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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1309868
審判番号 訂正2015-390127  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-11-17 
確定日 2016-01-15 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5621825号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5621825号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5621825号(以下、「本件特許」という。)は、平成16年3月4日に出願した特願2004-060021号の一部を平成22年6月21日に特願2010-140891号として新たに特許出願し、さらにその出願の一部を平成24年10月3日に特願2012-220869号として新たに特許出願したものであって、平成26年10月3日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成27年11月17日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおりに訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。

1.訂正事項1
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1に「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」とあるのを、「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」と訂正する。

2.訂正事項2
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1に「前記キャラクタ現出手段は、前記特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている」とあるのを、「前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている」と訂正する。

3.訂正事項3
願書に添付した明細書の【0006】に「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」とあるのを、「前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」と訂正する。

4.訂正事項4
願書に添付した明細書の【0006】に「前記キャラクタ現出手段は、前記特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている。」とあるのを、「前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている。」と訂正する。

5.訂正事項5
願書に添付した明細書の【0007】に「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」とあるのを、「前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」と訂正する。

6.訂正事項6
願書に添付した明細書の【0007】に「前記キャラクタ現出手段は、前記特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている」とあるのを、「前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている」と訂正する。

第4 当審の判断
1.訂正事項1,2について
(1)訂正の目的の適否について
ア 訂正事項1について
訂正前の請求項1には「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」と記載されている。また、当該記載以前に「その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段」とは記載されているが、「識別情報記憶手段」について記載されていない。
ここで、願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲または図面(以下、「当初明細書等」という。)には、【0114】に「キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。」と記載されている。また、【0261】には「キャラクタROM(情報記憶手段の一部)」と記載されており、「キャラクタROM525」は「情報記憶手段」に相当する。さらに、当初明細書等には、大物図柄表示装置42に、「識別情報」に相当する「主図柄」や「副図柄」の他に、「キャラクタ情報」に相当する「女の子キャラクタ絵柄」(【0152】等)、「女神像」(【0154】等)、「虹」(【0158】等)、「魚」(【0159】等)が表示されることが記載されている。これらの記載からみて、当初明細書等には、情報記憶手段に識別情報とキャラクタ情報を記憶することが記載されている。
よって、上記訂正前の請求項1の「前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」という記載は、「前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており」の誤記であることは明らかである。
以上のことから、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

イ 訂正事項2について
訂正前の請求項1には「前記キャラクタ現出手段は、前記特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている」との記載の前に、「特定条件判別手段」及び「所定条件」という用語は存在していない。したがって、「前記特定条件判別手段」及び「前記所定条件」の「前記」が誤記であることは明らかである。

以上のことから、当該訂正事項1,2は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)訂正が当初明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)において検討したように、情報記憶手段にキャラクタ情報を記憶することは、当初明細書等に記載されている。
したがって、訂正事項1,2は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等の全てを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1,2は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものであるか否かについて
訂正事項1,2は、上記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張または変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
訂正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、請求項1に係る訂正事項1,2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2.訂正事項3-6について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3-6は、訂正事項1,2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、願書に添付した明細書の【0006】及び【0007】の記載を訂正後の請求項1の記載と整合させるものである。
したがって、訂正事項3-6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)訂正が本件特許明細書、特許請求の範囲または図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項3-6は、上記(1)のとおり、訂正事項1,2に係る訂正に伴うものであり、訂正事項1,2は、上記1.(2)で検討したとおり、当初明細書等の記載に基づくものである。また、上記1.(1)において指摘した当初明細書等の記載事項は、本件特許明細書等にも記載されているから、訂正事項1は、本件特許明細書等に基づくものでもある。
そして、訂正事項3-6は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項3-6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項3-6は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものであるか否かについて
訂正事項3-6は、上記(1)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張または変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1,2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5-7項の規定に適合するものであり、訂正事項3-6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5-6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に様々な画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。一般的には、表示装置で変動表示ゲームを行い、例えば、表示装置の有効表示領域に縦又は横に3個、或いは3×3の升目に9個の図柄等を表示し、始動条件の成立に基づいて、所定の配列で構成された図柄列等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである。
【0003】
また、例えば、3列の図柄列で変動表示を実行するパチンコ機では、成立した始動条件に応じて、大当たりの組み合わせの停止図柄を表示する前に、大当たりの停止図柄が現出可能である組み合わせ、所謂、リーチ表示を現出させるように構成されている。即ち、1の図柄列が変動している状態であると共に、残りの2列の図柄列の変動が停留表示されてそれぞれの図柄列において同一の図柄が予め定められた表示領域に停留表示されるように構成されている。更に、成立した始動条件に応じて、変動表示の実行中に図柄列の変動とは異なる興趣演出、例えば、特定のキャラクタ図柄を現出させる演出等を実行するように構成されている。このように、キャラクタ図柄や、或いは、リーチ表示を現出することにより、実行中の変動表示において遊技者に大当たりを予見させ、遊技性の向上を図っている。
ここで、興趣演出のパターンとして、複数回の変動表示にわたって特定の演出を連続的に実行する演出(以下、「連続演出」と称す)を行う遊技機が知られている。連続演出は、一般に、遊技球の始動入賞時に基づいて大当たりが確定した場合、即ち、変動表示において大当たりの抽選結果が導出された場合に、その確定以前に待機されていた変動表示に特定の演出を伴わせることにより行われる。この連続演出によって、遊技者には、1回の変動表示でなく、複数回の変動表示にわたって段階的に有利な遊技状態へ近づく興趣が付与される。連続演出を構成する特定の演出は、例えば、特定のキャラクタ図柄を所定のタイミングで現出させたり、或いは、リーチ表示を連続して行う等の様々な態様が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-360859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、連続演出を実行している最中において、遊技者がいずれか1の連続演出を見逃して(認識し損ねて)しまった場合、実行中の連続演出に対する大当たりの期待度が分からなくなってしまい、遊技の興趣が低減する問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、複数の識別情報等で形成された識別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と、少なくとも2以上の動的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を複数記憶可能な抽選結果記憶手段と、その抽選結果記憶手段に記憶される抽選結果のうち最も古い時期に記憶された抽選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、前記情報記憶手段に記憶される識別情報列であって複数の識別情報列の各々を前記表示手段にて前記パターン選定手段によって選定された前記動的パターンで動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段により導出された抽選結果が所定の結果である場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わせである特別遊技示唆情報を現出させ、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技価値付与手段とを備えており、前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており、前記動的実行手段は、前記抽選結果記憶手段に前記抽選結果が記憶されている状況において前記検出手段による前記始動条件の成立が検出されたことにより前記抽選手段により導出された抽選結果が前記特別遊技状態を発生させる結果であった場合に、その抽選が行われる前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において、該特別遊技示唆情報を構成する前記識別情報の組み合わせとは異なる特定停止態様を現出させる特定停止態様現出手段と、前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において前記特定停止態様現出手段によって前記特定停止態様が連続的に現出される場合に、連続する前記特定停止態様の現出回数に応じて、前記キャラクタ情報のいずれかを前記表示手段に現出するキャラクタ現出手段と、前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間中に、前記検出手段により検出された前記始動条件の成立に基づく動的表示には前記特定停止態様を現出させないようにする特定停止態様現出禁止手段とを備え、前記キャラクタ情報は、それぞれ異なる示唆態様で表示され、その示唆態様に応じて前記特別遊技状態の発生率を示唆するように構成されており、前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の遊技機によれば、複数の識別情報等で形成された識別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と、少なくとも2以上の動的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を複数記憶可能な抽選結果記憶手段と、その抽選結果記憶手段に記憶される抽選結果のうち最も古い時期に記憶された抽選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、前記情報記憶手段に記憶される識別情報列であって複数の識別情報列の各々を前記表示手段にて前記パターン選定手段によって選定された前記動的パターンで動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段により導出された抽選結果が所定の結果である場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わせである特別遊技示唆情報を現出させ、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技価値付与手段とを備えており、前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており、前記動的実行手段は、記抽選結果記憶手段に前記抽選結果が記憶されている状況において前記検出手段による前記始動条件の成立が検出されたことにより前記抽選手段により導出された抽選結果が前記特別遊技状態を発生させる結果であった場合に、その抽選が行われる前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において、該特別遊技示唆情報を構成する前記識別情報の組み合わせとは異なる特定停止態様を現出させる特定停止態様現出手段と、前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において前記特定停止態様現出手段によって前記特定停止態様が連続的に現出される場合に、連続する前記特定停止態様の現出回数に応じて、前記キャラクタ情報のいずれかを前記表示手段に現出するキャラクタ現出手段と、前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間中に、前記検出手段により検出された前記始動条件の成立に基づく動的表示には前記特定停止態様を現出させないようにする特定停止態様現出禁止手段とを備え、前記キャラクタ情報は、それぞれ異なる示唆態様で表示され、その示唆態様に応じて前記特別遊技状態の発生率を示唆するように構成されており、前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されているので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。
【図3】 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。
【図4】 遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】 前面枠セットの背面図である。
【図6】 パチンコ機の背面図である。
【図7】 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。
【図8】 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図9】 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図10】 内枠を後方より見た斜視図である。
【図11】 遊技盤を後方より見た斜視図である。
【図12】 支持金具の斜視図である。
【図13】 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図14】 第1制御基板ユニットの斜視図である。
【図15】 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図16】 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。
【図17】 第2制御基板ユニットの正面図である。
【図18】 第2制御基板ユニットの斜視図である。
【図19】 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図20】 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図を示した図である。
【図21】 裏パックユニットの分解斜視図を示した図である。
【図22】 タンクレールの構成を示した図である。
【図23】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図24】 各種カウンタの概要を示した図である。
【図25】 変動パターンコマンドを示した表(図)である。
【図26】 大物図柄表示装置を模式的に表した図である。
【図27】 大物図柄表示装置に表示される各図柄列をそれぞれ模式的に示した図である。
【図28】 大物図柄表示装置に表示される代表的なチャンス目をそれぞれ模式的に示した図である。
【図29】 大物図柄表示装置で実行される変動表示開始時に実行される波乗り報知演出を模式的に示した図である。
【図30】 大物図柄表示装置で実行される変動表示において現出するステップアップ予告をそれぞれ模式的に示した図である。
【図31】 大物図柄表示装置で実行されるノーマルリーチ及びノーマルロングリーチの変動パターンを模式的に示した図である。
【図32】 大物図柄表示装置で実行される星空スーパーリーチの変動パターンを模式的に示した図である。
【図33】 大物図柄表示装置で実行される噴水リーチの変動パターンを模式的に示した図である。
【図34】 大物図柄表示装置で実行されるいきなり噴水スーパーリーチの変動パターンを模式的に示した図である。
【図35】 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図36】 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。
【図37】 図36の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタの更新処理を示したフローチャートである。
【図38】 図36の通常処理の中で実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。
【図39】 図38の特別図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
【図40】 タイマ割込処理を示したフローチャートである。
【図41】 図40のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。
【図42】 NMI割込処理を示したフローチャートである。
【図43】 表示用制御装置で実行されるコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図44】 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図45】 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。
【図46】 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。
【図47】 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
【0011】
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
【0012】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
【0013】
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
【0014】
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するためのスピーカ孔24が穿設されている。
【0015】
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向ヘスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
【0016】
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
【0017】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
【0018】
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。本実施の形態の遊技盤30は、葉っぱや木、虫等をモチーフにデザインされており、一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口(始動口)33、小物門34、可変表示装置ユニット35、回転体38、可変大入賞口39等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33、回転体39の入賞口、可変大入賞口39に遊技球が入球し、後述する検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0019】
可変表示装置ユニット35には、小物門34の遊技球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する小物図柄表示装置41と、大物口33への遊技球の入賞をトリガとして特別図柄を変動表示する図柄表示装置としての大物図柄表示装置42とが設けられている。小物図柄表示装置41は、普通図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が小物門34を通過する毎に、表示部43において表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に大物口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球の小物門34の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44に点灯表示される。なお、普通図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部43において複数のランプの点灯を切り換えることにより行うものの他、大物図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ44の点灯についても、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。また、本実施の形態では、小物門34を設けて、大物口33へ遊技球が入球する確率を可変的にするように構成されているが、該小物門34を配設せずに、大物口33への入球率を一定にするように構成しても良い。
【0020】
大物図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。大物図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして大物図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、大物図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット35には、この大物図柄表示装置42を囲むようにして、センターフレーム47が配設されている。
【0021】
可変入賞装置32は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、大物図柄表示装置42において特定の図柄が停留表示された際に、所定時間の間(例えば、10秒間)遊技球が入賞しやすい開状態にするように作動する。また、この可変入賞装置32は、開状態時において、その中央部分に1の遊技球を貯留可能な特定領域入賞部(図示せず)を備えている。詳しくは、大物口33に遊技球が入賞すると、大物図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると、可変入賞装置32が、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過するまで可変入賞装置32を開状態とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222(図9において後述)で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が所定個数入球するまでの間、該回転体38の入賞口への入賞に伴って、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。この可変大入賞口39は、所定時間又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、回転体38の入賞口へ遊技球が入賞する毎に可変大入賞口39が開放される。なお、回転体38の入賞口へ所定個数の遊技球が入球した場合に、大当たり遊技が終了するように構成されている。
【0022】
遊技球が大物口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、大物図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
【0023】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0024】
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
【0025】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
【0026】
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
【0027】
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
【0028】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0029】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0030】
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0031】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
【0032】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0033】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する小物門34は、該小物門34を通過した遊技球が遊技領域の中央へ寄せられる案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張された構成でも、遊技球を遊技領域中央の大物口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞し難くなることによる興趣の低下を抑制することができる。更には、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、小物門34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、小物門34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
【0034】
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
【0035】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0036】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0037】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
【0038】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
【0039】
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
【0040】
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0041】
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0042】
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図5に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
【0043】
次に、図1及び図5を参照して、前面枠セット14について説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm?95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0044】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0045】
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
【0046】
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
【0047】
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
【0048】
図5に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131?134は相互に接触して連結されているが、図5の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131?134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131?134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131?134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131?134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
【0049】
図5の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
【0050】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
【0051】
上述した補強板131?134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131?134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
【0052】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0053】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0054】
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0055】
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0056】
次に、図6から図11を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図8は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図9は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
【0057】
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201?203の詳細な構成について後述する。
【0058】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201?203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0059】
実際には、図8の概略図に示すように、各ユニット201?203が配置され、取り付けられている。なお、図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0060】
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0061】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0062】
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
【0063】
各ユニット201?203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0064】
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9?図11を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0065】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図9は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
【0066】
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる大物図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0067】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
【0068】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0069】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0070】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチである。また、大物口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、小物門34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。更に、回転体38の入賞口に対応する位置には大入賞口開放スイッチ251が設けられ、可変大入賞口39に対応する位置には大入賞口カウントスイッチ252が設けられている。
【0071】
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222、大入賞口開放スイッチ251及び大入賞口カウントスイッチ252は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
【0072】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、該可変入賞装置32を開状態にして特定領域スイッチ222で遊技球を検出可能にするための開閉ソレノイドが設けられ、大物口33には、大物口電動役物を開放するための大物口ソレノイドが設けられている。また、可変大入賞口39にも、大入賞口電動役物を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられている。また、回転体38は、該回転体39を所定速度で回転させるためのステッピングモータが設けられている。なお、図9において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が配設されている。
【0073】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0074】
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられている。
【0075】
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図12に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0076】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0077】
次に、図13?図16を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図14は同ユニット201の斜視図であり、図15は同ユニット201の分解斜視図であり、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0078】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0079】
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0080】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
【0081】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0082】
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0083】
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0084】
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0085】
次に、図17?図19を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図18は同ユニット202の斜視図であり、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
【0086】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0087】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0088】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0089】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0090】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0091】
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0092】
次に、図20及び図21を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図20はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図21はその分解斜視図を示している。
【0093】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0094】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0095】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
【0096】
図22を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0097】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0098】
図20及び図21に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0099】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0100】
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図20における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
【0101】
次に、図23を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0102】
主制御装置261のROM502は、本実施のパチンコ機10の制御に必要な制御プログラムやテーブル等の固定値データを記憶しているメモリであり、表示用制御装置45に様々な変動表示を実行させる変動パターン指定コマンドを記憶した変動パターン指定コマンドテーブル(図27参照)も、このROM502に記憶されている。なお、本実施の形態のパチンコ機10における変動表示の内容については後述する。
【0103】
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0104】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図33参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0105】
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0106】
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0107】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0108】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
【0109】
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0110】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
【0111】
表示制御装置45は、小物図柄表示装置41における小物図柄(普通図柄)の変動表示と、大物図柄表示装置42における大物図柄(特別図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には小物図柄表示装置41や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には大物図柄表示装置42が接続されている。
【0112】
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示コマンドに基づいて小物図柄表示装置41及び大物図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0113】
表示用制御装置45のROM522は、本実施のパチンコ機10の制御に必要な制御プログラムやテーブル等の固定値データを記憶しているメモリであり、主制御装置261から受信した変動パターン指定コマンドに応じて大物図柄表示装置42で実行される変動表示のパターンを記憶した変動パターン指定コマンドテーブル(図27参照)も、このROM522に記憶されている。なお、本実施の形態のパチンコ機10における変動表示の内容については後述する。
【0114】
ビデオRAM524は、大物図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、大物図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して大物図柄表示装置42に表示させるものである。
【0115】
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
【0116】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
【0117】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
【0118】
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や大物図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図24に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大物図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大物図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、大物図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。また、小物図柄表示装置41の抽選には小物図柄乱数カウンタC4が用いられる。
【0119】
このうち、カウンタC1?C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、大物口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
【0120】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0?676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0?676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、大物図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
【0121】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、大物図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、大物図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0?49)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0?49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0122】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0?238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=2?21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=22?238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、大物図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0123】
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0?198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0?240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
【0124】
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等、大物図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0125】
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列大物図柄、中列大物図柄、右列大物図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の大物図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0?19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
【0126】
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
【0127】
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0128】
小物図柄乱数カウンタC4は、例えば0?250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。小物図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの小物門(スルーゲート)34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5?153」である。
【0129】
ここで、図26及び図27を参照して、大物図柄表示装置42の表示内容について説明する。図26は、大物図柄表示装置42を模式的に表した拡大図であり、図27は、大物図柄表示装置42で実行される変動表示に使用される各図柄列42a?42cを模式的に表した図である。大物図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列42a?42cが表示される。各図柄列42a?42cは、例えば「1」?「5」の数字を各々付した特別図柄と「7」の数字をアレンジした2種類の数値図柄と真実の口をモチーフにした顔図柄とからなる主図柄と、例えば紋章をモチーフとした図柄からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄及び副図柄が所定位置に配置されることで各図柄列42a?42cをそれぞれ構成している。
【0130】
図27を参照して説明すると、各図柄列42a?42cでは、それぞれ異なる配列で主図柄及び副図柄が配列されている。具体的に説明すると、左図柄列42aでは、上から順に、副図柄、第1数値図柄、第2数値図柄、第1数値図柄、副図柄、副図柄、第2数値図柄、「1」の数字を付した特別図柄、「2」の数字を付した特別図柄、副図柄、「1」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別図柄、「3」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、「3」の数字を付した特別図柄、「4」の数字を付した特別図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄の、計24個の図柄が順に配列されている。また、中図柄列42bでは、上から順に、顔図柄、副図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「3」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「1」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、第2数値図柄、副図柄、副図柄、第1数値図柄、副図柄、副図柄の、計24個の図柄が順に配列されている。更に、右図柄列42cでは、上から順に、副図柄、副図柄、第1数値図柄、「5」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「5」の数字を付した特別図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「4」の数字を付した特別図柄、「3」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「3」の数字を付した特別図柄、「2」の数字を付した特別図柄、副図柄、副図柄、「1」の数字を付した特別図柄、副図柄、「2」の数字を付した特別図柄、「1」の数字を付した特別図柄、第2数値図柄、副図柄、副図柄、第2数値図柄、第1数値図柄の、計28個の図柄が順に配列されている。
【0131】
大物図柄表示装置42には、各図柄列42a?42c毎に上・中・下の3段に大物図柄が表示される。従って、大物図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の大物図柄が表示される。また、大物図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列42a→右図柄列42c→中図柄列42bの順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ又は顔図柄を含む同一の主図柄の組み合わせ)で揃えば大当たりとして、大当たり動画が表示される。
【0132】
また、本実施の形態のパチンコ機10では、中図柄列Z2にのみ主図柄の一つである顔図柄が一つ設けられて構成されている。本実施の形態では、変動表示において同一の主図柄の組み合わせが表示された場合に、所定時間の経過するまで可変入賞装置32を開状態とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が16個数入球するまでの間、該回転体38の入賞口への入賞に伴って、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。また、変動表示において同一の主図柄の組み合わせが停留表示された場合には、可変大入賞口39が16回開放し終えた後の遊技状態を大当たりがし易い確率変動状態にする(即ち、確変大当たりが発生する)ように構成されている。
【0133】
一方、変動表示において左・右図柄列42a,42cに同一の主図柄と、中図柄列42bに顔図柄である主図柄との組み合わせが表示された場合に、所定時間の経過するまで可変入賞装置32を開状態とし、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が1つ入球した際に、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。また、変動表示において顔図柄を含む大当たりの組み合わせが停留表示された場合には、可変大入賞口39が1回開放し終えた後の遊技状態を通常遊技である通常遊技状態にする(即ち、通常大当たりが発生する)ように構成されている。
【0134】
ここで、図25及び図28から図34を参照して、本実施の形態のパチンコ機10で行われる変動表示の変動パターンについて説明する。図25は、大物図柄表示装置42で実行される変動表示の変動パターンを示した変動パターンテーブルである。この変動パターンテーブルは、主制御装置261のROM502と、表示制御装置45のROM522とに記憶されていいる。本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示を実行する場合に、主制御装置261から表示用制御装置45へ変動パターンコマンドを送信し、変動パターンコマンドを受信した表示用制御装置45は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動表示を開始すると共に、該変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを実行するように構成されている。変動パターンコマンドは、2バイトで構成されており、1バイト目のコマンドデータは、変動表示の通常モードを示す「C0H」(図25参照)、又は、短縮モードを示す「C1H」(図示せず)とされており、各モードでそれぞれ116種類づつ、合計232種類の変動パターンが用意されている。なお、通常、大物口33に遊技球が入球した場合には通常モードを示す変動パターンコマンドが選択されるように構成されているが、待機中の変動表示が2つ以上(又は3つ)ある状態において大物口33に遊技球が入球した場合、又は、確率変動状態において大物口33に遊技球が入球した場合に、次回に表示用制御装置45へ送信する変動パターンコマンドを、短縮モードを示す変動パターンコマンドに変更するように構成されている。このように構成することによって、変動表示の待機回数を上限値に到達し難くすることができるので、大物口33に遊技球が入球した数に応じた変動表示を実行することができる。
【0135】
本実施の形態のパチンコ機10において、通常の変動表示は左側・中央・右側の各表示領域において各図柄列42a?42cの配列に基づいて各図柄が縦スクロールすることにより行われる。ここで、各表示領域における縦スクロールがすべて停止した際に、有効ラインL1?L5上に同一図柄、或いは、顔図柄を含む同一の主図柄が揃った表示状態となれば、所定の遊技価値が付与される大当たり状態となるように構成されている。このため、3つの内2つの表示領域の縦スクロールが停止した際に、有効ラインL1?L5上に同一図柄が2つ揃っていれば、大当たりを示唆する表示状態、即ち、リーチ状態となる。本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示の変動パターンとして、ハズレ変動(通常変動)と、ノーマルリーチと、ノーマルリーチから発展するノーマルロングリーチと、ノーマルロングリーチから発展する星空スーパーリーチと、ノーマルロングリーチから発展する噴水スーパーリーチと、いきなり噴水スーパーリーチとが用意されている。
【0136】
なお、星空スーパーリーチ、噴水リーチ及びいきなり噴水リーチは、大当たりの発生確率が高いスーパーリーチに分類される。本実施の形態のパチンコ機10では、大物口33への遊技球の入球に基づく抽選によって大当たりを付与する抽選結果が導出された場合には、スーパーリーチを選択し易いように構成する一方、大物口33への遊技球の入球の基づく抽選によって大当たりを付与しない抽選結果が導出された場合にはハズレ又はノーマルリーチを選択し易いように構成されている。また、通常大当たり(即ち、顔図柄を含んだ大当たり)は、スーパーリーチでは発生しないように構成されている。このように構成することによって、例えば、変動表示の実行時にスーパーリーチが現出した場合に、通常大当たりより遊技価値が高い確変大当たり発生の期待感を向上させることができるので、抑揚のある遊技を実現することができる。
【0137】
ここで、図28を参照して、本実施の形態のパチンコ機10の特徴部分でもあるチャンス目について説明する。本実施の形態のパチンコ機10では、連続演出が実行可能に構成されている。即ち、例えば、複数の変動表示が待機されている状況において、最後に待機された変動表示で大当たりが発生する場合や、ハズレの変動表示の一部において、大当たりが発生し得る変動表示の前に待機されていた変動表示において大当たりが期待できる演出(例えば、期待度の高いリーチ表示)を実行可能に構成されている。このように構成することによって、複数の変動表示に渡る長期間において遊技者の期待感を向上させることで、遊技性の向上を図ることができる。また、本実施の形態では、遊技者に予め特定の図柄(即ち、チャンス目)で停止した場合に大当たりの期待感が持てることを示唆しておき、連続演出を行う際に、連続演出中の変動表示を特定の図柄(チャンス目)で停止させ易くすることで、遊技者の期待感を向上させるように構成されている。
【0138】
図28は、7つの代表的なチャンス目を模式的に表した図である。まず、図28(a)を参照して第1のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に第1数値図柄、中段に第2数値図柄、下段に第1数値図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、左図柄列42aにおいて上記第1のチャンス目が出現した場合には、中・右図柄列42b,42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。本実施の形態のパチンコ機10では、大物図柄表示装置42において1の図柄列に対して3の図柄を表示可能としており、この第1のチャンス目のように、大物図柄表示装置42のいずれかの図柄列42a?42cの表示可能領域のすべてにおいて特定の主図柄(例えば、第1数値図柄及び第2数値図柄)が現出すれば大当たりの期待が持てるチャンス目とすることで、各図柄列42a?42c毎のそれぞれにおける変動において新たな遊技性を付与することができる。
【0139】
図28(b)を参照して第2のチャンス目について説明すると、いずれかのラインL1?L5上に、第1数値図柄、第2数値図柄、又は、「2」の数字を付した特別図柄がいずれの組み合わせでも停止図柄として表示されればチャンス目となる。第1のチャンス目のように、1のいずれかの図柄列42a?42cの表示可能領域のすべてにおいて特定の図柄が停止すればチャンス目とすると共に、いずれかのラインL1?L5上に第1のチャンス目を構成する図柄が一直線上に停止した場合に第2のチャンス目とすることによって、第1のチャンス目と第2のチャンス目とを関連付けることができ、遊技者に遊技性を理解させ易くすることができる。
【0140】
図28(c)を参照して第3のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に第2数値図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下段に「2」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、更に、右図柄列42cにおいて、上段又は下段に第1数値図柄、第2数値図柄、又は、「2」の数字を付した特別図柄のいずれかが停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、中図柄列42bにおいて上記第3のチャンス目が出現した場合には、中図柄列42bに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。
【0141】
図28(d)を参照して第4のチャンス目について説明すると、右図柄列42cにおいて、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下段に第2数値図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、右図柄列42cにおいて上記第4のチャンス目が出現した場合には、左・中図柄列42a,42bに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。本実施の形態では、図28(b)に示される第2のチャンス目と、図28(d)に示される第4のチャンス目が現出した場合には、1の変動表示において、2のチャンス目を現出させつつ、3のリーチ表示(所謂、トリプルリーチ)を現出させることができるので、遊技者にその変動表示における3のリーチ表示による大当たりへの期待感と、2のチャンス目が現出したことによって以降に実行される変動表示に対する期待感とを同時に付与することができるので、遊技性を向上させることができる。
【0142】
図28(e)を参照して第5のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に「4」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄、下段に「4」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下段に副図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、左・中図柄列42a,42bにおいて上記第5のチャンス目が出現した場合には、右図柄列42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。
【0143】
図28(f)を参照して第6のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に「4」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄、下段に「4」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下段に副図柄、中段に「4」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、左・中図柄列42a,42bにおいて上記第6のチャンス目が出現した場合には、右図柄列42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。
【0144】
図28(g)を参照して第7のチャンス目について説明すると、左図柄列42aにおいて、上段に「5」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下段に「5」の数字を付した特別図柄が表示されると共に、中図柄列42bにおいて、上・下段に副図柄、中段に「5」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されればチャンス目となる。なお、左・中図柄列42a,42bにおいて上記第7のチャンス目が出現した場合には、右図柄列42cに表示される停止図柄はいずれの図柄でも良いので、「ANY」と表示している。
【0145】
従来、遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに付されて構成された複数の図柄列を可変表示した後に、遊技者の操作に起因して前記可変表示をそれぞれ停止させて停止図柄を表示する表示装置を備えたスロットマシン等が知られている。この種の遊技機では、表示装置の有効ライン上に特定の大当たり図柄が停止すると、ビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者にとって有利なゲームが発生するものが多い。
【0146】
また、スロットマシンでは、いわゆるリーチ目と称される、ビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームの発動が持ち越されている状態にのみ停止表示される停止図柄態様が設けられている。遊技者は、停止図柄がリーチ目で表示された場合に、ビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームが内部当選していることを察知することができるようになっている。該リーチ目には、様々な停止態様が用意されており、例えば、3のリールの停止態様によって構成されるリーチ目もあれば、1のリールの停止態様のみによって構成されるリーチ目も存在している。
【0147】
しかしながら、スロットマシンでは、可変表示されるリールが高速で視認困難であると共に、その可変表示されているリールは遊技者の操作に起因して同期又は略同期して停止するように構成されている。このため、例えば、1のリールの停止態様のみによってリーチ目を構成するスロットマシンでは、遊技者がその停止態様を狙って操作をした場合に、遊技者が興趣を得るタイミングは、高速に可変表示しているリールが遊技者の操作と同期して停止するまでの遊技者に認識困難な短い期間しかなく、長い期間において興趣を与えることが困難であるといった問題点があった。
【0148】
そこで、本実施の形態のパチンコ機10では、1の変動表示を、各図柄列42a?42cを遊技者な視認困難な速度で変動させてから、その後、各図柄列42a?42cを遊技者に視認可能な速度でそれぞれ変動させて停止(停留)表示させるように構成する。更に、遊技者に視認可能な速度でそれぞれ変動される各図柄列42a?42cの変動パターンは、複数種類、例えば、1秒、1.1秒、1.2秒の変動パターンが用意され、各図柄列42a?42cが低速で変動している場合には、各図柄列42a?42cの各図柄は略0.1秒で大物図柄表示装置42の表示可能領域の1/3(1コマ)変動するように構成されている。また、待機されている変動表示において大当たりが発生し得る場合に、その大当たりを発生し得る変動表示より先に実行される変動表示においてチャンス目を現出させるように構成されている。このように構成することによって、各図柄列42a?42cを遊技者に視認可能な速度で変動している間、遊技者に、チャンス目で停止するか否か、即ち、以降の変動表示において大当たりが発生し易い表示結果で停止するか否かという遊技性を付与することができるので、長期間の間、遊技者に興趣を付与することができる。
【0149】
また、図28(a)や図28(d)のように、1の図柄列の停止態様でチャンス目を構成するようにすることで、1の図柄列が遊技者に視認可能な速度で変動している状態から停止(停留)表示されるまでの間、その図柄列の変動がチャンス目で停止するか否かという遊技性を遊技者に付与することができるので、1の図柄列における変動表示の遊技性を向上させることができる。
【0150】
更に、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示が存在しない場合に実行されている変動表示の停止態様において、チャンス目を現出し難くするように構成されている。また、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合には、チャンス目を現出させ易くするように構成されている。具体的には、変動表示を実行する際に、待機中の変動表示が存在するか否かを確認し、待機中の変動表示が存在しない場合には実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し難くする。一方、待機中の変動表示が存在すると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されている場合には、実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し易くする。このように、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合に、チャンス目を現出し易くすることによって、変動表示において大当たりの期待度が高いチャンス目を現出させることで、待機中の変動表示に対する興趣を向上させることができる。また、各図柄列42a?42c毎のそれぞれの変動表示が停留表示される毎に、チャンス目が現出しているか否かという遊技性を付与することができるので、1の図柄列42a?42cの変動表示の遊技性を向上することができる。
【0151】
ここで、図29を参照して、大物図柄表示装置42で実行される変動表示においてチャンス目が出現した場合における波乗り報知演出について説明する。本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示においてチャンス目が出現した場合に、次回の変動表示の開始時に、前回の変動表示でチャンス目が出現したことを遊技者に示唆する波乗り報知演出が実行されるように構成されている。
【0152】
図29(a)?図29(d)を参照して波乗り報知演出について具体的に説明する。図29(a)において、1の変動表示が停止した状態を示している。この状態では、各図柄列の変動が停止していると共に、左図柄列42aにおいて、上段に第1数値図柄、中段に第2数値図柄、下段に第1数値図柄が停止図柄として表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に第1数値図柄が停止図柄として表示されており、更に、右図柄列42cにおいて、上段に「5」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下段に「4」の数字を付した特別図柄が停止図柄として表示されている。即ち、図28(a)において上記した第1のチャンス目が現出している状態である。図29(b)及び図29(c)は、図29(a)の状態から、待機されていた次の変動表示が開始されていると共に、画面下側から水しぶき図柄と女の子キャラクタ絵柄が画面上方側へ表示されて、その水しぶき図柄の上を女の子キャラクタ絵柄が左から右へ滑り出している状態を示している。この状態では、各図柄列42a?42cは高速変動されており、遊技者から視認困難な状態となっている。図29(d)は、図29(c)の状態から、水しぶき図柄と女の子キャラクタ絵柄とが消えて、各図柄列42a?42cにおいて高速変動が続行している状態を示している。
【0153】
上記説明したように、本実施の形態のパチンコ機10では、変動表示においてチャンス目が現出した場合には、次回に実行される変動表示の開始時に、前回の変動表示の停止図柄がチャンス目であったことを遊技者に示唆する波乗り報知演出が実行されるように構成されている。このように構成することによって、喩えチャンス目を見逃した(認識していない)遊技者に、波乗り報知演出を見ることで前回の変動表示でチャンス目が現出したことを示唆することができると共に、実行中の変動表示において大当たりの期待感を増幅させることができるので、複数の変動表示が実行されている期間において大当たりへの期待感を維持することができるので、遊技性を向上することができる。
【0154】
次に、図30を参照して、本実施の形態のパチンコ機10の特徴部分でもあるステップアップ予告について説明する。本実施の形態では、変動表示の開始時に、該変動表示において大当たりの付与する確率を示唆する予告表示機能が搭載されている。ステップアップ予告には、通常に表示されている背景を利用して表示しており、通常時に背景において表示されている2の女神像のそれぞれの水瓶から流れ出ている水が止まる水止め予告と、その水止め予告から発展して2の女神像がそれぞれ画面正面を向く振り向き予告と、その振り向き予告から発展して2の女神像の間に虹がかかる虹予告と、その虹予告から発展して2の女神像の後ろ側に表示された池の中を魚群が泳ぐ魚群予告と、その魚群予告から発展して2の女神像がそれぞれ黄金色になる黄金予告との5種類のステップアップ予告が用意されている。現出するステップアップ予告に応じて大当たりの信頼度が決められており、通常より水止め予告、水止め予告より振り向き予告、振り向き予告より虹予告、虹予告より魚群予告、魚群予告より黄金予告が現出した方が大当たりを期待できる仕様となっている。
【0155】
図30(a)は、通常時におけるステップアップ予告なしの状態の変動表示の背景を示している。この状態では、背景の2の女神像の水瓶から水が流れ出ていると共に、その後ろ側の池には何も現出していない状態を示している。なお、図30(a)から図30(f)において、各図柄列42a?42cは高速変動されており、遊技者から視認困難な状態となっている。
【0156】
図30(b)は、水止め予告が現出している状態を示している。図30(b)は、図30(a)の状態、即ち、背景の2の女神像のそれぞれの水瓶から水が流れ出ている状態から、背景の2の女神像のそれぞれの水瓶から流れ出る水が止まっている状態を示している。この水止め予告が現出した場合には、その変動表示においていずれかのリーチ表示が現出し易いように構成されている。
【0157】
図30(c)は、振り向き予告が現出している状態を示している。図30(c)は、図30(b)の状態、即ち、背景において2の女神像が互いに向き合っている状態から、背景の2の女神像がそれぞれ画面正面を向いている状態を示している。この振り向き予告が現出した場合には、その変動表示においていずれかのリーチ表示が現出するように構成されている。即ち、リーチ表示が現出する変動表示においてのみ、この振り向き予告が現出するように構成されている。
【0158】
図30(d)は、虹予告が現出している状態を示している。図30(d)は、図30(c)の状態、即ち、背景において2の女神像がそれぞれ画面正面を向いている状態から、背景の2の女神像の間に虹が架かった状態を示している。この虹予告が現出した場合には、その変動表示において、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチにおける通常大当たりか確変大当たりのいずれか、或いは、いずれかのスーパーリーチが現出するように構成されている。即ち、通常大当たりか確変大当たりのいずれか、又は、いずれかのスーパーリーチが現出する変動表示においてのみ、この虹予告が現出するように構成されている。
【0159】
図30(e)は、魚群予告が現出している状態を示している。図30(e)は、図30(d)の状態、即ち、背景において2の女神像の間に虹が架かっている状態から、背景の2の女神像の後ろ側に表示されている池の中を様々な色合い魚の群れ泳いでいる状態を示している。この魚群予告が現出した場合には、その変動表示において通常大当たりか確変大当たりのいずれかが発生するように構成されている。即ち、通常大当たり又は確変大当たりが現出する変動表示においてのみ、この魚群予告が現出するように構成されている。
【0160】
図30(f)は、黄金予告が現出している状態を示している。図30(f)は、図30(e)の状態、即ち、背景において2の女神像の後ろ側に表示されている池を魚群が泳いでいる状態から、該魚群が姿を消して背景の2の女神像がそれぞれ黄金色に変わった状態を示している。この黄金予告が現出した場合には、その変動表示において確変大当たりが発生するように構成されている。即ち、確変大当たりが発生する変動表示においてのみ、この黄金予告が現出するように構成されている。
【0161】
このように構成することで、ステップアップ予告を用いる共に、そのステップアップ予告が発展すればするほど、遊技者の大当たりへの期待度を高めることができるので、変動表示が実行されている様々なタイミングにおいて遊技者の期待感を煽ることができ、遊技性を向上させることができる。
【0162】
また、本実施の形態では、変動表示においてステップアップ予告を現出させる場合に、該変動表示の停止態様においてチャンス目を現出するように構成されている。従って、ステップアップ予告の段階に応じてチャンス目の出現回数を遊技者に示唆することができると共に、予告図柄と変動表示の停留図柄との演出を関連付けて複数回の変動表示を実行することで、複数回の変動表示における遊技性を向上させることができる。
【0163】
更に、本実施の形態のパチンコ機10では、チャンス目の連続現出回数が多ければ多い程、ステップアップ予告の演出内容も変化するように構成されている。具体的には、例えば、待機中の変動表示が4つあると共に4つ目に待機された変動表示において確変大当たりが現出する場合に、1つ目に待機された変動表示ではいずれかのチャンス目の停留態様を現出させると共に図30(b)に示す水止め予告が現出する変動パターンを実行し、2つ目に待機された変動表示ではいずれかのチャンス目の停留態様を現出させると共に図30(c)に示す振り向き予告が現出する変動パターンを実行し、3つ目に待機された変動表示ではいずれかのチャンス目の停留態様を現出させると共に図30(d)に示す虹予告が現出する変動パターンを実行し、4つ目に待機された変動表示ではいずれかの確変大当たりの停留態様を現出させると共に図30(e)に示す魚群予告又は黄金予告が現出する変動パターンを実行するように構成する。このように、連続演出における予告図柄と変動表示の停留図柄との演出を関連付けて複数回の変動表示を実行することで、複数回の変動表示における遊技性を向上させることができる。
【0164】
また、本実施の形態のパチンコ機10では、連続演出が実行されている最中に、大物口33における始動入賞が発生した場合には、該始動入賞に基づく変動表示において、ステップアップ予告の演出、又は、チャンス目を現出させないように構成されている。このように構成することで、ハズレ(所謂、ガセ)の連続演出又はチャンス目を現出し難くすることができる。ハズレの連続演出又はチャンス目等が変動表示に頻発してしまうと、連続演出又はチャンス目等の演出に対する遊技性が低下してしまい、遊技者を興醒めさせてしまう。そこで、連続演出中における始動入賞に基づく変動表示において、連続演出又はチャンス目を現出し難くすることによって、連続演出又はチャンス目の演出に対する遊技性を保ち、遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。
【0165】
次に、図31から図34を参照して、各リーチ表示について説明する。図31は、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチが実行されている様を模式的に表した図である。図31(a)では、1の変動表示が終了して停止している状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中段に「3」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄がそれぞれ停留表示(又は、停止表示)されている。また、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に「1」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄がそれぞれ停留表示されている。更に、右図柄列42cにおいて、上段に「5」の数字を付した特別図柄、中段に副図柄、下段に「4」の数字を付した特別図柄がそれぞれ停留表示されている。よって、この変動表示の停止態様はリーチ表示やチャンス目すら発生しないハズレ表示であったことを示している。
【0166】
図31(b)は、図31(a)の状態から、次の変動表示が開始された状態を示している。この状態では、各図柄列42a?42cでは高速変動が行われているため、遊技者から視認困難な状態となっている。
【0167】
図31(c)は、図31(b)の状態から、左図柄列42aの変動が停留表示されていると共に、右図柄列42cの変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示される直前である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中ラインL2(図26参照)において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リーチ表示が発生することを示している。この状態では、遊技者にリーチ表示が発生したことを認識させ易くするために、スピーカ24等から音声で「リーチ」という音を発生するように構成されている。なお、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認困難な状態となっている。
【0168】
図31(d)では、図31(c)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示されると共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスクロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表示されている。本実施の形態のパチンコ機10では、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチの発生時に、中図柄列42bのスクロール表示において、左・右図柄列42a,42cでリーチ表示を形成している図柄と同一の図柄が中図柄列42bの表示領域をスクロール表示する際に、前後2図柄(2コマ)付近から該スクロール表示を低速に切り替えて実行するように構成されている。このようにリーチ表示を実行することで、大当たり対象図柄を長い間大物図柄表示装置42に表示すると共に、大当たり対象図柄をゆっくり変動させることで、高速変動時からいきなり大当たりとなるパチンコ機に比べて、今にも停留するかもしれないと遊技者に示唆させて大当たりに対する期待感を長い間継続させることができるので、遊技性を向上させることができる。また、大当たりが発生しない部分、即ち、リーチ表示を形成している図柄とは異なる図柄のスクロール表示を高速に行うことで、変動表示にかかる時間を削減することができるので、無駄なスクロール表示を省略することで効率の良い変動表示を実行することができる。
【0169】
なお、図31(d)から図31(f)では、左図柄列42a及び右図柄列42cにおいて、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表示形態で停留表示されている。このように、リーチ表示を形成し得ない図柄を認識し難くすることで、逆にリーチ表示を形成する図柄を認識し易くすることができる。また、本実施の形態では、中図柄列42bにおいて大当たり対象図柄が大当たり対象ライン(図31(d)では中ラインL2)付近を通過する際に、左図柄列42a及び右図柄列42cでリーチ表示を形成する図柄と、中図柄列42bをスクロール表示する大当たり対象図柄との表示態様を変化(例えば、キラキラと点滅表示)させることで、より一層大当たり対象ライン及び大当たり対象図柄を強調して遊技者に認識させることができる。
【0170】
図31(e)は、図31(d)の状態から、中図柄列42bの変動が再び高速変動を開始してノーマルリーチからノーマルロングリーチに発展した状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。なお、ノーマルリーチでは、図31(d)の状態で中図柄列42bの変動が停止して、全図柄が停止表示される。また、左図柄列42aの上・下段と右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表示形態で停留表示されている。
【0171】
図31(f)では、図31(e)の状態から、図31(d)のように中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスクロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表示されている。なお、本実施の形態のパチンコ機10では、図31(e)及び図31(f)の演出を複数回(例えば、2回又は3回等)繰り返し実行するノーマルロングスペシャルリーチが設けられている。本実施の形態では、ノーマルロングスペシャルリーチにおいて、繰り返し実行される回数が多ければ多い程、遊技者に大当たりの抽選結果が導出されていることを示唆するために、大当たりの抽選結果が導出がされている場合に繰り返し実行される回数が多いノーマルロングスペシャルリーチが選定され易いように構成されている。
【0172】
図31(g)では、図31(d)又は図31(f)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に顔図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆している。
【0173】
図31(h)では、図31(d)又は図31(f)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、通常大当たりの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に顔図柄、下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、中ラインL2上において通常大当たりが発生したことを遊技者に示唆している。
【0174】
なお、本実施の形態では、図示していないが、通常大当たり(顔図柄を含む大当たり)が発生した場合には、通常大当たりから確変大当たり(ライン上に同一図柄が3つ並ぶ大当たり)が発生する再抽選機能が搭載されている。具体的には、リーチ表示を形成しているライン上に顔図柄が一旦停止表示された後、その顔図柄の口に相当する部分が広がってリーチ表示を形成する図柄と同一の図柄が見え隠れする演出が実行される。リーチ表示を形成する図柄が顔図柄の口の中から出てくれば確変大当たりを遊技者に付与するように構成されている一方、リーチ表示を形成する図柄が顔図柄の口の中に隠れてしまった場合には通常大当たりを遊技者に付与するように構成されている。また、通常大当たり(顔図柄を含む大当たり)は、ノーマルリーチ又はノーマルロングリーチでのみ発生するように構成されており、後述するスーパーリーチのいずれかが発生した場合には通常大当たりが発生しないように構成されている。
【0175】
次に、図32を参照して、星空スーパーリーチの変動パターンについて説明する。図32は、星空スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である。星空スーパーリーチは、ノーマルリーチを経てノーマルロングリーチから発展する演出であり、大物図柄表示装置42の背景が夜空に変わり、その夜空に表示される星座キャラクタ絵柄に女の子キャラクタ絵柄がお願いをする演出が実行される。
【0176】
図32(a)は、左図柄列42aの変動が停留表示されていると共に、右図柄列42cの変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示される直前である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中ラインL2(図26参照)において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リーチ表示が発生することを示している。この状態では、遊技者にリーチ表示が発生したことを認識させ易くするために、スピーカ24等から音声で「リーチ」という音を発生するように構成されている。なお、リーチ表示が発生したことを示す音は、通常、女の子の声で「リーチ」と音が出力されるが、通常とは異なる音、例えば、巻き舌で発生したような声で「リーチ」と音が出力された場合には、該変動表示において必ずスーパーリーチが発生するように構成されている。通常とは異なる音で遊技者にリーチ表示の発生を示唆することにより、遊技者に違和感を与えつつ、スーパーリーチの発生を認識させて大当たりが付与され易いことを示唆することができる。また、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認困難な状態となっている。
【0177】
図32(b)では、図32(a)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示されると共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスクロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表示されている。なお、図32(b)から図32(d)では、左図柄列42a及び右図柄列42cにおいて、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表示形態で停留表示されている。
【0178】
図32(c)では、図32(b)の状態から、中図柄列42bが再び高速変動を開始すると共に、大物図柄表示装置42の背景が夜空に変わって該夜空にいずれかの星座が表示され、更に、画面右から女の子キャラクタ絵柄が登場した状態を示している。この状態では、ノーマルロングリーチから星空スーパーリーチに発展したことを示している。なお、星空スーパーリーチに発展した際に、女の子の声で「?座さん、お願い」と背景に表示されている星座キャラクタ絵柄に応じた音声が出力されるように構成されている。また、本実施の形態のパチンコ機10では、背景に表示されている星座キャラクタ絵柄と女の子の声で「?座さん、お願い」と出力された音とが対応していない場合、即ち、女の子の声でお願いした星座と背景に表示された星座とが異なる場合には、その変動表示において大当たりが確定するように構成されている。このように、様々なタイミングで大当たりが発生することを示唆することができるので、遊技性を向上することができる。
【0179】
図32(d)では、図32(c)の状態から、中図柄列42bが低速変動を開始すると共に、その低速変動する図柄が1図柄ずつ螺旋上に回転しながら図柄がスクロールしていく状態を示している。この状態では、女の子キャラクタ絵柄が目を閉じて星座キャラクタ絵柄にお願いしているかのような演出が実行されている。
【0180】
図32(e)では、図32(d)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄が悲しんでいるかのような演出が実行される。
【0181】
図32(f)では、図32(d)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、大当たりの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当たりが発生したことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄が喜んでいるかのような演出が実行される。
【0182】
次に、図33を参照して、噴水スーパーリーチの変動パターンについて説明する。図33は、噴水スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である。噴水スーパーリーチは、ノーマルリーチを経てノーマルロングリーチから発展する演出であり、大物図柄表示装置42画面全体が水しぶき図柄で覆われた後、中図柄列42bにおいて噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を画面下から上に押し上げるかのような演出が実行される。また、同時に、噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を押し上げるかのような演出が実行されている際に、水しぶき図柄と同時に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右下に移動し、更に、女の子キャラクタ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかのような演出が実行される。
【0183】
図33(a)は、左図柄列42aの変動が停留表示されていると共に、右図柄列42cの変動が停留表示される直前の状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、右図柄列42cでは、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示される直前である。右図柄列42cの変動が停留表示された場合には、中ラインL2(図26参照)において「2」の数字を付した特別図柄が並んでいるので、リーチ表示が発生することを示している。なお、中図柄列42bは、高速変動されており、遊技者から視認困難な状態となっている。
【0184】
図33(b)では、図33(a)の状態から、右図柄列42cの変動が停留表示されると共に、中図柄列42bの変動が高速変動から低速変動に切り替わっている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bは、低速のスクロール表示が実行されており、上段上方側に副図柄、上段と中段との間に「2」の数字を付した特別図柄、中段と下段との間に副図柄、下段下方側に副図柄が低速でスクロール表示されている。なお、図33(b)から図33(f)では、左図柄列42a及び右図柄列42cにおいて、リーチ表示を形成していない図柄、即ち、左図柄列42aの上・下段と右図柄列42cの上・下段とに表示されている図柄は、通常の表示形態よりやや薄目の表示形態で停留表示されている。
【0185】
図33(c)では、図33(b)の状態から、大物図柄表示装置42の画面下側から水しぶき図柄が現出すると共に、その水しぶき図柄と共に女の子キャラクタ絵柄が現出し、噴水スーパーリーチに発展した状態を示している。図33(d)では、図33(c)の状態から、大物図柄表示装置42の画面全体が水しぶき図柄に覆われると共に、該水しぶき図柄と共に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右下に立っている状態を示している。
【0186】
図33(e)では、図33(d)の状態から、中図柄列42bにのみ水しぶき図柄が表示されている状態を示している。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停留表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停留表示されている。また、中図柄列42bでは、水しぶき図柄によって図柄が視認困難な状態となっている。
【0187】
図33(f)では、図33(e)の状態から、中図柄列42bの水しぶき図柄が一旦画面下側に移動し、まるで大当たり対象図柄をじわじわと押し上げるかのような演出が実行されている状態を示している。この状態では、画面右下に表示されていた女の子キャラクタ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかのような演出が実行されている。
【0188】
図33(g)では、図33(f)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、ハズレの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に「2」の数字を付した特別図柄、中・下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当たりが発生し得なかったことを遊技者に示唆しており、画面右下に表示された女の子キャラクタ絵柄がしゃがみ込んで悲しんでいるかのような演出が実行される。
【0189】
図33(h)では、図33(f)の状態から、各図柄列42a?42cの変動又は停留表示が停止されている状態であり、大当たりの変動表示の表示結果が現出している状態である。この状態では、左図柄列42aにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「3」の数字を付した特別図柄が停止表示されていると共に、右図柄列42cにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に「1」の数字を付した特別図柄が停止表示されており、また、中図柄列42bにおいて、上段に副図柄、中段に「2」の数字を付した特別図柄、下段に副図柄が停止表示されている。この状態では、大当たりが発生したことを遊技者に示唆しており、女の子キャラクタ絵柄が万歳をして喜んでいるかのような演出が実行される。
【0190】
図34は、いきなり噴水スーパーリーチが実行されている様を模式的に表した図である。いきなり噴水スーパーリーチは、ノーマルリーチ及びノーマルロングリーチを介さず発展する演出であり、各図柄列42a?42cの変動表示が高速変動を実行されている最中に大物図柄表示装置42画面全体が水しぶき図柄で覆われた後、左・右図柄列42a,42cの変動表示がリーチ表示を形成する表示結果で停留表示し、その後、中図柄列42bにおいて噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を画面下から上に押し上げるかのような演出が実行される。以降の演出は、噴水スーパーリーチと同様であり、噴水の水しぶき図柄がまるで大当たり図柄を押し上げるかのような演出が実行されている際に、水しぶき図柄と同時に現出した女の子キャラクタ絵柄が画面右下に移動し、更に、女の子キャラクタ絵柄が噴水の水しぶき図柄の勢いを助長させるかのような演出が実行される。
【0191】
図31から図34において説明した各スーパーリーチにはすべり演出と戻り演出とが用意されている。すべり演出とは、スクロール方向に対して大当たり対象ラインの手前で一旦停止した大当たり対象図柄が、再び動いて大当たり対象ライン上に停止する演出である。また、戻り演出とは、スクロール方向に対して大当たり対象ラインを越えて一旦停止した大当たり対象図柄が、再び動いて大当たり対象ライン上に停止する演出である。なお、ノーマルリーチ及びノーマルロングリーチにはすべり演出又は戻り演出が現出(発生)しないように構成されている。
【0192】
次に、図35から図42のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0193】
図40は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0194】
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1?C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、大物口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
【0195】
図41のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する(S701)。遊技球が大物口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。大物口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、大物口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、大物口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
【0196】
なお、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、大物図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1?C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する大物図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
【0197】
図42は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図42のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0198】
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0199】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図42のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
【0200】
図35は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
【0201】
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0202】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114?S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114?S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
【0203】
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
【0204】
次に、図36のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201?S207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0205】
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、大物図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
【0206】
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
【0207】
ここで、図37を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
【0208】
上記S303?S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
【0209】
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S308:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせは外れ図柄の組み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
【0210】
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理(S203)の終了後は、図36の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S205)。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や大物図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は後述する。
【0211】
特別図柄変動処理の終了後は、大物図柄表示装置42において同一の図柄が停留表示された場合における可変入賞装置32の開放処理や、回転体38の入賞口への入球に伴う可変大入賞口39の開放処理を行う開放遊技処理を実行する(S206)。即ち、大物図柄の変動表示の表示結果に応じて可変入賞装置32を所定時間開放し、その開状態中に特定領域入賞部に配設された特定領域スイッチ222で遊技球が検出された場合に、可変大入賞口39の開放遊技である大当たりの権利が発生し、所定の速度で回転駆動されている回転体38の入賞口へ遊技球が所定個数入球するまでの間、該回転体38の入賞口への入賞に伴って、可変大入賞口39が開放されるように構成されている。この可変大入賞口39は、所定時間又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、回転体38の入賞口へ遊技球が入賞する毎に可変大入賞口39の開放が繰り返し実行される。なお、回転体38の入賞口へ所定個数の遊技球が入球した場合に、大当たり遊技が終了するように構成されている。
【0212】
次に、小物図柄表示装置41による小物図柄(例えば「○」又は「×」の普通図柄)の表示制御を実行する(S207)。簡単に説明すると、遊技球が小物門(スルーゲート)34を通過したことを条件に、その都度の小物図柄乱数カウンタC4の値が取得されると共に小物図柄表示装置41の表示部43にて小物図柄の変動表示が実施される。そして、小物図柄乱数カウンタC4の値により小物図柄の抽選が実施され、小物図柄の当たり状態になると、大物口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、小物図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図40に示すタイマ割込処理により更新される。
【0213】
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。なお、小物門34を設けない場合には、該小物図柄制御処理を実行せずに、S206の処理の実行後にS208の処理へ移行するように構成する。
【0214】
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S209)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0215】
ここで、S201?S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
【0216】
次に、図38及び図39のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S205)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に大物図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0217】
大当たり中でなければ(S401:No)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、大物図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1?第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、大物図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については後述する。
【0218】
S402の処理において、大物図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。大物図柄の変動時間はその大物図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、大物図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
【0219】
次に、図39のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0?676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
【0220】
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄を、即ち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0?49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、予め定められていない特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
【0221】
次に、大当たり図柄で停止するまでの大物図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
【0222】
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、リーチ発生の場合(S504:Yes)、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S505)。また、リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S506)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
【0223】
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S507)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S508)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
【0224】
次に、図43を参照して、表示用制御装置45により行われるコマンド受信処理について説明する。図43は、表示用制御装置45のコマンド受信処理を示したフローチャートである。このコマンド受信処理は、表示用制御装置45において主制御装置261からコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御装置261から送信されたコマンドに予め対応付けられた処理が表示用制御装置45で行われる。
【0225】
コマンド受信処理では、まず、受信したコマンドを確認し(S841)、そのコマンドが変動パターンコマンドであれば(S841:変動パターンコマンド)、変動パターンコマンドを表示用制御装置45のRAM523の演出実行エリアに書き込み(S842)、音声ランプ制御装置262へランプコマンドを送信し(S843)、演出実行エリアに書き込まれた変動パターンコマンドに基づいて大物図柄表示装置42において変動表示を実行して(S844)、このコマンド受信処理を終了する。
【0226】
S841の処理において受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば(S841:停止図柄コマンド)、停止図柄のデータを演出実行エリアに書き込み(S845)、このコマンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば(S841:確定コマンド)、大物図柄表示装置42で実行された変動表示を確定停止させ(S846)、コマンド受信処理を終了する。また、S841の処理において受信したコマンドが、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド及び確定コマンドのいずれでもなければ(S841:他のコマンド)、受信したコマンドに応じた各処理を実行して(S847)、このコマンド受信処理を終了する。
【0227】
次に、図44を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図44は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
【0228】
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
【0229】
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0230】
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
【0231】
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
【0232】
次に、図45のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
【0233】
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
【0234】
次に、S1007?S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図46に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
【0235】
S1010?S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図47に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
【0236】
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
【0237】
図46に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
【0238】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
【0239】
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図45の払出制御処理に戻る。
【0240】
図47に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
【0241】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
【0242】
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図45の払出制御処理に戻る。
【0243】
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10では、1の変動表示を、各図柄列42a?42cを遊技者な視認困難な速度で変動させてから、その後、各図柄列42a?42cを遊技者に視認可能な速度でそれぞれ変動させて停止(停留)表示させるように構成する。また、待機されている変動表示において大当たりが発生し得る場合に、その大当たりを発生し得る変動表示より先に実行される変動表示においてチャンス目を現出させるように構成されている。このように構成することによって、各図柄列42a?42cを遊技者に視認可能な速度で変動している間、遊技者に、チャンス目で停止するか否か、即ち、以降の変動表示において大当たりが発生し易い表示結果で停止するか否かという遊技性を付与することができるので、長期間の間、遊技者に興趣を付与することができる。
【0244】
また、図28(a)や図28(d)のように、1の図柄列の停止態様でチャンス目を構成するようにすることで、1の図柄列が遊技者に視認可能な速度で変動している状態から停止(停留)表示されるまでの間、その図柄列の変動がチャンス目で停止するか否かという遊技性を遊技者に付与することができるので、1の図柄列毎の変動に新たな遊技性を付与することができるので、1の図柄列毎の変動表示の遊技性を向上させることができる。
【0245】
更に、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示が存在しない場合に実行されている変動表示の停止態様において、チャンス目を現出し難くするように構成されている。また、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合には、チャンス目を現出させ易くするように構成されている。具体的には、変動表示を実行する際に、待機中の変動表示が存在するか否かを確認し、待機中の変動表示が存在しない場合には実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し難くする。一方、待機中の変動表示が存在すると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されている場合には、実行する変動表示の停止態様にチャンス目を選定し易くする。このように、待機中の変動表示があると共に、該待機中の変動表示において大当たりの抽選結果又はハズレの変動表示の一部の抽選結果が導出されていた場合に、チャンス目を現出し易くすることによって、変動表示において大当たりの期待度が高いチャンス目を現出させることで、待機中の変動表示に対する興趣を向上させることができる。また、各図柄列42a?42c毎のそれぞれの変動表示が停留表示される毎に、チャンス目が現出しているか否かという遊技性を付与することができるので、1の図柄列42a?42cの変動表示の遊技性を向上することができる。
【0246】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0247】
例えば、本実施の形態のパチンコ機10では、主制御装置261によって変動表示の変動パターンを決定すると共にその変動パターンに応じた変動パターンコマンドを表示制御装置45へ送信し、表示制御装置45は受信した変動パターンコマンドに応じた変動パターンで大物図柄表示装置42で変動表示を実行していた。これに代えて、主制御装置261は、大当たりの当否のみを表示制御装置45へ送信し、表示制御装置45は主制御装置261から受信した大当たりの当否を参酌しつつ、カウンタ等によって各種の変動パターンを実行するように構成しても良い。
【0248】
また、本実施の形態のパチンコ機10では、待機中の変動表示の抽選結果に応じて、1の変動表示でチャンス目を現出させて次回に実行される変動表示の大当たりへの期待度を遊技者に示唆するように構成されていた。これに代えて、大当たりの抽選結果が導出されている1の変動表示において、まず各図柄列においてチャンス目の停止態様で変動を停止させたかのように演出してから、再び各図柄列の変動を開始して、その1の変動表示内で大当たりの停止態様を現出させる1変動2段階演出を実行するように構成しても良い。このように構成することによって、変動表示が待機されていない場合でも、2段階演出が実行されるかもしれないという期待感を遊技者に付与することができ、遊技性を向上することができる。
【0249】
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0250】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0251】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0252】
以下に本発明の遊技機及び変形例を示す。複数の識別情報等で形成された識別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶される前記識別情報を用いた少なくとも2以上の動的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に遊技者にとって有利な遊技価値の付与抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、そのパターン選定手段によって選定された前記動的パターンに応じて前記表示手段において複数の前記識別情報列をそれぞれ動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段によって遊技価値を付与する抽選結果が導出された場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わせである特別遊技示唆情報を現出させると共に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に、所定条件が成立しているか否かを判別する特定条件判別手段を備え、前記識別情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており、前記動的表示手段は、前記特定条件判別手段によって、前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技示唆情報を前記表示手段に表示する前に、該特別遊技示唆情報とは異なる前記識別情報によって形成される特定停止態様を、前記表示手段のいずれか1又は複数の前記識別情報列に連続的に現出させる特定停止態様現出手段と、その特定停止態様現出手段によって連続的に前記特定停止態様を現出する場合に、前記特定停止態様の連続回数に応じて、前記キャラクタ情報のいずれかを前記表示手段に現出するキャラクタ現出手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0253】
遊技機1において、前記キャラクタ情報は、それぞれ異なる示唆態様で表示されると共に、その示唆態様に応じて前記特別遊技状態の発生率を示唆するように構成されており、前記キャラクタ現出手段は、前記特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されていることを特徴とする遊技機2。キャラクタ現出手段は、特別遊技状態を付与する抽選結果が導出されていると共に、所定条件が成立していると判別された場合に、特別遊技状態の発生率が低い示唆態様のキャラクタ情報から順に現出させることによって、段階的に特別遊技状態の発生確率が高まっていくことを遊技者に示唆することができるので、連続的に実行される演出によって遊技者に段階的な興趣を付与することができる。
【0254】
遊技機1又は2において、前記動的実行手段によって前記表示手段において前記動的表示が実行されている場合に、前記検出手段によって始動条件の成立が検出されたとき該始動条件の成立に基づく抽選結果情報を少なくとも2以上記憶可能な待機情報記憶手段を備え、前記特定条件判別手段は、前記待機情報記憶手段に前記特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されているか否かを判別する待機情報判別手段を有し、前記キャラクタ現出手段は、前記待機情報判別手段によって前記待機情報記憶手段に前記特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されていると判別された場合に、前記特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報による動的表示より先に実行される動的表示毎に、前記キャラクタ情報を現出させるように構成されていることを特徴とする遊技機3。待機情報判別手段によって、待機情報記憶手段に特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されていると判別された場合に、特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報より先に実行される動的表示においてキャラクタ情報を現出させるように構成されている。従って、複数の動的表示に跨って遊技者に興趣を付与することができるので、遊技性を向上することができる。
【0255】
遊技機3において、前記待機情報記憶手段に記憶されている抽選結果情報数を判別する待機情報数判別手段を備え、前記キャラクタ情報は、第1キャラクタ情報と、その第1キャラクタ情報より前記特別遊技状態の抽選結果が導出されている場合に現出し易い第2キャラクタ情報とを有し、前記キャラクタ現出手段は、前記待機情報判別手段によって前記待機情報記憶手段に前記特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されていると判別されると共に、前記待機情報数判別手段によって前記待機情報記憶手段に少なくとも2以上の抽選結果情報が記憶されていると判別された場合に、先に実行される前記動的表示において前記第1キャラクタ情報を現出させ、後に実行される前記動的表示において前記第2キャラクタ情報を現出させるように構成されていることを特徴とする遊技機4。待機情報記憶手段に特別遊技状態を発生し得る抽選結果情報が記憶されていると共に、待機情報記憶手段に少なくとも2以上の抽選結果情報が記憶されている場合に、先に実行される動的表示において第1キャラクタ情報を現出させ、後に実行される動的表示において第1キャラクタ情報より特別遊技状態の抽選結果が導出されている場合に現出し易い第2キャラクタ情報を現出させるように構成されている。よって、特別遊技状態を付与し得る動的表示より先に実行される動的表示において、段階的に各キャラクタ情報をそれぞれ現出させることにより、各キャラクタ情報に意味合いを持たせ、例えば、複数の動的表示が実行される場合に、第1キャラクタ情報のみ現出したときより、第1キャラクタ情報と第2キャラクタ情報とが現出した方が特別遊技状態が付与され易いことを遊技者に示唆することができる。従って、複数の動的表示に跨って遊技者に興趣を付与することができるので、遊技性を向上することができる。
【0256】
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記キャラクタ現出手段は、実行中又は待機中の前記動的表示において、前記キャラクタ情報を現出させる場合に、新たな始動条件の成立に基づいて前記待機情報記憶手段に抽選結果情報が記憶されたとき、該新たな始動条件の成立に基づく動的表示において前記キャラクタ情報を現出させ難くするように構成されていることを特徴とする遊技機5。実行中又は待機中の動的表示においてキャラクタ情報を現出させる場合に、新たな始動条件の成立に基づいて待機情報記憶手段に抽選結果情報が記憶されたとき、キャラクタ現出手段は、該新たな始動条件の成立に基づく動的表示においてキャラクタ情報を現出させ難くするように構成されている。このように構成することで、特別遊技状態が付与されない動的表示において、キャラクタ情報を現出し難くすることができる。キャラクタ情報が動的表示に頻発してしまうと、キャラクタ情報の現出に対する遊技性が低下してしまい、遊技者を興醒めさせてしまう。そこで、既に実行中又は待機中の動的表示にキャラクタ情報が現出する場合に、新たな始動条件の成立に基づく動的表示において、キャラクタ情報を現出し難くすることによって、キャラクタ情報が現出する演出に対する遊技性を保ち、遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。
【0257】
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機6。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0258】
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機7。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0259】
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機8。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【0260】
10 パチンコ機(遊技機)
33 大物口(検出手段の一部、動的実行手段の一部)
39 可変大入賞口(遊技価値付与手段の一部)
42 大物図柄表示装置(表示手段)
42a 左図柄列(識別情報列の一部)
42b 中図柄列(識別情報列の一部)
42c 右図柄列(識別情報列の一部)
502 ROM(パターン記憶手段の一部)
525 キャラクタROM(情報記憶手段の一部)
C1 大当たり乱数カウンタ(抽選手段の一部)
C3 リーチ乱数カウンタ(パターン選定手段の一部)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報等で形成された識別情報列を複数表示する表示手段と、その表示手段に現出される識別情報を記憶する情報記憶手段と、少なくとも2以上の動的パターンを記憶するパターン記憶手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を複数記憶可能な抽選結果記憶手段と、その抽選結果記憶手段に記憶される抽選結果のうち最も古い時期に記憶された抽選結果に基づいて前記パターン記憶手段に記憶される前記動的表示の動的パターンを選定するパターン選定手段と、前記情報記憶手段に記憶される識別情報列であって複数の識別情報列の各々を前記表示手段にて前記パターン選定手段によって選定された前記動的パターンで動的表示させる動的実行手段と、前記抽選手段により導出された抽選結果が所定の結果である場合に前記表示手段に所定の前記識別情報の組み合わせである特別遊技示唆情報を現出させ、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
前記情報記憶手段は、前記識別情報列を形成する前記識別情報とは異なる複数のキャラクタ情報を記憶しており、
前記動的実行手段は、
前記抽選結果記憶手段に前記抽選結果が記憶されている状況において前記検出手段による前記始動条件の成立が検出されたことにより前記抽選手段により導出された抽選結果が前記特別遊技状態を発生させる結果であった場合に、その抽選が行われる前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において、該特別遊技示唆情報を構成する前記識別情報の組み合わせとは異なる特定停止態様を現出させる特定停止態様現出手段と、
前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間において前記特定停止態様現出手段によって前記特定停止態様が連続的に現出される場合に、連続する前記特定停止態様の現出回数に応じて、前記キャラクタ情報のいずれかを前記表示手段に現出するキャラクタ現出手段と、
前記特別遊技状態を発生させる抽選結果を導出した抽選より前から前記抽選結果記憶手段に記憶されていた抽選結果に基づき動的表示が実行される期間中に、前記検出手段により検出された前記始動条件の成立に基づく動的表示には前記特定停止態様を現出させないようにする特定停止態様現出禁止手段とを備え、
前記キャラクタ情報は、それぞれ異なる示唆態様で表示され、その示唆態様に応じて前記特別遊技状態の発生率を示唆するように構成されており、
前記キャラクタ現出手段は、特定条件判別手段によって前記特別遊技状態を付与する抽選結果が導出され、所定条件が成立していると判別された場合に、前記特別遊技状態の発生率が低い示唆態様の前記キャラクタ情報から順に現出させるように構成されていることを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2015-12-17 
結審通知日 2015-12-18 
審決日 2016-01-05 
出願番号 特願2012-220869(P2012-220869)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲吉▼川 康史  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 山崎 仁之
平城 俊雅
登録日 2014-10-03 
登録番号 特許第5621825号(P5621825)
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人しんめいセンチュリー  
代理人 特許業務法人しんめいセンチュリー  

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