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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1310690
審判番号 不服2014-16947  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-27 
確定日 2016-02-03 
事件の表示 特願2012-163702「照明装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月 6日出願公開、特開2012-238878〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年4月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年4月18日、2006年4月20日、米国)を国際出願日とする出願である特願2009-506559号(以下「遡及出願」という。)の一部を平成24年7月24日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成24年 7月24日 特許出願
平成25年 8月 6日 拒絶理由通知(平成25年 8月 8日発送)
平成26年 2月10日 意見書・手続補正書
平成26年 4月28日 拒絶査定(平成26年 5月 1日送達)
平成26年 8月27日 本件審判請求・手続補正書
平成27年 2月23日 上申書
平成27年 5月11日 拒絶理由通知(平成27年 5月12日発送)
平成27年 8月12日 意見書

第2 本願発明について
1 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成26年8月27日付けの手続補正による特許請求の範囲の請求項1?8に記載されている事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
照明装置であって、
第1のグループの固体発光素子と、
第2のグループの固体発光素子と、
ルミネセント材料の少なくとも第1及び第2の部分と
を備え、
第1のグループの固体発光素子が照明され、該第1のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第1の部分を励起した場合、第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の1つの点であって、第1の相関カラー温度を有する1つの点に対応する混合光を有し、
第2のグループの固体発光素子が照明され、該第2のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第2の部分を励起した場合、第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の別の点であって、第2の相関カラー温度を有する別の点に対応する混合光を有し、
第1の相関カラー温度は、第2の相関カラー温度から少なくとも50Kで500K未満だけ異なっており、
第1及び第2のグループの固体発光素子が照明されたとき、(1)第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、(2)ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光と、(3)第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、(4)ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合、第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内にある点を示すx、yカラー座標を有しており、第1の線分は第1の点を第2の点に接続し、第2の線分は第2の点を第3の点に接続し、第3の線分は第3の点を第4の点に接続し、第4の線分は第4の点を第5の点に接続し、第5の線分は第5の点を第1の点に接続し、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を持ち、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を持ち、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を持ち、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を持ち、第5の点は、0.36、0.38のx、y座標を有している
ことを特徴とする照明装置。」

2 引用文献1の記載事項、及び引用発明1
(1) 当審による平成27年5月11日付け拒絶理由通知書で引用した、本願の遡及出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である特開2005-100800号公報(平成17年4月14日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(当審注:下線は、当審が付与した。)。

ア 「【請求項1】
基板と、
前記基板上に、二次元的に配列された複数の白色LED素子と、
前記複数の白色LED素子に電気的に接続された配線回路と
を備え、
前記配線回路は、2つ以上の互いに独立した配線パターンから構成されており、
各配線パターンに電気的に接続された白色LED素子は、離散して配列されている、LED照明光源。」

イ 「【0031】
(実施形態1)
まず、図4を参照しながら、本発明の実施形態1に係るLED照明光源100について説明する。
【0032】
図4は、本実施形態のLED照明光源100の構成を模式的に示している。図4に示したLED照明光源100は、基板11と、基板11上に二次元的に配列された複数の白色LED素子10(10a,10b)と、複数の白色LED素子10に電気的に接続された配線回路20とから構成されている。配線回路20は、2つ以上の互いに独立した配線パターン(21,22)から構成されており、各配線パターン(21,22)に電気的に接続された白色LED素子(10a,10b)は、離散して配列されている。すなわち、配線パターン21に接続された白色LED素子10aは、一部に(局所的に)集合して配置されておらず、全体に散らばって配置されており、同様に、配線パターン22に接続された白色LED素子10bも、一部に(局所的に)集合して配置されておらず、全体に散らばって配置されている。
【0033】
・・・
【0035】
図5は、本実施形態の白色LED素子10の断面構成を模式的に示している。図5に示すように、LED素子10は、ベアチップLED12と、ベアチップLED12を覆う蛍光体樹脂部13とから構成されている。蛍光体樹脂部13は、ベアチップLED12から出射された光を当該光の波長よりも長い波長の光に変換する蛍光体(蛍光物質)と、蛍光体を分散させる樹脂とから構成されている。ベアチップLED12は、基板11に実装されており、そして、基板11には、図4に示した配線パターン21、22が形成されている。
【0036】
ベアチップLED12は波長380nmから780nmの可視領域の範囲内にピーク波長を有する光を出射するLED素子であり、蛍光体樹脂部13中に分散されている蛍光体は、波長380nから780nmの可視領域の範囲内で、ベアチップLED12のピーク波長とは異なるピーク波長を有する光を出射する蛍光体である。本実施形態におけるベアチップLED12は、青色の光を出射する青色LED素子である。そして、蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体は、黄色の光に変換する黄色蛍光体であり、両者の光によって白色の光が形成される。白色LED素子10から出射される白色光は、例えば、色温度1000Kから20000Kで、±20Duv以内のものである。
【0037】
また、本実施形態におけるベアチップLED12は、窒化ガリウム(GaN)系材料からなるLEDチップであり、例えば波長460nmの光を出射する。・・・
【0038】
・・・
【0083】
また、白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とをそれぞれ異なるものにして、それらを独立して調光すれば、光色を可変できる照明器具(例えば、照明スタンド)を構築することができる。例えば、白色LED素子10aを電球色のような色温度の低いものにし、一方、白色LED素子10bを略昼光色(例えば、昼光色、昼白色)のような色温度の高いものにする。このようにすれば、白色LED素子10a又は10bを調光することによって、光色を変えることが可能となる。白色LED素子10bの色温度よりも、白色LED素子10aの色温度の方を低くするには、例えば、次のようにすればよい。
【0084】
一つは、白色LED素子10aの蛍光体樹脂部13の体積を、白色LED素子10bの蛍光体樹脂部13の体積よりも大きくする手法がある。蛍光体樹脂部13の体積を大きくすると、ベアチップLED12から出射した光がより多くの蛍光体を通過するので、LED素子10aから出る光はより電球色側に移行し、それによって色温度が低くなる。
【0085】
他には、白色LED素子10aの蛍光体樹脂部13に含まれている蛍光体の濃度を、白色LED素子10bの蛍光体樹脂部13に含まれている蛍光体の濃度よりも大きくする手法がある。これも、ベアチップLED12から出射した光がより多くの蛍光体を通過するので、LED素子10aから出る光はより電球色側に移行し、それによって色温度が低くなる。これ以外にも、例えば蛍光体の種類や調合比を変えることにより、外周部と内周部との蛍光体樹脂部13の色温度を変えることも可能である。」

ウ 「【0103】
上述の実施形態では、1つの蛍光体樹脂部13内に1つのベアチップLED12を配置したが、必ずしも1つのベアチップLED12に限らず、1つの蛍光体樹脂部13内に2つ又はそれ以上のベアチップLED12を配置してもよい。図34(a)および(b)は、1つの蛍光体樹脂部13内に、ベアチップLED12A、12Bを配置した構成を示している。ベアチップLED12A、12Bは、同一波長領域の光を発するLED素子であってもよいし、異なる波長領域の光を発するベアチップLEDであってもよい。例えば、ベアチップLED12Aを青色LEDとし、ベアチップLED12Bを赤色LEDとすることも可能である。この場合、蛍光体樹脂部13に覆われている2以上のベアチップLED12(12A、12B)は、波長380nmから780nmの可視領域の範囲内のピーク波長(例えば、波長380?470nm(これが1種類だけなら460nm)のピーク波長、波長610?650nm(これが1種類だけなら620nm)のピーク波長)を持つことになる。青色LED素子12Aおよび赤色LED素子12Bの両方のLED素子を用いた場合には、赤に対する演色性に優れた白色LED照明光源を構築することができる。さらに説明すると、青色LED素子と黄色蛍光体との組み合わせのときには、白色を生成することができるものの、赤成分が足りない白色となってしまい、赤に対する演色性が劣る白色LED照明光源となってしまう。そこで、青色LED素子12Aに赤色LED素子12Bを加えると、赤に対する演色性にも優れたものになり、一般照明用として更に適したLED照明光源を実現することができる。」

(2) 引用発明1
ア 上記(1)アの請求項1及び上記(1)イの【0032】の記載から、引用文献1には以下の発明が記載されている。
「基板11と、
前記基板11上に、二次元的に配列された複数の白色LED素子10(10a,10b)と、
前記複数の白色LED素子10に電気的に接続された配線回路20と
を備え、
前記配線回路20は、2つ以上の互いに独立した配線パターン(21,22)から構成されており、
各配線パターン(21,22)に電気的に接続された白色LED素子10(10a,10b)は、離散して配列されている、LED照明光源100。」

イ 上記(1)ウの【0103】の記載から、上記(1)イの実施形態1において、1つの蛍光体樹脂部13内に、ベアチップLED12A、12Bを配置することも、引用文献1に記載されているといえる。

ウ 以上のことから、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。
「基板11と、
前記基板11上に、二次元的に配列された複数の白色LED素子10(10a,10b)と、
前記複数の白色LED素子10に電気的に接続された配線回路20と
を備え、
前記配線回路20は、2つ以上の互いに独立した配線パターン(21,22)から構成されており、
各配線パターン(21,22)に電気的に接続された白色LED素子10(10a,10b)は、離散して配列され、
白色LED素子10は、ベアチップLED12と、ベアチップLED12を覆う蛍光体樹脂部13とから構成され、
ベアチップLED12は、青色の光を出射する青色LED素子であり、
蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体は、黄色の光に変換する黄色蛍光体であり、
両者の光によって白色の光が形成され、
白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とをそれぞれ異なるものにして、それらを独立して調光すれば、光色を可変でき、
1つの蛍光体樹脂部13内に、ベアチップLED12A、12Bを配置してもよく、
ベアチップLED12Aを青色LEDとし、ベアチップLED12Bを赤色LEDとすることも可能であり、
青色LED素子12Aに赤色LED素子12Bを加えると、赤に対する演色性にも優れたものになる、
LED照明光源100。」

3 対比
(1) 本願発明と引用発明1を対比する。

ア 引用発明1の「照明光源100」は、本願発明の「照明装置」に相当する。

イ 引用発明1の「白色LED素子10a」の「ベアチップLED12A」は、本願発明の「第1のグループの固体発光素子」に相当する。

ウ 引用発明1の「白色LED素子10b」の「ベアチップLED12A」は、本願発明の「第2のグループの固体発光素子」に相当する。

エ 引用発明1の「白色LED素子10a」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」は、本願発明の「ルミネセント材料の第1の部分」に相当する。

オ 引用発明1の「白色LED素子10b」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」は、本願発明の「ルミネセント材料の第2の部分」に相当する。

カ 引用発明1の「白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とをそれぞれ異なるものに」することと、
本願発明の「第1のグループの固体発光素子が照明され、該第1のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第1の部分を励起した場合、第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の1つの点であって、第1の相関カラー温度を有する1つの点に対応する混合光を有し、
第2のグループの固体発光素子が照明され、該第2のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第2の部分を励起した場合、第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の別の点であって、第2の相関カラー温度を有する別の点に対応する混合光を有」することとを対比する。

(ア) 引用発明1の「白色LED素子10a」は、「『白色LED素子10a』の『ベアチップLED12A』」と、「『白色LED素子10a』の『蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体』」とから構成されるところ、「両者の光によって」形成された「白色の光」は、「白色LED素子10aの色温度」を有する点に対応する光であるから、本願発明の「第1のグループの固体発光素子が照明され、該第1のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第1の部分を励起した場合、第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の1つの点であって、第1の相関カラー温度を有する1つの点に対応する混合光」に相当する。

(イ) 引用発明1の「白色LED素子10b」は、「『白色LED素子10b』の『ベアチップLED12A』」と、「『白色LED素子10b』の『蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体』」とから構成されるところ、「両者の光によって」形成された「白色の光」は、「白色LED素子10aの色温度」と異なる「白色LED素子10bの色温度」を有する点に対応する光であるから、本願発明の「第2のグループの固体発光素子が照明され、該第2のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第2の部分を励起した場合、第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の別の点であって、第2の相関カラー温度を有する別の点に対応する混合光」に相当する。

(ウ) してみれば、両者は相当関係にある。

(2) 以上から、本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。

一致点:
「照明装置であって、
第1のグループの固体発光素子と、
第2のグループの固体発光素子と、
ルミネセント材料の少なくとも第1及び第2の部分と
を備え、
第1のグループの固体発光素子が照明され、該第1のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第1の部分を励起した場合、第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の1つの点であって、第1の相関カラー温度を有する1つの点に対応する混合光を有し、
第2のグループの固体発光素子が照明され、該第2のグループの固体発光素子から放射された光の一部分がルミネセント材料の第2の部分を励起した場合、第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合に、1931年CIE色度図上の別の点であって、第2の相関カラー温度を有する別の点に対応する混合光を有する、照明装置。」

相違点1:
本願発明は、「第1の相関カラー温度は、第2の相関カラー温度から少なくとも50Kで500K未満だけ異なって」いるのに対し、
引用発明1は、そのようなものであるのか否か明らかでない点。

相違点2:
本願発明は、
「第1及び第2のグループの固体発光素子が照明されたとき、(1)第1のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、(2)ルミネセント材料の第1の部分から放射されて照明装置から出る光と、(3)第2のグループの固体発光素子から放射されて照明装置から出る光と、(4)ルミネセント材料の第2の部分から放射されて照明装置から出る光との混合された光は、他の光がない場合、第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内にある点を示すx、yカラー座標を有しており、第1の線分は第1の点を第2の点に接続し、第2の線分は第2の点を第3の点に接続し、第3の線分は第3の点を第4の点に接続し、第4の線分は第4の点を第5の点に接続し、第5の線分は第5の点を第1の点に接続し、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を持ち、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を持ち、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を持ち、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を持ち、第5の点は、0.36、0.38のx、y座標を有している」のに対し、
引用発明1は、そのようなものであるのか否か明らかでない点。

4 判断
以下、相違点について検討する。

(1) 相違点1についての検討
ア 引用発明1は、白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とを異ならせ、それらを独立して調光すれば、光色を可変できるものであるところ、どのような範囲で光色を可変にするかは、当業者が適宜選択すべき程度の事項であって、白色LED素子10aの色温度と、白色LED素子10bの色温度とを、少なくとも50Kで500K未満だけ異ならせることに、格別の困難性はない。

イ 作用効果について
(ア) 本願明細書等(特に【0109】)を参酌するに、相違点1に係る本願発明の発明特定事項が有する技術的意義は、照明装置の色温度を容易に変更するために、第1の相関カラー温度と第2の相関カラー温度とを異ならせているところ、「少なくとも50Kで500K未満だけ異なって」いる点は、単に照明装置の色温度を変更することのできる範囲を規定しているものと解される。

(イ) 一方、引用発明1は、白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とを異ならせ、それらを独立して調光すれば、光色を可変にできるものであるから、作用効果の点においても、本願発明と格別相違するものではない。

ウ 請求人の主張について
(ア) 請求人は、平成27年8月12日付けの意見書において、
「しかしながら、引用文献1は、当業者がカラー温度は少なくとも50Kから500K未満だけ異なると記述するように導くことを教示しておらず、拒絶理由においてご指摘されている主張とは異なる。白色LED素子10aのカラー温度と白色LED素子10bのカラー温度とを、少なくとも50Kで500K未満だけ異ならせることは、引用文献1により所望される結果を導くこと、本願発明の発明特定事項により与えられる好適な特性を導くことを示唆するものではない。
・・・
カラー温度における差はさらなる重要性を有することに謹んで言及したい。上述したように、少なくとも1つの固体発光素子から放射される光と少なくとも1つのルミファーから放射される光の混合光が、他の光がない場合に、請求項1及び請求項6に記載の領域内の点を確定するx、yカラー座標を有する混合された照明を有する、照明装置を設けることにより素晴らしいエネルギー効率が得られること、及び赤色光を放射する1又は複数のLEDをさらに含み、照明装置を出射する混合光が白色となる請求項1及び請求項6に記載の照明装置を提供することによって、エネルギー効率とCRI Raの素晴らしい組み合わせが発見された。上述の白色光を達成するために第3のグループの固体発光素子と組み合わされることのできる色度領域を有する混合照明を達成する第1グループ及び第2グループの固体発光素子の1つの特性は、カラー温度が異なることである。このカラー温度の異なる領域を記載することで、さらに上述した利点のバランスをとる照明装置を特徴付けて画定する。この領域は任意ではなく、むしろこの領域は、記載した色度範囲内にある混合された光を生成可能な第1グループ及び第2グループの固体発光素子を確定することを助け、それによって素晴らしいエネルギー効率が得られる。」と主張している。

(イ) しかし、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面を精査しても、本願発明において、「第1の相関カラー温度は、第2の相関カラー温度から少なくとも50Kで500K未満だけ異なって」いることと、エネルギー効率とCRI Raの素晴らしい組み合わせのバランスをとることとの間に、技術的な関連性は認められない。
してみれば、上記作用効果については参酌することができない。

(2) 相違点2についての検討(その1)
ア 当審による平成27年5月11日付け拒絶理由通知書で引用した、特開2000-208815号公報(以下「引用文献2」という。)(特に【0057】、図17)には、「蛍光体とピーク波長465nmの青色LED(発光素子)とを組み合わせた白色系発光ダイオード」が記載されているところ、その白色系発光ダイオード(図17において、上から3つめの▲)の1931年CIE色度図上のx、y座標が(x=0.34、y=0.43)であること、また、その白色系発光ダイオード(図17において、上から2つめの●)の1931年CIE色度図上のx、y座標が(x=0.37、y=0.41)であることが見てとれる。
ここで、(x=0.34、y=0.43)のx、y座標を持つ点、(x=0.37、y=0.41)のx、y座標を持つ点は、相違点2に係る本願発明の発明特定事項である「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内にある点」である。
なお、引用文献2の図17は、以下のとおりのものである(当審注:図中の五角形は、相違点2に係る本願発明の発明特定事項である「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域」であり、当審が追加した五角形である。)。


イ 引用発明1は、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて白色の光を形成しているところ、引用文献2には、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光が、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」にある照明装置が記載されている。
してみれば、引用発明1において、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光を、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
なお、引用発明1における、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光は、(1)「白色LED素子10a」の「ベアチップLED12A」から放射されて照明装置から出る光と、(2)「白色LED素子10a」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」から放射されて照明装置から出る光と、(3)「白色LED素子10b」の「ベアチップLED12A」から放射されて照明装置から出る光と、(4)「白色LED素子10b」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」から放射されて照明装置から出る光との混合された光であるから、これら4つの光が混合された光を「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光として、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項となすことに格別の困難性はない。

ウ 請求人の主張について
(ア) 請求人は、平成27年8月12日付けの意見書において、
「引用文献2は蛍光体及び青色LEDから理論的に生成されうる広範囲(例えば、図16に示される理論的な広い色度範囲)の色を開示している。図17は単に青色/黄色蛍光体デバイスにおける蛍光体の含有量を変化させることによって理論的に達成可能な色を示している。そして引用文献2は、本願の請求項1及び請求項6に記載の領域内のx、y色座標を有する光を混合するよう当業者を導く開示を何ら含んでいない。まして、本願発明の特徴「第1グループの固体発光素子から放射された光と、ルミネッセント材料の第1部分から放射された光との混合された光のカラー温度は、第2グループの固体発光素子から放射された光と、ルミネッセント材料の第2の部分から放射された光との混合された光のカラー温度から少なくとも50Kで500K未満だけ異なっている」ことを開示していない。本願の請求項1及び請求項6に記載の色範囲における光は非白色であり、引用文献2の図16に示される範囲に対応していない。
一方、本願明細書は、特定の色度範囲について教示している。なぜならば、この特定の色度範囲が、高い効率と良い演色性とのバランスをとるという上述した利点を達成することを助けるための照明装置の特徴の1つであるからである。本願発明に記載された色度範囲は上記利点の特定のバランスをとる上で必要な一つの要素である。
さらに、色度座標の範囲は数値限定ではない点に謹んで言及したい。例えば、色度座標(0.1、0.1)(青色)から始まり、x座標が5倍になると(すなわち、0.5、0.1に到達すると)、色は緑になる。知覚される緑色は、知覚される青色に数値的に関連せず、いずれも青色の6倍ではない。同様に、x座標が倍で、y座標が4倍の場合(すなわち、0.2、0.4に到達する)と、色は紫がかったピンク色になり、紫がかったピンク色は知覚される青色に数値的に関連しておらず、青色の2倍、4倍、8倍又は何倍でもない。
従って、引用文献2に基づいて、引用文献1の開示の装置を修正して本願の請求項1及び請求項6に記載の領域内の色度を達することは容易ではない。」と主張している。

(イ) しかし、ある色度座標の光を、白色の光と認識するか、非白色の光と認識するかは、白色の光の許容範囲をどの程度とするかによるところ、引用文献2には、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光を、白色の光と認識した照明装置が記載されている。
してみれば、引用発明1において、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光を、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光とすることは、当業者が容易に想到しうることである。

(ウ) また、本願発明は、600nm?630nmの範囲に主波長を有する光を放射する第3のグループの固体発光素子を備えることが特定されていないところ、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面を精査しても、第3のグループの固体発光素子を備えない本願発明において、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内にある点を示すx、yカラー座標を有」することと、高い効率と良い演色性とのバランスをとることとの間に、技術的な関連性は認められない。
してみれば、上記作用効果については参酌することができない。

(3) 相違点2についての検討(その2)
ア 当審による平成27年5月11日付け拒絶理由通知書で引用した、特開2004-103443号公報(以下「引用文献3」という。)(特に【0039】?【0043】)には、「第4の発光ダイオード2は、半導体発光素子7が450?470nmにピーク波長を有」する「光(青色)を発光し、この光の一部により蛍光体8が励起され、560?580nmにピーク波長を有」する「光(黄色)を発光し、青色光の残部と黄色光が混光(混合)されて白色光を放射」し、「第1の発光ダイオード3が625?635nmにピーク波長を有する光を発光」し、「第4の発光ダイオード2から放射される光(白色光)と第1の発光ダイオード3から放射される光(赤色光)の混光は・・・混光の色温度が3500K以下において、黒体軌跡(BBL)からの色偏差が少なく、80以上の平均演色評価数Raが得られる」旨が記載されており、図4には、混光の色温度が2800Kの場合と、混光の色温度が3500Kの場合が記載されている。
そこで、450?470nmの中心波長である460nmにピーク波長を有する半導体発光素子7と、560?580nmの中心波長である570nmにピーク波長を有する蛍光体8と、625?635nmの中心波長である630nmにピーク波長を有する第1の発光ダイオード3を用いて、混光の色温度が2800Kで、黒体軌跡(BBL)からの色偏差が0の場合(x=0.45、y=0.41)と、混光の色温度が3500Kで、黒体軌跡(BBL)からの色偏差が0の場合(x=0.41、y=0.39)について、1931年CIE色度図上に表す。


してみると、青色光の残部と黄色光が混光されて放射される白色光は、色温度が2800Kのとき、1931年CIE色度図上のx、y座標が(x=0.38、y=0.44)であり、色温度が3500Kのとき、1931年CIE色度図上のx、y座標が(x=0.36、y=0.41)であり、ともに、相違点2に係る本願発明の発明特定事項である「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内にある点」である。

イ 引用発明1は、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて白色の光を形成し、赤色LEDを加えて演色性を高めているところ、引用文献3には、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて白色の光を形成し、赤色LEDを加えて演色性を高める際に、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光が、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」にある照明装置が記載されている。
してみれば、引用発明1において、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光を、「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
なお、引用発明1における、青色LED素子と黄色蛍光体とを組み合わせて得られる白色の光は、(1)「白色LED素子10a」の「ベアチップLED12A」から放射されて照明装置から出る光と、(2)「白色LED素子10a」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」から放射されて照明装置から出る光と、(3)「白色LED素子10b」の「ベアチップLED12A」から放射されて照明装置から出る光と、(4)「白色LED素子10b」の「蛍光体樹脂部13に含有されている蛍光体」から放射されて照明装置から出る光との混合された光であるから、これら4つの光が混合された光を「第1、第2、第3、第4、及び第5の線分により囲まれる1931年CIE色度図上の領域内」の光として、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項となすことに格別の困難性はない。

ウ 作用効果について
(ア) 本願明細書等(特に【0060】、【0109】)を参酌するに、相違点2に係る本願発明の発明特定事項が有する技術的意義は、430nmから480nmの範囲内のピーク波長を持つ光を発する第1乃至第2のグループの発光ダイオード、555nmから585nmの範囲内の主波長を持つ光を発する第1乃至第2のグループのルミファー、及び600nmから630nmの範囲内に主波長を持つ光を発する第3のグループの発光ダイオードから出射される光の混合光が、2200Kから4500Kの範囲の黒体位置上の点になるように、430nmから480nmの範囲内のピーク波長を持つ光を発する第1乃至第2のグループの発光ダイオード、及び555nmから585nmの範囲内の主波長を持つ光を発する第1乃至第2のグループのルミファーから出射される光の混合光の1931年色度図上の範囲を規定しているものと解される。

(イ) 一方、引用文献3に記載された照明装置も、450nmから470nmの範囲内のピーク波長を持つ光を発する発光ダイオード、560nmから580nmの範囲内の主波長を持つ光を発するルミファー、及び625nmから635nmの範囲内に主波長を持つ光を発する発光ダイオードから出射される光の混合光が、2800Kから3500Kの範囲の黒体位置上の点になるようにしていることから、作用効果の点においても、本願発明と格別相違するものではない。

エ 請求人の主張について
(ア) 請求人は、平成27年8月12日付けの意見書において、
「しかしながら、引用文献1と同様に引用文献3は請求項に記載の色度領域における点を何ら教示していない。上述したように、本願明細書は、特定の色度領域を教示している。なぜならば、特定の色度領域は、高効率と良い演色性のバランスと言った上記利点を達成する照明装置の1つの特徴であるからである。請求項1又は6に記載の色度領域は複数の利点のバランスをとる上で必要な1つの要素である。
従って、請求項1及び6に記載の領域内の色度を有する光を放射する装置を生成する方法で、引用文献2に基づいて引用文献1を変更することは容易ではない、
・・・
1931年CIE色度図上の黒体軌跡における約2200Kから4500Kの範囲の少なくとも1つの点の10マクアダム楕円(又は20マクアダム楕円、40マクアダム楕円)内にある点を確定する1931年CIE色度図上のx、y座標を有する光を生成することは、本願発明の1つの態様であることに謹んで言及したい。しかしながら、本願明細書はこの態様が、相違点2に関連して技術的に重要であることを開示していない。
上述したように、本願発明に係る照明装置は、許容可能な色温度及び良い演色指標値を有する、白色LEDの効率性及び長寿命を兼ね揃えた高効率の(すなわち比較的非効率な光源の利用を回避する)白色光を達成する。上述したように、追加の光がない場合に少なくとも1つの固体発光素子及び少なくとも1つのルミファーから放射される光の混合光が、請求項1及び請求項6に記載の領域内にある点を確定するx、yカラー座標を有する混合された照明を有する、照明装置を提供することによって素晴らしいエネルギー効率が得られること、及びエネルギー効率とCRI Raの素晴らしい組み合わせが、赤色光を放射する1又は複数のLEDをさらに含み、該照明装置から出射する混合光が白色光である請求項1及び請求項6に記載の照明装置を提供することによって得られることを発見した。引用文献は何れも本願発明のこの利点が、本願の請求項1及び請求項6に記載の特徴を有する照明装置によって提供されることを開示していない。
さらに、引用文献3が意図する2800Kから3500Kの範囲にある光を生成するのには数え切れないほどの方法がある。引用文献の何れも2800Kから3500Kの範囲を達成するために請求項1及び請求項6に記載の限定事項を選択する理由を当業者に与えるものではない。」と主張している。

(イ) しかし、引用文献3に記載された照明装置は、(i)「混光の色温度が3500K以下において、黒体軌跡(BBL)からの色偏差が少な」いことから、許容可能な色温度であって、黒体軌跡近傍の点を確定するものであり、(ii)青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて白色の光を形成し、さらに赤色LEDを加えて「80以上の平均演色評価数Raが得られる」ことから、良い演色指標値を有するものであるとともに、(iii)緑色LEDや赤色蛍光体を用いていないことから、高効率の白色光を達成するものである。
してみれば、上記作用効果については参酌することができない。

(ウ) また、引用文献3には、「450?470nm」にピーク波長を有する青色発光ダイオードと、「560?580nm」にピーク波長を有する黄色蛍光体と、「625?635nm」にピーク波長を有する赤色発光ダイオードとの混光により、色温度が2800K乃至3500Kで、黒体軌跡(BBL)からの色偏差が少ない光を得る照明装置が記載されており、この光を生成する方法は上記アで図示したとおりのものである。

(エ) 請求人は、平成27年8月12日付けの意見書において、
「これに対し、本願の請求項1及び6は、構成a乃至cのみを記載するものでは無い点にまず言及したい。本願の請求項1及び6は構成a?dを記載している。上述したように、これら構成を備える照明装置は、許容可能なカラー温度及び良い演色評価数を有する、白色LEDの効率性と長寿命とを兼ね揃えた(すなわち、比較的非効率な光源の使用を回避する)高効率の白色光を達成する。本願明細書は、第1のグループの固体発光素子から放射される光と、第2のグループの固体発光素子から放射される光との間のカラー温度の差が単に上記利点にのみ関与するとは開示していない。むしろ、上述したように、カラー温度の差は、利点のバランスを達成する該装置を画定する一態様である。さらに、該照明装置は高いCRI Raを達成する一方で、高効率の白色光をも達成する点を強調したい。これらの様々な特性の間の有利なバランスは、該照明装置によりもたらされ、該照明装置は比較的高いCRI Raを達成する。
・・・
色度範囲はCRI Ra値に関連していないように思われる。しかしながら本願の請求項1及び6は構成dのみを主張しているのではない。これらの請求項は、他の構成の中で、照明装置が上述の複数の利点、そのうちの一つが驚くほど高いCRI Ra値である利点を達成することを容易にする構成を備える照明装置について記載している。本願の照明装置は、許容可能なカラー温度とより演色評価数を有し、効率性と白色LEDの長寿命とを兼ね揃えた高効率の(すなわち、比較的非効率な光源の利用を回避する)白色光を達成する。放射された光の色度範囲は、照明装置の他の構成、例えば請求項1,6に記載の他の構成と組み合わせて、CRI Ra値、及びCRI Raと他の有益な構成との間のバランスに確実に影響を与える。たとえ混合された光の色度範囲が単独ではCRI Ra及び/又は他の有益な特徴を決定づけることができないとしても、放射された光の色度範囲は、他の上述の利点を達成しつつ構成の組み合わせを限定し、CRI Ra値を高める。なぜならば、構成c及びdは、(たとえ間接的に又は他の構成との組み合わせによっても)照明装置の上述の結果及び利点に影響を与え、また、構成c及びd(及びa及びb)は上述の利点(例えば高いCRI Ra値、高効率)を達成する照明装置を画定しているからである。そしてこれらの利点の全ては、構成の組み合わせで考慮されるべきである。」と主張している。

(オ) しかし、引用発明1と、引用文献3に記載された照明装置とは、いずれも、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて白色の光を形成し、さらに赤色LEDを加えて演色性を高めた照明装置であるとともに、緑色LEDや赤色蛍光体を用いていない点で高効率の白色光を達成するものである。
また、引用発明1は、「白色LED素子10aの色温度と白色LED素子10bの色温度とをそれぞれ異なるものにして、それらを独立して調光すれば、光色を可変でき」るものであり、引用文献3に記載された照明装置は、混光の色温度が2800K乃至3500Kの許容可能なカラー温度を得るものである。
してみれば、本願発明について、格別な作用効果は認められない。

6 小括
以上によれば、本願発明は、当業者が引用発明1及び引用文献2?3の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものである。

7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-09-07 
結審通知日 2015-09-08 
審決日 2015-09-24 
出願番号 特願2012-163702(P2012-163702)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高椋 健司  
特許庁審判長 吉野 公夫
特許庁審判官 恩田 春香
山口 裕之
発明の名称 照明装置及び方法  
代理人 小林 泰  
代理人 山本 修  
代理人 大塚 住江  
代理人 竹内 茂雄  
代理人 小野 新次郎  
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