、「リール451」を擬似的に回転させ、擬似的に停止させることは、当業者が適宜なし得たことである。
よって、本願発明は、刊行物1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-10-23 
結審通知日 2015-10-27 
審決日 2015-11-17 
出願番号 特願2011-90894(P2011-90894)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中槙 利明瀬川 勝久  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 平城 俊雅
瀬津 太朗
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
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