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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H02K |
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管理番号 | 1309547 |
審判番号 | 不服2014-23803 |
総通号数 | 194 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-11-05 |
確定日 | 2016-01-04 |
事件の表示 | 特願2013-145881「自らの蓄電池の電気を、自らの電気モーターに使用します。又は、色々な用途の電気としても使用します。このために、蓄電池の電気容量がすぐにして不足します。この不足した時点で、繰り返し、繰り返しして充電を自動的にさせます。そして、蓄電池内には何時でも、一定量の電気容量を確保させる方法に関するものです。」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月15日出願公開、特開2015- 8621〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成25年6月25日を出願日とする出願であって(受付日:平成25年6月26日)、平成26年5月30日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成26年6月10日)、これに対し、平成26年6月27日付で手続補正書が提出されたが、平成26年9月16日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成26年9月30日)、これに対し、平成26年11月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、請求項1記載の発明を「本願発明」と言う。)は、平成26年6月27日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 図1に示す(1)蓄電池の電気を(2)電気モーターに送電して電気モーターを回転させます。この(2)電気モーターの回転を(3-1)発電機モーターに伝動します。そして、発電機モーターを回転させて発電機モーターから電気を発生させる方法です。」 3.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-10621号公報(以下、「引用例」と言う。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。 a「この発明は、最初小型のモーターで小型の発電機を回転させ、その発電機から得た電気で次のモーターを回転させる。こうして前より大きな発電機を順次回転させだんだんと大きな電力・電流を得ていくものである。必要な電力・電流を得るまで、順次大きな発電機を繋ぎ、必要な容量を確保するまで何個でもこれを繰り返し連結させていき、得たい電力・電気容量を得られるようにした発電装置である。最初の投入エネルギーには、この例ではバッテリーを用いている。他に、充電乾電池でもよく、また一般電力を用いてもかまわない。最初の駆動用モーター(3)はそのモーター(3)で回転させている発電機(1)の電力をバッテリー(2)に蓄え、そこから供給されている。従来、発電器を稼働させるにはその発電器を回転させるに必要な大きさのエンジンや、モーターで回転させ発電させていた。そのため、得られる電力と投入するエネルギーの差が余りなかった。本発明は、それらの欠点を大幅に改善したものである。投入エネルギーは、バッテリー、または充電式乾電池及び、小さな一般電力だけでよく、それによってモーターが回転させられ、そのモーターにギア又はベルト、チェーン、ローラー等でつながれた発電機が接続されており、バッテリーには常に電気が蓄えられるようになっている。」(第2頁第1欄第10?31行) b「これを、図面について説明すれば(1)は発電機である。テストでは自動車用の発電機(ジェネレーター40A用)を使用した。(2)は(1)で発電された電気を蓄えるためのバッテリーである。これも自動車用を流用した。(3)は(1)の発電機と連結された駆動用モーターである。このモーターも自動車の冷却ファン用のモーターでテストを行った。」(第2頁第1欄第37?42行) 上記記載事項aにおける「最初の投入エネルギーには、この例ではバッテリーを用いている。」との記載、及び、「最初の駆動用モーター(3)はそのモーター(3)で回転させている発電機(1)の電力をバッテリー(2)に蓄え、そこから供給されている。」との記載からみて、引用例に記載された装置は、バッテリー(2)に蓄えられた電力を駆動用モーター(3)に供給して駆動用モーター(3)を回転させるものであることが理解できる。 また、上記記載事項aにおける「そのモーター(3)で回転させている発電機(1)の電力をバッテリー(2)に蓄え」との記載、「そのモーターにギア又はベルト、チェーン、ローラー等でつながれた発電機が接続されており、」との記載、上記記載事項bの「(3)は(1)の発電機と連結された駆動用モーターである。」との記載及び図面からみて、引用例に記載された装置は、駆動用モーター(3)がギア又はベルト、チェーン、ローラー等で発電機(1)に接続しており、駆動用モーター(3)により発電機(1)を回転させて発電機(1)から電力を発生させるものであることが理解できる。 したがって、上記記載事項及び図面を参照すると、引用例には以下の発明(以下、「引用例に記載された発明」と言う。)が記載されている。 「バッテリー(2)に蓄えられた電力を駆動用モーター(3)に供給して駆動用モーター(3)を回転させ、この駆動用モーター(3)はギア又はベルト、チェーン、ローラー等で発電機(1)に接続しており、駆動用モーター(3)により発電機(1)を回転させて発電機(1)から電力を発生させる方法。」 4.対比 本願発明と引用例に記載された発明を対比する。 請求項の記載において、「(1)蓄電池」の「(1)」ように、図面の符号が用いられているが、図面の符号は、単なる補助的な手段であって、請求項記載の発明の構成を当該実施例に係る具体的構成に限定するものではないため、本願発明と引用例に記載された発明の対比にあたっては、本願の請求項に記載された「(1)」等の符号を除いて対比を行う。 引用例に記載された発明の「バッテリー(2)」、「駆動用モーター(3)」、「発電機(1)」は、それぞれ、本願発明の「蓄電池」、「電気モーター」、「発電機モーター」に相当する。 引用例に記載された発明の「バッテリー(2)に蓄えられた電力を駆動用モーター(3)に供給」、「発電機(1)から電力を発生」は、それぞれ、本願発明の「蓄電地の電気を電気モーターに送電」、「発電機モーターから電気を発生」に相当する。 引用例に記載された発明は、駆動用モーター(3)がギア又はベルト、チェーン、ローラー等で発電機(1)に接続しており、駆動用モーター(3)により発電機(1)を回転させているから、駆動用モータ(3)の回転を発電機(1)に伝動し発電機(1)を回転させていると言える。したがって、引用例に記載された発明の「この駆動用モーター(3)はギア又はベルト、チェーン、ローラー等で発電機(1)に接続しており、駆動用モーター(3)により発電機(1)を回転させて」は、本願発明の「この電気モーターの回転を発電機モーターに伝動します。そして、発電機モーターを回転させて」に相当する。 したがって、両者は、 「蓄電池の電気を電気モーターに送電して電気モーターを回転させます。この電気モーターの回転を発電機モーターに伝動します。そして、発電機モーターを回転させて発電機モーターから電気を発生させる方法です。」 の点で一致し、以下の点で一応相違する。 <相違点> 本願発明は「図1に示す」という発明特定事項を有するものであるが、引用例に記載された発明はそのような特定を有さない点。 5.判断 上記相違点について検討する。 請求項には発明を特定するために必要な事項を記載する必要がある。しかし、請求項において願書に添付された図面を用いて発明の構成を特定することはできず、また、発明の詳細な説明を参酌しても「図1に示す」との記載から図1における何を特定しているのかが明らかでないから、「図1に示す」という記載が発明を特定しているとは到底言えない。したがって、「図1に示す」という発明特定事項は、実質的に発明を何ら特定していない意味の無い事項である。 したがって、上記相違点は実質的な相違点ではなく、本願発明は、引用例に記載された発明であると認められる。 6.むすび したがって、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-10-09 |
結審通知日 | 2015-10-20 |
審決日 | 2015-11-05 |
出願番号 | 特願2013-145881(P2013-145881) |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(H02K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 森藤 淳志 |
特許庁審判長 |
堀川 一郎 |
特許庁審判官 |
松永 謙一 藤井 昇 |
発明の名称 | 自らの蓄電池の電気を、自らの電気モーターに使用します。又は、色々な用途の電気としても使用します。このために、蓄電池の電気容量がすぐにして不足します。この不足した時点で、繰り返し、繰り返しして充電を自動的にさせます。そして、蓄電池内には何時でも、一定量の電気容量を確保させる方法に関するものです。 |