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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1309903
審判番号 不服2014-24373  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-28 
確定日 2016-01-15 
事件の表示 特願2009-234337「磁気再生ヘッドおよびその形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 4月22日出願公開、特開2010- 92579〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成21年10月8日(パリ条約に基づく優先権主張 平成20年10月8日 米国(US))を出願日とする出願であって、平成25年8月21日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成26年1月31日付けで手続補正がなされたが、同年7月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月28日に拒絶査定不服審判請求がなされたものである。

2.本願発明

本願の請求項1ないし18に係る発明は、平成26年1月31日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項10に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項10】
基体上に、
第1の磁気フリー層と、非磁性層と、第2の磁気フリー層とが順に積層された積層体と、
前記積層体から所定距離を隔てて配置された永久磁石層と
を備え、
前記積層体は、下記の条件式(1)を満たす矩形状の平面形状を有し、
前記第1の磁気フリー層と前記第2の磁気フリー層との強磁性結合の強度は200×10^(3)/4π[A/m]以下であり、かつ、前記第1の磁気フリー層と前記第2の磁気フリー層との相互間に反強磁性結合が生じている
ことを特徴とする磁気再生ヘッド。
1/3≦(SH/TW)≦2/3 ……(1)
但し、
SH:MRハイト
TW:トラック幅方向の長さ
とする。」

3.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-212517号公報(以下「引用例1」という。)には、「バイアスされた巨大磁気抵抗(GMR)要素を有する小型の読出/書込磁気ヘッド、その製造方法、及びそれによるフラックス遷移検出方法」に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。

ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドに関し、特に、誘導書込(ライト)ヘッドと磁気抵抗(MR)読出(リード)ヘッドとを合体した薄膜磁気ヘッドの製作方法及び構造に関する。」

イ.「【0008】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第5,446,613 号の小型MRヘッドは、非常に利点が多いが、更に改良した。特に、読出(リード)雑音が低減でき、GMR応答の線型性と利得(ゲイン)が以下に開示するように改善されることが分かった。」

ウ.「【0012】本発明に基づく製造方法は、(a)基板の設定工程と、(b)基板上への磁気抵抗要素の配置工程と、(c)磁気抵抗要素に隣接して、磁気抵抗要素に磁気バイアスを印加するためのバイアス要素(エレメント)を基板上に配置する工程とを備える。バイアス要素は、永久磁石、又はあらかじめ配位された交換層とソフト層の組み合わせ、又は磁気バイアス場を誘導する電流源、又はこれらのバイアス供給手段の1個以上の組み合わせで実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、付属の図面を参照してより詳しく説明される。図1は、本発明に基づくヘッド構造100とヘッド100に隣接した磁気媒体50の断面図である。参考のため、上方に延びるZ軸と右方に延びるX軸とを有するデカルト座標格子が参照番号30で示される。Y軸は図1の平面から内側に、Z軸とX軸に垂直に延びている。
【0014】磁気媒体50は、その表面上に規定された複数の+Z方向又は-Z方向のいずれかに向いた初期方位フラックス領域を有する。例えば、対向する方位のフラックス領域51によって規定される第1の遷移52は、媒体を越えて+X方向に延びる第1の外辺(フリンジ:fringe )領域を生成するように示してある。他の対向する方位のフラックス領域51によって規定される第2の遷移53は、-X方向に延びる第2のフリンジ領域を生成するように示してある。
【0015】磁気媒体50はヘッド構造100に対してZ(+Z又は-Z)方向に沿って移動する。ヘッド構造100は、X方向に空気力学的に規定される浮上高さHだけ磁気媒体50から離れる。ヘッド構造100が遷移領域52と53を通過する時、ヘッド構造100の磁気抵抗123はフラックスすなわちフリンジ場を検出し、その抵抗を変化させるように応答する。」

エ.「【0020】巨大磁気抵抗(GMR)要素123は、第1の接触要素122上に形成される。GMR要素123は、例えば、コバルト(Co)及び銅(Cu)のような磁気的に導通と非導通である材料の約20オングストロームの厚さの非常に薄い層を交互に重ねた複数の層を配置することにより形成される。公知のように、このようなGMR要素123の電気抵抗は、時間的に変化する磁気フラックスにさらされる時に変動する。誘導変換器(トランスデューサ(transducers) )と異なり、磁気抵抗要素は、フラックス遷移の変化率よりむしろフラックス遷移の強度に敏感である。これにより、磁気抵抗要素がディスク速度の変化に対して感度を有しないといった誘導トランスデューサに対する特定の効果を生じる。」

オ.「【0036】左/右側方エッジ副領域512、514、522及び524における領域の磁気方位は、断片図S-551では、対応する(下を指している)媒体の励起場551の磁気方位に沿って配置されている。上エッジ副領域513と523における領域の磁気方位は、GMR層の反強磁性特性のために逆の左と右を指すように配位される。」

カ.「【0049】図3から図5は、GMR要素がバイアス要素180によってバイアスされる場合の1組の図である。図3は、媒体励起場が十分に下を示す場合(断片図S-251)と、媒体励起場が中立の場合(断片図S-253)と、媒体励起場が十分に上を示す場合(断片図S-257)の磁気方位を示す。下方向を示す矢印281は、バイアス場を示す。バイアス場は、中立の外部励起状態(S-253)においては、主(中央)磁気方位が他の上に重なる時には「はさみ」状の形状を規定するようになっている。GMR要素の第1の層の主領域部分はバイアスされ、バイアス場によりバイアスされない時の方位に対して+45°回転することが望ましい。GMR要素の隣接する第2層における主領域部分はバイアスされ、バイアス場によりバイアスされない時の方位に対して-45°回転することが望ましい。これにより、第1と第2の層の主領域部分にバイアスに起因する約90°の角度差を生じる。このバイアスにより生じた角度差(90°)の余弦(Cos)値は約ゼロである。」

キ.「【0051】図19、図20、図4、及び図5に示した結果は、完全な余弦(Cos)関数曲線ではないが、コンピュータシミュレーションの結果であると理解される。シミュレーションの条件においては、3層のGMR要素は、磁気/導電/磁気の3層から構成され、それぞれ厚さが2ナノメータ(2nm)で、Y方向の幅が0.5μmで、X方向の長さが0.25μmである。媒体信号は、1.5μmの期間で記録された立ち上がりと立ち下がりのエッジが90°の完全な方形波として表される。媒体表面とヘッドの間の磁気的な30nmの間隔(この間隔は薄膜磁気ヘッドが配置されるエアベアリングスライダのエアベアリング表面(ABS:AirBearing Surface)が磁気ディスク表面に面する間隔である。)であると仮定する。強度Mrt=0.45ミリEMU/cm^(2) の永久磁石のバイアスが-X方向に延びると仮定し、それぞれ「バイアスされた」と付記してある。」

ク.「【0062】装置が磁気記録(書込)のために使用されなかったり、磁気書込場が中立化できないほど強度が十分に弱い場合には、永久磁石(図示せず)が交換層307とバイアス層309の組み合わせの代わりに使用される。バイアス層309が少なくとも部分的にはGMR層323のXY平面内にある時、バイアス層309が交換層307の上にあるかどうかで動作の点で少しではあるが差が生じる。いくつかの場合では、蒸着の順番を逆にして、まずバイアス層309を蒸着し、次にバイアス層309の上に交換層307を蒸着するとよい。この場合、最初に蒸着されるバイアス層309のソフト磁気材料は、次に蒸着される交換層307に対する結晶学的境界整列が改良される。
【0063】交換層307が電気的に導通の材料で作られており、バイアス層309が絶縁材料で作られている時、図8の第1の絶縁層305と図11の以下に説明する第2の絶縁層313の一方又は両方の蒸着を除くことも効果がある。しかし、両方の絶縁層305と313は、図1の電流がバイアス要素180を通って漏れないことを最大限保証できるように、設ける方がよい。」

ケ.「【0072】
【発明の効果】本発明により、高い信頼性で読み取ることが可能で、相対的に小さい励起場でも高い利得で読み取ることが可能で、線型性のよい応答が得られる小型の読出/書込ヘッドが実現できる。」

・上記イ及びケによれば、読出雑音を低減するとともにGMR応答の線型性と利得を改善した小型MRヘッドを提供することを課題としている。

・上記ア、ウ(段落【0012】)及び図1によれば、磁気抵抗読出ヘッドは、基板110上に、GMR要素123とバイアス要素180を備えることが記載されている。

・上記エによれば、GMR要素123は、コバルトのような磁気的に導通の材料(すなわち、磁性材料)と銅のような磁気的に非導通の材料(すなわち、非磁性材料)を交互に重ねた複数の層を配置することにより形成され、さらに、上記キによれば、磁性層、非磁性層、磁性層をこの順に配置した3層構成のGMR要素123を採用することが記載されている。ここで、上記カによれば、前記磁性層は媒体励起場に依存して磁気方位が変化する層であることが記載されている。

・上記オによれば、3層構成のGMR要素123の2つの磁性層の間に反強磁性結合が生じている。

・上記ク及び図16によれば、GMR要素123とバイアス要素180との間に絶縁層305を配置すること、バイアス要素180として永久磁石を用いることが記載されている。

・上記ウ(段落【0013】-【0015】)及びキによれば、GMR要素123は、トラック幅方向であるY方向の幅を0.5μm、高さ方向であるX方向の長さを0.25μmとすることが記載されている。よって、GMR要素123は、幅0.5μm、高さ0.25μmの矩形状の平面形状を有しており、また、トラック幅方向に対する高さ方向の比率は0.25÷0.5=1/2である。

したがって、引用例1には、読出雑音を低減するとともにGMR応答の線型性と利得を改善した小型MRヘッドを提供することを課題とする、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「基板110上に、
磁性層、非磁性層、磁性層が順に積層されたGMR要素123と、
GMR要素123から絶縁層305を隔てて配置された永久磁石と、
を備え、
GMR要素123は、トラック幅方向の長さに対する高さ方向の比率が1/2である矩形状の平面形状を有し、
前記磁性層の相互間に反強磁性結合が生じており、
媒体励起場に依存して前記磁性層の磁気方位が変化する
ことを特徴とする磁気抵抗読出ヘッド。」

また、特開2003-289133号公報(以下「引用例2」という。)には、「磁気メモリ素子、そのメモリ素子を含む集積回路または磁気メモリ装置、その集積回路または磁気メモリ装置を組み込んだ電子機器」に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。

コ.「【0015】さて、MRAMの実用化には、様々な課題をクリアしなければならない。たとえば、多ビット化は当然の帰結であり、1それには各ビットの特性のバラツキを抑えなければならないし、さらには、2充分に大きなピン止め磁界を得て情報の記憶を確実にすることも求められる。
【0016】1について説明する。MTJ3における書き込み時の磁界応答性を悪化させる基本的な磁気特性の一つに、強磁性固定層12と強磁性自由層14の間に働く“層間結合磁界”(以下「Hf」という)と呼ばれるものがある。Hfは本来不要な存在である。しかし、Hfは、非磁性スペーサ層13と両磁性層(強磁性固定層12、強磁性自由層14)との間の界面粗さ(ラフネス)に依存して発生する性質を持っているため、代表的な成膜技術(スパッタリングや蒸着あるいはエピタキシャル成長法など)では、その膜の表面を絶対的に平坦化することができないから、ある程度のHfの発生は避けられない。
【0017】Hfによる不要な磁気結合のことを、トポロジカル結合またはネールのオレンジピール結合などともいう。Hfは、界面に生じた微細な凹凸の一つ一つを小さな磁極とし、それらの微小磁極から生じる磁界を合成したものと説明することができる。Hfの存在は、情報記憶のための磁気抵抗効果に悪影響を与える。すなわち、ビットセルのスイッチング磁界に対して不要なバイアスを与え、磁界応答に望ましくない非対称性を生じさせる原因となる。また、膜のラフネスに場所依存性(ある部分のラフネスが突出的に大きくなるなど)があることもスイッチング磁界のバラツキを生じる原因でもある。
【0018】<第一の従来技術>特開2001-203405号公報には、膜のラフネスを改善するために、強磁性層(反強磁性層または強磁性固定層)をアモルファス化(非結晶化)することが示されている。しかし、強磁性層のアモルファス化は、ピン止め磁界が弱くなるなどの磁気特性の悪化を招き、情報の記憶や読み出しに不都合をきたすうえ、磁性材料の組み合わせにも制限が生じるという欠点がある。」

サ.「【0026】そこで、本発明が解決しようとする課題は、MR比やピン止め磁界などに望ましくない不均一を生じさせることのない適切な臨界結晶粒径を決定し、それを強磁性膜の結晶粒径制御に適用することにより、安定した特性の磁気メモリ素子を得ることを目的とする。」

シ.「【0044】図2は、結晶粒径と層間結合磁界(Hf)の対応関係を示すグラフ図である。横軸は結晶粒径、縦軸はHfの大きさを表している。グラフ内には二つの特性線A、Bが示されている。特性線Aは(111)配向膜のもの、特性線Bは無配向膜のものである。これら二つの特性線A、Bを見比べると、(111)配向膜の特性線Aの方が全体的に大きなHfで推移している。このことは、(111)配向膜の場合、巨大結晶が発生しやすく、ラフネスの増大を招くという先の説明を裏付けている。
【0045】一方、無配向膜の特性線Bに注目すると、全体的に(111)配向膜の特性線AよりもHfが小さいものの、特定の二つの結晶粒径(30nmと50nm)で大きな変化が見られる。すなわち、50nmのポイントaと、30nmのポイントbで大きな変化が見られる。ポイントa以上ではHfが大きな値で推移している。これは巨大結晶の発生によるものである。また、ポイントaとポイントbの間ではHfが急激に変化している。これは、巨大結晶の発生に至らないまでもラフネスに影響を与える特異な結晶構造、すなわち、「局所的に結晶学的な再配列を生じた領域」が出現したためである。さらに、ポイントb以下ではHfが小さな値で推移している。これは、上記の二つの不具合、つまり、巨大結晶もなく、しかも、「局所的に結晶学的な再配列を生じた領域」も出現していないためである。
【0046】したがって、これらのポイントa、bに着目すると、冒頭でも説明したとおり、Hfは本来無用な存在であるから、このグラフの特性線Bより、積層順の最下位層に位置する反強磁性層42の結晶粒の平均粒径として最適な値は、ポイントb以下の範囲(低Hf範囲)、要するに、30nm以下とすべきであると結論することができる。」

したがって、上記コ及びサによれば、磁性層、非磁性スペーサ層、磁性層をこの順に積層した磁気抵抗効果素子において、「ネールのオレンジピール結合」に由来する層間結合磁界が磁性層間に発生すること、前記層間結合磁界は界面粗さに起因して生じる望ましくない磁界であるため、界面粗さを低減して前記層間結合磁界を小さくすることが従来から行われていることが記載されている。なお、前記「ネールのオレンジピール結合」は、本願発明における「強磁性結合」に相当するものである。(本願明細書の段落【0021】、本願の優先基礎出願(米国特許出願公開第2010/0085666号明細書)の段落【0015】に記載された文献である米国特許出願公開第2005/0118458号明細書の段落【0005】等を参照。)
また、上記シ及び図2によれば、界面粗さを低減することにより図2の特性線AからBへと層間結合磁界が小さくなっており、図2から層間結合磁界が20[Oe]以下(20×10^(3)/4π[A/m]以下)であることが読み取れる。

4.対比・判断

本願発明と引用発明とを対比する。

a.引用発明の「基板110」は、本願発明の「基体」に相当する。

b.引用発明の2つの「磁性層」は、媒体励起場に依存して磁気方位が変化する磁性層であるから本願発明の「第1及び第2の磁気フリー層」に相当し、引用発明の「GMR要素123」は、本願発明の「積層体」に相当する。

c.引用発明において、GMR要素123と永久磁石との間に絶縁層305を配置しているから、GMR要素123から所定距離隔てて永久磁石を配置している。よって、引用発明の「永久磁石」は本願発明の「永久磁石層」に相当する。

d.引用発明における、GMR要素123のトラック幅方向の長さに対する高さ方向の比率は1/2であり、本願発明で特定する比率SH/TWの範囲(1)を満足している。

e.引用発明における「磁気抵抗読出ヘッド」は、本願発明の「磁気再生ヘッド」に相当する。

f.本願発明は、「第1の磁気フリー層と第2の磁気フリー層との強磁性結合の強度は200×10^(3)/4π[A/m]以下」であるのに対し、引用発明はこのような特定を有していない。

したがって、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「【請求項10】
基体上に、
第1の磁気フリー層と、非磁性層と、第2の磁気フリー層とが順に積層された積層体と、
前記積層体から所定距離を隔てて配置された永久磁石層と
を備え、
前記積層体は、下記の条件式(1)を満たす矩形状の平面形状を有し、
前記第1の磁気フリー層と前記第2の磁気フリー層との相互間に反強磁性結合が生じている
ことを特徴とする磁気再生ヘッド。
1/3≦(SH/TW)≦2/3 ……(1)
但し、
SH:MRハイト
TW:トラック幅方向の長さ
とする。」

(相違点)
本願発明は、「第1の磁気フリー層と第2の磁気フリー層との強磁性結合の強度は200×10^(3)/4π[A/m]以下」である旨特定するのに対し、引用発明はこのような特定を有していない点。

そこで、上記相違点について検討する。
例えば、上記引用例2に記載されているように、界面粗さに起因して磁性層間に発生する強磁性結合は望ましくないこと、当該強磁性結合の強度を200×10^(3)/4π[A/m]以下に抑えることは一般的な技術である。よって、引用発明においても、引用例2に記載された技術事項を踏まえて相違点に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

5.むすび

以上のとおり、本願の請求項10に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-08-19 
結審通知日 2015-08-25 
審決日 2015-09-07 
出願番号 特願2009-234337(P2009-234337)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 斎藤 眞  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 ゆずりは 広行
井上 信一
発明の名称 磁気再生ヘッドおよびその形成方法  
代理人 三反崎 泰司  
復代理人 特許業務法人つばさ国際特許事務所  

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