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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C09D
管理番号 1310659
審判番号 不服2014-16604  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-21 
確定日 2016-02-02 
事件の表示 特願2011-515266「硬化が触媒により促進されたポリマー表面上の耐引掻性および耐摩耗性の被覆」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 1月 7日国際公開、WO2010/000533、平成23年10月 6日国内公表、特表2011-526314〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2009年5月11日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2008年7月4日 (DE)ドイツ)を国際出願日とする国際特許出願であって、平成24年4月20日付けで手続補正がされ、その後、平成25年6月17日付けの拒絶理由通知に対し、同年9月2日付けで誤訳訂正書及び意見書が提出されたが、平成26年6月26日付けで拒絶査定がされ、さらに、これに対して同年8月21日付けで拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願に係る発明は、平成26年8月21日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下の事項により特定されるものである。
「【請求項1】
2つの成分AおよびBを含有する被覆系であって、この場合成分Aは、含分
Aa)
【化1】

〔式中、
Y^((1))は、3-グリシジルオキシプロピル基であり、および
R_(1)、R_(2)、R_(3)は、同一かまたは異なり、1?6個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシランと
Ab)水とからの、
Ac)無機酸または有機酸から選択された触媒の存在下での少なくとも1つの反応生成物を含有し、
および成分Bは、Bb)第四アンモニウム化合物から選択された添加剤の存在下での含分Ba)一般式
【化2】

〔式中、
Y^((2))は、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基またはNH_(2)(CH_(2))_(2)NH(CH_(2))_(2)NH(CH)_(3)-基であり、R'_(1)、R'_(2)、R'_(3)は、同一かまたは異なり、1?6個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシランからの少なくとも1つの反応生成物を含有し、
成分A、Bの少なくとも1つは、付加的に含分
d)少なくとも1つの無機充填剤および
e)85℃以下の温度で沸点を有する溶剤を含有する、前記の2つの成分AおよびBを含有する被覆系。」

第3 原査定の概要
原審において、平成25年6月17日付け拒絶理由通知で概略以下の内容を含む拒絶理由が通知され、当該拒絶理由が解消していない点をもって以下の拒絶査定がなされた。

<拒絶理由通知>
「 理 由

1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・・(中略)・・
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・理由 1
・請求項 1?16
・引用文献等 1?5
・備考
引用文献1(特許請求の範囲、2頁左下欄10?12行、3頁右下欄3行?7頁左上欄16行、実施例1?6)、引用文献2(特許請求の範囲、段落【0001】、【0021】?【0037】、【0105】、【0113】)、引用文献3(特許請求の範囲、段落【0001】、【0012】?【0043】、実施例)には、いずれにも、3-グリシジルオキシプロピル基を有するアルコキシシランの加水分解縮合物(本願の成分Aに相当)と、アミノ基を有するアルコキシシランの加水分解縮合物(本願の成分Bに対応)とを含有する塗料(被覆系)が記載され、引用文献1?2には溶剤を含む点も記載され、引用文献3には無機充填剤を含む点も記載されている。
そして、アミノ基含有アルコキシシランの加水分解縮合物を含む塗料を調製する際に、加水分解を第四級アンモニウム化合物(触媒)の存在下で行う技術は、引用文献4(特許請求の範囲、段落【0010】、【0014】、【0018】、合成例1?2、実施例1)にみられるように公知であるから、引用文献1?3に記載の塗料を調製する際に、アミノ基を有するアルコキシシランの加水分解を上記公知の第四級アンモニウム化合物(触媒)の存在下で行うことは、引用文献4の記載に基づき当業者が容易になし得ることである。
なお、塗料に本願所定の溶剤やUV吸収剤を配合すること、塗料を本願所定の各種ポリマー製品の表面保護に用い耐引掻性や耐摩耗性を向上させることは、いずれも引用文献5(全文)にみられるように公知である。
・・(中略)・・
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開昭58-122969号公報
2.特開2001-253019号公報
3.特開2005-220158号公報
4.特開平07-196984号公報
5.国際公開第2007/144235号
(後略)・・」

<拒絶査定>
「 この出願については、平成25年6月17日付け拒絶理由通知書に記載した理由1によって、拒絶をすべきものです。
なお、意見書及び誤訳訂正書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。

備考
<理由1>(特許法第29条第2項)
・・(中略)・・
ところで出願人は意見書において、(1)引用文献1?3には第4級アンモニウム化合物を使用する記載がなく、(2)引用文献4には2つの成分A及びBを含有する被覆系の記載がなく、(3)本願発明は第四アンモニウム化合物を使用することにより、エポキシドに対して開環反応の促進を生じさせ、架橋度を上昇させ、硬化時間を短縮させるという優れた効果を奏する(本願明細書段落【0041】)ことを主張する。
しかしながら、(1)引用文献4には第4級アンモニウム化合物を使用する点が記載され、(2)引用文献1?3には2つの成分A及びBを含有する塗料(被覆系)が記載されていることは上述したとおりであり、また引用文献4に接した当業者が引用文献1?3に記載の塗料を調製する過程で第4級アンモニウム化合物を使用してみるのは成分が共通する以上自然なことであり、また(3)引用文献4においても第4級アンモニウム化合物の存在下で反応させて調製した本願成分B相当物に対して、さらにγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えたうえで硬化させていることからみて(引用文献4の実施例1)、上記効果はもともと期待されていた効果であると推認されるから、格別顕著なものとはいえない。
以上のとおりであるから、補正後の請求項1?16に係る発明は、引用文献1?5に記載された発明に基づき当業者が依然として容易に発明をすることができたものである。」

第4 当審の判断
当審は、本願出願時の当業者の周知慣用の技術を踏まえると、原査定で引用された引用文献3に記載された発明及び引用文献4、5に記載の事項に基いて当業者であれば容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、との理由により、本願は、特許法第49条第2号に該当するので、拒絶査定すべきものである、と判断する。
以下詳述する。

A.刊行物に記載された事項
刊行物:
1.原査定で引用文献3として引用された特開2005-220158号公報(引用例1)
2.原査定で引用文献4として引用された特開平7-196984号公報(引用例2)
3.原査定で引用文献5として引用された国際公開第2007/144235号(引用例3)
4.日刊工業新聞社発行(1990年8月31日初版1刷発行)「シリコーンハンドブック」(参考文献1)
5.昭晃堂発行(1979年6月29日六版発行)「エポキシ樹脂」(参考文献2)

(A-1)引用例1には以下の記載がある。
(ア)
「【請求項1】
エポキシ基が窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい有機基を介してケイ素原子に結合したシラン化合物(A)と、アミノ基が窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい有機基を介してケイ素原子に結合したシラン化合物(B)とを含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記シラン化合物(A)および/または前記シラン化合物(B)の少なくとも一部が縮合物である硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記シラン化合物(A)の前記縮合物が、3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランの縮合物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記シラン化合物(B)の前記縮合物が、アミノ基含有アルコキシシランの縮合物である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1?3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を塗布して得られる硬化物品。」

(イ)
「【0020】
<シラン化合物(B)>
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるシラン化合物(B)は、アミノ基が窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい有機基を介してケイ素原子に結合したシラン化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、架橋性のシリル基を有する下記一般式(5)?(7)で表される化合物およびその縮合物等が挙げられる。
ここで、シラン化合物(B)が有するアミノ基とは、1級アミノ基(-NH_(2))または2級アミノ基(イミノ基:-NH-)のことをいう。
以下、縮合物でない(縮合が形成されていない)シラン化合物(B)を「アミノ基含有シラン化合物」といい、更に、このアミノ基含有シラン化合物の縮合物を「アミノ基含有シラン縮合物」ということとする。
【0021】
上記アミノ基含有シラン化合物としては、下記一般式(5)?(7)で表されるアミノ基含有アルコキシシランが好適に例示される。
【0022】
【化3】

【0023】
上記一般式(5)中、nは1?3の整数を表す。
R^(4)およびR^(5)は、それぞれ、上記一般式(1)で説明したR^(1)およびR^(2)と基本的に同一である。
また、R^(6)は、窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい有機基を表し、窒素原子を含んでいてもよい炭素数2?8の2価の非環状脂肪族基であるのが好ましい。
【0024】
上記一般式(5)で表されるアミノ基含有アルコキシシランとしては、具体的には、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、下記式(8)?(13)で表される各化合物等が好適に挙げられる。
これらのうち、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、下記式(8)、(9)で表される各化合物であるのが、生成するアルコール体積が小さいため硬化物を作りやすく、硬化時に3次元のシリカネットワークを形成し、架橋密度を上げ、貯蔵弾性率の保持率を向上できる理由から好ましい。
また、上記一般式(5)で表されるこのようなアミノ基含有アルコキシシランとしては、市販品を使用することもでき、具体的には、例えば、A1110、A1100(日本ユニカー社製);KBM-903、KBE-903(信越化学社製)等を用いることができる。
【0025】
【化4】



(ウ)
「【0033】
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したように、上記シラン化合物(A)と上記シラン化合物(B)とを含有し、かつ、該シラン化合物(A)および/または該シラン化合物(B)の少なくとも一部が縮合物である。
ここで、「シラン化合物(A)および/またはシラン化合物(B)の少なくとも一部が縮合物である」とは、「シラン化合物(A)、シラン化合物(B)のどちらか一方もしくは両方の少なくとも一部が縮合物である」ことである。
具体的には、シラン化合物(A)およびシラン化合物(B)がともに縮合物である態様が好ましく、より具体的には、上記シラン化合物(A)が上述した3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランの縮合物であり、上記シラン化合物(B)が上述したアミノ基含有アルコキシシランの縮合物である組合せが好適に例示される。また、シラン化合物(A)が縮合物でシラン化合物(B)が縮合物ではない態様も好ましく、より具体的には、上記シラン化合物(A)が上述した3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランの縮合物であり、上記シラン化合物(B)が上述したアミノ基含有アルコキシシランである組合せも好適に例示される。
このような態様において、特に、上記シラン化合物(B)が2級アミンのみを含有する化合物(例えば、上記一般式(6)および(7)で表される化合物またはこれらの縮合物)であることが、該シラン化合物(B)の上記シラン化合物(A)に対する含有割合が増加するため得られる本発明の硬化性樹脂組成物の貯蔵弾性率の保持率が向上する理由から好ましい。」

(エ)
「【0035】
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記シラン化合物(A)および上記シラン化合物(B)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料、チクソトロピー性付与剤、接着性付与剤、難燃剤、染料、帯電防止剤、分散剤、溶剤等の各種添加剤を含有することができる。
【0036】
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。充填剤の含有量は、硬化物の物性の点で、上記シラン化合物(A)および上記シラン化合物(B)の合計(以下、単に「主剤」という)100質量部に対して、300質量部以下であるのが好ましい。」

(オ)
「【0043】
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料、防錆塗料、接着剤、シーリング剤等の用途に好適に用いることができる。特に、優れた耐熱性が要求されるプリント基板、半導体封止剤、航空機用樹脂等の用途に好適に用いることができる。
【0044】
本発明の第2の態様に係る硬化物品は、上述した第2の態様に係る硬化性樹脂組成物を塗布して得られる硬化物品であって、その具体例としては、プリント基板、半導体封止剤、航空機用樹脂などの被着体に該硬化性樹脂組成物を塗布して得られる塗装物等が好適に挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
<シラン化合物(A)の合成>
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A187、日本ユニカー社製)236gにテトラヒドロフラン(THF)100gを溶解させた後、水54gを添加し、更にジブチル錫ジラウレートを触媒量添加して、80℃で8時間かくはんした。その後、THFおよび脱離したメタノールを減圧除去し、粘調のエポキシシラン縮合物A180g(エポキシ当量180)を得た。
【0046】
<シラン化合物(B)の合成>
N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(A9669、日本ユニカー社製)100g(0.39mol)と、水7g(0.39mol)とを、錫触媒(ジブチル錫ジラウレート)存在下、フラスコ内で混合し、40℃で24時間かくはんした。その後、脱離したメタノールを減圧除去し、アミノ基含有シラン縮合物B80g(アミン当量209)を得た。」

(カ)
「【0048】
(実施例1)
上記で得られたエポキシシラン縮合物A50gと、上記で得られたアミノ基含有シラン縮合物B58g(1.0eq)と、水5gとを混合し、25℃下で2週間養生し、室温硬化物を得た。
更に、室温硬化物を60℃から200℃まで、約12時間かけて昇温させて硬化させ、加熱硬化物を得た。」

(A-2)引用例2には以下の記載がある。
(キ)
「【0018】また、本発明のエマルジョン組成物には、シリコーンの縮合硬化反応に使用される硬化触媒を配合してもよい。この硬化触媒としては、金属脂肪酸塩、アミン類、アンモニウム類が例示され、これらを併用してもよい。金属脂肪酸塩としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジブチルスズジステアレート、トリブチルスズアセテート、トリブチルスズオクトエート、トリブチルスズラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジエチルスズジオレエート、モノメチルスズジオレエートのように金属原子に直接結合した有機基を持つもの、およびオクテン酸亜鉛、オクテン酸鉄、オクテン酸スズのように金属原子に直接結合した有機基を持たないものが例示される。またアミン類としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチルテトラアミンのような有機アミンやそれらの塩が、アンモニウム類としてはテトラメチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウムおよびそれらの塩が例示される。」

(A-3)引用例3には以下の記載がある(引用例の日本語訳を記載する。訳文は、対応日本国公報である特表2009-540073号公報によるものであり、引用例の段落番号も併せて記載した。)。
(ク)請求項1
「【請求項1】
a)
a1)一般式
【化1】

〔式中、Y^((1))は、3-グリシジルオキシプロピル基であり、R_(1)、R_(2)、R_(3)は、1?6個の炭素原子を有する同一かまたは異なるアルキル基である〕で示されるシランと
a2)一般式
【化2】

〔式中、Y^((2))は、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基またはNH_(2)(CH_(2))_(2)NH(CH_(2))_(2)NH(CH)_(3)-基であり、R'_(1)、R'_(2)、R'_(3)は、1?6個の炭素原子を有する同一かまたは異なるアルキル基である〕で示されるシランとの少なくとも1つの反応生成物、
b)少なくとも1つの無機充填剤、
c)85℃以下の温度の沸点を有する溶剤、
d)水および
e)無機酸または有機酸から選択された触媒を含有する組成物。」

(ケ)1頁3?5行
「【0001】
本発明は、ゾルゲル技術により多種多様のポリマー上に耐引掻性の硬質表面被覆を形成させる方法に関する。」

(コ)17頁26行?18頁7行
「【0066】
実施例1:
3-グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン5.6gを攪拌容器中に装入し、濃硝酸5mgおよび水0.495gを撹拌下に添加した。10分間の攪拌後、単相の溶液を得た。この溶液中に、先に超音波フィンガーによりメチルエチルケトン6.51g中に分散させたAerosil R8200 1.63gを添加した。引続き、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン4.78g(DAMO)を5分間で添加した。
【0067】
こうして得られた組成物を螺旋型ナイフ(Spiralrakel)により25μmの厚さにPVCフィルム上にナイフ塗布し、炉内で150℃の温度で1分間硬化させた。こうして硬化した層は、3μmの厚さを有していた。」

(A-4)参考文献1には以下の記載がある。
(サ)91頁
「アルコキシシランの加水分解速度はクロロシランに比べて遅いので,一般に酸,塩基を触媒として加水分解させる。」

(シ)550頁
「図14.11で得られた加水分解物を硬化させるには,酸,塩基,有機金属化合物等が触媒として用いられるが,特にシラノールを低温で硬化させるには第四級アンモニウム塩や有機酸のアルカリ金属塩が好ましい。」

(ス)551頁




(A-5)参考文献2には以下の記載がある。
(セ)330?331頁
「アミンやアミドによる硬化を速くするには,水,フェノール,カルボン酸などを添加する.一般にアミン硬化の促進剤として用いられるものは,フェノール,クロルフェノール,ビスフェノールA,レゾルシノール,フェノール樹脂,サリチル酸,トリフェニルホスファイトなどがある.その添加量は5?10phrであり,トリフェニルホスファイトは25phrまで加えられる.
酸無水物はエポキシ樹脂との反応は緩慢なので一般に促進剤を添加することが多い.促進剤として用いられるものはアミン類,イミダゾール類,有機酸金属塩(オクチル酸スズなど),ルイス酸,アミン錯塩などである.
表10.9に示されるようにアミン類として有効なものは第三アミンである.しかし,第三アミンでは一般にポットライフが短くなるため,最近では第三アミンと酸との塩,第四アンモニウム塩,イミダゾール,オクチル酸スズなどを用いる方式がとられている.」

B.引用例1記載の発明
(A)上記(オ)より、引用例1には、「3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランに」「水を添加し、更にジブチル錫ジラウレートを触媒量添加して」「得た」「エポキシシラン縮合物A」が記載されているといえる。

(B)上記(オ)には、「N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランと、水とを、錫触媒存在下」「混合し」て「得た」「アミノ基含有シラン縮合物B」が記載されているが、上記(イ)より、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランはシラン化合物(B)の一例であるから、引用例2には、「シラン化合物(B)と、水とを、錫触媒存在下」「混合し」て「得た」「アミノ基含有シラン縮合物B」が記載されているといえる。

(C)上記(イ)より、引用例1には、シラン化合物(B)として式(8)、(9)で表される化合物を用い得ることが記載されているといえる。


(D)上記(ウ)、(カ)より、引用例1には、シラン化合物(A)とシラン化合物(B)をともに縮合物として用いることが記載されているといえる。

(E)上記(エ)より、引用例1には、硬化性樹脂組成物に溶剤や無機の充填剤を含有することができることが記載されているといえる。

上記(ア)ないし(カ)の記載事項及び上記(A)ないし(E)の検討事項より、引用例1には、
「3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランに水を添加し、更にジブチル錫ジラウレートを触媒量添加して得たエポキシシラン縮合物Aと、シラン化合物(B)と、水とを、錫触媒存在下混合して得たアミノ基含有シラン縮合物Bとを含有し、溶媒や無機の充填剤を含有することができる硬化性樹脂組成物であって、シラン化合物(B)として(8)、(9)で表される化合物を用い得る、硬化性樹脂組成物。

」(以下、「引用例1記載の発明」という。)が記載されていると認められる。

C.対比
本願発明と引用例1記載の発明とを比較すると、
○引用例1記載の発明の「3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであるシラン化合物(A)」は本願発明の「【化1】

〔式中、
Y^((1))は、3-グリシジルオキシプロピル基であり、および
R_(1)、R_(2)、R_(3)は、同一かまたは異なり、1?6個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシラン」のうち、「R_(1)、R_(2)、R_(3)は、同一で、1個の炭素原子を有するアルキル基である」場合に相当する。

○引用例1記載の発明の「式(8)、(9)で表される化合物であるシラン化合物(B)」は本願発明の「【化2】

〔式中、
Y^((2))は、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基またはNH_(2)(CH_(2))_(2)NH(CH_(2))_(2)NH(CH)_(3)-基であり、R'_(1)、R'_(2)、R'_(3)は、同一かまたは異なり、1?6個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシラン」のうち、「Y^((2))は、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基であり、R'_(1)、R'_(2)、R'_(3)は、同一で、1?2個の炭素原子を有するアルキル基である」場合に相当する。

○引用例1記載の発明の「ジブチル錫ジラウレート」と本願発明の「無機酸または有機酸から選択された触媒」はいずれも触媒として機能するものである点で一致する。

○ 引用例1記載の発明の「錫触媒」と本願発明の「第四アンモニウム化合物から選択された添加物」はいずれも添加物である点で一致する。

○引用例1記載の発明の「縮合物」は本願発明の「反応生成物」に相当する。

○ 引用例1記載の発明の「無機の充填剤」、「溶媒」は本願発明の「無機充填剤」、「溶剤」に相当する。

○引用例1記載の発明の「硬化性樹脂組成物」は、引用例1の上記(ア)の請求項4で「塗布」して用いられることが記載され、また、上記(オ)の【0043】では、用途として「塗料」が挙げられ、さらに、【0044】では、「被着体に該硬化性樹脂組成物を塗布して」用いることが記載されているように、塗料組成物であるから、本願発明の「被覆系」に相当する。

上記より、本願発明と引用例1記載の発明とは、
「2つの成分AおよびBを含有する被覆系であって、この場合成分Aは、含分
Aa)
【化1】

〔式中、
Y^((1))は、3-グリシジルオキシプロピル基であり、および
R_(1)、R_(2)、R_(3)は、同一で、1個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシランと
Ab)水とからの、
Ac)触媒の存在下での少なくとも1つの反応生成物を含有し、
および成分Bは、Bb)添加物の存在下での含分Ba)一般式
【化2】

〔式中、
Y^((2))は、N-2-アミノエチル-3-アミノプロピル基であり、R'_(1)、R'_(2)、R'_(3)は、同一で、1?2個の炭素原子を有するアルキル基である〕で示されるシランからの少なくとも1つの反応生成物を含有し、
成分A、Bの少なくとも1つは、付加的に含分
d)少なくとも1つの無機充填剤および
e)溶剤を含有する、前記の2つの成分AおよびBを含
有する被覆系。」で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
成分Aが含有する反応生成物を得るために用いる触媒として機能するものとして、本願発明では、「無機酸または有機酸から選択された触媒」を用いることが特定されているのに対し、引用例1記載の発明では、「ジブチル錫ジラウレート」が用いられている点。

<相違点2>
成分Bが含有する反応生成物を得る際に存在させる添加物として、本願発明では、「第四アンモニウム化合物から選択された添加物」を用いることが特定されているのに対し、引用例1記載の発明では、「錫触媒」が用いられている点。

<相違点3>
溶剤として、本願発明では、「85℃以下の温度で沸点を有する」ものを用いることが特定されているのに対し、引用例1記載の発明では沸点が特定されていない点。

D.検討
上記相違点について以下検討する。
<相違点1>及び<相違点3>について
引用例3の上記(ク)、(ケ)には、エポキシ基含有シランとアミノ基含有シランとの反応生成物(シラノール硬化性重合体)を含有し、耐引掻性の硬質表面被覆を形成する組成物(硬化性組成物)の技術に関し、反応生成物(シラノール硬化性重合体)の加水分解縮合反応の「触媒」として「無機酸または有機酸から選択された触媒」及び「溶剤」として「85℃以下の温度の沸点を有する溶剤」を用いることが記載されており、上記(コ)では、エポキシ基含有シラン(シラノール硬化性化合物)とアミノ基含有シラン(シラノール硬化性化合物)との反応生成物(シラノール硬化性重合体)を得る段階において、具体的に「濃硝酸」及び沸点が79℃であることが知られる「メチルエチルケトン」が用いられている。また、参考文献1の上記(サ)にもアルコキシシラン化合物(シラノール硬化性化合物)の加水分解を促進するために酸を触媒として用いることが記載されている。してみると、シラノール硬化性化合物・重合体を含有する被覆剤などの硬化性組成物において、当該シラノール硬化性化合物・重合体の加水分解を促進するための触媒として「無機酸・・から選択された触媒」を使用すること及び「85℃以下の沸点を有する溶剤」を使用することは、何れも本願出願時の当業者にとっての周知慣用の技術であるものと認められる。
なお、本願明細書の【0036】には、Ab)として硝酸水溶液が選択可能であることが記載されており、これは、「濃硝酸」の選択肢を示唆するものであり、また、本願明細書の【0042】には、含分e)として「メチルエチルケトン」が選択しうることも記載されているから、本願明細書は、「濃硝酸」と「メチルエチルケトン」がそれぞれ「無機酸・・から選択された触媒」及び「85℃以下の沸点を有する溶剤」に該当することを認識するものである。
したがって、上記相違点1及び相違点3については、上記当業者にとっての周知慣用の技術に基づき、当業者が適宜なし得ることである。

<相違点2>について
引用例2の上記(キ)に、「シリコーンの縮合硬化反応に使用される硬化触媒・・としては、・・金属脂肪酸塩、アミン類、アンモニウム類が例示され、・・金属脂肪酸塩としては、・・ジブチルスズジラウレート・・のように金属原子に直接結合した有機基を持つもの・・が例示される。また・・アンモニウム類としてはテトラメチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウムおよびそれらの塩が例示される」と記載されているように、本願出願時、シリコーン(シロキサン結合を主鎖に持つ重合体)の縮合硬化反応(加水分解縮合反応)に使用される硬化触媒として、「ジブチルスズジラウレート」(錫触媒)と「テトラメチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム・・の塩」(第四アンモニウム化合物)が同じ程度に周知であることが理解される。また、参考文献1の上記(シ)、(ス)より、ポリシロキサン(シロキサン結合を主鎖に持つ重合体)を用いたシリコーンハードコート材に適用する加水分解縮合のための触媒として、「酸,塩基,有機金属化合物等が用いられるが,特にシラノールを低温で硬化させるには第四級アンモニウム塩・・が好ましい」ことが本願出願時に既知であったことが理解される。このように、シロキサン結合を主鎖に持つ重合体の加水分解縮合のための触媒として第四アンモニウム化合物が好適に選択しうることは、本願出願時周知乃至少なくとも公知の知見であることが理解される。
そして、シロキサン結合を主鎖に持つ重合体は、加水分解縮合を起こすのでシラノール硬化性重合体であるから、シラノール硬化性重合体(シロキサン結合を主鎖に持つ重合体)の加水分解縮合のための触媒として第四アンモニウム化合物が好適に選択しうることは、本願出願時周知乃至少なくとも公知の知見であるといえ、そうであるならば、シラン(シラノール硬化性化合物)の加水分解縮合反応の触媒としても用いうること、すなわち、シラノール硬化性重合体を得るための硬化縮合反応触媒として用いうることは自明である。
したがって、引用例1記載の発明において、アミノ基含有シラン反応生成物B(シラノール硬化性重合体)を得る際に用いた錫触媒に換えて、同様の作用効果が知られている第四アンモニウム化合物を用いることは、当業者であれば容易になし得ることである。
よって、上記相違点2についても、引用例2に記載の事項及び本願出願時の当業者の周知慣用の技術に基づき、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願発明の作用効果は、従来技術が有していた「前縮合の時間がかかる工程を含む」こと、及び、「望ましい耐引掻性または耐摩耗性を達成させるために、被覆が15μmを上回る被覆の厚さになるまで数回塗布されなければならない」という欠点を解決するものと推測されるところ(本願明細書の【0011】、【0013】)、引用例1記載の発明は、1回の塗布しか行わない点で後者の欠点を有さず、また、前者の欠点について、引用例1記載の発明も本願発明と同様に、前縮合済みのシラン反応生成物を用いる点でその分の縮合時間が短縮できることは自明であるから、これらの点で有利な効果は認められない。
また、本願発明の特徴の一つである、第四級アンモニウム塩を用いる点について、本願明細書の【0041】に、「第四アンモニウム化合物は、エポキシドに対する開環反応の促進を生じさせ、架橋度を上昇させ、本発明による方法の工程(iv)が実施されると同時に硬化時間を短縮させる」と記載がされているところ、参考文献2の上記(セ)より、エポキシ樹脂の硬化における反応促進剤として有機酸金属塩(オクチル酸スズなど)と第四アンモニウム塩がともに本願出願時既知であったことが理解される。とするならば、引用例1記載の発明において、エポキシ基含有シラン反応生成物Aを得る際に用いたジブチル錫ジラウレートと、アミノ基含有シラン反応生成物Bを得る際に用いた錫触媒は、ともに加水分解性シランの硬化反応の触媒として機能するとともに、これらの反応生成物から硬質表面被覆を得る硬化反応時には、エポキシ基とアミノ基の反応の触媒としても機能するものであることが推測されるから、「エポキシドに対する開環反応の促進を生じさせ、架橋度を上昇させ、本発明による方法の工程(iv)が実施されると同時に硬化時間を短縮させる」との作用効果は、引用例1記載の発明が既に有していたものでしかない。そして、当該作用効果は、錫触媒を第四アンモニウム化合物に置換したとしても同様に得られるだろうことは、当業者であれば理解しうる範囲である。
そうであるならば、第四アンモニウム化合物を用いることで得られる上記の効果は定性的には当業者が予期し得るものでしかない。そして、その効果が定量的に予期し得る範囲を超えているかは、本願明細書中に具体的な実験結果が開示されておらず、効果の程度を客観的に認識できるような記載がされていないことから、格別の効果を認めることはできないので、本願発明が容易になし得るものであるとの上記の検討結果を覆すことはできない。

E.審判請求人の審判請求書における主張について
審判請求人は、平成26年8月21日付け審判請求書において、
「引用文献4には、審査官殿の御認定の通り、アミノ基含有アルコキシシランの加水分解縮合物を含む塗料を調製する際に、加水分解を第四級アンモニウム化合物(触媒)の存在下で行う技術が記載されています。
しかし、引用文献4に記載された発明は、特許請求の範囲に記載のとおり、成分(a)で表される、アミノ基またはエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、(b)乳化剤、(c)水からなるシリコーンエマルジョンと、アミノ基含有基又はエポキシ基含有基を有する加水分解性シランとを有するシリコーンエマルジョン組成物が記載されているのみであり、上述の本願発明1の特徴である、2つの成分AおよびBを含有する被覆系については記載されておりません。
また、引用文献4に記載された発明は、オルガノポリシロキサンのエマルジョンに、エポキシ基又はアミノ基を有するシラン、必要により、水酸基または加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンのエマルジョンを添加する塗料についての発明であり(段落番号0004)、引用文献4に記載の塗料は、本願発明1の塗料とは組成が全く異なるものです。すなわち、引用文献4に記載された発明は、本願発明1とは発明の思想が異なります。
・・(中略)・・
すなわち、引用文献4、5に記載された発明は、本願発明1とは塗料として異なるものであり、引用文献1?3に記載された発明と、引用文献4、5に記載された発明とを組み合わせる根拠がなく、例え、当業者であっても、引用文献1?5からは、本願発明1の構成を想到しえません。 」(5頁25行?6頁20行)
との主張を行っている。
そこで、引用例2(引用文献4)を見てみると、請求項1には、(A)(a)アミノ基又はエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、(b)乳化剤、(c)水、からなるシリコーンエマルジョンと(B)エポキシ基又はアミノ基を有する加水分解性シランとを混合分散してなる皮膜形成シリコーンエマルジョン組成物が記載されており、【0011】には、(b)乳化剤として第4級アンモニウムヒドロキシド及びこれらの塩が例示されるカチオン系界面活性剤が使用しうることが記載されている。そして、実施例を参照すると、例えば、【0023】に記載の合成例1において、オクタデシルジメチルアンモニウムクロリド以外に乳化剤にあたるものはないから、オクタデシルジメチルアンモニウムクロリドは乳化剤(兼触媒)であることが理解される。そして、上記(キ)の【0018】の記載は、乳化作用と切り離して、引用例2が記載された当時の純粋な硬化触媒に関する知見が示されていると認められるところ、そこには、乳化作用を有しない「テトラメチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウムおよびそれらの塩」が硬化触媒として既知であったことが開示されている。そうであるならば、引用例2の特許請求の範囲に記載された発明がオルガノポリシロキサンのエマルジョン組成物であり、その実施例で乳化剤(兼触媒)として第四アンモニウム化合物が用いられているとしても、エマルジョン組成物でない引用例1記載の発明において、第四アンモニウム化合物を触媒として用いることの動機を否定するまでにはならない。
したがって、審判請求人の主張は当を欠くものであるので、これを採用することはできない。このことは、平成27年1月8日付け上申書における主張を踏まえても変わらない。

F.当審の判断のまとめ
以上のとおり、本願発明は、本願出願時の当業者の周知慣用の技術を踏まえると、引用例1に記載された発明及び引用例2、3に記載の事項に基いて当業者であれば容易に発明をすることができるものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができるものでない。

第5 むすび
したがって、本願は、他の請求項に係る各発明につき検討するまでもなく、特許法第49条第2号の規定に該当し、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-09-03 
結審通知日 2015-09-07 
審決日 2015-09-18 
出願番号 特願2011-515266(P2011-515266)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C09D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 孝一  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 岩田 行剛
橋本 栄和
発明の名称 硬化が触媒により促進されたポリマー表面上の耐引掻性および耐摩耗性の被覆  
代理人 篠 良一  
代理人 久野 琢也  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  

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